説明

交差織り貨物拘束システム及び方法

【課題】貨物トレーラ、有蓋車、複合輸送コンテナなどの中に荷物を固定する新規のシステム及び方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2の荷物拘束ストリップ30を含む、輸送コンテナ内に貨物を固定する交差織り貨物拘束システム及び方法である。第1のストリップ50は交差織り材料でできており、第2のストリップ80は平行な補強材料ストランドで構成されている。補強材料の第1のストリップ50及び第2のストリップ80は互いに、接着剤層64で固定されており、輸送コンテナの内部表面に交差織り荷物拘束ストリップ50を取り付けるように第2の接着剤層が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、全て本出願と共通の発明者及び譲受人である、2000年7月
18日に公開された「輸送コンテナ用荷物拘束システム」という名称の米国特許第6,0
89,802号、2001年5月8日に公開された「輸送コンテナ用荷物拘束方法」とい
う名称の米国特許第6,227,779号、及び2003年8月19日に公開された「荷
物拘束システム」という名称の米国特許第6,607,337号に関するものである。
【0002】
[0002]本発明は、輸送中に荷物を拘束する改良型のシステム及び方法に関する。
より詳細には、本発明はトラック本体、鉄道車両、インターモーダルコンテナなどの内部
でパレットに載せられているどうかに関わらず、ドラム、箱、剛性及び可撓性のある容器
の望ましくない移動を固定及び拘束する新規のシステム及び方法に関する。更に、本発明
は固定強度を良くし、輸送中の荷物移動を少なくするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]米国では、しばしば18輪トラックと記述的に言われるトラクタ/トレー
ラトラックの組合せを使用して、又は鉄道有蓋車及び/又は長物車上に載せられたトラッ
クトレーラにより陸上出荷が実現される。トラックトレーラは普通、長さが1371.6
、1463.04、又は1615.44センチ(45、48、又は53フィート)であり
、しばしば208.175リットル(55ガロン)頭部閉塞ドラム、スーパーサック(s
uper sack)フレコンバッグ又はプラスチック補強バッグ、プラスチック包装束
、ケース入り商品、金属コイル、特殊厚紙ロール(special heavy pap
er rolls)、パレット上に取り付けられたプラスチック又は金属コンテナなどの
格納エンクロージャ内の荷物が装填される。各格納エンクロージャ又は束はかなり重く、
静止して動かないかもしれないが、輸送荷物の塊はトラック又は鉄道車両が動いて配置さ
れるときにかなりのモーメント力を作り出すことがあり得る。
【0004】
[0004]鉄道車両は、操車場内で結合又は運搬過程によって作ることができる。鉄
道車両が静止した一列の車両にされる場合、衝撃により車両継手が衝撃を伴ってロックさ
れる。この衝撃は、鉄道車両内の荷物に対してかなりの力を加えることがあり得る。更に
、輸送中に、鉄道車両は、制動力、傾斜上でのならし及び心振れ連結衝撃、レール振動、
トラック内の落下、及び動揺が加えられる。同様の方法で、トラックは荷物を移動させる
傾向がある停止力、始動力、緊急制動、平らでない道床からの衝突及び動揺、湾曲面上で
の遠心力、振動などが加えられる。
【0005】
[0005]上に論じた陸上荷送りに加えて、米国及び海外の両方での輸出用の船積み
の多くは複合輸送コンテナ内に配置されている。これらのコンテナは、長さが609.1
センチ(20フィート)又は1219.2センチ(40フィート)の標準的寸法であり、
構造的に自己支持性を有しごつごつしているスチール製の波打ち側壁で製造されている。
いくつかの複合輸送コンテナは、海、鉄道、又は道路による輸送用に互いに上下に積み重
ねることができる。コンテナ内では、ドラム、箱などが上に記したように実際の製品を保
持する。
【0006】
[0006]これらの複合輸送コンテナの貨物は、上に記したように加速、遠心荷重、
制動、振動などの、陸上輸送に関連して上記の輸送過程全体を通して様々な力を受ける。
加えて、複合輸送コンテナは海上輸送用船舶上に積荷される場合、偏揺れ、ピッチ、上下
揺れ、動揺、及び大波を含む波力が加えられる。これらの力はそれぞれ、複合輸送コンテ
ナ内の内容物に実質的な力を加える潜在能力を有する。これに関して、コンテナが方向又
