交換可能な共同動作モジュールを有する薬物供給装置およびその製造方法
本発明は薬物供給装置とこのような装置の製造方法に関する。本発明の目的は、異なる状態の所定のユーザの異なる要求と、異なるユーザの異なる要求に対して容易に調節され、製造の点から経済的な手近な薬物供給装置を与えることである。この問題は、基本モジュール（１）と、特別な機能を与えるようにそれぞれ基本モジュールと機械的および／または電子的に協同するように構成された１以上の交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）を備え、基本モジュールは交換可能なモジュールにより結合して使用されるリソースを含むことにより解決される。これは主要なコンポーネントの重複をなくすことによって機能に関する個々のユーザの要求にカスタマイズでき、経済的な高品質の大量生産装置の合理的な概念を与える。本発明は異なるまたは連続した薬物の投与量をユーザへ供給するためインジェクタタイプ、薬物ポンプタイプ、噴霧器またはスプレータイプの装置で使用されることができる。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬物の自己治療用薬物システムに関し、特に薬物供給装置に関し、さらに薬物供給装置の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ある種類の供給装置を使用して頻繁に薬物を取らなければならない人にとって、治療に関する異なるオプションは異なる状態において便利である。
【０００３】
さらに、薬物供給装置の製造者にとっては、装置をその潜在的な買い手の要求と願望（より“機能性”に適応する設計を含む）にカスタマイズし、同時に経済的に見合うことが重要である。
【０００４】
米国特許第A-5,925,021 号明細書には薬物投与に関する種々のデータを記録し解析し、視覚化するためにマイクロプロセッサとディスプレイを使用する薬物供給装置が開示されている。種々の機能を行う単一の全て１つになった装置が与えられている。
【０００５】
国際特許出願WO-A-99/59657 号明細書には糖尿病の医学的自己治療のため患者により使用される医療装置が開示されている。種々の機能ユニットはコンパクトな装置に物理的に共に結合されている。使用中、各機能ユニットは個々に使用される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の問題は、多機能装置がある状態で必要とされるよりも多くの機能を与え、したがって動作が複雑になり必要以上にかさ張り高価になる等の欠点があることである。個別に使用されている協同動作をしない物理的に結合された個々のユニットを具備する装置は携帯するのに便利であり、必要な機能ユニットを持ち歩くことを確実にするが、これらが機械的に別々であり、独立して操作されなければならない点で使用に不便である。
【０００７】
本発明の目的は、異なる状態において所定のユーザの異なる必要性と、異なるユーザの異なる必要性に対応して容易に調節され、製造の点からも経済的である手近な薬物供給装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この目的は本発明により達成される。本発明は基本モジュールと、特別な機能を与えるようにそれぞれ基本モジュールと機械的および／または電子的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュールとを具備し、基本モジュールは交換可能なモジュールにより結合して使用されるリソースを含んでいる。
【０００９】
本発明の文脈では、用語“薬物供給装置”は液体薬物（恐らく小さい滴の形状の）の異なる投与量を供給するための（ペンインジェクタまたはジェットインジェクタのような）インジェクタタイプの装置、液体の薬物の連続的な供給用の医療用ポンプ、気化、“原子化”または微粉の形状の薬物の個々のまたは連続した投与量を供給するための噴霧器、スプレー等を意味する。
【００１０】
本発明の文脈では、用語“交換可能なモジュール”は所定の状態のユーザの要求にしたがって基本モジュールに便宜的に付加され、または基本モジュールから除去されることのできる前記モジュールを意味している。即ち、各交換可能なモジュールは異なる交換可能なモジュールと取換え可能であり、これは基本モジュールと共に異なる機能を与える。さらに、薬物供給装置の製造者は、“標準的な”モジュールの集合から１以上の交換可能なモジュールと結合することによって同じ基本モジュール（または複数の基本モジュール）に基づいて装置の幾つかの異なる“モデル”を調節し、標準的なコンポーネント（または基礎単位）を使用し経済的な方法でそれを行うことを可能にする組み合わされた利点を実現することができる。さらに、装置を組立てるモジュール方法により、各モジュールは基本モジュールおよび他の交換可能なモジュールに対して標準的な機械的および（関連するならば）電気的インターフェースを有し、ユーザは現在の要求にしたがって最小の構成の装置を購入し、その後、成り行きにしたがって装置を“アップグレード”することが可能である。
【００１１】
基本モジュールは薬物供給装置の基本エレメントを具備している。基本モジュールの幾つかのまたは全ての基本エレメントは異なる機能を与えるために異なる交換可能なモジュールにより利用されることができる。
【００１２】
必要性にしたがって薬物供給装置をフレキシブルに構成する可能性は以下のような組合わされた利点を有する。
・家庭内の使用対家庭外での使用等の短期間の変更と、治療の変更、新しい機能モジュールによる長期間の変更から生じる個々のユーザの必要性を満足させることを可能にする。
・限定された数の機能モジュール周辺に薬物供給装置の製造の組立てを可能にする。これは装置のモジュール構造を維持しながら、主要なコンポーネントの重複をなくすことによって機能に関する個々のユーザの要求にカスタマイズすることができる経済的な供給を行う高品質の大量生産装置の合理的な概念を与える。
【００１３】
基本モジュールが少なくとも薬物カートリッジを保持する手段と、前記薬物カートリッジ中に含まれている薬物の一部または全部を前記薬物カートリッジからユーザへ転送する手段と、１以上の交換可能なモジュールを受入れる手段と、電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールへ供給する手段とを具備するとき、ユーザへの薬物の転送を付勢し電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールの全ての他の電気コンポーネントに供給する手段を含んでいる薬物カートリッジからユーザへ投与量を供給するための基本コンポーネントが与えられることが確証される。
【００１４】
基本モジュールが薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段をさらに具備するとき、個々の機能は電子的に駆動され制御され、これは一般的に信頼性と正確性を改良し、異なる機能モジュールからのデータはインテリジェントな結果を生成するためにユーザ出力と結合され、ユーザの快適さと安全性を改良し、薬物投与プロセスの経歴が生成されることを確実にする。
【００１５】
好ましい実施形態では、前記薬物カートリッジは交換可能であり、出口と可動壁とを有し、可動壁が出口の方向に変位されるとき、前記出口を通ってカートリッジ外に内容物を押出す。
【００１６】
前記薬物カートリッジの出口が交換可能なカテーテルに接続され、薬物をユーザへ転送する手段は連続モードで動作するように構成されており、それによって薬物が前記カテーテルの出口を通ってカートリッジ外に押出されるとき、連続的な投与量プロフィールがユーザへ供給されることが確証される。
【００１７】
好ましい実施形態では、前記薬物カートリッジからユーザへ薬物の一部または全部を転送する手段は少なくとも可動壁と結合して変位するように動作するピストンロッドと、電気的に駆動される付勢手段と、この電気的に駆動される付勢手段からピストンロッドへ運動を伝達する駆動手段とを具備している。
【００１８】
交換可能なモジュールを受入れる手段が交換可能なモジュールを機械的に受入れて、それを基本モジュールに固定する手段と、交換可能なモジュールを基本モジュールの電気手段と電気エネルギを供給する手段とに電気的に接続する手段とを具備するとき、交換可能なモジュールを基本モジュールに機械的および電気的に結合するための“標準的な”インターフェースが与えられることが確実にされる。付勢手段がバッテリパックの形態で設けられるならば、装置は“移動中”のときにも使用されることができ、エネルギ供給は例えば移動体電話で開発されているように（再充電可能または再充電可能ではないバッテリに基づいて）標準的なバッテリ技術を使用して与えられることが確実にされる。
【００１９】
好ましい実施形態では、薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段は交換可能なモジュール自体中に含まれている。
【００２０】
前記電子手段が少なくとも、前記電気的に駆動される付勢手段からピストンロッドへ運動を伝達するための駆動手段により電気的に駆動される付勢手段の制御によって可動壁のピストンロッドによる変位を制御することにより供給される投与量を制御する手段と、前記可動壁の前記変位に対応して供給される薬物量を監視する手段と、ユーザからのデータを入力する手段と、データを記憶するメモリ手段と、交換可能なモジュールと通信する手段と、基本モジュールと交換可能なモジュールの機能を制御する手段と、入力データを処理し交換可能なモジュールから受信された処理データとメモリ手段に記憶された処理データを処理する手段と、データを視覚化するディスプレイとを具備しているとき、供給される投与量は電子的に制御され、純粋に機械的な解決策と比較して正確性の改良を可能にし、時間にわたって使用される薬物とカートリッジ中の薬物の現在の残り量の記録等が生成されることを確実にする。さらに、供給装置の種々の機能モジュールとユーザ入力からの情報は中央に記憶され、解析され、各個々の交換可能なモジュールに対する制御信号はそれに基づいて転送され、関連情報がユーザに示されることが確実にされる。さらに、供給装置の各交換可能なモジュールの正確な機能と基本モジュールとの協同動作のチェックが確実にされ、チェックの結果が否定的であるならば、警報が発せられるか、目的とする動作が遮断されることも確実にされる。
【００２１】
前記カートリッジが交換可能な薬物カートリッジを保持する手段中に位置されるとき、電子手段が交換可能な薬物カートリッジ上の情報のアイテムを読取る手段を含むとき、薬物カートリッジの内容物を読取ってチェックするプロセスは自動化され、薬物の処理において高い度合いの安全性を与えることが確実にされる。
【００２２】
前記電子手段がユーザデータ、機能チェック処理手順、ユーザ権限付与処理手順を含んでいるユーザ特定装置を受取るように構成されているとき、供給装置の各交換可能なモジュールの正確な機能と基本モジュールとの協同動作のチェックと、供給装置の許可されていない使用を防止するためのユーザＩＤのチェックが実際のユーザ特定データにカスタマイズされている単一の恐らく交換可能な装置と、恐らくユーザが権利を有する機能を選択的に含む本発明の装置構造で行われることを確実にする。その代わりに、処理手段はパワーがオンに切換えられるとき、ソフトウェアを含んでいる基本モジュールおよび交換可能なモジュールに関して本発明の装置の構成を識別するように構成されてもよい。
