説明

二重容器

【課題】レフィール容器のホルダーへの装着作業を容易に行うこと。
【解決手段】硬質材からなる有頂筒状のホルダー2と、該ホルダー2に着脱可能に装着されたレフィール容器3と、を備え、該レフィール容器3は、内容物が収容される容器体4と、該容器体4の口部4aに装着された装着キャップ9を有する注出器5と、を備え、該レフィール容器3は、ホルダー2内に下方から挿入されることで、該ホルダー2の頂壁部2aに形成された挿通孔20から注出器5が突出するとともに、容器体4が該ホルダー2内に配置された状態で、ホルダー2に装着され、装着キャップ9には、その外周面から下方に延在する弾性板25が周方向に間隔をあけて複数配設され、該弾性板25には、前記頂壁部2a上に配置された係止部27が設けられている二重容器1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、硬質材からなる有頂筒状のホルダーと、該ホルダーに着脱可能に装着されたレフィール容器と、を備える二重容器が知られている。この二重容器では、レフィール容器は、内容物が収容される容器体と、該容器体の口部に装着された注出器と、を備えている。また容器体は、ホルダー内に配置されるとともに、注出器は、ホルダーの頂壁部に形成された挿通孔から突出している。そして、容器体の口部は挿通孔内に配置され、ホルダーの頂壁部には、容器体の口部を挿通孔に狭着させる保持体が摺動可能に配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−274564公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の二重容器では、レフィール容器をホルダーに装着する際に、レフィール容器を下方からホルダー内に挿入し注出器を挿通孔から突出させ、その後、保持体を把持してホルダーの頂壁部上を摺動させて容器体の口部を挿通孔に狭着させるという2つの作業をする必要があるため、装着作業に手間がかかる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、レフィール容器のホルダーへの装着作業を容易に行うことができる二重容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る二重容器は、硬質材からなる有頂筒状のホルダーと、該ホルダーに着脱可能に装着されたレフィール容器と、を備え、該レフィール容器は、内容物が収容される容器体と、該容器体の口部に装着された装着キャップを有する注出器と、を備え、該レフィール容器は、前記ホルダー内に下方から挿入されることで、該ホルダーの頂壁部に形成された挿通孔から前記注出器が突出するとともに、前記容器体が該ホルダー内に配置された状態で、前記ホルダーに装着された二重容器であって、前記装着キャップには、その外周面から下方に延在する弾性板が周方向に間隔をあけて複数配設され、該弾性板には、前記頂壁部上に配置された係止部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、弾性板に前記係止部が設けられているので、係止部が前記頂壁部に上方から係止することで、レフィール容器がホルダーに対して下方に移動しホルダーから抜け落ちてしまうことが抑制される。
ここで、レフィール容器をホルダーに装着するときには、レフィール容器をホルダー内に下方から挿入し、注出器に挿通孔を下方から上方に通過させる。このとき、各弾性板の係止部が挿通孔の開口縁部に径方向の内側から摺接し、各弾性板が径方向の内側に弾性変形させられながら、係止部が前記開口縁部を下方から上方に乗り越えることで、各弾性板が復元変形して係止部が前記頂壁部上に配置されることとなる。このように、注出器に挿通孔を下方から上方に通過させながら、弾性板の弾性力を利用して係止部を前記頂壁部上に配置することで、レフィール容器をホルダー内に下方から挿入する操作のみでレフィール容器をホルダーに装着させることが可能になり、装着作業を容易に行うことができる。
【0008】
また、前記弾性板は、前記装着キャップにおいて、キャップ軸を径方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設されていてもよい。
【0009】
この場合、弾性板が、装着キャップにおいて、キャップ軸を径方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設され、一対の弾性板が径方向に対向配置されているため、レフィール容器をホルダーに着脱させる際の操作性を更に高めることができる。
【0010】
