説明

交通信号制御システム、交通信号制御機、灯器駆動装置及び信号灯器

【課題】複数の交通信号制御機で信号灯器の制御を可能にし、信号灯器の制御が不能になる事態を防止して、信号灯器の制御の信頼性を従来よりも飛躍的に向上させることができる交通信号制御システム、交通信号制御機、灯器駆動装置機及び信号灯器を提供する。
【解決手段】主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々は、ネットワーク50を通じて、各灯器駆動装置200へ識別子及び信号灯器出力指令を出力し、各灯器駆動装置200では、識別子の優先順位が最も高い主交通信号制御機100が出力した信号灯器出力指令を受け付ける。主交通信号制御機100に故障が生じ、識別子及び信号灯器出力指令を出力することができない場合、各灯器駆動装置200は、次に優先順位が高い識別子で識別される従交通信号制御機110が出力した信号灯器出力指令に基づいて信号灯器3を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号灯器の点灯又は消灯を制御する交通信号制御システム、該交通信号制御システムを構成する交通信号制御機及び灯器駆動装置機並びに該灯器駆動装置を備える信号灯器に関する。
【背景技術】
【0002】
交差点又は横断歩道などには、車両、歩行者などの安全な通行を確保するため複数の信号灯器が所定の位置に設置され、各信号灯器の青色灯、黄色灯、赤色灯、青矢印灯などの点灯、消灯、又は点滅などを所定の時間間隔で繰り返すように制御する交通信号制御システムがすでに実用化されており、近年の技術進歩に伴い、交通信号制御システムに関する技術開発が行われている。
【0003】
このような交通信号制御システムは、複数の信号灯器、並びに制御部及びSSU(ソリッド・ステート・リレー・ユニット、灯器駆動部)などを備えた交通信号制御機等で構成され、交通管制センター等に設置された中央装置から交通信号制御機へ出力される指令計画及び交通信号制御機が保有する所定の情報などに基づいて、交通信号制御機の制御部は、信号灯器の各色灯を駆動するタイミングを決定し、SSUへ信号灯器出力指令を出力する。SSUは、信号灯器出力指令に基づいて駆動信号を信号灯器へ出力する。
【0004】
図14は従来の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図であり、図15は従来のSSU510の構成を示すブロック図である。従来の交通信号制御システムは、例えば、交差点の所定位置に設置された柱に据え付けられた信号灯器3、…、各信号灯器3の点灯、消灯、又は点滅等の制御を行う交通信号制御機500などを備えている。交通信号制御機500は、例えば、信号灯器3が据え付けられた柱のうち1つの柱の近傍に設置されるとともに、商用電源1(例えば、AC100V)に接続され、各信号灯器3の点灯、消灯、又は点滅等の制御を行うための信号灯器出力指令を出力する制御部501、外部(例えば、交通管制センター等に設置された中央装置)との間で通信を行うための通信部502、信号灯器出力指令を各SSU510へ出力するインタフェース部503、内部に所要の直流電圧を供給するための電源部504、各信号灯器3に対応したSSU510、…などを備えている。なお、通信部502は、地点単独で動作するタイプの交通信号制御機には搭載されない場合もある。
【0005】
SSU510は、商用電源1から供給されたAC100Vをオン/オフするための半導体リレー513、513、513を備え、各半導体リレー513は、インタフェース部511で取得した信号灯器出力指令に基づいて、信号灯器3の赤色灯、青色灯、黄色灯それぞれに供給されるAC100Vをオン/オフする。これにより、各SSU510から灯器駆動信号(AC駆動信号)が駆動線5を通じて出力される。電圧検出部512は、信号灯器3の赤色灯、青色灯、黄色灯それぞれに供給されるAC100Vの有無を検出し、検出結果は、インタフェース部511を介して制御部501へ出力される。
【0006】
また、交通信号システムを商用電源の供給区域から離れた山間部などに設置しなければならない場合に、太陽電池及び蓄電部を備え、夜間には信号灯器の輝度を抑制し、昼間には蓄電部の蓄電電力及び太陽電池の発電電力に応じて信号灯器の輝度を抑制することにより、外部からの電源供給を必要としない信頼性の高い電源自立型の交通信号システムも提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−146295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の交通信号システムにあっては、商用電源が供給されない区域では、信頼性の高い交通信号システムを提供することができるものの、都市部、市街地、郊外などの商用電源の供給区域に交通信号制御機を設置する場合には、予め商用電源による電力供給が前提となり、自立型の交通信号システムよりも、むしろ従来の交通信号制御システムが多用されていた。
【0008】
