説明

二酸化炭素の還元方法及び還元装置

【課題】排ガス等に含まれる二酸化炭素を再利用可能な有用物質に効率よく簡便な手法で変換可能な二酸化炭素の還元方法及び還元装置を提供する
【解決手段】二酸化炭素を吸収した水性液に、光触媒の存在下で可視光を照射して水性液中の二酸化炭素を光還元する光反応工程によって、メタン等の還元生成物が得られる。吸収塔において排ガス等を水性液に接触させて二酸化炭素を水性液に吸収させ、水性液に吸収された二酸化炭素は、光反応塔で行う光反応において光還元される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスなどに含まれる二酸化炭素を還元して還元生成物としての提供を可能とするための二酸化炭素の還元方法及び二酸化炭素の還元装置に関し、特に、排ガス等に含まれる二酸化炭素を分離して清浄なガスを大気に還元すると共に、二酸化炭素を有用物質に転換して有効利用を可能とするための二酸化炭素の還元方法及び二酸化炭素の還元装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所や製鉄所、ボイラーなどの設備では、石炭、重油、超重質油などの燃料を多量に使用しており、燃料の燃焼によって排出される硫黄酸化物、窒素酸化物及び二酸化炭素は、大気汚染防止や地球環境保全の見地から放出に関する量的及び濃度的制限が必要とされている。近年、二酸化炭素は地球温暖化の主原因として問題視され、世界的にも排出を抑制する動きが活発化している。このため、燃焼排ガスやプロセス排ガスの二酸化炭素を大気中に放出せずに回収・貯蔵を可能とするために、様々な研究が精力的に進められ、二酸化炭素の回収方法として、例えば、PSA(圧力スウィング)法、膜分離濃縮法や、塩基性化合物による反応吸収を利用する化学吸収法などが知られている。
【0003】
化学吸収法においては、主にアルカノールアミン系の塩基性化合物を吸収剤として用い、その処理では、概して、吸収剤を含む水性液を吸収液として、ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収された二酸化炭素を吸収液から放出させて吸収液を再生する再生塔とを循環させて、吸収及び再生を交互に繰り返す。再生塔においては、二酸化炭素を放出させるための加熱が必要であり、再生後の吸収液は、吸収塔において再使用するために冷却される(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
上述のような回収方法に従って回収される二酸化炭素は、地中へ貯留したり、再利用可能な形態へ転換する必要がある。このため、二酸化炭素の再利用を促進するために、二酸化炭素を他の有用な物質に変換する方法の開発が進められ、例えば、水素を用いた還元反応やバイオ技術を利用して二酸化炭素からメタンを生成する方法や、光エネルギーを利用して二酸化炭素を一酸化炭素と酸素とに分解し、得られる一酸化炭素を炭化水素系化合物の生成に利用することなどが試みられている。
【0005】
光触媒反応に関して、下記特許文献2,3は、各々、可視光を動作光とする光触媒として、酸化チタン等の金属酸化物を含む触媒を開示しており、特許文献3においては、可視光領域の光照射によって水から水素を生成することを記載している。一方、下記特許文献4においては、触媒として遷移金属錯体を溶解した有機溶媒中に二酸化炭素を導入して、近紫外光を照射することによって一酸化炭素を生成することを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−214089号公報
【特許文献2】特開2001−205104号公報
【特許文献3】特開2009−262071号公報
【特許文献4】特開2002−179420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
可視光による光触媒反応は、太陽光による自然エネルギーを効率よく利用でき、省エネルギー及び環境保護の点から好ましい。しかし、光触媒反応は、一般に、反応基質、反応条件や共存物質の有無等によって状況が大きく異なり、触媒機能は大きく変動する。このため、排ガス等から回収される二酸化炭素の再利用を光触媒反応によって可能とするには、反応条件等について検討する必要であり、実用化に当たっては、実施条件を特定するために様々な問題を解決する必要がある。
【0008】
本発明の課題は、上述の問題を解決し、排ガス等に含まれる二酸化炭素を再利用可能な有用物質に効率よく簡便な手法で変換可能な二酸化炭素の還元方法および還元装置を提供することである。
【0009】
