説明

交換システム

【解決手段】 イーサネット(登録商標)・アクセス接続102はユーザ・アクセス・ポイント10をアクセス・ノード12に接続し、受動カプラ20を含んでいる。受動カプラによって、ユーザ・アクセス・ポイントとネットワークとの間のアクセス接続102、104上でデータが交換され得るように、ユーザ・アクセス・ポイント10と第2アクセス・ノード14の間にさらなるアクセス接続104が設けられることが可能になっている。このように複製することによって、アクセス接続102が切断された際に通信が切断されない。結果生じる2つの同一のデータ・ストリーム間の目的地端末11での干渉を回避するために、目的地端末へのアクセスを提供するアクセス・ノード13、18は、これらの一方のみがデータを目的地アクセス・ポイント11に転送する。アクセス・ノード13とユーザ・アクセス・ポイント10との間の接続が失われた場合に他方へと切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパケット・データ交換方式に関し、エンド・ユーザのアクセス接続への損傷に起因するサービスの損失を防ぐための手段に特に関係する。本発明は、特に、「イーサネット(登録商標)」として知られているタイプのシステムまたはIEEE802.3規格に従ったシステムへの適用である。この明細書では、用語「イーサネット(登録商標)」は、イーサネット(登録商標)・フレームを用いるMPLS(マルチプロトコル・ラベル・スイッチング)ネットワークを含むイーサネット(登録商標)またはIEEE802.3フレームを用いるネットワーク、および同様の原理で動作する他のネットワークを包含する。
【背景技術】
【0002】
単純なイーサネット(登録商標)・パケット・データ交換方式が、図1に示されている。明確化のために、2つのアクセス・ポイントのみが示されている。これらのアクセス・ポイントは、典型的に顧客が所有し、顧客の敷地内に置かれている端末装置10、11を含み、顧客設備と公衆網の間のインターフェースを提供する。これらのアクセス・ポイントは、各々、アクセス接続102、113によってそれぞれのローカル・ノード12、13に接続されている。これらのローカル・ノードは、中間ノード(ヘッダにおいて運ばれている目的地ノードのアドレスに従って例えばノード16)経由で、パケットを導く。目的地ノード(例えば13)に到着すると、パケットはアクセス・ポイント11へと転送される。ノード12乃至18のいずれもが関連するアクセス・ポイントのためのローカル・ノードとして機能し得ることに留意されたい。個々の接続102、126、163、113等は、無線接続、有線接続、または光ファイバー接続のようなあらゆるタイプであり得る。後述の実施形態では、アクセス接続は光接続であるが、このことが限定的なものと捉えられてはならない。
【0003】
各ローカル・ノード13は、典型的には、複数のユーザ・アクセス・ポイント11、11aに接続されている。米国特許出願US2005/0047332号公報、および本明細書の添付図面の図2において示されているように、各個別ユーザからのまたは各個別ユーザへのデータを分離するために課されるマルチプレクスとともに、受動光カプラ132が用いられて、1つのローカル・ノード13から複数のアクセス・ポイント11、11aへの接続111、113が提供されている。受動カプラは当技術においてよく知られている。受動カプラの機能は、1つのポートが2つのポートへと接続されることが可能になるように、信号を分割すること、または2つの信号を結合することである。図7との関連で後述するように、この種の受動カプラは、別個の入出力ポート31、32を双方向ポート30に接続するためにも広く使用されている。
【0004】
ネットワークには冗長性が存在し、ローカル・ノード12、13間の様々なルートでパケットが送信されることが可能になっていることが分かるであろう。したがって、もし1つのリンク126が過負荷状態であったり、切断されていたりしても、データは、何らかの代替ルートを用いて、例としてリンク127、178、183を介して、今まで通り移動することが可能になっている。
【0005】
一般に、ルーティングは、パケット内のアドレス・データを読んで、個々のノード12乃至18によって自律的に実行される。全体制御機能19は、リンクの障害等を監視するために、(点線によって示されているように)ノードを監督する。
【0006】
アクセス・ポイント10とそのローカル・ノード12との間のリンク102が損傷を受けると問題が生じる。このリンク102には冗長性がないので、この接続のいかなる損傷によってもアクセス・ポイント10、11でのエンド・ユーザ間のエンド・トゥー・エンド・リンクが切断される。この、ユーザ自身の端末10とネットワーク・アクセス・ノード12との間の接続102は一部、必ずユーザの敷地内に置かれ、この接続が特に損傷に対して脆弱となるだけでなくネットワーク運用者が修理のためにアクセスすることが困難になっている。したがって、ネットワークの冗長性をアクセス接続へと拡張するコスト的に有効な方法が望ましく、特にこのことが各アクセス・リンク102、113のプロバイダの顧客が所有しているアクセス・ポイント10、11におけるユーザの敷地に置かれている装置を変更すること無しに達成されることができることが望ましい。
