説明

井戸、井戸の構築方法、地下水位低下工法、土留め壁の構築方法、及び矢板

【課題】揚水管を設置する際の作業性を向上させ、土留め壁を構築する工程と揚水管を設置する工程とに要する工数を減らし、これらの工程に要する工期を短縮する。
【解決手段】地下水位を低下させる対象領域2の周囲にシートパイル20を打設することにより土留め壁10を構築して、対象領域2の地下水を揚水する地下水位低下工法であって、地下水を揚水するための揚水管30を対象領域2側の面に一体化したシートパイル20を、対象領域2の周囲に打設することを特徴とする。シートパイル20は、断面形状がU形であって、長手方向に延びる溝空間20Cを形成する。揚水管30は、シートパイル20の溝空間20Cに配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸、井戸の構築方法、地下水位低下工法、土留め壁の構築方法、及び矢板に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤の掘削工事の施工にあたり掘削する根切り底面が地下水位以下に及ぶ場合、掘削する領域の地下水を揚水して当該領域の地下水位を低下させる必要があるところ、従来から、地下水位低下工法として、ウェルポイント工法やディープウェル工法等が行われている。このような工法を実施する際には、まず、地下水を揚水する領域の周囲にシートパイル(鋼矢板)を打設すること等により土留め壁を構築し、つぎに、地下水を揚水するための揚水管(揚水井)や注水管(注水井)を設置する。
【0003】
ここで、土留め壁を構築する際と揚水管や注水管を設置する際の作業性を向上させることが望まれるところ、土留め壁を構築する際の作業性を向上させる方法については考案されている(例えば、特許文献1に参照)。特許文献1に記載の方法は、シートパイルに固定した送水管の下端部にノズルを設け、このノズルから高圧水を噴射させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004―60163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、揚水管や注水管を設置する際の作業性については、揚水管や注水管を支持するための切梁や腹起し材等の支持機構を設置したり、揚水管や注水管を通す穴を空け、この穴に砂や砂礫等を埋めて揚水管や注水管を固定したりすることが必要である等、改善を要する点がある。また、土留め壁の構築と揚水管や注水管の設置とに要する工数を減らし、これらに要する工期を短縮することが望まれている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、揚水管や注水管を設置する際の作業性を向上させ、土留め壁を構築する工程と揚水管や注水管を設置する工程とに要する工数を減らし、これらの工程に要する工期を短縮することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る井戸は、矢板により土留め壁が構築された領域に、揚水管又は注水管が挿入されることにより構築された井戸であって、前記揚水管又は前記注水管が前記矢板と一体化されていることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る井戸の構築方法は、矢板を打設することにより土留め壁を構築する領域に、揚水管又は注水管を挿入することにより井戸を構築する方法であって、前記揚水管又は前記注水管を一体化した前記矢板を打設することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る地下水位低下工法は、地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築して、前記対象領域の地下水を揚水する地下水位低下工法であって、地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板を、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る地下水位低下工法は、地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築して、前記対象領域の地下水を揚水し、前記対象領域の外側において地中に戻す地下水位低下工法であって、地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板と、揚水した地下水を地中に戻すための注水管を前記対象領域側の反対側の面に一体化した前記矢板とを、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする。
【0011】
上記地下水位低下工法において、前記矢板は、断面形状がU形又はハット形であって、長手方向に延びる溝空間が形成されていてもよく、前記揚水管は、前記矢板の前記溝空間に配されていてもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る土留め壁の構築方法は、地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築する土留め壁の構築方法であって、地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板を、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る矢板は、地下水位を低下させる対象領域の周囲に構築される土留め壁を構成する矢板であって、地下水を揚水するための揚水管が前記対象領域側の面に一体化されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、揚水管や注水管を設置する際の作業性を向上させ、土留め壁を構築する工程と揚水管や注水管を設置する工程とに要する工数を減らし、これらの工程に要する工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための概略断面図である。
【図2】一実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための概略平面図である。
【図3】図2の要部を拡大して示す平面図である。
【図4】他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための概略断面図である。
【図5】他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための概略平面図である。
【図6】図5の要部を拡大して示す平面図である。
【図7】他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための要部拡大平面図である。
【図8】他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るウェルポイント工法(強制排水工法)を説明するための概略断面図であり、図2は、当該ウェルポイント工法を説明するための概略平面図である。これらの図に示すように、本実施形態に係るウェルポイント工法は、地下躯体1を施工する領域の地下水位(図1にWLで示す)を低下させるために実施される。
【0017】
本工法では、地下水位を低下させる領域(以下、対象領域という)2の周囲に、土留め壁10が構築されるように、根切り底面3よりも深い位置まで、多数のシートパイル(鋼矢板)20を打設する工程を実施する。当該工程は、HAS工法等のオーガ併用圧入工法や、油圧圧入工法や、サイレントマスター(サイレントパイル)工法、ウォータージェット工法等のその他の工法等を用いて行われる。ここで、土留め壁10を構成する多数のシートパイル20の中の約半数は、揚水管30が一体化されており、多数のシートパイル20と共に、多数の揚水管30が施工領域2に埋め込まれる。この点については後で詳述する。なお、多数のシートパイル20を打設して土留め壁10を構築した後、土留め壁10により囲まれた地中領域を掘削して地下躯体1を構築する。
【0018】
また、多数の揚水管30の頭部を、スイングジョイント32を介してヘッダーパイプ34に接続し、ヘッダーパイプ34を真空ポンプ36に接続する。また、真空ポンプ36には排水管38を接続する。この排水管38は、揚水した地下水の放流先(例えば、下水道等)まで延設する。
【0019】
揚水管30は、管径が30〜40mm程度のライザーパイプであり、その先端(下端)にはウェルポイント31が取付けられている。ウェルポイント31は、パンチングメタルやメッシュ材等が積層された透水性の管材であり、その先端(下端)には、ボールバルブを収納するノズルが設けられている。このノズルは、水を噴射する際には開き、揚水する際には閉じる。
【0020】
真空ポンプ36が作動されると、対象領域2の地下水が、ウェルポイント31から揚水管30内に流入して地上まで汲み上げられ、排水管38を通って放流される。これにより、対象領域2の地下水位WLが低下する。
【0021】
図3は、図2の要部を拡大して示す平面図である。この図に示すように、各シートパイル20は、断面形状がU形のU形鋼矢板であり、両縁部に継手22が形成されている。土留め壁10は、多数のシートパイル20を、凹凸が交互に繰返されるように配列し、隣り合った物同士を継手22で連結することにより構成されている。また、土留め壁10は、揚水管30が一体化されたシートパイル20と、揚水管30が一体化されていないシートパイル20とを、交互に並べて連結することにより構成されている。なお、シートパイル20として、断面形状がハット形の鋼矢板を用いてもよい。
【0022】
ここで、U形、すなわち溝形のシートパイル20の溝底部を構成する底片20Aと、その幅方向両側から立ち上がる左右の側片20Bとの間の溝空間20Cに、揚水管30が配されており、揚水管30は、底片20Aの溝空間20C側の面に溶接されている。このため、揚水管30は、土留め壁10の壁軸(厚み方向の中心)10Dよりも外側(即ち、地下躯体1の反対側)に位置する。
【0023】
なお、シートパイル20を打設する工程において、油圧圧入工法を用いる場合には、シートパイル20の上端をチャックで把持するため、そのためのスペースをシートパイル20の上端に確保するべく、揚水管30の上端をシートパイル20の上端よりも下側に配置する。また、シートパイル20を打設する工程において、オーガ併用圧入工法を用いる場合には、シートパイル20の溝空間20Cにオーガを通すため、そのためのスペースを溝空間20Cに確保するべく、溝空間20Cの深さや揚水管30の径等を設定する。
【0024】
以上、本実施形態に係るウェルポイント工法では、揚水管30を一体化したシートパイル20を、対象領域2の周囲に打設することにより土留め壁10を構築すると共に、揚水管30が挿入された揚水井を構築する。これにより、揚水管30を支持するための切梁や腹起し材等の支持機構を設置したり、揚水管30を通す穴を空け、この穴に砂や砂礫等を埋めて揚水管30を固定したりすること等が不要となる。従って、揚水管30を設置する際の作業性を向上させることができる。また、土留め壁10を構築する工程と、揚水管30を設置する工程とを別々に実施していた従来と比して、これらの工程に要する工数を減らすことができ、これらの工程に要する工期を短縮することができる。
【0025】
ところで、地下躯体1は土留め壁10に隣接して構築され、これらの間にコンクリートが打設されることにより、地下躯体1は土留め壁10に定着される。ここで、土留め壁10と地下躯体1との間隔は、シートパイル20が壁軸10Dよりも地下躯体1側に突出している位置において最も狭くなり、この位置のコンクリートの厚みが最も小さくなる。
【0026】
本実施形態では、揚水管30は、シートパイル20の溝空間20Cに配されていることにより、上述の間隔が最も狭くなる位置ではなく、土留め壁10の壁軸10Dよりも地下躯体1の反対側、即ち、土留め壁10と地下躯体1との間隔が最も広くなる位置に配される。これにより、揚水管30がコンクリートの厚みが最も小さい位置に埋め込まれることを防止でき、揚水管30が埋め込まれることでコンクリートに与えられる影響を小さくすることができる。
【0027】
図4は、他の実施形態に係るウェルポイント工法(強制排水工法)を説明するための概略断面図であり、図5は、当該ウェルポイント工法を説明するための概略平面図である。これらの図に示すように、本工法では、対象領域2の周囲に、自立式構造の土留め壁100が構築されるように、根切り底面3よりも深い位置まで、多数のシートパイル20を打設する工程を実施する。当該工程は、上記実施形態と同様、HAS工法等のオーガ併用圧入工法や、油圧圧入工法や、サイレントパイラー工法、ウォータージェット工法等のその他の工法等を用いて行われる。ここで、土留め壁100を構成する多数のシートパイル20の中の約半数には、揚水管30が一体化され、残りの約半数には、注水管40が一体化されており、多数のシートパイル20と共に、揚水管30が対象領域2に、注水管40が対象領域2の外側に埋め込まれる。この点については後に詳述する。
【0028】
注水管40は、先端にノズルが設けられたライザーパイプであり、その頭部は、スイングジョイント42を介してヘッダーパイプ44に接続される。また、ヘッダーパイプ34、44を不図示のノチタンクに接続する。
【0029】
ここで、対象領域2及びその周囲における根切り底面3よりも深い位置には、粘土層4が存在し、この粘土層4は、土留め壁10により対象領域2側とその外側とに、遮水された状態で隔てられている。このため、対象領域2へのその外側から地下水が流入することはない。そこで、本実施形態では、真空ポンプ36を作動させて、対象領域2の地下水を揚水管30で揚水し、揚水された地下水を注水管40で、対象領域2の周囲の地中に戻す。
【0030】
真空ポンプ36が作動されると、対象領域2の地下水が、ウェルポイント31から揚水管30内に流入して汲み上げられる。そして、汲み上げられた水は、注水管40に送られ、自重で注水管40の先端のウェルポイント41まで降下し、ウェルポイント41のノズルから対象領域2の外側の地中に戻される。これにより、対象領域2では地下水位WLが低下する。また、対象領域2の外側の地中に戻された地下水は、粘土層4と土留め壁100とにより遮られることにより、対象領域2へ流入することなく、対象領域2の外側の地中に留まる。
【0031】
図6は、図5の要部を拡大して示す平面図である。この図に示すように、土留め壁100は、揚水管30が一体化されたシートパイル20と、注水管40が一体化されたシートパイル20とを、交互に並べて連結することにより構成されている。
【0032】
ここで、シートパイル20の溝空間20Cに、揚水管30と注水管40とが配されており、揚水管30と注水管40とは、底片20Aの溝空間20C側の面に溶接されている。このため、揚水管30は、土留め壁100の壁軸(厚み方向の中心)100Dよりも外側(即ち、地下躯体1の反対側)に位置する溝空間20Cに位置し、注水管40は、土留め壁100の壁軸100Dよりも内側(即ち、地下躯体1側)に位置する溝空間20Cに位置する。
【0033】
以上、本実施形態に係るウェルポイント工法では、揚水管30を一体化したシートパイル20と注水管40を一体化したシートパイル20とを、対象領域2の周囲に打設することにより土留め壁10を構築すると共に、揚水管30が挿入された揚水井と注水管40が挿入された注水井を構築する。これにより、揚水管30や注水管40を支持するための支持機構を設置したり、揚水管30や注水管40を通す穴を空け、この穴に砂や砂礫や粘度等を埋めて揚水管30や注水管40を固定したりすること等が不要となる。従って、揚水管30や注水管40を設置する際の作業性を向上させることができる。また、土留め壁100を構築する工程と、揚水管30及び注水管40を設置する工程とを別々に実施していた従来と比して、これらの工程に要する工数を減らすことができ、これらの工程に要する工期を短縮することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、揚水管30で揚水した地下水を注水管40で地中に戻したが、他の工事現場や施設からの排水等を、注水管40で地中に注入してもよい。また、本実施形態では、揚水管30及び注水管40を、土留め壁10の下端より深層側まで延びるように構成したが、土留め壁10の下端より浅層側で切れるように構成する等、揚水管30及び注水管40の長さやウェルポイント31、41の位置は、適宜設定すればよい。
【0035】
図7は、他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための要部拡大平面図である。この図に示すように、本実施形態に係るウェルポイント工法では、揚水管30を一体化したシートパイル20と注水管40を一体化したシートパイル20とを、対象領域2の周囲に打設することにより、土留め壁200を構築する。
【0036】
ここで、本実施形態では、揚水管30及び注水管40を、底片20Aの外側(溝空間20C側の裏側)の面に溶接し、揚水管30及び注水管40が、シートパイル20の溝空間20Cの外側に位置するようにする。これにより、オーガ併用圧入工法を用いる場合において、溝空間20Cに通されるオーガとの関係で揚水管30及び注水管40の径を決める必要がなく、以って、揚水管30及び注水管40の設計の自由度を広げることができる。
【0037】
図8は、他の実施形態に係るウェルポイント工法を説明するための要部拡大平面図である。この図に示すように、本実施形態に係るウェルポイント工法では、揚水管30及び注水管40を一体化したシートパイル20を、対象領域2の周囲に打設することにより、土留め壁300を構築する。
【0038】
壁軸300Dよりも外側に配されるシートパイル20については、揚水管30を、シートパイル20の底片20A側の溝空間20C側の面に溶接し、注水管40を、底片20Aの溝空間20C側の裏側の面に溶接する。一方、壁軸300Dよりも内側に配されるシートパイル20では、注水管40を、シートパイル20の底片20Aの溝空間20C側の面に溶接し、揚水管30を、底片20Aの溝空間20C側の裏側の面に溶接する。
【0039】
以上、上述の各実施形態では、地下水位低下工法としてウェルポイント工法を用いる場合を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、揚水管や注水管をシートパイルに一体化してシートパイルと共に地中に埋め込むことができる地下水位低下工法の全てに適用可能である。また、揚水管30及び注水管40を、シートパイル20の底片20Aに接合することは必須ではなく、側片20Bに接合してもよい。さらに、揚水管30を一体化したシートパイル20で土留め壁を構築することは必須ではなく、注水管40のみを一体化したシートパイル20で土留め壁を構築してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 地下躯体、2 対象領域、3 根切り底面、4 粘土層、10 土留め壁、10D 壁軸、20 シートパイル(矢板)、20A 底片、20B 側片、20C 溝空間、22 継手、30 揚水管、31 ウェルポイント、32 スイングジョイント、34 ヘッダーパイプ、36 真空ポンプ、38 排水管、40 注水管、42 スイングジョイント、44 ヘッダーパイプ、100,200,300 土留め壁、100D,300D 壁軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矢板により土留め壁が構築された領域に、揚水管又は注水管が挿入されることにより構築された井戸であって、
前記揚水管又は前記注水管が前記矢板と一体化されていることを特徴とする井戸。
【請求項2】
矢板を打設することにより土留め壁を構築する領域に、揚水管又は注水管を挿入することにより井戸を構築する方法であって、
前記揚水管又は前記注水管を一体化した前記矢板を打設することを特徴とする井戸の構築方法。
【請求項3】
地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築して、前記対象領域の地下水を揚水する地下水位低下工法であって、
地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板を、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする地下水位低下工法。
【請求項4】
地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築して、前記対象領域の地下水を揚水し、前記対象領域の外側において地中に戻す地下水位低下工法であって、
地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板と、揚水した地下水を地中に戻すための注水管を前記対象領域側の反対側の面に一体化した前記矢板とを、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする地下水位低下工法。
【請求項5】
前記矢板は、断面形状がU形又はハット形であって、長手方向に延びる溝空間が形成されており、
前記揚水管は、前記矢板の前記溝空間に配されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の地下水位低下工法。
【請求項6】
地下水位を低下させる対象領域の周囲に矢板を打設することにより土留め壁を構築する土留め壁の構築方法であって、
地下水を揚水するための揚水管を前記対象領域側の面に一体化した前記矢板を、前記対象領域の周囲に打設することを特徴とする土留め壁の構築方法。
【請求項7】
地下水位を低下させる対象領域の周囲に構築される土留め壁を構成する矢板であって、
地下水を揚水するための揚水管が前記対象領域側の面に一体化されていることを特徴とする矢板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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