【００２３】
好ましい実施形態では、ユーザ特定装置はチップカードである。
【００２４】
交換可能なモジュールは以下のグループ、即ち、・血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる交換可能なモジュールと、・血液のグルコースを連続的に測定するためのシステムを含んでいる交換可能なモジュールと、・データ通信ネットワークとの通信を可能にするためのモデムを含んでいる交換可能なモジュールと、・他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる交換可能なモジュールと、・パーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる交換可能なモジュールと、・移動体電話の機能を含んでいる交換可能なモジュールと、・高声器を含んでいる交換可能なモジュールと、・マイクロホン、高声器、スピーチ認識用プロセッサおよびソフトウェアを含んでいる音声インターフェースを行うための交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し制御するための手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・ある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的な信号を与える手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物供給装置の振動運動を検出する手段と、ある振動動作量が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュールと、・設定可能な速度、制御時間スケール、最大の供給された投与量等で薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物供給装置により監視されているあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・ユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・左利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュールと、・右利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュールと、・連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を転送するための手段を制御することにより、カテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールを供給する手段を含んでいる交換可能なモジュールとからなるグループから選択されるとき、 薬物供給装置は標準化された構成単位に基づいて、広範囲の機能的に異なる装置に構成されることを確実にする。
【００２５】
基本モジュールと交換可能なモジュールが交換可能なカバーを設けられると、医療装置の設計または外見は瞬間的なユーザの要望、例えば衣服に合うように調節されることが確実にされる。
【００２６】
基本モジュールがロックされ、特定のソフトウェアキーおよび／またはソフトウェア更新によってのみユーザに利用可能にされる機能を含んでいるとき、幾つかの機能は単一モードで与えられ、適切であるならば、各機能の使用は特別なキーワードの入力および／またはソフトウェア更新に基づいていることを確実にする。これはハードウェアおよび／またはソフトウェア構成で関連／オーバーラップされるある機能と関連性を与える。
【００２７】
さらに、本発明により薬物供給装置の製造方法が提供される。これが以下のステップ、即ち、・（ａ）共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し、構成し、・（ｂ）特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電子的に共同して動作するようにそれぞれ構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し、構成し、・（ｃ）可能な機能の選択に基づいて要求にしたがって機能の構成を決定し、・（ｄ）関連する基本モジュールと１以上の交換可能なモジュールとの結合によって、決定された機能を実行する装置を構成し、・機能の要求を変更する場合、恐らくステップ（ｃ）および（ｄ）を反復するステップを含んでいるとき、請求項１で説明したのと同様の利点が実現される。
【００２８】
要求にしたがって機能の構成を決定するステップと、決定された機能を実行する装置を構成するステップが装置のユーザにより行われるとき、家庭内の使用対家庭外の使用等の短期間の変更と、治療の変更、新しい機能モジュールの開発等による長期の変更から生じる個々のユーザの要求の実現が可能にされることを確実にする。
【００２９】
要求にしたがった機能の構成を決定し、決定された機能を実行する装置を構成するステップが装置の製造業者または供給業者により行われるとき、限定された数の機能モジュール周辺に異なる構造の薬物供給装置の製品を組立てることが可能である。これは主要コンポーネントの重複をなくすことにより機能に対する個々のユーザの要求にカスタマイズされることができる経済的な高品質の大量生産装置の合理的な概念を与える。
【００３０】
ユーザによりその構成モジュールに分離されることができないように、装置をロックするステップをさらに含んでいるとき、供給されるときの最終的な装置の正確な機能の責任は装置をそれぞれ使用する前に特別なチェックルーチンを行わずに装置の製造業者／供給業者により保証される。
【００３１】
【発明の実施の形態】
本発明を好ましい実施形態と参照図面とにより、以下十分に説明する。 図面は明瞭にするために概略的で簡単にされており、本発明を理解するために必須な部分の詳細部を示し、他の詳細は省略されている。全体を通して、同一の参照符号は同一または対応する部分に対して使用されている。
【００３２】
出口を有する交換可能なカートリッジでピストンを動かすためピストンロッドを動かす電気機械装置と、薬物供給プロセスを制御する処理装置等に基づくモジュールはＩ／Ｏコンポーネントと共に本発明の以下の実施形態のベース装置であり、これに異なる交換可能なモジュールがＢＧＭ、視覚障害者用の音声インターフェース等の異なる応用を与えるように取付けられることができる。
【００３３】
図１はそのモジュール構成を示している本発明にしたがった注射装置を示している。
【００３４】
図１のａは供給プロセスおよびその制御に必要な基本的な機械的および電気的リソースを含んでいる基本モジュール１を示しており、種々の交換可能なモジュール２、３、４、５、６はそれぞれ基本モジュールのリソースと共に、特別な機能を実行する。交換可能なモジュールはハードウェア（および随意選択的にソフトウェア）２、３、４から構成されるか、純粋なソフトウェアモジュール５、６であってもよい。薬物供給装置の視覚的な印象を規定する特別なカバーモジュールが７、８、９で示されている。これらのカバーは異なる色であり、異なる材料から作られ、異なる表面および形状を有していてもよい。カバーは製造中に取付けられ、それによって装置は標準的なまたは予め選択されたカバーに取付けられ、これは後にユーザの好みにしたがって他のカバーと交換されてもよい。カバーの材料は、弾性または発光性または撥水性等の異なる特別な特性を有していてもよい。カバーは薬物供給装置の防水または耐水性の包囲物を構成してもよい。
【００３５】
図１のｂには基本モジュール１と、２つの交換可能なハードウェアモジュール３、４と、基本モジュールのメモリ中にロードされたソフトウェアモジュール５とからなる薬物供給装置が示されている。装置はカバーモジュール８、９によって完成されている。
【００３６】
図１のｃには基本モジュール１と、３つの交換可能なハードウェアモジュール２、３、４と、交換可能なモジュール４のメモリ中にロードされたソフトウェアモジュール６とからなる薬物供給装置が示されている。装置はカバーモジュール７、９によって完成されている。
【００３７】
図１のｂとｃに示された薬物供給装置は現在の要求にしたがって装置のユーザにより、または代わりに装置の供給業者により一緒に組立てられてもよい。
【００３８】
図２は投薬のための基本的なリソースを含んでいる本発明による基本モジュールの好ましい実施形態を示している。
【００３９】
図２は本発明によるペンタイプの注入装置の基本モジュール１の１実施形態を示しており、ここでは出口121 の端部と、それに対向する端部にピストン122 として形成されている蓋を有する円筒形の交換可能な薬物カートリッジ12が対応する受容手段11中に位置されている。受容手段11はカートリッジ12の出口121 側の端部の開口111 と、ピストンロッド15の他方の端部の開口112 とを有する。ピストンを変位させるためにピストンと相互動作するように構成されたピストンロッドはよりコンパクトな構造を可能にするため１８０度屈折して形成されている。しかしながら、同様にこれは通常の直線のピストンロッドとして構成されてもよい。導電体18によりバッテリまたはバッテリパック17から付勢される電気モータ13は駆動手段14およびピストンロッド上の対応する駆動手段（図示せず）と結合されてその軸方向にピストンロッドを変位させ、したがってピストンが変位して、薬物を出口121 を通ってカートリッジ外に押出す。図２では基本モジュールはペンタイプの注入装置用に構成され、出口は使い捨て針の形態であるが、ジェットインジェクタの場合、小さい使い捨てチューブの形態でもよい。ピストンロッド15は円筒形の軸方向では堅いが放射状に突出しており、捩子（図示せず）が設けられており、その捩子は外周上のギアホイール（図示せず）を設けられた駆動ナットおよび、モータ上の対応する協同ギアホイール（図示せず）と共に、モータ13からピストンロッド15への運動を転送するための駆動手段14を構成する。交換可能なモジュール（例えば図１の２、３、４）を受ける手段16は導体18により交換可能なモジュールにパワー供給し、基本モジュールと交換可能なモジュール（図３参照）との間でのデータ転送を可能にするための１以上のコネクタの形態の電気インターフェース161 を含んでいる。
【００４０】
図３は投薬のための基本的なリソースと電子処理手段とを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示している。
【００４１】
図２の特徴に加えて、図３は薬物処理プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュール（例えば図１の２、３、４）およびユーザと通信する電子手段31を含んでいる。交換可能なモジュールと電気モータへ信号を送信しまたはそれらから信号を受信する電気ワイヤ接続32は電子手段31から電気インターフェース161 、交換可能なモジュールおよびモータへ設けられている。電子手段31は電気モータ13と駆動手段14によるピストンロッドの正確な変位によりピストンの変位33を制御することによって特定の仕様にしたがって正確な投与量を供給するプロセスを制御するように構成されている処理手段（図４の311 ）を含んでいる。