【発明の開示】
【0007】
ノード13から各ユーザ・アクセス・ポイント11に2重の接続112、113を設けることが、例えば、上記の米国特許出願US2005/0047332号公報から知られているとともに本明細書への添付図面の図3において示されている。しかしながら、このシステムでは、ユーザ設備において自身の物理端末点および自身のネットワーク・アドレスを各々が有する、ローカル・ノードへのメイン・リンクおよびスタンバイ・リンクを使用者設備が設定することが求められる。本発明によれば、このような複雑さは、ユーザ・アクセス・ポイントと複数のノードを具備するイーサネット(登録商標)・ネットワークの一部を形成するアクセス・ノードとの間のアクセスを提供するためのアクセス接続であって、前記アクセス接続が、1つ以上の受動カプラを具備することと、前記1つ以上の受動カプラによって、前記ユーザ・アクセス・ポイントが、各アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントと1つ以上の前記アクセス・ノードとの間でデータが交換されることが可能なように複数のアクセス接続を提供されていることと、前記アクセス接続のうちの1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータを前記ユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードを制御するための手段と、によって特徴付けられているアクセス接続を提供することによって回避されることが可能である。先行技術引例において用いられている構成と異なり、本発明が、1つのネットワーク・アクセス・ノードを複数のユーザ・アクセス・ポイントに接続するために受動カプラを用いないことに留意されたい。代わりに、カプラは、1つのユーザ・アクセス・ポイントを複数のネットワーク・アクセス・ノードに接続するように反対にされる。よって、本発明によって、冗長経路のセキュリティを提供するためにユーザ端末設備に最小の修正だけが要求される。代わりに、ネットワーク・アクセス・ノードが、2重の経路間でのデータ内での衝突を回避するように制御される。したがって、顧客設備は、可能な限り単純なままであり、また、あらゆる複雑な事柄は、監視および維持がより簡単な運用者ネットワーク内に位置する。
【0008】
パケットのカプセル化は、幾つかのパケット・システムでは一般的であるが、イーサネット(登録商標)・システムでは、通常、要求されない。しかしながら、この発明では、ネットワーク内でループが形成することを防ぐために、カプセル化することが望ましい。したがって、好ましい実施形態では、前記アクセス・ノードが、このアクセス・ノードに前記ユーザ・アクセス・ポイントから送信されたデータが別個にカプセル化されたものを、前記ネットワーク上での送信に向けて、生成するための手段と、前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを、前記ユーザ・アクセス・ポイントへの送信に向けて、非カプセル化するための手段と、を提供することが望ましい。
【0009】
各データに対して別個のカプセル化を提供することによって、ネットワーク内にループが形成することが防止される。目的地アクセス・ノードまたはノードにおいて、データは非カプセル化され、(途中でのあらゆる喪失または誤り発生を除いて)2つの同一のデータ・ストリームとなる。しかしながら、両方のストリームが無傷のアクセス接続を介してユーザ・アクセス・ポイントに首尾よく配送されるとすると、経路差および位相差によって、非カプセル化されたデータの複数の組がユーザ装置において相互に干渉する。よって、1組の非カプセル化されたデータのみがユーザ・アクセス・ポイントに到着するようにアクセス経路相互間で協働することが求められる。このことは、非カプセル化されたパケットを比較し、送付済みのパケットを転送しないことによって達成され得る。しかしながら、デフォルトでデータを転送する経路を第1アクセス接続と指定し、戻り接続経路を監視し、この戻り経路上でデータが失われた際に別のアクセス接続経路へと切り替えることが好ましい。ファイバーの破損によるアクセス経路の喪失は、「信号喪失(Loss of Signal)」状態としてアクセス・ノードで検出される。
【0010】
好ましい配置では、単一ファイバーのリンクが使用され、典型的にはBiDi(1つのファイバー上での双方向送信)SFP(Small Form Pluggable)光学モジュールを用いて実現される。(送信用と受信用の)2つの別個のファイバー接続を用いることが可能であるが、その場合、ユーザ・ポートに信号損失状態を引き起こす単一ファイバーの破損をアクセス・ノードが検出できるように、後方障害表示(Backward Defect Indication)信号が用意されることが必要であろう。