又、本発明の課題は、排ガス等に含まれる二酸化炭素を分離・回収して清浄なガスにすると共に、回収される二酸化炭素を、煩雑な手法を用いることなく、自然エネルギーを利用して再利用可能な有用物質に変換可能な二酸化炭素の還元方法および還元装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、水性液中の二酸化炭素を、光触媒を用いて可視光域の光を照射することによって還元可能であり、この光反応工程を二酸化炭素の回収プロセスに組み込むことによって、二酸化炭素を吸収した吸収液の再生と二酸化炭素の還元とを共に達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の一態様によれば、二酸化炭素の還元方法は、二酸化炭素を吸収した水性液に、光触媒の存在下で可視光を照射して前記水性液中の二酸化炭素を光還元する光反応工程を有することを要旨とする。
【0012】
上記二酸化炭素の還元方法は、更に、二酸化炭素を含有するガスを水性液に接触させて前記水性液に二酸化炭素を吸収させる吸収工程を有し、前記吸収工程によって吸収された二酸化炭素を前記光反応工程において光還元するように構成可能である。
【0013】
更に、本発明の一態様によれば、二酸化炭素の還元装置は、二酸化炭素を吸収した水性液に、光触媒の存在下で可視光を照射して前記水性液中の二酸化炭素を光還元する光反応塔を有することを要旨とする。
【0014】
上記二酸化炭素の還元装置は、更に、二酸化炭素を含有するガスを前記水性液に接触させて前記水性液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔を有し、前記吸収塔において吸収された二酸化炭素を前記光反応塔において光還元するように構成可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、排ガス等に含まれる二酸化炭素を回収すると共に、少ない消費エネルギーで効率よく二酸化炭素を還元して、再利用可能な物質として供給可能な二酸化炭素の還元方法および還元装置が提供できる。特殊な装備や高価な装置を用いずに装置の耐用年数を確保でき、一般的な設備を利用して簡易に実施できるので、省エネルギー及び環境保護に貢献可能な二酸化炭素の回収装置を提供できる。又、還元反応に自然エネルギーを有効利用でき、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る二酸化炭素の還元装置を示す概略構成図。
【図2】本発明の二酸化炭素の還元反応における経時変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
化学吸収法による二酸化炭素の回収プロセスは、ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に接触させて吸収させる吸収工程と、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出させて吸収液を再生する再生工程とを交互に繰り返し行って再生工程で放出される人酸化炭素を回収し、吸収液として二酸化炭素と反応する吸収剤を含んだ水性液が用いられる。吸収剤には、概してアミン類化合物が用いられ、二酸化炭素の吸収反応は発熱反応であるので、二酸化炭素を放出させて吸収液を再生するには熱を供給する必要があり、概して、吸収液の沸点付近(100℃付近又はそれ以上)に加熱する。このため、再生工程については、エネルギー消費だけでなく、吸収剤の熱による劣化等の問題もある。二酸化炭素を吸収液から放出させずにそのまま他の物質に変換可能であれば、プロセスの簡略化が可能となるが、化学吸収法で用いる吸収液は水性液であり、有機溶媒系で行われる反応を直接利用することはできないので、適用可能な反応手法の決定は容易ではないと予想される。
【0018】
本発明では、二酸化炭素の水相での反応について検討した結果、光触媒反応による二酸化炭素の還元が可能であり、吸収液を用いて回収される二酸化炭素をメタンに変換できることを見出し、本発明の光触媒反応による二酸化炭素の還元を実現するに至った。この際、照射光として可視光域の波長の光を利用可能であり、吸収剤が存在しても二酸化炭素の光還元は進行する。
【0019】
詳細には、本発明における光触媒による二酸化炭素の還元反応は、二酸化炭素を含有する水性液に光触媒の共存下で光照射することによって進行し、水性液中の二酸化炭素と水とが反応して二酸化炭素が還元され、還元生成物として、主としてメタン等が得られる。反応系は水性液であって、水のみの媒体中で光触媒反応は進行し、親水性有機溶剤を含んでもよいが必須ではない。水性液への二酸化炭素の吸収と、吸収された二酸化炭素の光還元とを同時に並行して進行させることも、又、個別に行うことも可能である。
【0020】