また、前記ホルダーには、前記弾性板において周方向を向く側端部に当接することで、該ホルダーと前記レフィール容器との周方向の相対的な回転を規制する回り止め部が設けられていても良い。
【0011】
この場合、ホルダーに前記回り止め部が設けられているので、注出孔の周方向位置を安定させることが可能になり、内容物を容易に注出することができる。
なお容器体が、例えば袋状やパウチ状などとされ、ホルダーよりも軟質な軟質材からなる場合には、ホルダーとレフィール容器とが周方向に相対的に回転し、ホルダーの内面と容器体と外面とが当接しても回転が規制され難いため、前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
【0012】
また、前記弾性板の下端部は、前記挿通孔から下方に延在し、該下端部には、前記頂壁部に下方から係合する規制部が設けられていても良い。
【0013】
この場合、弾性板の下端部に前記規制部が設けられているので、レフィール容器のホルダーに対する上方への移動を規制部により規制し、注出孔の上下方向位置をこの弾性板によって安定させることが可能になり、内容物を容易に注出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二重容器によれば、レフィール容器のホルダーへの装着作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1実施形態の二重容器の前後方向に沿った部分的な縦断面図である。
【図2】図1に示す二重容器の上面図である。
【図3】図1に示す二重容器の左右方向に沿った部分的な縦半断面図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態の二重容器の左右方向に沿った部分的な縦半断面図である。
【図5】図4に示す二重容器の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明に係る第1実施形態の二重容器を説明する。
図1に示すように、二重容器1は、硬質材からなる有頂筒状のホルダー2と、該ホルダー2に着脱可能に装着されたレフィール容器3と、を備えている。またレフィール容器3は、内容物が収容される容器体4と、該容器体4の口部4aに装着された装着キャップ9を有する注出器5と、を備えている。
【0017】
ここで、ホルダー2の中心軸、並びにレフィール容器3における容器体4の容器軸、および装着キャップ9のキャップ軸は、共通軸上に位置している。以下では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿った方向を上下方向といい、容器軸O方向に直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。また、上下方向に沿ったホルダー2の頂壁部2a側を上側、開口端部2b側を下側という。
【0018】
容器体4は、パウチ状の容器本体部6と、容器本体部6の上端部に取り付けられた筒状のスパウト7と、を備えている。
容器本体部6は、例えば合成樹脂フィルムをアルミニウム等の金属膜で被覆した熱融着性樹脂シートからなる可撓性を有する袋体(パウチ)であり、前記熱融着性樹脂シートの周縁部を熱融着などで貼り合わせることで密封されている。
【0019】
スパウト7は容器軸Oと同軸に配置され、スパウト7の上下方向の中央部には、周方向に延在するフランジ部8が設けられている。スパウト7のうち、フランジ部8よりも上側に位置する上側部分は前記口部4aとされ、下側に位置する下側部分7aは、容器本体部6の上端部の内面に固着され、該下側部分7a内は容器本体部6内に連通している。
なお、スパウト7の下側部分7aは、例えば熱融着により容器本体部6の上端部の内面に固着されており、図示の例では、該下側部分7aには、周方向に延在する環状突部7bが、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0020】
注出器5は、前記装着キャップ9と、装着キャップ9の上端部に配設され押下可能に上方付勢された押下ヘッド10と、押下ヘッド10の押し下げを規制するストッパ部11と、を備えている。
装着キャップ9は、前記口部4aの外周面側に装着された大径部12と、大径部12よりも上方に位置する小径部13と、が、段部14を介して連設されてなる2段(多段)の円筒状に形成されており、これらのうち、小径部13の上端部が装着キャップ9の上端部となっている。
【0021】
