説明

交換可能なアウトソール部材を含む靴

【課題】取り外し可能で交換可能なアウトソール部材を含む靴を提供する。
【解決手段】取り外し可能で交換可能なアウトソール部材104を含む靴100はアウトソール部材104を、ミッドソール部材108および/または上部部材106に様々な異なる方法で取り付けることができる。使用時には、着用者は、例えば、競技表面のタイプ、温度、および/またはその他の条件に応じて、一定時間における使用に対して特定の1組のアウトソール部材104を選択することができる。着用したアウトソール部材104は、靴の残りの部分も交換する際に伴う経費無しに交換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明の各局面は、概して、取外し可能で交換可能なアウトソール部材、これらのアウトソール部材を含む靴製品および靴システム、ならびにこのような靴製品を使用する方法に関する。このような製品および方法は、従来の靴のアウトソールを急速に劣化させる傾向のある過酷な使用状況にさらされる運動靴またはその他の靴製品に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
背景
テニスは、たとえば、芝生、粘土、ハードコート、コンクリート、アスファルト、OmniCourt(商標)、または他の合成表面などを含む様々なコート表面上で行われる。これらの表面のいくつか、特にハードコート、コンクリート、およびアスファルトは、靴、特に靴のアウトソール構造および定期的に地面に接触する他の任意の部分に対して非常に激しく当たることがある。一例として、ハードコート表面上で使用したときの、大学生の競技レベルでの、テニスシューズアウトソールの平均寿命は、約40時間である。したがって、プロフェッショナル、大学生、または高校生の選手のような高利用度プレーヤーは通常、約1か月に一度または場合によってはそれより頻繁に靴を交換する必要がある。
【0003】
テニスは、少なくとも一部のプレーヤー、特により暖かい気候におけるプレーヤーおよび/または暖房施設または屋内施設を利用できるプレーヤーにとっては年中活動であるので、高利用度プレーヤーは、1年の間頻繁に新しい靴を購入することが必要になることがある。多量のテニス靴に伴う比較的高いコスト(たとえば、多くの例では1足当たり100ドルを超える)を考慮すると、この頻度での靴交換コストは、かなりの額であり重い負担になる。一方、過度に摩耗した靴を使用するプレーヤーは、使用時のスリップ、滑り、および靴の故障によって負傷する危険が増大する。新しい靴を着用することも、まめ、不適切な履き心地などによる負傷の危険を伴う。さらに、摩耗した靴または「まだ一度も履いていない」靴は、少なくともいくつかの例では、ユーザの成績に悪影響を与え、場合によってはポイント、ゲーム、セットなどを失うことにつながる。
【0004】
靴にとって過酷な運動またはレクリエーション活動は、テニスだけではない。たとえば、スケートボード、自転車競技(たとえば、ランプ・ジャンピング、スーパーBMX、フリースタイル、スーパークロス、モータークロスなど)、バスケットボール(特にストリート・バスケットボール)、バレーボールなどに使用される靴は、特に高利用度の場合、非常に早く摩耗することがある。活発な子供および若者はまた、靴を極めて過酷に使用することがあり、靴のアウトソールを非常に早く摩耗させることがある。このようなタイプの活動でまたはこのようなユーザによって使用される靴を頻繁に交換するとかなりのコストがかかることがある。
【0005】
いくつかの例では、靴は、様々な使用条件にさらされる可能性もある。テニスの例に戻ると、プレーヤーのテニスシューズ・アウトソールは通常、競技者とコート表面との間の唯一の直接的な界面である。上述のような様々な考えられる表面タイプだけでなく、コート表面は、様々な条件にさらされることもあり、競技は様々な条件の下で行われる可能性がある。たとえば、いくつかの例では、コートがその地域の気候、湿度、地面の状態などに応じて湿っていることがある。他の例として、周囲温度、日光または風の存在、コート表面などに応じて、競技または練習中のコート表面温度は、50°Fまたは場合によってはそれより低い温度から120°Fまたは場合によってはそれより高い温度まで広く変動することがある。この多数の条件の下では、単一のアウトソール材料、設計、および/または構成が適切または最適でない場合がある。様々な考えられる条件の下での活動に対処しそれを最適化するために多数の靴を購入し、保存し、イベントに運ぶと、特に能力が高く競争の激しいプレーヤーの場合、少なくともある種の運動またはレクリエーション活動に伴う経費および負担がさらに増加する。
【0006】
他の運動イベントも、それぞれの異なる競技条件および/またはそれぞれの異なる表面条件を含む様々な異なる条件の下で行われる。たとえば、陸上競技は、様々な異なるトラックまたはその他のフィールド表面で行われることがあり、および/または陸上競技は様々な天候条件(たとえば、高温、低温、湿潤、乾燥など)の下で行われることがある。上部およびアウトソールを含む一足の靴はどれも、この広範囲の考えられる陸上条件の下で使用するのに必ずしも最良または最適ではない。
【0007】
したがって、当技術分野では、靴、特に高利用度および/または高摩耗条件の下で使用される靴に伴うコストを削減することのできる靴製品、靴システム、および方法が必要である。少なくともいくつかの例では、そのような製品、システム、および方法がさらに、任意で様々な用途、地面、天候、および/またはその他の条件を考慮して、ユーザの成績を最適化するのを助けることができれば有利である。
【発明の概要】
【0008】
概要
本発明の各局面は、取外し可能で交換可能なアウトソール部材、このようなアウトソール部材を含む靴製品、および/または靴システム、ならびにこのような靴製品およびシステムの使用方法に関する。本発明の少なくともいくつかの例による靴製品は、(a)密閉システムを含む上部部材と、(b)上部部材に固定的に係合され、外面の少なくとも大部分が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていないミッドソール部材と、(c)ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり(たとえば、ミッドソール上に伸ばされる)、地面に直接接触する活動での使用向けに設計された(たとえば、運動イベントまたはその他の活動向けに設計された)アウトソール部材と、を含んでよい。アウトソール部材は、ミッドソール部材の主外面上に設けられた対応する係合部材に係合する係合部材をその内側主面にさらに含んでよい。また、アウトソール部材は、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域をさらに含んでよく、上部含有領域はまた、密閉システムを少なくとも部分的に覆う。必要に応じて、アウトソール部材の外側主面に1つまたは複数の他のアウトソール要素を取り付け、従来摩耗または地面との接触が激しい領域におけるアウトソール部材の外側主面の耐摩耗性をさらに向上させるかまたはアウトソール部材の外側主面のトレッド(tread)特性を変化させることができる。
【0009】
本発明の他の例による靴製品は、(a)密閉システムを含む上部部材と、(b)上部部材に固定的に係合され、外側主面が、そこに形成された少なくとも第1の溝要素を含むミッドソール部材と、(c)ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、内側主面が、ミッドソール部材に形成された第1の溝要素に係合する少なくとも第1の隆起したリブ要素を含み、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域をさらに含み、上部含有領域が、密閉システムを少なくとも部分的に覆う、アウトソール部材と、を含んでよい。必要に応じて、ミッドソール部材の主外面は、アウトソール部材の主内面に設けられた複数の隆起したリブに係合するそれぞれの異なる方向(たとえば、実質的に長手方向および/または実質的に横方向)に延びる複数の溝を含んでよい。
【0010】
本発明の他の局面は、靴システムに関する。少なくとも1つの例では、靴システムは、一対の靴または靴ベース(たとえば、上述のような上部部材およびミッドソールであって、任意で、ミッドソールの外面の少なくとも大部分は、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていない)ならびに複数対の取り外し可能なアウトソール部材、またはたとえば上述のような他の取り外し可能なアウトソール部材を得るための手段を含んでよい。取り外し可能なアウトソール部材は、靴ベースに対して自由に着脱することができ、特定の用途向けに選択される個々のアウトソール部材は、フィールドまたは地面の成分または条件、ユーザの好み、天候、または他の条件のような様々な因子に応じて決めることができる。必要に応じて、一対のアウトソール部材をある種の地面(たとえば、ハードコートのテニスコート表面)上での使用または1組の競技条件(たとえば、湿潤条件または低温条件)の下での使用向けに設計することができ、一方、他の対を異なるタイプの地面(たとえば、クレーコート表面、芝生広場表面など)上での使用または異なる競技条件(たとえば、乾燥条件または高温条件)の下での使用向けに設計することができる。または、必要に応じて、ある対が摩耗したときにそれを他の対と交換できるように、少なくともいくつかのアウトソール部材を同じに設計することができる。
【0011】
他の例として、ユーザは、様々な特性を有する複数の「ベース・シューズ」または上部およびミッドソール部材、たとえば、最軽量ベース・シューズ、より支持力の強いベース・シューズ、より通気性の高いベース・シューズ、より耐摩耗性の高いベース・シューズなどを有してよい。複数の上部部材は、任意で様々な特性を有する複数のアウトソール部材と一緒に、たとえば、様々な使用および/または周囲条件の下での使用向けの製品、競技の見た目を変えるための製品など、広範囲の一群の靴製品を構成することができる。
【0012】
本発明の他の局面は、上述の靴システムを含む靴システムを使用する方法に関する。一例として、本発明による方法は、(a)イベントが実施される表面のタイプまたは競技条件を決定する段階;(b)少なくとも部分的に、表面のタイプまたは競技条件に基づいて一対のアウトソール部材を選択する段階;および(c)一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材に取り外し可能に取り付ける段階、を含んでよい。本発明の各局面による方法は、以下の他の段階、すなわち、一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を含む一対の靴を着用してイベントを実施する段階;イベントが実施される位置での少なくとも1つの他の条件を判定し、判定された他の条件を、アウトソール部材を選択する段階において考慮に入れることもできる段階;すでに選択されている一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材から取り外す段階;および新しい一対のアウトソール部材を靴ベース部材に取り外し可能に取り付ける段階、のうちの1つまたは複数をさらに含んでよい。
【0013】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を、本発明の例を示す添付の図面に関連して検討したときにより容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】靴ベース部材および取り外し可能なアウトソール部材を含む、本発明による靴システムの例を示す。
【図2】本発明による構造および方法の例で有用なアウトソール部材の例を示す。
【図3】本発明による構造および方法の例で有用なアウトソール部材の例を示す。
【図4】本発明による構造および方法の例で有用なアウトソール部材の例を示す。
【図5A】図5Aは、本発明の例による例示的なアウトソール取り外しおよび/または取り付け手順を示す。
【図5B】図5Bは、本発明の例による例示的なアウトソール取り外しおよび/または取り付け手順を示す。
【図5C】図5Cは、本発明の例による例示的なアウトソール取り外しおよび/または取り付け手順を示す。
【図5D】図5Dは、本発明の例による例示的なアウトソール取り外しおよび/または取り付け手順を示す。
【図6】本発明による例示的な靴システムの最終用途を示す。
【図7A】図7A〜7Dは、本発明による例示的なアウトソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図を示す。
【図7B】図7A〜7Dは、本発明による例示的なアウトソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図を示す。
【図7C】図7A〜7Dは、本発明による例示的なアウトソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図を示す。
【図7D】図7A〜7Dは、本発明による例示的なアウトソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図を示す。
【図7E】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図7F】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図7G】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図7H】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図7I】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図7J】図7E〜7Jは、図7Bのそれぞれ線7E-7E、7F-7F、7G-7G、7H-7H、7I-7I、および7J-7Jに沿ったアウトソール部材の断面図を示す。
【図8A】図8A〜8Dは、本発明による例示的なミッドソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図である。
【図8B】図8A〜8Dは、本発明による例示的なミッドソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図である。
【図8C】図8A〜8Dは、本発明による例示的なミッドソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図である
【図8D】図8A〜8Dは、本発明による例示的なミッドソール部材のそれぞれ上面図、底面図、側面図、および内側面図である。
【図8E】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図8F】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図8G】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図8H】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図8I】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図8J】図8E〜8Jは、図8Bのそれぞれ線8E-8E、8F-8F、8G-8G、8H-8H、8I-8I、および8J-8Jに沿ったミッドソール部材の断面図を示す。
【図9】本発明の各局面による他の例示的な取り外し可能なアウトソール部材の側面図を示す。
【図10】図10Aおよび10Bは、本発明のいくつかの例示的な局面によって使用することのできる例示的なトウ・キャップ部材を示す。
【図11】本発明のいくつかの例示的な局面によるトウ・バンパー要素を含む他の例示的な取り外し可能なアウトソール部材の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
本発明による構造および方法の様々な特定の例を、添付の図面に関連して以下に詳しく説明する。読者の助けとして、本明細書は以下のように様々な節に分かれている:用語;発明の各局面の概略的な説明;発明の具体的な例;および結論。
【0016】
A. 用語
以下の用語が本明細書で使用され、他の方法で明示されるかまたは文脈から明らかでなければ、これらの用語は以下に示す意味を有する。
【0017】
「靴」は、足に着用する任意のタイプの製品を意味し、この語は、すべてのタイプの靴、ブーツ、スニーカー、サンダル、ゴムぞうり、ビーチサンダル、室内ばき、スカフ、スリッパ、運動固有の靴(ゴルフ・シューズ、スキー・ブーツなど)などを含むがそれらに限定されない。
【0018】
「地面」または「表面」は、たとえば運動イベント、練習、またはその他の活動の実施時に、ユーザの足が接触し、および/またはユーザの足が接触することになる、屋内または屋外の任意の表面を意味する。
【0019】
「活動での使用」または「運動での使用」は、たとえば運動イベント、練習、またはその他の活動の実施時における、靴製品の予定された方法および靴製品の予定された環境での靴製品の使用を意味する。
【0020】
B. 発明の各局面の概略的な説明
概して、本発明の各局面は、たとえば、摩耗したときや、競技がそれぞれの異なる地面(たとえば、芝生、粘土、コンクリート、ハードコート表面、アスファルト表面など)上で行われるときや、カスタマイズを目的とするときなどに、取り外して交換することのできる取り外し可能なアウトソール部材を含む靴製品に関する。少なくともいくつかの例では、本発明の各局面による靴製品は、(a)密閉システムを含む上部部材と、(b)上部部材に固定的に係合され、外側主面が任意で第1の係合要素を含み、任意で、外側主面の少なくとも大部分が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていない、ミッドソール部材と、(c)地面に直接接触する活動での使用向けに設計され、ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能である(たとえば、ミッドソール部材の外側主面の、少なくとも、活動での使用時に地面に直接接触するように設計されていない部分上に伸ばされる)アウトソール部材と、を含んでよい。アウトソール部材は、少なくともいくつかの例では、本発明の他の局面による他の様々な特徴を含んでよい。たとえば、アウトソール部材の内側主面は、ミッドソール部材の第1の係合要素に係合する第2の係合要素を含んでよい。それに加えて、またはその代わりに、アウトソール部材は、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域を含んでよく、任意で、上部含有領域はまた、密閉システムを少なくとも部分的に覆う。必要に応じて、アウトソール部材の外側主面に1つまたは複数の他の要素を取り付け、従来摩耗または地面との接触が激しい領域におけるアウトソール部材の耐摩耗性をさらに向上させ、および/またはアウトソール部材のトレッド特性を変化させることができる。
【0021】
本発明の少なくともいくつかの例は、(a)密閉システムを含む上部部材と、(b)上部部材に固定的に係合され、外側主面が、そこに形成された少なくとも第1の溝要素を含む、ミッドソール部材と、(c)ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、内側主面が、ミッドソール部材に形成された第1の溝要素に係合する少なくとも第1の隆起したリブ要素を含み、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域をさらに含み、上部含有領域が、密閉システムを少なくとも部分的に覆う、アウトソール部材と、を含んでよい。必要に応じて、ミッドソール部材の主外面は、アウトソール部材の主内面に設けられた複数の隆起したリブに係合するそれぞれの異なる方向(たとえば、実質的に長手方向および/または実質的に横方向)に延びる複数の溝を含んでよい。
【0022】
本発明の少なくともいくつかの例では、アウトソール部材およびミッドソール部材部材または上部部材の少なくとも一方は、各靴の残りの部分に固定するのを助ける取り付け要素を含んでよい。このような取り付け要素は、踵領域内の位置、横側面または内側側面に沿った位置、爪先領域内の位置のような、靴の任意の適切な位置または所望の位置に配置することができる。これらの取り付け要素の1つまたは複数あるいはそれらの組合せは、アウトソール部材が靴の残りの部分上に適切に配置されたときに視覚インジケータ、聴覚インジケータなどの表示を形成することができる。
【0023】
上記のように、少なくともいくつかの例では、アウトソール部材の上部含有領域は、上部部材および密閉部材上を延びて上部部材および密閉部材を部分的に含む。この上部含有領域は、たとえば運動イベントまたは練習での使用時に、移動し、湾曲し、および/または上部含有領域に含まれる上部部材部の位置または形状の変化にその他の方法で対処するように、可撓性の材料で構成することができる。さらに、本発明の少なくともいくつかの例では、上部部材は、たとえば、上部部材の密閉システムを使用して、上部含有領域に実際に取り付けることができる。
【0024】
使用時には、特に運動での使用時または活動での使用時には、アウトソール部材は一般に、たとえば、滑りを解消するために、ミッドソール部材および/または上部部材に対して所定の位置に固定しなければならない。上述の(および以下に詳しく説明する)取り付け要素および係合要素は、この処置の助けになる。本発明では、ミッドソール部材およびアウトソール部材の相対的な位置を維持する様々な方法を使用することができる。たとえば、ミッドソール部材の主外面は、アウトソール部材の主内面上の1つまたは複数の対応する隆起したリブ(たとえば、細長いリブ)に係合し、2つの部材を互いに固定するのを助け、2つの部材が互いに対して移動するのを防止するのを助ける1つまたは複数の溝(たとえば、細長い溝)を含んでよい(ミッドソール部材の主外面にリブを設け、アウトソール部材の主内面に溝を設けてもよい)。必要に応じて、ミッドソール部材およびアウトソール部材はそれぞれ、本発明から逸脱せずに他の部材の補要素に係合する溝および/または隆起したリブの組合せを含んでよい。
【0025】
アウトソール部材をミッドソール部材および/または上部部材に保持するのを助ける、さらなるまたは他の手段として、本発明の少なくともいくつかの例では、ミッドソール部材の外側主面およびアウトソール部材の内側主面の少なくとも一方を、これらの表面間の摩擦係数を増加させるように構成または処理することができる。たとえば、これらの表面の少なくとも一方を、表面間に最小摩擦しきい値係数をもたらす材料で構成することができる。他の手段として、1つまたは複数の表面を滑らかにするかまたは粗にして摩擦係数を増加させることができる。他の例として、1つまたは複数の表面を表面間の摩擦係数を大きくし、および/または表面同士を取り外し可能に保持する組成物(接着剤など)で処理することができる。本発明から逸脱せずに他の摩擦係数増大処理または材料を使用することができる。
【0026】
これらの表面(すなわち、アウトソールおよびミッドソールの主面)間の摩擦係数は、最小値でも、少なくともいくつかの例では、アウトソール表面とそれが通常使用される地面との間の摩擦係数よりも大きい。望ましくは、少なくともいくつかの例では、アウトソール部材は、ミッドソール部材に対して実質的に移動するかまたは滑る前に地面に対して移動するかまたは滑る。
【0027】
本発明の他の局面は、靴システムに関する。このような靴システムの少なくとも1つの例は、一対の靴ベース(たとえば、上述のように互いに固定的に係合された上部部材とミッドソール)と、たとえば上述のような複数対の取り外し可能なアウトソール部材とを含む。取り外し可能なアウトソール部材は、ユーザの好み、天候条件、地面条件、湿度条件のような様々な要因に応じて靴ベースに対して自由に着脱することができる。必要に応じて、一対のアウトソール部材をある種の地面(たとえば、ハードコートのテニスコート表面)上での使用および/または1組の条件(たとえば、湿潤条件または低温条件)の下での使用向けに設計することができ、一方、他の対を異なるタイプの地面(たとえば、クレーコート表面、芝生広場表面など)上での使用および/または異なる1組の条件(たとえば、乾燥条件または高温条件)の下での使用向けに設計することができる。または、必要に応じて、たとえば、第1対のアウトソール部材が摩耗するかまたは他の点で使用できなくなったときに、第2対のアウトソール部材を使用して第1対と置き換えるように、同じタイプの地面上での使用向けに複数対のアウトソール部材を設計することができる。望ましい場合、2組以上のアウトソール対がシステムに含まれてもよい。
【0028】
本発明の各局面による他の例示的な靴システムは、一対の靴ベース(たとえば、上述のように互いに固定的に係合された上部部材とミッドソール)と、たとえば上述のような複数対の取り外し可能なアウトソール部材とを含む。本発明のこの局面による靴システムは、複数対のアウトソール部材を設けるのではなく(またはそれに加えて)、他の一対のアウトソール部材を得て最初の一対のアウトソール部材と置き換える手段を含む。任意で、他の一対のアウトソール部材を、本発明から逸脱せずに、特に、同じタイプの地面上での使用、他のタイプの地面上での使用、同じ使用条件の下での使用、異なる使用条件の下での使用など向けに構成することができる。
【0029】
本発明の少なくともいくつかの例では他の一対のアウトソール部材を得る様々な手段を使用することができる。たとえば、この「手段」は、たとえば、郵送システム、コンピュータ・ネットワーク(インターネットなど)、ポイント・オブ・セール・ロケーション(たとえば、小売店など)などを利用して、無料または割引価格の一対のアウトソール部材と交換可能なクーポンを含んでよい。他の例として、他の一対のアウトソール部材を得る手段は、コンピュータ・ネットワークを通じて入力することができ、たとえば、ユーザの家庭、小売位置などへの郵送などによって無料または割引価格の一対のアウトソール部材をユーザに発送させるコードまたはその他の情報を含んでよい。本発明から逸脱せずに、他の一対のアウトソール部材を与える他のシステムおよび方法を使用することができる。
【0030】
