説明

交感神経活性化剤

【課題】安全かつ効果的に交感神経を活性化することができる新規な物質を提供する。
【解決手段】(R)−δ−デカラクトンを有効成分として含有する交感神経活性化剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交感神経活性化剤に関するものであり、より詳細には(R)−δ−デカラクトンを有効成分とする交感神経活性化剤に関する。
【背景技術】
【0002】
自律神経系は、交感神経系と副交感神経系から構成され、両神経がそれぞれ拮抗する作用をもち、内臓、血管、分泌腺など身体のほとんどの機能を制御している。そのうち交感神経は心身を活動状態にするように働く神経で、その活性化により、心臓の拍動は早くなり、血管が収縮して血圧が上昇し、活動に適した生体環境が作られる。現代のストレス社会において、外からの様々な刺激に適切に対処するために、交感神経を活性化させることへの関心が高まっている。また、肥満の人では交感神経がうまく活性化されないことが分っており、交感神経を活性化させて痩身効果をもたらすことが期待されている。
【0003】
香料が様々な精神作用を及ぼすことは伝承的にも良く知られており、自律神経系に対する香料の作用についても様々な報告がなされている。交感神経系に対する香料の作用に関して、例えば特許文献1は、フェンネルオイル、グレープフルーツオイル、ペッパーオイル等の香料が交感神経活性化作用を有し、さらにそれにより痩身効果をもたらすことを記載している。交感神経を活性化して、肥満のメカニズムに関与する脱共役タンパク質(UCP)の発現に関わるノルアドレナリンの分泌を促進することによりダイエット効果が得られると考えられている。
【0004】
しかしながら、それら報告されている香料等の香りに対する感受性や嗜好性は個人差が大きく、また十分満足できる効果が得られていない。従って、より効果的かつ普遍的に、交感神経を活性化できる新規な物質が尚強く求められている。
【0005】
香気物質として食品中に広く見いだされるラクトン類の中で炭素数10のデカラクトンには五員環構造のγ−デカラクトンおよび六員環構造のδ−デカラクトン等があり、それぞれ特徴のある香気を有し、有用な香味成分として用いられている。中でもδ−デカラクトンは、天然では、ピーチ、ベリーなどのフルーツ、チーズやバターなどの乳製品、酒類や紅茶などに含まれ、また様々な食品においてフレーバーとして用いられている。それらラクトン類には、側鎖が結合した炭素原子が不斉炭素原子であるためR体とS体の光学異性体が存在する。δ−デカラクトンも様々な光学純度で食品等に含まれており(特許文献2)、光学活性δ−デカラクトンを製造する方法も確立されている(例えば、特許文献3および4等)。さらに、特許文献5には、光学活性δ−ラクトンを含む香気・香味・香喫味付与組成物ならびにそれを添加した飲料物、香水、化粧品等が記載されている。しかしながら、δ−デカラクトンの自律神経系に対する作用については全く知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−265977号明細書
【特許文献2】特開平10−158257号明細書
【特許文献3】特開平10−251244号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/106320号パンフレット
【特許文献5】特開平11−189783号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑み、生体の恒常性維持に深いかかわりを持つ自律神経系に対する作用剤として、安全かつ効果的に交感神経を活性化することができる新規な物質を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、δ−デカラクトンのうち(R)−δ−デカラクトンが交感神経活性化作用を有し、自律神経系を活動的に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。これまでδ−デカラクトンが自律神経系に影響を及ぼすことは全く知られていなかった。
【0009】
本発明の交感神経活性化剤は、(R)−δ−デカラクトンを有効成分として含有することを特徴とする。食品等に含まれる香気成分である(R)−δ−デカラクトンにより交感神経を活性化して、安全かつ簡便に自律神経系を調整することができる。
【0010】
本発明の交感神経活性化剤に含まれる(R)−δ−デカラクトンの光学純度は80%e.e.以上であることが好ましい。δ−デカラクトンのうちR体は交感神経を活性化させるが、S体は交感神経活性化作用を示さず、従って、R体の光学純度が高いものを用いることにより、より効果的に交感神経を活性化できる。
【0011】
