説明

交換しやすい布団カバー

【課題】 現在掛け布団カバーは、縦側の1辺を長いファスナーで開閉できるようにして布団の出し入れ口とし、他の3辺を縫い合わせたものが一般的である。しかしこの構造のものはカバーの交換の際カバーを裏返すなどの手間がかかる。
このためカバーの交換を容易にするために、他の辺にもファスナーを付けるなどの改善が図られたものがあるが、ファスナーが壊れると布団カバーが使用できなくなることから、ファスナー部を増やすのは好ましくなく、またファスナー増加によるコスト上のデメリットがあった。
本発明は、ファスナーの長さを変えることなく、しかも交換しやすい布団カバーを提供する。
【解決手段】 上記の一般的な布団カバーに、布団の出し入れ口とは反対側の2つの角付近に、腕が入る程度の開口部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として掛け布団にかぶせる布団カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、布団カバーの交換を容易にするため、布団カバーの周囲の2辺又は3辺にファスナーを設けた布団カバーがあった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−215995
【特許文献2】登録実用新案第3013482号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の一般的な掛け布団のカバーは、縦方向の1辺に長いファスナーを付け開閉可能とし、これを布団の出し入れ口として、他の3辺は縫い合わせて袋状としているが、この構造のカバーは、交換の際カバーを裏返えしてから交換しないと作業が難しい。
しかし大きなカバーを裏返したり、布団を付けた状態で元にもどしたりするのは一人ではかなり面倒な作業である。
このためカバー交換を容易にするため、他の辺にもファスナーを付けるなどの改善が図られたものがあるが、布団カバーのファスナーは、開閉時に布の端をかみこませたり、洗濯時のストレスなどで壊れ、開閉できなくなることが比較的多い。
そしてこの長いファスナーが開閉できなくなれば、布団カバー自体が使用できなくなる。
このことから、ファスナー部を多くすることはこのリスクがさらに増加することとなり 好ましいことではない。
また、ファスナー部の増加にはコスト上のデメリットも発生する。
本発明は、一般的な布団カバーのファスナーの長さを変えることなく、しかも交換しやすい布団カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため本発明は、上布と下布を重ね3辺を縫い合わせ袋状として、他の1辺を布団の出し入れ口とし、この出し入れ口にファスナーなどをつけた布団カバーに、布団の出し入れ口とは反対側の2つの角付近に腕が入る程度の開口部を設けた交換しやすい布団カバーである。
【発明の効果】
【0006】
布団カバーに設けられた、一方の開口部から片腕を差し入れ、差し入れた手で布団をつかみカバー内に引っ張り込む。次にもう一方の開口部からも同様の作業をすることで、カバーを裏返すなどの手間をかけることなく、またファスナーの長さを変えることもなく、布団カバーの交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明品と掛け布団の平面図
【図2】本発明品と掛け布団の平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1の右側が本発明品の布団カバー(1)、左側は一般的な掛け布団(4)である。
本発明の構造は、
(イ)上布(1a)と下布(1b)とを重ね合わせ、縦の一つの辺を開口して布団出し 入れ口(2c)とし、これにファスナー(2d)を取り付け開閉可能としている 。
(ロ)横の2辺は縫い合わせている。
(ハ)残りの縦の辺は、2つの角付近に腕が入る程度の開口部(2a、2b)を設け、 その他の部分は縫い合わせている。
(ニ)布団カバー(1)の内側の角および各辺の中央付近には、布団とのズレを防止す るための結び紐(3a〜3h)を設けているが、これは一般的な掛け布団カバー と変わらない。
(ホ)開口部(2a、2b)は小さいので、特に閉じなくとも実用上差し支えはないが 、場合によってはそれぞれの中央付近にスナップなどを設けて閉じる。
一方、掛け布団(4)側には、通常布団カバー(1)に設けられた結び紐(3a〜3h)のそれぞれ対応する位置に、結び紐を結ぶ紐掛け(5a〜5h)が設けられている。
以上が本発明の構造であるが、一般的な布団カバーと異なるのは2箇所の開口部(2a、2b)が設けられている点のみである。
このカバーを布団にかぶせるには図2のように、
(イ)ファスナー(2d)を全開にし、一方の開口部(2a)から片腕をいれ、腕(6 )にカバー(1)を掛けるようにたくし上げ、その手の先を布団出し入れ口(2 c)から出す。
(ロ)その手で掛け布団(4)の角をつかみ、カバー(1)内に引き込むと共に、もう 片方の手で、カバー(1)を布団(4)側に引っ張りカバー(1)をかぶせる。
(ハ)開口部(2a)側まで布団(4)を引き込んだら、この位置の結び紐(3a)と 対応する位置の紐掛け(5a)を開口部(2a)より指をいれ結び止める。
(ニ)同様に、もう一方の開口部(2b)から腕を入れ、布団(4)の反対側もカバー (1)をかぶせ、結び紐(3b)と紐掛け(5b)を結び止める。
(ホ)次に、全開の布団出し入れ口(2c)から両手を入れ、残った結び紐全て(3c 〜3h)を、それぞれの紐掛け(5c〜5h)に結びつける。
(ヘ)ファスナー(2d)を閉じ終了。
カバーを外す手順は、
(イ)開口部(2a)に手を入れ、結び紐(3a)を解き、紐掛け(5a)から外す。
(ロ)もう一方の開口部(2b)からも同様に結び紐(3b)を外す。
(ハ)ファスナー(2d)を全開し、布団出し入れ口(2c)から手をいれ、残った紐 掛け(5c〜5h)から結び紐(3c〜3h)を解く。
(ニ)布団出し入れ口(2c)から、掛け布団(4)を出し終了。
以上、一般的な布団カバーとファスナーの長さは同じであるが、布団カバー(1)を裏返すことなく、簡単に交換ができる。
【符号の説明】
【0009】
1 布団カバー
1a 上布
1b 下布
2a 開口部
2b 開口部
2c 布団出し入れ口
2d ファスナー
3a 各位置の結び紐
3b 各位置の結び紐
3c 各位置の結び紐
3d 各位置の結び紐
3e 各位置の結び紐
3f 各位置の結び紐
3g 各位置の結び紐
3h 各位置の結び紐
4 掛け布団
5a 各位置の紐掛け
5b 各位置の紐掛け
5c 各位置の紐掛け
5d 各位置の紐掛け
5e 各位置の紐掛け
5f 各位置の紐掛け
5g 各位置の紐掛け
5h 各位置の紐掛け
6 腕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上布と下布を重ね3辺を縫い合わせ袋状として、他の1辺を布団の出し入れ口とし、この出し入れ口にファスナーなどをつけた布団カバーに、布団の出し入れ口とは反対側の2つの角付近に腕が入る程度の開口部を設けた交換しやすい布団カバー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−398(P2011−398A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161202(P2009−161202)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(509157085)
【Fターム(参考)】