説明

交互間隔を備えるメッシュ平面を作製するための多層セラミック・パッケージ、方法、システム、およびコンピュータ読み取り可能媒体

【課題】新規な基準メッシュ層を備える多層セラミックパッケージを設計および作製するシステムを提供する。
【解決手段】改良された多層セラミック・パッケージは、それぞれが1本または複数の信号線を有する複数の信号平面と、それぞれが電圧(Vdd)電力接続または接地(Gnd)接続のうちの1つを提供する複数のバイアと、1つまたは複数の信号平面に隣接する少なくとも1つの基準メッシュ平面102とを含む。基準メッシュ平面102は、狭い広いまたは広い狭いパターンで交互になる間隔132によって分けられた、離隔メッシュ線を含む。交互間隔132を備えたメッシュ平面を使用する多層セラミック・パッケージは、一定間隔を備えた従来のメッシュ平面よりも大幅に低い遠端(FE)ノイズをセラミック・パッケージ内に生成する。このノイズは、信号平面内の信号線の反対側にシールド線を配置することによって、さらに低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路に関し、より具体的には、多層セラミック・パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージは通常、半導体チップまたはモジュールを装着または支持するために使用される。典型的な半導体チップは、半導体基板上に形成された小型半導体デバイスを含む。シリコンなどの半導体基板は、通常、脆弱であり、支持および機械的剛性のために半導体基板がその上に装着されるキャリアに依拠する。加えてキャリアは、支持を提供するために、チップとデバイスとの間に、プリント回路基板(PCB)などの機械的および電気的インターフェースを提供し、この上にチップ/キャリアの組み合わせが装着される。この組み合わせは「チップ・キャリア」または「チップ・パッケージ」と呼ばれ、単一チップ・モジュール(SCM)または複数チップ・モジュール(MCM)が可能である。
【0003】
多層セラミック・パッケージは、非常に高い配線および電力密度を提供できることから、SCMまたはMCMとプリント回路基板(PCB)とをインターフェースさせるために魅力的なものである。密度は、効率的かつ高性能なシステムの顕著な特徴である。従来のセラミック・パッケージは、通常、導電体を担持し複数の基準平面間に挟まれた複数の信号平面から形成される。各信号平面は、信号平面に供給(Vdd)および接地(gnd)電位を提供する上部および下部の基準平面間に配置される。各基準平面は、通常、バイアがアクセス可能な交差基準線から形成されるグリッド構造である。グリッド構造は、セラミック基板上に作製可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高性能システムによって課せられる性能要件を満たすために、チップ・パッケージ内に提供される信号線の数および信号速度は着実に増加してきた。速度および信号線の数が増加するにつれて、同じ層内の信号線間および隣接層内の信号線との間のクロストーク(cross−talk)の可能性も増加する。クロストークの結果、電気的ノイズが生成され、これがチップ・パッケージ内の信号速度および性能に悪影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に従い、改良された多層セラミック・パッケージが提供される。パッケージは、それぞれが1本または複数の信号線を有する複数の信号平面と、それぞれが電圧(Vdd)電力接続または接地(Gnd)接続のうちの1つを提供する複数のバイアと、信号層とも呼ばれる1つまたは複数の信号平面に隣接し、これと平行な、少なくとも1つの基準メッシュ平面とを含む。基準メッシュ平面は、基準メッシュ層の平面内で交互の相対的に狭い間隔および相対的に広い間隔で1方向に区切られた、複数の交差基準線を含む。例示的な一実施形態では、間隔は2対1の割合および1対2の割合である。言い換えれば、相対的に狭い間隔はN単位で表され、相対的に広い間隔は2N単位で表され、Nは所望の測定単位を表す。他の例では、基準メッシュ平面内の交互間隔は、信号平面内で信号伝搬方向に変位または配置される。交互の狭い/広いまたは広い/狭い間隔を備える新規のメッシュ平面は、多層セラミック・パッケージ内の信号線間を結合する遠端(Far−End)(FE)ノイズを大幅に減少させる。FEノイズ・レベルは、信号平面内の信号線の両側にシールド線を作製することによって、さらに減少させることができる。
【0006】
新規な基準層または基準平面を備える多層パッケージは、コンピュータ上で実行されるプログラム製品によって実装される方法から開発可能である。プログラム製品は、コンピュータ使用可能媒体内に埋め込まれるコンピュータ使用可能プログラム・コードを含む。
【0007】
本発明の他の実施形態は、新規な基準メッシュ層を備える多層セラミック・パッケージを設計および作製するシステムを提供する。システムは、複数の信号線を有する信号平面と、信号平面に平行に配置された複数の交差基準線を有するメッシュ基準平面とを含む、多層セラミック・パッケージを生成するように構成された、多層パッケージ設計エンジンを含む。メッシュ最適化エンジンは、基準線の配置を調整するように構成されるため、調整された基準線に関連付けられた間隔は2対1(2:1)の割合で交互になる。セラミック・パッケージ作製システムは、新規な基準平面を含む設計に基づいて多層セラミック・パッケージを作製する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】基準メッシュ平面の基準線間に一定間隔を備える多層セラミック・パッケージを示す三次元(3D)透視図である。
【図2】基準線間の一定間隔と信号平面内の信号伝搬方向とを示す基準メッシュ平面を示す、概略部分平面図である。
【図3】一定間隔を備える基準平面を示す、概略全または完全平面図である。
【図4】図1に示された3D多層セラミック・パッケージを示す、概略断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に従った、新規な基準メッシュ平面を備える多層セラミック・パッケージを示す、概略3D透視図である。
【図6】信号平面内の交互間隔方式および信号伝搬方向を示す、図5に示された新規な基準メッシュ平面を示す、概略部分平面図である。
【図7】本発明の実施形態に従った交互間隔方式を示す、図5に示された新規な基準メッシュ平面を示す、概略全平面図である。
【図8】図5に示された新規な基準メッシュ平面を備える3D多層セラミック・パッケージを示す、概略断面図である。
【図9】交互間隔を備える基準メッシュ平面および信号平面内のシールド線を示す、多層セラミック・パッケージの概略3D透視図である。
【図10】シールド線と交互間隔を備える基準メッシュ平面とを示す、図9の概略平面図である。
【図11】図9に示された多層セラミック・パッケージを示す概略断面図である。
