説明

二酸化炭素吸収剤及び使用方法

一態様では、本発明は、構造I、II、III、IV又はVの少なくともいずれかを有するアミノ−シロキサン組成物を提供し、本組成物は、発電所燃焼排ガスのようなガス流からの二酸化炭素の捕獲に有効である。さらに、本発明は、アミノ−シロキサン組成物の製造方法を提供する。二酸化炭素と反応して二酸化炭素の付加体を形成する化学種として本発明のアミノ−シロキサン組成物を用いてプロセス流中の二酸化炭素の量を低減する方法も提供する。本発明のアミノ−シロキサン組成物と二酸化炭素との反応は可逆的であり、したがって、本発明の方法は上記組成物を複数サイクルで使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアミノ−シロキサン組成物及びその二酸化炭素吸収剤材料としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、微粉炭火力発電所は、米国で使用する電気の半分以上を発電している。2007年に、これらの発電所は19億トンを超える二酸化炭素(CO2)を排出し、これは、発電所からのCO2総排出量の83%、米国のCO2総排出量の33%を占めた。これらの排出をなくすかさらに低減することは、温室効果ガス排出を低減する計画においてきわめて重要となる。
【0003】
数十年間、ガス流からのCO2の分離は、食品生産、天然ガススウィートニング及びその他のプロセスで工業化されてきた。現在、水性モノエタノールアミン(MEA)を主成分とする溶剤での捕獲が、排出ガスからCO2を分離する最も優れた工業的方法であると考えられており、この分野での今後の開発を評価する基準となっている。残念ながら、アミンを用いたシステムは、微粉炭火力発電所から発生する大量の燃焼排ガスを処理するように設計されていなかった。アミンを用いたCO2捕獲(回収)システムをこのような発電所に必要な大きさに拡大すると、このような発電所からの電気の総コストが83%増加すると推定される。米国に存在するすべての微粉炭火力発電所にこの方法を適用すると年間1250億ドルかかることになり、MEAを用いたCO2捕獲は大規模な工業化に望ましい選択肢ではない。
【0004】
現在利用されているMEAを用いたシステムの実施可能な代替法として検討されているCO2捕獲方法において、実現したい特性や向上させたい特性が多くある。例えば、このような方法は、高い正味のCO2吸収容量を示し、キャリア溶剤(例えば、水)を使用せず、資本コストも運転コストも少なくする(加熱及び冷却しなければならない材料の量が少ないほど、必要なエネルギーが少ない)ことが望ましい。反応熱が低いことは、材料からCO2を放出するのに必要なエネルギーが少ないことを意味する。捕獲前のガス圧縮を必要とせず、したがって高い正味のCO2吸収容量を低いCO2分圧で達成することができ、捕獲に必要なエネルギーを少なくする方法が望ましい。粘度の低い材料を用いる方法は、優れた物質移動、必要な装置の大きさの縮小化及びそれを運転するエネルギーのコストの低減を実現する。用いる材料が低揮発性及び熱、化学及び加水分解安定性ならば、補充する必要がある材料の量を低減することができる。勿論、このような方法は、システムの材料補給コストをできるだけ低くするように材料コストが低いことも望ましい。高圧でCO2放出の操作が可能であるならば、隔離前のCO2圧縮に必要なエネルギーを低減することができる。最後に、このような方法は、資本及び維持のコストを低くするために低腐食性であり、さらに所望の正味のCO2吸収容量に達するのに著しい冷却を必要とせず、運転コストを低くすることが望ましい。
【0005】
残念ながら、上記の望ましい特性の多くは、相互作用したり、相互依存したりするため、独立に変化させることはできず、調整が必要である。例えば、低揮発性であるためには、このような方法に用いる材料が通常比較的高分子量でなければならないが、低粘度であるためには、材料が通常比較的低分子量でなければならない。低圧で高いCO2吸収力をもつためには、吸収剤材料とCO2から誘導される構造単位を有する付加体を形成する吸収剤材料と二酸化炭素との全反応熱が比較的高くなければならないが、このような付加体から吸収剤材料及び二酸化炭素を再生しやすくするには、反応熱が比較的低いのが有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3215648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の望ましい特性のできるだけ多くを最適化し、さらに、他の望ましい特性に著しく悪影響を与えないCO2捕獲方法を提供することが望ましい。少なくとも、工業的に利用できるように、このような方法は低コストであり、低揮発性、高い熱安定性及び高い正味のCO2吸収力をもつ材料を用いることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、次の構造Iのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0009】
【化1】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。
【0010】
別の態様では、本発明は、次の構造IIのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0011】
【化2】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【0012】
他の態様では、本発明は、次の構造IIIのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0013】
【化3】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【0014】
1態様では、本発明は、次の構造IVのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0015】
【化4】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。
【0016】
別の態様では、本発明は、次の構造Vのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0017】
【化5】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基である。
【0018】
他の態様では、本発明は、次の構造1のシロキシシリルオキシランを構造2の有機アミンと接触させる工程を含む、構造3のアミノ−シロキサン組成物の製造方法を提供する。
【0019】
【化6】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R7はC1−C30脂肪族基又はC2−C30脂環式基である。
【0020】
他の態様では、本発明は、以下の構造Iのアミノ−シロキサン、構造IIのアミノ−シロキサン、構造IIIのアミノ−シロキサン、構造IVのアミノ−シロキサン及び構造Vのアミノ−シロキサンからなる群から選択される1種以上のアミノ−シロキサンを含有する二酸化炭素吸収剤にプロセス流を接触させる工程を含む、プロセス流中の二酸化炭素量の低減方法を提供する。
【0021】
【化7】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は各々独立に水素又はC1−C3アシルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4は各々独立にC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲において、多数の用語に言及するが、その用語が次の意味を有するものと定義する。特別に定義されない限り、本明細書で用いられる科学技術用語は、当業者が一般に理解するのと同様な意味を有する。
【0023】
ここで用いる用語「第1」、「第2」などは、順序、数量又は重要性を表すものではなく、ある要素を他の要素と区別するのに使用する。特記しない限り、用語「前部」、「後部」、「底部」及び/又は「上部」は単に説明の便宜上用いたものであり、特定の位置や空間的定位を限定するものではない。範囲を記載した場合、同じ成分又は特性に関するすべての範囲の上下限の値は、独立に組合せることができ、上下限の値を含む(例えば、「約25重量%以下、特定すると約5重量%〜約20重量%」の範囲は上下限値及び「約5重量%〜約25重量%」の範囲のすべての中間値を含む)。数量にともなう修飾語「約」は、表示値を含み、文脈で示された意味を持つ(例えば、特定の数量の測定にともなう誤差を含む)。同様に、「存在しない」は、用語と組合せて用いることができ、ごくわずかな数又は量を含んでも、組合せた用語が存在しないと見なす。本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、文脈上又は文言で示していない限り、範囲の限定はその上下限を組合せたり、交換することができ、このような範囲は、表示通りでありかつすべての下位範囲を包含する。
【0024】