【0011】
本発明は、また、アクセス接続上でユーザ・アクセス・ポイントからデータ・パケットを受け取るための手段と、前記パケットをネットワーク内の別のノードへ転送するための手段と、前記ネットワーク内の別のノードからデータ・パケットを受け取るための手段と、前記アクセス接続上でユーザ・アクセス・ポイントに前記パケットを転送するための手段と、を具備するイーサネット(登録商標)・ネットワーク用のアクセス・ノードであって、前記アクセス接続上で受け取られるトラフィックを検出するための手段と、同じユーザ・アクセス・ポイントへの複数のそのような接続に関する前記検出されたトラフィック情報を比較するための手段と、前記情報に従って前記アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントにパケットを送信することを選択的に一時停止するための手段と、によって特徴付けられている、アクセス・ノードを提供する。
【0012】
本発明は、また、それぞれのユーザ・アクセス・ポイントへのアクセス接続によって接続された複数の相互接続されたアクセス・ノードを具備するイーサネット(登録商標)・ネットワークであって、各アクセス・ノードは、前記ネットワーク上での送信に向けてそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントから前記アクセス・ノードに送信されたデータを受け取るための手段と、前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ユーザ・アクセス・ポイントが前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを送信するための手段と、を具備し、前記システムは、相違するアクセス接続を用いる複数のルートによって前記ユーザ・アクセス・ポイントと前記ネットワークとの間でデータが交換されることが可能なように、少なくとも1つのユーザ・アクセス・ポイントが受動カプラを介して複数のアクセス接続によって1つ以上のアクセス・ノードに接続されていることと、前記アクセス接続の1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータをそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードを制御するための手段と、によって特徴付けられているイーサネット(登録商標)・ネットワークを提供する。
【0013】
本発明によって、顧客に位置する設備が何らの保護計画をサポートする必要なしに、この設備へのイーサネット(登録商標)・アクセス・リンクが保護されることが可能である。このことによって、保護されているアクセス・リンク用に使用可能な設備の範囲が広がる。顧客の設備とアクセス・ファイバーとの間にカプラを加えることを除いて顧客の設備上での何らのハードウェアの変更も必要ないからである。SFP(small form pluggable)に基づいたインターフェース(および双方向SFPモジュール)が用いられて、遠隔障害表示(remote defect indication)のための更なる信号を設ける必要が除去されてもよい。
【0014】
本発明は、また、ユーザ・アクセス・ポイントにアクセス接続によって接続されたそれぞれアクセス・ノードを介して前記ユーザ・アクセス・ポイントにおよび前記ユーザ・アクセス・ポイントからデータが送信されるようにイーサネット(登録商標)・ネットワークを動作させるための方法であって、相違するアクセス接続を用いる複数のルートによって前記ユーザ・アクセス・ポイントと前記ネットワークとの間でデータが交換されることが可能なように、ユーザ・アクセス・ポイントが受動カプラを介して複数のアクセス接続に接続されていることと、前記アクセス接続のうちの1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータをそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードが制御される、ことによって特徴付けられている方法を提供する。
【0015】
アクセス・ノードは、「仮想的に」別個になっているが、物理的に共同で配置されるとともに同じ部品を共用し得る。必要なことは、アクセス・ノードが、ユーザ・アクセス・ポイントに別個にアクセス接続しており、別個にデータをカプセル化し、非カプセル化するということである。
【0016】
複数のストリームが、(ループの形成を防ぐために異なるカプセル化で)一緒に、ネットワーク内で転送されることが可能である。ストリームのうちの1つはアクティブ・ストリームと指定されており、残りのストリームはスタンバイ・ストリームと指定されている。スタンバイ・ストリームは目的地ノードまたは中間ノードで遮断される。現在アクティブなストリーム用のアクセス・ポートが信号喪失状態となることによって、スタンバイ・ストリームの遮断を停止することが指示され、スタンバイ・ストリームがアクティブ・ストリームとなることが可能になる。元のアクティブ・ストリームは、元のストリームが調整なしに回復した場合に干渉が起こることを回避するために、スタンバイ・ストリームとして再指定される。