(R)−δ−デカラクトンは香気成分であり、本発明の交感神経活性化剤は通常吸入により使用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の交感神経活性化剤は、食品等に含まれる香気成分である(R)−δ−デカラクトン有効成分とし、安全かつ簡便に自律神経系を活動的に調整でき、現代のストレス社会において外からの様々な刺激に対する抵抗を高め、また交感神経系の活性化による痩身効果をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】δ−デカラクトンの光学異性体の交感神経活性に対する効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
δ−デカラクトンのS体とR体の構造式を以下に示す。
【化1】

【0015】
δ−デカラクトンは、牛乳、バター、チーズ、ココナッツなどの多くの食品等に含まれる香気成分であり、様々な加工食品等に配合されるフレーバーとして市販されている。また、例えば特開平10−158257号明細書、特開平10−251244号明細書、または国際公開第2004/106320号パンフレット等に記載されているように、化学合成によりδ-デカラクトンのR体およびS体をそれぞれ製造することができる。さらに、80%e.e.以上の高い光学純度の(R)−δ−デカラクトンが曽田香料株式会社または日本ゼオン株式会社等から市販されており、それらを本発明において好ましく用いることができる。
【0016】
本発明の交感神経活性化剤において、(R)−δ−デカラクトンの光学純度は80%e.e.以上であることが好ましく、より好ましくは85%e.e.以上であり、さらに好ましくは89%e.e.以上である。δ−デカラクトンのうちR体は交感神経を活性化させるが、S体は交感神経活性化作用を示さず、従って、R体の光学純度が高いものを用いることによって、より効果的に交感神経を活性化させることができる。
【0017】
本発明の交感神経活性化剤は、(R)−δ−デカラクトンを有効成分として含み本発明の効果を達成できる限り、その形態については特に制限はなく、また本発明の効果を妨げない範囲で、任意の担体、希釈剤、助剤等の任意の他の成分を含めることができる。
【0018】
本発明の交感神経活性化剤を配合する対象物は、(R)−δ−デカラクトンが気化して吸入可能な形態で配合され得るものであればどのようなものでもよく、その剤型や製品形態によって限定されるものではない。またその対象物の種類に応じて、上記有効成分の他に、通常その対象物に含まれる任意の構成要素をさらに含めてよい。さらに、他の自律神経を調整する薬剤等、他の任意の薬剤と本発明の交感神経活性化剤を併用してもよい。
【0019】
例えば、本発明の交感神経活性化剤を配合する製品形態として、限定はされないが、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品、飲料等が挙げられ、またその剤形として、例えば、液剤、粉末剤、顆粒剤、エアゾール剤、固形剤、ジェル剤等が挙げられる。
【0020】
特に好適な態様の1つである化粧料として、限定はされないが、例えば、香水、オードトワレ、オーデコロン、クリーム、乳液類、化粧水、ファンデーション類、粉白粉、口紅、石鹸、シャンプー・リンス類、ボディーシャンプー、ボディーリンス、ボディーパウダー類、浴剤類等が挙げられる。
【0021】
さらに、例えば、芳香剤、消臭剤、アロマキャンドル、インセンス、文房具、財布、バッグ、靴等の任意の雑貨類や、例えば下着、洋服、帽子、ストッキング、靴下等、任意の衣類に、本発明の交感神経活性化剤を含めることができる。それらの素材または製品のいずれに本発明の交感神経活性化剤を加えてもよい。
【0022】
尚、本発明の交感神経活性化剤の様々な使用態様を例示したが、それらに限定されるものではなく、本発明の効果を達成できる限り、任意の態様で用いることができる。また、具体的な態様に応じて、(R)−δ−デカラクトンの他に、本発明の効果を損なわない限り他の一般的な香料成分を配合することができる。
【0023】
上記のような対象物中の本発明の交感神経活性化剤の配合量は、他の配合成分および用途等によって適宜選択することができ、特に限定されないが、通常、対象物の全質量に対して、0.000001質量%以上であり、より好適には0.00001質量%以上であり、さらに好適には0.0001質量%以上である。化粧料に配合する場合、化粧料中の交感神経活性化剤の配合量は特に限定されるものではないが、一般的な濃度範囲、例えば化粧料全量に対し0.001〜50質量%とすることができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。尚、(R)−δ−デカラクトンおよび(S)−δ−デカラクトンはいずれも曽田香料株式会社から市販されているものを用い、その光学純度はともに89%e.e.であった。
【0025】
δ−デカラクトンの光学異性体の交感神経系に対する作用の検討
20代女性5名を被験者とした。被験者には予め試験内容を説明し、文書にて試験参加への同意を得た。試験は温度が25℃で湿度が50%の恒温恒湿室にて実施した。