単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
【0025】
「任意の」又は「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。
【0026】
ここで用いる用語「溶剤」は単一の溶剤又は溶剤の混合物を示す。
【0027】
ここで用いる用語「脂肪族基」は、環状でない原子の直鎖状もしくは分岐状配列からなる、原子価1以上の有機基を示す。脂肪族基は1個以上の炭素原子を有すると定義される。脂肪族基を構成する原子の配列は、窒素、硫黄、ケイ素、セレン、酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素と水素のみから構成されてもよい。記述の便宜上、用語「脂肪族基」は、「環状でない原子の直鎖状もしくは分岐状配列」の一部として、広い範囲の官能基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのを包含すると定義する。例えば、4−メチルペンタ−1−イル基は、メチル基を有するC6脂肪族基であり、ここでメチル基はアルキル基である官能基である。同様に、4−ニトロブタ−1−イル基は、ニトロ基を有するC4脂肪族基であり、ここでニトロ基は官能基である。脂肪族基は1個又は2個以上のハロゲン原子を有するハロアルキル基でもよく、その場合ハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1個又は2個以上のハロゲン原子を有する脂肪族基には、アルキルハライド、具体的にはトリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(即ち、−CH2CHBrCH2−)などがある。脂肪族基の他の例には、アリル、アミノカルボニル(即ち、−CONH2)、カルボニル、2,2−ジシアノイソプロピリデン(即ち、−CH2C(CN)2CH2−)、メチル(即ち、−CH3)、メチレン(即ち、−CH2−)、エチル、エチレン、ホルミル(即ち、−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(即ち、−CH2OH)、メルカプトメチル(即ち、−CH2SH)、メチルチオ(即ち、−SCH3)、メチルチオメチル(即ち、−CH2SCH3)、メトキシ、メトキシカルボニル(即ち、CH3OCO−)、ニトロメチル(即ち、−CH2NO2)、チオカルボニル、トリメチルシリル(即ち、(CH33Si−)、t−ブチルジメチルシリル、3−トリメトキシシリルプロピル(即ち、(CH3O)3SiCH2CH2CH2−)、ビニル、ビニリデンなどがある。さらに例示すると、C1−C10脂肪族基は1個以上10個以下の炭素原子を含む。メチル基(即ち、CH3−)はC1脂肪族基の1例である。デシル基(即ち、CH3(CH29−)はC10脂肪族基の1例である。
【0028】
ここで用いる用語「脂環式基」は、環状であるが、芳香族ではない、原子の配列を含む、原子価1以上の基を示す。ここで定義する用語「脂環式基」は芳香族基を含まない。「脂環式基」は1つ又は2つ以上の非環状成分を含有してもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C611CH2−)は、シクロヘキシル環(環状であるが、芳香族ではない、原子の配列)とメチレン基(非環状成分)からなる脂環式基である。脂環式基は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素、酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素と水素のみから構成されてもよい。記述の便宜上、用語「脂環式基」はここでは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの広い範囲の官能基の導入を包含すると定義する。例えば、4−メチルシクロペンタ−1−イル基は、メチル基を有するC6脂環式基であり、ここでメチル基はアルキル基である官能基である。同様に、2−ニトロシクロブタ−1−イル基は、ニトロ基を有するC4脂環式基であり、ここでニトロ基は官能基である。脂環式基は1個又は2個以上のハロゲン原子を有してもよく、その場合ハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1個又は2個以上のハロゲン原子を有する脂環式基には、2−トリフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクタ−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(シクロヘキサ−4−イル)(即ち、−C610C(CF32610−)、2−クロロメチルシクロヘキサ−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロヘキサ−1−イル、4−トリクロロメチルシクロヘキサ−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロヘキサ−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペンタ−1−イル、2−ブロモプロピルシクロヘキサ−1−イルオキシ(例えば、CH3CHBrCH2610O−)などがある。脂環式基の他の例には、4−アリルオキシシクロヘキサ−1−イル、4−アミノシクロヘキサ−1−イル(即ち、H2NC610−)、4−アミノカルボニルシクロペンタ−1−イル(即ち、NH2COC58−)、4−アセチルオキシシクロヘキサ−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(即ち、−OC610C(CN)2610O−)、3−メチルシクロヘキサ−1−イル、メチレンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(即ち、−OC610CH2610O−)、1−エチルシクロブタ−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(即ち、−OC610(CH26610O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ−1−イル(即ち、4−HOCH2610−)、4−メルカプトメチルシクロヘキサ−1−イル(即ち、4−HSCH2610−)、4−メチルチオシクロヘキサ−1−イル(即ち、4−CH3SC610−)、4−メトキシシクロヘキサ−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロヘキサ−1−イルオキシ(即ち、2−CH3OCOC610O−)、4−ニトロメチルシクロヘキサ−1−イル(即ち、NO2CH2610−)、3−トリメチルシリルシクロヘキサ−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキサ−1−イル(例えば、(CH3O)3SiCH2CH2610−)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などがある。用語「C3−C10脂環式基」は、炭素原子数3個以上10個以下の脂環式基を含む。脂環式基2−テトラヒドロフラニル(C47O−)はC4脂環式基の1例である。シクロヘキシルメチル基(C611CH2−)はC7脂環式基の1例である。
【0029】
ここで用いる用語「芳香族基」は、1以上の芳香族部分を有する原子価1以上の原子の配列を示す。1以上の芳香族部分を有する原子価1以上の原子の配列は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素、酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素及び水素のみから構成されてもよい。ここで用いる用語「芳香族基」は、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニル基を含むが、これらに限らない。上記の通り、芳香族基は1以上の芳香族部分を有する。芳香族部分は常に、(4n+2)つの「非局在化」電子を有する環状構造であり、ここでnは1以上の整数であり、具体的にはフェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。芳香族基は非芳香族成分を含有してもよい。例えば、ベンジル基はフェニル環(芳香族部分)とメチレン基(非芳香族成分)とを含む芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、芳香族部分(C63)が非芳香族成分−(CH24−に縮合した芳香族基である。記述の便宜上、用語「芳香族基」はここでは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの広い範囲の官能基の導入を包含すると定義する。例えば、4−メチルフェニル基は、メチル基を有するC7芳香族基であり、ここでメチル基はアルキル基である官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基は、ニトロ基を有するC6芳香族基であり、ここでニトロ基は官能基である。