Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2007-332545 [meishou] => 天井裏の換気構造 ) [prev] => Array ( [id] => A,2007-332543 [meishou] => 断熱パネルおよび屋根裏の断熱構造 ) ) 二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置

二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置

【課題】二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管において、注入外管に対するパッカー部の密着箇所を増やして注入材のリークを防止する。
【解決手段】二重管ダブルパッカー注入工法に用いられ、注入外管1の内部に挿入されて、注入材の噴出孔21の前後に、注入材の供給時に膨張変形するパッカー部22を備える注入内管2において、パッカー部22の外周に、注入材の供給時に膨張変形して注入外管1に密着する三本のリング状部23・24・25を備える。その三本のリング状部23・24・25は外径が異なっている。すなわち、噴出孔21に近い側のリング状部23に対し次のリング状部24の外径が大きく、さらに次のリング状部25の外径が大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入工法に用いられる二重管ダブルパッカー注入工法に使用する注入内管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既設基礎構造物の液状化対策や軟弱地盤における基礎杭の耐震補強を目的とした地盤改良工法の一つとして薬液注入工法がある。
薬液注入工法では、対象構造物の近傍において、垂直ボーリングや斜めボーリング、あるいは立坑を構築して水平ボーリングによる薬液注入施工が行われる。
その薬液注入工法の一つとして二重管ダブルパッカー注入工法がある。
【0003】
例えば二重管ダブルパッカー注入工法の水平方向の施工手順は次の通りである。
1)立坑から地中に向けて水平に削孔し、所定の深度、位置まで水平に直進削孔を行う。
2)対策地盤中に注入外管を建て込む。
3)建て込みした注入外管に取り付けられている特殊スリーブパッカーに、注入内管を用いてセメントベントナイトを注入する。
4)同様な方法で、薬液を注入する。
【0004】
このような注入施工中、建て込み開始時点における注入口において、注入材の噴出し現象が発生することがある。その場合、現場の対応としては注入材のリーク量を計測し、後で注入材を補足注入することで対応することが多いのが現状である。
一般の注入施工に使用される注入内管としては、注入材の噴出孔の前後にパッカー部、すなわち、注入材の供給時に膨張して注入外管に密着するパッカーゴムを備えている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−143977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の注入内管では、次のような問題がある。
1)注入材のリークが発生する。
2)リークするたびに、リーク量の測定を実施し、設計注入量に対し補足注入する手間が増える。結果的にコストが増える。
3)薬材を所定の注入速度で注入できないことになり、施工時間を多く要する。翌日の注入施工、ゲルタイム及び改良体の品質にも影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
そして、リークの原因として、繰り返し使用される注入内管のパッカーゴムの不均一膨張などが一要因として考えられる。
また、20〜30 kPa にも及ぶ高水圧を送り、パッカーゴムを風船のように膨張させて薬液注入時の注入材のリークを防ぐが、従来構造では注入外管に対するパッカーゴムの密着面積が小さいため、注入材がリークしやすい構造であることが大きな原因として考えられる。
そのため、注入施工が行われる深度が深いほど注入圧力も大きくなるため、注入外管に対するパッカーゴムの密着面積が小さいとリークしやすいということになる。
【0007】
本発明の課題は、二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管において、注入外管に対するパッカー部の密着箇所を増やして注入材のリークを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、二重管ダブルパッカー注入工法に用いられ、注入外管の内部に挿入されて、注入材の噴出孔の前後に、注入材の供給時に膨張変形するパッカー部を備える注入内管において、前記パッカー部の外周に、注入材の供給時に膨張変形して前記注入外管に密着するリング状部を複数備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置であって、前記複数のリング状部は外径が異なっていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置であって、前記複数のリング状部は外径が同じであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パッカー部外周の複数のリング状部が、注入材の供給時に膨張変形して注入外管にそれぞれ密着するので、噴出孔から噴出する注入材に対するシールが少なくとも二段階で行えて、注入材のリークを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、1は注入外管、11は注入孔、12は逆止弁ゴムスリーブ、2は注入内管、21は噴出孔、22はパッカーゴム(パッカー部)、23・24・25はリングゴム(リング状部)である。
