説明

二連式容器

【課題】気密性に優れ、内容物をスムーズに吐出することができるうえ、部品紛失を招き難くしながら簡便に組み立てられること。
【解決手段】上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム11を有する一対の吐出容器2、3と、各ステムに一体に装着され、押し下げ操作させられることで吐出容器内の内容物を同時に吐出させる吐出ヘッド部材4と、を備え、吐出ヘッド部材が、接続筒20と、該接続筒に一体成形され、その先端に内容物を吐出させる吐出口32、33が形成された吐出ノズル30と、該吐出ノズルを挟んだ接続筒の両端部に接続されると共に、一端部がステムに装着される装着筒40と、を備え、装着筒が、接続筒の両端部にヒンジ部50を介して回動自在に接続され、他端部が接続筒に離脱自在に嵌合されている二連式容器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器を2つ備える二連式容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の二連式容器として、左右一対のエアゾール缶と、両エアゾール缶のステムに装着されたヘッド部材と、を備え、ヘッド部材の押し下げ操作により両エアゾール缶の内容物を混合状態で噴出可能とした二連エアゾール式混合容器が知られている(特許文献1参照)。
上記ヘッド部材は、横長通路を有する横長中空箱と、横長中空箱の左右から垂下され、上記ステムに嵌合される脚筒と、横長中空箱の左右方向中間部から前方突出されたノズルと、を備えている。そのため、ヘッド部材の押し下げ操作によって、両エアゾール缶の内容物を脚筒内及び横長通路をそれぞれ通過させた後、共通のノズルから噴出させることが可能とされている。
なお、両エアゾール缶のステムにそれぞれ嵌合される左右の脚筒と横長中空箱とは、複数の部品が組み合わされて構成されていることが多く、例えば、脚筒が設けられた部品を横長中空箱を構成する部品に対して組み付けることでヘッド部材が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3964285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ヘッド部材を複数の部品の組み合わせで構成した場合には、ヘッド部材の組み立て精度にムラが生じ易く十分な気密性を確保することが難しい場合があった。また、組み立て時や、内容物の洗浄作業等に伴う分解、再組み立て時等に部品紛失を招き易いうえ、手間がかかり易い。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、気密性に優れ、内容物をスムーズに吐出することができるうえ、部品紛失を招き難くしながら簡便に組み立てることができる吐出ヘッド部材を具備する二連式容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係る二連式容器は、上方付勢状態で押し込み可能に起立したステムを有する一対の吐出容器と、一対の前記吐出容器の各ステムに一体に装着され、押し下げ操作させられることで前記吐出容器内の内容物を同時に吐出させる吐出ヘッド部材と、を備え、前記吐出ヘッド部材が、前記吐出容器が並列に並ぶ方向に沿って延びた接続筒と、該接続筒の長手方向中間部に突設され、且つ該接続筒に一体成形され、その先端に前記内容物を吐出させる吐出口が形成された吐出ノズルと、該吐出ノズルを挟んだ前記接続筒の両端部に接続されると共に、一端部が前記ステムに装着される装着筒と、を備え、前記装着筒が、前記接続筒の両端部にヒンジ部を介して回動自在に接続され、他端部が接続筒に離脱自在に嵌合されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る二連式容器によれば、吐出ヘッド部材を押し下げ操作することで、両吐出容器のステムを同時に押し込むことができるので、両吐出容器内の内容物を、装着筒、接続筒及び吐出ノズルの順に流動させた後、吐出ノズルの吐出口から同時に吐出させることができる。よって、1回の押し下げ操作で効率良く内容物を吐出させることができ、また例えば異種の内容物を吐出中や吐出後に簡単に混合させるといったことも可能である。
【0008】
ところで、吐出ヘッド部材のうち、装着筒がヒンジ部を介して接続筒に回動自在に接続されているので、決まった回動操作によって該装着筒の他端部を接続筒に嵌合させることができる。そのため、設計通りに接続筒と装着筒とを組み合わせることができ、高い組み立て精度を確保することができる。