【0026】
被験者への香りの呈示は、エタノールで0.0005質量%に希釈した試験試料5μlをコットンに染み込ませ、エタノールを十分に揮発させた後、被験者の鼻下に貼りつけて、自発呼吸とともに香りを嗅がせた。香りなし3分、続いて香りあり3分、さらに続いて香りなし3分を1セットとして行ない、前後の香りなし条件における交感神経系の活動度に対する、香りあり条件における活動度の比を算出した。香りを嗅がせない場合は溶媒であるエタノールのみを染み込ませたコットンを被験者の鼻下に貼付した。
【0027】
本発明における交感神経系活動度の測定には、交感神経系の活動度を表す指標として知られている血圧の連続波形から算出した収縮期血圧の変動のLF値(低周波成分)を採用した。具体的には、被験者の手首橈骨静脈部にトノメトリーセンサーを装着し、ペイシェントモニター(BP508、オムロンコーリン)に接続して血圧を連続測定した。ペイシェントモニターから連続血圧測定データをPCに取り込み、自律神経系活性解析ソフト(フラクレットWT、大日本住友製薬)を用いて収縮期血圧(SBP)の変動をパワースペクトル解析し、その低周波成分(SBP-LF)の強度から交感神経活動を定量した。(S)−または(R)−δ−デカラクトンの香りを嗅がせた場合のSBP-LF値と、対照としてエタノールのみを嗅がせた場合のSBP-LF値(前後の香りなし条件におけるSBP-LF値の平均値)を比較して、交感神経活動に及ぼす影響を評価した。
【0028】
図1に結果を示す。結果は、エタノールのみを嗅がせた場合(対照)におけるSBP-LF値を1としたときの、(S)−δ−デカラクトンまたは(R)−δ−デカラクトンを嗅がせたときのSBP-LF値(相対的SBP-LF値)の平均値で示した。また、対応のあるt検定により対照に対する有意差検定を行ない、危険率5%未満の場合に有意差があると判定した。図1から明らかである様に、(R)−δ−デカラクトンの香りを嗅がせると、対照と比較してSBP-LF値が有意に上昇し(p=0.001)、(R)−δ−デカラクトンが交感神経活性化効果を有することが示された。一方、(S)−δ−デカラクトンの香りを嗅がせても対照と比較して有意な上昇は認められなかった(p=0.67)。尚、五員環構造のγ-デカラクトンについても同様に評価したが、交感神経活性化効果は認められなかった(データは示さず)。
【0029】
以下に、本発明の交感神経活性化剤を含む各種組成物または雑貨類の具体的な処方例を適用例として示す。本発明の交感神経活性化剤として(R)−δ−デカラクトンを配合した。尚、配合量は全て製品全量に対する質量%で表す。
【0030】
化粧水 質量%
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(4)キシリトール 3.0
(5)アスコルビン酸 0.005
(6)エデト酸3ナトリウム 0.1
(7)染料 0.1
(8)(R)−δ−デカラクトン 0.00005
(9)精製水 残量
合計 100
【0031】
乳液 質量%
(1)エチルアルコール 10.0
(2)グリセリン 3.0
(3)ブチレングリコール 2.0
(4)ポリエチレングリコール 3.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.1
(6)アクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー 0.1
(7)水酸化カリウム 0.1
(8)シクロメチコン 4.0
(9)スクワラン 2.0
(10)球状ポリエチレン 2.0
(11)メントール 0.5
(12)薬剤 1.0
(13)パラベン 0.1
(14)エデト酸3ナトリウム 0.1
(15)顔料 0.1
(16)(R)−δ−デカラクトン 0.0001
(17)精製水 残量
合計 100
【0032】
クリーム 質量%
(1)グリセリン 10.0
(2)ブチレングリコール 5.0
(3)カルボマー 0.1
(4)水酸化カリウム 0.2
(5)ステアリン酸 2.0
(6)ステアリン酸グリセリル 2.0
(7)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(8)ワセリン 5.0
(9)防腐剤 0.1
(10)酸化防止剤 0.1
(11)(R)−δ−デカラクトン 0.0003
(12)キレート剤 1.0
(13)顔料 0.01
(14)ステアリルアルコール 2.0
(15)ベヘニルアルコール 2.0
(16)パーム硬化油 2.0
(17)スクワラン 10.0
(18)4−メトキシサリチル酸カリウム 3.0
(19)精製水 残量
合計 100
【0033】
クリーム 質量%
(1)グリセリン 3.0
(2)ジプロピレングリコール 7.0
(3)ポリエチレングリコール 3.0
(4)ステアリン酸グリセリル 3.0
(5)イソステアリン酸グリセリル 2.0
(6)ステアリルアルコール 2.0
(7)ベヘニルアルコール 2.0
(8)流動パラフィン 7.0
(9)シクロメチコン 3.0
(10)ジメチコン 1.0
(11)オクチルメトキシシンナメート 0.1
(12)ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
(13)防腐剤 0.1
(14)酸化防止剤 0.1
(15)(R)−δ−デカラクトン 0.0004
(16)キレート剤 1.0
(17)顔料 0.01
(18)精製水 残量
合計 100
【0034】
ジェル 質量%
(1)エチルアルコール 10.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ブチレングリコール 5.0
(4)カルボマー 0.5
(5)アミノメチルプロパノール 0.3
(6)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(7)メントール 0.02
(8)防腐剤 0.05
(9)キレート剤 1.0
(10)(R)−δ−デカラクトン 0.0001
(11)精製水 残量
合計 100
【0035】
エアゾール 質量%
(1)グリセリン 2.0
(2)ジプロピレングリコール 2.0
(3)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.3
(4)ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン 1.0
(5)防腐剤 0.1
(6)キレート剤 1.0
(7)染料 0.1
(8)(R)−δ−デカラクトン 0.0002
(9)精製水 40.0
(10)液化石油ガス 残量
合計 100
【0036】
エアゾール 質量%
(1)アルコール 15.0
(2)ブチレングリコール 2.0
(3)グリセリン 1.0
(4)ポリプロピレングリコール−13
デシルテトラデス24 0.1
(5)銀担持ゼオライト 1.0
(6)キレート剤 1.0
(7)染料 0.3
(8)(R)−δ−デカラクトン 0.0015
(9)液化石油ガス 40.0
(10)精製水 残量
合計 100
【0037】
エアゾール 質量%
(1)エタノール 60.0
(2)乳酸メンチル 0.1
(3)乳酸ナトリウム 0.1
(4)酢酸トコフェロール 0.01
(5)乳酸 0.01
(6)カフェイン 0.01
(7)ウイキョウエキス 1.0
(8)ハマメリスエキス 1.0
(9)ドクダミエキス 1.0
(10)ジプロピレングリコール 1.0
(11)窒素ガス 0.9
(12)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
デシルテトラデシルエーテル 1.0
(13)ブチレングリコール 2.0
(14)トコフェロール 0.05
(15)(R)−δ−デカラクトン 0.0001
(16)ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.1
(17)精製水 残量
合計 100
【0038】
シャンプー 質量%
(1)ラウリルポリオキシエチレン(3)
硫酸エステルナトリウム塩(30%水溶液) 30.0
(2)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩
(30%水溶液) 10.0
(3)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
(4)グリセリン 1.0
(5)防腐剤 0.1
(6)(R)−δ−デカラクトン 0.005
(7)色素 0.1
(8)金属イオン封鎖剤 0.1
(9)pH調整剤 0.5
(10)精製水 残量
合計 100
【0039】
リンス 質量%
(1)シリコーン油 3.0
(2)流動パラフィン 1.0
(3)セチルアルコール 1.5
(4)ステアリルアルコール 1.0
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
(6)グリセリン 3.0
(7)(R)−δ−デカラクトン 0.005
(8)色素 0.1
(9)防腐剤 0.05
(10)精製水 残量
合計 100
【0040】
ボディーシャンプー 質量%
(1)ラウリン酸 2.5
(2)ミリスチン酸 5.0
(3)パルミチン酸 2.5
(4)オレイン酸 2.5
(5)ココイルジエタノールアミド 1.0
(6)グリセリン 20.0
(7)水酸化カリウム 3.6
(8)染料 0.1
(9)(R)−δ−デカラクトン 0.005
(10)金属イオン封鎖剤 0.1
(11)精製水 残量
合計 100
【0041】
フレグランス 質量%
(1)アルコール 75.0
(2)ジプロピレングリコール 5.0
(3)(R)−δ−デカラクトン 0.001
(4)酸化防止剤 8.0
(5)色素 0.01
(6)紫外線吸収剤 0.01
(7)精製水 残量
合計 100
【0042】
ルームフレグランス 質量%
(1)アルコール 80.0
(2)酸化防止剤 5.0
(3)(R)−δ−デカラクトン 0.001
(4)3−メチル−3−メトキシブタノール 5.0
(5)ジベンジリデンソルビトール 5.0
(6)精製水 残量
合計 100
【0043】
インセンス 質量%
(1)タブ粉 75.5
(2)安息香酸ナトリウム 15.5
(3)(R)−δ−デカラクトン 0.005
(4)ユーカリオイル 1.0
(5)精製水 残量
合計 100
【0044】
入浴剤 質量%
(1)硫酸ナトリウム 45.0
(2)炭酸水素ナトリウム 残量
(3)ラベンダーオイル 9.0
(4)(R)−δ−デカラクトン 0.0001
合計 100
【0045】
マッサージ用ジェル 質量%
(1)エリスリトール 2.0
(2)カフェイン 5.0
(3)オウバク抽出物 3.0
(4)グリセリン 50.0
(5)カルボキシビニルポリマー 0.4
(6)ポリエチレングリコール400 30.0
(7)エデト3ナトリウム 0.1
(8)ポリオキシレン(10)
メチルポリシロキサン共重合体 2.0
(9)スクワラン 1.0
(10)水酸化カリウム 0.15
(11)(R)−δ−デカラクトン 0.001
(12)精製水 残量
合計 100
【0046】
マッサージクリーム 質量%
(1)固形パラフィン 5.0
(2)ミツロウ 10.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)1,3−ブチレングリコール 4.0
(6)モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)ポリオキシレン(20)
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
(8)ホウ砂 0.2
(9)カフェイン 2.0
(10)防腐剤 0.1
(11)酸化防止剤 0.1
(12)(R)−δ−デカラクトン 0.001
(13)精製水 残量
合計 100
【0047】
芳香性繊維
キュプロアンモニウムセルロース溶液(セルロース濃度10質量%、アンモニウム濃度
7質量%、銅濃度3.6質量%)に、本発明の交感神経活性化剤を内包したマイクロカプセル(粒子径50μm以下、マイクロカプセルに占める(R)−δ−デカラクトンの割合は50質量%)をセルロース質量に対して0.1〜20質量%の範囲内で添加、混和した後、通常の湿式紡糸方法に従って紡糸し、精錬工程、乾燥工程を経て、芳香性繊維を得た。
【0048】
顆粒 質量%
(1)スクラロース 0.1
(2)(R)−δ−デカラクトン 0.001
(3)香味料 5.0
(4)賦形剤(セオラス) 10.0
(5)マルチトール 残量
合計 100
【0049】
錠剤(チュアブルタイプ) 質量%
(1)イノシトール 11.0
(2)マルチトール 21.0
(3)スクロース 0.5
(4)鮭白子抽出物(DNA Na) 0.1
(5)酵母抽出物 0.1
(6)(R)−δ−デカラクトン 0.00001
(7)香味料 5.0
(8)賦形剤 残量
合計 100
【0050】
タブレット 質量%
(1)潤沢剤(ショ糖脂肪酸エステル等) 1.0
(2)アラビアガム水溶液(5%) 2.0
(3)酸味料 1.0
(4)着色料 0.01
(5)(R)−δ−デカラクトン 0.00001
(6)糖質(粉糖またはソルビトール等) 残量
合計 100
【0051】
キャンディー 質量%
(1)砂糖 50.0
(2)水飴 残量
(3)有機酸 2.0
(4)(R)−δ−デカラクトン 0.0005
合計 100
【0052】
ガム 質量%
(1)砂糖 43.0
(2)ガムベース 30.95
(3)グルコース 10.0
(4)水飴 残量
(5)(R)−δ−デカラクトン 0.0005
合計 100
【0053】
これら適用例の組成物または雑貨類は、それぞれの製品形態の典型的な使用態様において、交感神経を活性化させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)−δ−デカラクトンを有効成分として含有する交感神経活性化剤。
【請求項2】
(R)−δ−デカラクトンの光学純度が80%e.e.以上である請求項1記載の交感神経活性化剤。
【請求項3】
(R)−δ−デカラクトンを吸入して使用することを特徴とする請求項1または2記載の交感神経活性化剤。

【図1】
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【公開番号】特開2012−107000(P2012−107000A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230772(P2011−230772)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】