二酸化炭素の光還元反応における動作光の波長領域は、使用する光触媒に依存し、本発明においては、二酸化炭素に対して可視光応答性を示す触媒を使用し、可視光域での光反応が可能であるので、太陽光等の自然光及びランプ、発光体等の人工光源の何れを利用しても反応が進行する。一般的に光反応に用いられる紫外光が太陽光に含まれる割合は僅かであって約80%は可視光であるので、光還元反応に可視光が利用可能である点は太陽光エネルギーの利用に有利である。使用可能な光触媒には、有機金属錯体触媒や半導体を用いた触媒、無機触媒があり、有機金属錯体触媒としては、例えば、レニウム−ルテニウム超分子錯体等の複核金属錯体;fac-Re(bpy)(CO)3Cl、cis-[Re(bpy)2(CO)2]PF6等のレニウムビピリジン錯体[Re(4,4’−X−2,2’−bpy)(CO)2(L)(L’)]n+(n=0,1、L,L’=CO,トリアルキルホスフィン,トリアリールホスフィン,トリアルコキシホスフィン,三ハロゲン化リン,ピリジン,Cl,SCN等);Ru(bpy)2Cl2等のルテニウムビピリジン錯体やビピリジン−ジカルボン酸−ルテニウム錯体などが挙げられ、ビピリジン−カルボン酸−ルテニウム錯体は光増感作用を有する色素として有用な化合物である。無機触媒としては、Cd/ZnS、Pb/ZnS、Ni/ZnS、Ag/ZnS、Cu/ZnS等の硫化物系触媒;SrTiO3、Cu/WO3、Pd/WO3、Pt/WO3、CoCl2、等の酸化物系触媒又は酸化物担持触媒;CoCl2、等の塩化物系触媒などが挙げられる。反応速度の速さから、レニウムビピリジン錯体が特に好ましい。上記のような触媒が水性液中に存在すると、可視光を含む光照射によって水性液に含まれる二酸化炭素及び水からメタンを生成する還元反応が進行し、酸素及び若干量の水素も発生し得る。使用する触媒によってはメタノール等の酸素含有有機化合物が若干量生成する場合もある。光触媒は、水性液の0.1〜5質量%程度となる割合で水性液に配合して光反応に用いるとよい。光還元反応は高温でも進行するが、その反応効率は、吸収液中に含まれる二酸化炭素量に依存するので、低温、高圧条件において吸収液の二酸化炭素濃度を高くして光還元反応を行うと有利であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは0〜10℃程度の温度で、大気圧以上、好ましくは10kPaG程度以上の加圧条件で光還元を行うとよい。この点に関し、反応装置は、ガラス製のものより耐圧性を有する反応装置を使用すると有利である。メタンの水に対する溶解度は二酸化炭素より極めて小さく、生成したメタンは水性液から放出される。
【0021】
水に溶解し易い二酸化炭素は、接触する雰囲気から水中に移行し得るので、光触媒を含んだ水に光照射すれば、二酸化炭素の水への吸収と、光還元反応の進行とが同時に並行する。この場合、水を仲介体として雰囲気中の二酸化炭素がメタン等に変換されて放出されるが、水への二酸化炭素の吸収を二酸化炭素の光還元から分離させて個別に行うと、二酸化炭素の吸収工程は、排ガスの清浄化工程として、二酸化炭素の光還元工程は、水からの二酸化炭素除去(つまり吸収液の再生)工程として機能させることができ、二酸化炭素の還元生成物は浄化された排ガスから分離して回収できる。
【0022】
また、二酸化炭素の回収において吸収剤として一般的に使用されるアミン類化合物は、本発明において光還元反応を行う際に光触媒を阻害せず、むしろ、触媒の分散安定化や電子供与作用に寄与し得る。更に、光還元反応に使用する光触媒も、吸収剤と二酸化炭素との作用を阻害しない。故に、本発明においては、化学吸収法による二酸化炭素の回収において一般的に使用される吸収液、つまり、吸収剤を含む水性液を利用可能であり、吸収剤の二酸化炭素吸収促進によって光還元反応の効率も向上する。
【0023】
従って、本発明の水系での二酸化炭素の光還元反応は、吸収液を用いた二酸化炭素の回収プロセスにおける吸収液の再生工程の代わりに実施することができ、このように置き換えると、排ガス等の浄化後に必須であった加熱による吸収液の再生工程が省略できると共に、回収される二酸化炭素からの還元生成物が、浄化した排ガスとは分離して得られるので、還元生成物を資源として供給・再利用し易い。つまり、本発明における二酸化炭素の還元方法は、二酸化炭素を含有するガスを吸収液に接触させて吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収工程と、二酸化炭素を吸収した吸収液に光触媒の存在下で光照射して二酸化炭素を還元する光反応工程とを個別に行うように構成すると極めて実用的な方法となる。二酸化炭素を吸収した吸収液から吸収剤を除去せずにそのまま光還元反応を施すことができる。更に、光還元反応に使用する光触媒も、吸収工程から排除する必然性はなく、光還元反応を行った後の吸収液を二酸化炭素の吸収に還流させて使用可能である。従って、吸収剤及び光触媒を含有する水性液を用いて吸収工程及び光反応工程の両方を実施可能であり、両工程間を循環させて繰り返し使用できる。但し、本発明において使用する光触媒には、水溶性のものだけでなく、難溶性又は不溶性のものもあり、不溶性又は難溶性の光触媒については、固形物の目詰まり等による流体循環系への障害や構造的負担が考えられるので、必要に応じて、光触媒が光反応工程に集中して光触媒以外の吸収液が優先的又は選択的に吸収工程へ還流するように装置を構成すると好ましい。
