説明

交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地およびそのモップ

本発明は交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地に関し、ポリプロピレン、およびポリエチレンなどの該剛性繊維、および1.0デニール以下のサイズを有するポリエステル微小繊維、およびポリエステル−ナイロン複合材微小繊維などの該高吸収性繊維は、凝集された剛性繊維からなる剛性繊維領域および凝集された高吸収性繊維からなる超吸収性繊維領域が交互に配置されるようなやり方で、丸編み、機織りまたはタフティングなどの公知の方法により、織られ/編まれ、処理される。布地により、屋内箇所の清掃の際に掃くことおよび拭き取りを同時に行うことが可能である。また、それは、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、および布地上に積層される、一つの表面上に形成されるベルクロ(登録商標)・テープを有するシートを含み、そこで布地およびシートがかがり縫いまたは縫い合わせなどの仕上げ処理により結び付けられる屋内清掃用のモップ布に関する。モップ布は、ヒンジにより雑巾棒の末端に接続されるホルダーにさらに素早く取り付けるか、またはそこから取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、およびそれを用いるモップ布に関する。さらに詳細には、本発明は、屋内箇所の清掃の際に掃くことおよび拭き取りを同時に行うことができると共に、簡単にモップのモップ布ホルダーに取り付けられる、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、およびそれを用いるモップ布に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
従来型の布地は、たとえそれらが清掃用に開発されるとしても、一般には、それらが濡れているかまたは濡れていない間に微細塵を除去するための拭き取り専用のみに用いることができるように、吸収性または高吸収性を提供するように構築される。従って、たいていの通常清掃作業は、個別に表面を掃いて、通常拭き取り用に用いられるもの、例えば雑巾などの布による拭き取りの前にほうきまたは真空掃除機により清掃されることにより行われる。その結果、屋内箇所用の通常清掃の場合に、掃くことおよび拭き取りの少なくとも二つの操作が順次行われることが好ましく、このことは清掃を煩わしくする。
【0003】
さらに、従来型のモップ布はホルダー部に置かれる個別のジグを用いて雑巾棒のホルダー部上に固定され、洗浄用のホルダー部からは離されるべきである。
【0004】
そこで、本発明者らは、汚れが重度ではない屋内空間の清掃のため掃くことと拭き取りを同時に行うことができる新規な布地を開発してきて、本発明を完成した。
【発明の開示】
【0005】
発明の開示
技術目標
掃くことおよび拭き取りが単一清掃において同時に行うことができるように、交互に配置される剛性繊維領域および超吸収性繊維領域を含む構造を有する、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を提供することが本発明の目的である。
【0006】
交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、および、かがり縫いまたは縫い合わせにより布地の一端に固定され、それにより、それが、雑巾棒、特にヒンジにより雑巾棒の下端に接続されるモップ布ホルダーから素早く簡単に取り外され、且つ取り付けることができるベルクロ(登録商標)・テープを有するシートを含み、交互に配置される剛性繊維および超吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布を提供することが本発明の別の目的である。
【0007】
技術的解決法
本発明により、上記および他の目的は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、およびナイロンなどの剛性繊維、1.0デニール以下のサイズを有するポリエステル微小繊維、およびポリエステル−ナイロン複合材微小繊維などの高吸収性繊維が、凝集された剛性繊維からなる剛性繊維領域および凝集された高吸収性繊維からなる超吸収性繊維領域が交互に配置されるようなやり方で、丸編み、機織りまたはタフティングなどの公知の方法により、織られ/編まれ、処理される、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地の提供により達成することができる。
【0008】
また、本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地は、10〜50:50〜90の剛性繊維領域対超吸収性繊維領域の面積比を有する。
【0009】
本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布は、所定の面積を有するように切断された交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、および次に布地上に積層されるその表面上に固定化手段を有するシートを含むと共に、その中で布地およびシートは、それらの縁の周りを包み込む布でのかがり縫いまたは縫い合わせによりそれらの縁で結び付けられる。それは、簡単に雑巾棒に取り付け、そこから取り外すことができるモップ布として用いることができる。
【0010】
また、本発明による交互に配置される剛性繊維および超吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布において、シートの一つの表面上に形成される固定化手段は、ベルクロ(登録商標)・テープのフック部分またはループ部分である。
【0011】
効果
従って、掃くことおよび拭き取りを同時に行うために、交互に配置される剛性繊維領域および超吸収性繊維領域を含む構造を有する、本発明による布地を用いることにより、より効率的に且つ便利に掃くことおよび拭き取りを同時に行って単一掃除において清掃操作を完了させることが可能である。
