説明

二重エネルギCTのためのノッチ・フィルタ処理のシステム及び方法

【課題】二重エネルギ計算機式断層写真法(CT)でのエネルギ分離を拡大する。
【解決手段】イメージング・システム(10)が、X線のビーム(16)を撮像対象(22)へ向けて放出するX線源(14)と、対象(22)によって減弱されたX線(16)を受光する検出器(18)と、X線源(14)と対象(22)との間に配置されるスペクトル・ノッチ・フィルタ(15)と、検出器(18)に接続されて動作するデータ取得システム(DAS)(32)と、DAS(32)に接続されて動作するコンピュータ(36)とを含んでおり、コンピュータ(36)は、第一のkVp(104)において第一の画像データセットを取得し、第一のkVp(104)よりも大きい第二のkVp(108)において第二の画像データセットを取得して、第一の画像データセット及び第二の画像データセットを用いて対象(22)の画像を形成するようにプログラムされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、診断撮像に関し、さらに具体的には、低kVp投影と高kVp投影との間での平均エネルギの分離を拡大した基底物質分解のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医用撮像装置は、X線システム、磁気共鳴(MR)システム、超音波システム、計算機式断層写真法(CT)システム、陽電子放出断層写真法(PET)システム、超音波、核医学、及び他の形式のイメージング・システムを含んでいる。典型的には、CTイメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。ビームは被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、ここから最終的に画像を形成する。
【0003】
一般的には、X線源及び検出器アレイは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリ開口の周りで回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。X線検出器は典型的には、検出器において受光されるX線ビームをコリメートするコリメータと、コリメータに隣接して設けられてX線を光エネルギへ変換するシンチレータと、隣接するシンチレータから光エネルギを受け取ってここから電気信号を発生するフォトダイオードとを含んでいる。
典型的には、シンチレータ・アレイの各々のシンチレータがX線を光エネルギへ変換する。各々のシンチレータは、光エネルギを隣接するフォトダイオードへ放出する。各々のフォトダイオードが光エネルギを検出して対応する電気信号を発生する。次いで、フォトダイオードの出力はデータ処理システムへ伝送されて画像再構成を施される。しかしながら、かかる典型的なシステムは、撮像対象を通過するX線のスペクトル・エネルギ内容を識別する能力を含んでいない。
【0004】
しかしながら、当技術分野では公知のように、物体における様々な物質の密度を明らかにし、多数の単色X線エネルギ・レベルにおいて取得される画像を形成し得る二重エネルギ又は多重エネルギ型スペクトルCTシステムが開発されている。物体による散乱が存在しない場合に、システムは、スペクトルの二つのフォトン・エネルギ領域すなわち入射X線スペクトルの低エネルギ部分及び高エネルギ部分からの信号に基づいて異なるエネルギにおける挙動を導く。医用CTの所与のエネルギ領域では、二つの物理的過程すなわち(1)コンプトン散乱、及び(2)光電効果がX線減弱を支配する。二つのエネルギ領域からの検出信号は、被撮像物質のエネルギ依存性及び2種の仮想的な物質で構成される物体の相対的な組成を解明するのに十分な情報を提供する。
【0005】
二重エネルギ撮像又はスペクトル撮像を実現するために様々なアプローチが開発されている。幾つかを挙げると、二重のX線源及び検出器、単一のX線源及びエネルギ識別型検出器、並びに単一のX線源及び検出器であって異なるkVpでの多数の取得又は高速のkVp切り換え能力によるインタリーブを行なうもの等が手法の例として挙げられる。
【0006】
二重のX線源及び検出器のシステムでは、典型的には2基のX線源が設けられ、各々が対向して配置されたそれぞれの検出器を有し、X線が各々の線源から異なるスペクトル・エネルギ内容を有して放出され得るようにしている。従って、線源の既知のエネルギ差に基づいて、撮像対象の内部のエネルギ内容及び異なる物質を識別するために、シンチレート型又はエネルギ積算型装置を用いれば十分に事足りる。
【0007】
単一のX線源及びエネルギ識別型検出器の場合には、エネルギ感受型検出器を用いて、検出器に到達する各々のX線フォトンが該フォトンのフォトン・エネルギによって記録されるようにすることができる。かかるシステムは、シンチレータの代わりに直接変換検出器物質を用いることができる。
【0008】