従って、接続筒と吐出ノズルとが別体部品ではなく一体成形品とされていることと相まって、気密性に優れた吐出ヘッド部材とすることができ、内容物をステムから吐出口まで漏出の可能性少なくスムーズに流動させて吐出させることができる。そのため、吐出性能に優れた容器とすることができる。
【0009】
また、接続筒と吐出ノズルとが一体成形されているうえ、接続筒と装着筒とがヒンジ部を介して接続されているので、部品紛失することなく吐出ヘッド部材を簡便に組み立てることができると共に、例えば内容物の洗浄作業等を行う場合であっても、部品紛失を招くことなく吐出ヘッド部材の分解、再組み立てを行うことができる。
【0010】
(2)上記本発明に係る二連式容器において、前記接続筒の両端部には、前記装着筒に形成された係合片に係合し、該係合によって接続筒からの装着筒の他端部の離脱を規制する係合爪が突設されていても良い。
【0011】
この場合には、装着筒の他端部が接続筒に嵌合している状態で係合爪が係合片に係合しており、これにより接続筒からの装着筒の他端部の離脱が規制されている。そのため、接続筒に対する装着筒のがたつきを抑えることができ、高い組み立て精度で組み合わされた接続筒と装着筒との組み立て状態を維持し易い。そのため、吐出ヘッド部材の気密性を長期に亘って維持し易く、吐出性能の向上化に繋げることができる。
【0012】
(3)上記本発明に係る二連式容器において、前記係合爪が、前記装着筒を挟んで向かい合うように一対設けられ、前記ヒンジ部が、一対の前記係合爪同士が互いに対向する方向に沿って延設していても良い。
【0013】
この場合には、一対の係合爪を利用できるので、接続筒に対する装着筒のがたつき等を効果的に抑制でき、接続筒と装着筒との確実な組み立て状態をより確実に維持し易い。
また、一対の係合爪同士が互いに対向する方向に沿ってヒンジ部が延設しているので、一対の係合爪が装着筒の回動操作に干渉することがなく、吐出ヘッド部材の組み立て作業を確実に行える。また、一対の係合爪から係合片に対して均等に効率良く力が伝わり易く、係合爪に対する係合片の係脱を容易に行い易い。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二連式容器によれば、気密性に優れた吐出ヘッド部材を具備しているので内容物をスムーズに吐出することができるうえ、吐出ヘッド部材の組み立て時等に部品紛失を招き難い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る二連式容器の実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す吐出ヘッド部材の装着状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す吐出ヘッド部材の上面図(一部断面図)である。
【図4】図3に示すA−A線に沿った吐出ヘッド部材の断面図である。
【図5】図4に示す矢印B方向から見た吐出ヘッド部材の側面図である。
【図6】図4に示す状態から、装着筒を接続筒から離脱させた状態を示す図である。
【図7】図6に示す状態の吐出ヘッド部材を矢印C方向から見た上面図である。
【図8】図7に示す矢印D方向から見た吐出ヘッド部材の側面図である。
【図9】吐出ノズル及び接続筒の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(二連式容器の構成)
以下、本発明に係る二連式容器の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、二連式容器1は、一対の吐出容器2、3と、吐出ヘッド部材4と、カバー部材5と、を備えている。
【0017】
一対の吐出容器2、3は同じ構成とされており、本実施形態では液体状の図示しない内容物が充填されたエアゾール缶を例に挙げて説明する。
これら吐出容器2、3は、並列に並んだ状態で有底筒状の収納ケース6内に収納されている。吐出容器2、3には、上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム11がそれぞれ配設されている。そして、ステム11が押し下げられることで内容物が吐出される。
【0018】
なお、本実施形態では、それぞれの吐出容器2、3の中心軸を容器軸Oと称し、該容器軸Oに沿って吐出容器2、3の底部側を下側、ステム11側を上側とする。また、容器軸Oに直交する方向を径方向とする。更に、吐出容器2、3が並列に並ぶ方向を長軸方向L1、容器軸O及び長軸方向L1にそれぞれ直交する方向を短軸方向L2とする。