【００４２】
図４は薬物供給プロセスを制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信するための基本モジュールの電子手段を示している。
【００４３】
本発明にしたがった基本モジュールの電子手段31はプロセッサ311 、メモリ手段313 （揮発性（例えばＲＡＭ）および非揮発性）、ユーザ入力と処理結果をユーザへ示すためのディスプレイ315 、薬物カートリッジ12の情報のアイテムを読取る手段316 、ユーザからデータを入力するためのユーザ入力装置312 （例えば恐らく限定されたキーボード）、およびユーザ特定データと随意的に機能チェック手順およびユーザ権限付与手順を含んでおり、恐らくチップカードの形態（移動体電話のＳＩＭカードのような）の制御装置314 とを具備している。電子手段31と電気モータ13と交換可能なモジュール２を付勢するためのバッテリ17とその接続18はプロセッサ311 、モータ13、交換可能なモジュールとの間の通信およびカートリッジ12から対応する読取り装置316 へ情報のアイテムを転送するための信号ワイヤ32と共に図４に示されている。
【００４４】
図５は本発明にしたがった交換可能なモジュールの選択を示している。
【００４５】
図５は本発明による薬物供給装置が基本的なモジュール（図１乃至３の１参照）と組合わせて構成されることができる種々の交換可能なモジュールを示している。以下の図５を参照して簡単に説明される交換可能なモジュールは単なる例示であり、本発明の技術的範囲内の関連するモジュールの徹底したリストを与えているわけではない。
【００４６】
交換可能なモジュール201 は血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる。
【００４７】
交換可能なモジュール202 は血液のグルコースを連続して測定するシステムを含んでいる。
【００４８】
交換可能なモジュール203 はインターネットまたは任意の他のローカルまたは地球規模のデータ通信ネットワークのようなデータ通信ネットワークとの通信を可能にするモデムを含んでいる。このモジュールはソフトウェアを装置にダウンロードし、装置の機能を遠隔的にチェックし、遠隔的に診断し、ユーザの権利付与を可能にする等に使用されることができる。
【００４９】
交換可能なモジュール204 は他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる、このモジュールは例えばブルーツース（Bluetooth ）標準等の他の装置と無線通信する１以上の標準方式、無線モデム、赤外線通信等を実行する。
【００５０】
交換可能なモジュール205 はパーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる。このモジュールは関連する電気コネクタインターフェースを含んでいる。
【００５１】
交換可能なモジュール206 は移動体電話の機能を含んでいる。
【００５２】
交換可能なモジュール207 は高声器を含んでいる。
【００５３】
交換可能なモジュール208 はマイクロホン、高声器、音声インターフェースを与えるために音声認識を行うスピーチ認識用のプロセッサおよびソフトウェアを含んでいる。このモジュールは例えば視覚障害者のための音声インターフェースを構成する。
【００５４】
交換可能なモジュール209 は薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる。このモジュールは薬物カートリッジが使用可能であるか否かを決定するために、例えば現在ロードされている薬物カートリッジが示している最小および最大温度についての情報をユーザに与えることを目的としている。
【００５５】
交換可能なモジュール210 は薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し制御するための手段を含んでいる。このモジュールは例えば（ある限界内で）装置が受ける温度にかかわりなく、現在ロードされた薬物が使用可能であることを確認することを目的としている。
【００５６】
交換可能なモジュール211 はある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的信号を与える手段を含んでいる。このモジュールは時間にわたるある所定の治療パターンをユーザが観察することを容易にすることを目的としている。
【００５７】
交換可能なモジュール212 は薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる。
【００５８】
交換可能なモジュール213 は薬物供給装置の振動（shake ）動作を検出する手段と、ある数の振動動作が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる。
【００５９】
交換可能なモジュール214 は設定可能な速度、（交換可能なモジュール211 で可能に使用するための）制御時間スケール、最大の投与供給量等において薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる。このモジュールは供給の速度プロフィールと、供給間の（最小および最大）時間と、供給される投与量等に関する薬物供給プロセスを制御することを目的としている。
【００６０】
交換可能なモジュール215 は薬物供給装置により監視されるあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる。このような関連イベントは薬物供給の時間、対応する量、恐らく薬物の温度、恐らく所定の供給に対する関連情報のユーザ入力（身体的／精神的ストレス等）である。
【００６１】
交換可能なモジュール216 は許可されていない装置の使用を防止するために予め限定された文字シーケンスをユーザが入力することを必要とすることによりユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる。
【００６２】
交換可能なモジュール217 は左利きの使用に適合したディスプレイを含んでいる。
【００６３】
交換可能なモジュール218 は右利きの使用に適合したディスプレイを含んでいる。
【００６４】
交換可能なモジュール219 は連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を供給する手段を制御することにより、一方の端部に針を有し他方の端部が薬物カートリッジの出口に接続されているカテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールで供給する手段を含んでいる。このモジュールは薬物の供給が（典型的に数秒の期間である注射タイプの供給とは異なって）ある長さの時間にわたって必要とされる状態で使用することを意図している。
【００６５】
図６は本発明にしたがった方法の好ましい実施形態を示している。
【００６６】
図６はモジュール方法で薬物供給装置を製造する方法を示している。プロセスはステップ61で開始され請求項２乃至１２で説明され、図１乃至４で示されているように基本コンポーネントと共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し構成するステップ62を実行する。それに平行して、またはそれに続いて、それぞれ特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電気的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し構成するステップ63が実行される。このような交換可能なモジュールの例は請求項１３に記載され、図５を参照にして前述された。次に、（例えば前述の交換可能なモジュールにより表される機能の中で）可能な機能の選択に基づいて、必要性にしたがって機能の構成を決定するステップ64が行われる。このステップは所定の状態の関連する構成をユーザが分類することによって、または装置の関連する機能を規定するプロセスで装置の製造業者または供給業者によって、特別なカスタマセグメントの必要性を満たすために実行されてもよい。その後、関連する基本モジュールと（先に概要を説明し図５で示した）１以上の交換可能なモジュールとを結合することによって決定された機能を実行する装置を構成または組立てるステップ65が実行される。
【００６７】
ユーザが種々の機能を実行するための交換可能なモジュールの集合を有するならば、現在の構造が現在の要求を満たすか否かを決定するステップ66が行われてもよい。ＯＫであるならば、プロセスは67で停止し、現在の構成が適切ではないならば、ステップ64と65が反復される。現在の構成が現在の要求を満たすか否かを決定する後者のプロセスが代わりに点68から開始され、これは装置がその状態の要求に適合しているか否かについてユーザが疑問をもっている通常の場合を表している。
【００６８】
装置がその装置の製造業者または供給業者により組立てられるならば、その製造業者または供給業者が装置の正確な機能を保証できるように、（それらを共に機械的および電子的に“ロック”することにより）ユーザがモジュールを分解して再組立てすることができないことを確実にすることが重要である。代わりに、チェック処理は装置の各パワーアップによって実行されてもよい。
【００６９】
幾つかの好ましい実施形態を前述したが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲に記載されている主な事項内で他の方法で実施されてもよいことが強調される。例えば、薬物供給プロセスを制御する前述の電子手段等は基本モジュールの一部であった。同様に、これは恐らく便宜的および／または経済的に幾つかの交換可能なモジュールに分割されているならば、交換可能なモジュールの一部である。同様に、前述の実施形態では、ただ１つの基本モジュールが参照されている。しかしながら、幾つかの異なる基本モジュールの選択の１つが薬物供給装置の中心を形成するようにしてもよい（例えば電子音響インターフェース、特別な電源等のような基本電子装置を多かれ少なかれ含んでいる）。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明にしたがった注射装置を示した概略図。
【図２】
投薬のための基本的なリソースを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示した図。
【図３】
投薬のための基本的なリソースと電子処理手段とを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示した図。
【図４】
薬物供給プロセスを制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信するための基本モジュールの電子手段を示したブロック図。
【図５】
本発明にしたがった交換可能なモジュールの選択を示した説明図。