芳香族基はハロゲン化芳香族基を含み、例えば、4−トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち、−OPhC(CF32PhO−)、4−クロロメチルフェニ−1−イル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェニ−1−イル(即ち、3−CCl3Ph−)、4−(3−ブロモプロピ−1−イル)フェニ−1−イル(即ち、4−BrCH2CH2CH2Ph−)などがある。芳香族基の別の例には、4−アリルオキシフェニ−1−オキシ、4−アミノフェニ−1−イル(即ち、4−H2NPh−)、3−アミノカルボニルフェニ−1−イル(即ち、NH2COPh−)、4−ベンゾイルフェニ−1−イル、ジシアノメチリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち、−OPhC(CN)2PhO−)、3−メチルフェニ−1−イル、メチレンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち、−OPhCH2PhO−)、2−エチルフェニ−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち、−OPh(CH26PhO−)、4−ヒドロキシメチルフェニ−1−イル(即ち、4−HOCH2Ph−)、4−メルカプトメチルフェニ−1−イル(即ち、4−HSCH2Ph−)、4−メチルチオフェニ−1−イル(即ち、4−CH3SPh−)、3−メトキシフェニ−1−イル、2−メトキシカルボニルフェニ−1−イルオキシ(例えば、メチルサリチル)、2−ニトロメチルフェニ−1−イル(即ち、2−NO2CH2Ph)、3−トリメチルシリルフェニ−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェニ−1−イル、4−ビニルフェニ−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などがある。用語「C3−C10芳香族基」は炭素原子数3個以上10個以下の芳香族基を含む。芳香族基1−イミダゾリル(C322−)は、C3芳香族基の1例である。ベンジル基(C77−)はC7芳香族基の1例である。
【0030】
本発明は一般に、例えば、発電法によって生じるようなプロセス流から二酸化炭素を吸収するアミノ−シロキサン二酸化炭素吸収剤及び該吸収剤の使用方法に関する。従来の二酸化炭素吸収剤は、多くの技術での使用を工業的に実現するのに決定的ではないけれど重要だと考えられる1つ又は2つ以上の特性がない。例えば、MEA系水性吸収剤は、多量のCO2含有排出ガスに用いるには不適当であることがある。結果として、このような環境下でのMEA系吸収剤の使用は、余りに多くのエネルギーを要し、実施にコストがかかることがある。
【0031】
一実施形態では、本発明は、周囲条件で液体であり、二酸化炭素への暴露後も液体のままである二酸化炭素吸収剤として有効なアミノ−シロキサンを提供する。例えば、一実施形態では、本発明は、二酸化炭素と反応してアミノ−シロキサンの二酸化炭素付加体を形成し、その付加体が周囲条件で液体である、液体アミノ−シロキサン組成物を提供する。ある実施形態では、アミノ−シロキサン組成物のCO2付加体の物理的状態は、アミノ−シロキサン組成物がCO2と完全に反応する程度を制限することにより制御することができる。例えば、アミノ−シロキサン組成物をCO2と接触させる時間及び条件を制限して付加体がCO2由来の構造単位(即ち、カルバメート基)を理論量より少なく含有するようにすることが可能かつ有利である。二酸化炭素を有する第1級又は第2級アミンがアンモニウムカルバメートであることは当業者に明らかである。一実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は、CO2と完全に反応すると周囲条件で固体になり、CO2と一部だけ反応した場合は液体状態に維持できる。一実施形態では、本発明は、理論量より少ないCO2がアミノ−シロキサン組成物の反応性基と反応したアミノ−シロキサン組成物とCO2との反応生成物を提供する。一実施形態では、CO2との反応の程度は、理論値の約10%〜理論値の約90%の範囲である。別の実施形態では、CO2との反応の程度は、理論値の約20%〜理論値の約70%の範囲である。他の実施形態では、CO2との反応の程度は、理論値の約30%〜理論値の約50%の範囲である。CO2と反応を起こして反応生成物を形成するアミノ−シロキサン組成物は、本質的に純粋なアミノ−シロキサンとすることができ、或いはアミノ−シロキサンと1つ又は2つ以上の他の成分、例えば水又はエチレングリコールジメチルエーテルなどの他の希釈剤との混合物とすることができる。通常、アミノ−シロキサン組成物は、組成物の約1〜約50重量%に相当するCO2の量を吸収することができる。本発明のアミノ−シロキサン組成物及び/又は本発明の方法にしたがって使用するアミノ−シロキサン組成物は、材料にモノマー種由来の「隣接繰り返し単位」を含まないという意味で、非オリゴマー及び非ポリマーであるとみなされる。ここで、モノマー種由来の隣接繰り返し単位とは、モノマー由来の構造単位であり、1分子中に、同一分子の同様な構造単位に2つの構造単位間に介在構造をもつことなく化学結合した状態で存在している構造単位である。オリゴマー材料は2〜20の隣接繰り返し単位を有する分子と定義され、ポリマー材料は20超えの隣接繰り返し単位を有する分子と定義される。本発明のアミノ−シロキサン組成物は、類似のオリゴマー及びポリマー材料に比べると比較的低分子量であるにもかかわらず、本発明のアミノ−シロキサン組成物は通常、低い蒸気圧を示し、CO2と可逆反応するか、CO2に対して高い親和性をもつ官能基(例えば、NH2基及び第2級アミン基)を有する。本発明のアミノ−シロキサン組成物は、二酸化炭素の可逆的捕獲を伴うプロセスに使用するのに重要と考えられる特性を示すことができる。したがって、種々の実施形態では、本発明のアミノ−シロキサン組成物は、MEAに比べると広範囲の温度で液体状態のままであり、比較的不揮発性であり、熱的に安定で、キャリア流体を必要としない。さらに、本発明のアミノ−シロキサン組成物は、高いCO2吸収容量を示すことができる。具体的には、比較的高濃度のCO2反応性官能基及びCO2の付加体の形成に有利に作用することができる官能基、例えば第4級アンモニウム基を含有するアミノ−シロキサン組成物を製造することができる。種々の実施形態では、本発明のアミノ−シロキサン組成物は、シロキサン基が存在するため、MEA系吸収剤に比べて比較的疎水性であり、非水条件下で用いることができる。
【0032】
上述のように、本発明のアミノ−シロキサン組成物は、室温で比較的不揮発性の液体であり、高温、例えば約150℃以下で安定であり、通常、妥当な粘度レベルに達するのに追加の溶剤を使用する必要がない。本明細書の実施例で詳しく説明するように、二酸化炭素と可逆反応性である官能基を有するアミノ−シロキサン組成物は、効率よく製造でき、高度な構造多様性をもつことができる。
【0033】
本発明のアミノ−シロキサン組成物は、組成物の正味のCO2吸収容量を向上する基で官能化することが望ましい。CO2親和性であり、したがってアミノ−シロキサン組成物のCO2に対する親和力を向上することが期待される官能基には、酢酸基、炭酸基、ケトン基、第4級アンモニウム基、イミン基、グアニジン基及びアミジン基がある。CO2反応性を示すアミン官能基の例には、第1級アミン基及び第2級アミン基がある。ヒドロシリル化、置換などの技法を用いてこのような官能基を導入する数多くの方法は当業者に既知である。Michael A. Brook’s book, Silicon in Organic, Organometallic, and Polymer Chemistry (Wiley VCH Press, 2000)(合成法に関する目的のために本発明の先行技術として援用する)に、この分野での有効な指針が与えられている。一実施形態では、本発明は、1つ又は2つ以上のグアニジン基又はアミジン基を含有するアミノ−シロキサン組成物を提供する。第1級アミン基(NH2)は、例えばテトライソプロピルチオ尿素又はジイソプロピルカルボジイミドのフィルスマイヤー塩との穏やかな条件下での反応により、グアニジン基に転換することができる。同様に、アミジン基は、例えば第1級又は第2級アミン基とアセトイミド酸エチル(アセトニトリルとエタノールとのピンナー反応生成物)との反応により製造できる。
【0034】
上述のように、一実施形態では、本発明は、次の構造Iのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0035】
【化8】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。構造Iのアミノ−シロキサン組成物の具体例を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】

一実施形態では、アミノ−シロキサンは次の構造Iaのものである。
【0037】
【化9】

別の実施形態では、アミノ−シロキサンは次の構造Ibのものである。
【0038】
【化10】

一実施形態では、本発明は、次の構造IIのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0039】
【化11】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【0040】
一実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は次の構造IIaのものである。
【0041】
【化12】

別の実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は次の構造IIbのものである。
【0042】
【化13】

一実施形態では、本発明は、次の構造IIIのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0043】
【化14】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。構造IIIのアミノ−シロキサン組成物の具体例を下記の表2に示す。
【0044】
【表2】

一実施形態では、アミノ−シロキサンは次の構造IIIaのものである。
【0045】
【化15】

別の実施形態では、アミノ−シロキサンは次の構造IIIbのものである。
【0046】
【化16】

一実施形態では、本発明は、次の構造IVのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0047】
【化17】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。
【0048】
一実施形態では、アミノ−シロキサンは次の構造IVaのものである。
【0049】
【化18】

一実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は次の構造IVbのものである。
【0050】
【化19】

一実施形態では、本発明は、次の構造Vのアミノ−シロキサン組成物を提供する。
【0051】
【化20】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基である。
【0052】
一実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は次の構造Vaのものである。
【0053】
【化21】

一実施形態では、構造Iのアミノ−シロキサン組成物は二酸化炭素と反応して付加体(アダクト)と呼ばれる反応生成物を形成する。別の実施形態では、構造IIのアミノ−シロキサン組成物は二酸化炭素と反応して付加体と呼ばれる反応生成物を形成する。他の実施形態では、構造IIIのアミノ−シロキサン組成物は二酸化炭素と反応して付加体と呼ばれる反応生成物を形成する。さらに他の実施形態では、構造IVのアミノ−シロキサン組成物は二酸化炭素と反応して付加体と呼ばれる反応生成物を形成する。さらに他の実施形態では、構造Vのアミノ−シロキサン組成物は二酸化炭素と反応して付加体と呼ばれる反応生成物を形成する。
【0054】
別の態様では、本発明は次の構造3のアミノ−シロキサン組成物の製造方法を提供する。
【0055】
【化22】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R7はC1−C30脂肪族基又はC2−C30脂環式基である。
【0056】
本方法は、構造1のシロキシシリルオキシランを構造2の有機アミンと接触させる工程を含む。
【0057】
【化23】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R7はC1−C30脂肪族基又はC2−C30脂環式基である。一実施形態では、シロキシシリルオキシラン化合物は次の構造1aのものである。
【0058】
【化24】