【0017】
アクセス・ノード相互間の経路も、共通の要素を有していてよい。
【0018】
複数の受動カプラを有することによって複数の冗長性が導入されてもよい。この場合、どの時点においても唯1つのアクセス・ノードだけがユーザ・アクセス設備に送信しているように全てのアクセス・ノードが協働する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の多くの実施形態が、添付図面を参照して、例として記述される。
【0020】
上記のように、図1は相互接続されたノード12、13、…、18のネットワークと、それぞれアクセス・ノード12、13へのアクセス接続102、113を有する多くのユーザ端末10、11と、を示している。この例において、ネットワークは光ネットワークであるが、他の送信媒体も可能である。図1に示されている接続は、全て、双方向型である。すなわち、典型的には波長分割多重(WDM)技術を用いて外方向経路および戻り経路間の干渉を避けて、同じファイバーが両方向の送信に用いられる。
【0021】
図4は同様のネットワークを示しているが、アクセス・ノード12、13およびアクセス接続102、113に、本発明に従って変更がなされている。
【0022】
第1に、図4に示されているように、各アクセス接続102、113に、それぞれ受動カプラ20、21が挿入されており、それぞれノード14、18への第2接続104、118の提供が可能になっている。ノード14、18は、対応するカプセル化設備149、189を有している。
【0023】
次に、受動カプラの動作が、図7および図8を参照して説明される。図7は、(例えばユーザ端末の)別個の入出力ポート31、32がカプラ20を用いて双方向ファイバー接続30に接続されている従来の状況を示している。この状況では、出力ポート32によって生成されたデータ・フロー300は、双方向ファイバー30へと移動する。これは、入力ポート31がデータを生成しないので、ファイバー30でこの方向に移動する唯1つのデータである。反対のデータ・フロー301は、双方向ファイバー30から入力ポート31へと移動する。さらに、データ・フロー301は、別の枝に沿って、出力ポート32へと移動する。しかしながら、出力ポート32に検知器が設けられていないので、データ・フロー301は、これ以上移動しない。
【0024】
図8は、本発明において用いられる構成を示している。この配置では、ユーザ端末10は1つの双方向ポート40を有し(または、そのような接続を提供するように、図7に示されているように別のカプラに接続されている)、また、カプラ20は図7に示されているものと反対向きに、ユーザ端末10に接続されている。したがって、2本の双方向枝102、104が存在している。よって、ポート40で生成されたデータ・フロー400は、両方の枝102、104へと移動する。図4に示されているように、こうすることによって、ネットワークへのデータおよびネットワークからのデータを転送するための2重の経路が、図1に示されている従来技術の配置におけるアクセス・ノード12ではなく、ユーザ端末に非常に近いカプラにおいて開始することが可能になる。アクセス接続102、104のうちの1つが中断しても、ユーザがネットワーク12、13、…、18および遠隔ユーザ11と通信することを妨げない。
【0025】
図4に示されているように、カプラ20によってユーザ端末10に接続された2重のアクセス接続102、104は、相違するアクセス・ノード102、104へと向う。アクセス接続102、104は、この実行の一部を行うための物理的なルートを共有してよい。例えば、ユーザのアクセス設備10とノード14間の接続104は、ユーザの地理的に最も近いアクセス・ノード12の地理的な位置を経由して実行され、しかしアクセス・ノード12との動作上の接続は有していない。
【0026】
同様に、アクセス接続113、118がカプラ21から出て、アクセス・ノード13、18を分離する。
【0027】
代替的な配置が、図5に示されている。図5において、2つの接続102、202は、両方ともユーザ・アクセス設備10から出て、カプラ20を経由して同じアクセス・ノード12へと向う。同様に、2つのアクセス・リンク113、213は、両方とも、ユーザ設備11から出て、受動カプラ21を経由して同じアクセス・ノード13へと向う。しかしながら、2重のストリームは、あたかもそれらが相違するアクセス設備から送信されているかのように、アクセス・ノード12、13によって独立して取り扱われる。
【0028】
