説明

亜塩素酸塩製剤、およびこの調製の方法と利用

約7〜約8.5のpHを有する亜塩素酸塩製剤が本明細書に記載されており、前記亜塩素酸塩は、有害な非亜塩素酸塩成分を実質的に含まない。全身、非経口または静脈内投与のために製剤化した、医薬的製剤を含む、亜塩素酸塩製剤が本明細書に記載されている。本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤を調製する方法、および利用する方法が本明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本明細書は、その全てが本明細書中に参考として援用されている、2005年12月22日に出願された、米国特許仮出願明細書第60/753,497号の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
亜塩素酸塩として本明細書で引用する、亜塩素酸塩イオンは、種々の状況で使用されてきている。亜塩素酸ナトリウムは、強力な酸化剤であり、水の精製、消毒において、および動物性食品の漂白および脱臭にて使用されてきている。亜塩素酸ナトリウムは、酸性条件下で、非常に毒性の亜塩素酸ガスを産生することから、商業用途の水溶液は通常、非常に塩基性(およそpH13)の溶液として提供され、pHを水酸化ナトリウムで調整する。
【0003】
亜塩素酸塩はまた、種々の疾患または症状を治療するために使用されてきている。例えば、亜塩素酸塩は、感染症を治療するため、および骨髄の再生を引き起こすために使用されてきている。例えば、米国特許第4,725,437号および米国特許第4,851,222号を参照のこと。亜塩素酸塩はまた、HIV、再発前立腺癌、膀胱炎および慢性活性C型肝炎疾患を治療するために使用されてきている。例えば、McGrath et al.,「Development of WF10,a novel macrophage−regulating agent」、Curr Opin Investig Drugs,3(3):365−73(2002)を参照のこと。これらの疾患または症状は一般に、亜塩素酸塩の市販の製剤である、WF10の静脈内注射で治療されてきている。本製剤のおよそ12.3pHは、生理系への投与の形態に関して問題があり得る。
【0004】
亜塩素酸塩はまた、歯肉の炎症等の、口または歯周疾患または症状を治療することにおける使用に関して記載されてきている。例えば米国特許第6,350,438号を参照のこと。
【0005】
より初期の亜塩素酸の製剤には、米国特許第4,507,285号および以下でより詳細に記載されている、Kuhneによる調製物である、テトラクロロデカオキシゲン、またはTCDO、Lasoに付与された米国特許第4,296,103号にて記載されたもののような無機ホウ素を含む製剤が含まれ、亜塩素酸塩製剤はまた、例えば米国特許第3,082,146号でも開示されている。
【0006】
OXO−K993としても知られているTCDOは、安定化亜塩素酸塩の1つの形態である。これは、オキソケム(OxoChemie GmbH)(Wanzleben,Germany)より入手可能である。OXO−K993は、亜塩素酸、塩化物、塩素酸、および硫酸イオンの混合物である。WF10は、例えば、HIV/AIDSおよび癌を治療するために静脈内に投与されるTCDOの希釈物である。オキシフェンは、局所傷治癒において使用されてきている、OXO−K993をさらに希釈した形態である。これらの製剤の全てが、亜塩素酸イオン、塩化物イオン、塩素酸イオンおよび硫酸イオンを含む。例えば、WF10パッケージ情報に従って、希釈後、WF10は、4.25%亜塩素酸イオン、1.9%塩化物イオン、1.5%塩素酸イオン、0.7%硫酸イオンおよびカチオンとしてナトリウムを含む(重量/総体積中の割合)。これらの種々の形態中のTCDOの非亜塩素酸成分、例えば塩素酸イオンが、生理系に投与した場合に望まない効果を引き起こし得る。例えば、塩素酸ナトリウムの摂取が、消化管の炎症を引き起こし、結果として、悪心、嘔吐および下痢となり得る。マリンクロッド ベーカー社(Mallinckrodt Baker Inc.)MSDS S3314,Aug.10,2004。他の症状には腹痛、溶血、メトヘモグロビン血症、チアノーゼ、無尿症、昏睡、痙攣が含まれる。同文献。さらに、塩素酸ナトリウムへの曝露が、肝臓および腎臓の障害を引き起こし、少量の繰り返し摂取が、食欲不振および体重減少を引き起こし得る。同文献。
【0007】
種々の局所用に製剤化した亜塩素酸塩含有ガム、歯磨き粉、トローチ剤などが開発されてきている。例えば、米国特許第6,350,438号および関連特許および明細書を参照のこと。しかしながら、これらの局所、経口製剤は、限定はしないが、非経口または全身投与のような非局所利用を含む、多くの利用において適切ではない。
【0008】
従って、限定はしないが、生理系への非経口および全身投与を含む、生理系への投与により適した亜塩素酸塩製剤に対する必要性が残っている。
【発明の開示】
【0009】
一般に、1つの態様において、本発明は、水性溶媒、亜塩素酸塩およびpH調整剤を含む水性製剤を提供する。幾つかの実施形態において、製剤には、100:1.5より大きな、重量比の100:0.5より大きな亜塩素酸塩:塩素酸塩が含まれる。1つの実施形態において、製剤は、実質的に塩素酸塩を含まない。
【0010】
幾つかの実施形態が、亜塩素酸塩:硫酸塩の重量比が、100:16.4より大きい、または100:1.6より大きい、製剤を提供する。他の実施形態において、製剤は実質的に硫酸塩を含まない。
【0011】
他の実施形態において、製剤は、100:10より大きな、亜塩素酸塩:塩酸塩の重量比を含む。
【0012】
特定の実施形態において、製剤のpHは約7.0〜約11.5、または約7.0〜8.5である。
【0013】
1つの実施形態において、pH調整剤は、リン酸塩または酢酸塩である。特定の実施形態において、pH調整剤は、リン酸一ナトリウムである。
【0014】
1つの実施形態において、製剤には、製剤中約0.5%〜約5%の重量パーセントである亜塩素酸塩が含まれる。1つの実施形態において、製剤中の亜塩素酸塩の濃度は、約50mM〜約100mMである。
【0015】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩、ナトリウム、リン酸塩および水を含む水性製剤を提供し、この製剤は、約7.0〜約11.5のpHを有し、100:0.5より大きな重量比の亜塩素酸塩:塩素酸塩を含む。1つの実施形態において、製剤は、基本的に、亜塩素酸塩、ナトリウム、リン酸塩および水からなる。1つの実施形態において、亜塩素酸塩の濃度は、約50mM〜約70mM亜塩素酸塩である。
【0016】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む水性製剤を提供し、この製剤は、インビトロアッセイにてWF10として製剤した亜塩素酸の同一濃度と比較して、非特異的毒性が減少した1つ以上の徴候を示す。
【0017】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む水性製剤を提供し、この製剤は、被検体に全身投与した場合のWF10として製剤した同一濃度の塩素酸塩と比較して、被検体に全身投与した場合に、非特異的毒性が減少した、1つ以上の徴候を示す。1つの実施形態において、毒性は、無力症、注射部位反応、または注射部位疼痛のうちの1つ以上である。
【0018】
一般に、1つの形態において、本発明は、(a)亜塩素酸塩、(b)pH調整剤、および(c)医薬的に許容される賦形剤、を含む医薬組成物を提供する。1つの実施形態において、組成物は、100:1.5より大きな重量比の亜塩素酸塩:塩素酸塩を有する。特定の実施形態において、賦形剤は水を含む。
【0019】
一般に、1つの形態において、本発明は、被検体に亜塩素酸塩を投与する方法を提供し、前記方法には、水性溶媒、pH調整剤および亜塩素酸塩を含む治療有効量の水性製剤を、これを必要とする被検体に非経口で投与することが含まれる。1つの実施形態において、亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比は、100:1.5より大きい。他の実施形態において、製剤は、静脈内に投与される。
【0020】
一般に、1つの形態において、本発明は、製剤の単位用量形態を提供し、前記単位用量形態は、(a)亜塩素酸塩、(b)pH調整剤、および(c)医薬的に許容される賦形剤を含む、有効量の医薬組成物を含む。1つの実施形態において、単位用量は、被検体に投与する準備ができている。他の実施形態において、単位用量を、被検体に投与する前に希釈する。1つの実施形態において、組成物のpHは、約7.1〜約7.7である。
【0021】
一般に、1つの態様において、本発明は、(a)1以上の請求項26に記載の単位用量形態、および(b)1つ以上の疾患または症状を治療するために使用するための、1つ以上のパッケージおよび説明書を含むキットを提供する。1つの実施形態において、キットはさらに、製剤から分離した容器中で希釈液を含む。1つの実施形態において、製剤はさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む。
【0022】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法を提供し、前記方法には、(a)60℃〜約100℃の温度で、亜塩素酸溶液を濃縮することにより、不純物が溶液から沈殿する、(b)ろ過によって濃縮した溶液から不純物を除去すること、(c)凍結によって、濃縮した溶液から、亜塩素酸塩の結晶化を誘導すること、(d)ろ過によって、得られた亜塩素酸塩固体を回収すること、および(e)水性溶媒中で、亜塩素酸塩固体を溶解すること、が含まれる。1つの実施形態において、段階(a)における温度は、65℃〜約80℃である。1つの実施形態において、段階(a)における温度は約70℃である。他の実施形態において、段階(a)を、減圧下で実施する。他の実施形態において、段階(c)において亜塩素酸塩の結晶化を誘導することに、約10℃より高くはない温度まで、亜塩素酸濃縮液を冷却することが含まれる。また他の実施形態において、亜塩素酸濃縮液を、約20℃〜約30℃の温度まで冷却する。特定の実施態様において、亜塩素酸濃縮液を、25℃の温度まで冷却する。1つの実施形態において、段階(d)におけるろ過は遠心ろ過である。1つの実施形態において、本発明は、記載した方法によって調製された亜塩素酸塩を提供する。
【0023】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む製剤を調製する方法を提供し、前記方法には、(a)製剤のpHを、pH改変剤にて、約7〜約11.5まで調整することが含まれ、そこでpH改変剤は、亜塩素酸塩を、高い局所酸性に適用はせず、得られた製剤は、実質的に塩素酸塩または硫酸イオンからなる群よりのメンバーの1つ以上を実質的に含まない。1つの実施形態において、得られた製剤は、実質的に塩素酸塩を含まない。他の実施形態において、製剤は、実質的に硫酸塩を含まない。1つの実施形態において、pHを約7.4に調整する。特定の実施形態において、pH改変剤はリン酸一ナトリウムである。1つの実施形態において、段階(a)には、pH調整剤を、亜塩素酸塩および水性溶媒の水性混合液に添加することが含まれる。1つの実施形態において、本発明は、記載した方法によって調製した亜塩素酸組成物を提供する。
【0024】
一般に、1つの態様において、本発明は、亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法を提供し、前記方法には、(a)亜塩素酸塩を含む水溶液のpHを、pH改変剤で調整することが含まれ、得られた製剤は実質的に、亜塩素酸塩または二酸化塩素の1つ以上を含まない。1つの実施形態において、方法には、段階(a)の前に、亜塩素酸塩を精製する段階が含まれる。1つの実施形態において、pHは、約7.0〜約11.5に調整する。他の実施形態において、pHは、約7.0〜約8.5に調整する。特定の実施形態において、pHは約7.4に調整する。1つの実施形態において、pH改変剤は、リン酸一ナトリウムである。1つの実施形態において、得られた製剤は実質的に塩素酸塩を含まない。他の実施形態において、得られた製剤は、二酸化塩素を実質的に含まない。1つの実施形態において、段階(a)には、亜塩素酸塩またはこの水性混合液を、リン酸緩衝液の溶液に添加することが含まれる。1つの実施形態において、リン酸緩衝液は、リン酸一ナトリウムである。さらなる実施形態において、段階(a)には、pH調整剤を、亜塩素酸塩および水性溶媒の水性混合液に添加することが含まれる。
【0025】
関連実施形態において、精製には、(a)60℃〜約100℃での温度で、亜塩素酸溶液を濃縮することにより、溶液から不純物が沈殿する、(b)ろ過によって濃縮した溶液から不純物を除去すること、(c)凍結によって、濃縮した溶液から亜塩素酸塩の結晶化を誘導すること、(d)ろ過によって得られた亜塩素酸塩固体を回収すること、および(e)水性溶媒中に亜塩素酸塩固体を溶解すること、の段階が含まれる。1つの実施形態において、段階(a)における温度は、約65℃〜約80℃である。他の実施形態において、段階(a)における温度は、約70℃である。1つの実施形態において、段階(a)は、減圧下で実施する。1つの実施形態において、段階(c)にて亜塩素酸塩の結晶化を誘導することには、亜塩素酸濃縮液を、約10℃を超えない温度まで冷却することが含まれる。1つの実施形態において、濃縮した亜塩素酸塩溶液を、約20℃〜約30℃の温度まで冷却して、結晶化を誘導する。特定の実施形態において、濃縮亜塩素酸塩溶液を、25℃の温度まで冷却して、結晶化を誘導する。1つの実施形態において、段階(d)におけるろ過は、遠心ろ過である。1つの実施形態において、本発明は、記載した方法によって調製された亜塩素酸塩組成物を提供する。
【0026】
一般に、1つの態様において、本発明は、(a)亜塩素酸塩、(b)pH調整剤、および(c)医薬的に許容される賦形剤、を含む有効量の医薬組成物を、これを必要とする被検体に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法を提供する。1つの実施形態において、疾患または障害は、1つ以上の、感染症、骨髄分解、新生物、膀胱炎、HIV、慢性C型肝炎疾患、口疾患、歯周病、歯肉の炎症、局所傷、多発性硬化症および神経変性疾患または障害である。他の実施形態において、疾患は、膀胱癌、黒色腫、乳癌、非ホジキンスリンパ腫、大腸癌および直腸癌、膵癌、子宮内膜癌、前立腺癌、腎臓(腎細胞)癌、皮膚癌(非黒色腫)、白血病、甲状腺癌および肺癌からなる群より選択される新生物である。1つの実施形態において、疾患または障害は、神経変性疾患または障害である。特定の実施形態において、神経変性疾患または障害は、マクロファージ関連神経変性疾患または障害である。1つの実施形態において、神経変性疾患または障害は、ALSである。他の実施形態において、神経変性疾患または障害は、アルツハイマー病である。さらなる実施形態において、神経変性疾患または障害は、パーキンソン病である。
【0027】
一般に、1つの態様において、本発明は、GMPプロトコールに従って、以上にて記載したように、本発明の任意の態様のアイテムを調製することを含む、ビジネス法を提供する。
【0028】
一般に、1つの態様において、本発明は、水性溶媒および亜塩素酸塩を含む水性製剤を提供し、前記製剤は、GMPプロトコールを用いて生成する。1つの実施形態において、製剤にはさらに、100:10より大きい亜塩素酸塩:塩化物の重量比が含まれる。他の実施形態において、亜塩素酸塩:塩素酸塩の比は、100:0.5より大きい。他の実施形態において、亜塩素酸塩は、80%より高い、85%より高い、90%より高い、95%より高い、または99%より高い純度を含む。一般に1つの態様において、本発明は、本明細書に記載した医薬的製剤を含む、本明細書でさらに記載した、亜塩素酸塩、水性溶媒およびpH調整剤、ならびに以上の医薬的製剤、キット、前記製剤を作製するための方法、および製剤を利用するための方法を提供する。
【0029】
文脈上の明らかな記載がない限り、全ての割合が、総体積あたりの重量百分率である。
【0030】
1つの態様において、亜塩素酸塩、水性溶媒、およびpH調整剤を含む水性製剤が提供され、前記製剤は、約7〜約11.5のpHを有し、製剤は、約1.8%より大きくはない塩化物、約1.4%より大きくない塩素酸塩、および0.6%より大きくはない硫酸塩からなる群よりのメンバー、またはこれらの任意の1つ以上を含む。幾つかの実施形態において、亜塩素酸塩、水性溶媒およびpH調整剤を含む水性製剤が提供され、製剤は約7〜約11.5のpHを有し、製剤は、約0.24%より大きくない塩酸塩、約0.19%より大きくない塩素酸塩、および約0.08%より大きくない硫酸塩の任意の1つ以上からなる群よりのメンバーを含む。幾つかの実施形態において、亜塩素酸塩、水性溶媒およびpH調整剤を含む水性製剤が提供され、この製剤は、約7〜約11.5のpHを有し、製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等価重量/体積と比較した場合に、亜塩素酸塩および硫酸塩からなる、または、任意の1つ以上のメンバーの量の約85%以下を含む。