【0024】
吸収液として使用する水性液は、吸収剤として二酸化炭素に親和性を有する化合物を含有し、吸収剤としては、アルカノールアミン類やアルコール性水酸基を有するヒンダードアミン類、環状アミン類などが挙げられ、具体的には、アルカノールアミンとして、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミン等を例示することができ、アルコール性水酸基を有するヒンダードアミンとしては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−(エチルアミノ)エタノール(EAE)、2−(メチルアミノ)エタノール(MAE)等を、環状アミンとしてはピペラジン、2−メチルピペラジン等を例示できる。通常、モノエタノールアミン(MEA)の使用が好まれ、複数種を組み合わせて使用しても良い。吸収液の吸収剤濃度は、処理対象とするガスに含まれる二酸化炭素量や処理速度等に応じて適宜設定することができ、吸収液の流動性や消耗損失抑制などの点を考慮すると、概して、10〜50質量%程度の濃度が適用され、例えば、二酸化炭素含有量が20%程度のガスGの処理に対して、濃度30質量%程度の吸収液が好適に使用される。二酸化炭素の吸収が好適に進行するように、ガスに含まれる二酸化炭素量及び気液接触効率等に応じて吸収工程へのガス及び吸収液の供給速度が適宜設定される。二酸化炭素は、低温において良好に吸収されるので、概して50℃程度以下、好ましくは40℃以下となるように吸収液の液温や装置内の温度を冷却器等を利用して調整する。吸収液は二酸化炭素の吸収によって発熱するので、これによる液温上昇を考慮し、液温やガスの温度が60℃を超えないように温度制御することが望ましい。吸収工程に供給されるガスについても、ガス冷却塔等を用いて適正な温度、好ましくは40℃程度以下に調整するとよい。又、ガスの圧力が高いと二酸化炭素の吸収効率が向上する。
【0025】
二酸化炭素に対して可視光応答性を示す前述のような触媒を光触媒として吸収液に配合して、可視光を含む照射を施すことによって光反応が進行する。光触媒は、吸収液の0.1〜1質量%程度となる割合で吸収液に配合すると良く、触媒を含んだ吸収液は、可視光が照射されると、吸収液に含まれる二酸化炭素及び水からメタンを生成する還元反応が進行する。光還元反応の反応効率は、吸収液中に含まれる二酸化炭素量に依存するので、低温、高圧条件において吸収液の二酸化炭素濃度が高い状態で光還元反応を行うと有利であり、好ましくは50℃以下、大気圧以上、より好ましくは40℃程度以下、10kPaG程度以上の条件で光還元を行うとよい。光還元反応の進行によって、吸収液中の二酸化炭素量は減少し、生成するメタンが吸収液から放出される。従って、光還元後の吸収液は、加熱による吸収液の再生を施す必要がなく、そのまま吸収工程へ還流して使用することができる。
【0026】
光触媒に関して、ルテニウム錯体系の触媒は水性液に溶解し易く、吸収液に好適に溶解して光反応を進行させると共に、装置内で良好に流路を循環する。一方、レニウム錯体系の触媒は溶解し難く、酸化物担持触媒等を含む他の触媒は溶解せずに分散する。難溶性又は不溶性の光触媒は、吸収液中で微粒子状に分散した状態で好適に光反応を進行させるが、流動上の懸念を解消するには、光触媒が光反応工程から流出するのを抑制するとよい。例えば、光反応工程の出口にフィルター又は分離膜等の濾別手段を付設して触媒を光反応工程に留めることができる。或いは、沈降分離によってある程度収集可能であるので、光反応工程において触媒をある程度沈降させて上澄み状の吸収液を吸収工程に還流すると、吸収工程に移動した吸収液に分散する触媒粒子は小さく少ないので、工程間の移動及び気液接触の際に触媒が吸収液の流動の阻害要因となることを抑制できる。
【0027】