本発明の他の局面は、上述の靴システムを含む靴システムを使用する方法に関する。より具体的な例として、本発明による方法は、(a)イベントが実施される表面のタイプまたは競技条件を決定する段階;(b)少なくとも部分的に、表面のタイプまたは競技条件に基づいて一対のアウトソール部材を選択する段階;および(c)一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材に取り外し可能に取り付ける段階、を含んでよい。本発明の各局面による方法は、一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を含む一対の靴を着用してイベントを実施する段階をさらに含んでよい。
【0031】
本発明の例による方法は、イベントが実施される位置での少なくとも1つの他の条件を判定し、追加的に判定されたこの条件をアウトソール部材を選択する段階において考慮に入れる段階をさらに含んでよい。どのアウトソール部材を選択するかを決定する際には、周辺気温、表面温度、予想されるイベント実施中の高い周辺気温、予想されるイベント実施中の低い周辺気温、予想されるイベント実施中の高い表面温度、予想されるイベント実施中の低い表面温度、周囲湿度、降水の有無、予想される降水の有無のような、任意の適切なまたは所望の条件を考慮することができる。必要に応じて、靴システムは、1つまたは複数の地面タイプおよび/または条件を入力することのできる、「参照」テーブル、可動スライド・ルールまたはホイール、コンピュータ・プログラムのような、ユーザ、小売業者に利用可能な選択補助手段と共に販売することができ、この選択補助手段は、入力パラメータに基づいて推奨されるアウトソール部材設計または構成を示す。
【0032】
イベントの実施中、または運動イベントのような2つの独立したイベントの間、靴システムのユーザは、すでにまたは最初に選択された一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材から取り外し、一対の靴ベース部材に新しい一対のアウトソール部材を取り外し可能に取り付け、新しい一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を着用して活動を再開する(新しいイベントの実施を開始することを含む)ことができる。任意で、少なくともいくつかの例では、新しいタイプの競技表面、変化する条件、ユーザの選択、既存のアウトソール部材の過度の摩耗または故障などに対処するようにアウトソール部材対を変更することができる。
【0033】
本発明の少なくともいくつかの例は、特にテニスをする際に使用される靴に関する例であってよく、少なくとも部分的に、テニスコート表面のタイプによって、選択されるアウトソール部材のタイプを決定することができる。たとえば、プレーヤーは、ハードコート表面、クレーコート表面、芝生広場表面、アスファルト表面、コンクリート表面などの上でそれぞれの異なるアウトソール部材を使用することができる。特定の試合に使用されるアウトソール部材を選択する際に、上述のような周囲および/または地域の他の条件を使用することもできる。もちろん、様々な用途、使用条件、表面などに適した上部部材、靴ベース部材、および/またはアウトソール部材を設けることができるため、上部部材、靴ベース部材、および/またはアウトソール部材はテニス以外の用途向けに設けることができる。より具体的な一例として、ランニング・シューズまたはジョギング・シューズは、イベント、走る距離、イベント表面、天候またはその他の周囲条件に応じて、異なる用途および/または使用条件向けの異なる上部部材および/またはアウトソール部材を備えることができる。
【0034】
本発明の具体的な例を以下に詳しく説明する。読者は、これらの具体的な例が単に本発明の例を示すように記載されており、かつ本発明を限定するものと解釈すべきではないことを理解すべきである。
【0035】
C. 発明の具体的な例
本出願における図は、本発明による様々な例示的な取り外し可能なアウトソール部材、靴製品、システム、および方法を示している。複数の図に同じ符番が現れる場合、その符番は、本明細書および各図において、全体にわたって同じ部品または要素を指すのに一貫して使用される。
【0036】
図1は、本発明の一例による例示的な靴製品100を示している。靴製品100は、取り外し可能なアウトソール部材104が取り外し可能に取り付けられた靴または靴ベース部102を含んでいる。靴ベース部102は、ミッドソール部材108が固定的に取り付けられた上部部材106を含んでいる。当技術分野で公知の従来の手段および方法、たとえば、接着剤、セメント、レーザまたは超音波結合、縫い付け、その他の機械的コネクタなどを含む、任意の手段または方法を使用してミッドソール部材および上部部材を互いに取り付けることができる。靴上部部材106は、密閉システム110をさらに含んでよい。本発明から逸脱せずに任意の所望の密閉システムまたは密閉システムの組み合わせを使用することができる(バックル、ジッパー、フック・アンド・ループ・ファスナー、ストラップなど)が、図示の例では、上部部材106は、従来のシュー・レースを使用してユーザの足に密閉され固定されている。さらに、靴上部部材106およびミッドソール部材108は、当技術分野で公知の従来の材料を含む、天然材料もしくは合成材料またはそれらの組合せを含む任意の所望の材料で作ることができる。
【0037】
図1に示されている例示的な靴製品100では、アウトソール部材104はミッドソール部材108の外側主面を完全に覆っている。特に、取り外し可能なアウトソール部材104は、靴製品100(例えば、活動での使用に適切な)の使用時に地面に直接接触するのに適するような(たとえば、十分な耐摩耗性、適切なトレッド設計などを有する)材料、構成、および/または設計で作製された外側主面112を有している。一方、ミッドソール部材108の外側主面は、それ自体では、活動での使用時に地面に直接接触するのに適さないような材料、構成、および/または設計で作ることができる(たとえば、いくつかの例では、ミッドソール部材108が、地面またはその他の競技表面に直接接触するイベントの競技中に長時間にわたって使用された場合に、早く摩耗する;摩擦または接地を適切でなくなる;(たとえば、1つまたは複数の細い隆起したリブで)地面に不適切に接触する;穴があくかまたは支持が不適切になる;など)。
【0038】
アウトソール部材104は、本発明から逸脱せずに任意の適切なまたは所望の方法で靴ベース部102に取り付けることができる。たとえば、図示の実施形態では、アウトソール部材104は、ベース部102を覆いおよび/または少なくとも部分的に含み(たとえば、上部部材の爪先領域上およびその周りを延び)、このようにして2つの部材を互いに保持する。この構造は、少なくともいくつかの例では、各部材を互いに保持するのに十分なものであればよい。しかし、図示の例は、組み合わせ靴/アウトソール構造の踵領域に機械的な取り付け点をさらに含んでいる。具体的には、この例では、アウトソール部材104は、アウトソール部材104を靴ベース部102の周りおよびその上まで引っ張るのを助けるハンドルを構成する「ループ」またはタブ型構成120を含んでいる。必要に応じて、タブ構成120を引き上げて、ミッドソール部材108、上部部材106のヒール・カウンタなどに設けられた(または一体に成形された)「フック」またはリッジ型構成122(あるいは他の保持構造)に係合させることができる。または、アウトソール部材104は、ミッドソール部材108、上部部材、または靴ベース部102のその他の部分に設けられた開口部または保持部材に係合するフック型装置を含んでよい。本発明から逸脱せずに、必要に応じてアウトソール部材104と靴ベース部102との間に追加的なおよび/または他の機械的な係合要素を設けることができる。これらの係合システムの少なくともいくつかについて以下に詳しく説明する。
【0039】
この例の取り外し可能なアウトソール部材104は上部含有領域114をさらに含んでいる。図1に示されているように、上部含有領域114は、上部部材106の周りを少なくとも部分的に延び、それによって、上部部材106の少なくとも一部を含んでいる。この上部含有領域114は、取り外し可能なアウトソール部材104を靴ベース部102に固定するのを助け、かつ以下に詳しく説明するように、使用時に所定の位置にしっかりと維持するのを助ける。特に、この図示の例では、上部含有領域114は、下方の上部部材106の移動および/または形状変化に基づいてたわみ、湾曲し、形状を変化させるような可撓性の材料(たとえば、弾性または高分子材料)で作製されている。さらに、図示の例では、上部含有領域114は、密閉システム110上を延びるか、密閉システムを含むか、または密閉システムを覆う(たとえば、図示の例では、上部含有領域114はシュー・レース110の底部上を延びている)。
【0040】
上部含有領域114は、靴密閉システム110全体、上部部材106、および/またはミッドソール部材108を完全に密閉し含んでいるわけではない。その代わりに、図1に示されているように、ミッドソール部材108は、少なくとも部分的に、アウトソール部材104の外側(たとえば、図示の例では側面および踵領域)を延びてよい。さらに、アウトソール部材104は、密閉システム110、上部部材106、および/またはミッドソール部材108の一部がアウトソール部材104を通して見えるかまたはアウトソール部材の外側を延びるような「開放」構成を有してよい。この種の「開放」構成は、アウトソール部材104の強度および/または靴ベース102へのアウトソール部材の取り付け可能性に影響を与えずにアウトソール部材104および靴製品100全体の全体的な重量を減らすのを助ける。これらの「開放」領域はまた、アウトソール部材104の可撓性を高めること、靴ベース102の可撓性が過度に低下するのを防止すること、アウトソール部材104が上部部材106と一緒に動くのを可能にすること、(たとえば、摩擦係数を維持するために)アウトソール部材104に対する上部部材106の位置を維持することなどに適切な形状を備え、かつそれらに適切な位置に設けることができる。
【0041】
いくつかの例では、必要に応じて、ミッドソール部材108の外側主面は、活動での使用時に地面に直接接触するのに適した材料、構成、または設計で作製された少なくともある部分(たとえば、小さな部分)を含んでよい。このような例では、取り外し可能なアウトソール部材104は、(ミッドソール部材108の、露出された地面に直接接触するのに適しており、かつ地面に接触するのに利用できる部分を除く)ミッドソール部材108の外側主面の実質的な部分(または大部分)のみを覆うことができる。一例として、ミッドソール部材108の踵領域またはミッドソール部材108の爪先領域は、地面に直接接触するのに適したように構成することができる。しかし、他の例として、アウトソール部材104は、ミッドソール部材108の外側主面を完全に覆うことができる。さらに、必要に応じて、アウトソール部材104は、使用時に靴ベース102上に組み合わされるときに、ミッドソール部材108の主外面の全部または大部分を覆う複数の個々の部材を含んでよい。
【0042】
ミッドソール部材108の外側主面は、活動での使用時に地面に接触するように設計されていないときでも、地面に少なくともいくらか直接接触できるようにするのに十分な強度、耐久性、および/または耐摩耗性を有してよい。たとえば、このようなミッドソール部材108の外側主面は、ユーザが、イベントを実施していない間、たとえば、ロッカー・ルーム、屋内などでアウトソールを交換している間に、少なくともある程度ミッドソール部材の外面で歩き回るのを可能にするのに十分な強度、支持力、耐摩耗性、および耐久性を有してよい。地面に直接接触する活動での使用向けに設計されないミッドソール部材の場合でも、地面に少なくともある程度直接接触することが考えられる。
【0043】
図2〜4は、本発明の他の例による取り外し可能なアウトソール部材の他の例200を示している。この例示的なアウトソール部材200のサイズ、形状、および構成は、靴のミッドソール部材、上部部材、および密閉システムを少なくとも部分的に含むように設計された上部含有領域114を含む、図1の例に示されているサイズ、形状、および構成と同様である。アウトソール部材200の内側主面202は、上記に図1に関連して説明したように靴ベース部の補ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分に係合してその部分を覆うように設計されている。
【0044】