【0031】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤には、リン酸塩を含むpH調整剤が含まれる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した任意の製剤または医薬的製剤には、リン酸塩から本質的になるpH調整剤が含まれる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した任意の製剤または医薬的製剤には、酢酸を含むpH調整剤が含まれる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した任意の製剤または医薬的製剤には、酢酸から本質的になるpH調整剤が含まれる。
【0032】
さらなる態様において、被検体に亜塩素酸塩を投与する方法が提供され、この方法には、有効量の、本明細書に記載した任意の製剤または医薬的製剤を、これを必要としている被検体に投与することが含まれる。幾つかの実施形態において、製剤または医薬的製剤は非経口で投与する。幾つかの実施形態において、製剤または医薬的製剤は、全身に投与する。幾つかの実施形態において、製剤または医薬的製剤は、静脈内に投与する。幾つかの実施形態において、製剤または医薬的製剤は、非局所的に投与する。
【0033】
亜塩素酸塩を被検体に投与する方法が本明細書に記載されており、この方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、pH調整剤、および生理食塩水溶液を含む水性医薬的製剤を静脈内に投与することが含まれ、この製剤は、約7〜約11.5のpHを有し、製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等価重量/体積と比較した場合に、亜塩素酸塩および硫酸塩からなる、または、任意の1つ以上のメンバーの量の約85%以下を含む。幾つかの実施形態において、投与する製剤は、約7.0〜約10のpHを有する。幾つかの実施形態において、投与する製剤は、約7.0〜約9.0のpHを有する。幾つかの実施形態において、投与する製剤は、約7.0〜約8.5のpHを有する。幾つかの実施形態において、投与する製剤は、約7.1〜約7.7のpHを有する。幾つかの実施形態において、方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、生理食塩水、およびpH調整剤を静脈内に投与することを含み、製剤は、約7.1〜約7.7のpHを有し、製剤は、約0.6%より大きくない硫酸イオンまたは1.4%の塩素酸塩イオンを含み、亜塩素酸塩の濃度は、約2〜約3mMである。幾つかの実施形態において、方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、生理食塩水、pH調整剤を含む液状の医薬的製剤を静脈内に投与することを含み、製剤は、約7.1〜約7.7のpHを有し、製剤は、約0.08%より大きくない硫酸イオン、または0.19%塩素酸塩イオンを含み、亜塩素酸塩の濃度は、約2〜約3mMである。
【0034】
被検体に亜塩素酸塩を投与する方法が本明細書に記載されており、この方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、および生理食塩水溶液を含む水性医薬的製剤を静脈内に投与することが含まれ、この製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等価重量/体積と比較した場合に、亜塩素酸塩および硫酸塩からなる、または、任意の1つ以上のメンバーの量の約85%以下を含む。幾つかの実施形態において、方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、および生理食塩水を含む液状の医薬的製剤を静脈内に投与することが含まれ、製剤には、約0.6%より大きくない硫酸イオンまたは1.4%の塩素酸塩イオンが含まれ、亜塩素酸塩の濃度は、約2〜約3mMである。幾つかの実施形態において、方法には、治療有効量の、亜塩素酸塩、水性溶媒、および生理食塩水を含む液状の医薬的製剤を静脈内に投与することが含まれ、製剤には、約0.08%より大きくない硫酸イオン、または0.19%塩素酸塩イオンが含まれ、亜塩素酸塩の濃度は、約2〜約3mMである。
【0035】
さらなる態様において、治療有効量で、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤を、本明細書に記載された疾患または症状を限定しないが含む、亜塩素酸塩が現在使用される1つ以上の疾患または症状を治療するために、これを必要とする患者に投与する方法が提供される。幾つかの実施形態において、治療の方法は、本明細書に記載される1つ以上の疾患または症状を治療することである。
【0036】
さらなる態様において、医薬品の製造における、本明細書に記載した亜塩素酸塩の製剤または医薬的製剤の利用が提供される。とりわけ、本明細書に記載しているような症状の治療における利用のための医薬品の製造。さらに、種々本明細書に記載されているこの医薬的製剤もまた、症状の治療における利用のための医薬品の製造における利用のため、別段の記載がない限り、本明細書に記載された方法に従って、意図される。
【0037】
さらなる態様において、製剤の単位用量形態が本明細書で提供され、単位用量形態には、有効量の、本明細書に記載された任意の製剤または医薬的製剤が含まれる。
【0038】
さらなる態様において、本明細書に記載した、1つ以上の単位用量形態を含むキットが本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、キットには、1つ以上の疾患または症状を治療するために利用するための、1つ以上のパッケージおよび説明書が含まれる。幾つかの実施形態において、キットには、製剤または医薬的製剤からの分離された区画中の希釈液が含まれる。幾つかの実施形態において、キットには、製剤または医薬的製剤と物理的に接触しない希釈液が含まれる。幾つかの実施形態において、キットには、1つ以上の密封した瓶中に、本明細書に記載した任意の1つ以上の単位投与形態が含まれる。幾つかの実施形態において、キットには、製剤または医薬的製剤とは別の容器中の希釈液が含まれる。幾つかの実施形態において、キットには、任意の1つ以上の無菌単位投与形態が含まれる。
【0039】
さらなる態様において、本明細書に記載された任意の製剤または医薬的製剤を調製する方法が本明細書で提供される。
【0040】
本明細書に記載した、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む製剤を調製する方法が提供され、段階(a)には、生理学的に適合可能な緩衝液溶液に、亜塩素酸塩またはこの水性混合液を添加することが含まれる。「生理学的に適合可能な(physiologically compatible)」緩衝液は、治療されている被検体における利用に適切であると、当業者に一般に受け入れられるこの構成成分のレベルを有する緩衝液である。幾つかの実施形態において、緩衝液はリン酸緩衝液である。
【0041】
本明細書に記載した、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む製剤を調製する方法が本明細書に記載されており、段階(a)には、pH調整剤を、亜塩素酸塩および水性溶媒の水性混合液に添加することが含まれる。
【0042】
本明細書に記載した亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法が本明細書に記載されており、得られた製剤は実質的に塩素酸塩を含まない。
【0043】
本明細書に記載した亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法が本明細書に記載されており、得られた製剤は実質的に二酸化塩素を含まない。
【0044】
他に言及しない限り、本明細書に記載した、医薬的製剤を含む製剤を、本明細書に記載した方法およびキットで使用し得る。本明細書で使用するように、「からなる群より選択される(selected from the group consisting of)」に記載される実施形態は、「任意の1つ以上(any one or more of)」である他の実施形態も企図する。本明細書において、要素「より大きくない(no greater than)」として記載された実施形態はまた、これらの要素「未満の(less than about)」である他の要素を企図する。さらに、本明細書に記載した本発明の態様および実施形態はまた、態様および実施形態「からなる(consisting)」および/または「から実質的になる(consisting essentially of)」も企図する。
【0045】
参考としての援用
本明細書で言及された全ての発行物および特許明細書は、各個々の発行物または特許明細書が、とりわけ、および個々に参照によって組み込まれていると示唆されるのと同一の程度まで、本明細書中に参考として援用されている。
【0046】
本発明の新規の特徴を、付随する請求項にて特に列記している、本発明の特徴および利点のさらなる理解が、本発明の原理を使用している例示的実施形態を列記している以下の詳細な記載に対して参照、およびこの付随する図面によって得ることができ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
すでに記載されているものよりも、生理系への投与により適切である、医薬的製剤を限定はしないが含む、亜塩素酸塩製剤が本明細書に記載されており、この製剤は、非局所、非経口、全身または静脈内投与を限定はしないが含む、投与の種々の形態において好適である。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤は、先の亜塩素酸塩製剤のものよりも、生理学的pHにより近いpHを有する。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤は、先に記載された亜塩素酸塩製剤の不純物または有害な非亜塩素酸塩要素を含まない。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、先に記載されたものよりも、生理系に対する毒性が少ない。本明細書に記載された種々の疾患または症状の治療の方法がまた、本明細書に記載されている。本明細書に記載された疾患または症状を治療するための、医薬品の製造における、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤および医薬的製剤の利用がまた本明細書に記載されている。
【0048】
特定の態様において、本発明は、亜塩素酸塩が、97〜99%純度である、水溶液中の亜塩素酸塩の製剤を提供する。本明細書において、試料中の亜塩素酸塩の「純度(purity)」は、試料の総重量に対する、亜塩素酸塩のパーセント重量として計算される。溶液中の亜塩素酸塩の純度の測定において、溶媒(例えば、水溶液中の水)の重量は含まれない。純度は、化合物または製剤中の、例えば亜塩素酸塩、塩化物、塩素酸塩、リン酸塩および硫酸塩の、個々のピークの積分を較正して、イオンクロマトグラフィーおよびイオン検出器を用いて評価してもよい。例えば、亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウム、工業銘柄として、80%の純度で市販の(カタログ番号244155、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))。
【0049】
本発明はさらに、市販の亜塩素酸塩組成物と比較して、塩素酸塩、硫酸塩または塩化物の量が減少した本発明の組成物を提供する。本明細書で使用するように、分子が、製剤中非溶媒分子の重量あたり、1000中1部分以下を含む場合、製剤は分子を「実質的に含まない(substantially free)」。特定の実施形態において、亜塩素酸塩の塩素酸塩に対する重量比は、100:1.5より大きく、100:0.5より大きく、100:1より大きく、または100:0.1より大きい。1つの実施形態において、組成物は実質的に塩素酸塩を含まない。他の実施形態において、亜塩素酸塩の塩化物に対する重量比は、100:45.5より大きいか、または100:8.5より大きい。1つの実施形態において、組成物は実質的に塩化物を含まない。さらなる実施形態において、亜塩素酸塩の硫酸塩に対する重量比は、100:16.4より大きいか、または100:1.6より大きい。1つの実施形態において、組成物は実質的に硫酸塩を含まない。
【0050】
亜塩素酸塩製剤のpHを約7〜約11.5に調整する方法が本明細書に記載されている。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHは、製剤を高い局所酸性に曝露しないpH調整化合物を用いて、約7〜約11.5まで低下させる。幾つかの変法において、pH調整化合物は、任意の1つ以上の、リン酸一ナトリウムまたは酢酸である。亜塩素酸塩製剤のpHを、約11.5以下に調整する方法が本明細書に記載されている。
【0051】
特に本明細書に記載されている亜塩素酸塩製剤を限定はしないが含む、亜塩素酸塩製剤および医薬的製剤を調製する方法がまた本明細書に記載されている。本明細書に記載された製剤および医薬的製剤の投与のキットおよび方法もまた本明細書に記載されている。本発明の種々の例示的態様および変法が、「Brief Summary of the Invention」中で、ならびに実施例を限定はしないが含む本明細書の他の部分に記載されている。本発明が、本明細書に記載されたような1つ以上の要素を含む、から実質的になる、および/または、からなる実施形態を含むことも理解される。
【0052】
製剤
亜塩素酸塩を含む水性製剤が本明細書に記載されている。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤には、水性溶媒、および任意に1つ以上の亜塩素酸塩に対する溶媒が含まれる。亜塩素酸塩および亜塩素酸塩に対する溶媒を含む製剤が本明細書に記載されており、この製剤は、約7〜約11.5のpHを有する。
【0053】
本明細書に記載した製剤中での利用のための溶媒または溶媒の組合せは、当該技術分野で公知の種々の方法によって決定することが可能である。1つの非限定例には、(1)溶媒可溶性パラメータ値(類)を理論的に推定すること、および当該技術分野で標準的な等式を用いて、亜塩素酸塩に適合するものを選択すること、および(2)溶媒(類)中の亜塩素酸塩の飽和可溶性を実験的に測定すること、および(3)所望の可溶性を示している1つ以上を選択すること、および(4)亜塩素酸塩の活性を減少させない、または亜塩素酸塩と反応しないか、最低限しか反応しない溶媒または溶媒類を選別すること、が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載した液体製剤には、多数の溶媒が含まれる。
【0054】
幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、水性溶媒が含まれる。幾つかの変法において、水が、本明細書に記載された水性製剤中の原則的な溶媒である。幾つかの変法において、水が、水性製剤の溶媒成分の少なくとも約50重量%である。幾つかの変法において、水が、製剤溶液の約50重量%である。幾つかの変法において、水が、溶媒成分の体積の、約50〜約60、約60〜約70、約70〜約80、約80〜約90、約90〜約99、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、または少なくとも約95、約50、約60、約70、約80、約90、または約95パーセントの任意である。幾つかの変法において、水は、水性製剤の体積の、約50〜約60、約60〜約70、約70〜約80、約80〜約90、約90〜約99、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、または少なくとも約95、約50、約60、約70、約80、約90、または約95パーセントの任意である。幾つかの変法において、水は、水性製剤体積の少なくとも約95%である。幾つかの変法において、水は、水性製剤体積の約80〜約90%である。幾つかの変法において、水は、水性製剤体積の約90〜約99%である。
【0055】