所望に応じて、本発明のアミノ−シロキサン組成物は他の成分、例えば酸化安定度を向上する酸化防止剤及び消泡剤を含有することもできる。アミン基が酸化に敏感な本発明の実施形態では、酸化防止剤(抗酸化剤ともいう)の使用が特に有利である。
【0059】
一実施形態では、本発明は、以下の構造Iのアミノ−シロキサン、構造IIのアミノ−シロキサン、構造IIIのアミノ−シロキサン及び構造IVのアミノ−シロキサン及び構造Vのアミノ−シロキサンからなる群から選択される1種以上のアミノ−シロキサンを含有する二酸化炭素吸収剤組成物にプロセス流を接触させる工程を含む、プロセス流中の二酸化炭素量の低減方法を提供する。
【0060】
【化25】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基であり、nは各々独立に1〜3である。一実施形態では、アミノ−シロキサン組成物は液体である。一実施形態では、プロセス流は石炭燃焼の副生成物である。
【0061】
一実施形態では、本発明は、次の構造VIのアミノ−シロキサン組成物と二酸化炭素との反応生成物を提供する。本発明の実施例にこのような反応生成物(本明細書ではアミノ−シロキサン組成物の二酸化炭素付加体ともいう)の製造の詳細な指針を示す。
【0062】
【化26】

別の実施形態では、本発明は、次の構造VIを有する1種以上のアミノ−シロキサンを含有する二酸化炭素吸収剤にプロセス流を接触させる工程を含む、プロセス流中の二酸化炭素量の低減方法を提供する。
【0063】
本発明の二酸化炭素吸収剤は、プロセスガスからCO2を除去するのに用いると、同目的のために現在市販及び/又は実用されているものに比べて利点をもつと期待される。したがって、プロセス流中の二酸化炭素を低減する方法が提供され、この方法はプロセス流を本発明の二酸化炭素吸収剤に接触させる工程を含む。このように処理するプロセス流は、CO2レベルを低減したいプロセス流であればどのようなものでもよく、多くのプロセスで、少なくともそのプロセスから生じた排気ガス流中のCO2を低減するのが望ましい。プロセス流は通常ガス状であるが、固体又は液体粒子を含有してもよく、また用途によって広範囲の温度及び圧力となることもある。
【0064】
本発明の二酸化炭素吸収剤及びその使用方法は、コストを低減するスケールメリットによって利益を得ることができる。さらに、本吸収剤は、比較的低揮発性及び高い熱安定性をもち、本明細書に記載の合成方法を用いて形成できる。本発明の組成物は、二酸化炭素排出を低減する手段を必要とする発電所で特に有用であると考えられる。したがって、一実施形態では、本発明は、本発明の組成物を用いて二酸化炭素排出を低減する方法を提供する。
【実施例】
【0065】
以下の実施例は、本発明の方法及び実施形態を具体的に示すものである。特記しない限り、すべての成分は、Alpha Aesar社(米国マサチューセッツ州ワードヒル所在)、Sigma Aldrich社(米国ミズーリ州セントルイス所在)、Spectrum Chemical Manufacturing社(米国カルフォルニア州ガーデナ所在)などの一般的な化学薬品業者から市販されている。
【0066】
二酸化炭素取り込み測定は実験室規模の方法及びハイスループットスクリーニング法を用いて行った。
【0067】
代表的な実験室規模の実施例
機械式攪拌機、ガス導入管及びガスバブラーを備えた25mLの3口丸底フラスコ(風袋計量済み)に所定の重量(通常、約2g)の溶剤を入れた。一定流量の乾燥CO2をフラスコに通しながら溶剤を攪拌し、40℃の油浴で加熱した。2時間のCO2への暴露後、ガスを止め、反応フラスコを計量し、重量を記録した。重量の差は吸着したCO2の量であり、溶剤の元の重量からの重量増加(%)で表した。
【0068】
ハイスループットスクリーニング
ハイスループットCO2取り込み測定をPierce社(米国イリノイ州ロックフォード所在)製27ウェルパラレル反応器(Reacti Vap III)及び8mLのガラスバイアルの自動計量用のSymyx Core Module(登録商標)を用いて行った。実験はテクニカルグレードのCO2を用いて1気圧で行い、MKSガス流量調整器を用いて流量を1.2mL/時間(10000cm2/分)に設定した。各処方を3組ずつ試験した。補助溶剤は、Aldrich社又はFisher Scientific社から購入し、それ以上精製せずに使用した。
【0069】
攪拌子を備えたバイアルをSymyx Core Moduleを用いてあらかじめ計量した。その後、バイアルに200〜300μLのアミノ−シロキサン化合物を入れた。内容物をCO2ガス(1気圧)で60〜120分間所望の温度(40及び55℃)で処理した。CO2処理後、反応器ブロックを室温まで冷却し、すべてのバイアルを自動計量用のSymyx Core Moduleに移動した。各バイアルの物理的状態を目視で検査し、記録した。CO2吸着挙動を各CO2処理後の重量増加(%)の平均値として報告した。
【0070】
実施例1:アミノ−シロキサン組成物(Ia)の製造
【0071】
【化27】

下記の実施例13のように製造した10.15g(46.6mmol)のシリルオキシシリルオキシラン1a(本明細書ではシリルオキシシリルビスオキシラン1aとも記す)を100mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、滴下ロートに移す。16.7gのエチレンジアミンを100mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、滴下ロート、冷却器及び磁気攪拌子を備えた500mLのフラスコに仕込む。シリルオキシシリルオキシラン1aの溶液をエチレンジアミンに約1時間かけて添加し、得られた混合物を約70℃に終夜加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮してアミノ−シロキサン組成物Iaを得る。
【0072】
実施例2:アミノ−シロキサン組成物(Ib)の製造
【0073】
【化28】

250mLの3口フラスコに約15gのエチレンジアミン、100mLのイソプロパノール及び5mLの水を仕込む。約10gのシリルオキシシリルオキシラン(製造方法Bに示す)及び100mLのイソプロパノールを滴下ロートに入れ、ゆっくりエチレンジアミン溶液に添加し、約70℃の温度に24時間加熱する。反応混合物を冷却し、ついで減圧濃縮してアミノ−シロキサンIbを得る。
【0074】
実施例3:アミノ−シロキサン(IIa)を得るJeffamine D−230とビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0075】
【化29】

4.0gのビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンを10.0gのJeffamine D−230に窒素雰囲気下攪拌しながら添加した。その後、混合物を約90℃に4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルムで希釈し、分液ロートに移し、脱イオン水で5回洗浄して存在するであろう未反応の残留Jeffamine D−230を除去した。その後クロロホルム溶液を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、ついで無水炭酸カリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約8.15gの反応生成物(IIa)を黄色油状物として得た(収率90%)。1H NMR (CDCl3) δ 0.01 (s, CH3Si), 0.47 (m, CH2Si), 0.98 (m, CH3), 1.10 (m, CH3), 1.3-1.8 (broad m, NHs), 1,55 (m, CH2CH2CH2), 2.4-2.9 (br multiplets, CH2Ns), 3.0-3.9 (br. multiplets, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、3.7%であった。
【0076】
実施例4:アミノ−シロキサン(IIb)を得るJeffamine HK−511とビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン付加体との反応
【0077】
【化30】

約8.4gのJeffamine HK−511を約6.0gのビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンと実施例3と同様に約90℃で2時間反応させた。反応混合物を実施例3と同様に処理して11.3gの生成物IIbを黄色油状物として得た(収率85%)。1H NMR (CDCl3) δ -0.01 (s, CH3Si), 0.43 (m, CH2Si), 0.96 (m, CH3), 1.07 (m, CH3), 1.3-2.0 (broad m, NHs), 1,55 (m, CH2CH2CH2), 2.4-2.9 (br multiplets, CH2Ns), 3.0-3.9 (br. multiplets, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、4.4%であった。
【0078】
実施例5:アミノ−シロキサン(IIIa)を得るJeffamine D−230とビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0079】
【化31】

約12.0gのJeffamine D−230を窒素下で約90℃に加熱した。続いて、約3.0gのビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンをJeffamine D−230に滴下し、反応混合物を90℃で約5時間加熱した。その後、反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルムで希釈した。得られた溶液を5%水酸化ナトリウムで1回洗浄し、続いて水で複数回洗浄し、ついでNaCl溶液で1回洗浄し、その後、無水炭酸カリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約5.91gのアミノ−シロキサン生成物(IIIa)を低粘度黄色油状物として得た(収率73%)。1H NMR (CDCl3) δ -0.08 (s, CH3Si), 0.9-1.1 (multiplets, CH3s), 1.40 (m, NHs), 1.78 (m, NCH2Si), 2.66 (CHN), 3.0-3.8 (m, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、10.4%であった。
【0080】
実施例6:アミノ−シロキサン(IIIb)を得るジエチレントリアミンとビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0081】
【化32】

28.7gのジエチレントリアミンを窒素下で約110℃に加熱し、10.0gのビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンを攪拌しながら約20分間かけて滴下した。反応混合物を終夜約110℃に維持した。その後、反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルムに溶解し、5%のNaOHで1回、脱イオン水で3回及び飽和NaClで1回抽出し、ついで、無水炭酸カリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約7.3gの生成物IIIbを低粘度黄色油状物として得た(収率50%)。1H NMR (CDCl3) δ -0.02 (s, CH3Si), 0.44 (m, CH2Si), 1.29 (br s, NHs), 1.43 (m, CH2CH2CH2), 2.53 (t, J=6H, CH2NH), 2.62 (t, J=6H, CH2NH), 2.67 (m, CH2NH2), 2.74 (t, J=6H, CH2NH2)。また、おそらく微量生成物に相当する2つの小さいピークが2.38(m)及び2.43(t)に現れた。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、2.0%であった。
【0082】
実施例7:アミノ−シロキサン(IIId)を得るJeffamine D−230とビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0083】
【化33】

4.0gのビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンを約12.8gのJeffamine D−230に添加し、窒素下で約105℃〜約110℃に約7時間加熱した。アミノ−シロキサン生成物IIIdを実施例6に記載したように単離して約8.77gの生成化合物IIIdを橙色油状物として得た(収率93%)。1H NMR (CDCl3) δ -0.03 (s, CH3Si), 0.43 (t, J = 8 Hz, CH2Si), 0.94 (m, CH3), 1.08 (m, CH3), 1.2-1.5 (broad ms, NHs and CH2CH2CH2), 2.3-2.9 (br multiplets, CH2Ns), 2.95-3.6 (br. multiplets, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、8.4%であった。
【0084】
実施例8:アミノ−シロキサン(IIIe)を得るJeffamine HK−511とビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0085】
【化34】

3.0gのビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンを約11.5gのJeffamine HK−511に滴下し、混合物を窒素下約105℃〜110℃に約3時間加熱した。冷却後、反応混合物を水性処理(5%NaOH、水、ブライン)し、無水炭酸カリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約6.44gのアミノ−シロキサン生成物IIIeを低粘度黄色油状物として得た(収率94%)。1H NMR (CDCl3) δ 0.02 (s, CH3Si), 0.48 (t, J = 8 Hz, CH2Si), 0.99 (m, CH3), 1.12 (m, CH3), 1.2-1.6 (broad ms, NHs and CH2CH2CH2), 2.4-2.9 (br multiplets, CH2Ns), 3.0-3.7 (br. multiplets, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、7.7%であった。
【0086】
実施例9:アミノ−シロキサン組成物(IIIg)を得るトリエチレンテトラミンとビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0087】
【化35】

約36.6gのトリエチレンテトラミンを窒素下約110℃に加熱し、9.0gのビス(クロロプロピル)テトラメチルジシロキサンを攪拌しながら30分間かけて滴下した。反応混合物を110℃に約5時間維持した。反応混合物を周囲温度に冷却し、生成物を実施例8のように単離して約5.73gの生成物IIIgを淡黄色油状物として得た(収率36%)。1H NMR (CDCl3) δ -0.09 (s, CH3Si), 0.36 (m, CH2Si), 1.27 (br s, NHs), 1.35 (m, CH2CH2CH2), 2.1-2.8 (series of multiplets, CH2N)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、6.3%であった。
【0088】
実施例10:アミノ−シロキサン(IIIh)を得るJeffamine HK−511とビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンとの反応
【0089】
【化36】

3.0gのビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサンを14.3gのJeffamine HK−511に窒素雰囲気下75℃で滴下した。反応混合物の温度を80℃〜85℃に上げて、その温度で3時間維持した。その後、反応混合物を冷却し、生成物を上記のように単離して4.98gのアミノ−シロキサン(IIIh)を淡黄色油状物として得た(収率64%)。1H NMR (CDCl3) δ-0.06 (s, CH3Si), 0.85-1.2 (multiplets, CH3s), 1.39 (m, NHs), 1.76 (m, NCH2Si), 2.6-2.6 (CHN), 3.0-3.7 (m, CHxOs)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、8.8%であった。
【0090】
実施例11:テトラキス(3−アミノプロピルジメチルシロキシ)シラン(IVa)の製造
【0091】
【化37】

7.95g(132mmol)のアリルアミンを、40mlの乾燥トルエンと0.5mlのKarsted触媒(キシレン中5%)との混合物に約10.0g(30.5mmol)のSi(OSiMe2H)4を溶解した溶液に添加した。反応混合物を約2時間加熱還流した。反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約16.5gの生成化合物IVaを暗色、粘稠液として得た。1H NMR (CD2Cl2, ppm δ・: 2.64 tr (8H, CH2NH2, JH-H=7.07 Hz); 1.47 m (8H, CH2CH2CH2); 0.98 brs (8H, NH2); 0.58 m (8H, CH2Si); 0.13 s (24H, SiMe2)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、5.8%であった。
【0092】
実施例12:トリス(3−アミノプロピルジメチルシロキシ)フェニルシラン(Va)の製造
【0093】
【化38】

10g(30mmol)のPhSi(OSiMe2H)3、40mlの乾燥トルエン及び0.5mlのKarsted触媒(キシレン中5%)の溶液を約6.5g(108mmol)のアリルアミンで処理した。反応混合物を約2時間加熱還流した。その後、反応混合物をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して約16.1gのアミノ−シロキサンVaを暗色、粘稠液として得た。1H NMR (CDCl2, ppm δ): 7.62 m (2H, Ph); 7.4 m (3H, Ph); 2.62 tr (6H, CH2NH2, JH-H=6.8 Hz); 1.45 m (6H, CH2CH2CH2); 1.05 brs (6H, NH2); 0.60 m (6H, CH2Si); 0.16 s (18H, SiMe2)。二酸化炭素取り込みを前述のように40℃で求めたところ、7.3%であった。
【0094】
実施例13:シリルオキシシリルオキシラン1aの製造
【0095】
【化39】

磁気攪拌子及び滴下ロートを備えた2Lのフラスコで50.45g(0.27mol)のジビニルテトラメチルジシロキサンを200mLのCHCl3に溶解した。内容物を0℃に冷却した。140g(10%過剰)のm−クロロ過安息香酸を1LのCHCl3と合わせ、ろ過し、ろ液を滴下ロートに入れた。m−クロロ過安息香酸(mCPBA)溶液をジビニルテトラメチルジシロキサン溶液に約2時間かけてゆっくり添加し、反応混合物を終夜攪拌した。内容物を1.5Lの5%Na2CO3で抽出し、有機層をMgSO4で乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ろ液をロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。粗生成物にヘキサンを添加し、冷凍庫で冷却した後、ろ過により残留m−クロロ過安息香酸を除去してシリルオキシシリルオキシラン1aを得た。 1H NMR (CDCl3) δ:2.89 (m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.20 (m2H), 0.16 (s, 18H). IR (neat oil, NaCl plates, cm-1): 3040 (w-m), 2960 (m), 1724 (m), 1408 (w-m), 1319 (m)1256 (s), 1231 (sh), 1057 (vs), 948 (m), 880 (s), 838 (s), 793 (vs)。
【0096】
製造方法A:トリメチルシリルオキシラン1bの製造
【0097】
【化40】

25.26g(0.2523mol)のビニルトリメチルシランを50mLのCHCl3を入れた1Lのフラスコに仕込み、0℃に冷却した。67gのmCPBA(m−クロロ過安息香酸)を500mLのCHCl3に溶解し、滴下ロートに入れ、1時間かけて添加した。内容物を終夜攪拌した。混合物を5%のNa2CO3で抽出し、MgSO4で乾燥し、その後、大気圧で蒸留して23.5gの生成物を無色液体として得た。収率80%、沸点105〜108℃。 1H NMR (CDCl3) δ:2.89 (m, 1H), 2.54 (m, 1H), 2.18 (t, 1H), 0.05 (s, 9H). IR (neat oil, NaCl plates, cm-1): 3017 (m), 2059 (s), 1317 (m), 1250 (s), 949 (w-m), 882 (sh), 842 (vs), 755 (vs)。
【0098】
製造方法B:シリルオキシシリルオキシラン1c(CAS No.18395−62−5)の製造
【0099】
【化41】

25.26g(0.2523mol)のビニルジメチルシロキシトリメチルシラン(25g、1当量)を50mLのCHCl3を入れた1Lのフラスコに仕込み、0℃に冷却する。1.1当量のmCPBA(m−クロロ過安息香酸)を500mLのCHCl3に溶解し、滴下ロートに入れ、1時間かけて添加する。反応混合物を終夜攪拌し、その後、5%のNa2CO3で抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して生成物としてシリルオキシシリルオキシラン1cを得る。
【0100】
実施例14:アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素との反応
機械式攪拌機、ガス導入口及びガス出口を備え、温度調節式油浴で加熱した25mLの3口丸底フラスコ(風袋計量済み)に2.0707gの1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンVIを仕込んだ。乾燥CO2ガスを攪拌液体の表面から約10mm上に位置するガラス管からフラスコ中に流量約50mL/分で導入した。CO2との接触を40℃で2時間続け、その後、フラスコの外側をきれいにし、フラスコを計量した。総重量増加は0.3588gで、すべてのアミン基がCO2と反応した場合(即ち、反応の程度が100%である場合)の理論重量増加の71%に相当した。また、反応生成物は、固体であり、アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素の反応生成物であった。
【0101】
実施例15:アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素との反応
2.0261gの1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンVI及び2.1198gのトリエチレングリコールジメチルエーテルを実施例14と同様な装備のフラスコに仕込み、実施例14に記載した手順でCO2に接触させた。総重量増加は0.2984gで、アミノ−シロキサンVIに存在するすべてのアミン基がCO2と反応した場合の理論重量増加の83%に相当した。反応生成物は固体であった。
【0102】
実施例16:アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素との反応
2.0366gの1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン及び4.0306gのトリエチレングリコールジメチルエーテルを実施例14と同様な装備のフラスコに仕込み、実施例14に記載した手順でCO2に接触させた。総重量増加は0.3566gで、すべてのアミン基がCO2と反応した場合の理論重量増加の99%に相当した。反応生成物は固体であった。
【0103】
実施例17:アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素との反応
2.0194gの1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン及び2.0174gのトリエチレングリコールを実施例14と同様な装備のフラスコに仕込み、実施例14に記載した手順でCO2に接触させた。総重量増加は0.4089gで、すべてのアミン基が化学量論的量のCO2と反応した場合の理論重量増加の114%に相当した。理論的な反応化学量論ではCO21モルに対してアミン基2モルとなる。反応生成物は液体であった。
【0104】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造Iのアミノ−シロキサン組成物。
【化1】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。
【請求項2】
次の構造Iaを有する、請求項1記載の組成物。
【化2】

【請求項3】
次の構造Ibを有する、請求項1記載の組成物。
【化3】

【請求項4】
請求項1記載の組成物と二酸化炭素との反応生成物。
【請求項5】
次の構造IIのアミノ−シロキサン組成物。
【化4】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【請求項6】
次の構造IIaを有する、請求項5記載の組成物。
【化5】

【請求項7】
次の構造IIbを有する、請求項5記載の組成物。
【化6】

【請求項8】
請求項5記載の組成物と二酸化炭素との反応生成物。
【請求項9】
次の構造IIIのアミノ−シロキサン組成物。
【化7】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【請求項10】
次の構造IIIaを有する、請求項9記載の組成物。
【化8】

【請求項11】
次の構造IIIbを有する、請求項9記載の組成物。
【化9】

【請求項12】
請求項9記載の組成物と二酸化炭素との反応生成物。
【請求項13】
次の構造IVのアミノ−シロキサン組成物。
【化10】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基である。
【請求項14】
次の構造IVaを有する請求項13記載の組成物。
【化11】

【請求項15】
請求項13記載の組成物と二酸化炭素との反応生成物。
【請求項16】
次の構造Vのアミノ−シロキサン組成物。
【化12】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基である。]
【請求項17】
次の構造1のシロキシシリルオキシランを構造2の有機アミンと接触させる工程を含む、構造3のアミノ−シロキサン組成物の製造方法。
【化13】

[式中R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R5は1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R7はC1−C30脂肪族基又はC2−C30脂環式基である。
【請求項18】
シロキシシリルオキシランが構造1aを有する、請求項17記載の方法。
【化14】

【請求項19】
次の構造1aを有するシロキシシリルオキシラン。
【化15】

【請求項20】
次の構造Iのアミノ−シロキサン、構造IIのアミノ−シロキサン、構造IIIのアミノ−シロキサン及び構造IVのアミノ−シロキサンからなる群から選択される1種以上のアミノ−シロキサンを含有する二酸化炭素吸収剤にプロセス流を接触させる工程を含む、プロセス流中の二酸化炭素量の低減方法。
【化16】

式中、R1は各々独立にC1−C5アルキルであり、R2は水素又はC1−C3アシルであり、R3は各々独立に結合、水素又はC1−C5アルキルであり、R4はC1−C5アルキル又はR5であり、R5は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基を有するC1−C30脂肪族基であり、R5'は各々独立に1以上のNH2基又は第2級アミン基及び1以上の別のヘテロ原子を有するC1−C30脂肪族基であり、R6はC3−C20芳香族基であり、nは各々独立に1〜3である。
【請求項21】
アミノ−シロキサンが液体である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記プロセス流が石炭燃焼の副生成物である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
アミノ−シロキサンVIと二酸化炭素との反応生成物。
【化17】

【請求項24】
次の構造VIを有する1種以上のアミノ−シロキサンを含有する二酸化炭素吸収剤にプロセス流を接触させる工程を含む、プロセス流中の二酸化炭素量の低減方法。
【化18】


【公表番号】特表2013−500333(P2013−500333A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522824(P2012−522824)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029620
【国際公開番号】WO2011/014273
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】