以下に、本発明の二酸化炭素の還元方法を実施する還元装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の二酸化炭素の還元方法を実施する還元装置の実施形態を示す。還元装置1は、二酸化炭素を含有するガスGを吸収液に接触させて二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔10と、二酸化炭素を吸収した吸収液に光照射して光還元反応を行う光反応塔20とを有し、吸収剤及び光食害を含有する水性液を吸収液として装置内を循環させる。また、装置の各部において温度等の条件を適正に調整する設備を備えており、具体的には、二酸化炭素を含むガスGを吸収塔10へ供給する前に含水量及び温度を調整するための前処理塔30と、吸収塔10において二酸化炭素を除去した後のガスG’を冷却する冷却塔40と、光反応塔20から排出される回収ガスRから水分を分離する気液分離器50と、吸収塔10及び光反応塔20の温度を調節する冷媒を供給する冷却装置60を有する。吸収塔10に供給されるガスGについて特に制限はなく、燃焼排ガスやプロセス排ガスなどの様々なガスの取扱いが可能であり、ガスGは、前処理塔30において二酸化炭素の吸収に適した低温及び含水量に調整された後に吸収塔10に導入される。ガスGに触媒を被毒する成分が含まれる場合には、前処理塔30において被毒成分をガスGから除去するように構成すると良い。
【0029】
吸収塔10、前処理塔30、冷却塔40は、各々、向流型気液接触装置として構成され、この実施形態では、接触面積を大きくするための充填材11,31,41を各々内部に保持している。充填材11,31,41を構成する素材は特に限定されず、処理温度における耐久性を有する素材が用いられるが、概して、表層部が鉄系金属材料製であるものが好適に用いられ、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鉄又は鉄合金製充填材が用いられる。所望の接触表面積を得るために様々な寸法及び形状の充填材が市場に提供されており、入手可能なものから適宜選択して使用できる。吸収液として、アルカノールアミン類等の二酸化炭素に親和性を有する化合物を吸収剤として含有する水性液が用いられ、光還元反応を行うための光触媒が配合される。
【0030】
前処理塔30底部から供給されるガスGは、塔内に保持される充填材31を通過し、前処理塔30の上部から供給される冷却水によって適正温度に調整された後に、吸収塔10に供給される。これにより、吸収塔10の温度がガスGに起因して上昇するのが防止される。ガスGを冷却することによって温度上昇した冷却水は、ポンプ32によって水冷式冷却器33に送られ、冷却された後に前処理塔30に還流される。
【0031】
前処理塔30を通過した二酸化炭素を含んだガスGは、吸収塔10の下部から供給され、吸収液は、吸収塔10の上部から供給され、ガスG及び吸収液が充填材11を通過する間に気液接触してガスG中の二酸化炭素が吸収液に吸収される。
【0032】
吸収塔10の底部には、二酸化炭素を吸収した吸収液A1が貯溜され、ポンプ12によって、吸収塔10底部と光反応塔20底部とを接続する流路16を通じて光反応塔20へ供給される。二酸化炭素が除去されたガスG’は、吸収塔10頂部から排出される。吸収液が二酸化炭素を吸収することによって発熱して液温が上昇するので、ガスG’には水蒸気等が含まれ得るが、冷却凝縮部13を吸収塔10頂部に設けて、水蒸気等を凝縮してガスG’から分離除去することで、塔外への漏出を抑制できる。更にガスG’を冷却するために、吸収塔外に付設される冷却塔40を有し、吸収塔10から排出されるガスG’は、冷却塔40内に保持される充填材41を通過し、冷却塔40の上部から供給される冷却水によって適正温度に調整された後に、装置外へ排出される。ガスG’を冷却することによって温度上昇した冷却水は、ポンプ42によって水冷式冷却器43に送られ、冷却された後に冷却塔40に還流される。塔外へ排出されるガスG’の温度は60℃程度以下が好ましく、より好ましくは45℃以下となるように冷却する。この実施形態における冷却器33,43は水冷式であるが、他の冷却方式であって良く、冷媒による冷凍サイクルを用いて、より確かな冷却が可能となるようにしてもよい。
【0033】
吸収塔10内の二酸化炭素を含む吸収液A1は、ポンプ12によって流路16を通じて光反応塔20の底部に供給される。光反応塔内の頂部には、光還元反応用の光源21が設けられる。この実施形態では、Xeランプ等のような人工光を照射するランプとして記載しているが、人工光及び自然光の区別を問わず、光触媒が作用する波長、つまり、350〜800nm程度の可視光域の光を含む光照射が可能なものであればよい。自然光を利用する場合には、例えば、レンズや鏡面等を用いて太陽光を集光・指向することにより所望の照度で吸収液に照射するように構成することができる。
【0034】
光反応塔20の底部から導入される吸収液は、上方へ移動して、液面付近の吸収液から順にポンプ23によって光反応塔20から排出されるが、この間に光源21からの光照射を受けて、光反応塔20内の吸収液では光触媒による二酸化炭素の還元反応が進行する。つまり、吸収液中の二酸化炭素は水と反応して還元生成物に変換される。還元生成物は、少量の水素又は酸素を含み得るが、主としてメタンであり、水溶性が低いメタン等は吸収液から放出される。使用する触媒によってはメタノールが生成し得るが、これは吸収液に溶解し、問題とはならない。光反応塔20内の吸収液A2は、上方から光照射を受けるので、吸収液A2の液面付近において最も光反応が進行し易く、つまり、最も二酸化炭素が減少し易い。光反応塔20の底部から上昇する間に二酸化炭素が還元されて再生された吸収液は、液面付近からポンプ23によって排出され、光反応塔20上部と吸収塔10上部とを接続する流路17を通じて吸収塔10に還流される。