製剤は、異なる濃度の亜塩素酸塩を含んでよい。幾つかの実施形態において、製剤中の亜塩素酸塩の濃度が高く、その後投与の前に低濃度まで希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約2.5×、約5×、約7.5×、約10×、約20×、約25×、約50×、約100×、約200×、約250×、約300×、約500×、または約1000×の任意に希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約2.5×、約5×、約10×、約20×、約25×、約50×、約100×、約200×、約250×、約300×、約500×、約1000×、約2×〜約10×、約10×〜約50×、約50×〜約100×、約100×〜約500×、約500×〜約1000の任意に希釈する。幾つかの実施態様において、本明細書に記載した製剤を、約2×〜約10×で希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約10×〜約50×で希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約7.5×で希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約25×で希釈する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤を、約200×で希釈する。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤中の亜塩素酸塩の濃度は、約1μM〜約1.5Mである。他の変法において、本明細書に記載した製剤中の亜塩素酸塩の濃度は、約1M〜約1.5Mの任意、約1μM〜約100mM、約10μM〜約100mM、約0.1mM〜約10mM、約0.1mM〜約500mM、約0.1mM〜約200mM、約1mM〜約100mM、約0.1mM〜約5mM、約50mM〜約100mM、約55mM〜約70mM、約60mM〜約65mM、約100mM〜約500mM、約200mM〜約400mM、約300mM〜約700mM、約1mM、約1.5mM、約2mM、約2.5mM、約3mM、約3.5mM、約4mM、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約62mM、約65mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、少なくとも約0.1mM、少なくとも約1mM、少なくとも約2mM、少なくとも約5mM、少なくとも約10mM、少なくとも約20mM、少なくとも約30mM、少なくとも約40mM、少なくとも約50mM、少なくとも約60mM、少なくとも約70mM、少なくとも約80mM、少なくとも約90mM、または少なくとも約100mMである。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤中の塩素酸塩の濃度は、約50mM〜約100mMである。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤中の塩素酸塩の濃度は、約55mM〜約75mMである。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤中の塩素酸塩の濃度は、約0.1mM〜約10mMである。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤中の塩素酸塩の濃度は、約1mM〜約5mMである。
【0056】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約12.0より大きくないpHを有する。幾つかの変法において、製剤のpHは、約11.5、約11.0、約10.5、約10.0、約9.5、約9.0、約8.5、約8.0、約7.5、約7.0、約6.5または約6,0より大きくない任意である。幾つかの変法において、製剤のpHは、約11.5より大きくない。幾つかの変法において、製剤のpHは、約10.5より大きくない。幾つかの変法において、製剤のpHは、約8.5より大きくない。幾つかの変法において、製剤のpHは、約7.5より大きくない。幾つかの変法において、製剤のpHは、約7〜約12の任意の1つ以上、約7〜約11.5、約7〜約10.5、約7〜約10、約7〜約9.5、約7〜約9.0、約7〜約8.5、約7〜約8.0、約7〜約7.5、約7.5〜約8、約7.5〜約8.5、約7〜約8、約8〜約9、約7.0〜約8.5、約8〜約8.5、約8.5〜約9、約7.1〜約7.7、約7.2〜約7.6、約7.3〜約7.4、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8または約8.9である。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約7.0〜約9.0のpHを有する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約7.0〜約8.5のpHを有する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約6.0〜約8.5のpHを有する。幾つかの変法において、約7.0〜約8.0のpHを有する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約7.4のpHを有する。
【0057】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、以上に記載したpHを有し、非経口、全身または静脈内投与の任意の1つ以上のために製剤化される。
【0058】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、以上に記載したpHを有し、本明細書に記載した百分率での亜塩素酸塩純度を有する。
【0059】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、以上に記載したpHを有し、本明細書に記載した亜塩素酸塩の濃度を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した水性製剤は、約7〜約11.5、約7.0〜約10、または約7.0〜約9.0、または約7.0〜約8.5、または約7.1〜約7.7のpHを有し、約1〜約100mMの亜塩素酸塩濃度を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した水性製剤は、約7〜約11.5、または約7.0〜約10、または約7.0〜約9.0、または約7.0〜約8.5、または約7.1〜約7.7のpHを有し、約1〜約5mMの亜塩素酸塩の濃度を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した水性製剤は、約7〜約11.5、または約7.0〜約10、または約7.0〜約9.0、または約7.0〜約8.5、または約7.1〜約7.7のpHを有し、約50〜約80mMの亜塩素酸塩の濃度を有する。
【0060】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載した水性製剤は、約7〜約11.5、または約7.0〜約10、または約7.0〜約9.0、または約7.0〜約8.5、または約7.1〜約7.7のpHを有し、pHは、任意の1つ以上のリン酸塩または酢酸であるpH調整剤で調整する。
【0061】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、または少なくとも約6ヶ月間の任意の期間にわたり、1以上のpHまたは亜塩素酸分解に関して安定である。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、任意の少なくとも約1週間の期間にわたり、pHまたは亜塩素酸塩分解の1つ以上に関して、安定である。任意の少なくとも約1ヶ月の期間にわたり、pHまたは亜塩素酸塩分解の1つ以上に関して安定であるものが本明細書に記載されている。幾つかの変法において、本明細書に記載された製剤は、室温、冷蔵条件、または約4℃のうちの1つ以上において、pHまたは亜塩素酸塩分解の1つ以上に関して安定である。幾つかの変法において、本明細書に記載された製剤は、減光下、または製剤が受ける光の量を制限する容器中での保存下、pHまたは亜塩素酸塩分解の1つ以上に関して安定である。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、暗所での保存時、pHまたは亜塩素酸塩分解の1つ以上に関して安定である。本明細書において安定したpHの例は、製剤のpHが、初回調製の製剤のpHと比べて、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、または約1のいずれかを下回るまで変化することを意味する。幾つかの変法において、製剤のpHは、初回調製の製剤と比べて、約0.2以下まで変化する。pHは、例えばpH計測器を用いて測定してもよい。安定亜塩素酸塩製剤の例には、初回調製の製剤中に存在する亜塩素酸塩の量と比較して、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約0.6%未満、約0.7%未満、約0.8%未満、約0.9%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、または約10%未満の任意の亜塩素酸塩が非亜塩素酸イオンに分解するものが含まれる。幾つかの変法において、初回調製の製剤中に存在する亜塩素酸塩の量と比較して、約2%未満の亜塩素酸塩が、非亜塩素酸塩化合物に分解する。幾つかの変法において、初回調製の製剤中に存在する亜塩素酸塩の量と比較して、約0.5%未満の亜塩素酸塩が、非亜塩素酸塩化合物に分解する。非亜塩素酸塩要素の存在は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)、質量分析器、または当業者に公知の他の方法を用いて測定してもよい。
【0062】
幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約5重量%より大きくない任意が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.1%、約0.05%または約0.02%より大きくない任意を含む。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約4%より大きくない任意が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約2%より大きくない任意が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約0.5%より大きくない任意が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤には、他の市販の製剤の有害非亜塩素酸塩要素の約0.05%より大きくない任意が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤は、他の市販の製剤の有害な非亜塩素酸塩要素を実質的に含まない。非亜塩素酸塩成分の検出方法の非限定例には、HPLC、例えば移動相として、3.6mM炭酸ナトリウム、5μ、250×4.0mm、流速0.8mL/分での、Novosep A2カラムを用いるSPCS、例えば、移動相として、2.1mM NaHCO3/1.6mM Na2CO3、100×4.6mm、流速2.0mL/分で、Novosep A2カラムを用いる、SD−Plus Suppressor、移動相として2.1mM NaHCO3/1.6mM Na2CO3、100×4.6mm、流速2.0mL/分を用いる、Allsep A2アニオンカラム、移動相として10%メタノール中2.8mM NaHCO3:2.2mM Na2CO3、5μ、150×4.6mm、流速1.4mL/分を用いて、アニオンHCカラムが含まれる、または移動相として2.1mMNaHCO3/1.6mMNa2CO3、5μ、100×4.6mm、流速1.0mL/分のAllsep A2アニオンカラムが含まれる。例えば、詳細に関して、Alltech Associates,Inc.のGrace Davison製品群および製品情報を参照のこと。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤には、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%より多くない量の、WF10またはこの希釈液として製剤した亜塩素酸塩の等重量/体積パーセント中に存在する亜塩素酸塩イオンおよび硫酸塩イオンからなる、または任意の1つ以上の群のメンバーが含まれる。すなわち、幾つかの実施形態において、本明細書に記載した非WF10製剤が、特定のパーセントw/vの亜塩素酸塩を含む場合、このような製剤は、WF10またはこの希釈液中の特定の非亜塩素酸塩製剤の1つ以上の量のおよそ言及したものより大きくない百分率を含み、WF10またはこの希釈液は、比較している非WF10製剤にて見られるのと同様のパーセントw/vを含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等重量/体積パーセント中に存在する亜塩素酸イオンおよび硫酸イオンからなる、または任意の1つ以上の群のメンバーの、およそ75%より大きくない量を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等重量/体積パーセント中に存在する亜塩素酸イオンおよび硫酸イオンからなる、または任意の1つ以上の群のメンバーの、およそ85%より大きくない量を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤は、WF10として製剤した亜塩素酸塩の等重量/体積パーセント中に存在する亜塩素酸イオンおよび硫酸イオンからなる、または任意の1つ以上の群のメンバーの、およそ50%より大きくない量を含む。
【0063】
WF10が、100:35.7(4.25%〜1.5%)の亜塩素酸塩の塩素酸塩に対する比、100:45.5(4.25%〜1.9%)の亜塩素酸塩の塩化物に対する比、および100:16.4(4.25%〜0.7%)の亜塩素酸塩の硫酸塩に対する比を含むことが報告されていることが、WF10の添付文書物より理解可能である。
【0064】
有害非亜塩素酸塩成分の例には、生理系に投与した時に副次的反応を引き起こす非亜塩素酸塩成分が含まれる。幾つかの変法において、有害非亜塩素酸塩成分は、当該技術分野で公知のインビトロまたはインビボアッセイの1つ以上において、1つ以上の毒性の徴候に関連するか、またはヒト被検体を限定はしないが含む、被検体を限定しないが含む生理系に投与したときに1つ以上の毒性の徴候に関連する。有害非亜塩素酸塩成分には、限定はしないが、硫酸塩、二酸化塩素、塩素酸塩およびホウ酸塩が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、WF10の有害非亜塩素酸塩要素を実質的に含まない。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、硫酸および塩素酸塩イオンを実質的に含まない。
【0065】
幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、約1.9%未満の塩化物イオンを含む。幾つかの変法において、約1.9重量%未満、約1.8重量%未満、約1.5重量%未満、約1.0重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、約0.01重量%未満、約0.001重量%未満、約0.001〜約0.1重量%、約0.1〜約0.5重量%、約0.5〜約1.0重量%、約1.0〜約1.5重量%、または約1.5〜約1.8重量%の塩化物イオンの任意を含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.5重量%未満の塩化物イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.24重量%未満の塩化物イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.2重量%未満の塩化物イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.1重量%未満の塩化物イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、塩化物イオンを実質的に含まない。幾つかの変法において、塩化物イオンのレベルは、HPLCを用いた検出のレベル以下である。
【0066】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約1.5%未満の塩素酸塩イオンを含む。さらなる変法において、亜塩素酸塩製剤は、約1.4%未満、約1.3%未満、約1.0%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、約0.1%未満、約0.01%未満、約0.001%未満、約0.001〜約0.1%、約0.001〜約0.01%、約0.01〜約0.1%、約0.1〜約0.5%、約0.5〜約1.0%、または約1.0〜約1.4%の塩素酸塩イオンの任意を含む。幾つかの実施態様において、亜塩素酸塩製剤は、塩素酸塩イオンを実質的に含まない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.5重量%未満の塩素酸塩イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、塩素酸塩イオンを実質的に含まない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.19重量%未満の塩素酸塩イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.1重量%未満の塩素酸塩イオンを含む。幾つかの変法において、塩素酸塩イオンのレベルは、HPLCを用いた検出のレベルより低い。
【0067】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.7%未満の硫酸塩イオンを含む。さらなる変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.65%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、約0.08%未満、約0.07%未満、約0.06%未満、約0.05%未満、約0.005%未満、約0.0005%未満、約0.001〜約0.1%、約0.01〜約0.1%、約0.01〜約0.5%、約0.06〜約0.08%、または約0.5〜約0.65%の硫酸塩の任意のイオンを含む。幾つかの実施態様において、亜塩素酸塩製剤は、約0.5〜約0.65%の硫酸塩イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、硫酸塩イオンを実質的に含まない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.5重量%未満の硫酸塩イオンを含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、硫酸塩イオンを実質的に含まない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、約0.08重量%未満の硫酸塩イオンを含む。幾つかの変異体において、硫酸塩イオンは、HPLCを用いる検出のレベル以下である。
【0068】
幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤には、リン酸塩イオンが含まれる。幾つかの変法において、本発明の記載した亜塩素酸塩製剤には、ナトリウムイオンが含まれる。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤には、亜塩素酸塩、水性溶媒、ナトリウムおよびリン酸イオンが含まれる。幾つかの変法において、水性溶媒は、基本的に水を含む。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、基本的に、亜塩素酸塩、水、ナトリウムおよびリン酸塩からなり、実質的に塩素酸塩を含まない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は、基本的に、亜塩素酸塩、水、ナトリウムおよびリン酸塩からなり、実質的に塩素酸塩を含まず、さらに医薬的に許容される希釈液を含むさらなる変法において、医薬的に許容される希釈液は、生理食塩水溶液である。
【0069】
幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、約10重量%より多くない市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する副産物または不純物を含む。市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する副産物または不純物の非限定例には、塩素酸塩、硫酸塩、二酸化塩素、塩化物、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、約15重量%、約12重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、約1重量%、約0.5重量%、約0.3重量%、約0.1重量%、約0.1〜約5重量%、約5〜約10重量%、または約10〜約15重量%より大きくはない任意の、1つ以上の塩素酸塩または硫酸塩を含む、市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する1つ以上の分解産物または不純物を含む。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、約0.5重量%より大きくはない1つ以上の塩素酸塩または硫酸塩を限定はしないが含む、市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する1つ以上の分解産物または不純物を含む。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、約5重量%より大きくはない1つ以上の塩素酸塩または硫酸塩を限定はしないが含む、市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する1つ以上の分解産物または不純物を含む。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、1つ以上の塩素酸塩または硫酸塩を限定はしないが含む、市販の工業銘柄亜塩素酸塩中に存在する1つ以上の分解産物または不純物を実質的に含まない。
【0070】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、非局所、全身、非経口または静脈内投与に限定はしないが含む、少なくとも1つの本明細書に記載した投与経路によって投与する場合、同一の濃度の亜塩素酸塩にて、すでに報告された亜塩素酸塩製剤よりも被検体に対する毒性は少ない。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤の毒性は、周知の毒性試験を含む、インビボまたはインビトロ毒性試験を用いて、毒性に関して解析する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤を、以下の実施例4での、非特異的インビトロ毒性試験を用いて、毒性に関して解析する。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、以下の実施例4での、非特的インビトロ毒性試験を用いて、WF10として製剤した亜塩素酸塩と同一の濃度と比較して、非特異的毒性が減少したことを示している。幾つかの変法において、減少した非特異的毒性は、以下の実施例4での非特異的インビトロ毒性試験を用いて、同一の濃度の亜塩素酸塩において、より低い程度の細胞死である。
【0071】
他の変法において、毒性は、他の市販の亜塩素酸塩製剤の投与と比較して、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤の投与後、被検体中の毒性の種々の反応徴候に従って測定する。幾つかの変法において、毒性を、WF10として製剤した亜塩素酸塩の全身投与に関して測定する。他の変法において、毒性を、被検体にWF10として製剤した亜塩素酸塩の静脈内投与に関して測定する。幾つかの変法において、毒性を、ヒト被検体を限定はしないが含む哺乳動物被検体への投与後に測定する。幾つかの変法において、毒性を、1つ以上の、消化管に限定はしないが含む、亜塩素酸塩製剤を曝露した表面に対する刺激、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、溶血、メトヘモグロビン血症、チアノーゼ、無尿症、昏睡、痙攣、肝臓障害、腎臓障害、食欲不振または体重減少をもって目安とする。幾つかの変法において、毒性は、1つ以上の無力症、注射部位疼痛、頭痛、鼻炎または下痢をもって目安とする。例えば、この全てが本明細書中に参考として援用されている、McGrath MS,Development Of WF10,A Novel Macrophage−Regulating Agent,Curr Opin Investig Drugs,3(3):365−73(Mar.2002)を参照のこと。他の変法において、毒性は、貧血をもって目安とする。Kempf et al.,Comparative Study On The Effect Of Chlorite Oxygen Reaction Product TCDO(Tetrachlorodecaoxygen)And Sodium Chlorite Solution (NaClO2)With Equimolar Chlorite Content On Bone Marrow And Peripheral Blood Of BDIX Rats,Drugs Under Experimental and Clinical Research.19(4):165−1(1993)。幾つかの変法において、毒性は無力症をもって目安とする。幾つかの変法において、毒性は、注射部位反応をもって目安とする。幾つかの変法において、毒性は、注射部位疼痛をもって目安とする。
【0072】
医薬的製剤
文脈において別段の記載がない限り、本明細書に記載した任意の製剤は、本明細書に記載した任意の医薬的製剤中で使用してもよい。
【0073】
幾つかの変法において、本明細書に記載した医薬的製剤は、被検体への投与に好適である。「被検体への投与に好適である(suitable for administration to a subject)」によって、新規に開封した瓶から得、所望の経路を介して投与した場合に、医薬的製剤が引き起こす有害な副作用が、臨床的に許容可能なレベルより大きくないことを意味する。
【0074】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤はさらに、生理食塩水溶液を含む。本明細書において生理食塩水溶液は、生理学的に許容可能なレベルの塩化ナトリウムを含む、生理学的に許容可能な溶液を意味する。幾つかの実施形態において、生理食塩水は等張性である。
【0075】
1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬的に許容される亜塩素酸塩製剤が本明細書に記載されている。本明細書において、賦形剤は、医薬的製剤の任意の非亜塩素酸塩、非水、または非生理食塩水成分を意味する。賦形剤には、限定はしないが、当業者に公知であり、本明細書でさらに記載される、これらの組合せを含む、担体、アジュバント、希釈液、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液、保存剤、香味料、不活性成分、ゲル製剤、浸食性および非浸食性ポリマー、ミクロスフィア、リポソームなどが含まれる。幾つかの変法において、製剤または医薬的製剤の総体積あたりの賦形剤の重量割合は、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%または約0.05%の任意より大きくない。幾つかの変法において、製剤または医薬的製剤の総体積あたりの賦形剤の重量割合は、約1%より大きくない。幾つかの変法において、製剤または医薬的製剤の総体積あたりの賦形剤の重量割合は、約3%より大きくない。
【0076】
以下は、製薬技術分野において一般に使用されている賦形剤の非限定および非排他的なリストである。これらの賦形剤は、静脈内、経口、筋肉内または非経口投与のために製剤したものを含む、種々の種類の製剤中で一般に使用される。亜塩素酸塩の反応性を考慮すると、以下で列記した賦形剤の幾つかが、該医薬的製剤に対して不適切であり得る。特定の賦形剤が該医薬的製剤のための不適であるか否かは、医薬的製剤に添加されている賦形剤の量に依存し得る。本明細書に記載された賦形剤を限定はしないが含む、1つ以上の任意の賦形剤を亜塩素酸塩の医薬的製剤に添加する前に、亜塩素酸塩との賦形剤の反応性を考慮することが大切である。一般に使用される有機分子は、亜塩素酸塩への賦形剤の曝露の前に、医薬的製剤の毒性が高まることになる変化を限定はしないが含む、賦形剤が変化する方法において、亜塩素酸塩と反応する。幾つかの変法において、本明細書に記載の医薬的製剤は、1つ以上の亜塩素酸塩と反応しない医薬的に許容される賦形剤を含む。他の変法において、本明細書に記載した医薬的製剤は、賦形剤の曝露の前と比較して、医薬的製剤の治療的効果を減少させない、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む。
【0077】
他の変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、他の市販の亜塩素酸塩製剤の1つ以上の有害な非亜塩素酸塩要素を生成しない、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、賦形剤を含み、他の市販の亜塩素酸塩製剤の1つ以上の有害な非亜塩素酸塩要素を実質的に含まない。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、賦形剤を含み、本明細書に記載した、1つ以上の他の市販の亜塩素酸塩製剤の分解産物または不純物を実質的に含まない。
【0078】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤は安定剤を含む。安定化剤には、限定はしないが、任意に(1)ガラス瓶またはゼラチン等のカプセル化物質を含む、容器との賦形剤の適合性を向上させる、(2)亜塩素酸塩の安定性を向上させる(例えば、分解を防止する)、または(3)製剤の安定性を向上させる、薬剤を含む。
【0079】
安定化剤は、例えば脂肪酸類、脂肪アルコール類、アルコール類、長鎖脂肪酸エステル類、長鎖エーテル類、脂肪酸類の親水性誘導体、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルエーテル類、ポリビニルアルコール類、炭化水素類、疎水性ポリマー類、湿気吸収ポリマー類、およびこれらの組合せから選択し得る。安定化剤のアミド類似体もまた使用可能である。選択した安定化剤は、製剤の疎水性を変化させる(例えば、オレイン酸、ワックス)、または製剤中の種々の成分の混合を向上させる(例えば、エタノール)、製剤中の湿度レベルを調節する(例えば、PVPまたはポリビニルピロリドン)、相の移動性を制御する(長鎖脂肪酸塩、アルコール類、エステル類、エーテル類、アミド類など、またはこれらの混合物のような室温より高い融解点を有する物質、ワックス)、および/またはカプセル化物質との製剤の適合性を向上させる(例えば、オレイン酸またはワックス)。これらの安定化剤の幾つかは、溶媒/共溶媒(例えば、エタノール)として使用してもよい。安定化剤は、亜塩素酸塩分解を阻害するのに十分な量で存在し得る。
【0080】
本明細書に記載した製剤は、1つ以上の、ゲル化剤または放出改変剤を含んでよい。
【0081】
本明細書に記載した製剤は、指定した投与経路に対して適切な1つ以上のアジュバントを含んでよい。再び、任意の賦形剤の本明細書に記載した製剤への添加の前に、亜塩素酸塩の反応性が、得られる医薬的製剤が、所望の投与経路を介した投与において適切であるかどうかに関して考慮されるべきである。治療薬と混合してもよいアジュバントには、限定はしないが、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカノン酸のセルロースエステル類、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アカシア、ゼラチン、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、および/またはポリビニルアルコールが含まれる。可溶化製剤が必要な場合、治療薬は、種々の分子量のポリエチレングリコール、種々の分子量のプロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、メタノール、エタノール、DMSO、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガム、および/または種々の緩衝液を含む溶媒中であってもよい。他のアジュバントおよび投与経路が、製薬技術分野でよく知られており、本明細書に記載した方法および製剤の実施において使用してもよい。担体または希釈液には、グリセリル一ステアリン酸またはグリセリル二ステアリン酸のみ、またはワックスとのような時間遅延物質、または当該技術分野で周知の他の物質を含んでよい。本明細書に記載した利用のための製剤にはまた、ゲル形成、浸食性および非浸食性ポリマー、ミクロスフィアおよびリポソームが含まれてもよい。
【0082】
製薬技術分野で通常利用される添加物および希釈液を、任意に医薬組成物および液体製剤に添加することができる。これらには、濃化剤、整粒剤、分散剤、香味料、甘味料、着色料およびpH安定化剤を含む安定化剤、他の賦形剤、抗酸化剤(例えば、トコフェロール、BHA、BHT、TBHQ、酢酸トコフェノール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸プロピル没食子酸塩など)、保存剤(例えば、パラベン類)などが含まれる。例示的な保存剤には、限定はしないが、ベンジルアルコール、エチルアルコール、塩化ベンズアルコニウム、フェノール、クロロブタノールなどが含まれる。幾つかの抗酸化剤は、酸素または過酸化物阻害剤を提供し、本明細書に記載した製剤中で使用していてもよく、限定はしないが、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、プロピル没食子酸塩、アスコルビン酸パルミチン酸塩、α−トコフェロールなどが含まれる。レシチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸アルミニウム等の濃化剤を、所望により、例えば、質感のような、製剤の1つ以上の品質を向上させるために使用してもよい。
【0083】
幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は無菌である。滅菌は、亜塩素酸に適合可能な任意の方法によって可能である。幾つかの変法において、滅菌は、多量の亜塩素酸塩の分解産物を生成しない方法を介してである。幾つかの変法において、滅菌は、亜塩素酸塩中の構造変化を引き起こさない方法を介してである。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、非経口または静脈内投与のための無菌医薬的製剤である。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、例えば無菌0.22ミクロンフィルターを介して、滅菌ろ過される。
【0084】
幾つかの変法において、製剤または医薬的製剤は、無菌ろ過可能である。幾つかの変法において、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、1つ以上の本明細書に記載した投与経路による投与のために製剤される。本明細書で使用するように、特定の投与経路によって「投与のために製剤した(formulated for administration)」製剤は、当業者によって投与経路に不適切と考えられる薬理賦形剤を含まない製剤である。1つの例として、静脈内投与のための好適な製剤は、局所投与のために意図された歯磨き粉賦形剤または担体を含まず、賦形剤または担体は、当業者によって特定の投与経路に対して不適切と考えられる。
【0085】
亜塩素酸塩を精製する方法
亜塩素酸塩を精製する方法が本明細書に記載される。本明細書に記載される方法を、本明細書に記載する製剤または医薬的製剤を生成するために使用可能であることが意図される。しかしながら、本明細書に記載する製剤または医薬的製剤はまた、他の方法によって生成していてもよく、本明細書に記載する製剤または医薬的製剤は、本明細書に記載する方法によって生成されたものに限定はされない。
【0086】
幾つかの変法において、精製は、亜塩素酸塩が溶液中であるが、1つ以上の不純物が不溶性である条件に、亜塩素酸塩を含む混合液を供することによってである。亜塩素酸塩を、不溶性不純物から分離する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩をさらに、混合液からの亜塩素酸塩の結晶化によって精製し、亜塩素酸塩を残っている混合液から分離する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、亜塩素酸ナトリウムを含む混合液から精製する。
【0087】
一般に、亜塩素酸塩イオンは、亜塩素酸塩を含む任意の供給源からであってもよい。例えば、亜塩素酸塩は、例えばアルカリ金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの、亜塩素酸塩であるか、または亜塩素酸塩の混合物であってもよい。または、亜塩素酸塩の供給源は、亜塩素酸塩を含む製剤からであってもよい。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、TCDOまたはWF10を含む製剤から精製する。他の変法において、亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウムを含む溶液からである。
【0088】
幾つかの変法において、限定はしないが不純亜塩素酸ナトリウムを含む不純亜塩素酸塩を、溶媒または溶媒系中に溶解する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩が溶解する任意の溶媒を使用する。他の変法において、亜塩素酸塩が溶解し、亜塩素酸塩が反応しない任意の溶媒を使用する。幾つかの変法において、溶媒は、蒸留水である。幾つかの変法において、溶媒は、非有機溶媒である。
【0089】
幾つかの変法において、不純亜塩素酸ナトリウムは、開始物質の質量あたり約0.1%〜約99%である。亜塩素酸塩開始物質の純度の非限定例として、亜塩素酸塩は、出発物質の重量あたり、約0.1%〜約5%、約1%〜約5%、約4%〜約10%、約1%〜約15%、約15%〜約25%、約5%〜約25%、約25%〜約50%、約50%〜約75%、約75%〜約85%、約85%〜約95%、約60%〜約90%、約95%〜約99%、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、または少なくとも約95%純度のいずれかである。不純亜塩素酸塩が溶媒中である場合、パーセント純度は、非溶媒成分と相対的である。幾つかの変法において、亜塩素酸塩は、約75%〜約85%の純度である。幾つかの変法において、亜塩素酸塩は、約85%〜約95%の純度である。幾つかの変法において、亜塩素酸塩は、少なくとも約85%純度である。
【0090】
幾つかの変法において、少量の過酸化水素を溶解した亜塩素酸塩に添加する。理論にしばられるつもりはないが、少量の過酸化水素の添加が、塩素酸ナトリウムを亜塩素酸ナトリウムに還元し得る。所望により、反応しない過酸化水素をついで除去してもよい。幾つかの変法において、過酸化水素を、亜塩素酸塩の初期溶解段階の後に添加し、ついでろ過によって、例えば遠心ろ過によって除去する。
【0091】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩の不純溶液を、亜塩素酸塩が可溶性で残るが、1つ以上の不純物がもはや溶解しない条件に供する。1つのこのような方法が、この全てが本明細書中に参考として援用されている、ロシア特許第SU327132号に記載されている。幾つかの変法において、不純溶液を、1つ以上の不純物が沈殿するまで温度を上げて濃縮する。沈殿した不純物が、限定はしないが、塩素酸塩、塩化物および硫酸塩を含み得ることが想定される。幾つかの変法において、不純溶液を、約60〜約100℃、約65〜約75℃、約60〜約80℃、約60〜約100℃、約70〜約90℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃のいずれかである温度で濃縮する。幾つかの変法において、不純溶液は、約65〜約70℃の温度で濃縮する。
【0092】
特定の変法において、不純溶液を、本明細書に記載した方法を用いて、減圧下で濃縮する。当業者は、限定はしないが濃縮の吸引の適用を含む減圧を提供するための様々な好適な技術を熟知している。
【0093】
亜塩素酸塩溶液が濃縮される程度は変化し得る。幾つかの変法において、懸濁液中の固体の液体総体積比は、約1部分〜約12部分より大きくない。1つの非限定例として、亜塩素酸塩の開始溶液からの少なくとも50%水除去が、溶液中に亜塩素酸塩が残っている一方で、不純物、例えば有意な量の亜塩素酸塩および/または塩素酸塩の除去となることが示されてきた。1つ以上の不純物をその後亜塩素酸塩から分離する。幾つかの変法において、不純物を、混合液を亜塩素酸塩が可溶性の状態であるが、1つ以上の不純物はもはや可溶性でない条件に供した状態で除去する。不純物を除去する1つの方法はろ過によってである。ろ過を使用する場合、ろ過に際した温度は、例えば濃縮を実施した温度と同様である高温であってもよい。ろ過を使用する幾つかの変法において、ろ過は濃縮後すぐに実施する。濃縮した亜塩素酸塩溶液は、80重量%以上の純度の亜塩素酸塩を含む。濃縮溶液中の亜塩素酸塩の純度は、85重量%より大きい〜90重量%より大きい純度であり得る。
【0094】
得られた亜塩素酸塩溶液は任意に再び、亜塩素酸塩が可溶性であるが、1つ以上の不純物がもはや可溶性ではない条件に供してもよい。条件は、最初の精製において減少したのと同一の、または異なる不純物を減少させるために最適化してもよい。
【0095】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、亜塩素酸塩が可溶性ではないが、不純物が可溶性である条件に供する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、溶液から結晶化するように亜塩素酸塩を誘導することによって精製する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、本明細書に記載する方法によって調製した濃縮濾液から結晶化するように誘導する。1つの非限定例として、亜塩素酸塩を、亜塩素酸塩溶液を冷却することによって結晶化するように誘導してもよい。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、約10℃より高くない、約0℃より高くない、約−10℃より高くない、約−20℃より高くない、約−30℃より高くない、約−40℃よりたかくない、約−15℃〜約−35℃、約−20℃〜約−30℃、約10℃、約0℃、約−10℃、約−15℃、約−20℃、約−25℃、約−30℃、約−35℃、約−40℃の任意である温度への、亜塩素酸塩溶液の曝露によって、結晶化するように誘導する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、約−20℃より高くない温度に亜塩素酸塩溶液を曝露することによって、結晶化するように誘導する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、約−20℃〜約−30℃の温度への亜塩素酸塩溶液の曝露によって、結晶化するように誘導する。
【0096】
一般に、亜塩素酸塩を、徐々に冷却する環境への段階的設定のような異なる速度で冷却していてもよく、または亜塩素酸塩製剤を単一の冷却環境内に配置してもよい。亜塩素酸塩製剤を、例えば12〜24時間の間隔にわたり冷却してもよい。より長い、またはより短い期間を使用してもよい。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤を、約12〜約14、約14〜約16、約16〜約18、約18〜約20、約20〜約22、または約22〜約24時間の期間にわたって冷却する。
【0097】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩を、亜塩素酸塩固体を含む混合液から回収する。固体は、ろ過に限定はしないが含む、当業者に公知の種々の方法によって回収する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩固体を、亜塩素酸塩固体を結晶化するまで冷却した亜塩素酸塩を含む混合液から回収する。
【0098】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩を含む凍結混合液が融解するため、亜塩素酸塩固体を含む混合液をろ過する。ろ過が特定化される場合、当業者が適切なろ過の方法を決定することが可能である。幾つかの変法において、吸引ろ過を使用して、混合液から亜塩素酸塩固体を分離する。亜塩素酸塩固体は、スラッシュの形態であり得る。他の変法において、遠心ろ過を使用して、混合液から亜塩素酸塩固体を分離する。遠心ろ過、亜塩素酸塩固体を含む混合液中に残っている水が融解し、除去可能であり、一方で、亜塩素酸塩固体はフィルターに結合した状態である。幾つかの変法において、遠心ろ過を、50ミクロンフィルターを用いて、1200rpmにて実施する。幾つかの変法において、フィルターは約50〜約250ミクロンである。幾つかの変法において、rpmは約1000〜約3600である。他の変法において、重力を利用して、固体を混合液の残りから分離する。得られた亜塩素酸塩固体は、水和形態であり得る。
【0099】
亜塩素酸塩は、任意に、上記のまたは異なる方法によって再結晶していてもよい。幾つかの変法において、亜塩素酸塩を再結晶して、最初の再結晶と比較して純度が上昇した亜塩素酸塩を得る。
【0100】
亜塩素酸塩が、約70%より大きい、約80%より大きい、約85%より大きい、約90%より大きい、約95%より大きい、約99%より大きい、約70から80%、約80〜90%、約90〜99%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%のいずれかの純度である、亜塩素酸塩を含む混合液が本明細書に記載されている。水を限定はしないが含む溶媒が存在する場合、パーセント割合は、非溶媒成分と相対的である。亜塩素酸塩が約70〜80%純度である、亜塩素酸塩を含む混合液が本明細書に記載される。亜塩素酸塩が約80〜90%純度である、亜塩素酸塩を含む混合液が本明細書に記載される。
【0101】
精製した亜塩素酸塩を、水性溶媒中に溶解して、所望の濃度または重量モル濃度の亜塩素酸塩溶液を得てもよい。1つの例として、精製した亜塩素酸塩を、蒸留水または生理食塩水溶液、または任意の溶媒、溶媒の混合液、または亜塩素酸塩を溶解可能な溶媒系、または被検体への投与において医薬的に許容される溶媒中に溶解してもよい。このような溶媒は、当業者によって容易に同定される。例えば、この全てが本明細書中に参考として援用されている、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Twentieth Edition,Lippincott Williams & Wilkins;20th edition(2000年12月15日)を参照のこと。幾つかの変法において、溶媒は水である。得られた亜塩素酸塩溶液には、90重量%より高い純度の亜塩素酸塩イオンが含まれ得る。幾つかの変法において、溶液中の亜塩素酸の純度は、95%より高い純度亜塩素酸塩イオンまたは99重量%より高い純粋な亜塩素酸塩イオンであり得る。精製した亜塩素酸塩を水中に、およそ1M濃度まで溶解する1つの変法において、溶液は、例えば約pH8.5〜約pH10のpHを含み得る。
【0102】
または、亜塩素酸塩を、限定はしないが、亜塩素酸塩を懸濁可能な任意の懸濁培地、または被検体への投与において医薬的に許容される懸濁培地を含む、懸濁培地中に懸濁してもよい。このような懸濁培地は、当業者によって容易に同定される。例えば、以上で引用した、Remingtonを参照のこと。
【0103】
簡単に記すと、本明細書で開示した亜塩素酸塩を含む製剤を調製する1つの方法を、(a)亜塩素酸溶液を、60℃〜約100℃の温度で濃縮することにより、不純物が溶液より沈殿すること、(b)ろ過によって濃縮した溶液から不純物を除去すること、(c)濃縮した溶液から、亜塩素酸塩の結晶化を誘導すること、(d)ろ過によって、得られた亜塩素酸塩固体を回収すること、および(e)水性溶媒中で、亜塩素酸塩固体を溶解すること、の段階を介して実施可能である。幾つかの変法において、得られた亜塩素酸塩の水性製剤が、少なくとも80%亜塩素酸塩、少なくとも85%亜塩素酸塩、少なくとも90%亜塩素酸塩、少なくとも95%亜塩素酸塩または少なくとも99%亜塩素酸塩の純度を含むことが意図される。
【0104】
亜塩素酸塩をまた、限定はしないが、亜塩素酸塩を乳化可能な任意の乳化系、または薬理学的に許容可能である乳化系を含む、乳化系中で乳化してもよい。このような乳化系は、当業者によって容易に同定される。例えば、以上で引用したRemingtonを参照のこと。
【0105】
医薬品製造管理および品質管理基準(GMP)製剤および方法
一般に他の態様において、本発明は、多くの国々において成立している、GMP(医薬品製造管理および品質管理基準)とよばれる、医薬品の製造および製品管理に関連する基準の下で調製した亜塩素酸塩を提供する。GMPは、ヒトの生命を決定し得る医薬品の重要性において、医薬品の製造において最適な器具および環境を維持するため、および医薬品および物質の製造、パッケージ、表示および保存を含む全ての製造実施を処理するために、化学解析等の品質管理を実施する必要があることを明記している。GMPはさらに、連邦食品・医薬品・化粧品法の規制の下、米国食品医薬品局によって公布された、医薬品製造管理および品質管理基準を意味する。GMPはまたしばしば、「cGMP」として呼ばれる。「c」は、「現在」を意味し、規則に従うために最新である技術および系を使用すべきである製造に留意させる。20年前には「最高級品」であったかもしれない、汚染、混合、およびエラーを防止するために使用していた系および器具は、現在の基準では適切でない可能性がある。
【0106】
従って、GMPは、医薬品の製造に関して、当業者に周知である。本明細書に記載する組成物および方法は、GMPまたはcGMP下で製造し、実施可能であることが意図される。
【0107】
pHに対して感受性である製剤のpHを調整する方法
亜塩素酸塩を含む製剤および医薬的製剤のpHを調整する方法が当該技術分野に記載されている。本明細書に記載された方法を、本明細書に記載された製剤または医薬的製剤を生成するために使用可能であることが意図される。しかしながら、本明細書に記載した製剤および医薬的製剤をまた、他の方法によって生成していてもよく、本明細書に記載した製剤および医薬的製剤は、本明細書に記載した方法によって生成されるものに限定はされない。
【0108】
幾つかの化合物または製剤が、高い局所酸性またはアルカリ性に対して感受性である。また、このような化合物または製剤のpHを調整することが望まれ得る。高い局所酸性またはアルカリ性に対して感受性である製剤のpHを調整する方法が本明細書に記載されている。好ましいpH調整剤(類)またはpH調整化合物(類)は、約4〜約9のpKa、約5〜約9のpKa、または約5〜約8のpKa、または約6〜約7.5のpKaを有する、弱酸性または弱アルカリ性である。例には、限定はしないが、当該技術分野で周知の、約4〜約9のpKaを有するリン酸緩衝液、例えば一塩基リン酸塩またはリン酸一ナトリウム、および低級アルカン酸、例えば酢酸またはプロピオン酸が含まれる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7〜約11.5に低下させる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7〜約10に低下させる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7〜約9.5に低下させる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7〜約9.0に低下させる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7〜約8.5に低下させる。幾つかの変法において、製剤を、pH調整化合物の周りの領域の高い局所酸性を限定しないが含む、酸性に曝露することのない、pH調整化合物を用いて、酸性に感受性である製剤のpHを、約7.1〜約7.7に低下させる。
【0109】
本明細書において「高い局所酸性(high local acidity)」は、例えばpHメーターを用いて測定した、溶液の全体的な酸性に対抗する、亜塩素酸塩分子に対する局所の1つ以上の分子のpKaを意味する。pH調整剤が、亜塩素酸塩を高い局所酸性に供するかどうかを決定するために、pH調整剤のpKaを、例えば、CRC Handbook of Chemistry and Physics(86th Edition,David R.Lide ed.,CRC Press,2005)を用いて同定可能である。
【0110】
亜塩素酸塩製剤のpHを低下させることは、多くのpH調整剤が、化合物または製剤を、pH−調整化合物の分子の局所領域中の高い酸性に曝露するため、興味をそそられてきた。高い局所酸性の存在下、多少の量の非亜塩素酸塩化合物、例えば塩素酸塩および/または二酸化塩素が産生される。例えば、この全てが本明細書中に参考として援用されている、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.A6,Ed. Eolfgang Gerhartz,5th Ed.(1986)を参照のこと。このような分解産物は、例えば、生理系において不活性ではないため、生理系への非経口または全身投与のための製剤において望ましくない。このような分解産物の幾つかは、本明細書に記載した非特異的毒性を限定はしないが含む、毒性群を限定はしないが含む、毒性をもたらす。
【0111】
文脈が明らかにしない限り、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤の任意のpHを、本明細書に記載した方法を用いて調整していてもよい。
【0112】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩を限定はしないが含む、治療薬の活性は、高い局所酸性への曝露によって減少する。本明細書において「減少した活性(diminished activity)」は、高い局所酸性に曝露する前の治療的薬物の活性に対して、定量的または定性的に下位である、治療薬の活性を意味する。1つの例として、高い局所酸性に曝露する前の治療的薬物の活性に対して、定量的または定性的に下位である変化した活性は、創傷治癒のより低い活性、または本明細書に記載の1つ以上の疾患または症状を治療することにおけるより低い活性であり得る。幾つかの変法において、活性の変化は、高い局所酸性への曝露前の治療薬の活性よりも少なくとも約3%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、または少なくとも約25%低いのいずれかである。幾つかの変法において、活性の変化は、高い局所酸性への曝露前の治療薬の活性よりも、少なくとも約5%低い。
【0113】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHを、本明細書製剤の項目または他の場所に記載した任意の1つ以上のpHレベルに調整する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHは、約7〜約11.5に記載された。幾つかの変法において、方法には、亜塩素酸塩を含む製剤のpHを、亜塩素酸塩を高い局所酸性に曝露しないpH調整剤を用いて、約7〜約11、約7〜約10.5、約7〜約10、約7〜約9.5、約7〜約9、約7〜約8.5、約7〜約8.0、約7〜約7.5、約7.5〜約8、約7.5〜約8.5、約7〜約8、約7.1〜約7.7、約7.2〜約7.6、約7.3〜約7.5、約8〜約9、約8〜約8.5、約8.5〜約9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8または約8.9のいずれかに下げることが含まれる。幾つかの変法において、方法には、亜塩素酸塩を含む製剤のpHを、約7〜約8.5まで下げることが含まれる。幾つかの変法において、方法には、亜塩素酸塩を含む製剤のpHを、約7〜約8.0まで下げることが含まれる。幾つかの変法において、方法には、亜塩素酸塩を含む製剤のpHを、約7.1〜約7.7まで下げることが含まれる。幾つかの変法において、方法には、亜塩素酸塩を含む製剤のpHを、約7.4まで下げることが含まれる。
【0114】
1つの非限定例において、亜塩素酸塩を含む混合液のpHを、亜塩素酸塩を含む混合液に曝露した場合に、7より低い局所pHに亜塩素酸塩をかけない、pH調整剤を用いて調整する。幾つかの変法において、pH調整剤は、リン酸一ナトリウムである。さらなる変法において、リン酸一ナトリウムを固体として、または溶液中で使用する。幾つかの変法において、pH調整剤は酢酸である。
【0115】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩のpHを、亜塩素酸塩または亜塩素酸塩を含む水性混合液を、緩衝液を含む溶液に添加することによって調整する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩のpHを、亜塩素酸塩または亜塩素酸塩を含む水性混合液を、リン酸緩衝液溶液に添加することによって調整する。
【0116】
幾つかの変法において、1つ以上のpH調整剤を用いて、亜塩素酸塩溶液または混合液のpHを調整し、得られた溶液または混合液を、高い局所酸性によって生成される分解産物を限定はしないが含む、亜塩素酸塩の分解産物の存在に関して解析する。幾つかの変法において、酢酸、またはリン酸一ナトリウム等のpH調整剤を用いて、亜塩素酸塩溶液または混合液のpHを調整し、得られた溶液または混合液を、塩素酸塩または二酸化塩素の存在に関して分析する。
【0117】
幾つかの変法において、得られた溶液または混合液を、HPLC、質量分析等の周知の解析方法を用いて、分解産物に関して解析する。他の変法において、得られた溶液または混合液を、周知の毒性試験を含む、毒性試験を用いて分解産物に関して解析する。幾つかの変法において、得られた溶液または混合液を、以下の実施例4に記載されるもの等の、非特異的毒性試験を用いて不純物に関して解析する。
【0118】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHを、亜塩素酸塩精製段階の後に調整する。
【0119】
幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHを、高い局所酸性の結果である、亜塩素酸塩分解産物を生成することなく、約7〜約11.5に調整する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHを、高い局所酸性の結果である、亜塩素酸塩分解産物を生成することなく、約7〜約8.0に調整する。幾つかの変法において、亜塩素酸塩製剤のpHを、高い局所酸性の結果である、亜塩素酸塩分解産物を生成することなく、約7〜約11、約7〜約10.5、約7〜約10、約7〜約9.5、約7〜約9、約7〜約8.5、約7〜約8、約7〜約7.5、約7.5〜約8、約7.5〜約8.5、約7〜約8、約8〜約9、約8〜約8.5、または約8.5〜約9のいずれかに調整する。
【0120】
治療の方法
先述のように、多数の症状を、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤を用いて治療可能である。文章において別段の指定がない限り、本明細書に記載した全ての製剤および医薬的製剤を、本明細書に記載した治療の方法において使用していてもよい。本明細書で使用するように、および当該技術分野でよく理解されているように、治療の例には、臨床結果を含む、有利な、または所望の結果を得ることが含まれる。本明細書に記載したように、利益ある、または所望の臨床結果の非限定例には、限定はしないが、1つ以上の症状の緩和または改善、疾患を含む症状の程度の減少、疾患を含む症状の安定化(即ち悪化しない)状況、疾患の蔓延の防止、疾患を含む症状の遅延または鈍化、疾患、状況を含む症状の進行、改善または緩和、寛解(部分的または総合的のいずれか)、検出可能であるか、または不能であるかどうか、が含まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載される亜塩素酸塩製剤を、本明細書に記載される疾患または症状の治療すること、予防すること、発病の遅延させることまたは消退させることの1つ以上を達成するために使用する。
【0121】
一般に、治療有効量の製剤を、被検体に投与する。本明細書に記載した投与のための、「治療有効量(therapeutically effective amount)」の治療薬として本明細書でまた引用される、「有効量(effective amount)」は、被検体に投与した時に探求された治療的効果を提供する治療薬の量である。治療有効量は、単回投与で、または多重投与の後に達成していてもよい。異なる治療的効果の達成には、異なる有効量の治療薬を必要とし得る。例えば、疾患または症状を予防するために使用される、治療有効量の治療薬は、疾患または症状を治療すること、阻害すること、発病を遅延させること、または消退させるために使用した治療有効量からは異なっていてもよい。さらに、治療有効量は、取り扱われている疾患または症状に熟知している者において周知の、被検体の年齢、体重、化合物の生態適合性、疾患または症状の重症度、および他の健康状態に依存し得る。従って、治療有効量は、治療薬を投与するそれぞれの被検体において、同一でなくてもよい。
【0122】
治療薬のレベルが、本明細書に記載した疾患または症状を治療するために「治療有効量」であるかどうかを決定するために、亜塩素酸塩製剤を、関心の疾患または症状に対する適切な動物モデルに投与していてもよく、効果を、治療がこの動物モデルで効果的であったかどうかを決定するために観察してもよい。ヒトを限定はしないが含む、異なる被検体に対する適切なレベルは、当業者に公知の方法を用いて、これらより推定してもよい。
【0123】
有効量は、インビトロアッセイからまず推定してもよい。例えば、動物における利用のための初期用量を、インビトロアッセイにて測定した、特定の化合物のIC50である、またはそれ以上である、活性化合物の循環血または血清濃度を達成するために製剤してもよい。このような循環血または血清濃度を達成するための用量を計算すること、特定の活性薬剤のバイオアベイラビリティーを考慮することは、充分に当業者の能力内である。指針として、この全てが本明細書中に参考として援用されている、Fingl & Woodbury,「General Principles,」In:Goodman and Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics,Chapter 1,pp.1−46,最新版、Pergamagon Pressと、そこで引用された参考文献を参照のこと。
【0124】
本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、単独で投与可能であり、または本明細書に記載した疾患または症状を治療するための他の一般的な治療との組合せで、または付加して投与可能である。亜塩素酸塩製剤の投与は、他の活性薬剤を用いる治療、または放射線療法等の非薬理学的治療を限定はしないが含む、1つ以上の他の治療の前、後で、または同時にであってもよい。幾つかの変法において、亜塩素酸塩または他の治療薬を、他の市販の亜塩素酸塩製剤に付随する製剤情報中で特定されたような、この基準または一般的な用量に従って使用する(また、本明細書中に参考として援用されている開示物である、2005 Edition of The Physician’s Desk Reference中の製剤情報を参照のこと)。
【0125】
上記のように、亜塩素酸塩は、先に記載された亜塩素酸塩製剤を用いて、種々の疾患または症状を治療するために使用されてきている。文脈が他に明らかにしない限り、本明細書に記載された亜塩素酸塩製剤および医薬的製剤を、先に記載した亜塩素酸塩製剤で治療した疾患または症状を治療するために使用してもよい。例えば、亜塩素酸塩は、感染症を治療するため、および骨髄の再生を引き起こすために使用されてきている。例えば、それぞれこの全てが参考として援用されている、米国特許第4,725,437号および米国特許第4,851,222号を参照のこと。亜塩素酸塩はまた、HIV、再発前立腺癌、膀胱炎、および慢性活性C型肝炎疾患を治療するために使用されてきている。例えば、それぞれこの全てが参考として援用されている、McGrath et al.,Development of WF10,a novel macrophage−regulating agent,Curr Opin Investig Drugs,3(3):365−73(2002年3月)、米国特許第6,086,922号を参照のこと。
【0126】
本明細書に記載する製剤および医薬的製剤で治療し得る疾患または症状の他の非限定例には、この全てが本明細書中に参考として援用されている、McGrathに付与された米国特許明細書番号第2005/0181068号(番号11/042,816号)(「McGrath」)にて記載されたものが含まれる。McGrathは、このような疾患を治療するための有効量で、亜塩素酸塩を投与することによって、神経変性疾患を治療する方法を記載している。幾つかの変法において、神経変性疾患または障害は、マクロファージ関連神経変性疾患または障害である。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤および医薬的製剤を用いて治療する神経変性疾患または障害は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病(AD)、多発性硬化症(MS)、HIV−関連認知症(HAD)またはHCV感染を限定はしないが含む、ウイルス感染等の病原体関連神経疾患または症状である。幾つかの変法において、ALSを、本明細書に記載した製剤および医薬的製剤を用いて治療する。幾つかの変法において、ADを、本明細書に記載した製剤および医薬的製剤を用いて治療する。
【0127】
新生組織形成を、本明細書に記載する製剤および医薬的製剤で治療してもよい。新生組織形成は一般に、組織または器官中の異常な、混乱した増殖として定義される。このような増殖は、しばしば新生物、腫瘍または癌と呼ばれる腫瘤の形態である。新生物は良性または悪性病変である。悪性病変はしばしば癌と呼ばれる。国立衛生研究所は、米国でもっとも高い頻度で診断されるものとして13種類の癌を列記しており、それぞれ、2006年に、30,000例以上の推定年間発生数を有する。これらのもっとも高い頻度で診断される癌には、膀胱癌、黒色腫、乳癌、非ホジキンスリンパ腫、大腸癌および直腸癌、前立腺癌、子宮内膜癌、前立腺癌、腎臓(腎細胞)癌、皮膚癌(非黒色腫)、白血病、甲状腺癌および肺癌が含まれる。出典:http://www.cancer.gov/cancertopics/commoncancers。最終アクセス2006年9月12日。
【0128】