は速度を変えると、コンテナ内の貨物はコンテナの内壁に接触するまで、前に存在した経
路に沿って続く傾向がある。あるタイプの拘束及び/又は緩衝システムなしでは、貨物は
コンテナとは別にかなりのモーメントを増加させる。運動量の大きさは、荷重にその速度
を乗じた大きさである。貨物の負荷が大きい場合、速度又は方向の小さな変化でさえもか
なりの力を発生させることがあり得る。
【0007】
[0007]貨物がコンテナの内壁又はドアに接触するとき、運動量をゼロまで小さく
するのに必要な力は、商品及び/又はコンテナによって吸収されなければならない。この
ような力は、貨物への損傷、コンテナの内壁又はドアへの損傷、貨物包装への損傷につな
がる可能性があり、貨物が危険物である場合に危険な漏洩を生じることがある。したがっ
て、輸送中に貨物がコンテナとは独立していかなる運動量得る可能性があることは望まし
くない。これは、貨物及びコンテナが基本的に結合されており、輸送中に1つの物体とし
て動作可能に機能するように、コンテナ内の貨物を拘束することによって達成される。
【0008】
[0008]輸送中に荷物を固定し、望ましくない移動及び損傷を最小限に抑えるため
、荷物拘束エンクロージャはしばしば、特別に作られた木製フレーム、床ブロック、ゴム
製マット、スチール製ストラップ、重いエアバッグなどによってトレーラ又は有蓋車の床
面及び/又は側部に固定されている。固定用のこれらの前から知られているシステムはそ
れぞれ、建設費用、密度の高い荷物を固定するのに十分な強度に欠けることなどに関連す
る制限がある。更に、危険物用の食料品、ティッシュ又は柔らかい紙製品、家具、電気器
具などの非危険物、及び多くの他のタイプの貨物を少なくとも部分的に固定するのに、ト
レーラの後部ドアに頼ることができるが、コンテナの後部ドアは貨物を部分的にでさえ固
定するのに使用することはできない。実際、運輸省及び火薬類局の規制に従うため、危険
物は衝突中に後部ドアに接触することは許可されてさえいない。
【0009】
[0009]更にいくつかの例では、荷物が一部のみ運ばれる場合に、トレーラ又は有
蓋車を荷送りに使用することができる。更に、部分的な荷物はトレーラの中心位置内に位
置していてもよい。この例では、トレーラの前部が利用されていない場合に、荷物を固定
するのに十分な木製の前部及び後部荷敷を構築することは非現実的である。
【0010】
[0010]従来、輸送中の荷物の望ましくない移動又はシフトをなくすのに、様々な
荷敷材料がトレーラ及び/又は複合輸送コンテナ内で利用されてきた。ドラム、箱、又は
他のコンテナはいくつかの異なる方法で拘束されてきた。最初に、貨物は荷物ロック及び
荷敷き張り方法によって固定されていた。このシステムは、荷物の面とコンテナの後部ド
アとの間に戦略的に配置した支えを含む。しかし、これは費用及び時間がかかり、普通は
非効率的な荷物を固定する手段である可能性がある。これに関して、区画過程には大工が
必要であり、しばしば請負業者に外注される。更に、木製バリアは設置するのに時間がか
かる可能性がある。更に、木製の支えはいくらか脆弱であり、突然の衝撃の結果故障しや
すい。
【0011】
[0011]上記に加えて、荷敷き張りでの荷物をブロックする従来の方法は、いくつ
かの作業を簡単に行うことができない。例えば、複合輸送コンテナに詰める最も効果的な
手段は、609.1センチ(20フィート)の長さのコンテナ内に、80個の208.1
75リットル(55ガロン)ドラムを二重に重ね合わせることである。しかし、80個の
バレルが装填されると、荷物面とコンテナの後部ドアの間には約10.16センチ(4イ
ンチ)しかない。80個のドラムの荷物を適切に支えるのに十分な荷敷きを張るのに、1
0.16センチ(4インチ)は十分な空間ではない。したがって、木材張りを拘束システ
ムとして利用する場合、荷主は容量が満たされていないコンテナを出荷させられる。これ
により、輸送効率が低下し、輸送費用が増加する。更に、針葉樹木材などのいくつかのタ
イプの木材は、針葉樹木材の荷敷の特別な燻蒸消毒又は熱処理加工の証明のない相互国境
には認められていない。これに関して、国際植物防疫会議(「IPPC」)は、米国を含
む多くの国によって認められた木材荷敷に関する特別な項、要件及び制限を有する「国際
取引で木材包装材を規制するためのガイドライン」を発行した。
【0012】
[0012]運輸省は、特定の拘束システムが危険物荷物を適切に固定できるかどうか
を判断する基準を確立した。特定の例では、従来の荷物ロック及び荷敷き張りは危険物荷