【図６】
本発明にしたがった方法の好ましい実施形態を示したフロー図。
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬物の自己治療用薬物システムに関し、特に薬物供給装置に関し、さらに薬物供給装置の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ある種類の供給装置を使用して頻繁に薬物を取らなければならない人にとって、治療に関する異なるオプションは異なる状態において便利である。
【０００３】
さらに、薬物供給装置の製造者にとっては、装置をその潜在的な買い手の要求と願望（より“機能性”に適応する設計を含む）にカスタマイズし、同時に経済的に見合うことが重要である。
【０００４】
米国特許第A-5,925,021 号明細書には薬物投与に関する種々のデータを記録し解析し、視覚化するためにマイクロプロセッサとディスプレイを使用する薬物供給装置が開示されている。種々の機能を行う単一の全て１つになった装置が与えられている。
【０００５】
国際特許出願WO-A-99/59657 号明細書には糖尿病の医学的自己治療のため患者により使用される医療装置が開示されている。種々の機能ユニットはコンパクトな装置に物理的に共に結合されている。使用中、各機能ユニットは個々に使用される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の問題は、多機能装置がある状態で必要とされるよりも多くの機能を与え、したがって動作が複雑になり必要以上にかさ張り高価になる等の欠点があることである。個別に使用されている協同動作をしない物理的に結合された個々のユニットを具備する装置は携帯するのに便利であり、必要な機能ユニットを持ち歩くことを確実にするが、これらが機械的に別々であり、独立して操作されなければならない点で使用に不便である。
【０００７】
本発明の目的は、異なる状態において所定のユーザの異なる必要性と、異なるユーザの異なる必要性に対応して容易に調節され、製造の点からも経済的である手近な薬物供給装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この目的は本発明により達成される。本発明は基本モジュールと、特別な機能を与えるようにそれぞれ基本モジュールと機械的および／または電子的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュールとを具備し、基本モジュールは交換可能なモジュールにより結合して使用されるリソースを含んでいる。
【０００９】
本発明の文脈では、用語“薬物供給装置”は液体薬物（恐らく小さい滴の形状の）の異なる投与量を供給するための（ペンインジェクタまたはジェットインジェクタのような）インジェクタタイプの装置、液体の薬物の連続的な供給用の医療用ポンプ、気化、“原子化”または微粉の形状の薬物の個々のまたは連続した投与量を供給するための噴霧器、スプレー等を意味する。
【００１０】
本発明の文脈では、用語“交換可能なモジュール”は所定の状態のユーザの要求にしたがって基本モジュールに便宜的に付加され、または基本モジュールから除去されることのできる前記モジュールを意味している。即ち、各交換可能なモジュールは異なる交換可能なモジュールと取換え可能であり、これは基本モジュールと共に異なる機能を与える。さらに、薬物供給装置の製造者は、“標準的な”モジュールの集合から１以上の交換可能なモジュールと結合することによって同じ基本モジュール（または複数の基本モジュール）に基づいて装置の幾つかの異なる“モデル”を調節し、標準的なコンポーネント（または基礎単位）を使用し経済的な方法でそれを行うことを可能にする組み合わされた利点を実現することができる。さらに、装置を組立てるモジュール方法により、各モジュールは基本モジュールおよび他の交換可能なモジュールに対して標準的な機械的および（関連するならば）電気的インターフェースを有し、ユーザは現在の要求にしたがって最小の構成の装置を購入し、その後、成り行きにしたがって装置を“アップグレード”することが可能である。
【００１１】
基本モジュールは薬物供給装置の基本エレメントを具備している。基本モジュールの幾つかのまたは全ての基本エレメントは異なる機能を与えるために異なる交換可能なモジュールにより利用されることができる。
【００１２】
必要性にしたがって薬物供給装置をフレキシブルに構成する可能性は以下のような組合わされた利点を有する。
・家庭内の使用対家庭外での使用等の短期間の変更と、治療の変更、新しい機能モジュールによる長期間の変更から生じる個々のユーザの必要性を満足させることを可能にする。
・限定された数の機能モジュール周辺に薬物供給装置の製造の組立てを可能にする。これは装置のモジュール構造を維持しながら、主要なコンポーネントの重複をなくすことによって機能に関する個々のユーザの要求にカスタマイズすることができる経済的な供給を行う高品質の大量生産装置の合理的な概念を与える。
【００１３】
基本モジュールが少なくとも薬物カートリッジを保持する手段と、前記薬物カートリッジ中に含まれている薬物の一部または全部を前記薬物カートリッジからユーザへ転送する手段と、１以上の交換可能なモジュールを受入れる手段と、電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールへ供給する手段とを具備するとき、ユーザへの薬物の転送を付勢し電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールの全ての他の電気コンポーネントに供給する手段を含んでいる薬物カートリッジからユーザへ投与量を供給するための基本コンポーネントが与えられることが確証される。
【００１４】
基本モジュールが薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段をさらに具備するとき、個々の機能は電子的に駆動され制御され、これは一般的に信頼性と正確性を改良し、異なる機能モジュールからのデータはインテリジェントな結果を生成するためにユーザ出力と結合され、ユーザの快適さと安全性を改良し、薬物投与プロセスの経歴が生成されることを確実にする。
【００１５】
好ましい実施形態では、前記薬物カートリッジは交換可能であり、出口と可動壁とを有し、可動壁が出口の方向に変位されるとき、前記出口を通ってカートリッジ外に内容物を押出す。
【００１６】
前記薬物カートリッジの出口が交換可能なカテーテルに接続され、薬物をユーザへ転送する手段は連続モードで動作するように構成されており、それによって薬物が前記カテーテルの出口を通ってカートリッジ外に押出されるとき、連続的な投与量プロフィールがユーザへ供給されることが確証される。
【００１７】
好ましい実施形態では、前記薬物カートリッジからユーザへ薬物の一部または全部を転送する手段は少なくとも可動壁と結合して変位するように動作するピストンロッドと、電気的に駆動される付勢手段と、この電気的に駆動される付勢手段からピストンロッドへ運動を伝達する駆動手段とを具備している。
【００１８】
交換可能なモジュールを受入れる手段が交換可能なモジュールを機械的に受入れて、それを基本モジュールに固定する手段と、交換可能なモジュールを基本モジュールの電気手段と電気エネルギを供給する手段とに電気的に接続する手段とを具備するとき、交換可能なモジュールを基本モジュールに機械的および電気的に結合するための“標準的な”インターフェースが与えられることが確実にされる。付勢手段がバッテリパックの形態で設けられるならば、装置は“移動中”のときにも使用されることができ、エネルギ供給は例えば移動体電話で開発されているように（再充電可能または再充電可能ではないバッテリに基づいて）標準的なバッテリ技術を使用して与えられることが確実にされる。
【００１９】
好ましい実施形態では、薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段は交換可能なモジュール自体中に含まれている。
【００２０】
前記電子手段が少なくとも、前記電気的に駆動される付勢手段からピストンロッドへ運動を伝達するための駆動手段により電気的に駆動される付勢手段の制御によって可動壁のピストンロッドによる変位を制御することにより供給される投与量を制御する手段と、前記可動壁の前記変位に対応して供給される薬物量を監視する手段と、ユーザからのデータを入力する手段と、データを記憶するメモリ手段と、交換可能なモジュールと通信する手段と、基本モジュールと交換可能なモジュールの機能を制御する手段と、入力データを処理し交換可能なモジュールから受信された処理データとメモリ手段に記憶された処理データを処理する手段と、データを視覚化するディスプレイとを具備しているとき、供給される投与量は電子的に制御され、純粋に機械的な解決策と比較して正確性の改良を可能にし、時間にわたって使用される薬物とカートリッジ中の薬物の現在の残り量の記録等が生成されることを確実にする。さらに、供給装置の種々の機能モジュールとユーザ入力からの情報は中央に記憶され、解析され、各個々の交換可能なモジュールに対する制御信号はそれに基づいて転送され、関連情報がユーザに示されることが確実にされる。さらに、供給装置の各交換可能なモジュールの正確な機能と基本モジュールとの協同動作のチェックが確実にされ、チェックの結果が否定的であるならば、警報が発せられるか、目的とする動作が遮断されることも確実にされる。
【００２１】
前記カートリッジが交換可能な薬物カートリッジを保持する手段中に位置されるとき、電子手段が交換可能な薬物カートリッジ上の情報のアイテムを読取る手段を含むとき、薬物カートリッジの内容物を読取ってチェックするプロセスは自動化され、薬物の処理において高い度合いの安全性を与えることが確実にされる。
【００２２】
前記電子手段がユーザデータ、機能チェック処理手順、ユーザ権限付与処理手順を含んでいるユーザ特定装置を受取るように構成されているとき、供給装置の各交換可能なモジュールの正確な機能と基本モジュールとの協同動作のチェックと、供給装置の許可されていない使用を防止するためのユーザＩＤのチェックが実際のユーザ特定データにカスタマイズされている単一の恐らく交換可能な装置と、恐らくユーザが権利を有する機能を選択的に含む本発明の装置構造で行われることを確実にする。その代わりに、処理手段はパワーがオンに切換えられるとき、ソフトウェアを含んでいる基本モジュールおよび交換可能なモジュールに関して本発明の装置の構成を識別するように構成されてもよい。
【００２３】
好ましい実施形態では、ユーザ特定装置はチップカードである。
【００２４】