押下ヘッド10は、周壁部15aの下端部が装着キャップ9の小径部13の上端部に外嵌された有頂筒状の本体筒部15と、本体筒部15の周壁部15aから前方に突設され、先端開口部が注出孔16とされた注出筒部17と、を備えている。なお以下では、径方向のうち、注出孔16を通る方向を前後方向といい、前後方向に沿った容器軸Oに対する注出孔16側を前側といい、その反対側を後側という。
【0022】
図2に示すように、押下ヘッド10の本体筒部15は、容器軸Oと同軸に配置されるとともに装着キャップ9の大径部12の外周面よりも内側に位置し、押下ヘッド10の注出筒部17において前側に位置する前側部分17aは、前記大径部12の前端部より前方に突出している。また注出筒部17内は、この注出器5内に形成された図示しない流通路を通して容器体4内と連通している。
【0023】
図1に示すように、ストッパ部11は、装着キャップ9の小径部13において上端部より下側に位置する部分に離脱自在に装着されている。図2に示すように、ストッパ部11は、前記小径部13に外嵌し前方に向けて開口するC字状の外嵌部18と、外嵌部18から後方に突設された把持部19と、を備えている。このストッパ部11は、装着キャップ9の大径部12の外周面よりも内側に位置している。また図1に示すように、ストッパ部11の外嵌部18の下端は、装着キャップ9の段部14上に位置し、この外嵌部18の上端は、押下ヘッド10の本体筒部15の下端に下方から当接している。
【0024】
なお注出器5としては、一般的なポンプ機構を採用することが可能である。例えば注出器5は、その概略構成として更に、装着キャップ9内に嵌合された図示しないシリンダと、当該シリンダ内を上下方向に摺動する図示しないピストンと、このピストンと連係して上方付勢されるとともに前記シリンダから上方に突出し、前記押下ヘッド10が装着された図示しないステムと、を備えていても良い。
【0025】
このように構成された注出器5では、まず、ストッパ部11を装着キャップ9の小径部13から離脱させ、その後、押下ヘッド10に作用する上方付勢力に抗して押下ヘッド10を押下する。すると、容器体4内の内容物が、前記流通路および注出筒部17内を流通した後、押下ヘッド10の注出孔16から注出される。
【0026】
ここでレフィール容器3は、ホルダー2内に下方から挿入されることで、該ホルダー2の頂壁部2aに形成された挿通孔20から注出器5が突出するとともに、容器体4が該ホルダー2内に配置された状態で、ホルダー2に装着されている。
図2に示すように、ホルダー2を上下方向に沿って上方から見た上面視形状は、前後方向に長い長方形状(矩形状)に形成されている。
【0027】
図1および図2に示すように、挿通孔20は、内部に容器体4の口部4aが位置する中央孔22と、この中央孔22に、径方向のうち、前後方向に直交する左右方向の両外側から接続された一対の側方孔23と、中央孔22に前方から接続された前方孔24と、を備えている。
図2に示すように、前記上面視において、ホルダー2の頂壁部2aにおける中央孔22の開口縁部22aは、装着キャップ9の大径部12に倣う形状となっており、中央孔22の内径は、装着キャップ9の大径部12の外径よりも若干大きくなっている。
【0028】
また一対の側方孔23は、中央孔22の開口縁部22aのうち、容器軸Oを左右方向に挟んで位置する各部分に配設されている。各側方孔23は周方向に延在しており、ホルダー2の頂壁部2aにおける側方孔23の開口縁部23aは、中央孔22の開口縁部22aに接続され左右方向に延在する一対の第1部分23bと、これらの一対の第1部分23bを接続するとともに周方向に延在する第2部分23cと、からなる。
【0029】
さらに前方孔24は、中央孔22の開口縁部22aのうち、前方に位置する部分に配設されている。前記上面視において、ホルダー2の頂壁部2aにおける前方孔24の開口縁部24aは、押下ヘッド10の注出筒部17の前記前側部分17aに倣う形状に形成されており、前方孔24の左右方向に沿った大きさである幅は、注出筒部17の前記前側部分17aの幅よりも若干大きくなっている。
【0030】
そして本実施形態では、前記装着キャップ9には、その外周面から下方に延在する弾性板25が周方向に間隔をあけて複数配設されており、図示の例では、弾性板25は、装着キャップ9において、容器軸Oを左右方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設されている。これらの各弾性板25は湾曲しており、各弾性板25の表裏面は、装着キャップ9の大径部12の外周面に倣い周方向に沿って延在している。この弾性板25において周方向を向く側端部25aは、上下方向および左右方向の両方向に沿って延在する平坦面状に形成されている。
【0031】
また図3に示すように、弾性板25の上端部は、装着キャップ9の大径部12の上端部に連結されている。また弾性板25は、上方から下方に向かうに従い漸次、左右方向の外側に向けて延在しており、装着キャップ9の大径部12と弾性板25との間には、上方から下方に向かうに従い漸次、左右方向に沿った大きさが大きくなる隙間26があいている。そして、弾性板25の下端部は、周方向の全長にわたって上下方向の位置が同等となっている。
【0032】
各弾性板25には、ホルダー2の頂壁部2a上に配置された係止部27が設けられている。本実施形態では、係止部27は弾性板25の下端部となっている。またこの係止部27は、前記頂壁部2aにおいて、側方孔23の開口縁部23aにおける前記第2部分23cに左右方向の外側から接続された部分上に配置されている。このように、係止部27が頂壁部2aに上方から係止することで、レフィール容器3がホルダー2に対して下方に移動しホルダー2から抜け落ちてしまうことが抑制される。
【0033】
また、各弾性板25において左右方向の外側を向く表面には滑り止め部28が設けられている。この滑り止め部28は、弾性板25から左右方向の外側に突出するとともに周方向に延在する横リブ状に形成されている。滑り止め部28の表面は、縦断面視において左右方向の外側に突出する凸曲面状に形成されている。
【0034】
ここで図2に示すように、ホルダー2には、弾性板25の前記側端部25aに当接することで、ホルダー2とレフィール容器3との周方向の相対的な回転を規制する回り止め部29が設けられている。回り止め部29は、各側方孔23に対応するように配置されており、ホルダー2の頂壁部2aにおいて容器軸Oを左右方向に挟んで位置する各部分に設けられている。
【0035】
回り止め部29は、前記頂壁部2aにおいて弾性板25を周方向に挟み込む位置に立設された一対の第1突部30からなる。これらの第1突部30はそれぞれ、左右方向に沿って延在しており、側方孔23の開口縁部23aのうちの第1部分23bに沿うように各別に配置されている。各第1突部30は、前記第1部分23bの左右方向の内端縁から左右方向の外側に延在しており、第1突部30の左右方向の外端部は、弾性板25の前記側端部25aに周方向に間隔をあけて対向している。
このように構成された回り止め部29では、ホルダー2とレフィール容器3とが周方向に相対的に回転したときに、弾性板25の側端部25aが第1突部30の外端部に当接することで回転が規制される。
【0036】
また、一対の第1突部30の各外端部は、ホルダー2の頂壁部2aに立設されるとともに周方向に延在する第2突部31を介して連結されている。図3に示すように、この第2突部31は、弾性板25の前記係止部27よりも左右方向の外側に位置しており、図示の例では、係止部27に左右方向の外側から近接または当接している。
【0037】
次に、以上のように構成された二重容器1において、ホルダー2にレフィール容器3を装着する方法について説明する。
本実施形態では、レフィール容器3をホルダー2内に下方から挿入し、注出器5に挿通孔20を下方から上方に通過させることで、ホルダー2にレフィール容器3を装着する。このとき注出器5は、押下ヘッド10、ストッパ部11および装着キャップ9の順に挿通孔20を通過することとなる。これらのうち、押下ヘッド10が挿通孔20を通過するときは、押下ヘッド10の本体筒部15が中央孔22を通過するとともに、注出筒部17の前記前側部分17aが前方孔24を通過する。また、ストッパ部11が挿通孔20を通過するときは、挿通孔20のうちの中央孔22を通過する。
【0038】
また、装着キャップ9が挿通孔20を通過するときは、この装着キャップ9が中央孔22を通過しながら、装着キャップ9の左右方向の両外側で、各弾性板25が側方孔23を通過する。このとき、各弾性板25の表面が、側方孔23の開口縁部23aのうち、前記第2部分23cに左右方向の内側から摺接し、各弾性板25が、その上端部を起点として左右方向の内側に弾性変形させられ、装着キャップ9の大径部12と弾性板25との間の隙間26が狭められながら、装着キャップ9および両弾性板25が挿通孔20を通過することとなる。
【0039】
そして、各弾性板25の係止部27が、前記第2部分23cを下方から上方に乗り越えると、各弾性板25が左右方向の外側に復元変形し、係止部27が、ホルダー2の頂壁部2aにおいて前記第2部分23cに左右方向の外側から接続された部分上に配置される。このように係止部27は、挿通孔20から注出器5が突出させられるときに、挿通孔20の開口縁部(前記第2部分23c)に左右方向の内側から摺接して弾性板25を左右方向の内側に弾性変形させながら前記開口縁部を下方から上方に乗り越え、弾性板25が復元変形することにより前記頂壁部2a上に配置される構成となっている。