【図12】基準メッシュ平面内に一定間隔を有する多層セラミック・パッケージ、および基準メッシュ平面内に交互間隔を有する多層パッケージ内の、FE(遠端)ノイズを示すグラフである。
【図13】一定間隔を備える基準メッシュ平面を有する多層セラミック・パッケージ、信号平面内のシールド線および基準メッシュ平面内の交互間隔を有する多層セラミック・パッケージ内の、FEノイズを示すグラフである。
【図14】例示的データ処理システムと、内部に多層セラミック・パッケージの実施形態が設計および作製可能な作製機構とを示す図である。
【図15】多層セラミック・パッケージを設計および作製するためのシステムの、代替の例示的ブロック図である。
【図16】交互間隔のみを備えるか、または交互間隔および信号平面内のシールド線を備える、基準メッシュ平面を設計するための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に図1を参照すると、三次元(3D)多層セラミック・パッケージ100の従来のモデル/設計が示されている。図に示されるように、多層セラミック・パッケージ100は、4つの基準メッシュ平面/層102、104、106、および108と、基準メッシュ平面/層102、104、106、および108の間に点在する信号線S1〜S9を備える複数の信号(トレース)層(3つを図示)と、基準メッシュ平面/層102、104、106、および108を通って延在する複数のバイア(一部が図示され、118、120、122、124、126、128、および130とラベル付けされている)とを備える。基準メッシュ平面/層は同一である。したがって、1つの説明がすべての説明をカバーしているものと意図される。それぞれの基準メッシュ平面は、その上に複数の基準メッシュ線が配設され格子構造を形成するように相互接続された、セラミック基板を含む。図1に(図2ではより明確に)示されるように、格子構造は、X−Y平面のY軸に平行に延在する第1のセットの離隔基準線と、X−Y平面のX方向に延在する第2のセットの離隔基準線とを含む。第1のセットおよび第2のセットのうちの選択されたセットは、金属クロス構造によって接続される。金属クロス構造のうちの140および142とラベル付けされた2つが、図1に示されている。
【0010】
さらに図1を参照すると、基準メッシュ平面または層はスタック構成で配置され、互いに対して変位する。それぞれの基準メッシュ平面は、Vdd(gnd上)電位または接地(gnd)電位のいずれかを提供する。したがって、図示されていないが、それぞれの基準メッシュ平面には、場合によっては外部電源からVddまたはgnd電位を受け入れるかまたは受け取るための適切な接続が提供される。スタック内での基準メッシュ平面は、極性に基づいて交互になるように配置構成される。たとえば、gnd電位を提供する基準メッシュ平面の後にはVdd電位を提供する平面が続き、その後には別のgnd電位を提供する平面が続く、という具合である。バイアは、それぞれ選択された接地または地上(above ground)基準メッシュ平面と接触するように、ならびに多層セラミック・パッケージ全体にわたって接地および地上電位を分配するように、配置構成される。信号伝搬はX方向である。メッシュ線間の間隔132、134、136、および138は一定または同一である。特に、図1の従来の多層セラミック・パッケージでは、隣接する信号ネット間のノイズ/クロストークの結合問題、およびセラミック・パッケージ内の共振の問題は、望ましくないが一般的である。本明細書で説明される本発明の実施形態に従って基準メッシュ平面を設計変更することにより、セラミック・パッケージのノイズなどの望ましくない特徴は解消されるか、または大幅に低減される。
【0011】
図2は、図1の基準メッシュ平面102〜108と同一の従来の基準メッシュ平面200の(XY平面と対面する)概略平面図である。メッシュ平面200は、XY平面のX方向に延在する第1のセットのメッシュ線202〜222を備える。第2のセットのメッシュ線223〜231は、XY平面のY方向に延在する。第1のセットおよび第2のセットのメッシュ線は、統合メッシュを形成するために相互接続される。この構成の場合、信号伝搬はXY平面のX方向(正および負)である。第1のセットの線間の間隔は同一または一定である。
【0012】
図3は、図1の多層セラミック・パッケージの概略平面図(鳥瞰図)300である。この図は、一定の間隔を備える従来のメッシュ層を示す。破線302は、図の詳細なセクションを囲んでいる。囲まれたセクションは、金属クロス314〜328によって相互接続されたメッシュ線304〜312および330〜338を示す。金属クロスはメッシュ構造に剛性および機械的強度を提供し、gndバイアをgnd平面に接続し、vddバイアをvdd平面に接続する。図内にはバイア340も示されている。信号線は信号を伝送し、バイアは多層セラミック・パッケージ内の平面に適切な電位を提供する。たとえば、gndバイアはgnd平面を接続するために使用され、vddバイアはvdd平面を接続するために使用される。このように実行することにより、すべてのgnd平面はgndバイアによって同じgnd電位を有し、すべてのvdd平面はvddバイアによって同じvdd電位を有する。図に示されるように、メッシュ線間の間隔は同じかまたは一定である。
【0013】
図4は、メッシュ線間に一定の間隔を備える従来の基準メッシュ平面を含む、従来の多層セラミック・パッケージの断面図を示す。断面図400は、メッシュ平面402、404、406、および408を提供する。複数のメッシュ線410はメッシュ平面のそれぞれに接続される。従来のメッシュ平面内の間隔は一定または同一である。バイア412、414、416、および418はメッシュ平面408〜402を相互接続する。信号平面とも呼ばれる信号層420、422、および424が、メッシュ平面間に点在する。信号線S7、S8、およびS9が信号層420内に作製され、信号線S4、S5、およびS6が信号層422内に作製され、信号線S1、S2、およびS3が信号層424内に作製される。以下でより詳細に説明されるように、信号線S5は構造体の中央に位置するため、他の信号線上での信号伝送の結果として生じるクロストークによって発生する最大ノイズを体験する。従来の多層セラミック・パッケージ内のノイズ・アクティビティについて考察および測定するために、S5を「犠牲(victim)信号線」と呼び、ノイズを発生させるかまたは課する他の線を「攻撃(aggressor)信号線」と呼ぶ。図1に示されたような従来の多層セラミック・パッケージは、そのノイズに対する脆弱性の結果、相対的に遅い伝送速度で動作するデバイスに格下げされる。これらのデバイスはローエンド・デバイスと呼ばれる。これとは対照的に、以下に記載された本発明の実施形態は、関連付けられた多層パッケージ内のノイズを消去するかまたは大幅に低減させる。したがって、相対的に速い伝送速度で動作するデバイス(ハイエンド・デバイスと呼ばれる)内、および相対的に遅い伝送速度で動作するデバイス(ローエンド・デバイスと呼ばれる)内で使用可能である。言い換えれば、本発明の実施形態は、ローエンドおよびハイエンドのデバイス内での使用に好適である。