交換可能なモジュールは以下のグループ、即ち、・血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる交換可能なモジュールと、・血液のグルコースを連続的に測定するためのシステムを含んでいる交換可能なモジュールと、・データ通信ネットワークとの通信を可能にするためのモデムを含んでいる交換可能なモジュールと、・他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる交換可能なモジュールと、・パーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる交換可能なモジュールと、・移動体電話の機能を含んでいる交換可能なモジュールと、・高声器を含んでいる交換可能なモジュールと、・マイクロホン、高声器、スピーチ認識用プロセッサおよびソフトウェアを含んでいる音声インターフェースを行うための交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し制御するための手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・ある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的な信号を与える手段を含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物供給装置の振動運動を検出する手段と、ある振動動作量が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュールと、・設定可能な速度、制御時間スケール、最大の供給された投与量等で薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・薬物供給装置により監視されているあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・ユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュールと、・左利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュールと、・右利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュールと、・連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を転送するための手段を制御することにより、カテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールを供給する手段を含んでいる交換可能なモジュールとからなるグループから選択されるとき、 薬物供給装置は標準化された構成単位に基づいて、広範囲の機能的に異なる装置に構成されることを確実にする。
【００２５】
基本モジュールと交換可能なモジュールが交換可能なカバーを設けられると、医療装置の設計または外見は瞬間的なユーザの要望、例えば衣服に合うように調節されることが確実にされる。
【００２６】
基本モジュールがロックされ、特定のソフトウェアキーおよび／またはソフトウェア更新によってのみユーザに利用可能にされる機能を含んでいるとき、幾つかの機能は単一モードで与えられ、適切であるならば、各機能の使用は特別なキーワードの入力および／またはソフトウェア更新に基づいていることを確実にする。これはハードウェアおよび／またはソフトウェア構成で関連／オーバーラップされるある機能と関連性を与える。
【００２７】
さらに、本発明により薬物供給装置の製造方法が提供される。これが以下のステップ、即ち、・（ａ）共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し、構成し、・（ｂ）特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電子的に共同して動作するようにそれぞれ構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し、構成し、・（ｃ）可能な機能の選択に基づいて要求にしたがって機能の構成を決定し、・（ｄ）関連する基本モジュールと１以上の交換可能なモジュールとの結合によって、決定された機能を実行する装置を構成し、・機能の要求を変更する場合、恐らくステップ（ｃ）および（ｄ）を反復するステップを含んでいるとき、請求項１で説明したのと同様の利点が実現される。
【００２８】
要求にしたがって機能の構成を決定するステップと、決定された機能を実行する装置を構成するステップが装置のユーザにより行われるとき、家庭内の使用対家庭外の使用等の短期間の変更と、治療の変更、新しい機能モジュールの開発等による長期の変更から生じる個々のユーザの要求の実現が可能にされることを確実にする。
【００２９】
要求にしたがった機能の構成を決定し、決定された機能を実行する装置を構成するステップが装置の製造業者または供給業者により行われるとき、限定された数の機能モジュール周辺に異なる構造の薬物供給装置の製品を組立てることが可能である。これは主要コンポーネントの重複をなくすことにより機能に対する個々のユーザの要求にカスタマイズされることができる経済的な高品質の大量生産装置の合理的な概念を与える。
【００３０】
ユーザによりその構成モジュールに分離されることができないように、装置をロックするステップをさらに含んでいるとき、供給されるときの最終的な装置の正確な機能の責任は装置をそれぞれ使用する前に特別なチェックルーチンを行わずに装置の製造業者／供給業者により保証される。
【００３１】
【発明の実施の形態】
本発明を好ましい実施形態と参照図面とにより、以下十分に説明する。 図面は明瞭にするために概略的で簡単にされており、本発明を理解するために必須な部分の詳細部を示し、他の詳細は省略されている。全体を通して、同一の参照符号は同一または対応する部分に対して使用されている。
【００３２】
出口を有する交換可能なカートリッジでピストンを動かすためピストンロッドを動かす電気機械装置と、薬物供給プロセスを制御する処理装置等に基づくモジュールはＩ／Ｏコンポーネントと共に本発明の以下の実施形態のベース装置であり、これに異なる交換可能なモジュールがＢＧＭ、視覚障害者用の音声インターフェース等の異なる応用を与えるように取付けられることができる。
【００３３】
図１はそのモジュール構成を示している本発明にしたがった注射装置を示している。
【００３４】
図１のａは供給プロセスおよびその制御に必要な基本的な機械的および電気的リソースを含んでいる基本モジュール１を示しており、種々の交換可能なモジュール２、３、４、５、６はそれぞれ基本モジュールのリソースと共に、特別な機能を実行する。交換可能なモジュールはハードウェア（および随意選択的にソフトウェア）２、３、４から構成されるか、純粋なソフトウェアモジュール５、６であってもよい。薬物供給装置の視覚的な印象を規定する特別なカバーモジュールが７、８、９で示されている。これらのカバーは異なる色であり、異なる材料から作られ、異なる表面および形状を有していてもよい。カバーは製造中に取付けられ、それによって装置は標準的なまたは予め選択されたカバーに取付けられ、これは後にユーザの好みにしたがって他のカバーと交換されてもよい。カバーの材料は、弾性または発光性または撥水性等の異なる特別な特性を有していてもよい。カバーは薬物供給装置の防水または耐水性の包囲物を構成してもよい。
【００３５】
図１のｂには基本モジュール１と、２つの交換可能なハードウェアモジュール３、４と、基本モジュールのメモリ中にロードされたソフトウェアモジュール５とからなる薬物供給装置が示されている。装置はカバーモジュール８、９によって完成されている。
【００３６】
図１のｃには基本モジュール１と、３つの交換可能なハードウェアモジュール２、３、４と、交換可能なモジュール４のメモリ中にロードされたソフトウェアモジュール６とからなる薬物供給装置が示されている。装置はカバーモジュール７、９によって完成されている。
【００３７】
図１のｂとｃに示された薬物供給装置は現在の要求にしたがって装置のユーザにより、または代わりに装置の供給業者により一緒に組立てられてもよい。
【００３８】
図２は投薬のための基本的なリソースを含んでいる本発明による基本モジュールの好ましい実施形態を示している。
【００３９】
図２は本発明によるペンタイプの注入装置の基本モジュール１の１実施形態を示しており、ここでは出口121 の端部と、それに対向する端部にピストン122 として形成されている蓋を有する円筒形の交換可能な薬物カートリッジ12が対応する受容手段11中に位置されている。受容手段11はカートリッジ12の出口121 側の端部の開口111 と、ピストンロッド15の他方の端部の開口112 とを有する。ピストンを変位させるためにピストンと相互動作するように構成されたピストンロッドはよりコンパクトな構造を可能にするため１８０度屈折して形成されている。しかしながら、同様にこれは通常の直線のピストンロッドとして構成されてもよい。導電体18によりバッテリまたはバッテリパック17から付勢される電気モータ13は駆動手段14およびピストンロッド上の対応する駆動手段（図示せず）と結合されてその軸方向にピストンロッドを変位させ、したがってピストンが変位して、薬物を出口121 を通ってカートリッジ外に押出す。図２では基本モジュールはペンタイプの注入装置用に構成され、出口は使い捨て針の形態であるが、ジェットインジェクタの場合、小さい使い捨てチューブの形態でもよい。ピストンロッド15は円筒形の軸方向では堅いが放射状に突出しており、捩子（図示せず）が設けられており、その捩子は外周上のギアホイール（図示せず）を設けられた駆動ナットおよび、モータ上の対応する協同ギアホイール（図示せず）と共に、モータ13からピストンロッド15への運動を転送するための駆動手段14を構成する。交換可能なモジュール（例えば図１の２、３、４）を受ける手段16は導体18により交換可能なモジュールにパワー供給し、基本モジュールと交換可能なモジュール（図３参照）との間でのデータ転送を可能にするための１以上のコネクタの形態の電気インターフェース161 を含んでいる。
【００４０】
図３は投薬のための基本的なリソースと電子処理手段とを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示している。
【００４１】
図２の特徴に加えて、図３は薬物処理プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュール（例えば図１の２、３、４）およびユーザと通信する電子手段31を含んでいる。交換可能なモジュールと電気モータへ信号を送信しまたはそれらから信号を受信する電気ワイヤ接続32は電子手段31から電気インターフェース161 、交換可能なモジュールおよびモータへ設けられている。電子手段31は電気モータ13と駆動手段14によるピストンロッドの正確な変位によりピストンの変位33を制御することによって特定の仕様にしたがって正確な投与量を供給するプロセスを制御するように構成されている処理手段（図４の311 ）を含んでいる。
【００４２】
図４は薬物供給プロセスを制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信するための基本モジュールの電子手段を示している。
【００４３】