単一のX線源及び検出器の構成では、従来の第三世代CTシステムが、放出されるX線ビームを構成する入射フォトンのエネルギのピーク及びスペクトルを変化させる異なるピーク・キロボルト数(kVp)レベルにおいて相次いで投影を取得することができる。二つの走査が、(1)時間的に逐次的に連続して取得されて、走査が被検体の周りの2回の回転を必要とするか、又は(2)管が例えば80kVp電位及び140kVp電位において動作するようにして回転角度の関数としてインタリーブされて取得されて、被検体の周りの一回転を必要とするかの何れかとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
二重エネルギ・データを連続して取得するときには、続く線源/検出器ガントリ回転時に取得される撮像データは、各々の続く回転時に生ずる運動のためモーション(運動)・アーティファクトを蒙り易くなる。対照的に、インタリーブの場合には、X線源への入力電圧が低kVp電位と高kVp電位との間で高速に切り換わるため、撮像データセット同士の間に緊密な相関が可能になる。しかしながら、切り換えが単一のX線源において極めて高速に生ずるため、二つの標本の間でフィルタ処理を変化させる機会が殆ど存在しない。結果として、二つの標本の間にスペクトル(エネルギ)の重なりが存在して、二つの標本の間でのエネルギ分離の量を本質的に制限する。当技術分野で公知のように、コントラスト雑音比を高めるためには低kVp動作と高kVp動作との間でのエネルギ分離を拡大すると望ましい。しかしながら、間のエネルギ分離を拡大するために単に低kVpを減少させたり高kVpを高めたりすることは実行可能ではない。低kVpを低くすると、信号対雑音比を制限したり、画像再構成に他の制限を招いたりする場合がある。また高kVpを高めると、システム不安定性及び電荷吐き出し作用(spit activity)を招いたり、システム動作に他の制限を招いたりする場合がある。
【0010】
従って、二重エネルギCTでのエネルギ分離を拡大するシステム及び方法を提供すると望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、二重エネルギCTにおいて拡大されたエネルギ分離を提供するシステム及び方法に関するものである。
【0012】
本発明の一観点によれば、イメージング・システムが、撮像対象へ向けてX線のビームを放出するX線源と、対象によって減弱されたX線を受光する検出器と、X線源と対象との間に配置されるスペクトル・ノッチ・フィルタと、検出器に接続されて動作するデータ取得システム(DAS)と、DASに接続されて動作するコンピュータとを含んでおり、コンピュータは、第一のkVpにおいて第一の画像データセットを取得し、第一のkVpよりも大きい第二のkVpにおいて第二の画像データセットを取得して、第一の画像データセット及び第二の画像データセットを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされている。
【0013】
本発明のもう一つの観点によれば、二重エネルギCT撮像の方法が、二重エネルギ撮像についての低kVp電位及び高kVp電位を選択するステップと、低kVp電位及び高kVp電位に基づいて、並びに当該kエッジ・フィルタの物質のkエッジに基づいてkエッジ・フィルタを選択するステップと、線源と撮像対象との間にkエッジ・フィルタを配置するステップと、第一のkVp電位を線源に与えると共に線源に第二のkVp電位を与えて撮像データを取得するステップとを含んでいる。
【0014】
本発明のさらにもう一つの観点によれば、二重エネルギCT撮像の方法が、第一のX線スペクトルを生成するようにkエッジ・ノッチ・フィルタに低kVpX線を通すステップと、第一のX線スペクトルを用いて対象の第一の撮像データセットを取得するステップと、第二のX線スペクトルを生成するようにkエッジ・ノッチ・フィルタに高kVpX線を通すステップと、第二のX線スペクトルを用いて対象の第二の撮像データセットを取得するステップと、第一の撮像データセット及び第二の撮像データセットを用いて画像を形成するステップとを含んでいる。
【0015】
本発明のその他様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本発明を実施するのに現状で思量される好適な一実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】CT検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】低エネルギ・スペクトル及び高エネルギ・スペクトルを含むエネルギ・スペクトルの図である。
【図6】本発明の一実施形態によるkエッジ物質を用いたボウタイ・フィルタの図である。
【図7】本発明の各実施形態による多元物質kエッジ・フィルタの図である。
【図8】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
