説明

亜臨界水処理による有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミからの液肥の製造法および有害金属の除去法

【課題】有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミなどの臨界水処理において液肥など生成物の経済的分離手段を提供する。
【解決手段】有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどの亜臨界水処理2の際、生成物を液状あるいはスラリー状の生成物3としてから、反応槽5を持った微細気泡を発生する加圧浮上設備6に導き、生成物中の浮遊物を浮上分離して、均質な液肥としての効果を持った均質な処理水7を得る。また浮上した浮遊物は有害物質濃度が高まるまで、そのままあるいは鉄含有物11を添加して亜臨界水処理2に再度循環して、有機物を亜臨界水処理2を行い、低分子化した有機物を回収する。有害金属は加圧浮上の浮遊物に濃縮されるため、あらかじめ設定した時点で廃棄物として安定化処理できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明が属する技術分野】
本発明は有機物の亜臨界水処理において、有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミなどの臨界水処理、亜臨界水処理として知られる高温高圧処理で、液肥を生産し、生成物中の有害物質を効果的に除去する方法に関するものである。
【背景技術】
亜臨界水処理は近年様々な分野で応用されつつあるが、有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミなどの亜臨界水処理は、含まれる有害物質の挙動が明確にならず、また生成物も不安定で、有害物質である重金属類の含有があり、工業的な処理方法にはなり得ない面があった。有害物質の回収を油状物質として一部回収し燃料化するなどの方法も考案されているが、有害重金属類は燃焼ガス中に揮散することなどの問題があり、燃焼装置への障害なども予測され、工業的な手段になりにくい。
【発明が解決しようとする課題】
(1)本発明は様々な応用が期待される亜臨界水処理において、実際の工業プロセスと成るために必要な、亜臨界処理装置の処理の方法を改良し、亜臨界処理に特異的な化学結合の解離や、再結合を制御して、原材料由来の有害物質、例えば有機塩素化合物などを脱塩素化反応を制御する様なプロセスデーターを管理して、亜臨界水処理を実行し、実行可能なプロセスで生成物からの重金属類の有害物質の分離法を提供する物でものである。
(2)有機物残渣、有機物脱水汚泥の亜臨界水処理ではスラリー状の粒子を含む液体が得られるがこれには、原料由来の有害物質、たとえばホタテのウロの亜臨界水処理におけるカドミウム等の重金属類が残留している。この有害物質の除去はスラリー状の有機物中の粒子を除去することで重金属濃度が低下した利用可能な生成物が得られるが、簡易なろ過装置ではその閉塞性の微粒子が多いため短時間でろ過装置のろ層が閉塞し処理設備としての実際運用に困難がある。本発明では亜臨界水処理装置で積極的に大部分液化したスラリー状の生成物に対して凝集反応槽を持った微細気泡を発生する加圧浮上設備でその有害物質を効率的に除去する方法を提供する。
また分離された浮上物は含まれる有害物資の濃度が高まるまで、亜臨界水処理工程に返送して循環させて、多段階の亜臨界水処理を行い有価物の十分な分離回収を進めることが可能となり、コスト的にも有意な亜臨界水処理設備を提供する。最終的に浮上槽の浮上物として回収された有害物質は産業廃棄物として、安定化処理される。また当初直接利用が困難であったろ過設備も加圧浮上処理後の処理水のろ過には利用できるためより精密な分離が可能になる点で付加して利用できる。本発明の実験では有害物質について亜臨界水処理では以下のデーターが得られた。
【表−1】

(3)本発明では、液肥の生産に注目し、亜臨界水処理の手法を工学的な処理プロセスとして構成して有機物残渣、有機物脱水汚泥、家庭ゴミなどの広範な排出物が利用できる方法を提供する。
本発明の制御された亜臨界水処理プロセスでは、有害物質を含む有機物残渣、有機物脱水汚泥も原材料として利用できる。本発明では、生成物は液状あるいはスラリー状で排出されるため、簡単な水分調整操作で加圧浮上分離装置に移送でき、生成物中の浮遊物を除去できる。有害重金属は浮上フロス上に濃縮分離される為、処理水は有害重金属を含まない液状の有機物を与える。
