説明

二酸化炭素分離システム

【課題】 広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスに分離することが可能な、二酸化炭素分離システムを提供する。
【解決手段】 二酸化炭素分離システムは、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス1を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜5を具備する一次二酸化炭素分離器4に導入し、ゼオライト膜5の透過側に二酸化炭素濃度80%以上の一次透過ガス6を生じさせるとともに、ゼオライト膜5の一次非透過側ガス7の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減する。ついで、この一次非透過側ガス7を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器8に導入し、分離器8により分離された二酸化炭素濃度80%以上の二次分離ガス9を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス10を生じさせる。二酸化炭素分離用ゼオライト膜4は、FAU型ゼオライト膜層を含むものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス中の二酸化炭素(CO)を回収するための二酸化炭素分離システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、代表的な地球温暖化ガスである二酸化炭素は、発電所、セメントプラント、鉄鋼プラント、および化学プラントなどから排出されているが、地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素の高効率回収技術の開発が急務となっている。また、二酸化炭素は、メタンを主成分とする天然ガス中にも含まれており、パイプライン腐食防止の観点から、メタンから二酸化炭素を回収除去する必要がある。また、石炭ガス化複合発電では、微粉砕した石炭を熱分解してガス化し、シフト反応を経て、水素と二酸化炭素を主成分とするガスを生成させた後、二酸化炭素を分離して水素に富んだガスを燃料ガスとして用いる試みが始まっている。
【0003】
従来、二酸化炭素の回収法としては、アミン吸収法などの化学吸収法、圧力スイング吸着法(PSA)などの物理吸着法などの技術が利用されているが、吸収液または吸着剤の再生に伴うエネルギー消費が大きく、より高効率な回収法の開発が期待されている。
【0004】
ところで、ゼオライト膜による膜分離法は、連続的操作が可能で、吸収液または吸着剤の再生が不要であることから、高効率な二酸化炭素回収技術として期待が高まっている。
【0005】
例えば、非特許文献1では、ゼオライト膜による膜分離を用い、メタンを主成分とする天然ガス中からの二酸化炭素分離や、窒素分離を行う例が記載されている。
【0006】
一方で、膜分離法では、ゼオライト膜を介しての圧力差がガス透過の駆動力となるため、二酸化炭素の除去回収と共に、ゼオライト膜の非透過側の二酸化炭素濃度が低下するため、低二酸化炭素濃度域では、分離効率が低下するというのが実情である。
【0007】
以上のようなことから、例えば、特許文献1では、排ガス中の二酸化炭素を分離回収するために、ます膜分離装置にて二酸化炭素を一次濃縮し、さらに吸着分離装置で二次濃縮するという、分離用ゼオライト膜と圧力スイング吸着法(PSA)とのハイブリッドプロセスを提案し、これによって高濃度の二酸化炭素を回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−99035号公報
【非特許文献1】P. Bernardo et al., “Membrane Gas Separation: A Review/State of the Art”, Ind. Eng. Chem. Res. 48 (2009) 4638-4663.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来のプロセスでは、高濃度の二酸化炭素が得られる代わりに、膜の非透過側に残存した二酸化炭素が回収できないのが実情である。例えば非透過ガスがメタンや水素などの有価ガスの場合、有価ガス利用の観点から非透過側の二酸化炭素も除去させる必要がある。
【0010】
加えて、天然ガス精製や石炭ガス化複合発電など二酸化炭素分離を必要とする多くのプロセスでは、2MPa以上の高圧の条件下で実施されることが一般的であるため、膜分離を適用するにしても、用いる分離膜には、高い耐久性が求められるという問題があった。
【0011】
以上のように、従来のプロセスでは、広範の二酸化炭素濃度、圧力をもつ混合ガスを二酸化炭素濃度80%以上の高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガスに分離することは、設備上、非効率にならざるを得ないという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスに分離することが可能な二酸化炭素分離システムを提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ゼオライト膜層を含有する二酸化炭素分離用ゼオライト膜を具備した膜分離法と、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)を、特定の配列・操作条件になるよう組合せたハイブリッドシステムによって、高効率的に二酸化炭素含有混合ガスを、二酸化炭素濃度80%以上の高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガスとに分離できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
上記の目的を達成するために、請求項1の二酸化炭素分離システムの発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に二酸化炭素濃度80%以上の一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素濃度80%以上の二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせることを特徴としている。
【0015】
請求項2の二酸化炭素分離システムの発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に、透過した二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせ、上記二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)から排出される二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)と、二次二酸化炭素分離器(8)から排出される二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)とを混合して、二酸化炭素濃度80%以上の二酸化炭素濃縮ガス(11)を生じさせることを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)が、二酸化炭素(CO)を含み、かつ水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、およびメタンよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの気体を含むとともに、水(HO)、硫化水素(HS)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、およびメタン以外の炭化水素よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの不純物を含むガスであり、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)の前段に、上記不純物を除去するための不純物除去器(2)を具備することを特徴としている。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、フォージャサイト(FAU)型ゼオライト膜層を含むことを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、チャバサイト(CHA)型ゼオライト膜層を含むことを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、ZSM−5(MFI)型ゼオライト膜層を含有することを特徴としている。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、DDR型ゼオライト膜層を含有することを特徴としている。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)のゼオライト膜層が、乾燥のために温度100〜600℃で加熱処理されて脱水され、その後、乾燥状態のままで保持されていることを特徴としている。
【0022】
請求項9の発明は、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、石炭ガス化複合発電所内に設置されて、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用されるか、または天然ガス田の天然ガス精製プラント内に設置されて、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用されるものであり、上記石炭ガス化複合発電所または天然ガス精製プラントの閉鎖後、該二酸化炭素分離システムが、陸上または海上において移動可能なものとなされていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の二酸化炭素分離システムの発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に二酸化炭素濃度80%以上の一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素濃度80%以上の二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせることを特徴とするもので、請求項1の発明によれば、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができるという効果を奏する。
【0024】
請求項2の二酸化炭素分離システムの発明二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に、透過した二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせ、上記二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)から排出される二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)と、二次二酸化炭素分離器(8)から排出される二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)とを混合して、二酸化炭素濃度80%以上の二酸化炭素濃縮ガス(11)を生じさせることを特徴とするもので、請求項2の発明によれば、同様に、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができるという効果を奏する。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)が、二酸化炭素(CO)を含み、かつ水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、およびメタンよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの気体を含むとともに、水(HO)、硫化水素(HS)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、およびメタン以外の炭化水素よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの不純物を含むガスであり、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)の前段に、上記不純物を除去するための不純物除去器(2)を具備することを特徴とするもので、請求項3の発明によれば、後段の一次二酸化炭素分離器(4)および二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の上記不純物による汚染・劣化を防止できるという効果を奏する。
【0026】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、フォージャサイト(FAU)型ゼオライト膜層を含むことを特徴とするもので、請求項4の発明によれば、FAU型ゼオライト膜と二酸化炭素の強い吸着作用によって、水素(H)、メタン、窒素(N)、および酸素(O)などのガスから二酸化炭素を高選択的に透過分離できるという効果を奏する。
【0027】
請求項5の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、SAPO−34などのチャバサイト(CHA)型ゼオライト膜層を含むことを特徴とするもので、請求項5の発明によれば、CHA型ゼオライトがもつ均一で剛直な直径0.38 nmの細孔構造によって、大分子であるメタン(直径0.38nm)から、小分子である二酸化炭素(直径0.33 nm)を分子篩的に高選択的に透過除去できるという効果を奏する。
【0028】
請求項6の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、ZSM−5(MFI)型ゼオライト膜層を含有することを特徴とするもので、請求項6の発明によれば、FAU型ゼオライト膜よりも二酸化炭素透過分離性能は劣るものの、高い耐久性が得られるという効果を奏する。
【0029】
請求項7の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、DDR型ゼオライト膜層を含有することを特徴とするもので、請求項7の発明によれば、DDR型ゼオライト膜が示す疎水性によって、水分による二酸化炭素の膜透過阻害を防止するとともに、DDR型ゼオライト膜層の細孔構造内の拡散性の違いにより、メタンから二酸化炭素を高選択的に透過分離できるという効果を奏する。
【0030】
請求項8の発明は、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)のゼオライト膜層が、乾燥のために温度100〜600℃で加熱処理されて脱水され、その後、乾燥状態のままで保持されていることを特徴とするもので、請求項8の発明によれば、ゼオライト細孔内の結晶水を除去することで、高い二酸化炭素透過度が得られるという効果を奏する。
【0031】
請求項9の発明は、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、石炭ガス化複合発電所内に設置されて、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用されるか、または天然ガス田の天然ガス精製プラント内に設置されて、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用されるものであり、上記石炭ガス化複合発電所または天然ガス精製プラントの閉鎖後、該二酸化炭素分離システムが、陸上または海上において移動可能なものとなされていることを特徴とするもので、請求項9の発明によれば、本発明による二酸化炭素分離システムを、例えば、石炭ガス化複合発電所において、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用した場合に、当該石炭ガス化複合発電所の閉鎖後、他の石炭ガス化複合発電所に移して使用できるという効果を奏する。あるいはまた本発明による二酸化炭素分離システムを、例えば、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用した場合において、適応ガス田が枯渇した場合に、別のガス田に移して使用できるため、小中規模の天然ガス田に適用しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による二酸化炭素分離システムの第1実施形態を示すフローシートである。
【図2】本発明による二酸化炭素分離システムの第2実施形態を示すフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明によるゼオライト膜およびアミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)のハイブリッドによる二酸化炭素分離回収システムの第1実施形態を示すフローシートである。
【0035】
すなわち、本発明者らは、上記のように、ゼオライト膜層を含有する二酸化炭素分離用ゼオライト膜を具備した膜分離法と、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)を、特定の配列・操作条件になるよう組合せたハイブリッドシステムによって、高効率的に二酸化炭素含有混合ガスを二酸化炭素濃度80%以上の高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガスに分離することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0036】
同図を参照すると、本発明による二酸化炭素分離システムの発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に二酸化炭素濃度80%以上の一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素濃度80%以上の二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせることを特徴とするもので、本発明によれば、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができる。
【0037】
ここで、上記ゼオライトを含有する二酸化炭素分離用ゼオライト膜としては、管状または中空糸状多孔質基体上にゼオライトを製膜させたもののどちらをも使用することができるが、高圧条件であれば、膜エレメントの耐圧性の観点から、管状の方が好ましい。また膜透過の駆動力としては、混合ガス(1)の自圧、コンプレッサー(図示略)による膜分離器供給ガス(3)の加圧、あるいは真空ポンプ(図示略)による膜透過側の減圧などが利用できる。
【0038】
本発明による二酸化炭素分離システムを、具体的に、処理ガスである二酸化炭素の濃度の上昇に比例して、設備規模、設備コスト、および消費エネルギーが増加するアミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)のみの単一のプロセスと比較すると、高濃度二酸化炭素領域にゼオライト膜分離を利用することで、設備規模、設備コスト、消費エネルギーを低減することができるという効果を奏する。
【0039】
また、処理ガス二酸化炭素濃度低下とともに、分離効率が低下するゼオライト膜分離のみの単一プロセスと比較すると、低濃度二酸化炭素領域にアミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)を利用することで、高選択的に二酸化炭素を分離することができる。
【0040】
さらに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜にゼオライト膜を使用することで、高圧二酸化炭素による膜の可塑化といった既往の有機高分子膜で見受けられるような膜劣化が生じない。
【0041】
図2は、本発明による二酸化炭素分離システムの第2実施形態を示すフローシートである。
【0042】
同図を参照すると、本発明による二酸化炭素分離システムの発明は、二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に、透過した二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせ、上記二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)から排出される二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)と、二次二酸化炭素分離器(8)から排出される二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)とを混合して、二酸化炭素濃度80%以上の二酸化炭素濃縮ガス(11)を生じさせることを特徴とするもので、本発明によれば、同様に、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができる。
【0043】
本発明による二酸化炭素分離システムにおいて、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、フォージャサイト(FAU)型ゼオライト膜層を含むことが好ましい。
【0044】
これにより、FAU型ゼオライト膜と二酸化炭素の強い吸着作用によって、水素(H)、メタン、窒素(N)、および酸素(O)、などのガスから二酸化炭素を高選択的に透過分離できるという利点がある。
【0045】
ここで、FAU型ゼオライト膜については、特に限定されるものではないが、例えば、FAU型ゼオライト膜(商品名、NaY型ゼオライト膜、日立造船株式会社製)を使用することができる。
【0046】
また、本発明による二酸化炭素分離システムにおいて、請求項5の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、SAPO−34などのチャバサイト(CHA)型ゼオライト膜層を含むことが好ましい。
【0047】
これにより、CHA型ゼオライトがもつ均一で剛直な0.38 nmの細孔構造によって、大分子であるメタン(0.38nm)から、小分子である二酸化炭素(0.33 nm)を分子篩的に高選択的に透過除去できるという利点がある。
【0048】
ここで、CHA型ゼオライト膜については、特に限定されるものではないが、例えば、Al:P:0.32SiO:TEAOH:1.6DPA:150HOの組成に調製した反応溶液中にて、多孔質支持体上に密に塗付したSAPO−34種結晶を6時間、220℃にて水熱合成させる方法により、合成することができる(例えば、非特許文献2: S. Li et al., “Scale-up of SAPO-34 membrane for CO/CH separation” Journal of Membrane Science 352 (2010) 7-13.参照)。
【0049】
また、本発明による二酸化炭素分離システムにおいて、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、ZSM−5(MFI)型ゼオライト膜層を含有することが好ましい。
【0050】
これにより、FAU型ゼオライト膜よりも二酸化炭素透過分離性能は劣るものの、高い耐久性が得られるという利点がある。
【0051】
ここで、ZSM−5型ゼオライト膜については、特に限定されるものではないが、例えば、10NaO:0.15Al:36SiO:1200HOに調製した反応溶液中にて、多孔質支持体上に密に塗付したZSM−5種結晶を12時間、180℃にて水熱合成させる方法により、合成することができる(例えば、非特許文献3: K. Sawamura et al., “Reverse-Selective Microporous Membrane for Gas Separation” Chem. Asian J. 4 (2009) 1070-1077.参照)。
【0052】
また、本発明による二酸化炭素分離システムにおいて、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、DDR型ゼオライト膜層を含有することが好ましい。
【0053】
これにより、DDR型ゼオライト膜が示す疎水性によって、水分による二酸化炭素の膜透過阻害を防止するとともに、DDR型ゼオライト膜層の細孔構造内の拡散性の違いにより、メタンから二酸化炭素を高選択的に透過分離できるという利点がある。
【0054】
ここで、DDR型ゼオライト膜については、特に限定されるものではないが、例えば、モル比にて(1−アダマンタンアミン/シリカ)=0.125、(エチレンジアミン/1−アダマンタンアミン)=16、(水/シリカ)=56に調製した反応溶液中にて、多孔質支持体上に密に塗付したDDR種結晶を48時間、160℃にて水熱合成させる方法により、合成することができる(例えば、特許第4204273号公報参照)。
【0055】
また、本発明による二酸化炭素分離システムにおいて、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)のゼオライト膜層が、乾燥のために温度100〜600℃で加熱処理されて脱水され、その後、乾燥状態のままで保持されていることが好ましい。
【0056】
例えば、不純物除去器(2)により膜分離器供給ガスを乾燥させ、かつ一次二酸化炭素分離器(4)に具備させた加熱器(図中省略)により、ゼオライト膜を温度100〜600℃、好ましくは150〜300℃に加熱することで、ゼオライト膜細孔内部を乾燥状態に保つことができる。
【0057】
これにより、ゼオライト細孔内の結晶水を除去することで、高い二酸化炭素透過度が得られるという利点がある。
【0058】