物を輸送する許可は受けていない。
【0013】
[0013]過去に見られた縄、金属又はプラスチックストラップもしくはストランド
などの他の知られている拘束手段は、十分ではない性能を示す傾向があり、しばしば適度
の条件でさえも荷物を拘束するのに機能的に適していない。したがって、機能的に効果的
で、費用効率が良く、労働効率が良く、更に運輸省及び火薬類局の規制に従うことが可能
な貨物トレーラ、有蓋車、及び複合輸送コンテナ内に貨物を固定する必要がある。更に、
高い強度特性を有し、コンテナ内の貨物移動を制限する固定システムの必要性がある。
【0014】
[0014]前述の制限のいくつかを克服する貨物移動を拘束する少なくとも1つの方
法及び装置が、本出願と共通の譲受人の米国特許第4,264,251号に開示されてい
る。その特許で開示されている発明は、コンテナの対向する側壁に付着された密封ストリ
ップと、支え材のストリップと、ストリップの端部を互いに結合して確実でぴんと張って
拘束するのに使用される接続機構とを備えている。
【0015】
[0015]第’251号特許では、可撓性固定ストリップが壁紙を貼るのと同様の方
法で塗布され、接着が望まれる場合に、トレーラ内の表面上に接着剤が塗布される。その
後、拘束ストリップが接着剤に塗布される。別の接着剤のこのような要件に加えて、過去
に見られるシステムは時に接合部の脆弱性に関連する問題に遭遇した。ストリップが一緒
になる接合点では、結合されたパネルの滑りの可能性があった。更に、複合輸送コンテナ
は上記のように波付き壁面を有する。これらの波は、拘束ストリップを別の接着剤に塗布
させ、均一な塗布を実質的に更に難しくすることはない。
【0016】
[0016]米国特許第4,264,251号に開示された拘束システムに加えて、全
て本出願と共通の発明者及び譲受人である、上記米国特許第6,089,802号、第6
,227,779号、及び第6,607,337号に論じたような高い動作特徴及び利点
を提供する他のシステムが開発された。本出願の共通の譲受人のこれらの4つの先行技術
特許の開示は、詳細に記述したものとして、参照として本明細書に援用する。
【0017】
[0017]貨物トレーラ、鉄道車両、及び複合輸送コンテナ内に貨物を固定するこれ
らの従来技術のシステムに加えて、前から知られている商業システムによって得られる利
点を断念することなく、危険物を含むより重く密度の濃い荷物を固定することにますます
大きな注意が払われてきた。更に、危険物を高い効率及び安全性で輸送することができる
ように弾性及び/又は塑性伸びを少なくし、鉛直固定機能を良くするのに利益がある。こ
れに関して、従来の複合輸送コンテナ内で80個の208.175リットル(55ガロン
)のドラム荷物を利用することが望ましいだろう。この配置では、4つのスチール製ドラ
ムを複合輸送コンテナの後部ドアにすぐ隣接して位置決めする必要がある。過去に、衝突
中にコンテナの後部ドアに接触することさえある荷物の認められない移動に関する問題が
あった。上に記したように、危険物荷物では、後部ドアに接触している荷物はHazMa
t規制によって認められていない。
【0018】
[0018]上記に加えて、過去に知られている他の拘束システムは、格納するのが面
倒であり、設置するのが困難であり、しばしばある程度の技術的な労力を必要とする多数
の要素が必要であった。ストラップ、爪、アンカ、又はボルトを使用するシステムは全て
、使用していないときでさえも、実質的な格納空間を必要とする。更に、このようなシス
テムは貨物を拘束する労働者に対する安全に関する危険性を大きくする。また更に、この
ようなシステムはしばしば様々な国で取締機関によって課せられる安全性及び移動制限を
満足することが不可能であった。
【0019】
[0019]上記問題に加えて、貨物コンテナ内に配置された付属品に依存する過去に
使用されたシステム及び処置はしばしば、部分的な荷物を固定することができなかった。
すなわち、中心に配置された荷物のように、荷物がコンテナの前部又は後部まで延びてい
ない場合、必要なアンカは効果的に使用することができる領域内で利用可能ではない可能
性がある。
【0020】
[0020]前に提案された問題は、完全であることを意図したものではなく、むしろ
過去に知られていた貨物拘束システムの効果を小さくする傾向があることがある多くのも
のの中にある。また、他の注目すべき問題が存在する可能性があるが、上に示したものは
