Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
二酸化炭素吸収組成物及び二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料
説明

二酸化炭素吸収組成物及び二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料

【課題】本発明は、二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収組成物及び二酸化炭素吸収組成物を含有した塗料である二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材とからなることを特徴とする二酸化炭素吸収組成物及び珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材とからなる二酸化炭素吸収組成物を含有することを特徴とする二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素吸収組成物及び二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、珪酸化合物を含有する組成物からなる水溶液を基材表面に塗付することで、珪酸質の無機質塗膜を形成する方法が知られている。
この水溶液は、主に塗料として用いられるものであるが、これにより形成された無機質塗膜は、耐久性に優れ、不燃性・難燃性・耐熱性があり、撥水性、ガスの不透過性、酸・アルカリへの耐薬品性、耐汚染性、防カビ、防藻性などの特性を有し、また紫外線を含む光線暴露に卓越した耐久性を発揮する。
【0003】
例えば、耐熱性や高硬度、耐薬品性、耐摩耗性を有し、なおかつ密着性や可撓性に優れた皮膜を形成することができる皮膜形成用組成物として、下記特許文献1が開示されている。
【0004】
また、近年、地球温暖化問題が世界的規模で大きく取り沙汰されている。
地球温暖化は、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などの温室効果ガスの大気中濃度の増加や、二酸化炭素の吸収源である森林の減少などが原因の1つとして挙げられ、二酸化炭素の排出による影響が最も大きいと考えられている。
【0005】
二酸化炭素は、人間の活動や産業・交通の発達によって多く排出されるものではあるが、将来温室効果ガスの排出権取引が行われるほど、温室効果ガスの排出量の削減が地球温暖化防止の重要な課題となっている。
そのため、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を抑制する施策として、省エネルギー対策に加え、省資源、交通量抑制、廃棄物、自然環境保全、緑化等の様々な施策が行われている。
【特許文献1】特開2000−297231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本出願の発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、本発明にかかる組成物が硬化する過程で、二酸化炭素を吸収することを見出した。
この特性は、従来から存在する珪酸化合物を含有する組成物には見られなかったものであり、この組成物からなる水溶液を基材表面に塗付することによっても得られることはない効果である。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その目的は、二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収組成物及びこの組成物を含有した塗料である二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明においては、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の請求項1に係る二酸化炭素吸収組成物は、
珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材とからなる
ことを特徴とする二酸化炭素吸収組成物である。
【0010】
本請求項に係る発明は、二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収組成物に関するものである。
二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収組成物は、珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材とからなる。
【0011】
珪酸化合物とは、珪酸を化合物の一部として含有する物質をいう。
例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、水酸化ナトリウム珪素などが挙げられ、それらのうち少なくとも1種以上を用いる。
二酸化炭素吸収組成物中における珪酸化合物は、10〜50重量%の範囲で適宜選択することができ、25〜30重量%の範囲でより効果的な二酸化炭素吸収組成物を得ることができる。
【0012】
水は、一般的な水道水から、ミネラルウォーターなどの天然水、蒸留水、イオン水などが挙げられ、それらのうち少なくとも1種以上を用いる。
二酸化炭素吸収組成物中における水は、10〜50重量%の範囲で適宜選択することができ、35〜45重量%の範囲でより効果的な二酸化炭素吸収組成物を得ることができる。
【0013】
アクリル樹脂系バインダー材は、一般的な塗料にも用いられているアクリル樹脂系のバインダー材を用いることができる。
例えば、金属化合物、有機固着材、硬化促進作用剤などが挙げられる。
【0014】
好ましくは、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、珪石、リン酸塩、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ガラス粉、粘土、雲母、ガラス繊維、シリコン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、それらのうち少なくとも1種以上を用いる。
また、着色のために添加される顔料もバインダー材としての作用を奏するため、上記列挙したバインダー材の1種として用いることができる。
【0015】
二酸化炭素吸収組成物中におけるアクリル樹脂系バインダー材は、10〜40重量%の範囲で適宜選択することができ、30〜35重量%の範囲でより効果的な二酸化炭素吸収組成物を得ることができる。
【0016】
本請求項に係る二酸化炭素吸収組成物は、上述の珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材を混練して生成される。
生成された二酸化炭素吸収組成物は、硬化する過程で二酸化炭素を吸収しながら、重合珪酸として形成される。
【0017】
本発明の請求項2に係る二酸化炭素吸収組成物は、
前記の珪酸化合物は、
珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、水酸化ナトリウム珪素のうち少なくとも1以上を用い、
二酸化炭素吸収組成物中における重量は25〜30重量%である
ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素吸収組成物である。
【0018】
本発明の請求項3に係る二酸化炭素吸収組成物は、
前記のアクリル樹脂系バインダー材は、
珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、珪石、リン酸塩、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ガラス粉、粘土、雲母、ガラス繊維、シリコン樹脂、フッ素樹脂のうち少なくとも1以上を用い、
二酸化炭素吸収組成物中における重量は30〜35重量%である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素吸収組成物である。
【0019】
本発明の請求項4に係る二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料は、
請求項1から請求項3までに記載の二酸化炭素吸収組成物を含有する
ことを特徴とする二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料である。