【0014】
次に図5を参照すると、本発明の実施形態に従って設計および作製される多層セラミック・パッケージ500の例示的概略3D図が示されている。図5の基準メッシュ平面またはメッシュ層の新規な構造を除き、残りの構造は図1の構造とほぼ同じである。本書では「平面」および「層」は互換的に使用される。言い換えれば、「層」および「平面」は同義語である。多層パッケージ500は、4つの基準メッシュ層502〜508と、メッシュ層間に点在する複数の信号層と、9本の信号線S1〜S9と、最下基準メッシュ層508から中間メッシュ層を通り最上メッシュ層502へと延在する複数のバイア518〜530とを備える。それぞれのメッシュ平面は複数の相互接続された交差メッシュ線から形成され、そのうちのいくつかはXY平面のX軸に平行に延在し、その他はXY平面のY軸に平行に延在する。信号線S1〜S9をそれぞれ担持する信号層は、基準メッシュ層に対して平行に位置付けられる。とりわけ、図5の多層セラミック・パッケージは、セラミック・パッケージ内の遠端(FE)ノイズなどの干渉を消去するかまたは大幅に低減させる、新規な基準メッシュ層構造を含む。これにより、高性能(ハイエンド)デバイスならびに低性能(ローエンド)デバイス内での使用にとって魅力的となる。基準メッシュ平面は、摂氏900度を超える温度でラミネートおよび焼結される個々のセラミック・シートまたは基板上での導体のスクリーニングによって作製することができる。同様に、開示された実施形態の基準メッシュ層は、他の知られたプロセスによっても作製可能である。
【0015】
さらに図5を参照すると、信号線S1〜S9内での信号伝送は、XY平面の正および負のX方向である。信号伝送が他の方向であるように多層セラミック・パッケージの向きを変更することは当業者の範囲内であるため、これは、開示された実施形態の範囲または教示に対する制限として解釈されるべきではない。こうしたいずれの変更も添付の特許請求の範囲によってカバーされていることは、出願人の意図である。電流の方向のメッシュ線間の間隔は、番号532および536によって識別される間隔Iと番号534および538によって識別される間隔IIとが交互になり、間隔Iおよび間隔IIは異なる寸法である。言い換えれば、間隔IがN単位の測定を表す場合、間隔IIは2N単位の測定、または設計者によって選択された任意の他の割合を表すことになる。同様に、間隔IIがM単位の測定である場合、間隔IはM割る2の単位となる。測定の単位は設計者の選択とすることができる。本明細書で後述されるように、新規な基準メッシュ層を使用する多層セラミック・パッケージは、遠端(FE)ノイズを消去するかまたは大幅に低減させる。この例示の場合、S5は「犠牲」信号線であり、S1〜S4およびS6〜S9は攻撃信号線である。
【0016】
次に図6を参照すると、図5で使用された新規な基準メッシュ平面600の概略部分平面図(鳥瞰図)が示されている。この図は、基準メッシュ平面600で使用される交互間隔方式を示す。メッシュ平面600は、第2のセットの直交メッシュ線618〜626と相互接続された第1のセットのメッシュ線602〜616を含む。図示された構造では、両矢印628は、XY平面内のX軸の正および負の方向に沿った信号伝搬方向を表す。本開示の範囲および教示を逸脱することなく、他の信号伝搬方向が選択可能であることに留意されたい。とりわけ、新規な基準メッシュ層600内では、第1のセットのメッシュ線602〜616間で間隔Iおよび間隔IIとラベル表示された間隔は、両矢印628によって示された信号伝搬方向に交互のパターンで変化する。間隔Iと間隔IIとの間の関係は、間隔IIが2つの間隔Iに等しいようになっている。実施形態の趣旨および教示を逸脱することなく、間隔Iと間隔IIとの間の他の割合も選択可能であることに留意されたい。
【0017】
次に図7を参照すると、図5の多層セラミック・パッケージ概略平面図が示されている。平面図700は、メッシュ線704〜712および交互の間隔716、718、720、および722を備える、新規なメッシュ平面を示す。囲まれたセクションは、金属クロス724〜738によって相互接続された、メッシュ線704〜712と750〜758とを示す。金属クロス724〜738はメッシュ線をまとめて保持する。加えて、複数のバイア746が示されている。バイア746はそれぞれ、それぞれの金属クロスに関連付けられ、それに対してgnd電位またはVdd(地上電位)を提供する。
【0018】
次に図8を参照すると、図5の例示的多層セラミック・パッケージの概略断面図が示されている。この図は、交互の間隔を備えたメッシュ平面構造を示す。断面図800は、メッシュ線810を備えた基準メッシュ層802〜808を備える。信号平面812、814、および816はメッシュ平面間に点在する。信号線S7、S8、およびS9が信号層816内に作製され、信号線S4、S5、およびS6が信号層814内に作製され、信号線S1、S2、およびS3が信号層812内に作製される。バイア818、820、822、および824はメッシュ層808、806、804、および802を相互接続する。
【0019】
図9は、交互間隔を備える基準メッシュ平面および信号伝搬層内のシールド線を有する、多層セラミック・パッケージの概略三次元図である。信号平面内のシールド線およびメッシュ平面内の交互間隔を含むセラミック・パッケージは、多層構造内の遠端(FE)ノイズをさらに低減させる。図9の3Dセラミック構造は、シールド線を除き、図5の3Dセラミック構造とほぼ同じである。また、図9の3Dセラミック構造は、交互間隔および信号平面内のシールド線を備える新規のメッシュ平面を除き、図1内の構造とほぼ同一である。3Dセラミック構造900は、4つのメッシュ平面902、904、906、および908と、メッシュ平面と平行に点在および走行する複数の信号平面と、最下メッシュ平面908から中間メッシュ平面906および904を通り最上メッシュ平面902へと延在する複数のバイアと、複数の信号平面上に作製される信号線S1〜S9と、信号線の両側に配設されたシールド線とを備える。この実施形態では、メッシュ線間の間隔932、934、936、および938は、XY平面のX方向に2:1(2対1)の割合で交互になる。本実施形態の教示から逸脱することなく、他の割合が選択可能であることに留意されたい。この実施形態では、信号の流れはXY平面のX方向(正および負)である。信号の流れが他の方向である構造の他の向きを提供することは当業者の範囲内であり、こうした構造は本開示の教示によって依然としてカバーされることに留意されたい。シールド線は信号線に平行に、両側に延在する。
【0020】