本発明にしたがった基本モジュールの電子手段31はプロセッサ311 、メモリ手段313 （揮発性（例えばＲＡＭ）および非揮発性）、ユーザ入力と処理結果をユーザへ示すためのディスプレイ315 、薬物カートリッジ12の情報のアイテムを読取る手段316 、ユーザからデータを入力するためのユーザ入力装置312 （例えば恐らく限定されたキーボード）、およびユーザ特定データと随意的に機能チェック手順およびユーザ権限付与手順を含んでおり、恐らくチップカードの形態（移動体電話のＳＩＭカードのような）の制御装置314 とを具備している。電子手段31と電気モータ13と交換可能なモジュール２を付勢するためのバッテリ17とその接続18はプロセッサ311 、モータ13、交換可能なモジュールとの間の通信およびカートリッジ12から対応する読取り装置316 へ情報のアイテムを転送するための信号ワイヤ32と共に図４に示されている。
【００４４】
図５は本発明にしたがった交換可能なモジュールの選択を示している。
【００４５】
図５は本発明による薬物供給装置が基本的なモジュール（図１乃至３の１参照）と組合わせて構成されることができる種々の交換可能なモジュールを示している。以下の図５を参照して簡単に説明される交換可能なモジュールは単なる例示であり、本発明の技術的範囲内の関連するモジュールの徹底したリストを与えているわけではない。
【００４６】
交換可能なモジュール201 は血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる。
【００４７】
交換可能なモジュール202 は血液のグルコースを連続して測定するシステムを含んでいる。
【００４８】
交換可能なモジュール203 はインターネットまたは任意の他のローカルまたは地球規模のデータ通信ネットワークのようなデータ通信ネットワークとの通信を可能にするモデムを含んでいる。このモジュールはソフトウェアを装置にダウンロードし、装置の機能を遠隔的にチェックし、遠隔的に診断し、ユーザの権利付与を可能にする等に使用されることができる。
【００４９】
交換可能なモジュール204 は他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる、このモジュールは例えばブルーツース（Bluetooth ）標準等の他の装置と無線通信する１以上の標準方式、無線モデム、赤外線通信等を実行する。
【００５０】
交換可能なモジュール205 はパーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる。このモジュールは関連する電気コネクタインターフェースを含んでいる。
【００５１】
交換可能なモジュール206 は移動体電話の機能を含んでいる。
【００５２】
交換可能なモジュール207 は高声器を含んでいる。
【００５３】
交換可能なモジュール208 はマイクロホン、高声器、音声インターフェースを与えるために音声認識を行うスピーチ認識用のプロセッサおよびソフトウェアを含んでいる。このモジュールは例えば視覚障害者のための音声インターフェースを構成する。
【００５４】
交換可能なモジュール209 は薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる。このモジュールは薬物カートリッジが使用可能であるか否かを決定するために、例えば現在ロードされている薬物カートリッジが示している最小および最大温度についての情報をユーザに与えることを目的としている。
【００５５】
交換可能なモジュール210 は薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し制御するための手段を含んでいる。このモジュールは例えば（ある限界内で）装置が受ける温度にかかわりなく、現在ロードされた薬物が使用可能であることを確認することを目的としている。
【００５６】
交換可能なモジュール211 はある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的信号を与える手段を含んでいる。このモジュールは時間にわたるある所定の治療パターンをユーザが観察することを容易にすることを目的としている。
【００５７】
交換可能なモジュール212 は薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる。
【００５８】
交換可能なモジュール213 は薬物供給装置の振動（shake ）動作を検出する手段と、ある数の振動動作が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる。
【００５９】
交換可能なモジュール214 は設定可能な速度、（交換可能なモジュール211 で可能に使用するための）制御時間スケール、最大の投与供給量等において薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる。このモジュールは供給の速度プロフィールと、供給間の（最小および最大）時間と、供給される投与量等に関する薬物供給プロセスを制御することを目的としている。
【００６０】
交換可能なモジュール215 は薬物供給装置により監視されるあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる。このような関連イベントは薬物供給の時間、対応する量、恐らく薬物の温度、恐らく所定の供給に対する関連情報のユーザ入力（身体的／精神的ストレス等）である。
【００６１】
交換可能なモジュール216 は許可されていない装置の使用を防止するために予め限定された文字シーケンスをユーザが入力することを必要とすることによりユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる。
【００６２】
交換可能なモジュール217 は左利きの使用に適合したディスプレイを含んでいる。
【００６３】
交換可能なモジュール218 は右利きの使用に適合したディスプレイを含んでいる。
【００６４】
交換可能なモジュール219 は連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を供給する手段を制御することにより、一方の端部に針を有し他方の端部が薬物カートリッジの出口に接続されているカテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールで供給する手段を含んでいる。このモジュールは薬物の供給が（典型的に数秒の期間である注射タイプの供給とは異なって）ある長さの時間にわたって必要とされる状態で使用することを意図している。
【００６５】
図６は本発明にしたがった方法の好ましい実施形態を示している。
【００６６】
図６はモジュール方法で薬物供給装置を製造する方法を示している。プロセスはステップ61で開始され請求項２乃至１２で説明され、図１乃至４で示されているように基本コンポーネントと共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し構成するステップ62を実行する。それに平行して、またはそれに続いて、それぞれ特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電気的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し構成するステップ63が実行される。このような交換可能なモジュールの例は請求項１３に記載され、図５を参照にして前述された。次に、（例えば前述の交換可能なモジュールにより表される機能の中で）可能な機能の選択に基づいて、必要性にしたがって機能の構成を決定するステップ64が行われる。このステップは所定の状態の関連する構成をユーザが分類することによって、または装置の関連する機能を規定するプロセスで装置の製造業者または供給業者によって、特別なカスタマセグメントの必要性を満たすために実行されてもよい。その後、関連する基本モジュールと（先に概要を説明し図５で示した）１以上の交換可能なモジュールとを結合することによって決定された機能を実行する装置を構成または組立てるステップ65が実行される。
【００６７】
ユーザが種々の機能を実行するための交換可能なモジュールの集合を有するならば、現在の構造が現在の要求を満たすか否かを決定するステップ66が行われてもよい。ＯＫであるならば、プロセスは67で停止し、現在の構成が適切ではないならば、ステップ64と65が反復される。現在の構成が現在の要求を満たすか否かを決定する後者のプロセスが代わりに点68から開始され、これは装置がその状態の要求に適合しているか否かについてユーザが疑問をもっている通常の場合を表している。
【００６８】
装置がその装置の製造業者または供給業者により組立てられるならば、その製造業者または供給業者が装置の正確な機能を保証できるように、（それらを共に機械的および電子的に“ロック”することにより）ユーザがモジュールを分解して再組立てすることができないことを確実にすることが重要である。代わりに、チェック処理は装置の各パワーアップによって実行されてもよい。
【００６９】
幾つかの好ましい実施形態を前述したが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲に記載されている主な事項内で他の方法で実施されてもよいことが強調される。例えば、薬物供給プロセスを制御する前述の電子手段等は基本モジュールの一部であった。同様に、これは恐らく便宜的および／または経済的に幾つかの交換可能なモジュールに分割されているならば、交換可能なモジュールの一部である。同様に、前述の実施形態では、ただ１つの基本モジュールが参照されている。しかしながら、幾つかの異なる基本モジュールの選択の１つが薬物供給装置の中心を形成するようにしてもよい（例えば電子音響インターフェース、特別な電源等のような基本電子装置を多かれ少なかれ含んでいる）。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明にしたがった注射装置を示した概略図。
【図２】
投薬のための基本的なリソースを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示した図。
【図３】
投薬のための基本的なリソースと電子処理手段とを含んでいる本発明にしたがった基本モジュールの好ましい実施形態を示した図。
【図４】
薬物供給プロセスを制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信するための基本モジュールの電子手段を示したブロック図。
【図５】
本発明にしたがった交換可能なモジュールの選択を示した説明図。
【図６】
本発明にしたがった方法の好ましい実施形態を示したフロー図。
【特許請求の範囲】
【請求項１】 基本モジュール（１）と、特別な機能を与えるようにそれぞれ基本モジュールと機械的および／または電子的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）とを具備し、基本モジュールは交換可能なモジュールにより結合して使用されるリソースを含んでいることを特徴とする薬物供給装置。
【請求項２】 基本モジュール（１）は少なくとも薬物カートリッジ（12）を保持する手段（11）と、前記薬物カートリッジ（12）中に含まれている薬物（123 ）の一部または全部を前記薬物カートリッジからユーザへ転送する手段と、１以上の交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）を受入れる手段（16）と、電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールへ供給する手段（17、18）とを具備していることを特徴とする請求項１記載の薬物供給装置。