【0020】
本請求項に係る発明は、請求項1から請求項3までに記載の二酸化炭素吸収組成物を含有する二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料に関するものである。
二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料は、請求項1から請求項3までに記載の二酸化炭素吸収組成物の他、着色のための顔料を含有させることもできる。
【0021】
二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料は、二酸化炭素吸収組成物を含有するため、塗布した後、乾燥しながら硬化する過程で、二酸化炭素を吸収する。
二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料は、上塗液と下塗液とで塗り分けても良い。
上塗液によって下塗液の塗膜を保護し、下塗液の二酸化炭素吸収効果が低減することを抑え、また上塗液と下塗液とによって、より多くの二酸化炭素を吸収する塗膜を形成する。
【発明の効果】
【0022】
本発明では以下のような効果がある。
【0023】
1)生成された組成物は、硬化する過程で二酸化炭素を吸収する。
【0024】
2)生成された組成物は、塗料として利用することができる。
【0025】
3)生成された組成物を使った塗料を基材に塗布することによって、二酸化炭素を吸収する重合珪酸の膜を形成することができる。
【0026】
4)生成された組成物は、あらゆる基材に塗布することができる。
【0027】
5)生成された組成物を基材に混ぜることで、二酸化炭素吸収基材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0029】
本発明である二酸化炭素吸収組成物は、珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材からなる。
本実施例では、珪酸化合物として珪酸塩を用い、アクリル樹脂系バインダー材は、珪酸マグネシウム、アルミナ、珪石粉、含水珪酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウムを用いた。
これらを混練させ、二酸化炭素吸収組成物を生成することができる。
【0030】
この二酸化炭素吸収組成物は、硬化する過程において、それ自体が二酸化炭素を吸収するものであるが、基材表面に塗布して塗料として利用することもできるし、基材自体に含有させることで、二酸化炭素吸収組成物含有材を製造することができる。
なお、二酸化炭素吸収組成物を含有する二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料を生成する場合、着色のための顔料を含有させることもでき、顔料は無機顔料であることが好ましい。
【0031】
図1は、本発明に係る二酸化炭素吸収組成物を含有した二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料(以下「本願塗料」という。)が二酸化炭素を吸収することを検証するために行った実験の装置概要図である。
【0032】
プラスチック製の容器1(縦44cm、横74cm、高さ43cm、容量約140L)に、コンクリート製のテストピース2(縦10cm、横10cm、厚さ7mm)と二酸化炭素濃度計3とを入れ、容器1を密閉状態にした。
テストピース2は、上面に本願塗料4を塗布し、容器1の底に置いた。
【0033】
テストピース2の、本願塗料4を塗布する前と塗布した直後のそれぞれの重量は、164.5g、167.1gであった。
このことから、使用した本願塗料4の重量は、2.6gである。
【0034】
二酸化炭素濃度計3は、計測した二酸化炭素濃度を記録するため、容器1の外部に設置したデータロガーに出力線を接続した。
容器1は、側面部分に二酸化炭素濃度計3の電源及び出力線を通すための穴5を開けた。
【0035】
容器1を気密化するため、二酸化炭素濃度計3の電源及び出力線を通すための穴5をビニールテープと接着剤とで隙間がなくなるように塞ぎ、容器1の容器と蓋とは、シーリング材を充填することで隙間を塞いだ。
【0036】
以下、実験の状況及び結果を説明する。
【0037】
実験開始時の容器1内の二酸化炭素濃度は、1698ppmであった。
この数値は、外気よりもかなり高いが、実験室内に3人の大人が在室していたことで、呼気によって二酸化炭素濃度が高まったためである。
二酸化炭素濃度計3からの出力信号は、データロガーによって5分間隔で記録した。
【0038】
二酸化炭素濃度の計測は、テストピース2の上面に本願塗料4を塗布し、速やかに容器1の底部に設置し、容器1を気密状態にした直後から開始した。
実験開始から約4週間後までの二酸化炭素濃度の変化を表したグラフを図2に示す。
【0039】
実験開始直後、急激に二酸化炭素濃度が減少したが、徐々にその減少速度は鈍化した。
約3週間後以降は、二酸化炭素濃度の減少の速度は非常に緩やかになった。
約4週間後、二酸化炭素濃度の減少があまりみられなくなったので、実験を終了した。
実験終了時の二酸化炭素濃度は、112ppmであった。
【0040】
以下、実験結果から得られた二酸化炭素の吸収量について説明する。
【0041】
本願塗料4による容器1内の二酸化炭素の体積の変化は以下の通りである。
1698ppm−112ppm=1586ppm
140L×1586×10-6=0.222L
【0042】
上記の計算式で得られた値から実験中の気温を20℃として重量換算すると、二酸化炭素の重量は以下の通りである。
0.222L×(273K/293K)÷22.4L/mol×44g/mol=0.41g
【0043】
以上の実験により、本願塗料4は、テストピース2に塗布された後、硬化する過程で二酸化炭素を吸収していることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本願塗料が二酸化炭素を吸収することを検証するために行った実験の装置概要図。
【図2】二酸化炭素濃度の変化を表したグラフ。
【符号の説明】
【0045】
1 容器
2 テストピース
3 二酸化炭素濃度計
4 本願塗料
5 二酸化炭素濃度計の電源及び出力線を通すための穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪酸化合物、水、アクリル樹脂系バインダー材とからなる
ことを特徴とする二酸化炭素吸収組成物。
【請求項2】
前記の珪酸化合物は、
珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、水酸化ナトリウム珪素のうち少なくとも1以上を用い、
二酸化炭素吸収組成物中における重量は25〜30重量%である
ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素吸収組成物。
【請求項3】
前記のアクリル樹脂系バインダー材は、
珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、アルミナ、珪石、リン酸塩、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、ガラス粉、粘土、雲母、ガラス繊維、シリコン樹脂、フッ素樹脂のうち少なくとも1以上を用い、
二酸化炭素吸収組成物中における重量は30〜35重量%である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素吸収組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3までに記載の二酸化炭素吸収組成物を含有する
ことを特徴とする二酸化炭素吸収組成物含有無機質塗料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−191144(P2009−191144A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32492(P2008−32492)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(308000252)株式会社タース (1)
【出願人】(308000263)クリスタライザー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】