図2〜4の例示的なアウトソール部材200は、図2〜4のアウトソール部材200がアウトソール取り付け要素204、206、208、および214を含むという点で図1のアウトソール部材104とは異なる。これらのアウトソール取り付け要素204、206、208、212、および214は、本発明から逸脱せずに、セメント、接着剤、レーザまたは超音波結合、縫い付け、その他の機械的コネクタによることなど、任意の所望の方法でアウトソール部材200に(たとえば、その外側主面210に)取り付けることができる。他の例として、これらの取り付け要素204、206、208、212、および214は、本発明から逸脱せずにアウトソール部材200に(たとえば、その外側主面210および/または側面に)固定的または取り外し可能に取り付けることができる。さらに、これらの取り付け要素204、206、208、212、および214は、本発明から逸脱せずに任意の所望の機能を実行することができる。たとえば、それらは、アウトソール部材200の選択された領域に追加的な耐摩耗性を提供すること、アウトソール部材200の選択された領域に異なるトレッド設計または特性を提供すること、異なる美的外観を与えること、ロゴまたは表示ディスプレイパネルまたは領域を提供することなどが可能である。図示の例では、5つの独立した取り付け要素、すなわち、横踵取り付け要素204、横側部取り付け要素206、爪先取り付け要素208、側部中間取り付け要素212、および踵中間取り付け要素214が示されている。もちろん、本発明から逸脱せずに、任意の数の取り付け要素を最終アウトソール部材設計に含めることができる。たとえば、本発明から逸脱せずに、爪先取り付け要素208を2つ以上の別個の部材(たとえば、横部材)で作り、および/または2つの踵取り付け要素204および214を単一の部材で構成することができる。必要に応じて、1つの取り付け要素がすべてまたは実質的にすべてのアウトソール部材200の周縁を覆うことができる。それに加えて、またはその代わりに、本発明から逸脱せずにアウトソール部材200構造から1つまたは複数の図示の取り付け要素204、206、208、212、および214を省略することができる。
【0045】
アウトソール取り付け要素204、206、208、212、および214のうちの1つまたは複数は、下方のアウトソール部材ベース200と一緒に、「摩耗インジケータ」として働くことができる。たとえば、アウトソール部材ベース200をアウトソール部材取り付け要素204、206、208、212および/または214と異なる色(たとえば、コントラストを成す色)にすることによって、アウトソール・ベース部材200の色が1つまたは複数のアウトソール取り付け要素を通して見えるときにアウトソール取り付け部材204、206、208、212、および/または214の過度の摩耗を示すことができる。この色の変化または外観を視覚的な手掛かりとして使用して、アウトソール部材200(または少なくとも取り付け要素204、206、208、212、および214)を交換する時期が来たことをユーザに知らせることができる。
【0046】
摩耗インジケータを形成する他の例として、摩耗インジケータは、アウトソール部材200構造の残りの部分が形成されるのと同時にアウトソール部材200構造に(少なくともいくつかの位置において)成形される、コントラストを成す色の圧縮成形されたゴム層を構成することができる。たとえば、厚さが0.5 mm〜1.5 mmであり、コントラストを成す色を有するゴム層を、従来の型における、(a)アウトソール部材の外面用のゴム材料(たとえば、厚さ約1 mm〜3 mm)と、(b)アウトソール部材がその構造を保持するのを助けることのできる任意の内側プラスチック壁(たとえば、厚さ約1 mm〜1.5 mm)と、(c)型表面と、の間の少なくともいくつかの場所に入れることができる。次に、耐摩耗性材料がアウトソール部材200の外面を形成し、摩耗インジケータ層が競技表面から離れた位置に配置される(任意で外面と内側プラスチック壁との間に挟まれる)ように、上記の組み合わせを圧縮成形プロセスでプレス加工することができる。使用後および使用の結果として、競技者がアウトソール部材の外層を通して摩耗インジケータ層のコントラストを成す色を見ると、このことは、アウトソール部材の故障が起こり、および/またはミッドソール・ユニットの損傷が生じる(たとえば、摩耗インジケータの後ろのプラスチック・シェルの壁厚が逸脱し、ミッドソールに摩耗が生じた場合に起こる)前に、アウトソール部材シェルを交換する時期が来たことを示す視覚的な手掛かりになる。
【0047】
本発明の少なくともいくつかの例による取り外し可能なアウトソール部材を含む靴製品を用いた場合、ユーザは、たとえば、アウトソール部材が摩耗したときや、異なる地面上で競技または練習するときや、天候または他の競技条件が変化したときや、美的な好みなどのために、アウトソール部材を自由に交換することができる。たとえば、上に指摘したように、ハードコート表面上でテニスまたはその他の活動を行うと、靴のアウトソールが急速に劣化することがあり、したがって、靴の上部部材、ミッドソール部材、インソール、および/またはその他の部分よりも前にアウトソールが摩耗することが多い。したがって、靴が本発明の各局面による取り外し可能なアウトソール部材を備えているとき、既存のアウトソール部材を取り外して、通常、新しい一対の靴のコストと比べて安価なコストの新しいアウトソール部材と交換し、それによって、靴製品の寿命を効果的に延ばし、イベントの参加に伴うコストを削減することができる。
【0048】
図5A〜5Dは、例示的なアウトソール部材取り外し/取り付け手順を示している。図5Aに示されているように、取り外し手順は、取り外し可能なアウトソール部材502が取り付けられた靴ベース部500から開始する。靴ベース部500およびアウトソール部材502は、任意の所望の構成または外観を有してよいが、図示の例は、図1に示されているのと概ね同様の外観を有している。アウトソール部材502が過度に摩耗し、および/または次に行われるかまたは現在行われているイベントで使用するのに最適な構造のものではないため(あるいはその他の理由で)、ユーザ504は、アウトソール部材502を交換することに決定する。
【0049】
靴ベース部500からアウトソール部材502を取り外す場合、ユーザ504はまず、図5Bに示されているように、ヒール・タブ506を引っ張って、ミッドソール部材508、上部部材510、および/または靴構造の他の部分(たとえば、ヒール・カウンタなど)の踵領域に設けられた対応する長穴、開口部、またはその他の保持構造から外す。ヒール・タブ506は、ミッドソール部材508、上部部材510、および/または靴構造のその他の部分(ヒール・カウンタなど)上の対応する係合要素に係合するスナップ、隆起したレッジまたはリブ、機械的コネクタ、あるいは他の適切な構造を含んでよい。必要に応じて、本発明から逸脱せずに、アウトソール部材502と靴ベース部500の残りの部分との間に任意の他のタイプの接続を確立する(かつ解除する)ことができる。たとえば、ミッドソール部材508、上部部材500、および/または靴構造の他の部分(たとえば、ヒール・カウンタなど)に設けられた対応する係合要素、開口部、保持構造などに係合するアウトソール部材502上にまたはアウトソール部材の一部として(たとえば、踵領域内にならびに/あるいは横および内側側面に沿って)設けることができる。他の例として、必要に応じて、ミッドソール部材508の外側主面および/またはアウトソール部材502の内側主面に弱い接着剤またはせん断抵抗接着剤を塗布して、これらの要素同士を互いに対して所定の位置に保持するのを助けることができる。他の例として、以下に詳しく説明するように、ミッドソール部材508の外側主面および/またはアウトソール部材502の内側主面に機械的および/または静的係合要素を設けて、これらの要素同士を互いに対して所定の位置に保持するのを助けることができる。たとえば、1つまたは複数の隆起したリブおよび対応する合わせ溝をミッドソール部材508の外側主面および/またはアウトソール部材502の内側主面に設けることができる。これらのリブおよびそれらの対応する合わせ溝は、ミッドソール部材およびアウトソール部材を互いに対して所定の位置に保持するのを助けることができる。リブおよび溝構造は、ミッドソール部材およびアウトソール部材の、互いに対する長手方向への移動と横方向への移動との両方を防止するように配置することができる。
【0050】
必要に応じて、取り付け手段は、アウトソール部材502が靴ベース構造500の残りの部分に対して適切な向きに向けられかつ配置されたことをユーザ504に確認させるための表示を構成することができる。たとえば、アウトソール部材502が適切に配置されたことを確認する聴覚または視覚インジケータを設けることができる。図示の例では、図5Aに示されているように、ヒール・タブ506は、タブ506が、適切に設置されたときには上部部材510にぴったりと接触するが、適切な向きに向けられていないときには上部部材510からいくらか離れて突き出るように、上部部材510、ミッドソール部材508、および/または靴ベース500の他のある部分に設けられた溝または開口部上を移動してそれに嵌り込むリッジを含んでよい。それに加えて、またはその代わりに、ヒール・タブ506上のリッジ(または他の構造)は、その受け溝または開口部上を適切に滑りそれに滑り込んだときに可聴音または「カチッという音」を生成することができる。他の例として、配置を聴覚的および/または視覚的に確認できるようにするミッドソール部材508上の隆起したペグまたはリッジ(または靴ベース500の他の部分)がアウトソール部材502に設けられた溝および/または開口部に嵌ることができる。他の例として、アウトソール部材502に設けられた開口部を通して見えるミッドソールの色は、正しい向きまたは配置の視覚的インジケータを構成することができる。もちろん、アウトソールが適切に設置され向きを定められたことを聴覚的および/または視覚的に確認する他の方法を、本発明から逸脱せずに使用することができる。
【0051】
図示の例示的な方法を参照すると、(図5Bに示されているように)ミッドソール部材508の踵領域がアウトソール部材502から出た後、ユーザ504は、図5Cおよび5Dに示されているように、ミッドソール部材508および上部部材510をアウトソール部材502から引っ張る。本発明の少なくともいくつかの例では、アウトソール部材502の少なくとも一部を、たとえば靴の密閉システムによって(たとえば、アウトソール部に設けられた対応する開口部に靴のシュー・レースを通すこと、アウトソール部材502の上部受け部に設けられたストラップ通し開口部にストラップを通すこと、フック・アンド・ループ・ファスナー、および/または他の機械的接続によって)上部部材510に取り付けることができる。したがって、必要に応じて、これらの段階を実施する前に、アウトソール部材502と上部部材510とのあらゆる取り付けを(たとえば、靴のレースを解き、および/またはあらゆる他の機械的接続を解除することによって)解除すべきである。
【0052】
靴ベース部500上に新しいアウトソール部材502を配置する場合、上記に説明し図5A〜5Dに示されている手順を逆にすることができる。たとえば、上部部材510の爪先領域およびミッドソール部材508を(任意で、必要に応じて、アウトソール部材502内またはミッドソール部材508上に接着剤または他の摩擦係数増大組成物を塗布した後で)アウトソール部材502内に配置することができ、かつ任意で、必要に応じて、靴ベース部500の密閉システム(たとえば、シュー・レース)をアウトソール部材502に取り付けることができる。次に、タブ、クリップ、または他の機械的コネクタ506が、ミッドソール部材508、上部部材500、および/または靴構造の他の部分に設けられた対応する接続要素(たとえば、溝、開口部、隆起したリブなど)に係合できるように、アウトソール部材502の踵部をミッドソール部材508の踵部の周りに伸ばすことができる。上述のように、可聴音および/または視覚インジケータによって、靴ベース部500上に新しいアウトソール部材502が適切に配置されたことを確認することができる。
【0053】
必要に応じて、温度またはその他の適切な処理(たとえば、高温、低温、湿度、水蒸気、水などを与えること)を、このような段階が、アウトソール部材502の、靴ベース部500の残りの部分に対する取り付けおよび/または取り外しをより容易にするのを助ける場合に、アウトソール部材の取り外しおよび/または取り付けプロセス中に使用することができる。たとえば、アウトソール部材502が、アウトソール部材502が(たとえば、強く合着するように)伸ばされて嵌められるミッドソール部材508と同じであるかまたは実質的に同じサイズに成形されるときに、(たとえば、携帯ヘア・ドライヤを使用して)アウトソール部材502に熱を加えると、材料のまたは弾性の点と材料の膨張係数の点との両方から、アウトソール部材502を対応するミッドソール部材508上に伸ばして嵌めるのを容易にすることができる。しかし、取り付け後、共通のサイズ(または実質的に共通のサイズ)のアウトソール部材502およびミッドソール部材508は強く合着し、たとえば、活動または運動での使用時、特に、本明細書で説明する1つまたは複数の他の取り付けおよび/または係合システムを強い合着と組み合わせて使用するときに外れなくなる。
【0054】
活動または運動での使用(たとえば、予定された目的での靴の使用)時には、図6に示されているように、アウトソール部材502は、上部部材500および/またはミッドソール部材508に対して静止しているかまたは実質的に静止している。好ましくは、活動での使用時に、アウトソール部材502は、ミッドソール部材508に対して滑ることも、動くことも、またはこともない。上述のように、靴構造の様々な機械的特徴、接着剤、および/またはその他の特徴を使用して、アウトソール部材502の内側主面に対するミッドソール部材508の外側主面の相対位置を維持するのを助けることができる。さらに、ミッドソール部材508および/またはアウトソール部材502の材料および/または表面特性は、それらの相対位置を維持するのをさらに助けることができる。たとえば、ミッドソール部材508の外側主面および/またはアウトソール部材502の内側主面にいくらか軟性の弾性材料および/またはいくらかテクスチャ加工された表面材料を使用すると、それらの表面間の摩擦係数を増加させるのを助け、それらが相対位置を維持するのを助けることができる。少なくともいくつかの例では、これらの主面間の摩擦係数は、地面とアウトソール部材との間の予想される摩擦係数よりも大きい。