【0035】
光触媒が水溶性化合物である場合には、光反応塔20内の吸収液A2中には均一に光触媒が分布し、光触媒は、吸収液と共に吸収塔10と光反応塔20とを循環する。これに対し、光触媒が水に難溶性又は不溶性の化合物である場合には、吸収液A2中の光触媒は、重力による沈降によって比較的大きめの粒子が光反応塔20内の下部に集中・濃縮し易く、液面付近の吸収液には比較的微小な粒子状光触媒が含まれる。光触媒の粒度分布が1000μm程度以下であると、光触媒が吸収液A2中の底部から中位にかけて適度に分散させつつ、触媒分散量が少ない上澄み状の吸収液を吸収塔10へ還流することで光触媒がある程度分離される。光触媒の粒度分布が1μm程度以下の場合は、光触媒が沈降し難く、吸収液A2全体に分散するので、吸収塔10へ還流された吸収液に含まれる光触媒が吸収塔10において充填材11間で目詰まりを生じないように充填材を選択して使用するとよい。この点に関して、充填材を用いる吸収塔10の代わりに、棚段によって気液接触面積を増加させる方式の吸収塔を利用すると、光触媒が均一に分散した吸収液を支障なく循環させることができる。或いは、光反応塔20から吸収液を排出する際にフィルター等を介して吸収液を濾過することによって、光触媒の分離が確実に行われ、光触媒を除去した吸収液が吸収塔10との間を循環する。
【0036】
光反応塔20における反応効率は、吸収液A2の二酸化炭素濃度に依存するので、光反応塔20は、吸収塔10と同様に低温に維持すると好ましい。このため、吸収塔10及び光反応塔20には、各々、熱交換器14,24が巻装され、冷却装置60から供給される冷媒によって温度が調節され、0〜50℃程度、好ましくは5〜10℃程度に設定される。冷却装置60の冷媒は、光反応塔20の熱交換器24の下部に供給され、その上部から流路61によって吸収塔10の熱交換器14の下部へ供給され、二酸化炭素の吸収によって温度上昇する吸収塔10の温度を冷却した後に、流路62によって冷却装置60に戻る。又、吸収液に含まれる二酸化炭素を適切に還元するためには、この条件において反応が十分に進行するように、光照射時間が1時間程度以上、好ましくは8〜24時間程度となるように設定するとよい。吸収液を循環させて連続的に処理するためには、光反応塔20内を吸収液が移動する間に適正な光照射を受けるように吸収液の循環速度及び光反応塔20に貯留される吸収液の容量が設定される。
【0037】
光反応塔20から放出される還元生成物を含む回収ガスRは、冷却水を用いた冷却器25によって充分に冷却され、含まれる水蒸気を可能な限り凝縮した後、気液分離器50によって凝縮水を除去した後に、還元生成物を含む回収ガスRとして回収される。回収されるメタン等の還元生成物は、必要に応じて分離精製を施して、燃料や合成原料等の用途に利用することができる。気液分離器50において分離された凝縮水は、ポンプ51によって光反応塔20上部に還流され、凝縮部26を冷却する。この途中に、凝縮水を貯留する容器52を設けても良く、塔内の吸収液の組成変動を補整できる。
【0038】
図1の還元装置1において実施される還元方法について説明する。
【0039】
燃焼排ガスやプロセス排ガスなどの二酸化炭素を含有するガスGは、前処理塔30を通じて温度及び含水量が調整され、必要に応じて被毒成分を除去した後、吸収塔10の底部に供給される。吸収塔10内の圧力は、10〜5000kPaG程度に調整され、吸収液が上部から供給されて、充填材11上でガスGと吸収液とが気液接触し、5〜10℃程度の温度で吸収液に二酸化炭素が吸収される。
【0040】
二酸化炭素を吸収した吸収液A1は、光反応塔20の底部に供給されると、光源21による光照射を受けながら上方へ移動する。光反応塔20内の圧力は、10〜5000kPaG程度、温度は5〜40℃程度に維持され、吸収液A2は、上部から排出される迄の間に、光反応塔20内において、可視光域の光照射を受けて、吸収液に含まれる光触媒によって二酸化炭素がメタン等に還元されて徐々に液外に放出される。反応後の吸収液A2は、上部から排出されて吸収塔10へ還流される。メタン等の還元生成物を含む回収ガスRは、必要に応じて冷却器25による水の凝縮で含水量を低減させて排出される。気液分離器50において回収される水分は、必要に応じて容器52に収容し、光反応塔20へ還流することで、吸収液の水分蒸発による濃度変化が補整される。
【0041】