【0019】
収納ケース6は、長軸方向L1に長い横断面視楕円状に形成されている。
吐出ヘッド部材4は、図2から図5に示すように、吐出容器2、3のステム11の上端部に装着され、押し下げ操作させられることで吐出容器2、3内の内容物を同時に吐出させる部材であって、長軸方向L1に伸びた接続筒20と、この接続筒20の長手方向中間部、即ち長軸方向L1の中間部に形成された吐出ノズル30と、吐出ノズル30を挟んだ接続筒20の両端部に接続された2つの装着筒40と、を備えている。
【0020】
接続筒20は、前記長軸方向L1に沿って延びる円筒状の筒部材であり、その両端部には端壁21が形成されている。この端壁21は、側面視長方形状に形成されており、その中央部には開口が形成されて接続筒20の内部に連通している(図8参照)。なお、端壁21は容器軸O方向よりも短軸方向L2に長い側面視長方形状とされている。
【0021】
端壁21における短軸方向L2の両端部には、長軸方向L1に沿いながら接続筒20の外方に向けて突設された係合壁22が短軸方向L2に向かい合うように配置されている。そして、互いに向かい合う係合壁22の内面には、装着筒40の後述する鍔部(係合片)44に係合する係合爪23がそれぞれ突設されている。つまり係合爪23は、装着筒40を挟んで向かい合うように配置されている。
なお係合爪23は、係合壁22における容器軸O方向の中間部であって、端壁21から上記鍔部44の略厚み分だけ、接続筒20から長軸方向L1の外方に離間した位置に形成されている。
【0022】
吐出ノズル30は、接続筒20の長軸方向L1の中間部から短軸方向L2に沿って突設されたノズルであり、接続筒20に対して一体成形されて該接続筒20の内部に連通している。図示の例では、2つの円筒を長軸方向L1に並べて接合し、横断面視8の字状に形成されている。そのため、図3及び図4に示すように、吐出ノズル30内には仕切り壁31によって第1吐出路R1及び第2吐出路R2が画成されている。
また、上記仕切り壁31は、吐出ノズル30を越えて接続筒20内に延びており、接続筒20内の空間を第1吐出路R1に連通する第1空間C1と、第2吐出路R2に連通する第2空間C2とに区画している。
吐出ノズル30の先端部には、図1から図3に示すように、第1吐出路R1及び第2吐出路R2にそれぞれ連通する第1吐出口32及び第2吐出口33が形成されている。
【0023】
図2から図5に示すように、装着筒40は上記したように接続筒20の両端部に接続されると共に、吐出容器2、3のステム11の上端部に装着される筒部材であって、内容物をステム11から接続筒20内に導く役割を果している。そして、この装着筒40によってステム11の上端部に吐出ヘッド部材4の全体が装着されている(図2参照)。
【0024】
装着筒40は、第1筒体41と第2筒体42とが連結することで90度の角度で屈曲したL字状の筒本体43を備えている。
図示の例では、第1筒体41及び第2筒体42は共に円筒状に形成され、第1筒体41よりも第2筒体42の方が小径とされている。また、第1筒体41は、長軸方向L1に沿って接続筒20から長軸方向L1の外方に向けて突出し、第2筒体42は、第1筒体41における長軸方向L1の外端部41bから下方に向けて突出している。
【0025】
第1筒体41の長軸方向L1の内端部(装着筒40の他端部)41aは、接続筒20内に離脱自在に嵌合されている。また第1筒体41には、この内端部41aと上記外端部41bとの連結部分に、第1筒体41の径方向外側に向かって環状の鍔部44が突設されている。
鍔部44は、外周縁が側面視正方形状に形成されており、接続筒20の両端部に形成された端壁21に当接している。このとき鍔部44は、係合壁22に形成された係合爪23に係合させられており、端壁21に当接した状態が確実に維持されている。これにより、接続筒20からの装着筒40の内端部41aの離脱が規制されている。
【0026】
第2筒体42の端部(装着筒40の一端部)には、連結筒体45が連設されている。この連結筒体45は、第2筒体42よりも大径とされ、ステム11に外嵌する円筒状に形成されている。
【0027】
ところで、このように構成された装着筒40は、接続筒20の両端部にヒンジ部50を介して回動自在に接続されている。このヒンジ部50は、接続筒20の両端部に形成された端壁21の上端縁と、装着筒40における第1筒体41の鍔部44の上端縁と、を接続している。