【0012】
さらに、剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地、および布地およびシートがそれらの縁の周りを包み込む布でのかがり縫いまたは縫い合わせにより結び付けられる、布地上に積層されるその一つの表面上に形成されるベルクロ(登録商標)・テープを有するシートを含む本発明によるモップ布を用いることにより、モップ布をヒンジにより雑巾棒の一端に接続されるホルダーに取り付けるか、またはそこからの取り外しを一層素早く、簡単に達成することが可能である。
【0013】
発明実施の最良の形態
今、本発明は以後添付図面と併せて詳細に説明される。
【0014】
図1は、本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を示す平面図であり、図2は本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布を示す斜視図であり、図3は、モップ布が雑巾棒に接続されるモップ布ホルダーに取り付けられようとする、本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を含むモップ布を使用する例を示す斜視図である。
【0015】
図1に関して、交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地10は、丸編み、機織りまたはタフティングにより製造されると共に加工され、剛性繊維は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、およびナイロンなどであり、高吸収性繊維は、例えば、公知の方法による1.0デニール以下のポリエステル微小繊維、ポリエステル−ナイロン複合材微小繊維であり、該布地は、交互に配置される凝集された剛性繊維からなる剛性繊維領域11および凝集されれた高吸収性繊維からなる超吸収性繊維領域12を含む構造を有する。
【0016】
本明細書において用いられる用語「剛性繊維」は、高曲げ強度および高弾力性などの物理的特性を有する糸であり、一般的に、太く紡糸するビニル系合成繊維により得られる長繊維を指す。本発明において、剛性繊維は繊維の原料によって限定されるものではなく、あらゆる剛性の合成繊維は用いることができる。好ましくは本発明において用いることができる剛性繊維の例には、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維およびナイロン繊維が挙げられる。特に、ポリプロピレン繊維は低い水吸収性、高弾力性および優れた機械特性を有する。
【0017】
高吸収性繊維は、1.0デニール以下の径を有するポリエステル微小繊維またはポリエステル−ナイロン複合材微小繊維などの高保水率の繊維を指す。好ましくは、高吸収性繊維の例には、紡糸および層間剥離により微小繊維に容易に形成することができるポリエステル繊維が挙げられる。本発明において有用な高吸収性繊維は、国内および外国の会社から市販されているあらゆる公知のものであることができることは、理解されるべきである。
【0018】
本発明により、布地は、凝集された剛性繊維を含む剛性繊維領域11および凝集された高吸収性繊維を含む超吸収性繊維領域12が、公知の方法での丸編み、機織りおよびタフティングにより互いに交互に配置される構造を有する。
【0019】
布地は、剛性繊維領域11および超吸収性繊維領域12を互いに交互に配置するようなやり方で、公知の方法に従って、凝集された剛性繊維の剛性繊維領域11および凝集された剛性繊維の超吸収性繊維領域12を丸編みし、機織りしまたはタフティングすることにより製造することができる。すなわち、本発明による布地の構造は、編み機または機に導入される一般繊維の配置を制御することにより達成することができる。
【0020】
本発明による布地において、剛性繊維領域11は掃くためのほうきとして機能し、超吸収性繊維領域12は拭き取るための雑巾として機能する。本発明による布地が交互に配置される剛性繊維領域11および超吸収性繊維領域12を含む構造を有するので、使用者が屋内箇所の床を布地により掃除する場合に、清掃操作用に必要とされる掃くことおよび拭き取りは同時に行うことができ、従って、使用者は単一掃除操作において同時に掃くことおよび拭き取り操作を行うことができる。
【0021】
勿論、汚れがひどい時に、布地による清掃の前に真空掃除機などにより大きなサイズを有する汚物または泥を除去することは、好ましいことがある。しかし、たいていの屋内箇所、特に東洋家屋の床または部屋を清掃する場合に、掃くことおよび拭き取り操作は、布地による単一掃除により都合よく行えて清掃を完結させることができる。
【0022】
また、剛性繊維および超吸収性繊維を含む布地10において、剛性繊維領域11対超吸収性繊維領域12の面積比率は、10〜50:50〜90である。
【0023】
好ましくは、剛性繊維領域11は、超吸収性繊維領域12に対して10〜50%の面積割合を有する。これは、掃くことの操作が塵埃を一方側に押し出すだけであり、一方で拭き取り操作は微小な塵を直接超吸収性繊維領域12上に吸着するという理由による。従って、清掃の間拭き取り操作のために用いられる超吸収性繊維領域12は、好ましくは、掃くことの操作のために用いられる剛性繊維領域11よりも大きい。
【0024】
しかし、剛性繊維領域11が布地10の全体面積に対して10%未満である場合に、掃くことの操作は満足に行うことができない。それが50%を超える場合に、拭き取り操作は満足に行うことができず、布地10は次の使用のために洗浄することが好ましい。
【0025】
また、布地は、さらに、かがり縫いまたは縁の周りで包み込まれる布での縫い合わせにより処理される縁に仕上げ領域を含むことができる。この仕上げ領域により、布地(雑巾)は縁で擦り切れることなしにその元の形状を維持することができる。
【0026】
特に、図2に示されるように、所定の面積を有するように切断された本発明による布地10が提供され、一つの表面上に形成される固定化手段15を有するシート14は、固定化手段により形成される表面が外側に露出されるようなやり方で布地上に積層される。布地10とシート14の積層体は、その縁でかがり縫いされるか、または縁周りで包み込まれる布により縫い合わされて仕上げ領域13を有するモップ布を形成する。かがり縫いまたは包み込まれる布による縫い合わせの処理により、縁で擦り切れることなしに元の形状を維持することができる織布または編地の雑巾またはモップ布を作製することは可能である。
【0027】
シート14の一つの表面上に形成される固定化手段は、ベルクロ(登録商標)・テープのフック部分およびループ部分から選択することができる。
【0028】
図3は、モップ布が雑巾棒に接続されるモップ布ホルダーに取り付けられようとする、本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布を使用する例を示す透視図である。所定の面積を有するホルダー19は、前後左右に回転するようなやり方で、ヒンジにより雑巾棒の末端に接続される。ホルダー19の底で、モップ布16のシート14上に提供されるベルクロ(登録商標)・テープ15の他の部分に固定化しようとするベルクロ(登録商標)・テープ15の相手部分が形成される。従って、モップ布16は、簡単にモップのホルダー19に取り付け、且つそれから取り外すことができる。
【0029】
発明を実施するための形態
【実施例】
【0030】
実施例1
500d/11fドープ染色ポリプロピレンフィラメントヤーン、100d/192f4層ポリエステル微小繊維糸(185tpm)および150d/144f3層ポリエステル微小繊維ヤーン(185tpm)を、繊維の面積比30:35:35を有するパイル布を編むための円形編み機を用いて編んだ。得られたパイルを切断し、きれいに磨き、高圧液流染色機中で染色した。布地の裏側を、パイルが外に落ちないようにポリウレタンで被覆した。このように、本発明による剛性繊維領域および超吸収性繊維領域を有する編んだパイル布地を作りあげた。
【0031】
このように得られた編地を、所定のサイズを有する断片に切断し、各断片を表面上に形成される固定化手段としてのベルクロ(登録商標)・テープを有するシートにより積層した。得られる積層板をその縁でかがり縫いされた縫い目により仕上げて、雑巾を形成した。
【0032】
実施例2
500d/11f6層ドープ染色ポリプロピレンフィラメントヤーン、150d/144f20層ポリエステル微小繊維ヤーンをタフティング機上で編んで、繊維の面積比15:85を有するパイル布を形成し、次に切断した。布地の裏側を、パイルが外に落ちないようにポリウレタンで被覆した。このように、本発明による剛性繊維領域および超吸収性繊維領域を有する織ったパイル布地を作りあげた。
【0033】
このように得られる織布を、所定のサイズを有する断片に切断し、各断片を表面上に形成される固定化手段としてのベルクロ(登録商標)・テープを有するシートにより積層した。得られる積層板をその縁でかがり縫いされた縫い目により仕上げて、雑巾を形成した。
【0034】
産業上の利用性
本発明により屋内箇所の清掃の際に掃くことおよび拭き取りを同時に行うために交互に配置される剛性繊維領域および超吸収性繊維領域を含む構造を有する布地は、汚れが重度でない屋内空間の清掃のため雑巾が掃くことおよび拭き取りを同時に行うのに適する。
【0035】
本発明は上述の実施形態により詳細に説明されてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲に開示される本発明の範囲および精神から逸脱することなく種々の修正、付加および代用が可能であることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を示す平面図である。
【図2】本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布を示す斜視図である。
【図3】モップが雑巾棒に接続されるモップ布ホルダーに取り付けられようとする、本発明による交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布を使用する例を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地であって、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、およびナイロンなどを含む合成繊維の剛性繊維、および1.0デニール以下のサイズを有するポリエステル微小繊維、およびポリエステル−ナイロン複合材微小繊維などを含む微小繊維の該高吸収性繊維は、凝集された剛性繊維からなる剛性繊維領域および凝集された高吸収性繊維からなる超吸収性繊維領域が交互に配置されるようなやり方で、丸編み、機織りまたはタフティングなどの公知の方法により、織られ/編まれ、処理される布地。
【請求項2】
前記剛性繊維領域対前記超吸収性繊維領域の面積比が10〜50:50〜90である、請求項1に記載の布地。
【請求項3】
所定の面積を有するように切断された布地、および前記布地上に積層される、一つの表面上に形成された固定化手段を有するシートを含むと共に、前記布地およびシートがそれらの縁でかがり縫いされるかまたはそれらの縁の周りに包み込まれる布により縫い合わされる、請求項1に記載の交互に配置される剛性繊維および高吸収性繊維を有する布地を用いるモップ布。
【請求項4】
シートの一つの表面上に形成される前記固定化手段が、ベルクロ(登録商標)・テープのフック部分またはループ部分である、請求項3に記載のモップ布。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−513266(P2007−513266A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542489(P2006−542489)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002483
【国際公開番号】WO2005/054555
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(506187636)テゴ カンパニー,リミティド (1)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】