【請求項３】 基本モジュール（１）は薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段（31）をさらに具備していることを特徴とする請求項１または２記載の薬物転送装置。
【請求項４】 前記薬物カートリッジ（12）は交換可能であり、出口（121 ）と可動壁（122 ）とを有し、可動壁が出口の方向に変位されるとき、前記出口（121 ）を通ってカートリッジ（12）の外部に内容物（123 ）を押出すように構成されていることを特徴とする請求項２または３記載の薬物転送装置。
【請求項５】 前記薬物カートリッジ（12）の出口（121 ）が交換可能なカテーテルに接続され、薬物をユーザへ転送する前記手段（13、14、15）は連続モードで動作するように構成されており、それによって薬物（123 ）は前記カテーテルの出口を通ってカートリッジ（12）の外部に押出されるように構成されていることを特徴とする請求項４記載の薬物転送装置。
【請求項６】 前記薬物カートリッジ（12）からユーザへ薬物（123 ）の一部または全部を転送する前記手段（13、14、15）は少なくとも前記可動壁（122 ）と結合して変位させるように動作するピストンロッド（15）と、電気的に駆動される付勢手段（13）と、前記電気的に駆動される付勢手段（13）から前記ピストンロッド（15）へ運動を伝達する駆動手段（14）とを具備していることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項７】 交換可能なモジュールを受入れる前記手段（16）が前記交換可能なモジュールを機械的に受入れて、それを基本モジュールに固定する手段と、前記交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）を基本モジュール（１）の電気手段（31、32）および電気エネルギを供給する前記手段（17、18）とに電気的に接続する手段とを具備していることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項８】 薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段（31、32）は交換可能なモジュール自体中に含まれていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項９】 前記電子手段（31、32）は少なくとも、前記電気的に駆動される付勢手段（13）からピストンロッド（15）へ運動を伝達するための駆動手段（14）により電気的に駆動される付勢手段（13）の制御によって可動壁（122 ）の前記ピストンロッド（15）による変位（33）を制御することにより供給される投与量を制御する手段と、前記可動壁（122 ）の前記変位（33）に対応して供給される薬物量を監視する手段と、ユーザからのデータを入力する手段（312 ）と、データを記憶するメモリ手段（313 ）と、交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）と通信する手段（311 、32）と、基本モジュールと交換可能なモジュールの機能を制御する手段（314 ）と、入力データを処理し交換可能なモジュールから受信された処理データと前記メモリ手段に記憶された処理データを処理する手段（311 ）と、前記データを視覚化するディスプレイ（315 ）とを具備していることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１０】 前記カートリッジが交換可能な薬物カートリッジを保持する前記手段（11）中に位置されるとき、前記電子手段（31）は交換可能な薬物カートリッジ（12）上の情報のアイテムを読取る手段（316 ）を含んでいることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１１】 前記電子手段はユーザデータ、機能チェック処理手順、ユーザ権限付与処理手順を含んでいるユーザ特定装置（314 ）を受取るように構成されていることを特徴とする請求項３乃至１０のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１２】 ユーザ特定装置（314 ）はチップカードであることを特徴とする請求項１１記載の薬物転送装置。
【請求項１３】 交換可能なモジュールは以下のグループ、即ち、・血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる交換可能なモジュール（201 ）と、・血液のグルコースを連続的に測定するためのシステムを含んでいる交換可能なモジュール（202 ）と、・データ通信ネットワークとの通信を可能にするためのモデムを含んでいる交換可能なモジュール（203 ）と、・他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる交換可能なモジュール（204 ）と、・パーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる交換可能なモジュール（205 ）と、・移動体電話の機能を含んでいる交換可能なモジュール（206 ）と、・高声器を含んでいる交換可能なモジュール（207 ）と、・マイクロホン、高声器、スピーチ認識用プロセッサおよびソフトウェアを含んでいる音声インターフェースを行うための交換可能なモジュール（208 ）と、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる交換可能なモジュール（209 ）と、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し、制御するための手段を含んでいる交換可能なモジュール（210 ）と、・ある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的な信号を与える手段を含んでいる交換可能なモジュール（211 ）と、・薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュール（212 ）と、・薬物供給装置の振動運動を検出する手段と、ある振動運動量が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュール（213 ）と、・設定可能な速度、制御時間スケール、最大の供給された投与量等で薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（214 ）と、・薬物供給装置により監視されているあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（215 ）と、・ユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（216 ）と、・左利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュール（217 ）と、・右利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュール（218 ）と、・連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を転送するための前記手段を制御することにより、カテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールを供給する手段を含んでいる交換可能なモジュール（219 ）とから選択されることを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１４】 基本モジュールと交換可能なモジュールは交換可能なカバー（７、８、９）を設けられることを特徴とする請求項１乃至１３のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１５】 基本モジュールは、ロックされて特定のソフトウェアキーおよび／またはソフトウェア更新によってのみユーザに利用可能にされる機能を含んでいることを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１６】 薬物供給装置の製造方法において、 以下のステップ、即ち、・（62）共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し、構成し、・（63）特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電子的に共同して動作するようにそれぞれ構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し、構成し、・（64）可能な機能の選択に基づいて、要求にしたがって機能の構成を決定し、・（65）関連する基本モジュールと１以上の交換可能なモジュールとの結合によって決定された機能を実行する装置を構成し、・機能の必要性を変更する場合、恐らくステップ（64）および（65）を反復するステップを含んでいることを特徴とする薬物供給装置の製造方法。
【請求項１７】 要求にしたがって機能の構成を決定するステップ（64）と、決定された機能を実行する装置を構成するステップ（65）が装置のユーザにより行われることを特徴とする請求項１６記載の薬物供給装置の製造方法。
【請求項１８】 要求にしたがった機能の構成を決定するステップ（64）と、決定された機能を実行する装置を構成するステップ（65）は装置の製造業者または供給業者により行われることを特徴とする請求項１６記載の薬物供給装置の製造方法。
【請求項１９】 ユーザによりその構成モジュールに分離されることができないように、装置をロックするステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項１８記載の薬物供給装置の製造方法。
【請求項１】 基本モジュール（１）と、特別な機能を与えるようにそれぞれ基本モジュールと機械的および／または電子的に共同して動作するように構成された１以上の交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）とを具備し、基本モジュールは交換可能なモジュールにより結合して使用されるリソースを含んでいることを特徴とする薬物供給装置。
【請求項２】 基本モジュール（１）は少なくとも薬物カートリッジ（12）を保持する手段（11）と、前記薬物カートリッジ（12）中に含まれている薬物（123 ）の一部または全部を前記薬物カートリッジからユーザへ転送する手段と、１以上の交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）を受入れる手段（16）と、電気エネルギを基本モジュールと交換可能なモジュールへ供給する手段（17、18）とを具備していることを特徴とする請求項１記載の薬物供給装置。
【請求項３】 基本モジュール（１）は薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段（31）をさらに具備していることを特徴とする請求項１または２記載の薬物転送装置。