しかしながら、従来の交通信号制御システムにあっては、1台の交通信号制御機が複数の信号灯器を制御する構成であるため、交通信号制御機が何らかの原因で故障した場合には、信号灯器の制御が不能になり、交差点を通過する車両又は横断歩道を渡る歩行者などの安全な通行を確保することができないという問題があった。また、交通信号制御機が故障した場合、迅速に復旧作業が完了することが望まれていた。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数の交通信号制御機で信号灯器の制御を可能にし、信号灯器の制御が不能になる事態を防止して、信号灯器の制御の信頼性を従来よりも飛躍的に向上させることができる交通信号制御システム、該交通信号制御システムを構成する交通信号制御機及び灯器駆動装置並びに該灯器駆動装置を備える信号灯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明に係る交通信号制御システムは、信号灯器を駆動する複数の灯器駆動装置と、該灯器駆動装置を制御して信号灯器の点灯又は消灯を行う複数の交通信号制御機とを備える交通信号制御システムにおいて、前記交通信号制御機夫々は、各灯器駆動装置を制御可能に構成してあり、各交通信号制御機を識別する識別情報を付与する付与手段と、該付与手段で付与された識別情報の中から一の識別情報を選択する選択手段とを備え、該選択手段で選択された識別情報で識別される交通信号制御機で各灯器駆動装置を制御するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第2発明に係る交通信号制御システムは、第1発明において、前記交通信号制御機は、自身を識別する識別情報及び各灯器駆動装置を制御する制御信号を各灯器駆動装置へ出力する手段を備え、前記灯器駆動装置は、識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、各交通信号制御機が出力した識別情報を取得する取得手段と、該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機が出力した制御信号を受け付ける受付手段とを備え、該受付手段で受け付けた制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第3発明に係る交通信号制御システムは、第1発明において、前記交通信号制御機は、自身を識別する識別情報を他の交通信号制御機へ出力する手段と、識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、他の交通信号制御機が出力した識別情報を取得する取得手段と、自身の識別情報の優先順位が前記取得手段で取得した識別情報の優先順位より高い場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する手段とを備え、前記灯器駆動装置は、前記制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第4発明に係る交通信号制御システムは、第1発明において、各交通信号制御機の動作を監視する監視装置を備え、該監視装置は、各交通信号制御機を識別する識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、各交通信号制御機の識別情報を取得する取得手段と、該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機へ動作許可信号を出力する手段とを備え、前記交通信号制御機は、自身を識別する識別情報を前記監視装置へ出力する手段と、前記動作許可信号を受け付ける受付手段と、該受付手段で動作許可信号を受け付けた場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第5発明に係る交通信号制御システムは、第2発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前記灯器駆動装置及び交通信号制御機は、制御信号を無線により通信する無線通信手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第6発明に係る交通信号制御機は、信号灯器を駆動する灯器駆動装置を制御して信号灯器の点灯又は消灯を行う交通信号制御機において、自身を識別する識別情報を出力する手段を備えることを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る灯器駆動装置は、信号灯器を駆動する灯器駆動装置において、交通信号制御機を識別する識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、識別情報を取得する取得手段と、該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機が出力した制御信号を受け付ける受付手段とを備え、該受付手段で受け付けた制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする。
【0017】
第8発明に係る信号灯器は、前述の発明に係る灯器駆動装置を備えることを特徴とする。
【0018】