過去に見られた貨物拘束システムが価値ある向上を認めることを示すのに十分であるべき
である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
[0021]本発明の全体の目的は、問題を予め防ぐ又は最小限に抑え、付随して前に
説明したタイプの貨物固定の所望の態様の少なくとも一部を達成する、貨物トレーラ、有
蓋車、複合輸送コンテナなどの中に荷物を固定する新規のシステム及び方法を提供するこ
とである。
【0022】
[0022]本発明の別の全体の目的は、輸送中に貨物を損傷から賢明に保護し、コン
テナ内の貨物の優れた縦及び横方向固定を行うことである。
[0023]本発明の特定の目的は、衝突中の位置の負荷及び/又は他の輸送力を抑制
する高い強度を有する、トラクタトレーラ、有蓋車、複合輸送コンテナなど用の固定シス
テム及び方法を提供することである。
【0023】
[0024]本発明の関連する目的は、所与の衝突レベルの荷物移動量が最小限に抑え
られた、トラクタトレーラ、有蓋車、複合輸送コンテナなど用の固定システム及び方法を
提供することである。
【0024】
[0025]本発明の別の目的は、トレーラ、有蓋車、複合輸送コンテナなどの中に貨
物を固定するのに必要な材料及び労働費用を少なくすることである。
[0026]本発明の更に別の目的は、運輸省及び火薬類局の認可を受けることが可能
な1219.2センチ(40フィート)の複合輸送コンテナ内に二重に重ね合わされた8
0個の208.175リットル(55ガロン)ドラムを拘束することが可能なシステムを
提供することである。
【0025】
[0027]本発明の特定の目的は、内蔵型であり、波付き壁面を有する複合輸送コン
テナの中でさえ、比較的技術のない労働者によって迅速、確実、かつ効率的に設置するこ
とができる荷物を拘束する方法を提供することである。
【0026】
[0028]本発明の別の目的は、貨物目的地で貨物トラック、有蓋車、複合輸送コン
テナなどから拘束システムを効率的及び簡単に取り除くことである。
[0029]本発明の更に別の目的は、幅広い環境で効果的な使用が可能なように、幅
広い範囲の温度及び湿度レベルに耐えることが可能な貨物を拘束するシステムを提供する
ことである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
[0030]前述の目的の少なくとも一部を達成することを意図した、本発明の好まし
い一実施形態は、前記第1の接着剤層の外表面に塗布されたほぼ平行な補強ストランドの
層と、前記第1の接着剤層の他の表面に結合された交差織り補強ストランドの層とを有す
ることが好ましい荷物拘束ストリップを備えている。第2の接着剤層は、ほぼ平行な補強
ストランドの外表面に沿って152.4センチ(5フィート)ほどの断続的な長さだけ延
びており、貨物トレーラの側壁、鉄道有蓋車の内壁面、複合輸送コンテナの内壁面などの
荷物輸送コンテナの内表面に貨物拘束ストリップを結合させるように動作可能に働く。
【0028】
[0031]ポリエチレンコーティングされた剥離紙層が、第2の接着剤層の外表面に
塗布され、剥離紙は現場で取り除かれ、それによって設置者がコンテナの内壁面に荷物拘
束ストリップを容易に塗布することができる。
【0029】
[0032]使用にあたって、ある長さの交差織り荷物拘束ストリップ、普通は365
.76センチ(12フィート)がリールから切断され、152.4センチ(5フィート)
の長さの剥離紙が剥がされる。次に、第2の接着剤層の露出面は、トラクタトレーラ、有
蓋車、複合輸送コンテナなどの輸送コンテナの内部側壁面に自己付着される。
【0030】
[0033]同様の第2のストリップが、鏡像姿勢でコンテナの対向する表面に取り付
けられ、2つの荷物拘束ストリップの自由端部はコンテナ内に固定される商品の周りに包
まれている。対向するストリップの端部は、荷物の周りの中心位置で重なり合わされてい
る。引張工具はその後、荷物の周りで対向する荷物拘束ストリップを引っ張るように、2
つの重なり端部を一緒に巻き取るのに使用される。ストリップ材の第3のより短い片は、
別のロールの当て布材から切断され、その剥離紙は取り除かれる。このより短い当て布ス
トリップは、接合部で2つの荷物拘束ストリップの露出表面に接着される。したがって、
より短い当て布片はストリップを定位置に係止し、確実な荷物拘束システムを形成する。
【0031】
[0034]本発明の他の目的及び利点は、添付の図面を参照して好ましい実施形態の
以下の詳細の説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[0044]次に、特に図1を参照すると、本発明の1つの動作内容が示されている。
この際、船10は港の波止場に付けられて示されており、複合輸送コンテナ12は船の上
に装填されている。特に、図1はドック14にある船10を示し、クレーン16が遠洋船
舶10上に積み重ねられる複合輸送コンテナ10を持ち上げ、装填する。本発明は有利に
は、船10の上に装填されるものと同様に、複合輸送コンテナ12内に貨物を固定するの
に使用することができる。
【0033】
[0045]図2は、別の例示的動作環境で本発明を開示する不等角投影図である。こ
の図では、複合輸送又は貨物コンテナ20は、陸上輸送用トラクタ24によって動作可能
に牽引されるトレーラ22上に取り付けられている。このようなコンテナはまた、直接又
はトレーラ22に取り付けられた鉄道長物車(railway flat cars)上
に取り付けられるように動作可能である。本発明が同等に使用に適した他の環境は、図示
しないが、車両有蓋車などを含む。
【0034】
[0046]図2の一部切り取った部分は、貨物コンテナ20の内部壁面32に接着さ
れるように動作可能な、本発明による貨物拘束ストリップ30を示す。本発明の貨物固定
システムは、コンテナの側壁の対向した部分に自己接着する接着部分34を使用すること
によって、コンテナ20の側壁に接着された1対の対向する拘束ストリップ30を備えて
いる。拘束ストリップ30はその後、208.175リットル(55ガロン)ドラム38
などの貨物36の周りで包まれ、これを囲むように延びている。拘束ストリップ30は、
トルク工具によって互いに重なり合い、しっかりと折り曲げられ、引っ張られる。その後
、独自の重なり当て布部40は、貨物の周りでコンテナ側壁から対向する拘束ストリップ
30を結合させて、コンテナ20の内部壁面に貨物を固定するように接合部に塗布される

【0035】
拘束ストリップ
[0047]次に図3を参照すると、本発明の拘束ストリップ30はリール又はロール
44上で製造及び輸送されることが好ましい。ストリップ30のロール44は、本発明に
よる交差織り補強構造で構成された約365.76センチ(約12フィート)の長さで端
部同士が連続するように製造されている。最初の約213.36センチ(約7フィート)
の部分は、以下に詳細に論じる交差織り拘束ストリップ46の基本的構造と、余分な自己
接着成分を含む交互の152.4センチ(5フィート)の部分48とを備える。一実施形
態では、ストリップ30は約609.1センチ(約20フィート)の長さで横方向に穿孔
され、それによってストリップ30は引き裂かれる可能性がある、又はあらゆる場合に、
現場で使用するように単一の約365.76センチ(約12フィート)の長さの拘束スト
リップ30を作り出すように表面的に切断することができる。拘束ストリップ30は幅が
38.1センチ(15インチ)であることが好ましいが、より幅広いストリップを提供す
ることができる追加の強度の必要に応じて他の幅に置き換えることもできる。
【0036】
[0048]図4から8は、拘束ストリップ30の好ましい一実施形態の詳細図を開示
している。図4は、本発明による拘束ストリップ30の構成部品の相対位置を開示する拡
大し、一部編集した図を示す。拘束ストリップ30は、第1の表面52及び第2の表面5
4を有する第1の補強材交差織り層50を含む。交差織り層50は、再び図3に留意して
拘束ストリップ30の長さに沿って延びる複数のほぼ平行な長手ストランド56と、交差
ストランド58とで構成されていることが好ましい。図5及び8に特に示されたように、
交差ストランド58は長手ストランド56内に織り込まれ、すぐ隣接した平行長手ストラ
ンド56の間隙の約2倍のすぐ隣接した間隙を有する。
【0037】
[0049]交差織り拘束ストリップ30は、第1の表面又は側面66及び第2の表面
又は側部68を有する第1の接着剤層64を含む。第1の接着剤層64の第1の表面66
は、交差織り層50の第2の表面54に重なり、これに結合する。
【0038】
[0050]基板が必要であるか又は望ましい場合に第1の接着剤層64に基板は必要
ないが、基板70は図7に示すように使用することができる。基板70はしかし、複数の
横穴を有するアクリルシート、基板を多孔質にするように穴を備えた樹脂微分ポリマー、
又は画面基礎の形で作ることができるVALERON(登録商標)でてきていてもよい。
DuPont、Hoeschst Celanese他などの会社はこのような材料を製
造している。別な方法では、基板は多孔質でなくてもよい。但し、接着材料の剪断強度は
以下に論じるように軸方向負荷を担持するのに十分である。
【0039】
[0051]第1の補強交差織り層は更に、交差織りに接着されかつマイラー(Myl
ar)(商標名)の薄層であることが好ましい外部コーティング60を含むが、他の材料
を使用することができる。コーティングは、交差織り及び保護透明又は不透明コーティン
グに寸法上の剛性を与える。
【0040】
[0052]上に記したように、基板70は多孔質であることが好ましく、基板を動作
可能に貫通し、互いに自己結合することができる第1及び第2の接着剤層72、74を分
ける。接着剤層64は、毛管作用によりコンテナの側壁から水分を移動させるように、寒
中接着性(cold weather tackiness)及び1未満の比重を含む、
高い剪断強度、広い動作温度変化度を有する化合物でできている。好ましいタイプの接着
剤は、マサチューセッツ州、Rocklandのthe Venture Tape C
ompanyから市販されている。代替実施形態では、基板70はMylar又はいくつ
かの他の関連する非多孔質材料でてきていてもよい。この実施形態では、接着剤層72と
74の間の剪断強度は、補強層に衝突負荷力を伝達するのに十分である。
【0041】
[0053]第1の補強材料交差織り層50に加えて、本発明は複数の平行なストラン
ド82で構成された第2の補強層80を備えている。
[0054]図8により詳細に示すように、各ストランド82は複数の補強材料のより
細かいデニールのストランド84から構成されている。補強ストランド84は、細かいポ
リエステル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、グラスファイバ、ケ
ブラー(Kevlar)(商標名)を含むアラミド、カーボンファイバなどで構成されて
いてもよい。ケブラー(商標名)は、全てのアミド基がパラフェニレン基によって分離さ
れたポリアミドである。ケブラー(Kevlar)は、デラウェア州、Wilmingt
onのthe DuPont Companyの登録商標である。個別のストランド束8
2が、図4から8に示すように、第1の接着剤層64の第2の又は外側表面68に直接当
接し、これに付着される。
【0042】
[0055]上に論じるように、ストリップ全体を通して連続しており、補強交差織り
層56、第1の接着剤層64、平行なストランド84で構成された第2の補強層84を含
む荷物拘束ストリップ30の本体に加えて、本発明はある長さの余分な自己接着材料48
を含む。再び図3を参照のこと。
【0043】
[0056]自己接着部48は、第2の補強ストランド層76の外側又は第2の表面8
4と直接自己接触する第1の側部92を有する第2の接着剤層90を含む。第2の接着剤
層90は、第2の外側部94を有し、剥離紙96は第2の接着剤層90の最外面94の上
に延びている。剥離紙96により、本荷物拘束ストリップ30の個別の部分を図3及び4
に示すようにリール芯上で製造することが可能になり、剥離紙96は現場で荷物拘束スト
リップ30から剥がされ、それによって第2の接着剤層90は荷物拘束ストリップ30の
一端部を輸送コンテナの側壁、又は他の取付表面に固定するように設置者が使用すること
ができる。
【0044】
[0057]現時点で好ましい実施形態では、第2の接着剤層90自体は、芯又は基板
部材98と、基板98の両側に重なり合う第1の接着剤層100、及び第2の接着剤層1
02で構成されている。基板は、第2の接着剤層の接着剤層を互いに結合することが可能
になるように、より多孔質の材料のマイラー(商標名)材料であってもよい。
【0045】
[0058]図7に示す本発明の実施形態では、第1の層100及び第2の層102の
厚さはほぼ同じである。次に図9を参照すると、本発明の好ましい代替実施形態が示され
ており、層50と同様の設計及び構造の第1の交差織り層110が接着剤層の一方の表面
に結合され、第2の平行なストランド補強層114は接着剤の層(course)112
のもう一方の表面に結合される。この実施形態では、図3に示すように、長手方向の範囲
の一部のみに対してストリップ30に沿って長手方向に延びる接着剤116の外側部分が
示されている。また、第2の接着剤の層116は図では、マイラー(商標名)などの基板
122の両側を被覆する2つの接着剤層118及び120で構成されている。しかし、こ
の実施形態では、内側の接着剤層118の厚さは、第2の接着剤層116の外側の接着剤
層120の厚さ「B」より大きな厚さ「A」を有する。この実施形態では、最外接着剤層
120は固定側壁、又は第2の補強ストランド層114の外表面と比べて比較的円滑な他
のコンテナ表面に対して配置されるように設計されている。
【0046】
[0059]本発明は特に、609.1センチ(20フィート)又は1219.2セン
チ(40フィート)の複合輸送コンテナの何れかで使用されるように設計されている。こ
れらのコンテナは、幅が233.68センチ(92インチ、7フィート8インチ)であり
、高さが233.68センチ(92インチ)である。図2に図示するように本発明の特定
の実施形態は全ての寸法のコンテナに適応可能であるが、顧客がこれらの寸法を有する複
合輸送コンテナのみを使用している場合、側壁上の接着剤線から中心重なり部分までの接
着剤は使用中に露出されることがない。したがって、拘束ストリップが、152.4セン
チ(5フィート)の接着剤48、その後余分な接着剤なく213.36センチ(7フィー
ト)の接着剤46があり、繰り返すように製造されると、接着剤の費用を少なくすること
ができる。しかし、本発明の概念から逸脱することなく、所与のクライアントの使用目的
を満たすのに、他の長さを製造することもできることは当業者には理解されるだろう。
【0047】
貨物を拘束する方法
[0060]出願人の前に記した特許第6,089,802号及び第6,227,77
9号により詳細に記載したように、上記のような改良型の荷物拘束ストリップ30は、こ
れらの特許でより詳細に説明した荷物拘束システムの一構成部品である。しかし、簡単に
言えば、図2に関連して例示するように、1対の荷物拘束ストリップ30がロール44か
ら切り取られる。剥離紙96はストリップ部48から取り除かれ、ストリップ30は図2
に示すように、コンテナ20の1つの側壁又は他の内部表面に付着される。第2の荷物拘
束ストリップ30はまた、コンテナの直接対向する表面に付着される。1対の対向する荷
物拘束ストリップ30の自由端部46は、また従来技術の第’802号特許及び第’77
9号特許に特に開示したように、トルク工具でしっかり一緒に巻かれる。重なり当て布部
40はその後、重なり合わされた端部46の上に付着され、荷物は動作可能に固定される

【0048】
[0061]本出願では、特許請求の範囲において、「輸送コンテナ」という用語が、
貨物を取り扱うことが可能な輸送ユニットの全ての形態の一般的な表現として使用される
。輸送コンテナユニットは、これに限らないが、複合輸送コンテナ、有蓋車などの鉄道車
両、貨物トレーラなどを含む。
【0049】
[0062]本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、これは本発明の主な利点
のいくつかを簡単に記載するのに有用である。
【0050】
本発明の主な利点概要
[0063]本発明は、独自の交差織り拘束ストリップを提供し、交差織り、及び接着
剤で互いに結合された第2の平行な補強ストランド層の剪断強度は、荷物拘束ストリップ
30全体の引張強度をかなり高くし、貨物を輸送中の損傷から保護するのに十分である。
[0064]本発明はまた、ストリップ上で担持された外側接着構成部品90を備えた
全体的に内蔵型の荷物拘束システムを提供する。
[0065]本発明は、多くの気候による貨物輸送に耐えることができるように、幅広
い動作温度変化度を有する積荷及び貨物を拘束する接着剤付ストリップを提供する。
[0066]本発明により、交差織り荷物拘束ストリップが荷物全体を、又は一部の荷
物でさえも安全に固定し、更に支える、爪固定する、アンカ固定する、ストラップ固定す
る又はボルト固定する必要なくこれを達成することが可能になり、それによって実質的に
労働費用及び設置時間が少なくなる。
【0051】
[0067]本発明はまた、更に目的地への到着の際、コンテナの内部壁面上に残留物
を残すことなく迅速に取り除き、処分することができるように、高い剪断強度及び最小の
耐剥離性を有する荷物を拘束する製品を提供する。 [0068]本発明は更に、複合輸
送コンテナの波付きの内壁への接着による優れた把持及び拘束を行う。
[0069]本発明は、危険物などを輸送するシステムで使用することができるように
、高い耐軸方向伸び性を提供する。更に、本発明は荷物拘束ストリップ30の取付部48
の異なる厚さ「A」及び「B」の使用を構想している。
[0070]本発明の特定の利点は、1つの交差織り製品だけで、高い軸方向強度及び
耐伸び性を備えた荷物を全体的に又は部分的に固定することが可能であることである。
【0052】
[0071]本発明の別の重要な利点は、特定の顧客の需要に合わせてポリエステル自
己接着材料のロールをカスタマイズすることができることである。
[0072]本発明の別の重要な利点は、第1の交差織り層と第2の平行なストランド
補強部品層の間に形成された接着剤剪断強度によって形成されたバリアの強度である。
[0073]本発明の別の重要な利点は、609.1センチ(20フィート)の長さの
コンテナ内に二重に積み重ねられた80個の208.175リットル(55ガロン)ドラ
ムを拘束することによって発生されるかなりの力に耐えることができることである。
[0074]本発明を説明する際、好ましい実施形態に言及した。しかし、当業者又は
本発明の開示に精通している人は、頭記の特許請求の範囲で規定したような、本発明の範
囲内にある追加、削除、置換、変形及び/又は他の変更を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】クレーンリフトを備えかつ荷積み複合輸送コンテナが載せられた、船着き場における遠洋船舶の鳥観図である。
【図2】部分的な荷物がコンテナ内に固定された、平床トラックに固定されたトラックトレーラ又は複合輸送コンテナの内部を示す不等角投影図である。
【図3】本発明の好ましい一実施形態による、分配ロールと、衝撃負荷を受けて優れた強度、小さな伸び、及び垂直固定を有する普通の長さの固定拘束ストリップとを示す本発明の透視図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ストリップの内部詳細を開示するように部分的に編集され破断された、図3に開示するような固定ストリップの好ましい一実施形態の不等角投影図である。
【図5】固定ストリップの好ましい実施形態の一部を形成する、交差織り材料の一部の部分破断図である。
【図6】図5に示すような交差織り材料の円形部分の詳細な透視図である。
【図7】図5の区分線7−7に沿った拡大詳細断面図である。
【図8】図7から取った拡大円形図である。
【図9】図7と本質的には同様であるが、本発明による異なる接着厚さを示す本発明の好ましい代替実施形態を開示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送コンテナ内に、輸送中に変位力が加えられる貨物を固定する際に使用する交差織り
荷物拘束ストリップであって、
第1の側部及び第2の側部を有し、前記拘束ストリップの長さに沿って延びるほぼ平行
な長手ストランド、及び補強材料交差織り層を作り出すように前記ほぼ平行な長手ストラ
ンドと織り交ぜられた交差ストランドから構成されている、前記第1の補強材料交差織り
層と、
第1の側部及び第2の側部を有し、同時に前記交差織り材料の第2の側部に沿って延び
、これを被覆し、これに結合する第1の接着剤層と、
第1の側部及び第2の側部を有する第2の平行な補強材料ストランド層であって、前記
第1の接着剤層の前記第2の表面が前記第2の平行な補強ストランド層の前記第1の表面
に結合されている層と、
第1の側部及び第2の側部を有し、前記第2の補強ストランド層の前記第2の側部の一
部に沿って部分的に延び、これを被覆する第2の接着剤層と、
前記第2の接着剤層の前記第2の表面に同時に延び、これに剥離可能に接着される剥離
紙とを備え、剥離紙は現場で前記第2の接着剤層から取り除くことができ、前記荷物拘束
ストリップが輸送コンテナ内に貨物を固定するために可撓性固定要素として使用すること
ができるように、前記荷物拘束ストリップは貨物輸送コンテナの内部表面に剥離可能に固
定することができる交差織り荷物拘束ストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−10564(P2013−10564A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167072(P2012−167072)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2009−29653(P2009−29653)の分割
【原出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(501466684)
【Fターム(参考)】