説明

二重管トレミー装置および土砂の投入方法

【課題】水底に土砂を投入する際に、内管と外管との隙間と、内管の内部とを循環する循環流を生じ易くして円滑な土砂投入と汚濁の拡散抑制を可能にする二重管トレミー装置および土砂の投入方法を提供する。
【解決手段】内管3の外周側に外管2を配置し、内管3の周壁に開口部4を有する二重管トレミー装置1の開口部4を、その下端が外管2の外側の水位以下になるように配置し、この開口部4に逆止弁6を設けておき、土砂Sを内管3に投入して内管3の内部の水面が開口部4よりも低下した際には、開口部4を閉じている逆止弁6が開弁して、内管3と外管2との隙間の水Wが開口部4を通じて内管3の内部に流入し、この低下した内管3の内部の水面が開口部4よりも上昇した際には、逆止弁6が閉弁して、内管3の内部の水Wが開口部4を通じて内管3と外管2との隙間に流出することを遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重管トレミー装置および土砂の投入方法に関し、さらに詳しくは、水底に土砂を投入する際に、内管と外管との隙間と、内管の内部とを循環する循環流を生じ易くして円滑な土砂投入と汚濁の拡散抑制を可能にする二重管トレミー装置および土砂の投入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海や河川等の水底の所定範囲に土砂を投入する際に、二重管トレミー装置を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。図7〜図9に例示するように、これら特許文献に記載されている従来の二重管トレミー装置8は、内管3の静水面付近に開口部4を有し、ホッパ7および内管3を経て、土砂Sが水底に投入される。
【0003】
内管3に土砂Sを投入した時には、内管3の内部の水W(土砂Sとの混合水)の密度が、内管3の周囲の水Wの密度よりも大きくなるため、図7に例示するように内管3の内部の水面が低下する。この内管3の内部の水面低下を補うために、内管3と外管2との隙間の水Wが開口部4を通じて内管3へ流入する。内管3および外管2の下端では、内管3から流出した水Wは拡散するが、一部の水Wは、内管3と外管2との隙間に流入する。これにより、内管3と外管2との隙間と、内管3の内部とを循環する循環流が発生する。
【0004】
内管3に投入した土砂Sが管外に流出する前に、新たな土砂Sが内管3に投入されると、この循環流は途切れることなく継続する。循環流が生じていると土砂Sを円滑に水底に投入することができるので施工効率が向上する。
【0005】
しかしながら、例えば、水深が浅くなるに連れて、内管3に投入した土砂Sはより早く管外に流出するようになるので、バックホウのバケットによる土砂投入では、内管3に投入した土砂Sが管外に流出する前に、新たな土砂Sを内管3に投入することは困難になる。このように内管3に投入した土砂Sが管外に流出するまでの時間が短くなる、或いは、土砂Sを投入する時間的な間隔が長くなると、新たな土砂Sを内管3に投入する前に、既に内管3に投入した土砂Sが管外に流出する。そのため、内管3の内部の水Wの密度と、内管3の周囲の水Wの密度との差が小さくなる。
【0006】
これにより、低下していた内管3の内部の水面が反動で図8に例示するように上昇して、内管3の内部の水Wが開口部4を通じて内管3と外管2との隙間に流出して、循環流は停止する。そして、図9に例示するように、内管3の内部の水Wと、内管3と外管2との隙間の水Wとの水面が一致しながら、上下に振動して、やがて両者の水W(土砂Sとの混合水)の密度は実質的に同じになる。
【0007】
このように内管3に投入した土砂Sが管外に流出する前に、新たな土砂Sを内管3に投入することができない条件下では、循環流が停止し易いため、円滑に土砂Sを水底に投入するには不利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−129568号公報
【特許文献2】特開2002−129569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、水底に土砂を投入する際に、内管と外管との隙間と、内管の内部とを循環する循環流を生じ易くして円滑な土砂投入と汚濁の拡散抑制を可能にする二重管トレミー装置および土砂の投入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明の二重管トレミー装置は、内管の外周側に外管を配置し、内管の周壁に開口部を有する二重管トレミー装置において、前記開口部は、その下端が外管の外側の水位以下になるように配置され、この開口部に、内管と外管との隙間から内管の内部へは水を流入させ、内管の内部から内管と外管との隙間へは水の流出を遮断する逆止弁を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、前記逆止弁の内周側を覆うカバーを設けることもできる。前記逆止弁を板状の弁体と、弁体の上端部に設けたヒンジ部材とで構成し、前記カバーによって、逆止弁のうち、少なくともヒンジ部材を覆うようにすることもできる。
【0012】
また、本発明の土砂の投入方法は、内管の外周側に外管を配置し、内管の周壁に開口部を有する二重管トレミー装置を用いて、この内管を通じて土砂を水底の所定範囲に投入する土砂の投入方法において、前記開口部を、その下端が外管の外側の水位以下になるように配置し、この開口部に逆止弁を設けておき、前記土砂を内管に投入して内管の内部の水面が前記開口部よりも低下した際には、前記開口部を閉じている前記逆止弁が開弁して、内管と外管との隙間の水が開口部を通じて内管の内部に流入し、この低下した内管の内部の水面が前記開口部よりも上昇した際には、前記逆止弁が閉弁して、内管の内部の水が開口部を通じて内管と外管との隙間に流出することを遮断するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、例えば、前記土砂をバックホウのバケットを用いて前記内管に繰り返し投入する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内管の外周側に外管を配置し、内管の周壁に開口部を有する二重管トレミー装置の前記開口部を、その下端が外管の外側の水位以下になるように配置し、この開口部に、内管と外管との隙間から内管の内部へは水を流入させ、内管の内部から内管と外管との隙間へは水の流出を遮断する逆止弁を設けることで、土砂を内管に投入して内管の内部の水面が前記開口部よりも低下した際には、前記開口部を閉じている前記逆止弁が開弁して、内管と外管との隙間の水が開口部を通じて内管の内部に流入することができる。また、この低下した内管の内部の水面が前記開口部よりも上昇した際には、前記逆止弁が閉弁して、内管の内部の水が開口部を通じて内管と外管との隙間に流出することを遮断できる。これにより、内管の内部の水と、内管の周囲の水との間で、密度差を確保することができ、相対的に内管の内部の水の密度を高く保つことが可能になる。そのため、内管に投入した土砂が管外に流出した後に、内管に新たな土砂を投入した場合であっても、開口部を通じて、内管と外管との隙間と、内管の内部とを循環する循環流が発生し易くなり、或いは、循環流が途切れることがなく、円滑な土砂投入が可能になる。この循環流により汚濁の拡散も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の二重管トレミー装置を例示する縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の二重管トレミー装置に土砂を投入して、内管の水面が低下する状態を例示する縦断面図である。
【図4】図3の状態の後、内管の水面が上昇する状態を例示する縦断面図である。
【図5】図4の状態の後、二重管トレミー装置に土砂を投入して、内管の水面が低下する状態を例示する縦断面図である。
【図6】本発明の二重管トレミー装置の変形例を示す縦断面図である。
【図7】従来の二重管トレミー装置に砂を投入して、内管の水面が低下する状態を例示する縦断面図である。
【図8】図7の状態の後、内管の水面が上昇する状態を例示する縦断面図である。
【図9】図8の状態の後の内管と外管の水面の状態を例示する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の二重管トレミー装置および土砂の投入方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。尚、従来の二重管トレミー装置8と同じ構成要素には同じ符号を用いる。
【0017】
図1、図2に例示するように、本発明の二重管トレミー装置1は、内管3の外周側に同軸上に外管2を配置した二重管構造になっている。内管3の下端は、外管2の下端よりもやや上方の位置になっている。内管3の周壁には開口部4が設けられている。開口部4は、その下端が外管2の外側の水位以下になるように配置されている。したがって、開口部4は、外管2の外側の水位に対して、一部が沈んだ状態、または、すべてが沈んだ状態になる。
【0018】
開口部4には、内管3と外管2との隙間から内管3の内部へは水Wを流入させ、内管3の内部から内管3と外管2との隙間へは水Wの流出を遮断する逆止弁6を備えている。内管3の上端部にはホッパ7が設けられている。
【0019】
この実施形態では、内管3および外管2は、ストレートな円筒形状の鋼管を用いている。内管3および外管2は、ストレート形状に限らず、下方がより拡径した形状等を用いることができる。また、内管3および外管2は、伸縮タイプ、非伸縮タイプの両方を用いることができる。伸縮タイプの場合は、例えば、複数の管体をテレスコピック状に連結した構造にする。非伸縮タイプの場合は、単純な一本管、或いは、複数の管体を継ぎ足した構造にする。
【0020】
内管3の大きさは、例えば、内径が2m〜5m程度、全長が10m〜25m程度、肉厚が10mm〜15mm程度である。外管2の大きさは、例えば、内径が3m〜6m程度(内管3の内径のプラス1m程度)、全長が11m〜26m程度(内管3の全長のプラス1m程度)、肉厚が内管3の肉厚と同様で10mm〜15mm程度である。
【0021】
開口部4は、すべて同じ仕様(同じ形状、同じ大きさ)であり、内管3の同じ高さ位置に、周方向に均等の間隔で8つ設けられている。開口部4の大きさは、例えば、幅が300mm〜500mm程度、高さが1200mm〜1800mm程度である。
【0022】
開口部4は、周方向に均等に配置することに限らないが、複数の開口部4、好ましくは3つ以上の開口部4を周方向に均等の間隔で配置するとよい。それぞれの開口部4は、異なる仕様にすることもできるが、同じ高さ位置で同じ仕様にすることにより、安定した均一な循環流を得やすくなる。
【0023】
それぞれの開口部4を開閉する逆止弁6は、すべて同じ仕様であり、板状の弁体6aと、弁体6aの上端部に設けたヒンジ部材6bとで構成されている。ヒンジ部材6bは、開口部4の上端よりもやや上方位置で、内管3の内周面に固定されている。弁体6aは上端がヒンジ部材6bに連結され、下端が開口部4の下端よりもやや下方位置で、内管3の内周面に当接するように設定されている。逆止弁6は、この実施形態に例示した構造に限定されない。
【0024】
この実施形態では、それぞれの逆止弁6の内周側を覆うカバー5が設けられている。カバー5の主要な機能は、内管3に投入された土砂Sから逆止弁6を保護することである。ヒンジ部材6bに土砂Sが詰まると、弁体6aのヒンジ部材6bを中心とした可動に支障が生じるため、カバー5によって、逆止弁6のうち、少なくともヒンジ部材6bを覆うようにする。
【0025】
それぞれのカバー5は、すべて同じ仕様であり、鋼板等で形成されている。カバー5の上端は、ヒンジ部材6bよりもやや上方位置で内管3の内周面に固定され、カバー5の下端は、開口部4の下端と同じ位置まで延びている。
【0026】
カバー5と逆止弁6との隙間は、逆止弁6が開弁する際に必要な可動スペースを確保有するように設定されている。逆止弁6が開弁して弁体6aの下端が内管3の中心方向に移動すると、カバー5の下端に当接してそれ以上の移動が規制される。したがって、カバー5の下端の位置によって、逆止弁6(弁体6a)の最大開弁角度を変化させることができる。
【0027】
そこで、カバー5の下端の位置を変更可能な構造にすることもできる。例えば、カバー5を上下方向に伸縮できる構造、或いは、長さの異なる複数のカバー5を容易しておき、その中から任意のカバー5に容易に交換可能な構造にする。この構造にすれば、施工現場や土砂Sの性状等に応じて、カバー5の下端の位置を調整することで、逆止弁6(弁体6a)の最大開弁角度を容易に所望の角度にすることができる。