図6に示されているように、同じシステム内でノードを実際に分離すること、および仮想的に分離することの両方を用いることが可能である。図6においては、ユーザ端末10は、3つの別個のリンク102、104、107によって、3つの別個のノード12、14、17に接続され、他方、ユーザ端末11は、3つの別個のアクセス・リンク113、213、313によって1つのノード13に接続されており、ノード13は3つの別個の仮想アクセス・ノードとして動作する。各リンクにおいてさらなる受動カプラ22、23を設けることによって、この実施形態において複数の冗長性が組み入れられていることが分かるであろう。
【0029】
図4、図5、図6に示されているすべての異形体において、カプセル化設備129、149、179、229が各ソース・ノード12、14、17に設けられている。各カプセル化設備は、それぞれの目的地ノード13、18への送信に向けて各データ・ストリームをカプセル化する。カプセル化は、それぞれの目的地ノード13を特定するアドレス・ヘッダを生成することを含んでいる。カプセル化されたデータ・パケットは、こうして、他のノード(例えば17、15)のうちの幾つかから構成されるルート上でローカル・ノード12、18間または14、13間で送信されることが可能になる。これらの中間ノードは、ヘッダ内で運ばれている目的地ノードのアドレスに従ってパケットを導く。目的地ノード13、18に到着すると、対応する非カプセル化設備139、189、239、339が設けられていて受信されたあらゆるストリームからアドレス・データを削除し、次いで、パケットがアクセス・ポイント11へ転送される。
【0030】
図4、図5、図6に示されているすべての異形体において、アクセス・リンク102、104、107、202または113、118、213、313上で送信されている各データ・ストリームはカプセル化されていない。ネットワーク内の各ストリームには、アクセス・ノード12、13、14、17、18で唯1つのカプセル化(129、149、179、229、139、189、239、339)が提供されて唯1つのルーティングを提供するとともにループが形成されることを防止する。
【0031】
次に、データの取り扱いが、主として図4を参照して詳しく説明される。しかしながら、違いが説明される点以外については、用いられている原理が他の構成、とりわけ図5および図6のものに適用可能であることが理解されるであろう。
【0032】
宛先であるノード12、14に到着したデータ・ストリームは、データを非カプセル化し(129、149)、これを関連するアクセス設備10へ転送する。図8から、端末10の双方向入力ポート40が、2つの別個のデータ・ストリーム401、402を各々を各枝102、104から受け取ることに留意されたい。このデータは、既に非カプセル化されているので、2つのデータ・ストリーム401、402は、あらゆる失われたパケットまたは誤りを含んだパケットと、およびバッファ処理、経路長差等に起因する実効的な経路長差に起因する位相差とを除いて同一であるはずである。
【0033】
この位相差は2つの到来するビットストリーム401、402の干渉を生じさせる。受動カプラを従来のように使用することによっては、同じ問題は生じない。図7を参照すると、入力ポート31が、出力ポート32によって生成されたデータ300に干渉する何らのデータも生成しないからである。さらに、1つのポート30によって生成されたデータが1対のポート31、32の両方に到着するが、出力ポートは、検知器を装備しておらず、このためそこに到着するデータ・ストリーム301に応答しない。
【0034】
2つのビットストリーム401、402の間で生じる干渉を克服するために、さらなる制御機能が導入されて、各アクセス・ノード12、14からユーザ・アクセス端末10へのデータの転送を担う2重の経路102、104の1つを選択する。選択されていない経路104はアクセス・ノード14において阻止される。
【0035】
図において示されているように、制御機能は独立のネットワーク制御システム19によって管理されることが可能である。または、制御機能19が第1ノード12において実施され、関連する1つ以上のノード14の動作を制御して、ノードがグループで動作してもよい。図5に示されているように、ノード13が仮想ノード139、239のグループとして動作する場合、制御機能は、ノード13によって自律的に管理されることが可能である。制御機能の動作は各場合において類似しており、次に図4の構成におけるアクセス・ノード12、14を参照して詳しく説明されるように図9のフローチャートにおいて例示されている。
【0036】
所与のユーザ・アクセス端末10に関連するアクセス・ノード12、14はすべて、ユーザ端末10からデータ・パケットの同一のストリームを受け取るはずである。後述のように、この経路が監視されて経路が機能しているかどうかを検出する(52)。各アクセス・ノード12、14は、それぞれのリンク102、104上で受信したパケットをカプセル化し、それらを目的地ユーザ端末11への送信に向けてネットワークへ転送する。ネットワークはこれらのストリームが異なっていることを知得しているので、これらのカプセル化は相違するとともに相互に区別可能になっている。それらは、一般に、目標アクセス・ノード13、18へと(それぞれ、図4内のノード15、18を介して)相違するルートを取る。それらのルーティングが何らかの中間ノードで重なったとしても、このことは、それらが異なってカプセル化されていることによって中間ノードに対してトランスペアレントになっている。
【0037】
アクセス・ノード12に到着したデータは、目標ユーザ端末10を識別するために非カプセル化される。次いで、データは、次に説明されるように制御機能19から受け取られた指示に従って目標ユーザ端末10へと転送されるか、廃棄される。
【0038】
最初に、経路102、104のうちの1つが、受信データ・パケットをユーザ端末10に送信するために選択される(50)。この選択は無作為であってもよいし、またはそれぞれのアクセス・ノード12、14内の利用可能な容量のような基準に拠っていてもよい。選択は時間に応じて変化し、周期的に変化するか、アクセス・ノード12、14またはネットワーク内のどこかでの容量に対する要求の変化に応じて変化するか、後述のように遠隔端11、113、118でのリンク障害に応じて変化し得る。
【0039】
命令51が、選択されたアクセス・ノード12に送信されて、ユーザ端末10宛てのあらゆるデータ・パケットを転送する。選択されていないあらゆるアクセス・ノード14は遮断されて、パケットがユーザ設備10へと転送されるのを防止する。これによって、ユーザ設備10での干渉が回避される。制御フレームおよびアイドル・フレームも阻止されるべきであることに留意されるできである。それらも、良好な信号と干渉し得るからである。
【0040】
上記のように、リンク102、104上でユーザ設備10から到来する信号は、監視されている(52)。信号が各リンク上で検知されると、何らの行動も取られない(53)。信号の損失が確認される(54)と、警報が鳴らされて障害を技術保全スタッフに通知する。
【0041】
障害のある経路102が特定される(57)。さらなる障害の発生(57)またはその他(50)に応じて、指示58が生成されて、選択プロセス50を制御して、障害が復旧するまで障害のある経路102が選択されるのを防止する。障害のある経路102に関連するノード12も、ユーザ10への送信を試みるのを止めるように命じられる。その結果、障害が断続的な場合に、障害のあるリンク102上でトラフィックの再開によって干渉は生じない。
【0042】
同様の命令59が生成されて、遠隔端でのユーザ端末11に関連するノード13、18についての選択プロセス50を、障害のある経路102、118と関連するノード18が障害が復旧するまで選択されることが不能となるように、修正する。これによって、ユーザ11が障害のない経路104、113上でユーザ10から受け取り続けることが保証される。
【0043】
次に、選択プロセス50が繰り返される。現在選択されているアクセス・ノード12が仕えている経路102上に障害がある場合、コントロールシステム19は送信に向けて別のリンク104を選択し(57)、それぞれのアクセス・ノード14に適切に命令を出す(ステップ51が繰り返される)。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の装置を示している。
【図2】先行技術の構成を示している。
【図3】先行技術の構成を示している。
【図4】本発明を包含している装置を示している。
【図5】本発明を包含している装置の代替的な構成を示している。
【図6】本発明を包含している装置の別の構成を示している。
【図7】通常の使用の際の受動光カプラ内のデータ・フローを示している。
【図8】本発明に従って用いられる受動光カプラ内のデータ・フローを示しており、干渉状態を示している。
【図9】そのような干渉を回避するためのアクセス・ノード制御を実証する論理的なフローチャートを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ・アクセス・ポイントと複数のノードを具備するイーサネット(登録商標)・ネットワークの一部を形成するアクセス・ノードとの間のアクセスを提供するためのアクセス接続であって、
前記アクセス接続が、1つ以上の受動カプラを具備することと、
前記1つ以上の受動カプラによって、前記ユーザ・アクセス・ポイントが、各アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントと1つ以上の前記アクセス・ノードとの間でデータが交換されることが可能なように複数のアクセス接続を提供されていることと、
前記アクセス接続のうちの1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータを前記ユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードを制御するための手段と、
によって特徴付けられているアクセス接続。
【請求項2】
前記アクセス・ノードが、前記アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントから受け取られたトラフィックを検出するとともにそのようなトラフィックが前記アクセス・ノードのうちの1つにおいて検出されない場合に前記アクセス・ポイントへのデータ送信に向けて異なるアクセス接続が選択されるようにするための手段を具備する、請求項1のアクセス接続。
【請求項3】
そのようなトラフィックの不在を検出した場合に障害警報を生成する手段をさらに具備する、請求項2のアクセス接続。
【請求項4】
前記アクセス・ノードが、
このアクセス・ノードに前記ユーザ・アクセス・ポイントから送信されたデータが別個にカプセル化されたものを、前記ネットワーク上での送信に向けて、生成するための手段と、
前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを、前記ユーザ・アクセス・ポイントへの送信に向けて、非カプセル化するための手段と、
を具備する、請求項1、または2、または3のアクセス接続。
【請求項5】
前記ユーザ・アクセス・ポイントとアクセス・ノードとの間の接続が光接続であり、前記カプラは受動光カプラである、いずれかの先行する請求項のアクセス接続。
【請求項6】
前記アクセス接続が相違するノードに接続している、いずれかの先行する請求項のアクセス接続。
【請求項7】
アクセス接続上でユーザ・アクセス・ポイントからデータ・パケットを受け取るための手段と、前記パケットをネットワーク内の別のノードへ転送するための手段と、前記ネットワーク内の別のノードからデータ・パケットを受け取るための手段と、前記アクセス接続上でユーザ・アクセス・ポイントに前記パケットを転送するための手段と、を具備するイーサネット(登録商標)・ネットワーク用のアクセス・ノードであって、
前記アクセス接続上で受け取られるトラフィックを検出するための手段と、
同じユーザ・アクセス・ポイントへの複数のそのような接続に関する前記検出されたトラフィック情報を比較するための手段と、
前記情報に従って前記アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントにパケットを送信することを選択的に一時停止するための手段と、
によって特徴付けられている、アクセス・ノード。
【請求項8】
検出されたトラフィックに関する情報を同じユーザ・アクセス・ポイントへのアクセス接続を有する1つ以上の別のアクセス・ノードと交換するための手段を具備する、請求項7のアクセス・ノード。
【請求項9】
前記情報の交換がネットワーク制御システムによって調停される、請求項8のアクセス・ノード。
【請求項10】
前記ユーザ・アクセス・ポイントから送信されたデータが別個にカプセル化されたものを、前記ネットワーク上での送信に向けて、生成するための手段と、
前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを、前記ユーザ・アクセス・ポイントへの送信に向けて、非カプセル化するための手段と、
を具備する、請求項8または9のアクセス・ノード。
【請求項11】
それぞれのユーザ・アクセス・ポイントへのアクセス接続によって接続された複数の相互接続されたアクセス・ノードを具備するイーサネット(登録商標)・ネットワークであって、
各アクセス・ノードは、前記ネットワーク上での送信に向けてそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントから前記アクセス・ノードに送信されたデータを受け取るための手段と、前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ユーザ・アクセス・ポイントが前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを送信するための手段と、を具備し、
前記システムは、
相違するアクセス接続を用いる複数のルートによって前記ユーザ・アクセス・ポイントと前記ネットワークとの間でデータが交換されることが可能なように、少なくとも1つのユーザ・アクセス・ポイントが受動カプラを介して複数のアクセス接続によって1つ以上のアクセス・ノードに接続されていることと、
前記アクセス接続の1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータをそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードを制御するための手段と、
によって特徴付けられているイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項12】
前記アクセス・ノードが、前記ユーザ・アクセス・ポイントから受け取られたトラフィックを検出するとともにそのようなトラフィックが前記アクセス接続のうちの1つにおいて検出されない場合に前記アクセス・ポイントへのデータ送信に向けて異なるアクセス接続が選択されるようにするための手段を具備する、請求項11のイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項13】
そのようなトラフィックの不在を検出した場合に障害警報を生成する手段をさらに具備する、請求項12のイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項14】
前記接続の障害を示す、アクセス接続上のトラフィックがアクセス・ノードにおいて検出されない際に、ネットワーク経路の遠隔端を形成する目的地ユーザ・アクセス・ポイントへのアクセス接続を有する遠隔アクセス・ノードと、前記遠隔アクセス接続がそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントへのデータ送信に向けて選択されないように配置されたデータが交換され、これによって前記障害のある経路の一部を形成しない別のアクセス接続上で前記遠隔ユーザ・アクセス・ポイントにデータが送信されるようにする、請求項11、または12、または13のイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項15】
前記情報の交換がネットワーク制御システムによって調停される、請求項14のイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項16】
各アクセス・ノードが、
関連するユーザ・アクセス・ポイントから前記アクセス・ノードに送信されたデータが別個にカプセル化されたものを、前記ネットワーク上での送信に向けて、生成するための手段と、
前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを、前記ユーザ・アクセス・ポイントへの送信に向けて、非カプセル化するための手段と、
を具備する、請求項11、または12、または13、または14、または15のイーサネット(登録商標)・ネットワーク。
【請求項17】
ユーザ・アクセス・ポイントにアクセス接続によって接続されたそれぞれアクセス・ノードを介して前記ユーザ・アクセス・ポイントにおよび前記ユーザ・アクセス・ポイントからデータが送信されるようにイーサネット(登録商標)・ネットワークを動作させるための方法であって、
相違するアクセス接続を用いる複数のルートによって前記ユーザ・アクセス・ポイントと前記ネットワークとの間でデータが交換されることが可能なように、ユーザ・アクセス・ポイントが受動カプラを介して複数のアクセス接続に接続されていることと、
前記アクセス接続のうちの1つのみが前記ネットワークから受け取られたデータをそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントに送信するように前記アクセス・ノードが制御される、
ことによって特徴付けられている方法。
【請求項18】
前記選択されたユーザ・アクセス接続上で前記ユーザ・アクセス・ポイントから受け取られたトラフィックが不在の際、異なるアクセス接続が前記アクセス・ポイントへのデータ送信に向けて選択される、請求項17の方法。
【請求項19】
そのようなトラフィックの不在を検出した場合に障害警報が生成される、請求項18の方法。
【請求項20】
前記接続の障害を示す、アクセス接続上のトラフィックがアクセス・ノードにおいて検出されない際に、ネットワーク経路の遠隔端を形成する目的地ユーザ・アクセス・ポイントへのアクセス接続を有する遠隔アクセス・ノードと、前記遠隔アクセス接続がそれぞれのユーザ・アクセス・ポイントへのデータ送信に向けて選択されないように配置されたデータが交換され、これによって前記障害のある経路の一部を形成しない別のアクセス接続上で前記遠隔ユーザ・アクセス・ポイントにデータが送信されるようにする、請求項17、または18、または19の方法。
【請求項21】
前記情報の交換はネットワーク制御システムによって調停される、請求項20の方法。
【請求項22】
各アクセス・ノードが、
対応するするユーザ・アクセス・ポイントから前記アクセス・ノードに送信されたデータが別個にカプセル化されたものを、前記ネットワーク上での送信に向けて、生成し、
前記ユーザ・アクセス・ポイント宛の前記ネットワーク内のどこかから受信したデータを、前記対応するユーザ・アクセス・ポイントへの送信に向けて、非カプセル化する、
請求項17、または18、または19、または20、または21の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−524962(P2009−524962A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551852(P2008−551852)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000077
【国際公開番号】WO2007/085794
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】