【請求項４】 前記薬物カートリッジ（12）は交換可能であり、出口（121 ）と可動壁（122 ）とを有し、可動壁が出口の方向に変位されるとき、前記出口（121 ）を通ってカートリッジ（12）の外部に内容物（123 ）を押出すように構成されていることを特徴とする請求項２または３記載の薬物転送装置。
【請求項５】 前記薬物カートリッジ（12）の出口（121 ）が交換可能なカテーテルに接続され、薬物をユーザへ転送する前記手段（13、14、15）は連続モードで動作するように構成されており、それによって薬物（123 ）は前記カテーテルの出口を通ってカートリッジ（12）の外部に押出されるように構成されていることを特徴とする請求項４記載の薬物転送装置。
【請求項６】 前記薬物カートリッジ（12）からユーザへ薬物（123 ）の一部または全部を転送する前記手段（13、14、15）は少なくとも前記可動壁（122 ）と結合して変位させるように動作するピストンロッド（15）と、電気的に駆動される付勢手段（13）と、前記電気的に駆動される付勢手段（13）から前記ピストンロッド（15）へ運動を伝達する駆動手段（14）とを具備していることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項７】 交換可能なモジュールを受入れる前記手段（16）が前記交換可能なモジュールを機械的に受入れて、それを基本モジュールに固定する手段と、前記交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）を基本モジュール（１）の電気手段（31、32）および電気エネルギを供給する前記手段（17、18）とに電気的に接続する手段とを具備していることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項８】 薬物供給プロセスを監視し制御し、交換可能なモジュールおよびユーザと通信する電子手段（31、32）は交換可能なモジュール自体中に含まれていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項９】 前記電子手段（31、32）は少なくとも、前記電気的に駆動される付勢手段（13）からピストンロッド（15）へ運動を伝達するための駆動手段（14）により電気的に駆動される付勢手段（13）の制御によって可動壁（122 ）の前記ピストンロッド（15）による変位（33）を制御することにより供給される投与量を制御する手段と、前記可動壁（122 ）の前記変位（33）に対応して供給される薬物量を監視する手段と、ユーザからのデータを入力する手段（312 ）と、データを記憶するメモリ手段（313 ）と、交換可能なモジュール（２、３、４、５、６）と通信する手段（311 、32）と、基本モジュールと交換可能なモジュールの機能を制御する手段（314 ）と、入力データを処理し交換可能なモジュールから受信された処理データと前記メモリ手段に記憶された処理データを処理する手段（311 ）と、前記データを視覚化するディスプレイ（315 ）とを具備していることを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１０】 前記カートリッジが交換可能な薬物カートリッジを保持する前記手段（11）中に位置されるとき、前記電子手段（31）は交換可能な薬物カートリッジ（12）上の情報のアイテムを読取る手段（316 ）を含んでいることを特徴とする請求項１乃至９のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１１】 前記電子手段はユーザデータ、機能チェック処理手順、ユーザ権限付与処理手順を含んでいるユーザ特定装置（314 ）を受取るように構成されていることを特徴とする請求項３乃至１０のいずれか１項記載の薬物転送装置。
【請求項１２】 ユーザ特定装置（314 ）はチップカードであることを特徴とする請求項１１記載の薬物転送装置。
【請求項１３】 交換可能なモジュールは以下のグループ、即ち、・血液のグルコース監視用のシステムを含んでいる交換可能なモジュール（201 ）と、・血液のグルコースを連続的に測定するためのシステムを含んでいる交換可能なモジュール（202 ）と、・データ通信ネットワークとの通信を可能にするためのモデムを含んでいる交換可能なモジュール（203 ）と、・他の装置との無線通信用の通信インターフェースを含んでいる交換可能なモジュール（204 ）と、・パーソナルコンピュータ、カメラ、ＴＶモニタ、音響装置、電話装置、移動体電話の１以上のものと通信するための固定したワイヤインターフェースを含んでいる交換可能なモジュール（205 ）と、・移動体電話の機能を含んでいる交換可能なモジュール（206 ）と、・高声器を含んでいる交換可能なモジュール（207 ）と、・マイクロホン、高声器、スピーチ認識用プロセッサおよびソフトウェアを含んでいる音声インターフェースを行うための交換可能なモジュール（208 ）と、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視するための手段を含んでいる交換可能なモジュール（209 ）と、・薬物カートリッジの温度とその内容物を監視し、制御するための手段を含んでいる交換可能なモジュール（210 ）と、・ある設定可能な時間後、またはある事象が生じたとき、選択可能な音響または振動または光学的な信号を与える手段を含んでいる交換可能なモジュール（211 ）と、・薬物カートリッジの内容物を振動させる手段と、薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために設定可能な時間の経過を示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュール（212 ）と、・薬物供給装置の振動運動を検出する手段と、ある振動運動量が薬物カートリッジの構成物質の適切な混合を確実にするために行われたことを示す警報信号を与える手段とを含んでいる交換可能なモジュール（213 ）と、・設定可能な速度、制御時間スケール、最大の供給された投与量等で薬物供給を制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（214 ）と、・薬物供給装置により監視されているあるユーザ規定イベントの記録を生成するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（215 ）と、・ユーザＩＤを制御するためのソフトウェアを含んでいる交換可能なモジュール（216 ）と、・左利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュール（217 ）と、・右利きの使用に適合されたディスプレイを含んでいる交換可能なモジュール（218 ）と、・連続的なポンプモードが与えられる方法で薬物を転送するための前記手段を制御することにより、カテーテルを通ってユーザへ特定の投与量プロフィールを供給する手段を含んでいる交換可能なモジュール（219 ）とから選択されることを特徴とする請求項１乃至１２のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１４】 基本モジュールと交換可能なモジュールは交換可能なカバー（７、８、９）を設けられることを特徴とする請求項１乃至１３のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１５】 基本モジュールは、ロックされて特定のソフトウェアキーおよび／またはソフトウェア更新によってのみユーザに利用可能にされる機能を含んでいることを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか１項記載の薬物供給装置。
【請求項１６】 薬物供給装置の製造方法において、 以下のステップ、即ち、・（62）共通のリソースを含んでいる基本モジュールを規定し、構成し、・（63）特定の機能を与えるために基本モジュールと機械的および電子的に共同して動作するようにそれぞれ構成された１以上の交換可能なモジュールを規定し、構成し、・（64）可能な機能の選択に基づいて、要求にしたがって機能の構成を決定し、・（65）関連する基本モジュールと１以上の交換可能なモジュールとの結合によって決定された機能を実行する装置を構成し、・機能の必要性を変更する場合、恐らくステップ（64）および（65）を反復するステップを含んでいることを特徴とする薬物供給装置の製造方法。
【請求項１７】 要求にしたがって機能の構成を決定するステップ（64）と、決定された機能を実行する装置を構成するステップ（65）が装置のユーザにより行われることを特徴とする請求項１６記載の薬物供給装置の製造方法。
【請求項１８】 要求にしたがった機能の構成を決定するステップ（64）と、決定された機能を実行する装置を構成するステップ（65）は装置の製造業者または供給業者により行われることを特徴とする請求項１６記載の薬物供給装置の製造方法。
【請求項１９】 ユーザによりその構成モジュールに分離されることができないように、装置をロックするステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項１８記載の薬物供給装置の製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公表番号】特表２００３−５３４１０３（Ｐ２００３−５３４１０３Ａ）
【公表日】平成１５年１１月１８日（２００３．１１．１８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００１−５８７８４５（Ｐ２００１−５８７８４５）
【出願日】平成１３年５月２９日（２００１．５．２９）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＫ０１／００３７３
【国際公開番号】ＷＯ０１／０９１８３３
【国際公開日】平成１３年１２月６日（２００１．１２．６）
【出願人】
【氏名又は名称】ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】ＮＯＶＯ ＮＯＲＤＩＳＫ ＡＫＴＩＥ ＳＥＬＳＸＡＢ
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成１５年１１月１８日（２００３．１１．１８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１３年５月２９日（２００１．５．２９）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＤＫ０１／００３７３
【国際公開番号】ＷＯ０１／０９１８３３
【国際公開日】平成１３年１２月６日（２００１．１２．６）
【出願人】
【氏名又は名称】ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】ＮＯＶＯ ＮＯＲＤＩＳＫ ＡＫＴＩＥ ＳＥＬＳＸＡＢ
【Ｆターム（参考）】
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