【0055】
いくつかのより具体的な例として、テニス(および/または他の活動)の場合、コート表面と標準ゴム・アウトソールの底部との間の摩擦係数は通常、少なくとも約1.0であってよい。したがって、取り外し可能なアウトソール部材とアウトソール部材が取り付けられるミッドソール部材との間に安定な係合を実現するために(たとえば、極端に横方向に切る操作、または急速な方向変化の操作の間に)、本発明の少なくともいくつかの例におけるアウトソール部材とミッドソール部材との間の摩擦係数は、アウトソール部材がミッドソール部材上で回転し始める前にアウトソールの主外面が地面との直接的な接触から離れる(たとえば、アウトソールの主外面が地面上を滑ることなど)のに十分な大きさの値を有する。本発明によるいくつかの例では、以下に示されているように、ミッドソール部材の主外面とアウトソール部材の主内面との間の動的摩擦係数が1.0よりも大きく、場合によっては1.2よりも大きく、いくつかの例では1.4よりも大きく、または場合によっては1.5よりも大きい。
【0056】
上に指摘したように、アウトソール部材とミッドソール部材(または靴構造の他の部分)との間の摩擦を少なくとも部分的に使用して、これらの部材を互いに対して所定の位置にしっかりと保持することができる。上述の製品のような、取り外し可能なアウトソール部材を有する靴製品におけるミッドソール部材およびアウトソール部材の両方には、各材料を使用時に互いにしっかりと取り付けて望ましくない滑り、丸まり、またはその他の故障を防止することができれば、様々な材料を使用することができる。それにもかかわらず、アウトソール部材は、必要および/または所望に応じて、ユーザがアウトソール部材を交換することができるように、比較的容易に取り外し可能のままでなければならない。
【0057】
2つの材料が互いに保持することができる1つの手段は、2つの材料が互いに押し付けられ、(たとえば、並進力を介して)一方の材料を他方に対して動かすかまたは滑らせる試みがなされたときに観測される「摩擦係数」(「COF」)に関する。以下に、本発明の例による靴ミッドソール材料および取り外し可能なアウトソール部材に使用できる材料タイプの様々な組み合わせに関するCOF測定試験結果を示す。具体的には、様々なフォーム材料(たとえば、ミッドソール材料)と様々な射出成形された熱可塑性樹脂(たとえば、アウトソール材料)との間の「動的摩擦係数」(「DCOF」)を測定した。試験したミッドソール・フォーム材料には、PU (LU/FO 001)(Coim S.p.Aから市販されているポリウレタン・フォーム材料)、CMP Phylon(MWE-024)(様々な供給業者から市販されているエチレン酢酸ビニル低密度スターター)、鋳造ウレタン底部膜またはカバー・シートを有するCMP Phylon(MWE-024)(鋳造ウレタン膜は、Kurim Corp.から市販されている)、Phylite射出ユニットソール Phylon化合物(Dongsung Chemical社から市販されている材料)が含まれていた(たとえば、Phylon(60%)およびゴム(40%)の組み合わせ)。試験した熱可塑性ウレタンは、SK Chemical T470 TPU 70A(SK Chemical Co.から市販されているポリエステル・ベースの熱可塑性ウレタン)、Bayer Desmopan(登録商標)9370 TPU 70A(Bayer AGから市販されているポリエーテル・ベースの熱可塑性ポリウレタン材料)、およびKraiburg 8706-26 TPR 60A(Kraiburgから市販されている熱可塑性ゴム、本明細書では"KHTP 8706-26"と呼ぶ)であった。
【0058】
NCAAおよび米国高等学校連合(National High School Federation)向けに開発されたフットボール・グローブCOF用の米国スポーツ用品製造業者協会("SGMA")自主基準に従ってCOF試験を行った。具体的には、198グラム・スレッドを使用して熱可塑性材料の1インチ×2.4インチ・ストリップをフォーム材料に押し付けた。次に、スレッドを100mm/分の速度で引っ張り(並進力)、熱可塑性材料をフォーム材料に対して移動させるのに必要な力を測定した。以下の表示に記載された測定単位は、必要な最大並進力を、かけられた下向きまたは法線方向の力で割った値である。後述の試験では、試験した材料の表面に特定の平滑化またはテクスチャ加工を施さなかった。同様に、成形後処理も導入しなかった。
【0059】
(表1)平均動的摩擦係数値(括弧内は標準偏差)

【0060】
上記の試験結果から分かるように、Phyliteフォームは、同じ熱可塑性樹脂を他のフォーム上で試験したときに観測された場合よりも著しく高いDCOF値を示した。
これらの試験結果から分かる他の特徴は、熱可塑性樹脂およびフォームのいくつかの組み合わせを試験したときに、非常に高いレベルの付着/滑りが生じたことに関する。付着/滑りプロセスは、引きずられている材料を減速または停止させるのに十分な高い摩擦力が2つの材料間に生じ、次に、このことが荷重セルに対する荷重の増大として記録され、次に最終的に、この力が臨界レベルに達して、材料が解放され表面上を非常に迅速に移動して速度を増し、次に、速度が通常の100mm/分に戻り、材料が再び表面に接触または付着するときに起こる。この特徴によって、非常にぎざぎざな荷重対変位曲線が得られる。これらの材料組み合わせのうちのいくつかでどれだけの付着/滑りが実際に見られたかについての概略的な概念を理解するために、50 mmから150 mmの変位の間に読み取られた最大荷重から最小荷重を減算した。この値は表2にリストされている。
【0061】
(表2)50mmから150mmの間の最大荷重値と最小荷重値の差

【0062】
さらに、様々なアウトソール部材材料の弾性を試験した。具体的には、4つの異なるグレードの樹脂材料で作製されたアウトソール部材、すなわち:A)Desmopan(登録商標)8785(Bayer AGから市販されている熱可塑性ポリウレタン材料);B)Desmopan(登録商標)9370;C)TPU T470;およびD)KHTP 8706-26を試験した。使用した試験方法は、ARES流動計でのねじり矩形モードにおける動的周波数掃引を含んでいた。使用したひずみは1%であり、使用した周波数範囲は、毎秒0.1ラジアンから毎秒100ラジアンであり、10年分の記録周波数当たり5回サンプリングした。試験の出力は、周波数の関数として、貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G")として与えられた。
【0063】
(表3)試験設定

【0064】
この試験の目的は、試験した4つの材料のうちで最も弾性率が高い材料を判定することであった。弾性率は、熱として発散されるエネルギーの量を測定することによって求められる。エネルギーの発散が少ないと、材料が弾性的であることを示す。弾性材料を有する場合、材料が使用される周波数で発散されるエネルギーをできるだけ少なくすべきである(一般に、より高い周波数は反発弾性と相関する傾向があり、一方、より低い周波数は静荷重の方に対応する傾向がある)。
【0065】
アウトソール・シェルから得られたサンプルに対する周波数掃引では、Desmopan(登録商標) 9370が最も弾性度の高い材料であり、その次に高い弾性度を示したのは、より低い周波数ではT470材料であり、より高い周波数ではKHTP 8706-26であった。Desmopan(登録商標) 8785材料で作製されたアウトソール部材は一般に、特に測定されたより高い周波数では、Desmopan(登録商標) 9370およびT470材料よりもエネルギーの発散量が多かった(したがって、弾性率がより低かった)。
【0066】
有利なことに、使用時に、上に指摘したように、アウトソール部材502を一定の靴ベース部500に対して1回または複数回交換することができる。これは、ユーザが、1組または複数組のアウトソール部材502が摩耗した後でも依然として上部部材510およびミッドソール部材508構造(たとえば、上に指摘した靴ベース部500)から有効寿命を得ることができるからである。本発明の少なくともいくつかの例では、アウトソール部材502は、数競技サイクル、たとえば、硬い磨耗性の表面上での20時間以上の激しい競技または練習時間、好ましくは25時間以上または場合によっては40時間以上耐久するのに適した材料で構成される。少なくともいくつかの例では、アウトソール部材502の外側主面600(すなわち、活動での使用時に地面に接触する表面;図6参照)は、この期間に適した摩耗および使用特性をもたらすのに十分な硬度、耐摩擦性、および/または強度を有する。当技術分野で公知の従来のアウトソール材料を含む、任意の適切なまたは所望の天然、合成、高分子、および/または弾性材料ならびに/あるいはそれらの組み合わせを、本発明から逸脱せずにアウトソール部材502に使用することができる。選択される特定の材料は、たとえば、所望の摩耗特性、摩擦特性、および/または伸縮性、ならびに/あるいは予想される用途に関連する予想される特性(たとえば、温度、天候、降水、地面、および/またはその他の条件)に応じて決定することができる。いくつかのより具体的な例として、アウトソール部材502の少なくとも外側主面600は、上述の様々な材料だけでなく、60ショアA硬度を有する熱可塑性ゴム材料、70ショアA硬度を有するポリエステル系熱可塑性ウレタン材料、および80ショアA硬度を有する熱可塑性材料で構成することができる。
【0067】
本発明の少なくともいくつかの例では、ユーザは、アウトソール部材502の過度の摩耗以外の理由で靴ベース部500上のアウトソール部材502の交換を選択することができる。たとえば、ユーザは、競技が行われる表面のタイプに基づいて靴ベース部500にそれぞれの異なるアウトソール部材対502を取り付けることができる。たとえば、個々のユーザは、クレーコート、芝生広場、ハードコート、アスファルト、コンクリートなどを含む様々な異なるコート表面上でテニスをすることができ、少なくとも部分的に、競技が行われる表面のタイプに応じて、様々なアウトソール部材502を任意の一定の時間に使用するために選択することができる。このように、ユーザは、特定のコート表面に一致するようにアウトソール表面を最適化することができる。
【0068】
上記の他の因子または上記に代わる因子を、一定の時間にどの特定の1組のアウトソール部材を使用すべきかの判定で使用することができる。たとえば、一定の時間にどのアウトソール部材を選択すべきかを判定する際に競技中の条件(たとえば、実際の条件または予想される条件)を考慮に入れることができる。このような条件の例には、周辺気温、表面温度、予想されるイベント実施中の高い周辺気温、予想されるイベント実施中の低い周辺気温、予想されるイベント実施中の高い表面温度、予想されるイベント実施中の低い表面温度、周囲湿度、降水の有無、予想される降水の有無などを含めてよい。図5A〜5Dに関連して説明したように、本発明の少なくともいくつかの例に使用されるアウトソール部材交換手順は比較的単純であるため、ユーザは、必要に応じて、たとえば、周囲および/または表面条件が変化し、および/または最初に選択されたアウトソール部材が現在の条件に最適ではなくなった場合、競技の合間、タイムアウト時、イベントの合間、雨による遅延の間、および/または任意の他の所望の時間にアウトソール部材を交換することができる。
【0069】
図7A〜7Jは、本発明による例示的なアウトソール部材700の詳細図を示し、図8A〜8Jは、このアウトソール部材700に対応する例示的なミッドソール部材800の詳細図を示している。図7Aには、例示的なアウトソール部材700の平面図が示されている。この図から、上記に図5Aおよび5Bに関連して説明したミッドソール部材、上部部材、および/または靴構造の他の部分に設けられた対応する溝、くぼみ、または開口部に嵌るヒール・タブ702を見ることができる。上部含有領域704が、アウトソール部材700の前部に設けられ、靴構造の上部部材の少なくとも一部を含んでいる。ヒール・タブ702および上部含有領域704は、アウトソール部材700を靴ベース構造の残りの部分に固定するのを助ける。
【0070】