癌の種類の広範なリストには、限定はしないが、急性リンパ芽球性白血病(成人)、急性リンパ芽球性白血病(小児)、急性骨髄性白血病(成人)、急性骨髄性白血病(小児)、副腎皮質癌、副腎皮質癌(小児)、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、星細胞腫(小児小脳)、星細胞腫(小児脳)、基底細胞癌、胆管癌(肝外)、膀胱癌、膀胱癌(小児)、骨癌(骨肉腫/悪性繊維性組織球症)、脳幹神経膠腫(小児)、脳腫瘍(成人)、脳腫瘍−脳幹神経膠腫(小児)、脳腫瘍−小脳星細胞腫(小児)、脳腫瘍−脳星細胞腫/悪性神経膠腫(小児)、脳腫瘍−脳室上衣細胞腫(小児)、脳腫瘍−視覚伝導路および視床下部神経膠腫(小児)、乳癌(女性、男性、小児)、気管支腺腫/カルシノノイド(小児)、バーキットリンパ腫、カルシノイド腫瘍(小児)、カルシノイド腫瘍(胃腸)、原発巣不明の癌(成人および小児)、中枢神経系リンパ腫(原発)、小脳星細胞腫(小児)、脳星細胞腫/悪性神経膠腫(小児)、子宮頸部癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、大腸癌、結腸直腸癌(小児)、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜癌、脳室上衣細胞腫(小児)、食道癌、食道癌(小児)、ユーイング腫瘍ファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍(小児)、頭蓋外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(眼球内黒色腫および網膜芽腫)、胆嚢癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌(小児)、消化管カルシノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)、生殖細胞腫瘍(頭蓋外(小児)、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫(成人)、神経膠腫(小児、脳幹、脳正常細胞腫、視覚伝導路および視床下部)、ヘアリー細胞白血病、頭部子宮頸部癌、肝細胞(肝)癌(成人原発および小児原発)、ホジキンスリンパ腫(成人および小児)、妊娠中ホジキンスリンパ腫、下咽頭癌、視床下部および視覚伝導路神経膠腫(小児)、眼球内黒色腫、島細胞癌(内分泌脾臓)、カポジ肉腫、腎臓(腎細胞)癌、腎癌(小児)、喉頭癌、喉頭癌(小児)、白血病−急性リンパ芽球性(成人および小児)、白血病、急性骨髄性(成人および小児)、白血病−慢性リンパ球性、白血病−慢性骨髄性、白血病−ヘアリー細胞、唇および口腔癌、肝臓癌(成人原発および小児原発)、肺癌−非小細胞、肺癌−小細胞、リンパ腫−AIDS−関連、リンパ腫−バーキット、リンパ腫−皮膚T細胞、リンパ腫−ホジキンス(成人、小児および妊娠中)、リンパ腫−非ホジキンス(成人、小児および妊娠中)、リンパ腫−原発性中枢神経系、マクログロブリン血症−ヴァルデンストレーム、骨の悪性線維性組織球症/骨肉腫、髄芽腫(小児)、黒色腫、黒色腫−眼内(眼)、メルケル細胞癌、中皮腫(成人)悪性、中皮腫(小児)、肉眼で観察されない原発性転移性扁平上皮子宮頸部癌、多発性内分泌新生組織形成症候群(小児)、多発性骨髄腫/プラズマ細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病、慢性、骨髄性白血病(成人および小児)急性、骨髄腫−多発性、骨髄増殖性疾患−慢性、鼻腔および副鼻腔癌、上咽頭癌、上咽頭癌(小児)、神経芽細胞腫、非小細胞癌、口腔癌(小児)、口腔および唇癌、口腔咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性繊維性組織球症、卵巣癌(小児)、卵巣上皮癌、卵巣生殖細胞癌、卵巣低悪性度潜在腫瘍、膵癌、膵癌(小児)、膵癌−島癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、松果体芽細胞腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍(小児)、下垂体腫瘍、プラズマ細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠および乳癌、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、腎細胞(腎臓)癌(小児)、腎盂癌−移行細胞癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫(小児)、唾液腺癌、唾液腺癌(小児)、肉腫−ユーイング腫瘍ファミリー、肉腫−カポジ、肉腫−軟組織(成人および小児)、肉腫−子宮、セザリー症候群、皮膚癌(非黒色腫)、皮膚癌(小児)、皮膚癌(黒色腫)、皮膚癌−メルケル細胞、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫(成人および小児)、扁平上皮癌、肉眼で発見できない原発性扁平上皮子宮頸部癌−転移性、胃(stomach)(胃(gastric))癌、胃(stomach)(胃(gastric))癌(小児)、テント上原始神経外胚葉腫瘍(小児)、精巣癌、胸腺腫(小児)、胸腺腫および胸腺腫瘍、甲状腺癌、甲状腺癌(小児)、腎盂および尿管の移行細胞癌、絨毛性腫瘍、妊娠、腎盂および尿管−移行細胞癌、尿道癌、子宮癌−子宮内膜、子宮肉腫、膣癌、視覚伝導路および視床下部神経膠腫(小児)、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、および腎芽細胞腫が含まれる。出典:http://www.cancer.gov/cancertopics/alphalist。最終アクセス、2006年9月12日。
【0129】
投与経路
別段の特記事項がない限り、本明細書に記載した全ての製剤および医薬的製剤は、全身、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射または注入、皮下注射またはインプラント)によって、エアロゾル高圧ガス、鼻腔、膣、腸、舌下、尿道(例えば尿座薬)を用いて吸入スプレー、ネブライザーまたはエアロゾルによって、注入、動脈内、くも膜下、皮下、皮内、静脈内、頸管内、腹腔内、頭蓋内、肺内、胸郭内、気管内、経鼻経路、治療薬を全身に送達する経口投与、薬剤送達器具によって、または治療薬を全身、経皮または経口腔に送達する皮膚パッチのいずれかによって投与してもよい。
【0130】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤は、局所では投与しない。
【0131】
幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤、医薬的製剤、および投与および治療の方法が、温血または冷血動物における利用において好適である。幾つかの実施形態において、本明細書に記載した製剤、医薬的製剤、および投与および治療の方法が、(ネコ、イヌ、ウサギ、トリ、ウマ等)家畜ペット、および(ウシ、ヒツジ、ニワトリ等)農業動物を含む、獣医学的分野に含まれる、動物中での利用において好適である。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤、医薬的製剤、および投与および治療の方法が、限定はしないがヒトを含む、霊長類における利用において好適である。
【0132】
キットおよび製品の製造
別段の明確な記載がない限り、本明細書に記載した全ての製剤および医薬的製剤を、本明細書に記載したキット内で使用してもよい。本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤の単位用量を含み得る、亜塩素酸塩または亜塩素酸塩を含む医薬的製剤の投与のためのキットが、本明細書で提供される。幾つかの変法において、キットには、好適なパッケージが含まれる。幾つかの変法において、キットには、種々の疾患または症状を治療するための、亜塩素酸塩製剤の利用のための説明書が含まれる。従って、キットは、本明細書に記載した任意の治療方法において使用していてもよく、幾つかの実施形態において、本明細書に記載した任意の治療方法を実施するための好適な説明書を含む。幾つかの実施形態において、キットを、本明細書に記載した1つ以上の任意の疾患または症状を治療するために使用する。キットにはまた、吸入器、スプレー容器(例えば、経鼻スプレー)、注射のためのシリンジまたはカプセル、錠剤または座薬のためのプレッシャーパック等の、亜塩素酸塩製剤の投与のための補助用品も含まれる。
【0133】
本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤は、キットの形態で組み合わせてもよい。幾つかの変法において、キットは、投与のための水性亜塩素酸塩製剤を調製するための、亜塩素酸塩および薬剤を提供する。幾つかの変法において、製剤は水溶液である。幾つかの変法において、製剤は無菌溶液である。幾つかの変法において、キットは、すでに製剤または本明細書に記載した製剤とすでに混合しているか、または本明細書に記載した製剤または医薬的製剤から容器を分離して提供される、医薬的に許容される希釈液を提供する。幾つかの変法において、希釈液は、生理食塩水溶液である。幾つかの変法において、組成物は、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤を形成するために、再構成、または溶解可能である、(凍結乾燥等の)乾燥組成物を含む。製剤が乾燥形態である場合、キットは、希釈液から別に、または一部としてのいずれかで、1つ以上の医薬的に許容される溶媒、希釈液、およびpH調整剤を含み得る。幾つかの変法において、製造のキットまたは品物は、乾燥形態の亜塩素酸塩、医薬的に許容される溶媒、およびpH調整剤を含む。幾つかの変法において、pH調整剤は、溶媒中に組み込まれる。幾つかの変法において、製造のキットまたは品物は、乾燥形態の亜塩素酸塩、医薬的に許容される溶媒、医薬的に許容される希釈液、およびpH調整剤を含む。幾つかの変法において、pH調整剤は希釈液内に組み込まれる。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤は、無菌の再構成された製剤である。幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤は、単位投与形態の無菌の再構成された製剤である。幾つかの変法において、幾つかの変法において、本明細書に記載した製剤または医薬的製剤は、好適なパッケージ中で、単位投与形態での無菌の再構成された製剤である。
【0134】
キットは、1つ以上のシリンジ、ピペット、経皮パッチまたは吸入抗原を限定はしないが含む、組成物を投与するため、または分散するための器具を含んでよい。
【0135】
キットは、本明細書に記載した製剤と併用するための、他の治療的化合物または製剤を含んでよい。これらの化合物は、分離形態で提供されるか、または本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤または医薬的製剤と混合してもよい。
【0136】
幾つかの変法において、キットは、製剤の調製および投与のための説明書を含む。幾つかの変法において、キットは、製剤の副作用に関する説明書を含む。他の変法において、キットは任意に、他の関連情報を含む。説明書は、任意の好適な形態であってもよく、限定はしないが、印刷物、ビデオテープ、コンピュータ読み取り可能ディスクまたは光学ディスクが含まれる。説明書は、筐体の中で、または筐体の外に局在していてもよく、説明書を読み易くする、筐体を形成している任意の表面の内側または外側上に印刷してもよい。
【0137】
単位用量の本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤を含む容器、および利用のための説明書を含む、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤によって治療可能である疾患または症状を患っている、または影響を受けやすい個体を治療するためのキットが本明細書に記載されている。容器は、当該技術分野で公知の任意のものであってもよく、保存および経口、静脈内、全身、非経口、経膣、尿道、経皮または吸入製剤の送達において適切であり得る。
【0138】
限定はしないが、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間または約8週間以上の任意を含む長期間、個体に対して十分な用量の亜塩素酸塩または亜塩素酸塩製剤を含むキットも提供され得る。
【0139】
本明細書に記載し、図2で示したように、特定の実施形態において、キット201は、筐体または種々の成分をハウジングするための容器203を含み得る。図2で示し、本明細書に記載したように、キット201には、任意に、説明書207ならびに試薬205、例えば本明細書に記載した製剤が含まれる。キット201の他の実施形態は、成分が、本明細書に記載した種々のさらなる特徴を含むことが想定される。
【0140】
本明細書に記載した製剤または医薬的製剤を含む製造の物品、または限定はしないが、密封バイアルまたは瓶、および無菌密封バイアルまたは瓶を含む、バイアルまたは瓶を限定はしないが含む、好適なパッケージ中で、単位投与形態が、本明細書でまた提供される。本明細書に記載した製剤および医薬的製剤のための好適なパッケージの非限定例が当該技術分野で公知であり、例えば、(密封バイアル等)任意のバイアル、(密封瓶等)瓶、アンプル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージ(例えば密封したMylarやプラスチックのバッグ)などが含まれる。このようなパッケージは任意に、製剤が曝露する光の量を制限する。これらの製造物品はさらに、滅菌および/または密封し得る。
【0141】
本発明はさらに、以下の非限定例によって例示される。
【実施例1】
【0142】
亜塩素酸塩の精製
本手順は、例えば真上からの照明を消し、直接日光が当らないような、光を減少させた状況で実施した。
【0143】
亜塩素酸ナトリウム(80wt%、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、ロット番号09911CD)を、蒸留水1000mL中に溶解した。フラスコをロータリーエバポレーターに備え付け、浴温度を70℃に設定した。吸引を適用し、制御された形態にて水が蒸発するまで増加させた。吸引を、混合液が多量の固体を発生するまで適用し、水550mLを蒸留した。粗焼結ガラス漏斗を用いて、固体を熱溶液の吸引ろ過によって除去した。これらの固体はほとんど塩化ナトリウムであった。
【0144】
濾液を、亜塩素酸塩が沈殿するのに十分な時間(およそ24時間)、−25℃にて保存した。全混合液を固体に凍結した。凍結した混合液を壊し、遠心して冷却しながらろ過した。精製した亜塩素酸ナトリウムを、融解した凍結固体として回収した。遠心は、12インチのステンレス鉄バスケット、50ミクロンのポリプロピレンバッグを用い、2000rpmにて実施した。イオン−分離カラムおよびイオン検出器を用いるHPLC解析は、99.04%純度を示した。物質は、水和物および非水和物の混合液であると推定される。
【実施例2】
【0145】
亜塩素酸塩の精製
冷ろ過において、遠心ろ過ではなく、粗焼結ガラス吸引ろ過を用いて、実施例1にて記載した方法を実施した。第一ろ過の後、第一結晶化後の亜塩素酸塩純度は、91.9%であった。結晶化段階を二回繰り返した。第二再結晶化/吸引ろ過の後、亜塩素酸塩は、99.5%純度であった。
【実施例3】
【0146】
亜塩素酸塩製剤pHの調整
より低いpHで亜塩素酸塩製剤を調製するために、実施例2の方法によって精製した亜塩素酸ナトリウムを、蒸留水中に溶解し、磁気攪拌子を用いて攪拌する。較正pHプローブを溶液内に入れた。pHが7.62に到達し、安定化するまで、少量のリン酸一ナトリウム一水和物を添加した。標的pHより低いpH浮動がある場合、pHを、0.1N NaOHにて調整して戻すことが可能である。
【0147】
本溶液をサンプリングし、HPLCによって亜塩素酸ナトリウム含量に関してアッセイした。カラム:Novosep A−2 Alltech 250×4mm、溶出液:3.6mM 炭酸ナトリウム、速度:0.8mL/分。抑制Alltech 650電導度検出器で検出。定量を標準的なヨウ素滴定によって実施した。Inorganic Syntheses、Chlorine(IV)Oxide;Sodium Chlorite analysisの項目、p156を参照のこと。濃度は、1.36Mと測定された。4.25wt%溶液(0.47M)を調製するために、200mLを580mLまで希釈した。
【実施例4】
【0148】
毒性