撮像装置は、X線システム、磁気共鳴(MR)システム、超音波システム、計算機式断層写真法(CT)システム、陽電子放出断層写真法(PET)システム、超音波、核医学、及び他の形式のイメージング・システムを含んでいる。X線源の応用は、撮像応用、医療応用、警備応用、及び工業用検査応用を含んでいる。当業者には、具現化形態がシングル・スライス構成又は他のマルチ・スライス構成と共に用いるように適用可能であることを認められよう。また、具現化形態は、X線の検出及び変換について利用可能である。しかしながら、当業者はさらに、具現化形態が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換について利用可能であることを認められよう。具現化形態は、「第三世代」CTスキャナ及び/又は他のCTシステムと共に利用可能である。
【0018】
本発明の動作環境を64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関して説明する。しかしながら、当業者は、本発明が他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることを認められよう。また、本発明をX線の検出及び変換について説明する。しかしながら、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0019】
図1には、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14はボウタイ・フィルタ13を通してX線ビームをガントリ12の反対側に設けられている検出器アセンブリ18又はコリメータ16へ向けて投射する。図2を参照すると、検出器アセンブリ18は、複数の検出器20及びデータ取得システム(DAS)32によって形成されている。複数の検出器20は、患者22を透過する投射X線を感知し、DAS32は後続の処理のためにデータをディジタル信号へ変換する。各々の検出器20が、入射するX線ビームの強度を表わし従って患者22を通過して減弱したビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線制御器28とガントリ・モータ制御器30とを含んでおり、X線制御器28はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器30はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0020】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観測することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、X線制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者22及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者22を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0021】
図3に示すように、検出器アセンブリ18は、コリメート用ブレード又はプレート19を間に配置したレール17を含んでいる。プレート19は、X線ビームが例えば検出器アセンブリ18に配置された図4の検出器20に入射する前にX線16をコリメートするように配置される。一実施形態では、検出器アセンブリ18は57個の検出器20を含んでおり、各々の検出器20が64×16のアレイ寸法のピクセル素子50を有している。結果として、検出器アセンブリ18は64列の横列及び912列の縦列(16x57個の検出器)を有し、これによりガントリ12の各回の回転によって64枚の同時スライスのデータを収集することを可能にしている。
【0022】
図4を参照すると、検出器20はDAS32を含んでおり、各々の検出器20が、パック51として構成されている多数の検出器素子50を含んでいる。検出器20は、検出器素子50に対してパック51の内部に配置されたピン52を含んでいる。パック51は、複数のダイオード59を有する背面照射型ダイオード・アレイ53の上に配置されている。次に、背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54の上に配置されている。スペーサ55が多層基材54の上に配置されている。検出器素子50は背面照射型ダイオード・アレイ53に光学的に結合され、次に背面照射型ダイオード・アレイ53は多層基材54に電気的に結合される。軟質(フレックス)回路56が、多層基材54の面57及びDAS32に取り付けられている。検出器20は、ピン52の利用によって検出器アセンブリ18の内部に配置される。
【0023】
一実施形態の動作時には、検出器素子50の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック51を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号が背面照射型ダイオード・アレイ53の内部のダイオードにおいて検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材54を通り、フレックス回路56を通ってDAS32まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号へ変換される。
【0024】
図1及び図2に戻り、以下では分解アルゴリズムに関連した議論を提示する。画像を形成するために幾つかのモードにおいて360°分よりも少ない又は多い投影データを組み入れ得る画像又はスライスを算出することができる。画像は、X線源の前面に設けられたタングステン・ブレード及び異なる検出器アパーチャを用いて望ましい寸法にコリメートされ得る。コリメータは典型的には、X線源14から発するX線のビーム16の寸法及び形状を画定し、患者22に照射される線量をさらに制御するためにボウタイ・フィルタ13をシステム10に含めることができる。典型的なボウタイ・フィルタは頭部又は胴体のような撮像されている身体部分に合わせてX線のビーム16を減弱させ、一般に患者22のアイソセンタを又はアイソセンタの近くを通過するX線には相対的に小さい減弱を提供する。ボウタイ・フィルタは、関心領域(ROI)、視野(FOV)、及び/又は撮像されている患者22の目標領域に従って撮像時にX線強度を成形する。
【0025】
X線源14及び検出器アレイ18が回転するのに伴い、検出器アレイ18は減弱したX線ビームのデータを収集する。検出器アレイ18によって収集されたデータは、前処理及び較正を施されて、被走査物体又は患者22の減弱係数の線積分を表わすようにデータを調整する。処理済みのデータを一般に投影と呼ぶ。
【0026】
二重エネルギ撮像又は多重エネルギ撮像では、撮像対象について2以上の投影データセットが、放出されるX線ビームを構成する入射フォトンのエネルギのピーク及びスペクトルを変化させる異なる管ピーク・キロボルト数(kVp)レベルにおいて典型的には得られ、又は代替的には、検出器アレイ18のエネルギ分解型検出器によって単一の管ピーク・キロボルト数(kVp)レベル又はスペクトルにおいて得られる。取得された投影データセットは、基底物質分解(BMD)に用いられ得る。BMD時には、測定された投影は密度線積分投影セットに変換される。密度線積分投影を再構成すると、骨、軟組織、及び/若しくは造影剤マップ(水及びヨード等)のような各々のそれぞれの基底物質の密度マップ又は画像を形成することができる。次にこれらの密度マップ又は画像を関連付けて、撮像容積における例えば骨、軟組織、及び/又は造影剤のような基底物質のボリューム・レンダリング(容積表現)を形成することができる。
【0027】
一旦、再構成されると、CTシステム10によって形成される基底物質画像は、2種の基底物質の密度として表現される患者22の体内の特徴を表わすものとなる。密度画像は、これらの特徴を示すように表示され得る。疾患状態のような医学的状態、さらに一般的に医学的事象の診断に対する従来のアプローチでは、放射線科医又は内科医が、密度画像のハード・コピー又は表示を考察して、着目する顕著な特徴を識別していた。かかる特徴としては、特定の解剖学的構造又は器官の病変、寸法及び形状、並びに個々の医師の技量及び知見に基づいて画像において識別可能な他の特徴等が含まれる場合があった。
【0028】
CT数又はハンスフィールド値に加えて、エネルギ選択型CTシステムが物質の原子番号及び密度に関する付加的な情報を与えることができる。この情報は、異なる物質のCT数が類似しているが原子番号が著しく異なり得るような多くの臨床医学的応用に特に有用であり得る。例えば、石灰化プラーク及びヨード造影剤で強調した血液を、冠動脈又は他の血管において一括で位置を突き止めることができる。当業者には認められるように、石灰化プラーク及びヨード造影剤で強調した血液は著しく異なる原子番号を有するが、これら2種の物質は幾つかの密度においてCT数単独では識別不可能であることが公知である。
【0029】
エネルギ感受型X線測定から原子番号及び密度の情報を生成するために分解アルゴリズムが利用可能である。多重エネルギ手法が、二重エネルギ、フォトン計数によるエネルギ識別、二層型シンチレーション、及び/又は2以上の別個のエネルギ範囲においてX線減弱を測定するように設計されている1若しくは複数の他の手法を含んでいる。一例として、多重エネルギ手法によって測定される物質の化合物又は混合物を同じX線エネルギ減弱特性を有する仮想的物質(又は複数の物質の組み合わせ)として表わすことができる。この仮想的物質に実効原子番号Zを割り当てることができる。元素の原子番号とは異なり、化合物の実効原子番号はX線減弱特性によって定義され、必ずしも整数でなくてよい。この実効Z表現特性は、診断X線撮像に有用なエネルギ範囲のX線減弱が化合物の電子密度に強い関係を有し、この電子密度はまた物質の原子番号に関係しているとの周知の事実に基づいている。
【0030】