次に図10を参照すると、図9のセラミック構造の概略平面図(鳥瞰図)が示されている。平面図1000は、金属クロス1018〜1032によって相互接続されたメッシュ線1050〜1058および1006〜1014を含む。バイア(斜交平行線模様の領域)はそれぞれの金属クロス1018〜1032に結合される。間隔1034、1036、1038、および1040は、所望の方向に交互になる。シールド線1042、1044、1046、および1048は、各信号線の両側にペアで配置構成される。シールド線は信号線と平行に走行し、信号線と同じ長さである。加えて、選択されたシールド線が、特定のシールド線が内部に延在する方向性パスに沿って配置された1つまたは複数のバイアと相互接続される。
【0021】
次に図11を参照すると、図9の概略断面図が示されている。断面図1100はメッシュ平面1102〜1108を含む。複数のメッシュ線1110が、メッシュ平面上に動作可能なように分散される。信号平面1112〜1116がメッシュ平面間に位置付けられる。信号線S7、S8、およびS9が信号平面1116内にあり、信号線S4、S5、およびS6が信号平面1114内にあり、信号線S1、S2、およびS3が信号平面1112内にある。バイア1118、1120、1122、および1124が、メッシュ平面1108からメッシュ1106、1104を通って延在し、メッシュ平面1102で終端する。シールド線1126、1128、1130、および1132が信号平面1116内にある。加えて、信号線S7、S8、およびS9も信号平面1116内にある。同様に、シールド線1134、1136、1138、1140、信号線S4、S5、およびS6が信号平面1114内にある。最後に、シールド線1142、1146、1148、および1150が信号平面1112内にある。加えて、信号線S1、S2、およびS3も信号層1112内にある。シールド線は選択されたバイアに選択的に接続される。以上、遠端(FE)ノイズを大幅に低減させる多層セラミック・パッケージのための新規な構造について説明してきたが、次に、改良された構造の性能と従来の構造の性能との比較について説明する。
【0022】
図5に記載されたような交互の間隔を備える多層セラミック・パッケージ設計は、本明細書に記載される手順に従って通電(energize)または活動化された。同様に、図1に記載されたような一定の間隔を備える従来の多層セラミック・パッケージ設計も、本明細書に記載される手順に従って通電または活動化された。以下の表1は、FEノイズを低減または抑制させるための新規な構造の優位性を明確に示す結果を記載している。
【表1】

【0023】
表に示されるように、表1は2つの列を備える。列1は実行されている構造を列挙し、列2は各構造に関連付けられた最大FEノイズを列挙している。表1は、表の行を介して示される2つの別個の構成に関する結合ノイズを提供する。第1の構成行は、メッシュ平面内で一定間隔を使用する構成に関する結果を提供し、第2の構成行は、交互間隔を備えるメッシュ平面を使用する。構成はコンピュータ生成され、ノイズ結合比較を提供するためにPowerSPICEシミュレータ上で実行される。PowerSPICEはインターナショナル・ビジネス・マシンズのSPICEシミュレータである。市販製品は、Cadence Design SystemsによるPSPICEマーケット、およびSynopsysによるHSPICEマーケットを含むことができる。立ち上がり時間75ピコ秒(psec)の1ボルト(1V)のランプ・ソースが、信号線S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、およびS9の入力に印加される。このシミュレーションでは、信号線の長さが2cmに選択された。シミュレーションでは、犠牲ネットとして信号ネットS5(図5および図1を参照のこと)が選択された。信号線の入力および出力は、50オーム抵抗で終端された。
【0024】
表1は、一定間隔を備えるメッシュ平面および交互間隔を備えるメッシュ平面を使用する構成に関して、8つのすべての攻撃によるS5の犠牲信号ネット上での遠端(FE)結合の影響を示す。表1は、交互間隔を備えるメッシュ平面を使用する構造によって、最大FEノイズが大幅に(31.8%)低減されることを示す。
【0025】
FEノイズの制御において、等しいかまたは一定の間隔を備える構造よりも交互間隔を使用する構造の方が優れている理由に関して、以下で数学的に説明する。信号線が入力および出力において50Ω抵抗で終端し、攻撃がパルス励起を伴うものである場合、最大(または飽和)遠端(FE)ノイズ、Vは、以下のように表すことが可能であり、
【数1】


上式で、CおよびCは、それぞれ単位長さ当たりの相互キャパシタンスおよび単位長さ当たりの自己キャパシタンスであり、LおよびLは、それぞれ単位長さ当たりの相互インダクタンスおよび単位長さ当たりの自己インダクタンスである。Vはアクティブ線上の電圧振幅、lは結合長さ、およびtは入力パルス立ち上がり時間である。最大(または飽和)FEノイズは、C、C、L、およびLの大きさに依存して負または正が可能であることは明らかである。言い換えれば、遠端(FE)ノイズ結合は、以下の条件に合致した場合に消去可能である。
【数2】


上式(2)における条件は、相互接続構造が数式(2)内の均衡条件を満たすように設計できる場合、遠端(FE)ノイズを完全に消去できることを示唆していることに留意されたい。
しかしながら、
【数3】


は通常非ゼロである。すなわち、ほとんどの実際的なケースでは
【数4】


である。
交互間隔を備えたメッシュ平面構造内の方が、一定間隔を備えた従来のメッシュ平面構造内よりも小さい最大遠端(FE)ノイズが観測された理由は、交互間隔を備えたメッシュ構造が、
【数5】


において、一定間隔を備えた従来のメッシュ構造よりも小さい数を生成できるためである。
【0026】
交互間隔を備えたメッシュ平面構造内でシールド線を採用することによって、遠端(FE)ノイズをさらに低減させることができる(図9を参照)。表IIは2つの列を含む。第1の列は実行されている構造を列挙している。第2の列は、8つのすべての攻撃線S1〜S4およびS6〜S9によって課せられる、犠牲線(S5)上のFEノイズ結合の結果を列挙している。第1の構成列は、一定間隔を備えるメッシュ平面を使用する構造に関する結果を提供する。第2の構成列は、交互間隔を備えるメッシュ平面を使用する。どちらの構造も、以下のように実行された。立ち上がり時間75ピコ秒(psec)の1ボルト(1V)のランプ・ソースが、信号線S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、およびS9の入力に印加される。このシミュレーションでは、信号線の長さが2cmに選択された。シミュレーションでは、犠牲ネットとして信号ネットS5(図5および図1を参照のこと)が選択された。信号線の入力および出力は、50オーム抵抗で終端された。表IIはこれらの結果をまとめたものである。交互間隔およびシールド線を備えるメッシュ平面によって、最大FEノイズ電圧が大幅に低減されること(このケースでは75.3%低減)が観察されている。
【表2】

【0027】