光還元反応に要する照射時間は、照射光強度、吸収液の光触媒の種類及び濃度、吸収される二酸化炭素濃度に依存し、吸収液が光反応塔20に滞留する間に二酸化炭素の光還元反応が十分に進行するように、光還元反応に要する照射時間及び吸収液の循環速度を考慮して光反応塔20の容積が設定される。
【実施例】
【0042】
<触媒の調製>
二酸化チタンを用い、常法に従って(参照:「J.Photochem. Photobiol. A:Chem, 72(1993), pp269-271」、又は、大谷文章著「光触媒標準研究法」)、パラジウム、ロジウム、白金、金、銅及びルテニウムのうちの一種を担持させた担持触媒を各々調製した。
【0043】
又、レニウム錯体触媒として、[Re(bpy)(CO)PF]を以下の手順で調製した(表記中、bpyはビピリジンを示す)。
【0044】
fac-Re(CO)Cl(Pressure chemical Co.製)と2,2−ビピリジン(Aldrich製)を1:1でトルエンに加えて1時間煮沸した後に濾過することによって、黄色粉末状のfac-Re(bpy)(CO)Clを得た。得られたfac-Re(bpy)(CO)Clの0.4gを取り分けて、0.6gの2,2−ビピリジンと共にエチレングリコール中で2時間煮沸し、冷却後に水60ml及び六弗化アンモニウム00mlを加えて攪拌し、暗赤色の固形物を濾別して水洗及びジエチルエーテルによる洗浄の後、トルエン:アセトニトリル(2:1)で二度再結晶を行うことによって、レニウム錯体:[Re(bpy)(CO)PF]を調製した。
【0045】
(反応例1)
上述に従って用意した各触媒0.15gを蒸留水1.5mlに混合し、常圧の二酸化炭素(100%)雰囲気1.5mlと接触させた状態で400nm以上の可視光を5時間照射した後、二酸化炭素雰囲気に含まれる他の成分(メタン、エタン、メタノール、ギ酸、酢酸)を二酸化炭素の還元生成物として定量し、二酸化炭素の反応速度(単位:μmol/g−触媒/時間)を求めた。結果を表1に示す。
【0046】
表1によれば、何れの触媒も水中で光触媒として作用する。又、定量において、Pd/TiO触媒及びPt/TiO触媒による生成物は主としてメタンで、少量のエタンが含まれるのに対し、Rh/TiO触媒、Cu/TiO触媒及びRu/TiO触媒による生成物は、酢酸の生成量が増加することが判明した。
【0047】
(表1)
触媒の反応速度
触媒 TiO Pd/TiO Rh/TiO Pt/TiO
反応速度 0.06 0.41 0.31 0.12
触媒 Au/TiO Cu/TiO Ru/TiO レニウム錯体
反応速度 0.15 0.16 0.08 13.3
【0048】
(反応例2)
上述のレニウム錯体1gを蒸留水300gに加えて、常温で、常圧の二酸化炭素(100%)雰囲気240mlと接触させた状態で300Wのキセノンランプ(350nm以上)の可視光を照射し、二酸化炭素雰囲気に含まれる他の成分(水素、酸素、窒素、メタン、一酸化炭素)を二酸化炭素の還元生成物として定量し、二酸化炭素雰囲気中の濃度と照射時間との関係を調べた。結果を図2のグラフに示す。
【0049】
図2によれば、雰囲気の二酸化炭素が水に吸収された後に、メタンに還元されることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、火力発電所や製鉄所、ボイラーなどの設備から排出される二酸化炭素含有ガスの処理等において利用して、その二酸化炭素放出量や環境に与える影響などの軽減を推進する上で有用である。光還元反応によって有用なメタンが生成されるので、資源供給源としても有用であり、二酸化炭素の回収処理に必要な吸収液の再生に要する熱エネルギーの供給が不要となるので、燃料資源の節減やエネルギー効率の改善に有効な二酸化炭素の還元装置を提供できる。
【符号の説明】
【0051】
10:吸収塔、 20:光反応塔、 30:前処理塔、 40:冷却塔、
50:気液分離器、 60:冷却装置、 11,31,41:充填材、
12,23,32,42:ポンプ、 16,17,61,62:流路、
21:光源、 25:冷却器、 26:凝縮部、
33,43:水冷式冷却器、 52:容器
G,G’:ガス、 R:回収ガス、 A1,A2:吸収液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を吸収した水性液に、光触媒の存在下で可視光を照射して前記水性液中の二酸化炭素を光還元する光反応工程を有することを特徴とする二酸化炭素の還元方法。
【請求項2】
前記水性液は、二酸化炭素に親和性を有する吸収剤を含有する請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項3】