Jurkat T細胞(細胞系)を使用して、本明細書に記載した亜塩素酸塩製剤対WF10の非特異的毒性を試験した。WF10に対して試験した製剤は、水中の亜塩素酸塩であり、希釈液として生理食塩水を使用した。製剤を、緩衝液としてリン酸ナトリウムで、実施例3にて記載した方法を用いて、約7.4のpHに調整した。亜塩素酸塩は、約95%より高い純度であった。Jurkat T細胞の三重培養液を、種々の濃度の各亜塩素酸塩製剤に、37℃にて24時間曝露した。各濃度を用いた治療での生細胞の数を、未処理培養液に対して正規化し、プロットした。細胞生存能力を、トリパンブルー排出によって測定した。トリパンブルーは、細胞の生存能力を測定するために使用する色素である。生細胞は、色素を排出し、一方で死細胞は色素を取り込む。青色染色は容易に見ることができ、細胞を光学顕微鏡を用いて計数することが可能である。結果を図1にて示している。生細胞の相対数に基づいて、WF10治療が結果として50μMおよびそれ以上の濃度にて非特異的毒性となり、一方で、TJ001は、200μMおよびそれ以上の濃度まで、非特異的毒性にはならなかった。
【0149】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されている一方で、このような実施形態は、例示の方法によってのみ提供されていることが当業者に対して明らかである。多数の変法、変化および置換が、本発明を逸脱することなく、当業者に対して発生する。本明細書に記載される発明の実施形態に対する種々の変更を、本発明を実施するために使用してもよいことが理解されるべきである。以下の請求項が、本発明の目的を定義すること、およびこれらの請求項の目的およびこれらの等価物内の方法および構造が、これによってカバーされることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】Jurkat T細胞系中で、実施例4にて記載した亜塩素酸製剤対WF10の相対的非特異的毒性を示している。
【図2】キットの代表的例を示しているブロックダイアグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性溶媒、亜塩素酸塩およびpH調整剤を含む水性製剤。
【請求項2】
亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比が100:1.5より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
亜塩素酸塩:塩素酸塩の比が100:0.5より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
実質的に塩素酸塩を含まない、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
亜塩素酸塩:硫酸塩の重量比が100:16.4より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
亜塩素酸塩:硫酸塩の重量比が100:1.6より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
実質的に硫酸塩を含まない、請求項1に記載の製剤。
【請求項8】
亜塩素酸塩:塩酸塩の重量比が100:10より大きい、請求項1に記載の製剤。
【請求項9】
製剤のpHが、約7.0〜約11.5である、請求項1に記載の製剤。
【請求項10】
製剤のpHが、約7.0〜8.5である、請求項1に記載の製剤。
【請求項11】
pH調整剤が、リン酸塩または酢酸塩である、請求項1に記載の製剤。
【請求項12】
pH調整剤が、リン酸一ナトリウムである、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
亜塩素酸塩の重量パーセントが、製剤中約0.5%〜約5%である、請求項1に記載の製剤。
【請求項14】
亜塩素酸塩の濃度が、約50mM〜約100mMである、請求項1に記載の製剤。
【請求項15】
製剤が、約7.0〜約11.5のpHを有し、製剤が、100:0.5より大きい亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比を含む、亜塩素酸塩、ナトリウム、リン酸塩および水を含む水性製剤。
【請求項16】
製剤が、亜塩素酸塩、ナトリウム、リン酸塩および水から本質的になる、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
亜塩素酸塩の濃度が、約50mM〜約70mM亜塩素酸塩である、請求項15に記載の製剤。
【請求項18】
製剤が、インビトロアッセイ中WF10として製剤した同一濃度の亜塩素酸塩と比較して、非特異的毒性が減少した1つ以上の徴候を示す、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む水性製剤。
【請求項19】
被検体に全身投与した場合のWF10として製剤した同一濃度の亜塩素酸塩の毒素と比較して、被検体に全身投与した場合に毒性が減少した1つ以上の徴候を示す、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む水性製剤。
【請求項20】
前記毒性が、無力症、注射部位反応、または注射部位疼痛のうちの1つ以上である、請求項19に記載の水性製剤。
【請求項21】
(a)亜塩素酸塩、
(b)pH調整剤、および
(c)医薬的に許容される賦形剤、
を含む医薬組成物。
【請求項22】
前記組成物が、100:1.5より大きい亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比を有する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記賦形剤が水を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
必要とする被検体に、水性溶媒、pH調整剤および亜塩素酸塩を含む治療有効量の水性製剤を非経口で投与することを含む、被検体に亜塩素酸塩を投与する方法。
【請求項25】
前記亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比が、100:1.5より大きい、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記製剤を静脈内に投与する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
(a)亜塩素酸塩、
(b)pH調整剤、および
(c)医薬的に許容される賦形剤、
を含む有効量の医薬組成物を含む、製剤の単位用量形態。
【請求項28】
前記単位用量が、被検体への投与の準備ができている、請求項27に記載の単位用量形態。
【請求項29】
前記単位用量が、被検体への投与の前に希釈される、請求項27に記載の単位用量形態。
【請求項30】
組成物のpHが、約7.1〜約7.7である、請求項27に記載の単位用量形態。
【請求項31】
(a)請求項27に記載の1つ以上の単位投与形態、および
(b)1つ以上の疾患または症状を治療するのに使用するための、1つ以上のパッケージおよび説明書、
を含むキット。
【請求項32】
キットが、さらに製剤とは別の容器中に希釈液を含む、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
製剤がさらに、医薬的に許容される賦形剤を含む、請求項32に記載のキット。
【請求項34】
(a)60℃〜約100℃の温度で亜塩素酸溶液を濃縮することにより、不純物が溶液から沈殿すること、
(b)ろ過によって濃縮した溶液から不純物を除去すること、
(c)凍結によって、濃縮した溶液から亜塩素酸塩の結晶化を誘導すること、
(d)ろ過によって、得られた亜塩素酸塩固体を回収すること、および
(e)水性溶媒中に、亜塩素酸塩固体を溶解すること、
を含む亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法。
【請求項35】
段階(a)の温度が、65℃〜約80℃である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
段階(a)の温度が、約70℃である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
段階(a)を、減圧下で実施する、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
段階(c)における亜塩素酸塩の結晶化を誘導することが、亜塩素酸濃縮液を約−10℃より高くない温度まで冷却することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
亜塩素酸濃縮液を、約−20℃〜約−30℃の温度まで冷却する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
亜塩素酸濃縮液を、−25℃の温度まで冷却する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
段階(d)中のろ過が、遠心ろ過である、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
請求項34の方法によって調製された亜塩素酸組成物。
【請求項43】
(a)製剤のpHを、pH改変剤によって、約7〜約11.5に調整することを含み、前記pH改変剤は、亜塩素酸塩を高い局所酸性に供さず、得られた製剤が実質的に、塩素酸塩または硫酸イオンからなる群からのメンバーの1つ以上を実質的に含まない、亜塩素酸塩および水性溶媒を含む製剤を調製する方法。
【請求項44】
得られた製剤が、塩素酸塩を実質的に含まない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
得られた製剤が、硫酸塩を実質的に含まない、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
pHを約7.4に調整する、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
pH改変剤が、リン酸一ナトリウムである、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
段階(a)が、pH調整剤を、亜塩素酸塩と水性溶媒の水性混合液に添加することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
請求項43の方法によって調製された組成物。
【請求項50】
(a)亜塩素酸塩を含む水溶液のpHを、pH改変剤で調整することを含み、得られた製剤が塩素酸塩または二酸化塩素の1つ以上を実質的に含まないこと、を含む亜塩素酸塩を含む製剤を調製する方法。
【請求項51】
段階(a)前に、亜塩素酸塩を精製する段階をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
pHを約7.0〜約11.5に調整する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
pHを約7.0〜約8.5に調整する、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
pHを約7.4に調整する、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
pH改変剤が、リン酸一ナトリウムである、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
得られた製剤が、実質的に塩素酸塩を含まない、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
得られた製剤が、実質的に二酸化塩素を含まない、請求項50に記載の方法。
【請求項58】
段階(a)が、亜塩素酸塩またはこの水性混合液をリン酸緩衝液に添加することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項59】
リン酸緩衝液が、リン酸一ナトリウムである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
段階(a)が、pH調整剤を、亜塩素酸塩および水性溶媒の水性混合液に添加することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項61】
精製が、
(a)60℃〜約100℃の温度で亜塩素酸溶液を濃縮することにより、不純物が溶液から沈殿すること、
(b)ろ過によって濃縮した溶液から不純物を除去すること、
(c)凍結によって、濃縮した溶液から亜塩素酸塩の結晶化を誘導すること、
(d)ろ過によって、得られた亜塩素酸塩固体を回収すること、および
(e)水性溶媒中で、亜塩素酸塩固体を溶解すること、
の段階を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項62】
段階(a)における温度が、65℃〜約80℃である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
段階(a)における温度が、約70℃である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
段階(a)を、減圧下で実施する、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
段階(c)における亜塩素酸塩の結晶化を誘導することが、濃縮した亜塩素酸塩溶液を約−10℃より高くない温度まで冷却することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
濃縮した亜塩素酸塩溶液を、約−20℃〜約−30℃の温度まで冷却する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
濃縮した亜塩素酸塩溶液を−25℃の温度まで冷却する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
段階(d)におけるろ過が、遠心ろ過である、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
請求項50の方法によって調製された亜塩素酸塩組成物。
【請求項70】
(a)亜塩素酸塩、
(b)pH調整剤、および
(c)医薬的に許容される賦形剤、
を含む有効量の医薬組成物を、これを必要としている被検体に投与することを含む、疾患または障害を治療する方法。
【請求項71】
前記疾患または障害が、感染症、骨髄分解、腫瘍症、膀胱炎、HIV、慢性C型肝炎、口疾患、歯周病、歯肉の炎症、局所傷、多発性硬化症および神経変性疾患または障害からなる群より選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記疾患が、膀胱癌、黒色腫、乳癌、非ホジキンスリンパ腫、大腸癌および直腸癌、膵癌、子宮内膜癌、前立腺癌、腎臓(腎細胞)癌、皮膚癌(非黒色腫)、白血病、甲状腺癌および肺癌からなる群より選択される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記疾患または障害が、神経変性疾患または障害である、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記神経変性疾患または障害が、マクロファージ関連の神経変性疾患または障害である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記神経変性疾患または障害がALSである、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記神経変性疾患または障害がアルツハイマー病である、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記神経変性疾患または障害がパーキンソン病である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
GMPプロトコールに従って、請求項1、15、18、19、21、27または31のいずれかに記載の任意のアイテムを調製することを含む、ビジネス法。
【請求項79】
製剤をGMPプロトコールを用いて生成する、水性溶媒および亜塩素酸塩を含む水性製剤。
【請求項80】
製剤がさらに、100:10より大きい、亜塩素酸塩:塩素酸塩の重量比を含む、請求項79に記載の製剤。
【請求項81】
亜塩素酸塩:塩素酸塩の比が、100:0.5より大きい、請求項79に記載の製剤。
【請求項82】
亜塩素酸塩が、80%より高い、85%より高い、90%より高い、95%より高い、または99%より高い純度を含む、請求項79に記載の製剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−521473(P2009−521473A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547585(P2008−547585)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048941
【国際公開番号】WO2007/075972
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508186576)タイジ・バイオメデイカル・インコーポレーテツド (2)
【Fターム(参考)】