説明

二酸化炭素含有粘性組成物

【課題】皮膚疾患に伴うかゆみ、皮膚粘膜疾患、末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感、筋骨格系疾患、神経系疾患、角化異常症、炎症性及び乾燥性皮膚疾患、便秘、脱毛症、皮膚や毛髪の美容上の問題などを副作用をほとんど伴わずに治療あるいは改善できる組成物を提供する。
【解決手段】含水粘性組成物に二酸化炭素を保持する二酸化炭素含有粘性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴うかゆみ;褥創、創傷、熱湯、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;排便反射の減衰または喪失に基づく便秘;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題などを副作用をほとんどともなわずに治療あるいは改善でき、また所望する部位に使用すれば、その部位を痩せさせられる二酸化炭素含有粘性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
痒みの治療に対して、局所療法として外用の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などが一般に使用される。これらは痒みが発生したときに使用され、一時的にある程度痒みを抑える。湿疹に伴う痒みに対しては外用の非ステロイド抗炎症剤やステロイド剤の使用が一般的であり、これらは炎症を抑えることにより痒みの発生を防ごうとするものである。
【0003】
しかしながら、外用の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤はアトピー性皮膚炎、水虫や虫さされの痒みにはほとんど効果がない。外用の非ステロイド抗炎症剤やステロイド剤は、痒みに対する効果は弱く、即効性もない。また、ステロイド剤は副作用が強いため、使用が容易でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴う痒みに有効な製剤とそれを用いる治療及び予防方法を提供することにある。
【0005】
また本発明は、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;排便反射の減衰または喪失に基づく便秘;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満に有効な製剤とそれを用いる予防及び治療方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、二酸化炭素含有粘性組成物が、外用の抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、非ステロイド抗炎症剤、ステロイド剤などが無効な痒みにも有効であることを発見し、更に該組成物が抗炎症作用や創傷治癒促進作用、美肌作用、部分肥満解消作用、経皮吸収促進作用なども有することを発見して本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記の項1〜30に関する。
項1. 増粘剤の1種または2種以上を含む含水粘性組成物に気泡状の二酸化炭素を含有してなる二酸化炭素含有粘性組成物であって、増粘剤がアラビアゴム、ガラクタン、寒天、クインスシード、グアガム、トラガントガム、ペクチン、マンナン、小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、カードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プルラン、アルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロイン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルスターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩類、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、粉末セルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、アルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト及びラポナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする二酸化炭素含有粘性組成物。
項2. 二酸化炭素を5〜90容量%含有するものである、項1に記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項3. 二酸化炭素を皮下組織に十分量供給できる程度に二酸化炭素の気泡を保持するものである、項1又は2に記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項4. 含水粘性組成物が、含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させた後にメスシリンダーに入れたときの容量を100としたとき、2時間後において50以上の容量を保持できるものである、項1乃至3のいずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項5. 増粘剤を2重量%以上含む、項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項6. 増粘剤がヒアルロン酸、コラーゲン、ゼラチン、カルボキシメチルスターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー及びメタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマー
からなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1乃至5のいずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項7. 二酸化炭素が酸と炭酸塩の反応により得られることを特徴とする、項1乃至6の
いずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項8. 酸がギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、炭酸塩が炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カリウム、セスキ炭酸カルシウム、セスキ炭酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする項7記載の二酸化炭素含有粘性組成物。
項9. 項1〜8のいずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物を有効成分とする医薬組成物。
項10. 皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴うかゆみの予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項11. 皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜疾患が、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、凍瘡、き裂、又はびらんである、項10記載の医薬組成物。
項12. 末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍、冷感、しびれ感の予防ないし治療剤である項9に記載の医薬組成物。
項13. 末梢循環障害が閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害又は下肢静脈瘤である、項12記載の医薬組成物。
項14. 歯科疾患の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項15. 歯科疾患が歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉又は口内炎である、項14記載の医薬組成物。
項16. 皮膚粘膜損傷の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項17. 皮膚粘膜損傷が褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡又は壊疽である、項16記載の医薬組成物。
項18. 化膿性皮膚疾患の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項19. 化膿性皮膚疾患が尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症又は化膿性湿疹である、項18記載の医薬組成物。
項20. 角化異常症の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項21. 角化異常症が乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬又は粃糠疹である、項20記載の医薬組成物。
項22. 筋骨格系疾患の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項23. 骨格系疾患が慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛又は腰痛症である、項22記載の医薬組成物。
項24. 神経系疾患の予防ないし治療剤である項9記載の医薬組成物。
項25. 神経系疾患が神経痛、多発性神経炎又はスモン病である項24記載の医薬組成物。
項26. 項1〜8のいずれかに記載の二酸化炭素含有粘性組成物を含む化粧料。
項27. そばかすを減少ないし目立たなくさせる項26記載の化粧料。
項28. 顔、脚、腕、腹部、脇腹、背中、首、顎などの部分肥満を改善できる項26記載の痩身化粧料
項29. 肌質改善作用を有する項26記載の化粧料。
項30. 除毛後の再発毛抑制作用を有する項26記載の化粧料。
【0008】
かゆみを伴う皮膚粘膜疾患もじくは皮膚粘膜障害としては、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などが挙げられる。
【0009】
皮膚粘膜損傷としては、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疸などが挙げられる。
【0010】
化膿性皮膚疾患としては、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などが挙げられる。
【0011】
角化異常症としては、乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などが挙げられる。
【0012】
筋骨格系疾患としては、慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などが挙げられる。
【0013】
歯科疾患としては、歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などが挙げられる。
【0014】
皮膚潰瘍や冷感、しびれ感を生じる末梢循環障害としては、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などが挙げられる。
【0015】
神経系疾患としては、神経痛、多発性神経炎、スモン病などが挙げられる。
【0016】
化粧料としては、美白、肌質改善、そばかす改善、部分痩せ、除毛後の再発毛抑制、髪の艶改善効果などがあり、クリーム、ジェル、ペースト、クレンジングフォーム、パック、マスクなどの形状で使用できる。
【0017】
本発明でいう「含水粘性組成物」とは、水に溶解した、又は水で膨潤させた増粘剤の1種又は2種以上を含む組成物である。該組成物に二酸化炭素を気泡状で保持させ、皮膚粘膜又は損傷皮膚組織等に適用した場合、二酸化炭素を皮下組織等に十分量供給できる程度に二酸化炭素の気泡を保持できる。該組成物は、二酸化炭素を気泡状で保持するためのものであれば特に限定されず、通常の医薬品、化粧品、食品等で使用される増粘剤を制限なく使用でき、剤形としてもジェル、クリーム、ペースト、ムースなど皮膚粘膜や損傷組織、毛髪などに一般的に適用される剤形が利用できる。
【0018】
本発明には、例えば以下のキットが含まれる。
1)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸とのキット;
2)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩とのキット;
3)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の顆粒(細粒、粉末)剤とのキット;
4)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の顆粒(細粒、粉末)剤とのキット;
5)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有含水粘性組成物のキット;