このように、高速kVp切り換えによる二重エネルギCTは、二つのエネルギの近同時及び近同位置の投影標本を達成する興味深い方法である。しかしながら、高速切り換えであるため、標本同士の間でフィルタ処理を変化させたり、他の場合には低kVpエネルギと高kVpエネルギとの間のエネルギ分離を拡大したりする機会が殆ど存在しない。従って、本発明の一実施形態によれば、低kVpエネルギと高kVpエネルギとの重なり領域にエネルギ・ノッチ又はkエッジを有する単一のフィルタを用いて、間のエネルギ分離を拡大することができる。
【0031】
図5を参照すると、エネルギ・スペクトルの図100が、第一のピーク・エネルギ104を有する低エネルギ・スペクトル102と、第二のピーク・エネルギ108を有する高エネルギ・スペクトル106とを含んでいる。低エネルギ・スペクトル102は第一の平均keV110を含んでおり、高エネルギ・スペクトル106は第二の平均keV112を含んでいる。第一の平均keV110と第二の平均keV112との間にエネルギ分離114の量が示されている。当技術分野で公知のように、各々の平均keV110、112が、各々のそれぞれのスペクトルについての積分面積の量を近似的に分割するエネルギ又はkeVを表わす。このように、低エネルギ・スペクトル102については、第一の平均keV110は平均の下方の積分エネルギ116が平均の上方の積分エネルギ118に近似的に等しくなるようなエネルギ・レベルを表わす。同様に、高エネルギ・スペクトル106は、第二の平均keV112の下方及び上方に各積分エネルギ(付番なし)を含んでいる。
【0032】
スペクトル102、106は、それぞれのピーク・エネルギ104、108においてX線管から放出されるエネルギ・スペクトルを表わす。一例では、それぞれのエネルギの典型的な表現は、一定の水厚み量についての等価患者フィルタ処理について表わされる。このように、20cm水の等価患者フィルタ処理を含むこの例では、ピーク低kVp80keV及びピーク高kVp140keVについて平均エネルギはそれぞれ約55keV及び76keVである。これにより、低スペクトルと高スペクトルとの間に約21keV(76keV−55keV)のエネルギ分離が生ずる。
【0033】
しかしながら、本発明に従ってX線源と検出器との間にkエッジ物質を介設すると、平均低kVpと平均高kVpとの間のエネルギ分離を拡大することが可能である。kエッジは、フォトンと相互作用する原子のK殻電子の結合エネルギの直上のフォトン・エネルギにおいて生ずるフォトンの減弱係数の急激な増大を示す。この減弱の急激な増大は、フォトンの光電吸収によるものである。この相互作用が生じるためには、フォトンはK殻電子の結合エネルギよりも大きいエネルギを有する。従って、電子の結合エネルギの直上のエネルギを有するフォトンは、この結合エネルギの直下のエネルギを有するフォトンよりも吸収され易い。この現象を表わす一般的な用語は吸収エッジである。
【0034】
この減弱の急上昇のため、本発明によれば低kVpスペクトルと高kVpスペクトルとの平均エネルギの分離を拡大することが可能である。一例では、20cmの水及び0.5mmのHf(kエッジが約65.4keV)について、低及び高の平均エネルギはそれぞれ約58keV及び86keVであり、約28keVの分離が得られ、上で説明した21keVから増大している。図1及び図2に戻り、kエッジ物質15がX線源14と検出器アセンブリ18との間、さらに具体的には、X線源14と患者22との間に配置され得る。このようなものとして、本発明によれば、低kVpスペクトルの平均エネルギと高kVpスペクトルの平均エネルギとの間に位置するkエッジを有する減弱性物質の配置によって各エネルギの間の分離を拡大することが可能である。
【0035】
このように、一般的には、また本発明によれば、低kVpスペクトルの平均エネルギと高kVpスペクトルの平均エネルギとの間に位置するkエッジを有するkエッジ・ノッチ・フィルタを選択することにより、低kVpスペクトルと高kVpスペクトルとの間のエネルギ分離を拡大することが可能である。典型的には、かかるフィルタは、厚みが約1mmであり得る。但し、厚みは、限定しないが低kVpスペクトル及び高kVpスペクトル、mA、患者特性、並びに解剖学的構造等を含む特定の望ましい撮像特性に依存していることを理解されたい。
【0036】
一例では、低kVpスペクトル及び高kVpスペクトルはそれぞれ80keV及び140keVである。また、一例では低kVp電位及び高kVp電位は各々1ミリ秒未満の時間にわたる。但し、本発明によれば、二重エネルギ撮像又は多重エネルギ撮像について任意の低kVpスペクトル及び高kVpスペクトルが選択され得ることを理解されたい。また、本発明によれば、低kVp電位及び高kVp電位における1ミリ秒の持続時間は一例であり、撮像応用に応じて任意の長さの時間が具現化され得ることを理解されたい。さらに、kエッジ物質の例として上ではHfを挙げているが、本発明によれば、平均低kVp110と平均高kVp112との間にkエッジを有する任意の物質であれば十分に事足りる。このように、二重エネルギ撮像について、典型的な望ましいkエッジ物質は約30keVと80keVとの間にわたり得る。
【0037】