【0040】
次に前記二重容器1において、ホルダー2からレフィール容器3を離脱させる方法について説明する。
はじめに、両弾性板25を左右方向の外側から内側に押し込んで、装着キャップ9の大径部12と弾性板25との間の隙間26が狭まるように弾性板25を弾性変形させながら、レフィール容器3を把持する。このとき、各弾性板25の滑り止め部28を押し込むことで、レフィール容器3を安定して把持することができる。
【0041】
その後、レフィール容器3を把持しながら下方に移動させ、両弾性板25の係止部27を挿通孔20よりも下方に位置させることで、係止部27によるホルダー2の頂壁部2aへの上方からの係止が解除される。そして、更にレフィール容器3を下方に移動させることで、ホルダー2からレフィール容器3を離脱させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る二重容器1によれば、注出器5に挿通孔20を下方から上方に通過させながら、弾性板25の弾性力を利用して係止部27を頂壁部2a上に配置することで、レフィール容器3をホルダー2内に下方から挿入する操作のみでレフィール容器3をホルダー2に装着させることが可能になり、装着作業を容易に行うことができる。
【0043】
また弾性板25が、装着キャップ9において、容器軸Oを左右方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設され、一対の弾性板25が左右方向に対向配置されているため、レフィール容器3をホルダー2に着脱させる際の操作性を更に高めることができる。
【0044】
また、ホルダー2に前記回り止め部29が設けられているので、注出孔16の周方向位置を安定させることが可能になり、内容物を容易に注出することができる。
また本実施形態のように、容器体4が、例えば袋状やパウチ状などとされ、ホルダー2よりも軟質な軟質材からなる場合には、ホルダー2とレフィール容器3とが周方向に相対的に回転し、ホルダー2の内面と容器体4と外面とが当接しても回転が規制され難いため、前述の作用効果が顕著に奏功されることとなる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の二重容器を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0046】
図4に示すように、本実施形態の二重容器40では、前記弾性板25の下端部が、前記挿通孔20から下方に延在しており、この下端部には、ホルダー2の頂壁部2aに下方から係合する規制部41が設けられている。本実施形態では、規制部41は、左右方向の外側に突出するとともに周方向に延在する突状に形成され、前記頂壁部2aにおいて、側方孔23の開口縁部23aにおける前記第2部分23cに左右方向の外側から接続された部分の下面に、近接または当接している。
【0047】
また前記係止部27は、弾性板25のうち、挿通孔20から上方に突出している部分から左右方向の外側に突設されている。係止部27は周方向に延在しており、この係止部27の上面は、左右方向の内側から外側に向かうに従い漸次、下方に傾斜する傾斜面となっている。また係止部27の下面は、容器軸Oに直交する直交面に沿う平坦面とされ、ホルダー2の頂壁部2aにおいて、側方孔23の開口縁部23aにおける前記第2部分23cに左右方向の外側から接続された部分の上面に、上方から当接している。
【0048】
また図5に示すように、前記回り止め部29は、側方孔23の開口縁部23aにおける前記一対の第1部分23bにより構成されている。この回り止め部29では、ホルダー2とレフィール容器3とが周方向に相対的に回転したときに、弾性板25の側端部25aが前記第1部分23bに当接することで回転が規制される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る二重容器40によれば、弾性板25の下端部に前記規制部41が設けられているので、レフィール容器3のホルダー2に対する上方への移動を規制部41により規制して、注出孔16の上下方向位置をこの弾性板25によって安定させることが可能になり、内容物を容易に注出することができる。
【0050】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記各実施形態では、注出器5はストッパ部11を備えているものとしたが、ストッパ部11はなくても良い。
【0051】
また前記各実施形態では、各弾性板25の表面には滑り止め部28が設けられているものとしたが、滑り止め部28はなくても良い。