前記光触媒は、複核金属錯体触媒、レニウムビピリジン錯体触媒、ルテニウムビピリジン錯体触媒、半導体光触媒組成物、硫化物触媒、酸化物触媒、酸化物担持触媒及び塩化物触媒からなる群より選択される少なくとも1種の可視光応答性を有する触媒を含む請求項1又は2に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項4】
前記吸収剤は、アルカノールアミン化合物を含み、前記光触媒は、レニウム−ルテニウム超分子錯体、fac-Re(bpy)(CO)3Cl、cis-[Re(bpy)2(CO)2]PF6、Ru(bpy)2Cl2、Cu/ZnOとTiMO2(但し、MはPt等の金属)との混合組成物、Cd/ZnS、Pb/ZnS、Ni/ZnS、Ag/ZnS、Cu/ZnS、SrTiO3、Cu/WO3、Pd/WO3、Pt/WO3及びCoCl2からなる群より選択される少なくとも1種の触媒を含む請求項1又2に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項5】
更に、二酸化炭素を含有するガスを水性液に接触させて前記水性液に二酸化炭素を吸収させる吸収工程を有し、前記吸収工程によって吸収された二酸化炭素を前記光反応工程において光還元する請求項1〜4の何れかに記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項6】
前記吸収工程と前記光反応工程とは、個別の工程であり、交互に繰り返される請求項5に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項7】
前記光触媒は前記水性液に溶解し、前記水性液と共に、前記吸収工程及び前記光反応工程間を循環する請求項6に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項8】
前記光触媒は前記水性液に分散し、前記吸収工程を繰り返す前に、更に、光触媒を水性液から分離させる工程を有する請求項6に記載の二酸化炭素の還元方法。
【請求項9】
二酸化炭素を吸収した水性液に、光触媒の存在下で可視光を照射して前記水性液中の二酸化炭素を光還元する光反応塔を有することを特徴とする二酸化炭素の還元装置。
【請求項10】
前記水性液は、二酸化炭素に親和性を有する吸収剤を含有する請求項9に記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項11】
前記光触媒は、複核金属錯体触媒、レニウムビピリジン錯体触媒、ルテニウムビピリジン錯体触媒、半導体光触媒組成物、硫化物触媒、酸化物触媒、酸化物担持触媒及び塩化物触媒からなる群より選択される少なくとも1種の触媒を含む請求項9又は10に記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項12】
前記吸収剤は、アルカノールアミンを含み、前記光触媒は、レニウム−ルテニウム超分子錯体、fac-Re(bpy)(CO)3Cl、cis-[Re(bpy)2(CO)2]PF6、Ru(bpy)2Cl2、Cu/ZnOとTiMO2(但し、MはPt等の金属)との混合組成物、Cd/ZnS、Pb/ZnS、Ni/ZnS、Ag/ZnS、Cu/ZnS、SrTiO3、Cu/WO3、Pd/WO3、Pt/WO3及びCoCl2からなる群より選択される少なくとも1種の触媒を含む請求項9又10に記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項13】
更に、二酸化炭素を含有するガスを前記水性液に接触させて前記水性液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔を有し、前記吸収塔において吸収された二酸化炭素を前記光反応塔において光還元する請求項9〜12の何れかに記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項14】
前記水性液は、前記吸収塔と前記光反応塔とを循環し、二酸化炭素の吸収及び還元が交互に繰り返される請求項13に記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項15】
前記光触媒は前記水性液に溶解し、前記水性液と共に、前記吸収塔及び前記光反応塔間を循環する請求項14に記載の二酸化炭素の還元装置。
【請求項16】
前記光触媒は前記水性液に分散し、前記吸収塔へ循環する前の水性液から前記光触媒を分離させる手段を有する請求項14に記載の二酸化炭素の還元装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−17929(P2013−17929A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151666(P2011−151666)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】