この例示的なアウトソール部材700の内側主面706は、隆起した領域708ならびに2つの斜面領域710aおよび710bをさらに含んでいる。これらの領域708、710a、および710bは、以下に詳しく説明するようにミッドソール構造に設けられた対応する構造に嵌る。または、アウトソール部材700の内側主面706は、3つの隆起したリブ領域712a、712b、および712cを含み、これらは「係合要素」としても働き、アウトソール部材700をミッドソール部材に係合するのを助ける。アウトソール部材700の内側主面706上の隆起した領域および/または溝の任意の配置を、ミッドソール部材の外側主面上の対応する溝および隆起した領域と組み合わせて使用して、本発明から逸脱せずにこれらの部材を互いに対して所定の位置に維持することができる。特に、この図示の例では、隆起したリブ領域712aが、中足領域に設けられ、実質的にアウトソール部材700の長手方向に延びており、隆起したリブ領域712bが、中足領域から爪先領域にかけて設けられ、実質的にアウトソール部材700の長手方向に延びており、隆起したリブ領域712cが、中足から爪先に至る領域に設けられ、実質的にアウトソール部材700の長手方向に対して横方向に延びている。このように、隆起したリブ領域712aおよび712bは、ミッドソールに対するアウトソール部材700の横方向への移動を防止するのを助け、隆起したリブ領域712cは、ミッドソールに対するアウトソール部材700の長手方向への移動を防止するのを助ける。斜面領域710aおよび710bならびに隆起した領域708も、ミッドソールに対するアウトソール部材700の位置を維持するのを助ける。もちろん、本発明から逸脱せずに、任意のサイズ、形状、向き、構成、または配置の溝、斜面領域、および/またはその他の係合要素を使用することができる。
【0071】
図7Bは、(トレッドを備え、アウトソール部材700の使用時に地面に直接接触するのに適した材料で作製された)外側主面714を示すアウトソール構造700の底面図である。特に、この構造では、図7Aの隆起したリブ領域712a、712b、および712cは図7Bの底面714における同様の番号を有する溝領域に対応しており(ただし、これは必要とされない)、隆起した領域708も示されている(足のアーチの位置に相当する)。
【0072】
図7Cおよび7Dはそれぞれ、アウトソール部材700の横側面図および内側側面図を示し、図7Aおよび7Bの同様の部品は共通の符番で示されている。図7Eは、図7Bの線7E-7Eに沿った断面図を示している。特に、断面線7E-7Eは隆起したリブ領域712aおよび712bを通って延び、したがって、トレッド領域722が爪先/中足領域(隆起したリブ領域712cを越えた位置)に達するまで図7Eの踵および中足部を基準線720よりも上に持ち上げる。
【0073】
図7Fは、図7Bの線7F-7Fに沿った断面図である。この図面は、アウトソール部材700の外側主面714(そのトレッドを含む)、ならびに上部含有領域704の小さな部分を示している。図7Gは、図7Bの線7G-7Gに沿った断面図である。この図面は、アウトソール部材700の外側主面714の他の部分、ならびにその上部含有領域704の一部を示している。さらに、隆起したリブ712bは、図7Gの断面図に見ることができる。
【0074】
図7Hは、図7Bの線7H-7Hに沿った断面図である。この図面は、アウトソール部材700の隆起した部分708を示している(特に、隆起した部分708は基準線720よりも上方に位置している)。図7Iおよび7Jは、図7Bのそれぞれ線7I-7Iおよび7J-7Jに沿った断面図である。これらの図面は、中足および踵領域におけるアウトソール部材700の外側主面714の他の部分を示している。さらに、図7Iは斜面領域710aを示し、図7Jはアウトソール部材700の踵領域内の隆起したリブ712aを示している。
【0075】
図7A〜7Jに示されている例示的なアウトソール部材700(ならびに他の図に示されているアウトソール部材構造)は、アウトソール部材の、靴上部の上を延びて上部を覆う部分に形成されたいくつかの開放領域または窓を有している。もちろん、本発明から逸脱せずに、任意の所望の数の開放領域または窓を設けてよく、あるいは場合によっては開放領域または窓をまったく設けなくてもよい。当業者には、日常的な経験を通じて(たとえば、適切な強度を維持すること、取り付けまたは取り外しを容易にすること、アウトソールの適切な可撓性を確保することなどのために)任意の所望の開放領域の適切なサイズ、配置、および/またはその他の特性を容易に決定することができる。いくつかの例では、図1、2、および5A〜7Jに示されている例示的な構造における1つまたは複数の最前部開放領域(靴の爪先部の方)を無くすことができ、その結果得られる構造は、少なくともいくつかの例では、より長い競技寿命、より高い強度、および/またはより高い耐摩耗性をもたらすことができる。そのようなアウトソール構造900の例が、たとえば、それぞれ図1および2に示されている同様のアウトソール部材構造104および200と比べて(爪先部に最も近い)最前部開放領域が無くなっている図9に示されている。
【0076】
上に指摘したように、図8A〜8Jは、図7A〜7Jに示されている例示的なアウトソール部材700と組み合わせて使用できる例示的なミッドソール部材800の詳細図を示している。このミッドソール部材800は、たとえば、上述のように、接着剤、セメント、縫い付け、超音波またはレーザ溶接、および/またはその他の機械的コネクタを使用して、上部部材に取り付けることができる。
【0077】
図8Aは、例示的なミッドソール部材800の平面図を示している。ミッドソール部材800の内側主面802はアーチ支持体、衝撃減衰要素、および/または当技術分野で公知の従来の要素または部材を含むその他の部材を含んでよい。図8Bに示されているミッドソール部材800の底面図に示されているように、ミッドソール部材800の外側主面804は、くぼんだ領域または隆起したリブ領域808、2つの斜面領域810aおよび810b、ならびに3つの溝領域812a、812b、および812cを含んでいる。これらの係合要素領域808、810a、810b、812a、812b、および812cは、それぞれ、アウトソール部材700上の対応する領域708、710a、710b、712a、712b、および712cを受け、および/または他の方法で整合し、アウトソール部材700およびミッドソール部材800を互いに対して所定の位置に保持するのを助ける。特に、アウトソール部材700上の対応する部品に整合するように、溝領域812aが、踵から中足に至る領域に設けられ、実質的にミッドソール部材800の長手方向に延びており、溝領域812bが、中足から爪先に至る領域に設けられ、実質的にミッドソール部材800の長手方向に延び、溝領域812cが、中足から爪先に至る領域に設けられ、実質的にミッドソール部材800の長手方向に対して横方向に延びている。長手方向の隆起したリブ712aおよび712bならびに対応するミッドソール溝812aおよび812bは、嵌り合い、ミッドソール部材800およびアウトソール部材700の、互いに対する横方向への移動を防止する助けになる。横方向リブ712cおよび対応する溝812cは、嵌り合い、ミッドソール部材800およびアウトソール部材700の、互いに対する長手方向への移動を防止する助けになる。もちろん、上に指摘したように、任意のサイズ、形状、向き、構成、または配置の任意の数の隆起したリブ、対応する溝、斜面領域、および/またはその他の係合要素を、本発明から逸脱せずにミッドソール部材800およびアウトソール部材700に使用することができる。
【0078】
さらに図8Bに示されているように、この例のミッドソール部材800の外側主面804はトレッドを含んでいない。この例では、ミッドソール部材800も、靴の予定された目的に整合する方法での活動での使用時に地面に直接接触するように使用した場合に特に耐摩耗性、耐摩擦性、および/または支持力を示さない材料で作製されている。しかし、他の例では、必要に応じて、ミッドソール部材の外側主面804は、本発明から逸脱せずに、地面に直接接触する少なくともいくらか制限された用途向けに設計することができる。
【0079】
図8Cおよび8Dはそれぞれ、ミッドソール部材800の横側面図および内側側面図であり、図8Aおよび8Bの同様の部品は共通の符番で示されている。特に、踵領域における隆起したリブ816は、アウトソール部材700のヒール・タブ702の少なくとも一部を受け入れることのできる溝または長穴を形成している。任意で、ヒール・タブ702が隆起したリッジ816に正しく配置されたときに上述のような可聴音および/または視覚インジケータが聞こえ、および/または見えるようになる。
【0080】
図8Eは、図8Bの線8E-8Eに沿った断面図を示している。特に、断面線8E-8Eは溝812aおよび812bを通って延びており、したがって、図8Eの踵部および中足部を基準線820よりも持ち上げ、断面線8E-8Eが溝812cを離れる位置に縁部822を形成している。
【0081】
図8Fは、図8Bの線8F-8Fに沿った断面図である。この図面は、ミッドソール部材800の内側主面802および外側主面804のそれぞれを示している。図8Gは、図8Bの線8G-8Gに沿った断面図である。この図面は、ミッドソール部材800の内側主面802および外側主面804のそれぞれの別の部分を示すと共に、外側主面804の中足領域における溝812bを示している。
【0082】
図8Hは、図8Bの線8H-8Hに沿った断面図である。この図面は、ミッドソール部材800の隆起した部分808を示している。図8Iおよび8Jは、図8Bのそれぞれ線8I-8Iおよび8J-8Jに沿った断面図である。これらの図面は、ミッドソール部材800の、中足領域および踵領域における他の部分を示している。さらに、図8Iは斜面領域810aを示し、図8Jは長手方向溝812aを示している。
【0083】
もちろん、上記の説明および添付の図面は、本発明のいくつかの例による構造の例を示すものに過ぎない。本発明から逸脱せずに上部部材、ミッドソール部材、およびアウトソール部材の特定の構造の多数の変形態様が可能である。さらに、靴構造全体に他の要素および構造を含めることができ、および/または本発明から逸脱せずに、靴構造全体における上述の要素および構造のいくつかを省略することができる。
【0084】
考えられる構造変形態様の一例はアーチ領域に関する。アーチ状のアウトソール底部(たとえば、アウトソール部材700の斜面領域710aおよび710bならびに隆起した領域708)の代わりに、いくつかの従来のテニス靴構造と同様に、いくつかのアウトソール部材の主外面をアーチ領域において平坦にすることができる。図9は、他の図に示されている構造と比べてより平坦な底面構造を有する例示的な取り外し可能なアウトソール部材900を示している。この種の平坦な「アーチ」領域は、OmniCourt(登録商標)またはクレーコート表面上で使用するのに特に適している。本発明から逸脱せずに、たとえば、少なくとも部分的に、競技が行われるコート表面のタイプに応じて、アウトソール部材の主外面上の様々な摩擦要素設計を設けることもできる。
【0085】
構造上の他の考えられる特徴オプションまたは変形態様は爪先領域に関する。靴の爪先領域は、特にテニス・シューズでは、(たとえば、サーブ動作時に爪先を引きずることによって)実質的な摩耗または摩擦を受けることがある。したがって、必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例では、アウトソール部材、ミッドソール部材、または上部部材の爪先領域を補強し、ならびに/あるいはより厚くおよび/またはより強い熱可塑性材料またはその他の材料で形成して、爪先領域が過度に早く摩耗するのを防止することができる。他の例として、上部部材、ミッドソール部材、および/またはアウトソール部材はトウ・キャップまたはトウ・バンパー構造を備えることができる。トウ・キャップまたはトウ・バンパーは、上部構造、ミッドソール部材、またはアウトソール構造の残りの部分と一体に形成することができ、またはトウ・キャップまたはトウ・バンパーは、上部部材、ミッドソール部材、および/またはアウトソール部材を覆い、それらの部材に取り付けられ、挿入され、それらの部材と一緒に成形され、および/またはそれらの部材と組み合わされる1つまたは複数の別個の要素であってよい。トウ・キャップまたはバンパーは、1つまたは複数の別個の要素であるとき、上部構造、ミッドソール構造、および/またはアウトソール構造に固定的に係合することができ、またはそれらの構造から取り外し可能であってよい(かつ任意で、着用時に別個に交換可能であってよい)。
【0086】
図10Aおよび10Bは、本発明の少なくともいくつかの例で有用な例示的なトウ・キャップ部材1000のそれぞれ平面図および側面図を示している。この例示的な構造では、トウ・キャップ1000は、靴ベース部に取り付けられた別個の部材として形成される。一例として、トウ・キャップ部材1000は、上部部材1002の爪先領域の少なくとも一部を受けるチャンバを形成することができる(上部部材1002は図10Aおよび10Bでは破線で示されている)。トウ・キャップ部材1000は、たとえば、当技術分野で公知でありかつ使用されている従来の接着剤を含む、ウレタン系セメントまたはその他の接着剤を使用して、上部部材1002および/またはミッドソール部材に接着によって(または他の方法で)係合することができる。トウ・キャップ1000は、当技術分野で公知の従来の設計を含む、任意の所望の設計のものであってもよい。従来の材料を含む任意の適切なまたは所望の材料をトウ・キャップ1000構成に使用することができるが、より具体的な例として、少なくともいくつかの例におけるトウ・キャップ部材1000は、たとえば、少なくともいくつかの例では、取り外し可能なアウトソール部材の構成に使用できる材料のような、70ショアA以上の硬度を有する合成ゴム材料、熱可塑性ポリウレタン材料(または場合によっては、必要に応じてこれらの材料よりもいくらか硬い材料)で作ることができる。使用時に、本発明の例による取り外し可能なアウトソール部材は、トウ・キャップ部材1000上に嵌ることができる。トウ・キャップ1000は、(たとえば、アウトソール部材が爪先の所で摩耗した場合に)上部部材1002の前方爪先部を保護するだけでなく、有利なことに、上部パターン、いくつかの例では上部部材構造1002の爪先部に配置されたギャザー・ステッチを覆い、たとえば、トウ・キャップ1000は、上部パターンが構成および/または製造のために通常分割される継ぎ目を覆うことができる。