本発明では、液状またはスラリー状の亜臨界生成物を作り、本発明の方法で有害物質を分離して、従来利用できなかった原料も産業上の有用な液肥資材として利用できる方法を提供する。下に亜臨界水処理後の分離処理前と分離処理後の(加圧浮上分離+ろ過)の有害物質の分離結果を下に示す。
【表−2】

*亜臨界水処理温度 180度
*汚泥を含む肥料の基準値はCd 5ppm以下
分析結果から有害なカドミウムが下水汚泥や家庭ゴミなどの当初から低い含有量のものに比べて高濃度のカドミウムを含む水産廃棄物の亜臨界水処理では、処理物の本プロセスによる分離操作で効率的にカドミウムが除去されことが判る。
本発明で製造された液肥は通常懸念されるホタテウロなどの水産廃棄物を原料とした場合でも施肥された農地でCdの蓄積の恐れが無くなる。
(3)で生成した液状生成物は液肥として、特異的に有意な性状を持っていることが判明した。これらを整理すると以下のとおり。
(あ)生成物は即効性肥料として有効で在るばかりか、遅効性肥料として有効である。
(1)他の亜臨界水処理を行わない堆肥などの有機質肥料と比較して、微生物の増殖速度が大きく、農地の根圏の養生に特異的に優れている。また肥効の発現が早く、長期にわたる為収穫期が長くなる特徴がある。
(2)化学肥料に比べると、最初期の肥効の現れは,化学肥料の無機栄養分が植物に直接吸収されるのにくらべ、亜臨界水処理の栄養分は植物への即効性もあるが、土壌微生物の生育に利用されやすく、農地の環境を整えながら栄養分を植物に渡す面があるため、幾分遅い効き目に見えるが、土壌環境を変えながら肥効を発揮し、かつ低分子有機物の多さと、アミノ酸などが特異的に豊富なため、急速に化学肥料の肥効を追い越し、しかも長期にわたり働く。またこれらの作用のため、植物体の栄養バランスが保たれ、病害虫への抵抗性も大きくなることが実際の栽培で確認されている。
【表−3】

*分子量1000未満の割合は家庭ゴミ液肥で91%、水産廃棄物(液肥)で81%であった。
(い)無機態窒素、カリウム、燐分のほか低分子量の有機物を豊富に含むことが即効性の要因であるが、そればかりではなく、液肥を土壌施肥した場合、コロイド性の有機物、鉄分、鉄キレート化合物が豊富なため、土壌粒子への吸着、収着が容易で、適度に保水性を持つことと栄養分と成る有機物を利用しやすい形態で持つため、微生物の発生に向いている。実際、施肥した場合の事例でこれらを確認出来る。
実際に施肥した試験区でも本発明の方法で生成した液肥は、にら、ほうれん草、コマツナこまつ菜などの生育が特異的に優れていることが栽培試験で確認された。
岩見沢市・作田農場にら追肥試験栽培結果(試験区各4m6列から選出)
にら5株選出(1株10〜20本)評価
(生育期間30日 8月10日花芽刈り取り後、N量同量となるよう各肥料投与)
【表−4】

*液肥に化学肥料をしのぐ効果が認められた。
*試験後期の亜臨界水処理物の施肥効果は化学肥料区を追い越した。
*評価は栽培農家の評価で、生育評価項目について化学肥料の対象区 同等の場合 得点1 超えた場合2点,下回った場合0点とした合計点(参考値)。
(う)既に無機化学肥料の連続的な施肥で、堅くなった土壌中に施肥した場合にも、亜臨界生成物の低分子有機物は、わずかな土壌粒子の表面細孔に効率よく浸透するだけでなく、含まれる低分子有機物を含むコロイド成分が強く吸着して、微生物の培養床を迅速に形成し得る。また亜臨界生成物中の豊富な種類の有機酸は、金属キレート作用により、植物の生育を妨げるレベルの、化学肥料に含まれる金属成分の阻害性をカバー出来る為、そこでの微生物の発生も著しく早いため、荒廃した硬い土壌も微生物の働きで細孔を豊富に含む土壤に変化させる作用がある。
この点は疲弊した農地などの土壌環境を効率的に修復する手段として特異的に有効である。
亜臨界水処理の生成物は微生物に利用され易いことは、堆肥発酵の現場でも発酵時間が30日前後のものが1/3程度の日数で完熟すること等で確認出来る。
(え)生成物はアミノ酸の含有量が豊富で、肥料として高価値の物である。下に亜臨界水処理の生成物のアミノ酸組成を示す。アミノ酸を含む肥料は高価であるが、肥料効果が顕著で広く利用されているが、本発明の処理法による液肥は特異的にアミノ酸含有量が多いことが判る。
【表−5】

アミノ酸肥料は玄米アミノ酸などが以下の利点が農家に認められ、比較的高価肥料であるが広く普及している。
(1)植物の生理活性が高まり、病害虫への耐性が増加する。