これにより、ヒンジ部50を中心として装着筒40を接続筒20に対して上方側に回動させることで、図6から図8に示すように、第1筒体41の内端部41aを接続筒20から離脱させて、装着筒40全体を接続筒20の上方側に移動させることが可能とされている。
なお、図6から図8は、吐出ヘッド部材4の組み立て前の状態又は分解状態を示す図である。
【0028】
なお本実施形態では、ヒンジ部50が一対の係合壁22及び係合爪23に対して接続筒20の周方向に略90度ずれた位置に形成されている。つまり、ヒンジ部50は、一対の係合爪23同士が互いに対向する方向(短軸方向L2)に沿って延設され、ヒンジ軸が短軸方向L2に対して平行している。そのため、係合壁22及び係合爪23が装着筒40の上記した回動を阻害することがない。
【0029】
カバー部材5は、図1に示すように、吐出ヘッド部材4を覆った状態で収納ケース6の上端部分に着脱自在に装着された部材であって、横断面視楕円状の周壁部5aと、周壁部5aの上方開口部を塞ぐ天壁部5bと、で有頂筒状に形成されている。
周壁部5aの一部には、吐出ヘッド部材4の吐出ノズル30を突出させる吐出開口51が形成されている。天壁部5bには、吐出ヘッド部材4を押し下げ操作可能に覆う操作レバー52が設けられ、ヒンジ部53を介して天壁部5bに接続されている。
【0030】
(二連式容器の使用)
次に、このように構成された二連式容器1を使用する場合について説明する。
まず、図1に示すように、カバー部材5の操作レバー52を押し込んでヒンジ部53回りに回動させると、その押圧力が吐出ヘッド部材4に伝達されて該吐出ヘッド部材4が押し込まれる。これにより、一対の吐出容器2、3のステム11を同時に押し込むことができる。
そして、ステム11が押し下げられると、両吐出容器2、3内に充填されている各内容物は、装着筒40、接続筒20及び吐出ノズル30の順に流動した後、第1吐出口32及び第2吐出口33から吐出される。詳細には、ステム11から吐出された内容物は、装着筒40内を流れた後、接続筒20内の第1空間C1及び第2空間C2をそれぞれ経由して、吐出ノズル30内の第1吐出路R1及び第2吐出路R2を流れ、そのまま混合されることなく第1吐出口32及び第2吐出口33より各別に吐出される。
【0031】
このように本実施形態では、操作レバー52を押し下げ操作することで両吐出容器2、3のステム11を同時に押し込んで、両吐出容器2、3内の内容物を同時に混合させることなく吐出させることができる。従って、1回の押し下げ操作で効率良く内容物を吐出させることができる。また、例えば異種の内容物を吐出後に簡単に混合させることも可能である。
【0032】
ところで本実施形態では、吐出ヘッド部材4のうち、装着筒40がヒンジ部50を介して接続筒20に回動自在に接続されているので、決まった回動操作によって該装着筒40の内端部41aを接続筒20内に挿入して嵌合させることができる。そのため、設計通りに接続筒20と装着筒40とを組み合わせることができ、高い組み立て精度を確保することができる。
従って、接続筒20と吐出ノズル30とが一体成形品とされていることと相まって、気密性に優れた吐出ヘッド部材4とすることができ、内容物をステム11から両吐出口32、33まで漏出の可能性少なくスムーズに流動させて吐出させることができる。その結果、吐出性能に優れた容器とすることができる。
【0033】
また、接続筒20と吐出ノズル30とが一体成形されているうえ、接続筒20と装着筒40とがヒンジ部50を介して接続されているので、部品紛失することなく簡便に吐出ヘッド部材4を組み立てることができると共に、例えば内容物の洗浄作業を行う場合であっても部品紛失を招くことなく吐出ヘッド部材4の分解、再組み立てを行うことができる。
【0034】
更に、装着筒40を接続筒20に組み合わせる際、第1筒体41の内端部41aが接続筒20内に内嵌している状態で、接続筒20の係合爪23が装着筒40の鍔部44に係合する。そのため、装着筒40のがたつき等を抑え、高い組み立て精度で組み合わされた接続筒20と装着筒40との組み立て状態を維持し易い。従って、吐出ヘッド部材4の気密性を長期に亘って維持し易く、吐出性能のさらなる向上化に繋げることができる。
【0035】
特に本実施形態では、係合爪23が装着筒40を挟んで向かい合うように一対設けられているので、接続筒20に対する装着筒40のがたつき等を効果的に抑制でき、接続筒20と装着筒40との組み合わせ状態をより確実に維持し易い。しかも、これら一対の係合爪23は装着筒40の回動操作に干渉することがないので、吐出ヘッド部材4の組み立て作業を確実に行える。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、仕切り壁31を利用して、吐出ノズル30内を第1吐出路R1及び第2吐出路R2に区画すると共に、接続筒20内を第1空間C1及び第2空間C2に区画して、吐出容器2、3内の内容物を混合させることなく吐出させたが、混合状態で吐出させても構わない。この場合には、例えば図9に示すように、仕切り壁31のない単純な筒状の吐出ノズル30を接続筒20に一体成形して、共通の吐出路R及び空間Cを内部に画成しておけば良い。
【0038】
また、上記実施形態では、吐出容器の一例としてエアゾール缶を例に挙げて説明したが、ポンプ部を利用して内容物を吐出させるタイプの吐出容器であっても構わない。この際のポンプ部は、ステム11を押し下げることによって内容物を吸い上げ、吐出口から吐出させるものであれば公知のもので良く、例えば、内容物を液状で吐出する液ポンプや、空気シリンダ及び空気ピストンを構成に加えて内容物を泡状に吐出するフォーマーポンプや、内容物を霧状に吐出するスプレーポンプであっても構わない。
【0039】
特に、ポンプ部を利用して内容物を吐出させる場合において、内容物としてクリーム等の高粘度のものを採用し、且つ図9に示すような吐出ノズル30を用いて両吐出容器内の内容物を混合状態で吐出させる場合、共通の吐出路R内に螺旋状のスクリュー部材を組み込んでも構わない。こうすることで、例えば二色の内容物を螺旋状に撚り合わせた状態で吐出させることが可能となる。
【0040】
また、上記実施形態において、吐出ノズル30をストレート形状ではなく先端に向かって上方湾曲又は下方湾曲させた形状としても構わない。また、吐出ノズル30を短軸方向L2に突出するのではなく、容器軸O方向に沿って上方に突出するように形成しても構わない。
【0041】
また、上記実施形態では、操作レバー52を設けた構成としたが、該操作レバー52は必須な構成ではなく設けなくても構わない。この場合には、吐出ヘッド部材4を直接押し込み操作すればよい。
但し、操作レバー52を設けることで、吐出ヘッド部材4の全体を覆うことができるので、吐出ヘッド部材4に塵埃等が付着してしまうことを防ぐことができ、内容物以外の汚れ等が吐出ヘッド部材4に着き難い。
【0042】
また、上記実施形態では、一対の吐出容器2、3を収納ケース6内に収納し、カバー部材5で吐出ヘッド部材4を覆った構成としたが、これら収納ケース6及びカバー部材5は必須ではなく、具備しなくても良い。
【符号の説明】
【0043】
1…二連式容器
2、3…吐出容器
4…吐出ヘッド部材
11…ステム
20…接続筒
23…係合爪
30…吐出ノズル
32、33…吐出口
40…装着筒
44…鍔部(係合片)
50…ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方付勢状態で押し込み可能に起立したステムを有する一対の吐出容器と、
一対の前記吐出容器の各ステムに一体に装着され、押し下げ操作させられることで前記吐出容器内の内容物を同時に吐出させる吐出ヘッド部材と、を備え、
前記吐出ヘッド部材は、
前記吐出容器が並列に並ぶ方向に沿って延びた接続筒と、
該接続筒の長手方向中間部に突設され、且つ該接続筒に一体成形され、その先端に前記内容物を吐出させる吐出口が形成された吐出ノズルと、
該吐出ノズルを挟んだ前記接続筒の両端部に接続されると共に、一端部が前記ステムに装着される装着筒と、を備え、
前記装着筒は、前記接続筒の両端部にヒンジ部を介して回動自在に接続され、他端部が接続筒に離脱自在に嵌合されていることを特徴とする二連式容器。
【請求項2】
請求項1に記載の二連式容器において、
前記接続筒の両端部には、前記装着筒に形成された係合片に係合し、該係合によって接続筒からの装着筒の他端部の離脱を規制する係合爪が突設されていることを特徴とする二連式容器。
【請求項3】
請求項2に記載の二連式容器において、
前記係合爪は、前記装着筒を挟んで向かい合うように一対設けられ、
前記ヒンジ部は、一対の前記係合爪同士が互いに対向する方向に沿って延設していることを特徴とする二連式容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−229025(P2012−229025A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97129(P2011−97129)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】