【0087】
図11は、爪先領域の所にバンパー要素1102を有する例示的な取り外し可能なアウトソール部材1100を示している。アウトソール部材構造1100内にバンパー要素1102を含める任意の所望のプロセスを、本発明から逸脱せずに使用することができる。たとえば、バンパー要素1102は、それらをアウトソール構造1100内にインサート成形することによって、アウトソール部材構造1100と一体に形成することができる。他の例として、バンパー要素1102は、別個に形成して、セメント、接着剤、または任意の他の所望の方法によってアウトソール構造1100に固定することができる。
【0088】
バンパー要素1102は、本発明から逸脱せずに、アウトソール部材構造1100を構成するのと同じ材料を含む任意の所望の材料で作ることができる。本発明のいくつかの例では、バンパー要素1102は、アウトソール部材構造1100の残りの部分を構成する材料よりもデュロメータ硬度がいくらか高い熱可塑性ポリウレタン材料(たとえば、硬度が70ショアA以上の熱可塑性ポリウレタン材料)でインサート成形される。図11に示されているように、この例のバンパー要素1102は、アウトソール部材1100の主面からいくらか突き出ており、したがって、バンパー要素1102が最初に摩耗する(たとえば、装着者がサーブ動作時に爪先を引きずったときなど)。もちろん、本発明から逸脱せずに、アウトソール構造、ミッドソール構造、または上部部材構造上の任意の所望の位置に任意の所望の数のバンパー要素1102を設けることができる。
【0089】
本発明の少なくともいくつかの例による靴システムは、1組または複数組のアウトソール部材を備えた靴ベース部(たとえば、ミッドソール部材が固定された上部部材)を含んでよい(任意で、靴システムをすぐに使用できるように、1組のアウトソール部材をベース部に取り外し可能に取り付けることができる)。または(もしくはそれに加えて)、靴システムは、ユーザが他の1組のアウトソール部材を得られるようにする手段を含んでよい。他の1組のアウトソール部材を得る「手段」は、ユーザが、任意で無料または割引価格で他の1組のアウトソール部材を得られるようにする、郵送、電話、ポイント・オブ・セール位置での直接的な対処、コンピュータ・ネットワークなどによって交換可能または使用可能な、1つまたは複数のクーポン、コード、データ、またはその他の情報を含んでよい。必要に応じて、この「手段」を使用して得られる他のアウトソール部材のタイプに関する選択肢(たとえば、新しいアウトソール部材は元の1組の厳密な交換品であるかどうか、または新しいアウトソール部材は、異なる条件の下での使用、異なる地面上での使用向けに設計されているか、異なる色で設計されているかなど)をユーザに与えることができる。同様に、複数のアウトソール部材セットを有する靴システムでは、様々なセットが互いに整合することができるか、あるいは任意で最終的なエンド・ユーザの選択によって、異なる条件の下での使用および/または異なる表面上での使用向けに最適化することができる。他の例として、交換アウトソール部材は、個別にまたは1対を1組として、市販するか、または他の方法でユーザに利用可能にすることができる。
【0090】
本発明の例による構造および方法の様々な他の考えられる利点および/または用途が、利用可能であるかまたは実現可能である。たとえば、必要に応じて、チーム・メンバーは、本発明による共通の外観を有する取り外し可能なアウトソール部材を含む共通の形態の靴製品を着用することができ、チームのメンバーは、任意の所望の因子(たとえば、パートナーのアウトソールに合わせて、ホーム・マッチの場合はある色を着用し、アウェイ・マッチの場合は異なる色を着用することなど)に応じてアウトソール部材の色、形態、または他の美的特性を変更することができる。個人および/またはチーム・メンバーも必要に応じて、何らかの理由で、たとえば、美的な目的などで色および/または形態を変更するためにアウトソール部材を交換することができる。複数のチームまたは複数の異なるタイプの表面上で競技する個人は、同じ靴ベースを使用しアウトソール部材を交換して新しいチームまたは競技表面のタイプに合わせることができる。他の例として、プレーヤーまたはチームは、特別なまたは以前の監督またはプレーヤーの名前、特別な試合または選手権のロゴ、スポンサーのロゴ、ホーム・マッチ用のある色または形態、アウェイ・マッチ用の異なる色または形態などを含むアウトソール部材のような、特別な人、試合、またはイベントを記念する特別なアウトソール部材を着用することができる。本発明から逸脱せずに、任意の所望の情報、ロゴ、またはその他の表示をアウトソール部材上に含めることができる。
【0091】
上記に、本発明による特定のプロセスおよび構造について詳しく説明したが、当業者には、これらの説明が本発明によるプロセスおよび構造の例を構成するものに過ぎないことが理解されよう。当業者には、本発明から逸脱せずに、様々な構造、材料、プロセス段階、プロセス条件などを広範囲に変形することができ、かつこれらが他の構造または要素を含んでよいことを理解されよう。さらに、当業者には、本発明から逸脱せずに、プロセス段階における変形も可能であることが理解されよう。たとえば、上述の特定の段階には、本発明から逸脱せずに省略、変更、順序の変更などが可能である。さらに、本発明の各局面から逸脱せずに、上述の様々な段階間に追加の段階を含めることができ、および/または段階間に長い時間を経過させることができる。本発明の例による靴システムの様々な部品は、当技術分野で公知の従来の方法を含む任意の所望の方法で作製することができる(たとえば、射出成形でミッドソール部材およびアウトソール部材を形成する)。
【0092】
D. 結論
本発明の様々な例について上記に説明したが、当業者には、本発明が、これらの例のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせをその範囲内に含むことが理解されよう。さらに、当業者には、上記の例が本発明を例示するものに過ぎないことが認識されよう。添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、様々な変更および修正を施すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉システムを含む上部部材と、
上部部材に固定的に係合され、外側主面が少なくとも第1の係合要素を含み、外側主面の少なくとも大部分が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていない、ミッドソール部材と、
ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であるアウトソール部材とを含み、
アウトソール部材の内側主面が、ミッドソール部材の第1の係合要素に係合する第2の係合要素を少なくとも含み、
アウトソール部材の外側主面が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計され、
アウトソール部材が、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域をさらに含み、上部含有領域が、密閉システムを少なくとも部分的に覆う
、靴。
【請求項2】
ミッドソール部材の踵領域に配置された第1の取り付け要素と、
アウトソール部材の踵領域に配置され、第1の取り付け要素に係合可能であり、アウトソール部材を少なくとも部分的にミッドソール部材に取り付ける第2の取り付け要素とをさらに含む、請求項1記載の靴。
【請求項3】
第1の取り付け要素および第2の取り付け要素を適切に係合させると、適切に係合されたことが表示される、請求項2記載の靴。
【請求項4】
適切に係合されたことの表示は、聴覚表示または視覚表示の少なくとも一方である、請求項3記載の靴。
【請求項5】
アウトソール部材は、アウトソール部材の少なくともある部分がミッドソール部材上に取り付けられたときに伸びるように弾性材料で構成される、請求項1記載の靴。
【請求項6】
アウトソール部材の外側主面に取り付けられた第1のアウトソール要素をさらに含む、請求項1記載の靴。
【請求項7】
第1のアウトソール要素は、アウトソール部材の外側主面が第1のアウトソール要素の摩耗インジケータとして働くようにアウトソール部材の外側主面とは異なる色を有する、請求項6記載の靴。
【請求項8】
アウトソール部材の外側主面は、少なくとも一部が第1の色材料で作製され、アウトソール部材は、第2の色材料で作製された摩耗インジケータ部をさらに含む、請求項1記載の靴。
【請求項9】
摩耗インジケータ部は、アウトソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間に配置される、請求項8記載の靴。
【請求項10】
上部部材は、アウトソール部材の上部含有領域に取り付け可能である、請求項1記載の靴。
【請求項11】
上部部材は、密閉システムを使用してアウトソール部材の上部含有領域に取り付け可能である、請求項10記載の靴。
【請求項12】
ミッドソール部材の外側主面およびアウトソール部材の内側主面の少なくとも一方は、そこに塗布され、ミッドソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間の摩擦係数を増加させる組成物を含む、請求項1記載の靴。
【請求項13】
アウトソール部材に含まれる摩耗インジケータ部をさらに含む、請求項1記載の靴。
【請求項14】
摩耗インジケータ部は、アウトソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間に配置される、請求項13記載の靴。
【請求項15】
第1の係合要素は、ミッドソール部材の外側主面に形成された溝を含み、第2の係合要素は、アウトソール部材の内側主面に形成された隆起したリブを含み、隆起したリブは溝に嵌り込む、請求項1記載の靴。
【請求項16】
第1の係合要素は、ミッドソール部材の外側主面に形成された隆起したリブを含み、第2の係合要素は、アウトソール部材の内側主面に形成された溝を含み、隆起したリブは溝に嵌り込む、請求項1記載の靴。
【請求項17】
アウトソール部材の外側主面の少なくとも一部は、少なくとも60ショアA硬度を有する弾性材料で構成される、請求項1記載の靴。
【請求項18】
テニスをする際の使用のために設計される、請求項1記載の靴。
【請求項19】
アウトソール部材は、ハードコート表面上でテニスをする際の使用のために設計される、請求項1記載の靴。
【請求項20】
密閉システムを含む上部部材と、
上部部材に固定的に係合され、外側主面がそこに形成された第1の溝要素を少なくとも含む、ミッドソール部材と、
ミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能なアウトソール部材とを含み、
アウトソール部材の内側主面が、ミッドソール部材に形成された第1の溝要素に係合する第1の隆起したリブ要素を少なくとも含み、アウトソール部材が、上部部材上を延びかつ上部部材を部分的に含む上部含有領域をさらに含み、上部含有領域が、密閉システムを少なくとも部分的に覆う
、靴。
【請求項21】
第1の溝要素は、ミッドソール部材の実質的に長手方向に延び、第1の隆起したリブ要素は、アウトソール部材の実質的に長手方向に延びる、請求項20記載の靴。
【請求項22】
ミッドソール部材の外側主面は、そこに形成された第2の溝要素を含み、アウトソール部材の内側主面は、第2の溝要素に係合する第2の隆起したリブ要素を含む、請求項21記載の靴。
【請求項23】
第2の溝要素は、ミッドソール部材の長手方向に対して実質的に横方向に延び、第1の隆起したリブ要素は、アウトソール部材の長手方向に対して実質的に横方向に延びる、請求項22記載の靴。
【請求項24】
第2の溝要素は、ミッドソール部材の実質的に長手方向に延び、第1の隆起したリブ要素は、アウトソール部材の実質的に長手方向に延びる、請求項22記載の靴。
【請求項25】
アウトソール部材は、アウトソール部材の少なくともある部分がミッドソール部材上に取り付けられたときに伸びるように弾性材料で構成される、請求項20記載の靴。
【請求項26】
アウトソール部材の外側主面に取り付けられた第1のアウトソール要素をさらに含む、請求項20記載の靴。
【請求項27】
第1のアウトソール要素は、アウトソール部材の外側主面が第1のアウトソール要素の摩耗インジケータとして働くようにアウトソール部材の外側主面とは異なる色を有する、請求項26記載の靴。
【請求項28】
第1の溝要素は、ミッドソール部材の長手方向に対して実質的に横方向に延び、第1の隆起したリブは、アウトソール部材の長手方向に対して実質的に横方向に延びる、請求項20記載の靴。