【0013】
図示のように、注入孔11及び逆止弁ゴムスリーブ12を有する注入外管1の内部に挿入される注入内管2は、セメントベントナイトや薬液等の注入材の噴出孔21を挟んでその前後の位置に、注入材の供給時にその注入材の注入圧により風船のように膨張変形するパッカー部を構成するパッカーゴム22を備えている。
その前後のパッカーゴム22の外周には、三本のリング状部をなすリングゴム23・24・25が間隔を開けて一体にそれぞれ備えられている。
【0014】
これら三本のリングゴム23・24・25は収縮可能な硬質ゴム製で、パッカーゴム22と同時成型したり、パッカーゴム22に後付けしたりして一体化されている。
そして、この実施形態において、三本のリングゴム23・24・25は外径が異なっている。すなわち、噴出孔21に近い側のリングゴム23の外径が最も小さく、このリングゴム23に対し次のリングゴム24の外径が大きく、さらに次のリングゴム25の外径が最も大きくなっている。
【0015】
次に、図2はパッカーゴム22及び三本のリングゴム23・24・25の膨張時を示したものである。すなわち、地盤中に建て込まれた注入外管1の内部に注入内管2を挿入した状態において、注入材の注入圧によりパッカーゴム22及び三本のリングゴム23・24・25が風船のように膨張して、図示のように、三本のリングゴム23・24・25が注入外管1の内周面にそれぞれ密着状態となる。
このように、前後のパッカーゴム22において、三本のリングゴム23・24・25が注入外管1の内周面にそれぞれ密着状態となっているため、噴出孔21から噴出する注入材に対するシールが三本のリングゴム23・24・25により順に三段階で行えて、注入材のリークを有効に防止できるものとなる。
また、以上のパッカーゴム22及び三本のリングゴム23・24・25は、既存の注入内管のパッカー部と簡単に交換できる。
【0016】
以上において、注入外管1の内周面に対する三本のリングゴム23・24・25の密着圧力は注入材の注入圧力以上に設定して安全率を十分に確保する必要がある。
そして、注入外管1の内周面に対して、噴出孔21に近い側のリングゴム23の密着圧力が最も小さく、このリングゴム23に対し次のリングゴム24の密着圧力が大きく、さらに次のリングゴム25の密着圧力が最大となるように設定することで、最も効率良く注入材のリークを確実に防止できる。
なお、施工深度に合わせてリングゴムの強度を変えても良い。また、リングゴムの太さや間隔は適宜に設定する。
【0017】
〔第2実施形態〕
図3は第2実施形態のリング状部を示したもので、図示のように、パッカーゴム22の外周には、同径に揃えた三本のリングゴム26が一体に備えられている。
このように、同径に揃えた三本のリングゴム26としても、前述した第1実施形態と同様に、噴出孔21から噴出する注入材に対するシールが三本のリングゴム26により順に三段階で行えて、注入材のリークを有効に防止できるものとなる。
【0018】
なお、以上の実施形態においては、パッカー部及びリング状部の材質をゴムとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゴムの他にも膨張変形して注入外管に密着できれば任意の材料を採用しても良い。
また、パッカー部及びリング状部の詳細形状や大きさや太さや位置や個数、例えばリング状部を少なくとも二本としたり四本以上としたりしても良い。
そして、注入孔及び噴出孔の位置や構造等も任意であり、例えばリング状部の間隔は適宜に調整可能である。
さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した一実施形態の構成を示すもので、注入外管への注入内管の挿入時を示した一部破断側面図である。
【図2】図1のパッカー部膨張時を示した一部破断側面図である。
【図3】第2実施形態のリング状部を示した拡大図である。
【符号の説明】
【0020】
1 注入外管
11 注入孔
12 逆止弁ゴムスリーブ
2 注入内管
21 噴出孔
22 パッカー部
23・24・25・26 リング状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重管ダブルパッカー注入工法に用いられ、注入外管の内部に挿入されて、注入材の噴出孔の前後に、注入材の供給時に膨張変形するパッカー部を備える注入内管において、
前記パッカー部の外周に、注入材の供給時に膨張変形して前記注入外管に密着するリング状部を複数備えることを特徴とする二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置。
【請求項2】
前記複数のリング状部は外径が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置。
【請求項3】
前記複数のリング状部は外径が同じであることを特徴とする請求項1に記載の二重管ダブルパッカー注入工法用の注入内管装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate