説明

互いに接続される衣服の端末部用の接続要素

コルセット類の、特に婦人用下着の、第一のストラップの端末部位用の接続要素が、コルセット類の第二のストラップに接続されており、そして、接続要素は複数のストラッププライを有しており、少なくともそのうちの一つのストラッププライは、少なくともホック、ホックの留め金、若しくはそれに類似の、接続部を有している場合、着用快適性は改善される。加えて、接続要素の側面縁の範囲での接続部位によって、少なくとも一つのストラッププライに固定されるパッドを、二つのストラッププライの間に着用快適性を向上させる為に備えたそのような接続要素に対し、接続要素の使用状態で、接続部位が少なくとも部分的に、接続要素のストラッププライの間にあることが、提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコルセット類のストラップの端末部を、互いに接続させる為の接続要素に関している。コルセット類とは特に、主として複数の重なり合わされた生地を有する女性用下着である。その少なくとも一つのストラッププライは、少なくとも、ホック、ホックの留め金、又はそれに類似の、接続部を有し、そして特に、外側の二つのストラッププライの間に、着用快適性を向上させる為のパッドを有しており、そのパッドは、接続要素の側縁の範囲の接続部位によって、ストラッププライの少なくとも一つに固定される。
【背景技術】
【0002】
そのような接続要素は、1958年に既に特許文献1により開示されており、その場合は、肌と接触する後部層とホックの留め金を有する別の層との間に、パッドが存在していなければならない。前述の層は接続部の着用快適性を改善しなければならない。そのような接続部を生産する為に、全ての層は互いに重なるように置かれ、分離され、そしてその後、伸縮性のあるプラスチックストラップによって、三つの側縁で縁取られる。しっかりとした接続部位を得るため、プラスチックストラップは加硫され、圧力下で留め金部上に押し付けられる。パッドは外側にある伸縮性のプラスチックストラップによってのみ固定される。プラスチックストラップと外側の層の間の部分が、利用者の肌に当たり、不快な圧と摩擦を与えることが懸念される。
【0003】
接続要素はストラップの端末に何度も縫い付けられ、そして接続要素は一般に、アイテープ又はアイレットとして、若しくはホックテープとして、形成される。そのようなアイテープとホックテープは、互いに接続することができ、そしてさらに、それぞれが共同で衣服用の留め金を形作る。
【0004】
アイテープの生産の際、ホックの留め金は、頻繁に初めから、既知の配置で、継ぎ目のないベーステープに縫い付けられて固定される。加えて、両方の縦側面で折り畳まれたベーステープ上に、複数のいわゆる折り畳みテープが、それ自体が部分的に重なる配置で縫いつけられる。その際、ホックの留め金は折り畳みテープを縫い付ける間、これらと共に、基本的にベーステープの縦側面に対して平行にのびるシームによって、ベーステープ又は折り畳みテープに固定される。その後、ベーステープはその上に固定される折り畳みテープと共に、その縦側面に対して横にのびるカットで、個別にアイテープを作る部分に分割される。
【0005】
既知の製造過程の場合、例えば超音波溶着法のような熱溶着過程で、継ぎ目のないベーステープからの単独のアイテープの分離が行われる。それによって、ベーステープのカットエッジ及び折り畳みテープが互いに同時に接続される。継ぎ目のないベーステープ又は同じく継ぎ目のない折り畳みテープからアイテープを分離する、このような方法は、実際、生産技術的に単純であり、またそれに応じて安価である。しかしながら、それよって、強固にそしてまた非常に鋭く形作られた接続縁が生じる。ベーステープ及び折り畳みテープが、それらの縦側面に対して横向きのカットによって、互いが分離される為、この接続縁はアイテープの縦側面の縁を形作る。
【0006】
肌に直接まとう下着の場合、例えばブラジャーの場合、そのストラッププライは特定の力で肌に当たる。それ故に、同様に肌に当たるアイテープの接続縁が肌に食い込む危険が存在する。これによって、肌に炎症をも起こしうる不快な着用感覚が生み出される。
【0007】
生産の為に大抵は同様に継ぎ目のないベーステープを用いる、ホックテープの場合でも類似の状態にある。これは、まず先に、その両縦側面を折り畳むことによりチューブ状に形作られ、その際、その折り畳まれた範囲がほんの僅かに重なり、そして基本的には幅の広さは同じである。部分的に重なった範囲に配置されたホックも同様に、基本的にはベーステープの縦側面に平行にのびるシームによって、ベーステープに固定され、その際同時に、全ての重なり合った状態にあるベーステープの層は互いに接続される。
【0008】
ここでまた、ベーステープにはホックが固定されており、その縦側面に対して横にのびる個々のカットによって、ベーステープはホックテープを形作る部分に分割される。個々のホックテープを分離する前に、ベーステープはその縦方向に対して平行にのびる折り畳みエッジの周りで、基本的には中心で折り畳まれ、その際、そのホックを備える範囲は、ホックを備えない範囲の上にのる。
【0009】
熱溶着法で継ぎ目のないベーステープから個々のホックテープを分離する場合でも、ベーステープが互いに重なり合った範囲のカットエッジは、分離過程によって、互いに接続される。ここでもまた、カットエッジがベーステープの縦側面に対して横方向にのびるため、この接続縁は、そのように製造されたホックテープの前面縁を形成する。それによってまた、直接肌にまとう下着の場合、ホックテープの接続縁は、肌に炎症を起こしうる不快な着用感を引き起こす。
【0010】
その様な接続要素と関連して、より優れた着用快適性を達成する為に、特許文献2では既に、複数の留め金部、すなわちホック、を有するベーステープを、ベーステープの縦へののびに対して平行に折り畳むこと、が提案されている。これによって、留め金部は折り畳まれたベーステープの内側に達する。その後で、ベーステープの縦へののびに対して横にのびる分離溶着シームによって、接続要素はベーステープから分離される。そのように製造された接続要素の裏返しにより、一方では留め金部が外側に、そして、分離溶着シームの鋭いエッジは接続要素の内側に、達する。それによって、鋭いエッジは肌の上に当たることも、そこで煩わせることも出来ない。
【0011】
特許文献2の代替の具体的な実施例では、ホックの留め金を有するベーステープの側面上に、カバーテープがある。その後、この場合も、分離溶着シームにより、接続要素は分離され、そして、同時にそれぞれの接続要素の両方の層は、3つの縦のエッジで互いに接続される。この場合も、裏返しによって、鋭い分離溶着シームは、それが邪魔にならない接続要素の内側に運ばれる。明らかな着用快適性の向上にも関わらず、この接続要素も同様に、着用快適性に関して完全に満足することは出来ない。
【0012】
【特許文献1】US2861276
【特許文献2】EP1180948B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それ故、本発明の課題は、可能な限り費用のかからない製造法にも関わらず、より優れた着用快適性を示す、冒頭述べた方法を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、初めに記述した本発明に関わる方法の接続要素の場合に、接続要素の使用状態において、ストラッププライの接続部位が、少なくとも部分的に接続要素のストラッププライの間にあることによって、解決される。上記課題はさらに、請求項12に関わる方法によって、解決される。
【0015】
パッドを備えた接続要素を有すること、パッドが接続部位と共に接続要素に取り付けられること、そして、不快に感じられる接続部位、例えばシーム、がストラッププライの間で接続要素の内側に配置されること、を本発明はもくろんでいる。一般的な既知の接続要素とは異なり、パッドに関わらず、接続要素にパッドをくくりつける為に必要なシームを、本発明によって、利用者は肌に接触する範囲の外へ運ぶことが出来る。接続要素の使用状態で、好ましくは、接続部位は開放されず、そして、ストラッププライによって覆われる。
【0016】
本発明との関係において、「ストラッププライ」及び「パッド」という用語は、通常、接続要素の製造の際に用いられるような、継ぎ目のないテープを表記する為に利用され、また同様に、接続要素の製造過程の範囲で、継ぎ目のないテープから分離される、継ぎ目のないテープの部位の為にも利用される。
【0017】
パッドが好ましくは、少なくとも両方のストラッププライの裏返しによって、ストラッププライに対して異なる位置に運ばれる場合、特に有利である。この場合のストラッププライは、好ましくは、テキスタイルプライとして形成される。これによって例えば、パッド(又はパッドテープ)が、その接続要素での取り付けの為に、初めに接続要素の外側に位置すること、接続部位を得ること、そしてさらにパッドを接続要素の二つのストラッププライの間の位置に運ぶことが、これにより可能になる。この位置では、パッドは特に優れた圧減少機能を発揮する。裏返しによって同時に、通常煩わしいパッドの接続部位もストラッププライの間の位置に運ばれる。この位置では、好ましくは、接続部位と下着を利用する人との間で直接的な接触は不可能であるべきである。
【発明の効果】
【0018】
加えて特許文献1の場合とは異なり、本発明によって、接続要素の利用者の肌と接触する完全に平らな面を得ることが可能となる。それにより、接続要素の接触面が不快な段階なしに、肌にあたることが出来る。
【0019】
本発明の好まれる具体的な実施例において、この場合パッドをポケットの中に運ぶことが可能である。そのポケットは互いに接続した二つの接続要素のストラッププライによって生じる。パッドを有したテキスタイルプライをホックで留めた結果、パッドを手でポケットの中に押し込むことは、非常に困難で時間がかかるので、裏返し/折り返し過程は、ポケットの内側にパッドを配置する為の、速く、確実で、それにも関わらず、非常に単純な可能性を提示する。
【0020】
好ましくは、衣服の着用者が感じる圧迫感を接続要素の範囲で減少させる、圧縮可能な素材、例えば発泡材料、をパッドは有している。しかしながら、その他の、着用快適性の向上に寄与する、例えばフリース素材、ナイロン、ベロア、マイクロファイバー、シリコンなどの、それぞれの素材もまた原則的にはパッドとして利用可能である。
【0021】
両方のストラッププライ又はテキスタイルプライが、好ましくは少なくとも一つの接続シームによって互いに接続されているので、裏返し/折り返し過程の前に生じた接続シームもまた、少なくとも部分的に(好ましくは完全に)、ポケットの中に達する。これによって、鋭いエッジを持つ大部分の接続シームは肌との接触がなく、そしてまたそれによって、下着の着用快適性の低下が導かれることがない。本発明は、好ましくは特許文献2に記載されるような、接続要素及び製造法に由来している為、その公開内容は、参考文献に関連して完全に記載される。
【0022】
好まれる具体的な実施例では、ストラッププライの接続シームもまた、接続要素とのパッドの接続部位として用いられる。その他の発明に関わる具体的な実施例の場合のように、この接続要素での固定によって、一方では、接続要素からのパッドの意図しない抜け出し又は滑り出しを、あるいは、ポケット内部でのパッドの意図しない折り重なりを、確実に避けることが出来る。もう一方では、パッドの確実な固定の為に、ポケットが完全に閉ざされていることを必要せず、またその為には追加の作業工程が必要となるであろう。加えて、この方法では、たった一回の作業工程で、全てのストラッププライを互いに接続させることが出来る。
【0023】
接続要素の製造の際、両方のストラッププライならびにパッドテープは重ねられ、そして同時に、それぞれの接続要素のそれぞれの部分は、これらのテープから分離される。そのため、たった一回の作業工程によって、接続要素の全ての層の形成を実行することも可能である。分離溶着法を手段として、同じ一回の作業工程によって、追加的にまた基本的に同時に、単独の層をお互いに接して接続することが実行され得る。
【0024】
本発明のさらなる好まれる具象は、請求項、発明の詳細な説明、及び図からもたらされる。以下、図中にて純粋に図的に表される具体的な実施例に即して、本発明をより十分に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、予め定められた間隔でホックの留め金3を有する、アイテープ2のベーステープ1を示す。図1から明白なように、その縦軸に対し平行にのびる、複数の折り畳みテープ4が、これに対し平行にのびる固定シーム5によって、ベーステープ1上に取り付けられる。同時に、ベーステープ1にホックの留め金3を固定する為に固定シーム5は利用され、その縦軸は基本的にベーステープ1の縦軸を横切ってのびる。それ故に後者は、その一方側にホックの留め金を備える範囲6を有し、もう一方側にホックの留め金を備えない範囲7を有する。
【0026】
ベーステープ1は、好ましくは柔らかい素材によって製造され、そして、平らなテープにより形成することが出来る。図中では更に詳細に示されてはいないベーステープの側面範囲は、互いに折り畳まれある一定の幅で重なる。それ故、ベーステープ1は重なった接触縁を有した環状の形状を示す。ベーステープの内側には安定テープ8を備えることが出来る。このとき、安定テープ8は単にベーステープに、より大きな強固さを与えるための機能を有している。安定テープは、好ましくは完全にベーステープ1の内側にあり、そしてこれにより、安定テープは接続部の固定シームに基づいて接続される。ブラジャーの場合に、アイテープが利用された際の、アイテープ2の使用状態に関係した、ベーステープの裏返しエッジ18,19は、アイテープ2の表側の両方の境界を示す。
【0027】
図1から明白なように、ベーステープのホックの留め金を備える範囲6上には、ホックの留め金3を覆い隠す、好ましくは伸縮性があるカバーテープ10が配置される。具体的な実施例の場合では、カバーテープ10はLYCRA(登録商標:デュポン社)(ライクラ)又は同様の性質を有する素材によって形成される。ホックの留め金を備えない範囲7の側面上にはパッドテープ20が配置される。具体的な実施例では、パッドテープ20は発泡材により形成される。好ましくは、これは表された例のように溶着可能な合成発泡材料であることが出来る。前述の様な発泡材は例えば、ベルギーのレクティセル社よって提供される。縫い付けられた折り畳みテープ4を有したベーステープ1に関して、それによりベーステープの一方の側面にカバーテープ10が位置し、もう一方の側面にパッドテープ20が位置する。
【0028】
ベーステープ1、カバーテープ10及びパッドテープ20の前述の状態では、例えば超音波溶着法の様な熱溶着法によって、予め定められた長さの連続する部位がベーステープ1、カバーテープ10及びパッドテープ20から分離される。この部位の長さは、例えばブラジャーの場合、生産されたアイテープ2の使用状態に関係した、アイテープの高さと幅を定める。
【0029】
分離過程の間、第一部位と同様にこれに続く第二部位にもまた、分離溶着シーム21又は22を形作るように、使用される(図示されていない)分離溶着器具を形成することが出来る。代替的に両分離溶着シーム21、22の間に、横溶着シームを形作ることも出来る。それによって、分離された部位を、三つの側縁の範囲で、少なくとも基本的には閉じることが出来る。
【0030】
その際、それにより生じるアイテープのカットエッジは、カバーテープ10のカットエッジ24とパッドテープ20のカットエッジ25aによって溶着される。分離溶着シームはとりわけ、パッドと、パッドを接続要素に固定する少なくとも一つのストラッププライの間の接続部位の、少なくとも一部の機能を有する。その際、それぞれ硬化されそしてまた非常に鋭く鋳造された接続エッジ26が生じ、それは対応する部位のそれぞれの外面に配置される。その際、ホックの留め金3はなおも、この時、溶着されたカバーテープ10によって覆われる。
【0031】
ここで引き続きの裏返し/折り返し過程によって、ホックの留め金を備える範囲6からホックの留め金を備えない範囲7までカバーテープ10が達するように、前述の部位は折り返される/裏返される。それによりホックの留め金3は露出される。同時に、接続エッジ26(分離溶着シーム)が、製造されたアイテープの内部に達し、それにより、アイテープの使用状態で、肌に接触するアイテープ2の両方の境界エッジ27,28は、基本的にはカバーテープ10によって形成される。
【0032】
同様に同時に、パッドテープ20の分離部位がパッドとして、カバーテープ10とベーステープ1の間に達する。この時、パッドは四つの側縁のうちの三つにおいて、接続エッジ26を介して、そのように接続された、接続要素に固定される。カバーテープ10及びベーステープ1の分離部位によって形成されるポケット29にパッドを押し入れる必要もなければ、パッドがポケットから不意に取り外される危険もない。
【0033】
そのように製造されたアイテープ2を、既知の方法で、例えばブラジャーのストラップのような、衣服のストラップに縫い付けることが出来る。その際、ブラジャーの使用状態に関し、両方の長い境界エッジは、ストラップに縫いつけられたアイテープ2の上側と下側の範囲を形成する。好ましくは、本発明に関わる接続要素の厚さに関連して高められた接続要素の圧縮性に基づいて、パッドを用いて衣服の一部の着用快適性を高めることが出来る。本発明に関わる接続要素の場合には、単独の固定部及び接続シームはより僅かにしか肌に押し当てられることがなく、またそれ自体が衣服の着用者によって認識されることはほとんどない。
【0034】
図4aには、予め定められた間隔でホック33を備えるホックテープ32用の、様々な具体的な実施例の継ぎ目のないストラッププライが示される。前述のホックは、ベーステープの縦軸に対して基本的に平行にのびる固定シーム34によって、ベーステープ31に固定される。その際、その縦軸(縦への延長)は基本的にベーステープ31の縦軸に対して直角にのびる。ホック33は折り畳みテープ36と共に、ベーステープ上に縫い付けられる。図示された具体的な実施例では、ベーステープ31は安定テープ39に一度完全に巻きつく。その際、ベーステープ31の両方の側面範囲はベーステープのホック側面に重ねられ、そして、互いに重なる。それにより、安定テープ39は完全にベーステープ31の内部に配置される。ベーステープ31の上側に位置する側面範囲は、ホック33と共に下側の側面範囲上にのり、また、綺麗なエッジを形作る為に再度、内側に巻き込むことが出来る。固定シーム34は同時に、ベーステープ31のこの折り重なりを固定するために利用される。ベーステープはその為、重なった接続エッジによって環状構造を示す。上側の側面範囲はそれにより、下側の側面範囲がホックを有しない範囲38を形成する一方で、ホックを有する範囲37を形成する。原則として範囲37及び38は異なる大きさでも、同じ大きさでもあり得る。
【0035】
図4aの詳細図の右側に示されるように、有利には伸縮性のある、例えばライクラの様な、素材を有することが出来るカバーテープ30が、縫い付けられたホック及び縫い付けられた折り畳みテープ36を有する、ベーステープ31の上に、平行にのる。ベーステープ31ならびにホック33は、カバーテープ30によって覆われ、その為、図4aのこの部分は破線によって示される。
【0036】
図4aの左側で確認されるパッドテープ40が、ベーステープのもう一方側(図4aの詳細図で、描画エリアへ出て行く下側)に配置される。例えば、伸縮性で圧縮性の発泡材料からなるパッドテープ40は、有利には折り畳まれた状態のベーステープ31と同じ幅を有する。それによって、縫い付けられた折り畳みテープを有するベーステープ31がカバーテープ30に対するように、パッドテープ40は既にホック33を有するベーステープ31に対して、上部から下部においてぴったりと合う。
【0037】
範囲37、38及びパッドテープ40の前述の状態では、予め定められた長さの連続した部位は、例えば超音波を用いた熱溶着法によって、ベーステープ31、パッドテープ40及びカバーテープ30から基本的には同時に分離される。そのように分離された部位は図5に示される。例えばブラジャーの場合、製造されたホックテープ32の使用状態に関係して、前述の部位の長さはホックテープ32の高さ若しくは幅を定める。
【0038】
分離過程の間、第一部位及びこれに続く第二部位に、それぞれ分離溶着シーム41を形作るように、前述の目的に利用される分離溶着器具(図示されていない)を形成することが出来る。これによって生じるベーステープ31のカットエッジ42は、それ故にカバーテープ30とパッドテープ40のカットエッジ43によって、溶着される。その際それぞれ、強固でまた非常に鋭く形作られた接続縁45が生じる。その接続縁は、対応するそれぞれの部位の外側に位置する。ホック33はその際、いまだにカバーテープ30によって覆われており、図5ではホック33及び折り畳みテープ36の折り畳みエッジが破線によって示される。
【0039】
引き続く裏返し過程によって、分離された部位は、ポケットの開口部(側縁49)の向かいに位置する接続縁45の一部の周りで、一方では、ホック33がカバーテープ30から開放されるように、もう一方では、接続縁45(分離溶着シーム)が出来上がったホックテープ32の内側に達するように(図6)、折り返される/裏返される。これによって、ホックテープの使用状態において肌に接触することになる、両方のホックテープの境界エッジ47,48は、ベーステープ31の素材によって形作られる。同時に、分離され、そしてホックテープと溶着されたパッドテープ40の部位は、ベーステープ31とカバーテープ30の間に達する。この具体的な実施例においては、ベーステープ31とカバーテープの前もって分離された部位は、側縁49に沿って開いたポケットを形作る。そのポケット内には、パッドとして形成されたパッドテープ40の部位がある。
【0040】
前述のように製造されたホックテープ32は、既知の方法で、例えばブラジャーのストラップのような、衣服のストラップに縫い付けることが出来る。その際、ブラジャーの使用状態に関係した、両方の境界エッジ47,48は、ストラップに縫いつけられたホックテープの上側と下側の範囲を形作る。
【0041】
ホックテープ同様アイテープから単独の部位を分離する場合、それぞれ二つの部位に、それぞれ分離溶接シームが形作られることが、先述から想定される。これは比較的単純な分離溶着器具によって達成することが出来る。加えて、この場合はベーステープでは、どのようなゴミも避けられる。
【0042】
しかしながら、本発明の範囲内で、ホックテープ又はアイテープから単独の部位を分離する為、それぞれ形成/分離溶着器具を利用することは自明である。それによってそれぞれの部位に同時に、両方の分離溶着シームのそれぞれが、形作られることが可能になる。
【0043】
ホックテープ又はアイテープのベーステープから、前述の部位を分離する為に使用される形成/分離溶接器具には、単独部位の長さの間隔で配置された、単に二つの直線的なソノトロードが備えられる。
【0044】
アイテープのベーステープから部位を分離する為、主としてU字型のソノトロード又はU字型のスリッタを用いることが可能である。それを用いて、縦の分離溶着シーム及び、同時にその両者の間にのびる横の分離溶着シームの両方を作成できる。横の分離溶着シームは通常の溶着シームとして、すなわち分離溶着シームではないものとして、代替的に形成される。
【0045】