【0028】
内管3に投入された土砂Sを詰まり難くするためには、カバー5の内管3の内周面からの突出量を小さくすることが好ましい。カバー5を設けない場合は、逆止弁6の内管3の内周面からの突出量を小さくすることが好ましい。例えば、ヒンジ部材6bの全体または一部を内管3の壁面に埋設するようにして、逆止弁6の内管3の内周面からの突出量を小さくする、或いは、この突出量をゼロにして逆止弁6を内管3の内周面と同じレベルにする。
【0029】
逆止弁6は、図1に例示するように内管3の内周面に設けるだけでなく、図6に例示するように内管3の外周面に設けることもできる。
【0030】
二重管トレミー装置1を用いた本発明の土砂の投入方法の手順は以下のとおりである。
【0031】
まず、台船等に設置された二重管トレミー装置1は、土砂Sを投入する水域で、内管3および外管2の下端が、水底近傍に位置するように直立状態で配置される。
【0032】
次いで、バックホウを使用してバケットですくった土砂Sを、繰り返しホッパ7に投入する。ホッパ7に投入された土砂Sは、内管3に投入される。内管3に土砂Sが投入されると、内管3の内部の水W(土砂Sとの混合水)の密度が、周囲の水Wの密度よりも大きくなるため、図3に例示するように内管3の内部の水面が低下する。
【0033】
内管3の内部の水面が開口部4よりも低下した際には、開口部4を閉じている逆止弁6の弁体6aが、内管3と外管2との隙間の水Wの圧力によって内管3の中心方向に押圧されて逆止弁6が開弁し、内管3と外管2との隙間の水Wが開口部4を通じて内管3の内部に流入する。内管3および外管2の下端では、内管3から流出した水Wは拡散するが、一部の水Wは、内管3と外管2との隙間に流入する。これにより、内管3と外管2との隙間と、内管3の内部とを循環する循環流が発生する。
【0034】
内管3に投入された土砂Sが内管3の下端から流出する前に、新たな土砂Sが内管3に投入されると、この循環流は途切れることなく継続する。内管3の下端から流出した土砂Sは、内管3の下方位置の水底に堆積する。
【0035】
内管3の内部に投入された土砂Sが内管3の下端から流出した後に、新たな土砂Sを内管3の内部に投入せずにそのままの状態にしていると、内管3の内部の水W(土砂Sとの混合水)の密度と、内管3の周囲のWの密度との差が小さくなる。これにより、低下していた内管3の内部の水面が反動で図4に例示するように上昇する。
【0036】
本発明では、開口部4よりも低下していた内管3の内部の水面が開口部4よりも上昇した際には、開口部4を開いている逆止弁6の弁体6aが、上昇する内管3の内部の水Wの圧力によって内管3の壁面に向かって押圧されて逆止弁6が閉弁する。内管3の内部の水Wは、開口部4を通じて内管3と外管2との隙間に流出することが遮断される。
【0037】
そのため、内管3の内部の水Wと、内管3と外管2との隙間の水Wとは、互いに独立して上下振動する。内管3の内部から内管3と外管2との隙間への水Wの流出は遮断されているので、この上下振動によって両者の水W(土砂Sとの混合水)の密度が急速に同じになることがない。内管3の内部の水Wと、内管3の周囲の水Wとの間で、密度差を確保することができ、相対的に内管3の内部の水Wの密度を高く保つことが可能になる。
【0038】
したがって、内管3に投入した土砂Sが内管3の下端から流出した後であっても、内管3に土砂Sを投入した場合には、図5に例示するように開口部4を通じて、内管3と外管2との隙間と、内管3の内部とを循環する循環流が迅速に発生し、或いは、循環流が途切れることがなく、円滑に土砂Sを水底に投入することが可能になる。また、発生する循環流により、投入した土砂Sによって生じる汚濁の拡散を抑制することもできる。
【0039】