図1及び図2ではボウタイ・フィルタ13及びkエッジ・フィルタ15を別個の要素として図示しているが、両フィルタを、ボウタイ・フィルタ処理及びkエッジ・フィルタ処理の両方を含む単一の装置として組み合わせてもよい。図6を参照すると、ボウタイ・フィルタが本発明の一実施形態に従って示されている。典型的には、ボウタイ・フィルタは、当該ボウタイ・フィルタを好ましい軸方向位置に選択的に載置することにより利用され得る多数のボウタイを含み得る。図6は、2種の寸法のボウタイ202、204を内部に有するボウタイ・フィルタ・ユニット200の一例の図である。各々のボウタイ202、204が、ボウタイ・フィルタ・ユニット200の軸206に沿って配置されている。このように動作時には、ボウタイ・フィルタ・ユニット200は、撮像したい解剖学的構造に基づいて又は撮像したい患者に基づいて、軸方向に選択的に載置されることができる。このようなものとして、一例では比較的小柄の身体のためにはボウタイ・フィルタ202を選択することができ、比較的大柄な身体のためにはボウタイ・フィルタ204を選択することができる。また、ボウタイ・フィルタ・ユニット200は、2種の寸法のボウタイ202、204に限らず、軸206に沿って配置可能な多くのボウタイを含んでいてよい。ボウタイ・フィルタ200は、ボウタイ・ビーム成形及びkエッジ・フィルタ処理を提供するという二重の目的を果たし得るkエッジ物質を含んでいてもよい。このように、ボウタイ・フィルタ200は、kエッジ物質208として一例として網掛けで示すように、一方又は両方のボウタイ202、204にkエッジ物質を含み得る。
【0038】
2種以上のkエッジ・フィルタを組み合わせることにより、フィルタ処理、選択性、スペクトルの分離、及びエネルギ・スペクトルのさらに制御された成形を強化することが可能である。このように、本発明の各実施形態によれば、一つのkエッジ・フィルタに2種以上のkエッジ物質を含めることができる。従って、図7は、本発明の一実施形態による多元物質kエッジ・フィルタの図である。図7は、焦点スポット又は焦点302から発するX線300の図であり、焦点スポット又は点302は例えば図1及び図2のX線管14のようなX線源の内部の焦点スポット又は焦点であってよい。X線300は多元物質kエッジ・フィルタ304を通過し、患者又は物体(図示されていない)を通って、検出器アレイ又はアセンブリ306(一例では図1及び図2の検出器アセンブリ18であってよい)へ向かう。
【0039】
図示のように、多元物質kエッジ・フィルタ304は、第一の物質308及び第二の物質310を含んでいる。本発明の各実施形態では、第一及び第二の物質308、310は、組み合わせるとエネルギ・スペクトルの選択的で制御された成形を可能にするkエッジ物質であり、単一のkエッジ物質に比較して明瞭なノッチ・フィルタ処理を導き得る。このようなものとして、特定のエネルギでのフィルタ処理のレベルに特定的に影響を与えるための複数のkエッジ物質の組み合わせが、この特定的に影響を与えられる面積以外のスペクトルの部分は不変にしたまま影響を与えるように選択され得る。また、2種の物質308、310が図示されているが、2種よりも多い物質を含めることができ、組み合わせたときの望ましい合計減弱及び多元物質kエッジ・フィルタ304の配置に利用可能な空間によってのみ限定されることを理解されたい。多元物質kエッジ・フィルタ304の利用を別個の従来のボウタイ・フィルタと組み合わせてもよいし、kエッジ・フィルタ処理及びボウタイ・ビーム成形の両方を単一のユニットにおいて提供するように多元物質kエッジ・フィルタ304をボウタイ・フィルタと組み合わせてもよいことを理解されたい。上で単一kエッジ物質のフィルタに関して述べたように、例えば約30keVと80keVとの間に位置するkエッジを各々有する複数の物質の組み合わせを選択してもよい。
【0040】
一例では、Hf(ハフニウム)及びW(タングステン)を組み合わせて、Hf単独での場合よりも改善された最適化を可能にすることができる。この複数のkエッジ物質の組み合わせによって、スペクトルの該当領域での減弱を調節するように影響を与えたいスペクトルの領域の選択選定が可能になる。さらに、Hf及びWは物質の組み合わせの一例として用いられている。しかしながら、影響を与えたいエネルギ範囲に応じて、kエッジ及び密度等に基づいて、スペクトルの選択されるエネルギ範囲において効果を上げるように組み合わせ得る様々な物質を選択することができる。
【0041】
図8を参照すると、小包/手荷物検査システム500が、小包又は手荷物が通過し得る開口504を有する回転式ガントリ502を含んでいる。回転式ガントリ502は、X線源及び/又は高周波電磁エネルギ線源506と、シンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ508とを収容している。また、コンベヤ・システム510が設けられており、コンベヤ・システム510は、構造514によって支持されており走査されるべき小包又は手荷物516を自動的に連続的に開口504に通過させるためのコンベヤ・ベルト512を含んでいる。物体516をコンベヤ・ベルト512によって開口504に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト512によって開口504から小包516を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包516の内容を非侵襲的に検査することができる。具現化形態の一例は、手荷物の爆発物検出のような自動検査手法の開発を支援し得る。
【0042】
開示された方法及び装置の技術的寄与は、低kVp投影と高kVp投影との間の平均エネルギの分離を拡大した基底物質分解のコンピュータ実装型システム及び方法を提供することである。
【0043】
当業者は、本発明の各実施形態が、コンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体に結び付けられて制御され得ることを認められよう。コンピュータ可読の記憶媒体は、電子的構成要素、ハードウェア構成要素、及び/又はコンピュータ・ソフトウェア構成要素の1又は複数のような複数の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語のような命令を一般に記憶する1又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。これらのコンピュータ可読の記憶媒体は一般的には、非一時的であり且つ/又は有形である。かかるコンピュータ可読の記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能なデータ記憶媒体及び/又は記憶装置等がある。コンピュータ可読の記憶媒体は例えば、磁気式、電気式、光学式、生物式、及び/又は原子式のデータ記憶媒体の1又は複数を用いていてよい。さらに、かかる媒体は、例えばフロッピィ・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハード・ディスク・ドライブ、及び/又は電子メモリの形態を取り得る。列挙されていない他の形態の非一時的であり且つ/又は有形であるコンピュータ可読の記憶媒体を本発明の各実施形態と共に用いてもよい。
【0044】
多数のかかる構成要素がシステムの具現化形態において結合され又は分割され得る。さらに、かかる構成要素は、当業者には認められるように多数のプログラミング言語の任意のもので書かれ又は具現化された一組及び/又は一連のコンピュータ命令を含み得る。加えて、搬送波のような他の形態のコンピュータ可読の媒体を用いて、1又は複数のコンピュータによって実行されると、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行することを当該1又は複数のコンピュータに行なわせる命令の系列を表わすコンピュータ・データ信号を具現化することができる。
従って、本発明の一実施形態によれば、イメージング・システムが、撮像対象へ向けてX線のビームを放出するX線源と、対象によって減弱されたX線を受光する検出器と、X線源と対象との間に配置されるスペクトル・ノッチ・フィルタと、検出器に接続されて動作するデータ取得システム(DAS)と、DASに接続されて動作するコンピュータとを含んでおり、コンピュータは、第一のkVpにおいて第一の画像データセットを取得し、第一のkVpよりも大きい第二のkVpにおいて第二の画像データセットを取得して、第一の画像データセット及び第二の画像データセットを用いて対象の画像を形成するようにプログラムされている。
本発明のもう一つの実施形態によれば、二重エネルギCT撮像の方法が、二重エネルギ撮像についての低kVp電位及び高kVp電位を選択するステップと、低kVp電位及び高kVp電位に基づいて、並びに当該kエッジ・フィルタの物質のkエッジに基づいてkエッジ・フィルタを選択するステップと、線源と撮像対象との間にkエッジ・フィルタを配置するステップと、第一のkVp電位を線源に与えると共に線源に第二のkVp電位を与えて撮像データを取得するステップとを含んでいる。
本発明のさらにもう一つの実施形態によれば、二重エネルギCT撮像の方法が、第一のX線スペクトルを生成するようにkエッジ・ノッチ・フィルタに低kVpX線を通すステップと、第一のX線スペクトルを用いて対象の第一の撮像データセットを取得するステップと、第二のX線スペクトルを生成するようにkエッジ・ノッチ・フィルタに高kVpX線を通すステップと、第二のX線スペクトルを用いて対象の第二の撮像データセットを取得するステップと、第一の撮像データセット及び第二の撮像データセットを用いて画像を形成するステップとを含んでいる。
【0045】
本発明は好適実施形態に関して説明されており、明示的に述べた以外の均等構成、代替構成及び改変が可能であり特許請求の範囲内に含まれることを認められよう。
【符号の説明】
【0046】
10:計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム
12:ガントリ
13:ボウタイ・フィルタ
14:X線源
15:kエッジ物質
16:投射X線
17:レール
18:検出器アセンブリ
19:コリメート用ブレード又はプレート
20:検出器