その他の具体的な実施例では、ソノトロード及びスリッタのみを有した分離器具だけで、それぞれの接続要素をストラッププライから分離することも出来る。この場合、それぞれ、目下分離されている接続要素での場合と同様、次に続く接続要素での場合も、切断範囲に二つの縦の分離溶着シームのうち一つがそれぞれ生じる。例えば、分離された接続要素が90度回転することで引き続き、同じ、若しくは第二の、分離器具(ソノトロード及びスリッタ)により、横の分離溶着シームを形作ることが出来る。この場合、一様で可能な限り幅の狭いエッジの進行を得る為に、横の分離溶着シームで、突き出しているストラッププライの素材を分離することが出来る。それによって、裏返し/折り返し過程後に横の分離溶着シームがポケット内で積みあがることが避けられる。
【0046】
前述の方法によってしかも、対応する裏返しエッジの範囲に、当初不利であるとみしえた強化された接続縁が生じる。しかしながら、アイテープの裏返し/折り返し過程によって、この接続縁は、そのホックの留め金を備えない範囲と、カバーテープ又はパッドテープ、との間に達する為、接続縁は着用快適性に対して悪影響を与えない。それどころか同時に、対応する裏返しエッジが強化されるという利点さえ得られる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ホックの留め金を有したベーステープであり、その片側にはカバーテープ、そしてもう片側には、パッドテープがある。全てのテープは継ぎ目のないテープである。
【図2】図1の直線A‐Aでの切断面であり、溶着されたカバーテープとパッドテープを有している。
【図3】折り返し/裏返し過程後のアイテープである。
【図4a】下側にはパッドテープが、その上側にはカバーテープが、密接に合わされた、畳み込まれた端を有する継ぎ目のないテープとしての、ホックを有したホックテープのベーステープである。
【図4b】図4aの横断面図である。
【図5】図4の継ぎ目のないテープの分離された部位である。
【図6】折り返し/裏返し過程後のホックテープである。
【符号の説明】
【0048】
1 ベーステープ
2 アイテープ
3 ホックの留め金
4 折り畳みテープ
5 固定シーム
6 ホックの留め金を備える範囲
7 ホックの留め金を備えない範囲
8 安定テープ
10 カバーテープ
18 裏返しエッジ
19 裏返しエッジ
20 パッドテープ
21 分離溶着シーム
22 分離溶着シーム
24 カットエッジ
25 カットエッジ
25a カットエッジ
26 接続エッジ
27 境界エッジ
28 境界エッジ
29 ポケット
30 カバーテープ
31 ベーステープ
32 ホックテープ
33 ホック
34 固定シーム
36 折り畳みテープ
37 ホックを備える範囲
38 ホックを備えない範囲
39 安定テープ
40 パッドテープ
41 分離溶着シーム
42 カットエッジ
43 カットエッジ
45 接続縁
47 境界エッジ
48 境界エッジ
49 側縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルセット類のような衣服の、特に婦人用下着の、第一のストラップの端末範囲用の接続要素であり、それはコルセット類の第二のストラップに接続されており、その際、接続要素は複数のストラッププライを有しており、少なくともそのうちの一つのストラッププライは、少なくともホック、ホックの留め金、若しくはそれに類似の接続部を有しており、
また、二つのストラッププライの間に、接続要素の側縁の範囲に接続することによって少なくとも一つのストラッププライに固定される、着用快適性を向上させる為のパッドが備えられる接続要素において
接続要素の使用状態で、接続部位が少なくとも部分的に接続要素のストラッププライの間にあることを特徴とする接続要素。
【請求項2】
請求項1に記載の接続要素において、パッドが接続部位と共に、使用状態で接続要素のストラッププライの間にあることを特徴とする接続要素。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接続要素において、接続要素の二つのストラッププライがポケット(29)を形作り、その際、好ましくは、パッドと接続部位が少なくとも部分的にポケット(29)の内部にあることを特徴とする接続要素。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の接続要素において、ストラッププライの少なくとも二つが、少なくとも一つの共通の接続シームによって、互いに接続されることを特徴とする接続要素。
【請求項5】
請求項4に記載の接続要素において、少なくとも一つの接続シームが使用状態で少なくとも部分的にポケットの内部にあることを特徴とする接続要素。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか一項に記載の接続要素において、少なくとも一つの接続シームの部分によって、パッドが接続要素に固定されることを特徴とする接続要素。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の接続要素において、接続シームが溶着シーム(21、22、41)として形成されることを特徴とする接続要素。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の接続要素において、使用状態を生じる前の製造状態にて、この製造状態で外側に位置するストラッププライの、特にパッドの、少なくとも上側の範囲に、接続部位が配置されることを特徴とする接続要素。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の接続要素において、少なくとも一つのストラッププライの裏返し/折り返しによって、パッドが二つのストラッププライの間に達することを特徴とする接続要素。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の接続要素において、パッドが圧縮性であること、また特に、発泡材料を有することを特徴とする接続要素。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の接続要素において、複数の留め金要素を有する、少なくとも一つの折り畳みテープ(4)が縫い付けられているベーステープ(1,31)を、ストラッププライが有することを特徴とする接続要素。
【請求項12】
少なくとも二つのストラッププライが重ね合わされ、そのストラッププライのうち少なくとも一つのストラッププライが、ホック(33)、ホックの留め金(3)若しくはそれに類似の接続部を有し、両方のストラッププライの部分がそれぞれ互いに接続され、また同様に、それぞれのストラッププライから分離されるコルセット類、特にブラジャー、用の接続要素の生産方法において、接続部位の製造後、ストラッププライの少なくとも一つにより、接続部位と共に、二つのストラッププライの部分の間に運ばれる、着用快適性を向上させる為のパッドを特徴としたコルセット類、特にブラジャー、用の接続要素の生産方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、パッドが接続シーム、好ましくは分離溶着シーム、によって少なくとも二つのストラッププライの部分に固定されることを特徴とする生産方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の方法において、パッドテープ(20,40)が両方のストラッププライの一つに配置されることと、ストラッププライの両方の部分を分離するのと、少なくとも基本的に同時に、パッドもまたパッドバンド(20,40)から分離されることを特徴とする生産方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、パッドテープ(20,40)が、接続部分を有するストラッププライ上にあることを特徴とする生産方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の方法において、ストラッププライの両方の部分の接続シームを製造するのと、少なくとも基本的に同時に、パッドがこの接続シームに固定されることを特徴とする生産方法。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか一項に記載の方法において、同時に両方のストラッププライとパッドテープ(20,40)の部分が分離され、そして、互いに溶着される分離溶着過程を特徴とする生産方法。
【請求項18】
請求項12から17のいずれか一項に記載の方法において、裏返し/折り返しによって、使用状態での接続要素及びパッドが、ストラッププライの両方の部分の間に運ばれることを特徴とする生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−506853(P2008−506853A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520641(P2007−520641)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000399
【国際公開番号】WO2006/007748
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502423750)ブレーロ ウント コンパニー アクチエンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】