図12は、本発明の実施形態に従った交互間隔を備えるメッシュ平面を有する多層セラミック構造(図5)、および一定間隔を備えるメッシュ平面を有する多層セラミック構造(図1)に関する、8つのすべての攻撃ネットによる犠牲信号ネット(図5および図1のS5など)上の遠端(FE)ノイズの波形の比較を示すグラフである。グラフ1200は、交互間隔を備えるメッシュ平面を有するトレース構成の結果として生じるFEノイズ波形1202を示す。グラフ1200は、一定間隔を備えるメッシュ平面を有するトレース構造の結果として生じるFEノイズ波形1204も示す。グラフ1202とグラフ1204との比較は、最大FEノイズ電圧が、交互間隔を備えるメッシュ平面構造によって大幅に低減されること(グラフ1200のケースでは31.8%の低減)を示している。
【0028】
図13は、本発明の実施形態に従った交互間隔およびシールド線を備えるメッシュ平面を有する多層セラミック構造(図9)、および一定間隔を備えるメッシュ平面を有する多層セラミック構造(図1)に関する、8つのすべての攻撃ネットによる犠牲信号ネット(図1および図9のS5など)上の遠端(FE)ノイズの波形の比較を示すグラフである。グラフ1300は、交互間隔および信号平面内のシールド線を備えるメッシュ平面を有するトレース構成の結果として生じるFEノイズ波形1302を示す。グラフ1300は、一定間隔を備えるメッシュ平面を有するトレース構造の結果として生じるFEノイズ波形1304も示す。グラフ1302とグラフ1304との比較は、最大FEノイズ電圧が、交互間隔およびシールド線を備えるメッシュ平面構造によって大幅に低減されること(グラフ1300のケースでは75.3%の低減)を示している。
【0029】
図14は、インターネットなどの通信ネットワーク1406によって作製システム機構1402およびリモート・サーバ1404に結合された、例示的データ処理システム(DPS)1400を示すブロック図である。DPS1400は、本発明の実施形態に従った多層セラミック・パッケージのための設計を生成する。この設計は作製システム機構1402に送達され、この機構が送達された設計に従って多層セラミック・パッケージを作製する。この設計は、インターネットまたは何らかの他のタイプの通信ネットワークを介して作製機構1402に送達するか、またはコンピュータ読み取り可能媒体上に記録し、良く知られた送達サービスのうちの1つによって送達することが可能である。リモート・サーバ1404は、設計データまたは他の情報をDPS1400に提供することができる。DPS1400と作製システム機構1402との間の破線は、インターネット以外の代替方法を表し、これによって設計を作製機構1402に送達することができる。
【0030】
さらに図14を参照すると、DPS1400は、システム・バス1410によってストレージ1412、システム・メモリ1414、入力/出力コントローラ(I/O CTL)1416、およびネットワーク・インターフェース・デバイス(NID)1418に結合される、CPU1408を含む。NID1418は、通信ネットワーク1406、それに結合されたデバイス、およびDPS1400の間に、ネットワーク接続を提供する。I/Oコントローラ1416は、USB1420、マウス1422、キーボード1424、ディスプレイ1426、およびマルチメディア・ドライブ1408(たとえば、コンパクト・ディスク読み取り/書き込み(CDRW)またはデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)ドライブ)を含むことが可能な、I/Oデバイスに、CPU1408への接続を提供する。I/Oデバイスは、情報を入力すること、またはそこから抽出すること、あるいはその両方によって、ユーザがDPS1400と通信できるようにする。たとえば、マルチメディア・ドライブ1428およびUSBポート1420は、データ/命令/コードをそこに格納すること、または、データ/命令/コードをそこから取り出すこと、あるいはその両方が可能な、取り外し可能ストレージ・デバイス(たとえば光ディスクまたは「サム」ドライブ)の挿入を実行可能にする。デバイスは通常の従来型方法で使用されるため、これ以上は考察しない。様々な多層セラミック・パッケージの設計特徴は、ストレージ1412内に格納され、CPU1408によって実行される、ソフトウェア(またはファームウェア)コードまたは論理によって完了/サポートされる。したがって、たとえばシステム・メモリ1414内には、シミュレータ1430、トレース構成1432、設計1434、メッシュ調整(MA)ユーティリティ1436、超高速集積回路ハードウェア記述言語(VHDL)/Verilog1438、およびオペレーティング・システム(OS)1440を含む、いくつかのソフトウェア/ファームウェア/論理モジュールまたは構成要素が示されている。MAユーティリティ1436は、本発明の実施形態に従って多層セラミック・パッケージを生成するプログラム・コードを含む。とりわけ、この構造の基準メッシュ平面は、前述のように交互である。プログラム・コード/論理などは、本明細書に記載された実施形態または流れ図あるいはその両方に基づいている。トレース構成1432は、CPU1408によって実行された場合に従来の多層セラミック・パッケージを生成するプログラム・コードを含む。とりわけ、本明細書に記載されるように、構造内の間隔は一定である。設計モジュール1434は、MAユーティリティ1436からのコードまたはトレース構成1432からのコード、あるいはその両方の、CPUの実行の結果として生じるコードを含む。設計モジュール1434からのコードが作製システム機構1402に転送され、最終多層パッケージを生成するために使用されることに留意されたい。シミュレータ1430はシミュレーション機能を提供し、OS1440はその上にあるアプリケーション・モジュールに対するサポートを提供する。
【0031】
次に図15を参照すると、本発明の実施形態に従った多層セラミック・パッケージを設計および作製するための代替システム1500の例示的ブロック図が示されている。システム1500は、セラミック・パッケージ設計システム1502、設計分析システム1504、メッシュ調整エンジン1506、およびセラミック・パッケージ作製システム1508を含む。指名されたシステムおよびエンジンは、図に示されるように結合される。セラミック・パッケージ設計システム1502は、その上に信号線が動作可能なように配置された信号平面、その上に一定メッシュ線を備える電圧および基準メッシュ平面、電圧および接地バイア、ならびに従来のセラミック・パッケージの他の要素を識別する、多層セラミック・パッケージ設計を提供する。設計システム1502からの設計データは設計分析エンジン1504に提供され、これが設計を分析して、とりわけ、攻撃ネットS1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、およびS9などの攻撃ネット(図1)によって犠牲ネットS5(図1)などの犠牲ネット上に課せられるFEノイズを決定する。HFSS(ANSYSによるマーケット)などの市販の3Dソルバ(solver)を使用して、設計の3Dイメージを生成することが可能であり、これがSPICEなどの他の市販のマシン上で実行され、ミリボルト(Mv)のノイズ・レベルを提供する。メッシュ線間の一定間隔など(ピッチなど)の他の情報が決定されて、メッシュ調整エンジン1506に転送され、これが本明細書に記載されるような交互間隔を組み込むようにメッシュ平面を設計変更する。交互間隔を備えるメッシュ平面を含む新しい設計が、ノイズ・テストを実行することのできる設計分析エンジンに転送される。ノイズ・テストの結果が満足のいくものである場合、交互間隔のメッシュ平面を備える多層セラミック・パッケージの新しい設計が、作製用にセラミック・パッケージ作製システム1508に転送される。代替設計では、可変の交互間隔メッシュ平面を備える構造におけるノイズ・レベルが満足のいくものでない場合、構造はメッシュ調整エンジン1506に戻され、これが本明細書に記載されるようにシールド線を信号平面に挿入して、さらにノイズを低減させることができる。
【0032】
図16は、本発明の実施形態に従った、改良された多層セラミック・パッケージを設計および作製するための方法の流れ図である。方法は、ブロック1602で開始し、ブロック1614で終了する。ステップ1604で、多層セラミック・パッケージ設計が受信される。パッケージは、一定間隔を備えたメッシュ平面を含む、前述の(図1を参照)知られた構成要素を識別する従来のパッケージとすることができる。ステップ1606はこの設計を分析し、本明細書に記載された手順を使用して、(とりわけ)パッケージ内のノイズ・レベル、メッシュ平面内のメッシュ線の一定ピッチなどを決定する。ステップ1608で、ミリボルト(mV)単位で提供可能なノイズ・レベルと、必要なシステム特徴に合致するように設計者によって設定可能な所望の基準ノイズ・レベルとが比較される。ノイズ・レベルが満足のいくものである(たとえば設定されたしきい値よりも低い)場合、プロセスはNO経路に沿ってステップ1612へと進み、受信された設計に従ってセラミック・パッケージを作製する。
【0033】
引き続き図16を参照すると、ステップ1608で、ノイズ・レベルが受け入れ難いものである(すなわちしきい値よりも高い)場合、プロセスは「Yes」経路に沿ってステップ1610へと進み、交互間隔を備える基準メッシュ平面を挿入することによって設計を調整する。メッシュ平面の設計は、たとえば2:1または2.5:1または3:1または何らかの他の割合などの所望の割合でピッチを設定することによって、達成可能である。可変の交互間隔を備える新しいセラミック設計が、ノイズ・レベルを決定するためにステップ1606へと戻される。ノイズ・レベルは、ステップ1608で前述のように比較される。これが合格である(すなわちしきい値より低い)場合、作製のために設計はステップ1612へと渡され、プロセスはステップ1614で終了する。しかしながら、交互間隔を備える構造のノイズ・レベルが、ステップ1608で設定されたノイズに関するしきい値よりも依然として高い場合、設計をステップ1610に戻して、シールド線(図9を参照)を追加することができる。多層セラミック・パッケージ内でのシールド線および交互間隔の組み合わせが、遠端(FE)ノイズを大幅に低減させることになる。新しい設計は前述の経路に沿って進行し、ステップ1614でプロセスは終了する。
【0034】
本発明の様々な実施形態について例示の目的で説明してきたが、網羅的であること、または開示された実施形態に限定されることは意図されていない。当業者であれば、説明された実施形態の範囲および趣旨を逸脱することなく、多くの修正および変形が明らかとなろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術を介した実際の適用例または技術的改良を最も良く説明するため、あるいは、本明細書で開示された実施形態を他の当業者が理解できるようにするために、選択されたものである。
【0035】
当業者であれば理解されるように、本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として具体化することができる。したがって本発明は、完全にハードウェア実施形態、完全にソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、あるいは、本明細書ではすべてが一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ぶことが可能なソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。さらに本発明は、媒体内に格納されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有する任意の有形媒体内で具体化される、コンピュータ・プログラム製品の形を取ることができる。
【0036】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能記憶媒体の任意の組み合わせが使用可能である。コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、たとえば電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイスとすることができるが、これらに限定されるものではない。コンピュータ使用可能媒体のより特定な例(非網羅的リスト)は、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、ポータブル・コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、光記憶デバイス、または磁気記憶デバイスを含む。プログラムは、たとえば紙または他の媒体の光学スキャンを介して電子的にキャプチャし、その後、必要であればコンパイル、解釈、あるいは好適な様式で処理し、コンピュータ・メモリに格納することが可能であるため、コンピュータ使用可能記憶媒体は、その上にプログラムが印刷される紙または他の好適な媒体であってもよいことに留意されたい。本明細書との関連において、コンピュータ使用可能媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによってまたはこれに関連して使用するためのプログラムを含むかまたは格納することが可能な、任意の媒体とすることができる。
【0037】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java、Smalltalk、C++などの、オブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの、従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成可能である。コンピュータ・プログラム・コードは、スタンドアロン型ソフトウェア・パッケージまたは大規模ソフトウェア・パッケージの一体型構成要素として完全にユーザのコンピュータ上で、一部はユーザのコンピュータ上および一部はリモート・コンピュータ上で、あるいは、完全にリモート・コンピュータまたはサーバ上で、実行可能である。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続可能であるか、あるいは、(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続可能である。以下の説明は、特定のプログラム・コードがコンピュータ・デバイスのネットワーク内で実行されるか、または実行可能であることを示す。