さらに前記各実施形態では、弾性板25は、装着キャップ9において、容器軸Oを左右方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば弾性板25は、周方向に間隔(例えば等間隔)をあけて3つ以上配設されていても良い。
【0052】
また前記各実施形態では、注出器5の押下ヘッド10は、注出筒部17を備えているものとしたが、注出筒部17はなくても良く、押下ヘッド10の本体筒部15の周壁部15aに注出孔16が形成されていても良い。この場合、挿通孔20の前方孔24はなくても良い。
さらに前記各実施形態では、ホルダー2には回り止め部29が設けられているものとしたが、回り止め部29はなくても良い。この場合、側方孔23を設けるのに代えて、中央孔22の内径を大きくすることで、装着キャップ9および両弾性板25が挿通孔20を通過するときに、各弾性板25が中央孔22を通過し、弾性板25の表面が、中央孔22の開口縁部22aに摺接する構成としても良い。
【0053】
また前記各実施形態では、各弾性板25は、湾曲しているものとしたが、これに限られない。例えば、装着キャップを、上下方向に延在するとともに、上面視形状が前後方向および左右方向の両方向に延在する四角筒状に形成し、各弾性板の表裏面が、装着キャップにおいて左右方向を向く側面に倣い前後方向に沿って延在していても良い。この場合、弾性板を左右方向の内側に弾性変形させやすくすることが可能になり、ホルダーに対してレフィール容器を一層容易に着脱させることができる。
【0054】
また前記各実施形態では、容器体4が、パウチ状の容器本体部6と、スパウト7と、を備えるいわゆるスパウト付きパウチ容器であるものとしたが、これに限られるものではなく、例えばボトル容器などであってもよい。
さらに前記各実施形態では、ホルダー2の上面視形状が矩形状とされ、ホルダー2が四角筒状に形成されているものとしたが、有頂筒状であればこれに限られるものではない。例えばホルダー2が、有頂円筒状や半球状(ドーム状)に形成されていても良い。
【0055】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1、40 二重容器
2 ホルダー
2a 頂壁部
3 レフィール容器
4 容器体
4a 口部
5 注出器
9 装着キャップ
16 注出孔
20 挿通孔
25 弾性板
25a 側端部
27 係止部
29 回り止め部
41 規制部
O 容器軸(キャップ軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質材からなる有頂筒状のホルダーと、
該ホルダーに着脱可能に装着されたレフィール容器と、を備え、
該レフィール容器は、内容物が収容される容器体と、該容器体の口部に装着された装着キャップを有する注出器と、を備え、
該レフィール容器は、前記ホルダー内に下方から挿入されることで、該ホルダーの頂壁部に形成された挿通孔から前記注出器が突出するとともに、前記容器体が該ホルダー内に配置された状態で、前記ホルダーに装着された二重容器であって、
前記装着キャップには、その外周面から下方に延在する弾性板が周方向に間隔をあけて複数配設され、
該弾性板には、前記頂壁部上に配置された係止部が設けられていることを特徴とする二重容器。
【請求項2】
請求項1記載の二重容器であって、
前記弾性板は、前記装着キャップにおいて、キャップ軸を径方向に挟む両側から下方に延在するように一対配設されていることを特徴とする二重容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の二重容器であって、
前記ホルダーには、前記弾性板において周方向を向く側端部に当接することで、該ホルダーと前記レフィール容器との周方向の相対的な回転を規制する回り止め部が設けられていることを特徴とする二重容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の二重容器であって、
前記弾性板の下端部は、前記挿通孔から下方に延在し、
該下端部には、前記頂壁部に下方から係合する規制部が設けられていることを特徴とする二重容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−76742(P2012−76742A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220418(P2010−220418)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】