即ち、内管3に投入された土砂Sが内管3の下端から流出する前に、新たな土砂Sを内管3に投入することできない場合であっても、円滑に土砂Sを水底に投入することができ、汚濁の拡散を抑制できる。したがって、内管3に投入した土砂Sが管外に流出するまでの時間が短い場合、例えば、土砂Sを投入する水底までの水深が5m〜15mである場合でも、循環流が迅速に発生し、或いは、循環流が途切れることがなく、円滑な土砂Sの投入および汚濁の拡散抑制が可能になる。また、土砂Sを投入する時間的な間隔が長くなる場合、例えば、二重管トレミー装置1(内管3)に、バックホウのバケットを用いて土砂Sを繰り返し投入するような場合でも、循環流が迅速に発生し、或いは、循環流が途切れることがなく、円滑な土砂Sの投入および汚濁の拡散抑制が可能になる。
【0040】
尚、逆止弁6によって開口部4を閉じた時に、水Wの通過を完全に遮断できれば最も好ましいが、多少の遮断漏れが生じても逆止弁6を設けていない従来技術に比べれば遥かに円滑に土砂Sを投入でき、汚濁拡散の抑制を図ることができる。
【0041】
上記したように、土砂Sを繰り返し二重管トレミー装置1を用いて投入することにより、循環流を利用して水底の所定範囲に効率的に土砂Sを堆積させることができる。水底の土砂Sの堆積高さに応じて、内管3および外管2は徐々に上方に移動させる。
【0042】
本発明は、例えば、土砂Sを投入する水底までの水深が5m〜30mの場合に適用することができる。尚、本発明は、バックホウのバケットを用いて内管3に土砂Sを投入する場合に限らず、ベルトコンベヤ等を使用して土砂Sを投入する場合にも適用することができる。ベルトコンベヤ等を使用する場合は、連続的に内管3の内部に土砂Sを投入できるので、難なく循環流が継続して発生するが、ベルトコンベヤの稼働が一時的に停止する場合や、ベルトコンベヤの上に途切れなく土砂Sを供給することができない場合には、内管3に投入された土砂Sが内管3の下端から流出する前に、新たな土砂Sを内管3に投入することできない。このような場合に本発明を適用することにより、円滑に土砂Sを水底に投入することができるとともに、汚濁の拡散抑制を図ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 二重管トレミー装置
2 外管
3 内管
4 開口部
5 カバー
6 逆止弁
6a 弁体
6b ヒンジ部材
7 ホッパ
8 従来の二重管トレミー装置
S 土砂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管の外周側に外管を配置し、内管の周壁に開口部を有する二重管トレミー装置において、前記開口部は、その下端が外管の外側の水位以下になるように配置され、この開口部に、内管と外管との隙間から内管の内部へは水を流入させ、内管の内部から内管と外管との隙間へは水の流出を遮断する逆止弁を設けた二重管トレミー装置。
【請求項2】
前記逆止弁の内周側を覆うカバーを設けた請求項1に記載の二重管トレミー装置。
【請求項3】
前記逆止弁を板状の弁体と、弁体の上端部に設けたヒンジ部材とで構成し、前記カバーによって、逆止弁のうち、少なくともヒンジ部材を覆うようにした請求項2に記載の二重管トレミー装置。
【請求項4】
内管の外周側に外管を配置し、内管の周壁に開口部を有する二重管トレミー装置を用いて、この内管を通じて土砂を水底の所定範囲に投入する土砂の投入方法において、前記開口部を、その下端が外管の外側の水位以下になるように配置し、この開口部に逆止弁を設けておき、前記土砂を内管に投入して内管の内部の水面が前記開口部よりも低下した際には、前記開口部を閉じている前記逆止弁が開弁して、内管と外管との隙間の水が開口部を通じて内管の内部に流入し、この低下した内管の内部の水面が前記開口部よりも上昇した際には、前記逆止弁が閉弁して、内管の内部の水が開口部を通じて内管と外管との隙間に流出することを遮断するようにした土砂の投入方法。
【請求項5】
前記土砂をバックホウのバケットを用いて前記内管に繰り返し投入する請求項4に記載の土砂の投入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−69076(P2011−69076A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219859(P2009−219859)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【Fターム(参考)】