【0038】
本明細書では、本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品の流れ図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら、本発明について説明される。流れ図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、および、流れ図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実装可能であることを理解されよう。これらのコンピュータ・プログラム命令は、マシンを生成するために、汎用コンピュータ、特定用途向けコンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供可能であり、結果として、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、流れ図またはブロック図あるいはその両方のブロック内に指定された機能/動作を実装するための手段を作成する。
【0039】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置に特定の様式で機能するように指示することが可能なコンピュータ読み取り可能媒体内に格納することも可能であり、結果として、コンピュータ読み取り可能媒体内に格納された命令は、流れ図またはブロック図あるいはその両方のブロック内に指定された機能/動作を実装する命令手段を含む製品を製造する。
【0040】
コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行されることになる一連の動作にコンピュータ実装プロセスを生成させるように、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置上にロードすることも可能であり、結果として、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令は、流れ図またはブロック図あるいはその両方のブロック内に指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供する。
【0041】
図面内の流れ図およびブロック図は、本発明の様々な実施形態に従ったシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点で、流れ図またはブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を備える、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表すことができる。いくつかの代替実装では、ブロック内に示された機能が、図面内に示された順序以外で実行可能であることにも留意されたい。たとえば、関連する機能に応じて、連続して示される2つのブロックが実際にはほぼ同時に実行可能であるか、またはブロックは時には逆順序で実行可能である。ブロック図または流れ図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図または流れ図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせが、指定された機能または動作を実行する特定用途向けハードウェア・ベース・システム、あるいは、特定用途向けハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって、実装可能であることにも留意されよう。
【符号の説明】
【0042】
100 三次元多層セラミック・パッケージ
102 基準メッシュ平面
118 バイア
132 間隔
140 金属クロス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの信号層が少なくとも1本の信号線を有する複数の信号層と、
それぞれのバイアが電圧(Vdd)電力接続および接地(Gnd)接続のうちの1つを提供する、セラミック・パッケージ内に配設された複数のバイアと、
前記複数の信号層のうちの1つまたは複数の信号層に隣接した少なくとも1つの基準メッシュ層と、
を備え、前記少なくとも1つの基準メッシュ層が異なるサイズの交互間隔を含む、
多層セラミック・パッケージ。
【請求項2】
前記異なるサイズの交互間隔が、前記少なくとも1つの基準メッシュ層のメッシュ線間に配設される、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項3】
前記異なるサイズの交互間隔が、前記少なくとも1つの基準メッシュ層が内部に位置付けられた平面の少なくとも1つの方向に沿って延在する、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの方向が、信号が前記少なくとも1本の信号線内を伝搬される方向を含む、請求項3に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項5】
前記1つの方向が、XY平面の正および負のX方向を含む、請求項3に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項6】
前記異なるサイズの交互間隔がN対Mの割合で交互になり、Nは1つの測定単位を表し、Mは倍数の測定単位を表す、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項7】
N=1およびM=2である、請求項6に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基準メッシュ層が電圧電力接続および接地接続のうちの1つに動作可能に結合される、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項9】
複数の共平面タイプのシールド線をさらに含み、第1の共平面シールド線が前記少なくとも1本の信号線の第1の側に沿って延在し、第2の共平面シールド線が前記少なくとも1本の信号線の反対側に沿って延在する、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項10】