【請求項29】
上部部材は、アウトソール部材の上部含有領域に取り付け可能である、請求項20記載の靴。
【請求項30】
上部部材は、密閉システムを使用してアウトソール部材の上部含有領域に取り付け可能である、請求項29記載の靴。
【請求項31】
ミッドソール部材の外側主面およびアウトソール部材の内側主面の少なくとも一方は、そこに塗布され、ミッドソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間の摩擦係数を増加させる組成物を含む、請求項20記載の靴。
【請求項32】
ミッドソール部材または上部部材の踵領域に配置された第1の取り付け要素と、
アウトソール部材の踵領域に配置された第2の取り付け要素とをさらに含み、
第2の取り付け要素が第1の取り付け要素に係合可能であり、アウトソール部材を少なくとも部分的にミッドソール部材または上部部材に取り付ける、
請求項20記載の靴。
【請求項33】
第1の取り付け要素および第2の取り付け要素を適切に係合させると、適切に係合されたことが表示される、請求項32記載の靴。
【請求項34】
適切に係合されたことの表示は、聴覚表示または視覚表示の少なくとも一方である、請求項33記載の靴。
【請求項35】
アウトソール部材の外側主面は、少なくとも一部が第1の色材料で作製され、アウトソール部材は、第2の色材料で作製された摩耗インジケータ部をさらに含む、請求項20記載の靴。
【請求項36】
摩耗インジケータ部は、アウトソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間に配置される、請求項35記載の靴。
【請求項37】
アウトソール部材の外側主面の少なくとも一部は、少なくとも60ショアA硬度を有する弾性材料で構成される、請求項20記載の靴。
【請求項38】
靴はテニスをする際の使用のために設計される、請求項20記載の靴。
【請求項39】
アウトソール部材は、ハードコート表面上でテニスをする際の使用のために設計される、請求項20記載の靴。
【請求項40】
アウトソール部材に含まれた摩耗インジケータ部をさらに含む、請求項20記載の靴。
【請求項41】
摩耗インジケータ部は、アウトソール部材の外側主面とアウトソール部材の内側主面との間に配置される、請求項40記載の靴。
【請求項42】
(a)第1の密閉システムを有する第1の上部部材、および(b)第1の上部部材に固定的に係合された第1のミッドソール部材を含み、第1のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていない、第1の靴ベースと、
(a)第2の密閉システムを有する第2の上部部材、および(b)第2の上部部材に固定的に係合された第2のミッドソール部材を含み、第2のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分が、地面に直接接触する活動での使用向けに設計されていない、第2の靴ベースと、
第1のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、外側主面が地面に直接接触する活動での使用向けに設計された第1のアウトソール部材であって、第1の上部部材上を延びかつ第1の上部部材を含む第1の上部含有領域をさらに含み、第1の上部含有領域が第1の密閉システムを少なくとも部分的に覆う、第1のアウトソール部材と、
第2のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、外側主面が地面に直接接触する活動での使用向けに設計された第2のアウトソール部材であって、第2の上部部材上を延びかつ第2の上部部材を含む第2の上部含有領域をさらに含み、第2の上部含有領域が第2の密閉システムを少なくとも部分的に覆う、第2のアウトソール部材と、
第1のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、外側主面が地面に直接接触する活動での使用向けに設計された第3のアウトソール部材であって、第1の上部部材上を延びかつ第1の上部部材を含む第3の上部含有領域をさらに含み、第3の上部含有領域が第1の密閉システムを少なくとも部分的に覆う、第3のアウトソール部材と、
第2のミッドソール部材の外側主面の少なくとも大部分の上に取り外し可能に取り付け可能であり、外側主面が地面に直接接触する活動での使用向けに設計された第4のアウトソール部材であって、第2の上部部材上を延びかつ第2の上部部材を含む第4の上部含有領域をさらに含み、第4の上部含有領域が第2の密閉システムを少なくとも部分的に覆う、第4のアウトソール部材と
を含む、靴システム。
【請求項43】
少なくとも第1のアウトソール部材および第2のアウトソール部材の各々は、その外側主面に取り付けられた少なくとも1つのアウトソール要素をさらに含む、請求項42記載の靴システム。
【請求項44】
アウトソール要素の少なくともある部分は、アウトソール部材の外側主面がアウトソール要素の該部分の摩耗インジケータとして働くようにアウトソール部材の外側主面とは異なる色を有する、請求項43記載の靴システム。
【請求項45】
(a)第1のミッドソール部材の外側主面は、第1の係合要素を含み、(b)第1のアウトソール部材の内側主面は、第1の係合要素に係合可能な第2の係合要素を含み、(c)第3のアウトソール部材の内側主面は、第1の係合要素に係合可能な第3の係合要素を含み、
(a)第2のミッドソール部材の外側主面は、第4の係合要素を含み、(b)第2のアウトソール部材の内側主面は、第4の係合要素に係合可能な第5の係合要素を含み、(c)第4のアウトソール部材の内側主面は、第4の係合要素に係合可能な第6の係合要素を含む、
請求項42記載の靴システム。
【請求項46】
(a)第1の係合要素は、第1のミッドソール部材の外側主面に形成された溝を含み、(b)第2の係合要素は、第1のアウトソール部材の内側主面に形成され、第1のミッドソール部材の溝に嵌る隆起したリブを含み、(c)第3の係合要素は、第3のアウトソール部材の内側主面に形成され、第1のミッドソール部材の溝に嵌る隆起したリブを含み、
(a)第4の係合要素は、第2のミッドソール部材の外側主面に形成された溝を含み、(b)第5の係合要素は、第2のアウトソール部材の内側主面に形成され、第2のミッドソール部材の溝に嵌る隆起したリブを含み、(c)第6の係合要素は、第4のアウトソール部材の内側主面に形成され、第2のミッドソール部材の溝に嵌る隆起したリブを含む、
請求項45記載の靴システム。
【請求項47】
第1および第2のアウトソール部材は、第1の地面タイプ上での使用向けに設計され、第3および第4のアウトソール部材は、第1の地面タイプとは異なる第2の地面タイプ上での使用向けに設計される、請求項42記載の靴システム。
【請求項48】
第1の地面タイプは第1のタイプのテニス・コート表面であり、第2の地面タイプは第2のタイプのテニス・コート表面である、請求項47記載の靴システム。
【請求項49】
第1、第2、第3、および第4のアウトソール部材は第1の地面タイプ上での使用向けに設計される、請求項42記載の靴システム。
【請求項50】
第1の地面タイプはテニス・コート表面である、請求項49記載の靴システム。
【請求項51】
テニスをする際の使用のために設計される、請求項42記載の靴システム。
【請求項52】
イベントが実施される表面のタイプを判定する段階;
少なくとも部分的に、表面のタイプに基づいて一対のアウトソール部材を選択する段階;および
一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材に取り外し可能に取り付ける段階
を含む方法。
【請求項53】
イベントはテニス・イベントであり、表面はテニス・コート表面である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
テニス・イベントが実施される位置での少なくとも1つの条件を判定する段階をさらに含み、判定された条件が、選択する段階において追加的に考慮される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
判定される条件は、周辺気温、コート表面温度、予想される競技中の高い周辺気温、予想される競技中の低い周辺気温、予想される競技中の高いコート表面温度、予想される競技中の低いコート表面温度、周囲湿度、降水の有無、および予想される降水の有無からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を含む一対の靴を着用してテニスをする段階をさらに含む、請求項53記載の方法。
【請求項57】
一対の靴を着用してテニス競技を始めた後で、一対の靴ベース部材から一対のアウトソール部材を取り外す段階;
一対の靴ベース部材に新しい一対のアウトソール部材を取り外し可能に取り付ける段階;および
新しい一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を着用してテニスを再開する段階
をさらに含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
テニスを再開する前にテニス・コート表面を変更する段階をさらに含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
テニス競技は、競技が最初に始められたのと同じテニス・コート表面上で再開される、請求項57記載の方法。
【請求項60】
イベントが実施される位置での少なくとも1つの条件を判定する段階をさらに含み、判定された条件が、選択する段階において追加的に考慮される、請求項52記載の方法。
【請求項61】
判定される条件は、周辺気温、表面温度、予想されるイベント中の高い周辺気温、予想されるイベント中の低い周辺気温、予想されるイベント中の高い表面温度、予想されるイベント中の低い表面温度、周囲湿度、降水の有無、および予想される降水の有無からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を含む一対の靴を着用してイベントを実施する段階をさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項63】
一対の靴を着用してイベントの実施を開始した後で、一対の靴ベース部材から一対のアウトソール部材を取り外す段階;
一対の靴ベース部材に新しい一対のアウトソール部材を取り外し可能に取り付ける段階;および
新しい一対のアウトソール部材が取り付けられた一対の靴ベース部材を着用してイベントの実施を再開する段階
をさらに含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
イベントの実施を再開する前にイベントの表面を変更する段階をさらに含む、請求項63記載の方法。
【請求項65】
競技は、競技が最初に始められたのと同じ表面上で再開される、請求項63記載の方法。
【請求項66】
一対の靴ベース部材に取り付けられた一対のアウトソール部材の少なくとも一つが摩耗しているかどうか、またはその他の点で使用に不適切であるかどうかを判定する段階をさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項67】
一対の靴ベース部材に取り付けられた一対のアウトソール部材の少なくとも一つが摩耗している、またはその他の点で使用に不適切であると判定される際に、
一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材から取り外す段階;および
新しい一対のアウトソール部材を一対の靴ベース部材に取り外し可能に取り付ける段階をさらに含む、請求項66記載の方法。
【請求項68】
一対のアウトソール部材の少なくとも一つが摩耗しているかどうか、またはその他の点で使用に不適切であるかどうかを判定する段階は、一対のアウトソール部材を目視検査して、アウトソール部材に設けられた摩耗インジケータ層が見えるかどうかを判定する段階を含む、請求項67記載の方法。
【請求項69】
摩耗インジケータ層は、アウトソール部材の外側主面とは異なる色を有する、請求項68記載の方法。
【請求項70】
一対のアウトソール部材の少なくとも一つが摩耗しているかどうか、またはその他の点で使用に不適切であるかどうかを判定する段階は、一対のアウトソール部材を目視検査して、アウトソール部材に設けられた摩耗インジケータ層が見えるかどうかを判定する段階を含む、請求項66記載の方法。
【請求項71】
摩耗インジケータ層は、アウトソール部材の外側主面とは異なる色を有する、請求項70記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−41822(P2011−41822A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239151(P2010−239151)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【分割の表示】特願2007−541195(P2007−541195)の分割
【原出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】