22:患者
24:回転中心
26:制御機構
28:X線制御器
30:ガントリ・モータ制御器
32:データ取得システム(DAS)
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
50:検出器素子
51:パック
52:ピン
53:背面照射型ダイオード・アレイ
54:多層基材
55:スペーサ
56:軟質回路
57:面
59:複数のダイオード
100:エネルギ・スペクトル
102:低エネルギ・スペクトル
104、108:ビーク・エネルギ
106:高エネルギ・スペクトル
110、112:平均keV
114:エネルギ分離
116:平均の下方の積分エネルギ
118:平均の上方の積分エネルギ
200:ボウタイ・フィルタ・ユニット
202、204:ボウタイ・フィルタ
206:軸
208:kエッジ物質
300:X線
302:焦点スポット
304:多元物質kエッジ・フィルタ
306:検出器アレイ
308:第一の物質
310:第二の物質
500:小包/手荷物検査システム
502:ガントリ
504:開口
506:高周波電磁エネルギ源
508:検出器アセンブリ
510:コンベヤ・システム
512:コンベヤ・ベルト
514:構造
516:小包又は手荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線のビーム(16)を撮像対象(22)へ向けて放出するX線源(14)と、
前記対象(22)により減弱された前記X線(16)を受光する検出器(18)と、
前記X線源(14)と前記対象(22)との間に配置されるスペクトル・ノッチ・フィルタ(15)と、
前記検出器(18)に接続されて動作するデータ取得システム(DAS)(32)と、
該DAS(32)に接続されて動作するコンピュータ(36)と
を備えたイメージング・システム(10)であって、前記コンピュータ(36)は、
第一のkVp(104)において第一の画像データセットを取得し、
前記第一のkVp(104)よりも大きい第二のkVp(108)において第二の画像データセットを取得して、
前記第一の画像データセット及び前記第二の画像データセットを用いて前記対象(22)の画像を形成する
ようにプログラムされている、イメージング・システム(10)。
【請求項2】
前記第一のkVp(104)は前記ノッチ・フィルタ(15)のkエッジよりも小さい平均kVp(110)を含んでおり、前記第二のkVp(108)は前記ノッチ・フィルタ(15)の前記kエッジよりも大きい平均kVp(112)を含んでいる、請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項3】
計算機式断層写真法(CT)システムである請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項4】
前記X線源(14)と前記対象(22)との間に配置されたボウタイ・フィルタ(13)を含んでいる請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項5】
前記ボウタイ・フィルタ(13)は前記スペクトル・ノッチ・フィルタ(15)を含んでいる、請求項4に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項6】
前記第一の画像データセットは前記第一のkVp(104)における第一の投影データセットを含んでおり、前記第二の画像データセットは前記第二のkVp(108)における第二の投影データセットを含んでおり、該第二の投影データセットは前記第一の投影データセットに続いて直ちに取得される、請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項7】
前記第一のkVp(104)は約80kVpであり、前記第二のkVp(108)は約140kVpである、請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項8】
前記スペクトル・ノッチ・フィルタ(15)は、約30keVと80keVとの間にkエッジを有する物質を含んでいる、請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項9】
前記コンピュータ(36)は、前記第一の画像データセット及び前記第二の画像データセットを第一の基底物質画像及び第二の基底物質画像に分解するようにプログラムされている、請求項1に記載のイメージング・システム(10)。
【請求項10】
前記第一の基底物質画像はヨード画像及び水画像の一方である、請求項9に記載のイメージング・システム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66075(P2012−66075A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197783(P2011−197783)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】