前記第1の共平面シールド線および前記第2の共平面シールド線の長さが、前記少なくとも1本の信号線の長さと同一に延在する、請求項9に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項11】
前記複数の共平面タイプのシールド線のうちの選択されたシールド線が、前記複数のバイアのうちの選択されたバイアに動作可能に結合される、請求項9に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項12】
前記多層セラミック・パッケージがガラス・セラミック・パッケージである、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項13】
前記複数のバイアが、前記複数の信号層のうちの1つまたは複数の信号層および前記少なくとも1つのメッシュ層を介して垂直に延在する、請求項1に記載の多層セラミック・パッケージ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの基準メッシュ層が、セラミック基板と、前記セラミック基板内に作製されたメッシュ基準層であって、第1の方向に延在する第1のセットの間隔基準線およびこれと交差して延在し前記第1のセットの間隔基準線に接続された第2のセットの間隔基準線を備える、メッシュ基準層と、前記第1のセットから選択された基準線および前記第2のセットから選択された基準線を相互に接続する少なくとも1つの金属クロスと、を含む、請求項1に記載のセラミック・パッケージ。
【請求項15】
セラミック基板と、
前記セラミック基板内に作製されたメッシュ基準層であって、前記メッシュ基準層が、第1の方向に延在する第1のセットの間隔基準線およびこれと交差して延在し前記第1のセットの間隔基準線に接続された第2のセットの間隔基準線、および、前記第1のセットの間隔基準線間の前記第1の方向に延在する複数の間隔を備え、前記第1のセットの間隔基準線間の前記複数の間隔のサイズが事前に定義されたパターンで交互になる、メッシュ基準層と、
を備える、メッシュ平面。
【請求項16】
前記事前に定義されたパターンが広い狭いおよび狭い広いパターンを含む、請求項15に記載のメッシュ平面。
【請求項17】
前記広い狭いパターンが2対1(2:1)の割合であり、前記狭い広いパターンが1対2(1:2)の割合である、請求項16に記載のメッシュ平面。
【請求項18】
前記第1のセットから選択された間隔基準線および前記第2のセットから選択された間隔基準線を相互に接続する、少なくとも1つの金属クロスをさらに含む、請求項15に記載のメッシュ平面。
【請求項19】
多層セラミック・パッケージ設計を提供することであって、前記多層セラミック・パッケージ設計が、複数の信号線をその上に有する少なくとも1つの信号平面、および前記信号平面に平行に配設された少なくとも1つの基準メッシュ平面を含み、互いに対して等しく離隔された複数のメッシュ線を有する、提供することと、
前記メッシュ線間の間隔のサイズが交互になる新規なメッシュ平面設計を提供するために、前記セラミック・パッケージ設計にアクセスし、前記等しく離隔されたメッシュ線を再配置するための、メッシュ調整エンジンを提供することと、および
新規な多層セラミック・パッケージ設計を提供するために、前記新規なメッシュ平面設計と前記多層セラミック・パッケージ設計の他の構成要素とを統合することと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記新規な多層セラミック・パッケージ設計に基づいて、多層セラミック・パッケージを作製することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
メッシュ線間の間隔がNと2Nのパターンで交互になり、Nは所望の測定単位を表す、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
多層セラミック・パッケージ設計を提供するように構成された多層セラミック・パッケージ設計システムであって、前記多層セラミック・パッケージ設計が、複数の信号線をその上に有する少なくとも1つの信号平面、および前記信号平面に平行に配設された少なくとも1つの基準メッシュ平面を含み、互いに対して等しく離隔された複数のメッシュ線を有する、多層セラミック・パッケージ設計システムと、
前記多層セラミック・パッケージ設計にアクセスすること、および、前記メッシュ線のうちの選択されたメッシュ線が配置される新しい基準メッシュ平面を提供することを、実行するように構成された、メッシュ調整エンジンであって、前記配置されたメッシュ線に隣接する間隔のサイズが交互パターンで配置構成される、メッシュ調整エンジンと、
を備える、システム。
【請求項23】
前記メッシュ調整エンジンが、前記間隔の交互パターンに対してNおよび2Nの割合を設定し、前記設定を維持するために前記メッシュ線のうちの選択されたメッシュ線を配置し、Nは測定単位を表す、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
コンピュータ・プログラム・コードが組み込まれたコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記コンピュータ・プログラム・コードが、
多層セラミック・パッケージ設計を受信するためのコンピュータ・プログラム・コードであって、前記多層セラミック・パッケージ設計が、その上に複数の信号線を有する少なくとも1つの信号平面と、前記信号平面に平行に配設され、互いに対して等しく離隔された複数のメッシュ線を有する、少なくとも1つの基準メッシュ平面とを含む、コンピュータ・プログラム・コードと、
関連付けられたノイズ・レベルを決定するために前記多層セラミック・パッケージ設計を分析するためのコンピュータ・プログラム・コードと、
前記メッシュ線間の間隔がNおよび2Nパターンであるように前記メッシュ線を修正するためのコンピュータ・プログラム・コードであって、Nは測定単位を表す、コンピュータ・プログラム・コードと、
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項25】
前記多層セラミック・パッケージ設計を分析する前記コンピュータ・プログラム・コードが、前記多層セラミック・パッケージ設計の三次元(3D)イメージ設計を生成するためのコンピュータ・プログラム・コードと、前記3Dイメージ設計をシミュレートし、前記パッケージ内に前記ノイズを表す電圧を生成するための、プログラム・コードとを、さらに含む、請求項24に記載のコンピュータ読み取り可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−115430(P2013−115430A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244384(P2012−244384)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION