説明

交戦訓練システム

【課題】火器について破損の判定を行うことで、実際に使用可能な火器を用いて交戦訓練を行うことができる交戦訓練システムを提供する。
【解決手段】火器破損区分判定処理部23bは、無線通信部21からレーザ送信装置情報通知データ10dに設定されている携行火器種別と、隊員損耗区分判定処理部23aが判定した隊員損耗区分を入力する。次に、火器破損区分判定処理部23bは、記憶部25の火器破損区分判定テーブル25aを参照して火器破損区分を判定し、火器破損区分データを受光装置情報通知データ20dに設定し、無線通信部21を経由してレーザ送信装置10に送信する。レーザ送信装置10は、無線通信部16を経由して受光装置情報通知データ20dを受信すると、火器破損区分データを火器状態表示部17に出力する。火器状態表示部17は、火器破損区分に基づいて火器状態の表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交戦訓練システムに係り、特に拳銃、機関銃、火砲など(以下、火器という)を模擬した装置を用いて交戦訓練を受ける隊員の損耗を判定する交戦訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
交戦訓練システムは、火器を模擬したレーザ送信装置を交戦訓練を受ける隊員に携行させ、またレーザ送信装置から送信されるレーザ光を受光する受光装置を隊員に装着させ隊員の交戦訓練を行うものである。レーザ送信装置からは、火器を発射したときの発射者、発射位置、火器の種類、弾種、及び残弾数などの情報(以下、発射情報という)のデータがレーザ光で送信される。また、受光装置は、受信したレーザ光の発射情報に基づいて、隊員に対する命中有無や損耗などの判定を行い損耗区分、損耗部位などの情報(以下、被弾情報という)を生成している。例えば、隊員が拳銃を模擬した火器により至近距離で被弾した場合には、被弾した隊員は重度の損耗と判定され重度の損耗の被弾情報が生成されるが、至近距離でない場合には損耗なしと判定され損耗なしなどの被弾情報が生成される。このように、発射情報や被弾情報に基づいて隊員に対する損耗の度合いを判定し、被弾情報を生成することができる交戦訓練システムを提供していた。
【0003】
特許文献1に開示の技術では、射撃操作により使用する火器の種類、弾種及び固有識別番号等の射撃データを含むコード化されたレーザ光を照射する投光器と、そのレーザ光を検知し、レーザ光に含まれる射撃した火器の種類、その弾種及び固有識別番号等の射撃データを検出し、所要の損耗状況を音、光、煙等で表示できる受光器を備えた射撃訓練用装置において、受光器がレーザ光を受光できなかった場合でも、投光器が何時、何の弾種を発射したかなどの射撃データを記憶することで、適切に射撃訓練の評価を行うことができる射撃訓練用装置を提供している。特許文献1の射撃訓練用装置では、受光器がレーザ光を検知し、レーザ光に含まれる射撃で使用された火器の種類、その弾種及び固有識別番号等の射撃データを検出し、所要の損耗状況を音、光、煙等で表示しているが、火器の破損についての判定は行っていない。また、従来の交戦訓練システムにおいても、隊員の損耗については判定を行っているが、火器の破損についての判定は行っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−273896
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、実戦では隊員が損耗した場合に、隊員が携行している火器も破損することがある。このような交戦訓練において、損耗した隊員が携行していた破損されたと推定される火器を別の隊員が拾得して使用できるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる交戦訓練システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の交戦訓練システムは、火器を模擬したレーザ送信装置と前記レーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置を備えた交戦訓練システムにおいて、前記受光装置は、被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、前記被訓練体の前記損耗区分に基づいて前記被訓練体が携行または備えている前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、前記破損区分を前記レーザ送信装置に送信する火器破損区分送信手段とを有し、前記レーザ送信装置は、前記破損区分を受信する火器破損区分受信手段と、前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、隊員について損耗が判定された場合に、隊員が携行していた火器についても破損の判定を行うことで、実際に使用可能な火器を用いて交戦訓練を行うことができるので、交戦訓練システムにおいてより実戦に近い交戦訓練の実施や正確に交戦訓練の評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る交戦訓練システムの概要を示す図である。
【図2】図1に示す隊員の交戦訓練装置の機能構成を示す図である。
【図3】図2に示す火器破損区分判定テーブルの構成を示す図である。
【図4】図2に示す受光装置情報通知データのフォーマットを示す図である。
【図5】図2に示す火器破損区分判定処理部が実行する火器破損区分判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について図面を参照して説明する。
【0011】
まず、図1を用いて交戦訓練システム100の概要について説明する。図1に示すように交戦訓練は、拳銃や機関銃などの火器を模擬したレーザ送信装置10を携行した隊員が、レーザ光を受光する隊員用の受光装置20と信号処理装置30とを装着して交戦訓練が行われる。また、火砲などの火器を模擬したレーザ送信装置10を備えた車両に、レーザ光を受光する車両用の受光装置40と信号処理装置30とを装着して交戦訓練が行われる。そして、レーザ送信装置10から発射情報が信号処理装置30に出力され、また受光装置20または受光装置40から被弾情報が信号処理装置30に出力される。隊員に装着された信号処理装置30または車両に装着された信号処理装置30から、交戦訓練システム100の交戦訓練全体を統制するホスト局50に、刻々と変化する交戦訓練の進行状態などの情報が送信される。交戦訓練を実施する訓練者は、ホスト局50により交戦訓練の進行状態などを把握することができる。
【0012】
次に、図2を用いて交戦訓練システム100における隊員が携行するレーザ送信装置10、隊員が装着する受光装置20、及び信号処理装置30の機能構成について説明する。レーザ送信装置10は、発射情報入力部11、記憶部12、信号送信部13、制御部14、レーザ送信部15、無線通信部16、及び火器状態表示部17から構成されている。記憶部12には、火器弾種情報エリア12aと火器破損情報エリア12bを備えている。制御部14には、火器処理部14aを備えている。受光装置20は、無線通信部21、信号送信部22、制御部23、レーザ受信部24、及び記憶部25から構成されている。制御部23には、隊員損耗区分判定処理部23aと火器破損区分判定処理部23bを備えている。記憶部25には、火器破損区分判定テーブル25aを備えている。信号処理装置30は、無線送信部31、制御部32、信号受信部33、及び記憶部34から構成されている。制御部32には、信号処理部32aを備えている。記憶部34には、発射情報保存エリア34aと被弾情報保存エリア34bを備えている。
【0013】
レーザ送信装置10の各機能について説明する。発射情報入力部11は隊員が火器を模擬したレーザ送信装置10に事前に設定した発射者の情報や発射者がレーザ送信装置10により射撃を行ったときの射撃操作の情報などを入力し、制御部14に出力する。記憶部12は、フラッシュメモリ等の記憶装置で、レーザ送信装置10が実行する処理のプログラムやデータの保存を行う。記憶部12の火器弾種情報エリア12aには、火器の種類、弾種、及び残弾数などのデータが記憶される。また、記憶部12の火器破損情報エリア12bには、レーザ送信装置10を携行している隊員が装着している受光装置20から無線で送信される受光装置情報通知データ20dの火器破損情報が記憶される。制御部14は、レーザ送信装置10全体の制御を行う。制御部14の火器処理部14aは、発射情報入力部11から入力する発射者の情報や射撃操作の情報などに基づいて、発射位置を検知し、また火器の残弾数を算出して発射情報を作成する。そして、火器処理部14aは、火器の種類、弾種、及び残弾数などのデータを火器弾種情報エリア12aに記憶するとともに、作成した発射情報を信号送信部13、レーザ送信部15、及び無線通信部16に出力する。また、火器処理部14aは、無線通信部16から入力する受光装置情報通知データ20dの火器破損情報に基づいて、火器状態データを作成し、火器状態表示部17に出力する。信号送信部13は、火器処理部14aから出力される発射情報を信号処理装置30に送信する。レーザ送信部15は、火器処理部14aから出力される発射情報をレーザデータとして送信する。無線通信部16は、レーザ送信装置10を携行している隊員が装着している受光装置20に発射情報などのデータを設定したレーザ送信装置情報通知データ10dを無線で送信し、また、受光装置20から無線で受光装置情報通知データ20dを受信し、制御部14に出力する。受光装置情報通知データ20dのフォーマットについては後述する。火器状態表示部17は、火器処理部14aから入力する火器状態データに基づいて火器状態を表示する。
【0014】
受光装置20の各機能について説明する。無線通信部21は、受光装置20を装着している隊員が携行しているレーザ送信装置10から発射情報などのデータが設定されているレーザ送信装置情報通知データ10dを無線で受信し、また、レーザ送信装置10に受光装置情報通知データ20dを送信する。受光装置情報通知データ20dのフォーマットについては後述する。レーザ受信部24は、対戦している隊員または車両から送信される発射情報のレーザデータを受信する。制御部23は、受光装置20全体の制御を行う。制御部23の隊員損耗区分判定処理部23aは、レーザ受信部24から入力した交戦相手からの発射情報に基づいて隊員の損耗区分や損耗部位を判定すると、被弾情報を生成して信号送信部22に出力する。制御部23の火器破損区分判定処理部23bは、無線通信部21から入力したレーザ送信装置情報通知データ10dの発射情報、隊員損耗区分判定処理部23aが判定した隊員の損耗区分、及び火器破損区分判定テーブル25aの情報に基づいて火器の破損区分を判定する。火器破損区分判定処理部23bの処理については、後述する。信号送信部22は、隊員損耗区分判定処理部23aから出力される被弾情報を信号処理装置30に送信する。記憶部25は、フラッシュメモリ等の記憶装置で、受光装置20が実行する処理のプログラムやデータの保存を行う。記憶部25の火器破損区分判定テーブル25aには、火器破損区分判定処理部23bが火器の破損区分を判定するための情報が設定されている。火器破損区分判定テーブル25aの構成については、後述する。
【0015】
信号処理装置30の各機能について説明する。信号受信部33は、レーザ送信装置10の信号送信部13から送信される発射情報と、受光装置20の信号送信部22から送信される被弾情報を受信し、制御部32に出力する。記憶部34は、フラッシュメモリ等の記憶装置で、信号処理装置30が実行する処理のプログラムやデータの保存を行う。記憶部34の発射情報保存エリア34aには、発射情報が保存される。記憶部34の被弾情報保存エリア34bには、被弾情報が保存される。制御部32は、信号処理装置30全体の制御を行う。制御部32の信号処理部32aは、レーザ送信装置10から受信した発射情報を発射情報保存エリア34aに保存するとともに、無線送信部31を経由してホスト局50に送信する。また、信号処理部32aは、受光装置20から受信した被弾情報を被弾情報保存エリア34bに保存するとともに、無線送信部31を経由してホスト局50に送信する。
【0016】
図3を用いて受光装置20の火器破損区分判定テーブル25aの構成について説明する。図3に示すように火器破損区分判定テーブル25aは、「携行火器種別」、「隊員損耗区分」、「火器破損区分の確率(乱数の範囲)」の項目が設けられている。また、「火器破損区分の確率(乱数の範囲)」には、「破損なし」、「軽度破損」、及び「重度破損」の項目が設けられている。「破損なし」とは、隊員が携行している火器が、隊員が損耗しても破損していない状態であることをいう。「軽度破損」とは、隊員が携行している火器が、隊員が損耗することで破損するが修理可能な状態であることをいう。「重度破損」とは、隊員が携行している火器が、隊員が損耗することで破損し修理不能の状態であることをいう。「携行火器種別」には、隊員が携行する火器の種類が設定されている。「隊員損耗区分」には、受光装置20の隊員損耗区分判定処理部23aが判定できる全ての隊員損耗区分が設定されている。「火器破損区分の確率(乱数の範囲)」の「破損なし」には、隊員が携行する火器について「破損なし」と判定される確率と、その確率に対応する乱数の範囲が設定されている。「火器破損区分の確率(乱数の範囲)」の「軽度破損」には、隊員が携行する火器について「軽度破損」と判定される確率と、その確率に対応する乱数の範囲が設定されている。「火器破損区分の確率(乱数の範囲)」の「重度破損」には、隊員が携行する火器について「重度破損」と判定される確率と、その確率に対応する乱数の範囲が設定されている。例えば、「携行火器種別」が「火器A」で「隊員損耗区分」が「重傷」の場合には、「火器A」を「破損なし」と判定する確率が50%であれば、乱数100に対する50%の範囲である(1〜50)が「破損なし」の乱数の範囲となる。また、同様の場合に、「火器A」を「軽度破損」と判定する確率が25%であれば、「破損なし」の乱数の範囲を除いた乱数100に対する25%の範囲である(51〜75)が「軽度破損」の乱数の範囲となる。また、同様の場合に、「火器A」の「重度破損」と判定する確率が25%であれば、「破損なし」と「軽度破損」の乱数の範囲を除いた乱数100に対する25%の範囲である(76〜100)が「重度破損」の乱数の範囲となる。
【0017】
図4を用いて隊員が携行している火器であるレーザ送信装置10に、隊員が装着している受光装置20から送信する受光装置情報通知データ20dのフォーマットについて説明する。図4(1)に、受光装置情報通知データ20dのフォーマットを示す。図4(2)に、受光装置情報通知データ20dに設定される火器破損データの内容を示す。図4(1)に示すように受光装置情報通知データ20dは、データNo.1からデータNo.9のデータで構成されている。また、各々のデータは、D0からD7のデータ単位で構成されている。このような構成の受光装置情報通知データ20dにおいて、例えば、データNo.7のD0、またはデータNo.8のD6に火器破損データを設定することで、火器破損データをレーザ送信装置10に送信することができる。また、図4(2)に示すように火器破損データには、「破損なし」のときに「0」、「軽度破損」のときに「1」、「重度破損」のときに「2」、「定義なし」のときに「3」が設定される。
【0018】
図5を用いて受光装置20の火器破損区分判定処理部23bが実行する火器破損区分判定処理について説明する。火器破損区分判定処理部23bは、受光装置20において、隊員損耗区分判定処理部23aが隊員損耗区分判定処理を終了したときに起動される。火器破損区分判定処理部23bが起動されると、火器破損区分判定処理が開始される。以下、図5に示す火器破損区分判定処理のフローチャートについてステップ順に説明する。
【0019】
まず、ステップS10において、火器破損区分判定処理部23bは、無線通信部21が受信したレーザ送信装置情報通知データ10dから携行火器の種別を入力する。
【0020】
次いで、ステップS20において、火器破損区分判定処理部23bは、隊員損耗区分判定処理部23aが判定した隊員損耗区分を入力する。
【0021】
次いで、ステップS30において、火器破損区分判定処理部23bは、1から100までの数字の範囲内で乱数を取得する。
【0022】
次いで、ステップS40において、火器破損区分判定処理部23bは、記憶部25から火器破損区分判定テーブル25aを読込み、火器破損区分判定テーブル25aに基づいて火器破損区分を判定する。例えば、携行火器の種別が「火器A」、隊員損耗区分が「重傷」、乱数が「70」であるときには、火器破損区分判定テーブル25aにより「軽度破損」と判定される。そして、火器破損区分判定処理部23bは、判定した火器破損区分を無線通信部21に出力すると、火器破損区分判定処理を終了する。その後、無線通信部21は、火器破損区分を入力すると、図4に示す受光装置情報通知データ20dに火器破損区分データとして設定し、レーザ送信装置10に送信する。
【0023】
以上のような本発明の交戦訓練システムによれば、隊員について損耗が判定された場合に、隊員が携行していた火器についても破損の判定を行うことで、実際に使用可能な火器を用いて交戦訓練を行うことができるので、より実戦に近い交戦訓練の実施や正確に交戦訓練の評価を行うことができる。
【0024】
なお、本実施形態によれば、火器損耗区分の判定を受光装置20で行っているが、レーザ送信装置10が受光装置20から隊員損耗区分データを受信し、また記憶部12に火器破損区分判定テーブル25aを備えることで、レーザ送信装置10が火器損耗区分の判定を行うことも可能である。また、信号処理装置30が記憶部34に火器破損区分判定テーブル25aを備えることで、レーザ送信装置10から受信する発射情報と、受光装置20から受信する被弾情報により火器損耗区分の判定を行い、レーザ送信装置10に火器損耗区分データを送信することも可能である。更に、交戦訓練システム全体を統制するホスト局50が火器破損区分判定テーブル25aを備えるようにすることで、信号処理装置30から受信する発射情報と被弾情報に基づいて火器損耗区分の判定を行い、信号処理装置30を経由して該当するレーザ送信装置10に火器損耗区分データを送信することも可能である。
【0025】
また、本実施形態では、隊員の損耗と隊員が携行している火器について判定を行ったが、隊員が操縦する車両に装着する受光装置40についても、隊員が装着する受光装置20と同様の処理を行うことで、車両が備えている火器の破損についても判定を行うことが可能である。このように、隊員と車両(以下、被訓練体という)の損耗に基づいて隊員が携行する火器、及び車両が備える火器の破損についても判定することができるので、実際に使用可能な火器のみを使用した交戦訓練を実施することができる。
【0026】
また、本実施形態のレーザ送信装置10においては、火器破損区分に基づいて火器の状態を表示するようにしているが、火器を操作不可とすることも可能である。例えば、火器が火器破損区分判定処理により「重度破損」と判定されたときには、その火器を模擬しているレーザ送信装置10からレーザ光の送信をできないようにする。また、火器が火器破損区分判定処理により「軽度破損」と判定されたときには、予め決められた一定時間を経過するまでその火器を模擬しているレーザ送信装置10からレーザ光の送信をできないようにする。このように、火器を操作不可とすることで、より実戦に近い交戦訓練を行うことができる。
【0027】
以上、具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0028】
以上をまとめると、本発明は次のような特徴を有する。
(1) 本発明の交戦訓練システムは、火器を模擬したレーザ送信装置と前記レーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置を備えた交戦訓練システムにおいて、前記受光装置は、被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、前記被訓練体の前記損耗区分に基づいて前記被訓練体が携行または備えている前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、前記破損区分を前記レーザ送信装置に送信する火器破損区分送信手段とを有し、前記レーザ送信装置は、前記破損区分を受信する火器破損区分受信手段と、前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを有することを特徴としている。
(2)(1)の本発明の交戦訓練システムの前記受光装置は、前記被訓練体の前記損耗区分に対する前記火器の1つ以上の前記破損区分が設定されている火器破損区分判定情報を記憶する記憶手段を備えていることを特徴としている。
(3)本発明の交戦訓練システムは、火器を模擬したレーザ送信装置と前記レーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置を備えた交戦訓練システムにおいて、前記受光装置は、被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、前記損耗区分を前記被訓練体が携行または備えている前記火器の前記レーザ送信装置に送信する被訓練体損耗区分送信手段とを有し、前記レーザ送信装置は、前記被訓練体の前記損耗区分を受信する被訓練体損耗区分受信手段と、前記損耗区分に基づいて前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを有することを特徴としている。
(4)(3)の本発明の交戦訓練システムの前記レーザ送信装置は、前記被訓練体の前記損耗区分に対する前記火器の1つ以上の前記破損区分が設定されている火器破損区分判定情報を記憶する記憶手段を備えていることを特徴としている。
(5)本発明の交戦訓練システムは、火器を模擬したレーザ送信装置、前記レーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置、前記レーザ送信装置と前記受光装置から信号を受信する信号処理装置を備えた交戦訓練システムにおいて、前記受光装置は、被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、前記損耗区分を前記信号処理装置に送信する被訓練体損耗区分送信手段とを有し、前記信号処理装置は、前記被訓練体の前記損耗区分を受信する被訓練体損耗区分受信手段と、前記損耗区分に基づいて前記被訓練体が携行または備えている前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、前記破損区分を前記レーザ送信装置に送信する火器破損区分送信手段とを有し、前記レーザ送信装置は、前記破損区分を受信する火器破損区分受信手段と、前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを有することを特徴としている。
(6)(5)の本発明の交戦訓練システムの前記信号処理装置は、前記被訓練体の前記損耗区分に対する前記火器の1つ以上の前記破損区分が設定されている火器破損区分判定情報を記憶する記憶手段を備えていることを特徴としている。
(7)(1)から(6)のいずれかの本発明の交戦訓練システムの前記火器破損区分判定手段は、乱数を取得する乱数取得手段を備え、前記乱数により前記被訓練体の損耗区分に対する前記火器の破損区分を決定することを特徴としている。
(8)(1)から(7)のいずれかの本発明の交戦訓練システムの前記被訓練体は、訓練を受ける隊員または前記隊員が操縦する車両であることを特徴としている。
(9)本発明のレーザ送信装置は、交戦訓練システムにおける火器を模擬したレーザ送信装置であって、レーザ光を受光する受光装置から送信される前記火器の破損区分を受信する火器破損区分受信手段と、前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを備えることを特徴としている。
(10)本発明の受光装置は、交戦訓練システムにおける火器を模擬したレーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置であって、被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、前記被訓練体の前記損耗区分に基づいて前記被訓練体が携行または備えている前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、前記破損区分を前記レーザ送信装置に送信する火器破損区分送信手段とを備えることを特徴としている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、交戦訓練システムに好適であるが、人員の損耗などに連動して各種判定を行うシステム一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
10・・・・・レーザ送信装置
10d・・・・レーザ送信装置情報通知データ
11・・・・・発射情報入力部
12・・・・・記憶部
12a・・・・火器弾種情報エリア
12b・・・・火器破損情報エリア
13・・・・・信号送信部
14・・・・・制御部
14a・・・・火器処理部
15・・・・・レーザ送信部
16・・・・・無線通信部
17・・・・・火器状態表示部
20・・・・・受光装置
20d・・・・受光装置情報通知データ
21・・・・・無線通信部
22・・・・・信号送信部
23・・・・・制御部
23a・・・・隊員損耗区分判定処理部
23b・・・・火器破損区分判定処理部
24・・・・・レーザ受信部
25・・・・・記憶部
25a・・・・火器破損区分判定テーブル
30・・・・・信号処理装置
31・・・・・無線送信部
32・・・・・制御部
32a・・・・信号処理部
33・・・・・信号受信部
34・・・・・記憶部
34a・・・・発射情報保存エリア
34b・・・・被弾情報保存エリア
40・・・・・受光装置
50・・・・・ホスト局
100・・・・・交戦訓練システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火器を模擬したレーザ送信装置と前記レーザ送信装置からレーザ光を受光する受光装置を備えた交戦訓練システムにおいて、
前記受光装置は、
被訓練体の損耗区分を判定する被訓練体損耗区分判定手段と、
前記被訓練体の前記損耗区分に基づいて前記被訓練体が携行又は備えている前記火器の破損区分を判定する火器破損区分判定手段と、
前記破損区分を前記レーザ送信装置に送信する火器破損区分送信手段とを有し、
前記レーザ送信装置は、
前記破損区分を受信する火器破損区分受信手段と、
前記破損区分を表示する火器破損区分表示手段とを有する
ことを特徴とする交戦訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−159268(P2012−159268A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20847(P2011−20847)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】