6)炭酸塩と酸の複合顆粒(細粒、粉末)剤と含水粘性組成物のキット;
7)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有シートのキット;
8)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有シートのキット;
9)炭酸塩と酸と含水粘性組成物のキット;
10)含水粘性組成物と、炭酸塩と酸の複合顆粒(細粒、粉末)剤含有シートのキット;及び11)炭酸塩と酸と水と増粘剤のキット。
【0019】
気泡状の二酸化炭素を含む本発明の組成物は、これらキットの各成分を使用時に混合することにより製造できる。
【0020】
増粘剤としては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物などがあげられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
【0021】
天然高分子としては、例えば植物系高分子、微生物系高分子、蛋白系高分子があげられる。
【0022】
半合成高分子としては、例えばセルロース系高分子、澱粉系高分子、アルギン酸系高分子、その他の多糖類系高分子があげられる。
【0023】
本発明の増粘剤に用いる天然高分子の中の植物系高分子としてはアラビアゴム、カラギーナン、ガラクタン、寒天、クインスシード、グアガム、トウガントガム、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガム、小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉などがあげられる。
【0024】
本発明の増粘剤に用いる天然高分子の中の微生物系高分子としてはカードラン、キサンタンガム、サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プルランなどがあげられる。
【0025】
本発明の増粘剤に用いる天然高分子の中の蛋白系高分子としてはアルブミン、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロインなどがあげられる。
【0026】
本発明の増粘剤に用いる半合成高分子の中のセルロース系高分子としてはエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルスターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩類、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、粉末セルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどがあげられる。
【0027】
本発明の増粘剤に用いる半合成高分子の中の澱粉系高分子としてはアルファー化澱粉、部分アルファー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メチル澱粉などがあげられる。
【0028】
本発明の増粘剤に用いる半合成高分子の中のアルギン酸系高分子としてはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどがあげられる。
【0029】
本発明の増粘剤に用いる半合成高分子の中のその他の多糖類系高分子としてはコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどがあげられる。
本発明の増粘剤に用いる合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メタアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチルコポリマーなどがあげられる。
【0030】
本発明の増粘剤に用いる無機物としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミナ、ベントナイト、ラポナイトなどがあげられる。
【0031】
本発明の含水粘性組成物に二酸化炭素を保持させる方法としては、該組成物に炭酸ガスボンベなどを用いて二酸化炭素を直接吹き込む方法がある。
【0032】
また、反応により二酸化炭素を発生する物質を含水粘性組成物中で反応させて二酸化炭素を発生させるか、又は含水粘性組成物を形成すると同時に二酸化炭素を発生させて二酸化炭素含有粘性組成物を得ることも可能である。二酸化炭素を発生する物質としては、例えば炭酸塩と酸の組み合わせがある。具体的には以下のような組み合わせにより二酸化炭素含有粘性組成物を得ることが可能であるが、本発明は二酸化炭素が気泡状で保持される二酸化炭素含有粘性組成物が形成される組み合わせであれば、これらの組み合わせに限定されるものではない。
1)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の組み合わせ;
2)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の組み合わせ;
3)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の顆粒(細粒、粉末)剤の組み合わせ;
4)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の顆粒(細粒、粉末)剤の組み合わせ;
5)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有含水粘性組成物の組み合わせ;
6)炭酸塩と酸の複合顆粒(細粒、粉末)剤と含水粘性組成物の組み合わせ;
7)炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有シートの組み合わせ;
8)酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有シートの組み合わせ;
9)炭酸塩と酸と含水粘性組成物の組み合わせ;
10)含水粘性組成物と、炭酸塩と酸の複合顆粒(細粒、粉末)剤含有シートの組み合わせ;及び11)炭酸塩と酸と水と増粘剤の組み合わせ。
【0033】
なお、炭酸塩含有含水粘性組成物、酸含有含水粘性組成物及び含水粘性組成物は、各々炭酸塩の増粘剤含有顆粒(細粒、粉末)剤等、酸の増粘剤含有顆粒(細粒、粉末)剤等及び増粘剤含有顆粒(細粒、粉末)剤等の製剤を製造し、これらから調製してもよい。炭酸塩の増粘剤含有顆粒(細粒、粉末)剤等及び酸の増粘剤含有顆粒(細粒、粉末)剤等は各々炭酸塩及び酸の徐放性製剤とすることにより、更に持続性を増強することも可能である。
【0034】
本発明に用いる炭酸塩としては、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、セスキ炭酸カルシウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどがあげられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0035】
本発明に用いる酸としては、有機酸、無機酸のいずれでもよく、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0036】
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸などがあげられる。
【0037】
無機酸としてはリン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸などがあげられる。
【0038】
本発明の組成物には更に必要に応じて殺菌剤、抗生物質、抗臭菌剤、抗炎症剤、止血剤、局所麻酔剤、創傷治癒促進剤、血管拡張剤、血栓溶解剤、角質溶解剤、保湿剤、各種ビタミン、各種ホルモン、鎮痒剤、毛根賦活剤などの各種薬効物質を加えることにより、効果を強めたり相乗効果などを得ることができる。
【0039】
また、香料や色材、保湿剤、油性成分、界面活性剤などを加え、クリーム、ジェル、ペースト、クレンジングフォーム、パック、マスクなどの剤形にして、使用感や使用の利便性等を向上させることができる。香料としては天然香料、合成香料、調合香料などがあげれ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
天然香料としてはバラ油、ジャスミン油、ネロリ油、ラベンダー油、イランイラン油、チュベローズ油、クラリセージ油、クローブ油、ペパーミント油、ゼラニウム油、パッチュリー油、サンダルウッド油、シンナモン油、コリアンダー油、ナツメグ油、ペパー油、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、オポポナックス油、ペチパー油、オリス油、オークモス油などの植物性香料、ムスク油、シベット油、カストリウム油、アンバーグリス油などの動物油があげられる。
【0040】
合成香料としてはリモネン、β−カリオレフィンなどの炭化水素類、サンタロール、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ターピネオール、バクダノール、ファルネソール、β−フェニルエチルアルコール、ブラマノール、メントールなどのアルコール類、2,6−ノナジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、リラール、リリアールなどのアルデヒド類、アセチルセドレン、β−イオノン、イソイースーパー、イロン、l−カルボン、シクロペンタデカノン、ダマスコン、メチルイオノン、ムスコンなどのケトン類、ベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、リナリルアセテートなどのエステル類、β−ウンデカラクトン、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノリッド、エチレンブラシレートなどのラクトン類、アンブロキサン、ガラクソリッド、ローズオキサイドなどのオキサイド類、インドールなどの含窒素化合物、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタールなどのアセタール類、オーランチオールなどのシッフ塩基などがあげられる。
【0041】
調合香料としてはアニマル、アルデハイド、ウッディ、オリエンタル、シトラス、シプレー、スパイシー、グリーン、フゼア、フローラル、フルーティなどがあげられる。
【0042】
色材としては有機合成色素、天然色素、無機顔料、高分子粉体などがあげられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
【0043】
有機合成色素としてはアマランス、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシンB、ローズベンガル、アシッドレッド、リソールルビンB、レーキレッドC、リソールレッド、ローダミンB、テトラクロムテトラブロム、ブリリアントレーキレッドR、ディープマルーン、トルイジンレッド、テトラブロムフルオレセイン、スダンIII、ヘリンドンピンク、ファストアシッドマゼンタ、パーマトンレッド、エオシンYS、フロキシンBK、ビオラミンR、ブリリアントファストスカーレット、ポンソーR、オイルレッドXO、ファストレッドSなどの赤色色素、タートラジン、サンセットエローFCF、フルオレセイン、ウラニン、ハンザエロー、ポーラエロー5G、ナフトールエローS、エローAB、メタニールエロー、ファストライトエロー3Gなどの黄色色素、ファストグリーンFCF、アリザリンシアニングリーンF、キニザリングリーンSS、ピラニンコンク、ライトグリーンSF黄、ナフトールグリーンB、ギネアグリーンBなどの緑色色素、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミン、インジゴ、パテントブルーNA、カルパンスレンブルー、アルファズリンFG、スダンブルーB、フタロシアニンブルーなどの青色色素、ジブロムフルオレセイン、パーマネントオレンジ、ベンチジンオレンジG、オレンジII、ジョードフルオレセイン、エリスロシン黄NA、ハンザオレンジ、オレンジSSなどのだいだい
色色素、レゾルシンブラウンなどの褐色色素、アリズリンパープルSS、アリズロールパープルなどの紫色色素、ナフトブルーブラックなどの黒色色素などがあげられる。
【0044】
天然色素としてはβ−カロチン、β−アポ−8−カロチナール、カプサンチン、リロピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチンなどのカロチノイド系色素、シソニン、ラファニン、ニノシアニン、カルサミン、サフロールイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素などのフラボノイド系色素、リボフラビンなどのフラビン系色素、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、アリザリン、シコニン、アルカニン、ニキノクロームなどのキノン系色素、クロロフィル、血色素などのポルフィリン系色素、クルクミンなどのジケトン系色素、ベタニンなどのベタシアニジン系色素などがあげられる。
【0045】
無機顔料としては、マイカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどの体質顔料、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラックなどの着色顔料、二酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料、雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマスなどの真珠光沢顔料、チッ化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、鉄含有合成フッ素金雲母などの特殊機能性顔料などがあげられる。高分子粉体としてはポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末、ナイロンパウダーなどがあげられる。
【0046】
保湿剤としてはツルビトール、グリセリン、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどがあげられる。
【0047】
油性成分としてはアボカド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、硬化パーム油、合成トリグリセライド、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油などの油脂、スクワラン、セレシン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリンなどの炭化水素、カルテバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリンなどのロウ、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、セタノール、コレステロール、ヘキサデシルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、イソステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリステン酸などの脂肪酸、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキサン酸セチル、グリセリントリエステル、コレステリルエステル、ペンタエリスリトールテトラエステル、リンゴ酸ジイソステアリルなどの合成エステル、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油などが挙げられる。
【0048】
界面活性剤としてはジグリセロールジオレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エステルなどの非イオン性界面活性剤、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキル硫酸ナトリウム、N−アシルアミノ酸塩、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの陰イオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0049】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物を皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害の治療や予防目的、又は美容目的で使用する場合は、該組成物を直接使用部位に塗布するか、あるいはガーゼやスポンジ等の吸収性素材に含浸させるか、またはこれらの素材を袋状に成形してその中に該組成物を入れて使用部位に貼付してもよい。該組成物を塗布又は貼付した部位
を通気性の乏しいフィルム、ドレッシング材などで覆う閉鎖療法を併用すれば更に高い効果が期待できる。該組成物を満たした容器に使用部位を浸すことも有効である。その場合、炭酸ガスボンベなどを用いて該組成物に二酸化炭素を補給すればより効果が持続する。
【0050】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物を便秘の治療に使用する場合は、浣腸に用いるチューブやシリンジなどを用い、浣腸剤と同様に直腸内に注入すればよい。
【0051】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物を口内炎等に使用するときは、皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害の治療や予防目的、又は美容目的の使用と同様の使用方法とともに、含漱剤として使用することも可能である。
【0052】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物を歯科疾患に使用するときは、歯周病等に対しては歯周ポケットにシリンジなどを用いて該組成物を注入する。また同時に歯周ポケット周囲の歯肉を覆うように塗布すれば更に効果が高まる。口内炎もしくは黒色化歯肉に使用するときは、該組成物をシリンジか、またはヘラなどを用いて患部を覆えばよい。義歯性潰瘍の場合は、潰瘍面を適当量の該組成物で覆うように塗布する。その上から義歯を装着しても十分効果が得られる。
【0053】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物は使用後ティッシュペーパーなどでふき取ったり、水などで洗い流すことにより容易に除去できるが、該組成物の原料及び該組成物自体はいずれも非常に安全性が高いので、褥創面などの損傷組織に投与した場合は、完全に患部から除去しなくても問題はなく、また、場合によっては除去せずに新しい二酸化炭素含有粘性組成物を追加使用することも可能である。
【0054】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物を腹部等に適用して部分痩せを行う場合には、入浴時などに行えば、所定時間後に容易に洗い流すことができる。
【0055】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物は、数分程度皮膚または粘膜に適用し、すぐに拭き取ってもかゆみ、各種皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害の治療や予防、あるいは美容に有効であるが、通常5分以上皮膚粘膜もしくは損傷皮膚組織等に適用する。特に褥創治療などでは24時間以上の連続適用が可能であり、看護等の省力化にも非常に有効である。肌質改善等の美容目的に使用する場合は、1回の使用ですぐに効果が得られる。使用時間や使用回数、使用期間を増やせば、美容効果は更に高まる。部分痩せ用途に対しては、1日1回の使用を1ヶ月以上継続すれば十分な効果が得られるが、使用時間や使用回数、使用期間を増やせば効果は更に高まる。
【0056】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物は、密閉容器等に保存することにより、長期間有効性を失うことなく使用が可能である。また、用時調製により使用することも可能である。用時調製による二酸化炭素含有粘性組成物の具体的な使用方法としては、例えば、炭酸塩を含有する含水粘性組成物や含水もしくは多孔性高分子フィルム又はシート等を使用部位に塗布又は貼付し、その上に酸を含有する含水粘性組成物や含水もしくは多孔性高分子フィルム又はシート、顆粒剤等を塗布したり、貼付又は散布して二酸化炭素含有粘性組成物を得ることもできる。また、この顆粒剤等は通気性の乏しい高分子フィルム又はシート等に粘着剤で接着しておき、この高分子フィルム又はシート等を、炭酸塩を含有する含水粘性組成物や含水もしくは多孔性高分子フィルム又はシート等を塗布又は貼付した上からそれを覆うように貼付すれば二酸化炭素含有粘性組成物が得られると同時に、閉鎖療法が簡便に実施できる。もちろんこれらの組み合わせで炭酸塩と酸を入れ替えても有効であるし、顆粒剤等を炭酸塩と酸の複合顆粒剤等とし、含水粘性組成物との組み合わせで二酸化炭素含有粘性組成物を得ることも可能である。用時調製では二酸化炭素の発生に伴う吸熱反応により二酸化炭素含有粘性組成物が冷たくなるため、調製用の材料を暖めておくか、又
は調製後に二酸化炭素含有粘性組成物を暖めてもよい。
【0057】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物は、損傷組織と粘膜に対してはpH5〜8で用いることが好ましい。該組成物のpHが5以下では酸の刺激により痛みを生じ、pH8以上ではアルカリによる蛋白変性作用により組織が損傷されるおそれがある。損傷のない皮膚に対して本発明の組成物はpH3〜pH9で用いることが好ましい。該組成物のpHが3以下では酸の皮膚刺激により痛みやかぶれなどの副作用を起こすおそれがあり、pHが9以上ではアルカリによる蛋白変性作用により組織が損傷されるおそれがある。
【0058】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物の水分量は、40〜99重量%程度、好ましくは60〜96重量%程度である。
【0059】
炭酸塩と酸を使用して二酸化炭素を発生させる場合、含水粘性組成物100重量部に対し、炭酸塩0.01〜30重量部程度、酸0.01〜30重量部程度を使用できる。
【0060】
本発明の組成物は、調製直後にメスシリンダーに入れたときの容量を100としたとき、2時間後においても通常30以上、好ましくは50以上、より好ましくは70以上の容量を保持している。
【0061】
本発明の二酸化炭素含有粘性組成物は、使用時に気泡状の二酸化炭素を1〜99容量%程度、好ましくは5〜90容量%程度、より好ましくは10〜80容量%程度含む。
【0062】
本発明の組成物は、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴うかゆみ;褥創、創傷、熱傷、口角炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;移植皮膚片、皮弁などの生着不全;歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などの末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患;神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの化膿性皮膚疾患;排便反射の減衰または喪失に基づく便秘;除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなどの皮膚や毛髪などの美容上の問題などを副作用をほとんどともなわずに治療及び予防あるいは改善でき、また所望する部位に使用すれば、その部位を痩せさせられる。
【発明を実施するための形態】
【0063】
実施例を示して本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、表中の数字は特にことわらない限り重量部を表す。
【0064】
実施例1〜84 炭酸塩含有含水粘性組成物と酸との組み合わせよりなる二酸化炭素含
有粘性組成物を表1〜表7に示す。
【0065】
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、炭酸塩を表1〜表7のように組み合わせ、炭酸塩含有含水粘性組成物をあらかじめ調製する。酸は、固形の場合はそのまま、又は粉砕して、又は適当な溶媒に溶解又は分散させて、液体の場合はそのまま、又は適当な溶媒で希釈して用いる。炭酸塩含有含水粘性組成物と酸を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
<炭酸塩含有含水粘性組成物の製造>
ビーカー等の容器中で精製水に増粘剤を溶解又は膨潤させ、炭酸塩を溶解又は分散させる。このとき必要であれば精製水を加熱して増粘剤の溶解、膨潤を促進してもよいし、増粘剤を適当な溶媒に溶解又は分散させておいて用いてもよい。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。
【0066】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gと酸1gを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。これを10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い発泡性を評価する。
<評価基準1>
増加率 発泡性
70%以上 +++
50%〜70% ++
30%〜50% +
30%以下 0
体積の測定は、各々の測定時点での二酸化炭素含有粘性組成物の高さをカップに記し、該組成物を除去した後でそれらの高さまで水を入れ、それらの水の体積をメスシリンダーで測定する。
<気泡の持続性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gと酸1gを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。
<評価基準2>
減少率 気泡の持続性
20%以下 +++
20%〜40% ++
40%〜60% +
60%以上 0
体積の測定は、各々の測定時点での二酸化炭素含有粘性組成物の高さをカップに記し、該組成物を除去した後でそれらの高さまで水を入れ、それらの水の体積をメスシリンダーで測定する。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

実施例85〜108
酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表8〜表9に示す。
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、酸(有機酸及び/又は無機酸)を表8、表9のように組み合わせ、酸含有含水粘性組成物をあらかじめ調製する。炭酸塩はそのまま、又は結晶の場合は粉砕して、又は適当な溶媒に溶解又は分散させて用いることもできる。酸含有含水粘性組成物と炭酸塩を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
<酸含有含水粘性組成物の製造>
ビーカー等の容器中で精製水に増粘剤を溶解又は膨潤させ、酸を溶解又は分散させる。このとき必要であれば精製水を加熱して増粘剤の溶解、膨潤を促進してもよいし、増粘剤を適当な溶媒に溶解又は分散させておいて用いてもよい。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
酸含有含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2gを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。これを10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い、発泡性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<発泡性>に記載の方法に従い測定する。
<気泡の持続性>
酸含有含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2gを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<気泡の持続性>に記載の方法に従い測定する。
【0074】
【表8】

【0075】
【表9】

実施例109〜144
炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の顆粒剤との組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表10〜表12に示す。
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)、マトリックス基剤を表10〜表12のように組み合わせ、炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の顆粒剤をあらかじめ調製する。この顆粒剤は徐放性であってもよい。炭酸塩含有含水粘性組成物と酸の顆粒剤を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。本発明でいうマトリックス基剤とは、溶媒による溶解や膨潤、加熱による溶融などにより流動化し、他の化合物を包含した後、溶媒除去又は冷却等により固化し、粉砕等により顆粒を形成する化合物、もしくは他の化合物と混合、圧縮して固化し、粉砕等により顆粒を形成する化合物で水により溶解もしくは崩壊するものすべてをいう。マトリックス基剤としては、エチルセルロース、エリスリトール、カルボキシメチルスターチ及びその塩、カルボキシメチルセルロース及びその塩、含水二酸化ケイ素、キシリトール、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ステアリルアルコール、セタノール、ソルビトール、デキストリン、澱粉、乳糖、白糖、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、プルラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、マンノース、メチルセルロースなどがあげられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
<炭酸塩含有含水粘性組成物の製造>
実施例1〜84に記載の炭酸塩含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
<酸の顆粒剤の製造>
マトリックス基剤に低融点化合物を使用する場合は、ビーカー等の容器中で加熱により溶融させた低融点マトリックス基剤に酸を加えて十分攪拌、混合する。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。これを室温で徐々に冷やしながら更に攪拌し、固まるまで放置する。ある程度固まってきたら冷蔵庫等で急速に冷却してもよい。マトリックス基剤に低融点化合物を用いない場合は、ビーカー等の容器中でマトリックス基剤を水又はエタノールのような適当な溶媒に溶解又は分散させ、これに酸を溶解又は分散させて十分混合した後にオーブン等で加熱して溶媒を除去し、乾燥させる。完全に固まったら粉砕し顆粒とする。このとき顆粒の大きさを揃えるために篩過してもよい。
なお、本発明において上記の酸の顆粒剤の製造方法は本実施例に限定されることはなく、乾式破砕造粒法や湿式破砕造粒法、流動層造粒法、高速攪拌造粒法、押し出し造粒法などの常法に従い製造できる。
【0076】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gと酸1g相当量の酸の顆粒剤を直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。これを10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い、発泡性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<発泡性>に記載の方法に従い測定する。
<気泡の持続性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gと酸1g相当量の酸の顆粒剤を直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<気泡の持続性>に記載の方法に従い
測定する。
【0077】
【表10】

【0078】
【表11】

【0079】
【表12】

実施例145〜179
酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の顆粒剤との組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表13〜表15に示す。
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)、マトリックス基剤を表13〜表15のように組み合わせ、酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の顆粒剤をあらかじめ調製する。この顆粒剤は徐放性でもよい。酸含有含水粘性組成物と炭酸塩の顆粒剤を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
<酸含有含水粘性組成物の製造>
実施例85〜108に記載の酸含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
<炭酸塩の顆粒剤の製造>
マトリックス基剤に低融点化合物を使用する場合は、ビーカー等の容器中で加熱により溶融させた低融点マトリックス基剤に炭酸塩を加えて十分攪拌、混合する。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質を加えてもよい。これを室温で徐々に冷やしながら更に攪拌し、固まるまで放置する。ある程度固まってきたら冷蔵庫等で急速に冷却してもよい。マトリックス基剤に低融点化合物を用いない場合は、ビーカー等の容器中でマトリックス基剤を水又はエタノールのような適当な溶媒に溶解又は分散させ、これに炭酸塩を溶解又は分散させて十分混合した後にオーブン等で加熱して溶媒を除去し、乾燥させる。完全に固まったら粉砕し、顆粒とする。このとき顆粒の大きさを揃えるために篩過してもよい。
【0080】
なお、本発明において上記の炭酸塩の顆粒剤の製造方法は本実施例に限定されることはなく、乾式破砕造粒法や湿式破砕造粒法、流動層造粒法、高速攪拌造粒法、押し出し造粒法などの常法に従い製造できる。
【0081】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
酸含有含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2g相当量の炭酸塩の顆粒剤を直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。これを10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い、発泡性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<発泡性>に記載の方法に従い測定する。
<気泡の持続性>
酸含有含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2g相当量の炭酸塩の顆粒剤を直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<気泡の持続性>に記載の方法に従い測定する。
【0082】
【表13】

【0083】
【表14】

【0084】
【表15】

実施例180〜226
酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有含水粘性組成物の組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表16〜表19に示す。
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)を表16〜表19のように組み合わせ、酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有含水粘性組成物を予め調製する。酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有含水粘性組成物を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。<酸含有含水粘性組成物の製造>
実施例85〜108に記載の酸含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
<炭酸塩含有含水粘性組成物の製造>
実施例1〜84に記載の炭酸塩含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
【0085】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
酸含有含水粘性組成物25gと炭酸塩含有含水粘性組成物25gとを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。これを10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い、発泡性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<発泡性>に記載の方法に従い測定する。
<気泡の持続性>
酸含有含水粘性組成物25gと炭酸塩含有含水粘性組成物25gとを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<気泡の持続性>に記載の方法に従い測定する。
【0086】
【表16】

【0087】
【表17】

【0088】
【表18】

【0089】
【表19】

実施例227〜249
炭酸塩と酸の複合顆粒剤と含水粘性組成物の組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表20〜表21に示す。
〔製造方法〕
増粘剤と精製水、炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)、マトリックス基剤を表20〜表21のように組み合わせ、炭酸塩と酸の複合顆粒剤と含水粘性組成物をあらかじめ調製する。炭酸塩と酸の複合顆粒剤と含水粘性組成物を混合し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。炭酸塩と酸の複合顆粒剤は炭酸塩と酸が徐放性であってもよい。
<炭酸塩と酸の複合顆粒剤の製造>
マトリックス基剤に低融点化合物を使用する場合は、ビーカー等の容器中で加熱により溶融させた低融点マトリックス基剤に炭酸塩と酸を加えて十分攪拌、混合する。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。これを室温で徐々に冷やしながら更に攪拌し、固まるまで放置する。ある程度固まってきたら冷蔵庫等で急速に冷却してもよい。マトリックス基剤に低融点化合物を用いない場合はビーカー等の容器中でマトリックス基剤を無水エタノールのような適当な溶媒に溶解又は分散させ、炭酸塩と酸を溶解又は分散させ、十分混合した後にオーブン等で加熱して溶媒を除去し、乾燥させる。完全に固まったら粉砕し、顆粒とする。このとき顆粒の大きさを揃えるために篩過してもよい。<含水粘性組成物の製造>
ビーカー等の容器中で増粘剤を精製水に溶解又は膨潤させる。このとき必要であれば精製水を加熱して増粘剤の溶解又は膨潤を促進してもよいし、増粘剤を適当な溶媒に溶解又は分散させておいて用いてもよい。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。
【0090】
なお、本発明において上記の炭酸塩と酸の複合顆粒の製造方法は本実施例に限定されることはなく、乾式破砕造粒法や流動層造粒法、高速攪拌造粒法、押し出し造粒法などの常法に従い製造できる。
【0091】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2g相当量の炭酸塩と酸の複合顆粒剤とを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、その体積を測定する。含水粘性組成物と炭酸塩と酸の複合顆粒剤の混合物を10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め攪拌混合前の体積からの増加率をパーセントで求め、評価基準1に従い、発泡性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<発泡性>に記載の方法に従い測定する。
<気泡の持続性>
含水粘性組成物50gと炭酸塩1.2g相当量の炭酸塩と酸の複合顆粒剤とを直径5cm、高さ10cmのカップに入れ、10秒間に20回攪拌混合し二酸化炭素含有粘性組成物を得る。攪拌混合1分後の該組成物の体積を測定し、その2時間後の体積を測定して体積の減少率をパーセントで求め、評価基準2に従い、気泡の持続性を評価する。体積の測定は、実施例1〜84の〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕の<気泡の持続性>に記載の方法に従い測定する。
【0092】
【表20】

【0093】
【表21】

実施例250〜272
炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有シートの組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物を表22〜表23に示す。
〔製造方法〕
炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)、増粘剤、マトリックス基剤、精製水を表22〜表23のように組み合わせ、炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有シートをあらかじめ調製する。炭酸塩含有含水粘性組成物と酸含有シートを接触させ、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
<炭酸塩含有含水粘性組成物の製造>
実施例1〜84に記載の炭酸塩含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
<酸含有シートの製造>
ビーカー等の容器中でマトリックス基剤を水又はエタノール等の溶媒で溶解又は分散させ、そこに酸を溶解又は分散させ、ガラス板上に均一な厚さで必要に応じて適当な大きさに広げ、オーブン等で乾燥させて酸含有シートを得る。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。また、不織布や織布、高分子フィルム等を支持体としてもよく、支持体の周囲に粘着剤を塗布して貼付材とすることも可能である。
【0094】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gをガラス板上に一辺10cmの均一な厚みの正方形にのばし、その上に酸1gを含有する一辺10cmの正方形の酸含有シートを乗せる。5分後に該シートと該含水粘性組成物の界面に気泡の認められたものを発泡性「あり」、認められなかったものを発泡性「なし」と評価する。
<気泡の持続性>
炭酸塩含有含水粘性組成物50gをガラス板上に一辺10cmの均一な厚みの正方形にのばし、その上に酸1gを含有する一辺10cmの正方形の酸含有シートを乗せる。5分後と2時間後の両方で該シートと該含水粘性組成物の界面に気泡の認められたものを気泡の持続性「あり」、5分後には気泡が認められたが、2時間後には認められなかったものを気泡の持続性「なし」と評価する。
【0095】
【表22】

【0096】
【表23】

実施例273〜294
酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有シートの組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組
成物を表24〜表25に示す。
〔製造方法〕
炭酸塩と酸(有機酸及び/又は無機酸)、増粘剤、マトリックス基剤、精製水を表24〜表25のように組み合わせ、酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有シートをあらかじめ調製する。酸含有含水粘性組成物と炭酸塩含有シートを接触させ、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
<酸含有含水粘性組成物の製造>
実施例85〜108に記載の酸含有含水粘性組成物の製造方法に従い製造する。
<炭酸塩含有シートの製造>
ビーカー等の容器中でマトリックス基剤を水又はエタノール等の溶媒で溶解又は分散させ、そこに炭酸塩を溶解又は分散させ、ガラス板上に均一な厚さで必要に応じて適当な大きさに広げ、オーブン等で乾燥させて炭酸塩含有シートを得る。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。また、不織布や織布、高分子フィルム等を支持体としてもよく、支持体の周囲に粘着剤を塗布して貼付材とすることも可能である。
【0097】
〔二酸化炭素含有粘性組成物の評価〕
<発泡性>
酸含有含水粘性組成物50gをガラス板上に一辺10cmの均一な厚みの正方形にのばし、その上に炭酸塩1.2gを含有する一辺10cmの正方形の炭酸塩含有シートを乗せる。5分後に該シートと該含水粘性組成物の界面に気泡の認められたものを発泡性「あり」、認められなかったものを発泡性「なし」と評価する。
<気泡の持続性>
酸含有含水粘性組成物50gをガラス板上に一辺10cmの均一な厚みの正方形にのばし、その上に炭酸塩1.2gを含有する一辺10cmの正方形の炭酸塩含有シートを乗せる。5分後と2時間後の両方で該シートと該含水粘性組成物の界面に気泡の認められたものを気泡の持続性「あり」、5分後には気泡が認められたが、2時間後には認められなかったものを気泡の持続性「なし」と評価する。
【0098】
【表24】

【0099】
【表25】

実施例295(炭酸塩と酸と含水粘性組成物の組み合わせよりなる閉鎖療法用二酸化炭素含有粘性組成物)
〔製造方法〕
炭酸水素ナトリウム0.24gとクエン酸0.2gを混合し、6cm×7cmのフィルムドレッシング材(商品名テガダーム、3M社製)の粘着面の端から2cmの内側に均等に広げ、その上から5cm×6cmの薄い不織布をかぶせ、該炭酸水素ナトリウムと該クエン酸の混合物がこぼれないようにこの不織布を該フィルムドレッシング材の粘着面に接着する。該不織布上に、実施例227〜249の<含水粘性組成物の製造>に記載の製造方法に従い製造したアルギン酸ナトリウム0.3g、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.2g、精製水9.5gよりなる含水粘性組成物を不織布の端から1cm内側に均一な厚さに塗布し、閉鎖療法用二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
【0100】
実施例296(炭酸塩と酸の複合顆粒剤と含水粘性組成物の組み合わせよりなる閉鎖療法用二酸化炭素含有粘性組成物)
〔製造方法〕
セタノール5gを100mlのビーカー中で温浴により溶融し、これに炭酸水素ナトリウム24gとクエン酸20gを加えてよくかき混ぜる。これらが十分混合されたら室温で徐々に冷やしながら更にかき混ぜ、ある程度固まってきたらかき混ぜるのをやめて完全に固まるまで放置する。完全に固まったら粉砕し、炭酸塩と酸の複合顆粒剤を得る。
【0101】
該複合顆粒剤0.49gを6cm×7cmのフィルムドレッシング材(商品名テガダーム、3M社製)の粘着面の端から2cmの内側に薄く広げ、その上から5cm×6cmの薄い不織布をかぶせ、該複合顆粒剤がこぼれないように、この不織布を該フィルムドレッシング材の粘着面に接着する。該不織布上に、実施例227〜249の<含水粘性組成物の製造>に記載の製造方法に従い製造したアルギン酸ナトリウム0.3g、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.2g、精製水9.5gよりなる含水粘性組成物を不織布の端から1cm内側に均一な厚さに塗布し、閉鎖療法用二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
【0102】
実施例297(炭酸塩含有含水粘性組成物と酸被覆顆粒剤との組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物)
〔製造方法〕
炭酸塩含有含水粘性組成物と酸被覆顆粒剤を混合攪拌し、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。これらの混合比は任意に設定できるが、炭酸塩1.2重量部相当の炭酸塩含有含水粘性組成物に対し、酸1重量部相当の酸被覆顆粒を試験例では用いる。
〈炭酸塩含有含水粘性組成物の製造〉
メチルパラベン2g、炭酸水素ナトリウム24g、カルボキシメチルスターチナトリウム40g、アルギン酸ナトリウム40g、カルボキシメチルセルロースナトリウム40gを2,000mlの水に溶解又は分散させ、十分攪拌して炭酸塩含有含水粘性組成物を得る。必要に応じてこれに適当な添加剤や薬効物質等を加えてもよい。
〈酸被覆顆粒剤の製造〉
常法に従い、クエン酸1.8kgを7%HPC−Lエタノール溶液722gに溶かした溶液をCFグラニュレーターを用いて精製白糖顆粒(商品名ノンパレル103、フロイント産業株式会社)9kgに吹き付け、乾燥後、酸被覆顆粒剤10.7kgを得た。
【0103】
実施例298(炭酸塩及び植物精油含有含水粘性組成物と酸の顆粒剤との組み合わせよりなる二酸化炭素含有粘性組成物)
〔製造方法〕
メチルパラベン1g、炭酸水素ナトリウム12g、カルボキシメチルスターチナトリウム25g、アルギン酸ナトリウム20g、カルボキシメチルセルロースナトリウム25g、グレープフルーツ油0.5ml、カユプテ油0.1ml、ローズウッド油0.1ml、ゼラニウム油0.1ml、食用緑色色素0.01g、酢酸アルファ・トコフェロール1mlを1,000mlの水に溶解又は分散させ、十分攪拌する。必要に応じてこれに適当な
添加剤や薬効物質等を加えてもよい。その25gに実施例297の酸被覆顆粒剤1.2gを加えて攪拌し、二酸化炭素含有粘性組成物からなるクリームを得る。
【0104】
実施例299(含水粘性組成物と二酸化炭素よりなる二酸化炭素含有粘性組成物)
〔製造方法〕
炭酸水素ナトリウム12g、カルボキシメチルスターチナトリウム20g、アルギン酸ナトリウム20gを1,000mlの水に溶かし、含水粘性組成物を得る。これに小型二酸化炭素ボンベ(商品名テトラCO2ボンベ、ワーナー・ランバート社製)につないだ外
径6.0mm、内径3.5mm、長さ60cmのビニールチューブの先端を入れ、二酸化炭素を吹き込みながらカルボキシメチルセルロースナトリウム20gを加えて攪拌しながら溶かすことにより、二酸化炭素含有粘性組成物を得る。
【0105】
試験例1(足白癬に伴う痒みの治療試験)
41歳男性。強い痒みを伴う右足の足白癬に対し、実施例8の組成物100gを洗面器に満たして足を約20分間浸けさせたところ、本組成物による一度の治療で痒みがとれた。
【0106】
試験例2(足白癬に伴う痒みの治療試験)
73歳女性。非常に強い痒みを伴う両足の足白癬に対し、実施例18の組成物300gを洗面器に満たして足を約20分間浸けさせた。外用抗真菌剤による2年間の治療が全く効果がなかったが、本組成物による一度の治療で痒みがとれた。
【0107】
試験例3(口角炎治療試験)
41歳男性。実施例8の組成物1gを10分間口角炎に塗布したところ、痛みが消失し、傷口がふさがって治癒した。
【0108】
試験例4(褥創治療試験)
78歳男性。肺ガンの進行により寝たきりとなり、腰部から臀部にかけて褥創が発生した。褥創の深さは約4cmで筋膜まで達していた。実施例1の組成物100gを褥創のポケットに満たし、20cm×30cmのフィルムドレッシング材(商品名テガダーム、3M社製)で20分間覆った。該組成物とフィルムドレッシング材は毎日交換した。治療開始11日目で褥創の深さは1cmに改善された。治療開始から1ヶ月後には肉芽はほぼ周囲の正常皮膚と同じ高さにまで盛り上がった。
【0109】
試験例5(ズック靴皮膚炎治療試験)
8歳男性。ズック靴皮膚炎のために両足底が出血し、ステロイド外用剤(商品名リンデロンV軟膏、塩野義製薬社製)を2ヶ月間塗布したが効果がなかった。実施例20の組成物30gを1日1回10分間足底に塗布したところ、4日目に傷口が塞がり、1ヶ月で完治した。
【0110】
試験例6(髪の艶に対する試験)
41歳男性。髪の艶がなくなり、老けた感じに見えるのを気にしていたため、実施例18の組成物20gを1日1回約15分間髪に塗布したところ、3日目から髪の艶がよくなった。
【0111】
試験例7(アトピー性皮膚炎治療試験)
4歳女性。両膝裏のアトピー性皮膚炎に対し、実施例20の組成物5gを1日1回5分間塗布したところ、2週間で皮膚の黒ずみが消え、4週間で皮膚の乾燥が治癒した。
【0112】
試験例8(顔と腹部の部分痩せ試験)
41歳男性。ふっくらした頬と太いウエストを痩せさせたいと希望し、実施例8の組成
物を1日1回15分間右頬に30g、腹部に100g塗布した。2ヶ月後に右頬が5名の評価者全員により明らかに小さくなったと判断された。腹部はウエストが6cm減少した。
【0113】
試験例9(肌質改善及び顔痩せ試験)
37歳女性。ふっくらした頬と荒れ肌、肌のくすみに悩み、種々の化粧品を試したが効果が得られなかった。実施例20の組成物50gを1日1回10分間顔全体に塗布したところ、1回目の塗布で肌のくすみが消えて白くなり、きめ細かい肌になった。2週間後には3名の評価者全員により、顔が小さくなったと判断された。
【0114】
試験例10(頸肩腕症候群治療試験)
42歳男性。コンピュータ操作の疲れからくる頸肩腕症候群(肩こり)に対し、外用抗炎症剤(商品名タイガーバーム、龍角散社製)を塗布したが全く効果が得られなかった。実施例20の組成物40gを20分間肩に塗布したところ、頸肩腕症候群が治癒した。
【0115】
試験例11(尋常性乾癬治療試験)
37歳女性。非常に強い痒みを伴う膝の尋常性乾癬に対し、実施例20の組成物3gを1日1回10分間塗布した。1回の塗布で痒みが消失した。2週間後に患部の黒ずみが改善した。
【0116】
試験例12(鶏眼治療試験)
37歳女性。痛みを伴う左足小指の右側にできた鶏眼に実施例20の組成物2gを1日1回10分間、5日間塗布したところ、サリチル酸製剤のように鶏眼の周囲の正常皮膚が損傷されることなく治癒した。
【0117】
試験例13(腕の部分痩せ試験)
36歳女性。二の腕の太さを気にしていたため、実施例18の組成物30gを左の二の腕に塗布し、食品包装用フィルム(商品名サランラップ、旭化成社製)をその上からまいて6時間放置したところ、二の腕の周囲長が2cm減少した。
【0118】
試験例14(臀部の化膿性湿疹治療試験)
29歳男性。臀部全体にできた化膿性湿疹に対し、実施例18の組成物40gを1日1回20分間、7日間塗布したところ、化膿性湿疹が治癒した。
【0119】
試験例15(虫さされの痒み治療試験)
51歳女性。ハチに腕と手指の2カ所を刺され、抗ヒスタミン剤(商品名セレスタミン錠、シェリングプラウ社製)の服用とステロイド外用剤(商品名テラコートリル軟膏、ファイザー製薬社製)の塗布により局所の腫脹、発赤は消失したが、徐々に痒みが出現し、2週後にも痒みのため不眠をきたすまでになった。実施例18の組成物5gを15分間塗布したところ、痒みが消失し、安眠を得られた。
【0120】
試験例16(足白癬に伴う痒みの治療試験)
32歳女性。非常に強い痒みを伴う両足の足白癬に対し、抗真菌剤(商品名メンタックスクリーム、科研製薬社製)を2ヶ月間塗布したが、痒みがまったくおさまらなかった。実施例8の組成物100gを洗面器に満たして足を約20分間浸けさせたところ、一度の治療で痒みがとれた。その4日後に再度実施例8の組成物100mlを洗面器に満たして足を約20分間浸けさせたところ、病変の肉眼的所見も著明に改善した。
【0121】
試験例17(掌蹠膿疱症治療試験)
22歳女性。強い痒みを伴う両手の掌蹠膿疱症に対し、実施例18の組成物100gを
洗面器に満たして手を約15分間浸けさせたところ、直ちに痒みが消失した。
【0122】
試験例18(アトピー性皮膚炎治療試験)
8歳男性。一部角化、亀裂を伴い疼痛と痒みの非常に強い手指のアトピー性皮膚炎に対し、実施例8の組成物50gをカップに満たして指先を20分間浸けさせたところ、直ちに痒みが消失した。翌日には亀裂部に上皮形成が認められ、疼痛も軽減した。
【0123】
試験例19(尋常性乾癬治療試験)
37歳女性。非常に強い痒みを伴う膝の尋常性乾癬に対し、実施例296の組成物10.49gを30分間貼付した。痒みは直ちに消失し、患部上皮の角化、乾燥が著明に改善した。
【0124】
試験例20(顔面の擦過傷治療試験)
10歳男性。右顔面の3cm×4cmの擦過傷に対し、実施例296の組成物10.49gを貼付した。該組成物は1日1回交換した。2日目に痂皮形成することなく上皮化が認められ、5日目に瘢痕化することなく治癒した。
【0125】
試験例21(乾燥性皮膚掻痒症)
69歳男性。両下腿の乾燥性皮膚掻痒症に対し、実施例20の組成物50gを塗布し、20分間食品包装用フィルム(商品名サランラップ、旭化成社製)で覆ったところ、痒みが消失した。
【0126】
試験例22(褥創治療試験)
65歳男性。脳内出血の血脈除去手術後より植物状態になり、仙骨部に15cm×15cm大の骨膜に達するIV度褥創が生じた。創面には壊死組織が付着し、深いポケットが形成され、滲出液も認められた。生理的食塩水による創面の洗浄およびポビドンヨードシュガー塗布による治療を行ったが、ほとんど効果が得られなかった。実施例297の二酸化炭素含有粘性組成物30gを1日1回、ポケット内に充填し、更に創面に盛り上げるように塗布し、その上に20cm×30cmのフィルムドレッシング材(商品名テガダーム、3M社製)を貼付した。該組成物とフィルムドレッシング材は毎日交換した。該組成物投与5日目で創面より壊死組織、滲出液が消失して急速な治癒傾向を示した。同時に、良性肉芽の増生を認めた。2ヶ月目には褥創の大きさ、深さは著明に縮小し、創面には上皮が形成され、ポケットも消失した。
【0127】
試験例23(歯槽膿漏治療試験)
28歳女性。歯肉の腫脹と発赤が著しく、歯肉が歯牙の上まで達していた。歯周ポケットのスケーリングを行い、実施例297の二酸化炭素含有粘性組成物30gを2日に1回、歯周ポケット内に注入し、更に歯肉全体を覆うように20分間塗布した。1ヶ月後には歯肉の腫脹と発赤はほとんど解消した。
【0128】
試験例24(口唇裂傷治療試験)
7歳女性。下口唇を上顎前歯にて咬み、歯牙の跡が残る外傷性の裂傷を受けた。実施例297の二酸化炭素含有粘性組成物5gを20分間塗布したところ、ほぼ傷跡が残らない程度に回復した。
【0129】
試験例25(義歯性潰瘍治療試験)
67歳女性。義歯装着後、義歯床下粘膜に、義歯不適合による疼痛を伴う潰瘍が発生した。義歯を脱着して辺縁部を削り、義歯の適合をはかるとともに、潰瘍部に実施例297の二酸化炭素含有粘性組成物5gを塗布し、義歯を再装着した。5日後の診察では、潰瘍は消失していた。
【0130】
試験例26(そばかすについての試験)
38歳女性。長年そばかすに悩み、様々な化粧品を使用するも効果がなかったため、実施例298の二酸化炭素含有粘性組成物26.2gを1日1回20分間顔全体に塗布したところ、3日目でほくろの方が目立つほどにそばかすが薄くなった。
【0131】
試験例27(口内炎治療試験)
43歳男性。右口蓋部にできた疼痛を伴う口内炎に対し、実施例170の組成物3gを20分間塗布したところ、直ちに疼痛は消失した。
【0132】
試験例28(膿痂疹治療試験)
4歳女性。右上腕の膿痂疹に対し、実施例297の組成物10gを1日1回20分間塗布したあと、フシジン酸ナトリウム軟膏(商品名フシジンレオ軟膏、三共株式会社製)適量を塗布したところ、5日目に瘢痕を伴わずに治癒した。
【0133】
試験例29(尋常性ざ瘡治療試験)
28歳女性。顔面全体の尋常性ざ瘡に対し、各種外用非ステロイド性抗炎症剤や内服抗生物質などを試みるも、全く無効であった。実施例297の組成物30gを1日1回30分間塗布したところ、2ヶ月で丘疹は平坦になり、わずかに発赤を残すのみとなった。
【0134】
試験例30(下肢皮膚潰瘍治療試験)
63歳女性。下肢静脈瘤による直径1cmの皮膚潰瘍及び点状のびらんに対し、実施例297の組成物15gを1日1回20分間塗布したところ、びらんは1回目の塗布で消失、治癒した。10日目には皮膚潰瘍も著明に縮小したため、該組成物の投与を中止したが、翌日には痂皮を形成して治癒した。
【0135】
試験例31(下肢冷感、掻痒、しびれ感治療試験)
71歳男性。末梢循環障害による両下肢の冷感、掻痒、しびれ感に対し、実施例31の組成物30gを週1回20分間下肢に塗布したところ、7回の塗布でこれらの症状が消失した。
【0136】
試験例32(歯肉炎治療試験)
42歳男性。強い歯痛を併発した、腫脹と発赤が著しい歯肉炎に対し、実施例297の組成物10gを1回10分間、1日目に3回、2日目に2回塗布した。歯痛は1回目の塗布で消失し、歯肉の腫脹と発赤は著明に改善した。
【0137】
試験例33(除毛後の再発毛抑制試験)
38歳女性。腋のむだ毛を週2回剃刀で剃っていたが、剃刀で剃る回数を少なくできないかと悩んでいた。実施例135の組成物30gを両腋の下に各15gずつ1日1回15分間塗布したところ、1ヶ月後以降は腋のむだ毛は1度剃るとその後の再発毛が遅れ、1週間に1回剃刀で剃るだけでよくなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素含有粘性組成物を得るためのキットであって、
1)炭酸塩及びアルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物と、酸の顆粒(細粒、粉末)剤の組み合わせ;
2)酸及びアルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物と、炭酸塩の顆粒(細粒、粉末)剤の組み合わせ;又は
3)炭酸塩と酸の複合顆粒(細粒、粉末)剤と、アルギン酸ナトリウムを含有する含水粘性組成物の組み合わせ;
からなり、
含水粘性組成物が、二酸化炭素を気泡状で保持できるものであることを特徴とする、
含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させることにより気泡状の二酸化炭素を含有する前記二酸化炭素含有粘性組成物を得ることができるキット。
【請求項2】
得られる二酸化炭素含有粘性組成物が、二酸化炭素を5〜90容量%含有するものである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
含水粘性組成物が、含水粘性組成物中で炭酸塩と酸を反応させた後にメスシリンダーに入れたときの容量を100としたとき、2時間後において50以上の容量を保持できるものである、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
含水粘性組成物がアルギン酸ナトリウムを2重量%以上含むものである、請求項1〜3のいずれかに記載のキット。
【請求項5】
含有粘性組成物が水を87重量%以上含むものである、請求項1〜4のいずれかに記載のキット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のキットから得ることができる二酸化炭素含有粘性組成物を含む医薬組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のキットから得ることができる二酸化炭素含有粘性組成物を含む化粧料。

【公開番号】特開2010−275322(P2010−275322A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199412(P2010−199412)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【分割の表示】特願2000−520135(P2000−520135)の分割
【原出願日】平成10年10月5日(1998.10.5)
【出願人】(397067749)株式会社メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ (2)
【Fターム(参考)】