また、本発明による二酸化炭素分離システムは、石炭ガス化複合発電所内に設置されて、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用されるか、または天然ガス田の天然ガス精製プラント内に設置されて、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用されるものであり、上記石炭ガス化複合発電所または天然ガス精製プラントの閉鎖後、該二酸化炭素分離システムが、陸上または海上において移動可能なものとなされていることが好ましい。
【0059】
これにより、本発明による二酸化炭素分離システムを、例えば、石炭ガス化複合発電所において、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用した場合に、当該石炭ガス化複合発電所が閉鎖後、他の石炭ガス化複合発電所に移して使用できるという利点がある。あるいはまた本発明による二酸化炭素分離システムを、例えば、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用した場合などにおいて、適応ガス田が枯渇した場合に別のガス田に移って使用できるため、小中規模の天然ガス田に適用しやすいという利点がある。
【実施例】
【0060】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0061】
図1に示すフローシートにより、本発明の二酸化炭素分離回収システムを実施した。
【0062】
同図を参照すると、二酸化炭素(CO)を含み、かつ窒素(N)、および酸素(O)を含むとともに、水(HO)、硫化水素(HS)、窒素酸化物(NOx)、および硫黄酸化物(SOx)よりなる不純物を含むガスよりなる二酸化炭素濃度20%の混合ガス(1)を、まず前段で、上記不純物を除去するためのゼオライトなどの吸着剤を具備する不純物除去器(2)に導入した。これにより、後段の一次二酸化炭素分離器(4)および二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の上記不純物による汚染・劣化を防止できた。
【0063】
つぎに、膜分離器供給ガス(3)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入した。ここで、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)としては、管状に製膜したFAU型ゼオライト膜(商品名、NaY型ゼオライト膜、日立造船株式会社製)を使用した。そして、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に二酸化炭素濃度95%の一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を10%まで低減した。
【0064】
ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アルカノールアミンよりなるアミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素濃度99%の二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせた。
【0065】
この実施例1によれば、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができた。
【0066】
なお、膜透過の駆動力としては、真空ポンプ(商品名:油回転真空ポンプ、ULVAC社製)による膜透過側の減圧を利用した。
【0067】
本発明の実施例1による二酸化炭素分離システムを、具体的に、処理ガスである二酸化炭素の濃度の上昇に比例して、設備規模、設備コスト、および消費エネルギーが増加するアミン吸収法のみの単一のプロセスと比較すると、高濃度二酸化炭素領域にゼオライト膜分離を利用することで、設備規模、設備コスト、消費エネルギーを低減することができる。
【0068】
また、処理ガス二酸化炭素濃度低下とともに、分離効率が低下するゼオライト膜分離のみの単一プロセスと比較すると、低濃度二酸化炭素領域にアミン吸収法を利用することで、高選択的に二酸化炭素を分離することができる。
【0069】
さらに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜に、FAU型ゼオライト膜を使用することで、高圧二酸化炭素による膜の可塑化といった既往の有機高分子膜で見受けられるような膜劣化が生じない。
【0070】
実施例2
図2に示すフローシートにより、本発明の二酸化炭素分離回収システムを実施した。ここで、上記実施例1の場合と異なる点は、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)を、二酸化炭素の回収・分離材としてゼオライト13Xよりなる圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせ、上記二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)から排出される二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)と、二次二酸化炭素分離器(8)から排出される二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)とを混合して、二酸化炭素濃度96%の二酸化炭素濃縮ガス(11)を生じさせた点にある。
【0071】
この実施例2によれば、同様に、広範囲の二酸化炭素濃度、および圧力をもつ混合ガスを効率良く、高濃度二酸化炭素ガスと二酸化炭素除去ガスとに分離することができた。
【0072】
本発明の実施例2による二酸化炭素分離システムを、具体的に、処理ガスである二酸化炭素の濃度の上昇に比例して、設備規模、設備コスト、および消費エネルギーが増加する圧力スイング吸着法(PSA)のみの単一のプロセスと比較すると、高濃度二酸化炭素領域にゼオライト膜分離を利用することで、設備規模、設備コスト、消費エネルギーを低減することができる。
【0073】
また、処理ガス二酸化炭素濃度低下とともに、分離効率が低下するゼオライト膜分離のみの単一プロセスと比較すると、低濃度二酸化炭素領域に圧力スイング吸着法(PSA)を利用することで、高選択的に二酸化炭素を分離することができる。
【0074】
さらに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜に、FAU型ゼオライト膜を使用することで、高圧二酸化炭素による膜の可塑化といった既往の有機高分子膜で見受けられるような膜劣化が生じない。
【符号の説明】
【0075】
1:二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス
2:不純物除去器
3:膜分離器供給ガス
4:一次二酸化炭素分離器
5:二酸化炭素分離用ゼオライト膜
6:一次透過ガス
7:一次非透過側ガス
8:二次二酸化炭素分離器
9:二酸化炭素を含む二次分離ガス
10:二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス
11:二酸化炭素濃度80%以上の二酸化炭素濃縮ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に二酸化炭素濃度80%以上の一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素濃度80%以上の二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせることを特徴とする、二酸化炭素分離システム。
【請求項2】
二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)を、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)に導入し、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の透過側に、透過した二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)を生じさせるとともに、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)の一次非透過側ガス(7)の二酸化炭素濃度を3〜15%まで低減し、ついで、この一次非透過側ガス(7)を、アミン吸収法または圧力スイング吸着法(PSA)による二次二酸化炭素分離器(8)に導入し、二次二酸化炭素分離器(8)により分離された二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)を生じさせるとともに、二酸化炭素濃度2%以下の二酸化炭素除去ガス(10)を生じさせ、上記二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)から排出される二酸化炭素を含む一次透過ガス(6)と、二次二酸化炭素分離器(8)から排出される二酸化炭素を含む二次分離ガス(9)とを混合して、二酸化炭素濃度80%以上の二酸化炭素濃縮ガス(11)を生じさせることを特徴とする、二酸化炭素分離システム。
【請求項3】
二酸化炭素濃度3〜75%の混合ガス(1)が、二酸化炭素(CO)を含み、かつ水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、およびメタンよりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの気体を含むとともに、水(HO)、硫化水素(HS)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、およびメタン以外の炭化水素よりなる群の中から選ばれた少なくとも1つの不純物を含むガスであり、二酸化炭素分離用ゼオライト膜(5)を具備する一次二酸化炭素分離器(4)の前段に、上記不純物を除去するための不純物除去器(2)を具備することを特徴とする、請求項1または2に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項4】
二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、フォージャサイト(FAU)型ゼオライト膜層を含むことを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項5】
二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、チャバサイト(CHA)型ゼオライト膜層を含むことを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項6】
二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、ZSM−5(MFI)型ゼオライト膜層を含有することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項7】
二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)が、DDR型ゼオライト膜層を含有することを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項8】
二酸化炭素分離用ゼオライト膜(4)のゼオライト膜層が、乾燥のために温度100〜600℃で加熱処理されて脱水され、その後、乾燥状態のままで保持されていることを特徴とする、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システム。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の二酸化炭素分離システムであって、石炭ガス化複合発電所内に設置されて、排ガスシフト反応後のガスからの二酸化炭素除去に使用されるか、または天然ガス田の天然ガス精製プラント内に設置されて、天然ガスからの二酸化炭素除去に使用されるものであり、上記石炭ガス化複合発電所または天然ガス精製プラントの閉鎖後、該二酸化炭素分離システムが、陸上または海上において移動可能なものとなされていることを特徴とする、二酸化炭素分離システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−236134(P2012−236134A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105880(P2011−105880)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年4月12日 日本経済新聞社発行の「日本経済新聞 平成23年4月12日付日刊」に発表
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】