(2)植物のアミノ酸吸収が根圏からの吸収が早く、毛細根の生育が促され、収穫期が長くなり、果実や根菜の味が良くなる。糖度も特異的に高まる。
(3)圃場の土壌環境を化学肥料のように障害しない。土壌中の微生物活性も高まるため、土壌環境を天候の影響から保全しやすく、冷害、日照過多などの影響を受けにくくなる。
本発明の方法は有害物質を含まない液体生成物を効率的に生成に得られるため液肥の生成方法として産業上の価値が極めて大きい。
本発明の方法は、通常廃棄される家庭ゴミなどの有機物も有効に利用される為、環境保全の意味からも産業上の価値が大きい。
【発明の効果】
本発明により従来利用しがたかった有害重金属を含む有機物残渣、有機物脱水汚泥の亜臨界水処理生成物の中の重金属の分離が工業的に用意になり、有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどの有機物の亜臨界水処理が工業的に実施可能で、有意な経済性を獲得した。
【背景技術】
従来の技術は亜臨界水処理の応用の利点を示すもの、亜臨界水処理の装置としての利便性を改良したもの、亜臨界水処理の反応物の有意性を示すものが多かった。産業廃棄物、汚泥などを液肥に加工する利点は認識が薄かった。また一般に産業廃棄物あるいは亜臨界水処理の液体生成物を得た場合、この液体生成物に含まれる有害金属類が多いことが知られており、この除去法も実際の工学的な処理法が確立されていなかった。
コロイド状の油分を含む浮遊成分中に含まれること、液中の懸濁物にも、沈殿物中にも有害物資が含まれることは実験で確認出来た。
またこれらの浮遊物あるいは液中の懸濁物質および沈殿物中の物質の除去は単純なろ過では閉塞が発生して、工学的で経済的な分離操作が困難であった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明ではこれまで利用されにくく埋め立て処分される有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどを効率的に有価物として利用することを課題とした。
有害物質を含む有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどの有機物は、忌避され埋め立て処分などの廃棄物処分が行われる場合が多いが、環境上の問題が消える訳ではなく、土壌汚染や、周囲環境を損なうなどの影響がある。その解決の手段として様々な手法が開発されているが、亜臨界水処理もその中の手法である。本発明が注目した有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどを亜臨界水処理の原料とした場合、それに含まれる有害物質、特に重金属類が処理されないことが問題になって、実際の処理プロセスが経済的で工業的な手法として構成されない問題があった。
本発明では亜臨界水処理の際反応の生成物が液状で得られる場合が多い有機物残渣、有機物脱水汚泥、家庭ゴミにおいて副資材添加なしの有機物や、少量の有機副資材を添加した亜臨界水処理において、工業的に成立する利便性がある簡易な有害物質の分離法を開発して、実用性のある亜臨界水処理プロセスを作ることを課題とした。
【課題を解決しようとする手段】
本発明では亜臨界水処理において有機質残渣、有機物汚泥残渣、家庭ゴミなどの有機物を積極的に液またはスラリー状の液体の生成物として、図1に示したフローシートの工程において有害重金属等を浮上分離させて除去し、安全で有効な液肥を生産する。
【実施例】
本発明の方法で行った処理例で表1〜表5にその結果を示した。
【発明の効果】
本発明では、有機物残渣、有機物脱水汚泥、家庭ゴミを、液体肥料に容易に転換できる。重金属類などを分離できるだけでなく以下にまとめて示すような利便性を持っている。
(1)原材料の選択幅が大きい
反応性を柔軟に調整できる分離装置(加圧浮上分離設備)を持っているために取扱に手間取る油性の汚泥、粘性のある有機物汚泥、樹脂、紙くずなどの夾雑物を含む有機物汚泥、重金属類を含む有機物汚泥、有機性毒物を含む有機汚泥などを原料として受け入れられる。
(2)反応熱が有効に利用できる。
本発明の亜臨界水処理では処理装置の温度、圧力、pHは装置の局所で連続測定され、変化率なども自動で示される。このため原材料の亜臨界水処理の進行は把握され、温度上昇および圧力変化もプロセス値として、管理され、生成物の性状をこれまで以上に調整が容易になる。また化学結合の特異的な解裂が在ればこれを検知できる。有機物原料中の分子の解離状況を亜臨界水処理の気相をガス吸収装置で検知して、そのpH値、酸化還元電位の測定などで知ることが出来る。
(3)有機ハロゲン化合物の分離が可能に成る。
有機ハロゲン化物は環境毒性を示す物が多いことが知られている。亜臨界水処理ではハロゲンと炭素鎖の結合は比較的低い温度で解離する。この際高温、高圧下で触媒作用のある資材を原材料に添加してこれを促進できる。例えば有機ハロゲン化合物を含む場合は、シアン化メチルまたはシアン化エチルの少量を添加して、この分解を促進できる、分離されたハロゲンは無機イオンと成って気相、液相に存在するようになる。(例えば有機塩素化合物からの塩酸の発生など)これをアルカリ添着活性炭、ゼオライト層ろ過等を行い、気相吸着させ吸着層を間欠的に水洗して、効率的に塩素を除去できる。
本発明ではこの脱塩素工程を塩素量の少ない生成物を得る目的がある場合は付加的にこの工程を用いる物とする。
(4)重金属の分離が容易になる。
重金属類は亜臨界水処理で、有機質コロイド成分中に、金属配位化合物や、有機酸の金属塩(金属石鹸)などの形で、油性コロイド状の浮遊物か、無機成分に吸着した同様の成分の形で、沈殿する。本発明では微細気泡を発生する加圧浮上分離装置により、沈殿した成分も浮上分離される為(浮上分離の浮遊物分離効率は95%〜98%となる)
浮上物貯留槽にポンプ移送でき、再度亜臨界水処理原料として循環出来る。最終的に重金属濃度が上昇した浮遊物は廃棄物として計画的に安定化処理される。
(5)濃厚な液肥が生産できる。
亜臨界水処理の有機物残渣、有機物脱水汚泥の亜臨界処理生成物はアミノ酸が極めて豊富で、堆肥化された有機物と土壌中の代謝の進み方が異なることが知られている。堆肥と比較して、迅速に微生物に利用され、土壌の環境を整えて、植物の根茎の成長に働き、効率よく植物を生育させる。即効性と遅効性の両方の性質があり、土壌環境を安定した植物培地に変換する。その結果全般に植物の生長を促し、養分豊富な植物生産に寄与する。特に当初のアミノ酸利用は無機質肥料で荒廃した土壌や、貧栄養の土壌中で、微生物量と微生物の多様性を劇的に変換させる効果があり、実際に施肥した農家の評価も高い。これは亜臨界水処理で、タンパク質の分解から生じたアミノ酸が、堆肥化などで生じるアミノ酸よりも極端に多いことがその要因で、表−4の本発明の実験データーからその内容を知ることが出来る。
現在廃棄物処理で処理される有機物残渣、有機物脱水汚泥のかなりの部分が、含有の有害物質を経済的に除去分離出来ずに、埋め立て処分される現実があり、リサイクルの経済的、工業的障害と成っている。本発明でこれを有効に利用できる。
(6)貯蔵時の生成物の液性を容易に設定できる。
本発明では亜臨界水処理の生成物の基本的な液性は、亜臨界水処理の条件(処理温度、処理圧力の値、およびその変化率)で調整されるが、プロセスの内容に混和できる凝集反応槽があるため、付加的に、貯蔵時の液性(pH、含有成分など)は長期貯蔵時の安定性や、腐敗の抑制、酸化の抑制などの目的で、利用される状況をあらかじめ設定して調整出来る。混和機能を持った凝集反応槽で分離される液性を調整出来る。また亜臨界水処理に循環する際の、原料としての調整も混和機能を持った凝集反応槽で処理できる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のフローシートである。
本発明では原料となる有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミを▲13▼原料調質剤として生成物に影響を与える材量(pH調整剤、水分調整剤、初期反応調整用薬剤)を添加して▲2▼亜臨界水処理装置で亜臨界水処理(圧力1MPa〜2.5MPa。温度170度〜250度)を行う。生成物は液状あるいは液状スラリー状の生成物で排出され▲4▼生成物貯留槽に排出される。これは▲5▼凝集反応槽にポンプアップして、pH調整、凝集剤と混和し調整して▲6▼加圧浮上槽に流下させ加圧浮上処理を行うことで、工学的にも簡便に有害物質としての重金属類を浮上フロス側に浮上分離する。有機物の浮遊物と有害重金属類は▲12▼浮上フロス槽に加圧浮上槽に流下するが、有機物の含有量を多量に含む段階では、亜臨界水処理に返送し、再度処理される。徐々に浮上フロス分中の重金属濃度は増加するので、濃縮された浮遊物中の重金属の分析値が一定の値に達する段階で、浮上フロス分は重金属含有廃棄物として安定化処理される。
本発明の方法では凝集反応に使われる凝集剤は使用目的に応じて無機凝集剤(PAC、硫酸バンドなど)、食品添加物凝集剤(ポリアクリル酸ソーダーなど)を選択出来る。
本発明では▲14▼無機鉄塩、▲11▼鉄含有薬品(硫酸第一鉄塩、第二鉄塩など)が使用されるがこれは重金属類の共凝集とキレート作用を目的として使われる。重金属類は鉄と共凝集しながら効率的に有機物の浮遊物とともに加圧浮上分離される。
生成した液肥は加圧浮上分離槽から処理水として排出されるが、使用目的により、ろ過処理が追加処理として行われる。(ろ過処理の逆洗水は加圧浮上設備に返送される。)
いずれの場合でも、本発明では重金属類は連続的に除去され、これまで利用先の乏しかった有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミなどは産業資材として利用され、既存の肥料をしのぐ、経済性と肥効を持つ、施肥作業が簡便な液肥として利用される。
▲1▼原材料 有機物残渣、有機汚泥脱水残渣、家庭ゴミなど
▲2▼亜臨界処理装置(圧力1〜2.5MPa)
反応中の内部環境は連続的にサンプリンされ、pH、ORPなどの計測を行う。
▲3▼亜臨界処理生成物 本発明では液体あるいは液状スラリーとして排出される。
▲4▼生成物貯留槽
▲5▼凝集反応槽
緩速撹拌機2台を持った反応槽、凝集剤を添加されpHその他の指示調節計で計測調整される。
▲6▼加圧浮上槽
微細気泡による加圧浮上分離が行われ、油性物質、浮遊物が浮上フロス分に移動し液中から除去される。
▲7▼加圧浮上処理水(液肥)
浮上分離された液相は処理水として自然流下する。
▲8▼液肥(プロセス生成物、ろ過処理されないもの)
▲9▼ろ過装置
ろ過装置には一般のアンスラサイト、石英砂などが使用できる外、膜処理も出来る。
▲10▼液肥(プロセス生成物、ろ過処理したもの)
▲11▼鉄分含有薬品
共凝集作用により重金属を捕捉する作用を調整する。
▲12▼浮上フロス槽(分離された浮遊物)
油性物質、凝集した浮遊物など(重金属を含む浮遊物を含む)が浮上して、濃縮される。
▲13▼原料調質剤
亜臨界水処理の促進剤(水分調整材、pH調整剤など)
▲14▼無機鉄塩
遊離重金属イオンなどを凝集させること、有機物コロイド粒子の凝集剤として使用
▲15▼無機凝集剤
PAC、硫酸バンドなどの無機凝集剤を処理により選択する。
▲16▼高分子凝集剤
食品添加物高分子凝集剤など高分子凝集剤を選択する。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機質残渣、有機質汚泥残渣、家庭ゴミなどを亜臨界水処理装置に導入し、温度170度から250度、圧力1MPaから2.5MPaの高温高圧下で緩速撹拌し、効率的に化学結合を解離させることにより、保水性の有機物の物性を失わせて、効率的に含有アミノ酸類、無機成分、有機酸に分解し、液状、またはスラリー状の液肥としての効果のある亜臨界処理生成物を得る方法。
【請求項2】
亜臨界水処理の液状あるいはスラリー状の有機物を含んだ生成物をそのままあるいは処理水で希釈して、加圧浮上設備の反応槽に導入し、無機凝集剤、あるいは有機物高分子凝集剤を添加して撹拌し、凝集した後、微細気泡を発生する加圧浮上処理装置に導いて、凝集物を浮上分離して、処理水として浮遊物が除かれ、有機成分が均質化された液状成分を得る方法。
【請求項3】
請求項2で分離された浮遊物、浮上槽から引き抜かれた沈殿残渣を再度亜臨界水処理装置に導入し、再度亜臨界水処理を行い段階的に原料の有機物凝集物を漸減させる方法
【請求項4】
請求項3で分離された浮遊物、引き抜き浮上槽沈殿物残渣を亜臨界水処理する際、鉄分を含有する残渣、成分、薬品、等を計画的に添加し、有機物残渣、有機物汚泥残渣から生成した解離性の重金属を鉄分と共凝集させて、後段の加圧浮上分離設備で分離させることを特徴とする重金属処理機能を持った亜臨界水処理プロセス。
【請求項5】
[請求項2]で分離した処理水を更にろ過装置(砂ろ過、アンスラサイトろ過、膜ろ過)に送りろ過し,浮遊物の少ない液肥処理水を得る方法およびろ過装置の逆洗浄水を再度加圧浮上設備に循環させて、ろ過分離物を処理するプロセス。

【公開番号】特開2012−81457(P2012−81457A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239041(P2010−239041)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(510283719)
【出願人】(510283731)
【Fターム(参考)】