第1発明にあっては、複数の交通信号制御機夫々は、各灯器駆動装置を制御することができるように構成してある。付与手段は、各交通信号制御機を識別する識別情報を付与し、選択手段は、付与された識別情報の中から一の識別情報を選択する。例えば、灯器駆動装置を制御していた一の交通信号制御機に故障が生じた場合、選択手段は、付与された識別情報の中から故障した交通信号制御機の識別情報を除いた一の識別情報を選択する。選択手段で選択された一の識別情報で識別される他の交通信号制御機で各灯器駆動装置を制御する。すなわち、複数の交通信号制御機夫々を識別情報で識別することで、複数の交通信号制御機のいずれかで灯器駆動装置の制御を行うことができ、一の交通信号制御機が故障した場合であっても、他の交通信号制御機で灯器駆動装置を制御することができ、信号灯器の制御が不能になる事態を防止して、信号灯器の制御の信頼性を従来よりも飛躍的に向上させることができる。
【0019】
第2発明、第6発明、第7発明及び第8発明にあっては、交通信号制御機は、自身を識別する識別情報及び各灯器駆動装置を制御する制御信号を各灯器駆動装置へ出力する。各灯器駆動装置は、識別情報の優先順位を記憶してあり、各交通信号制御機が出力した識別情報を取得し、取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機が出力した制御信号を受け付け、受け付けた制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。例えば、主たる交通信号制御機(以下、「主交通信号制御機」という)及び従たる交通信号制御機(以下、「従交通信号制御機」という)の識別情報を夫々「0001」、「0002」とし、各灯器駆動装置で記憶する識別情報「0001」の優先順位を最も高くし、識別情報「0002」の優先順位をその次に設定しておく。主交通信号制御機及び従交通信号制御機夫々が各灯器駆動装置へ制御信号を出力した場合、各灯器駆動装置は、優先順位が最も高い識別情報「0001」で識別される主交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。
【0020】
この場合において、主交通信号制御機に故障が生じ、識別情報及び制御信号を出力することができないとき、各灯器駆動装置が受け付ける識別情報は、従交通信号制御機が出力する識別情報「0002」であり、識別情報「0001」を受け付けることがないため、識別情報「0002」が最も優先順位が高くなり、各灯器駆動装置は、識別情報「0002」で識別される従交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。これにより、主交通信号制御機が故障で灯器駆動装置の制御が不能になった場合であっても、従交通信号制御機が主交通信号制御機に代わって各灯器駆動装置を制御することができ、信号灯器の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0021】
第3発明にあっては、交通信号制御機は、識別情報の優先順位を記憶してあり、自身を識別する識別情報を他の交通信号制御機へ出力するとともに、他の交通信号制御機が出力した識別情報を取得し、自身の識別情報の優先順位が取得した識別情報の優先順位より高い場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する。各灯器駆動装置は、交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。例えば、主交通信号制御機及び従交通信号制御機の識別情報を夫々「0001」、「0002」とし、各交通信号制御機で記憶する識別情報「0001」の優先順位を最も高くし、識別情報「0002」の優先順位をその次に設定しておく。主交通信号制御機は自身の識別情報「0001」を従交通信号制御機へ出力し、従交通信号制御機は自身の識別情報「0002」を主交通信号制御機へ出力する。主交通信号制御機は、自身の識別情報「0001」の優先順位が取得した識別情報「0002」の優先順位より高いため、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する。これにより、各灯器駆動装置は、主交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。
【0022】
この場合において、主交通信号制御機に故障が生じ、識別情報を出力することができないとき、従交通信号制御機は、識別情報「0001」を受け付けることがないため、自身の識別情報「0002」が最も優先順位が高くなり、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する。各灯器駆動装置は、従交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。これにより、主交通信号制御機が故障で灯器駆動装置の制御が不能になった場合であっても、従交通信号制御機が主交通信号制御機に代わって各灯器駆動装置を制御することができ、信号灯器の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0023】
第4発明にあっては、各交通信号制御機は、自身を識別する識別情報を各交通信号制御機の動作を監視する監視装置へ出力する。監視装置は、各交通信号制御機を識別する識別情報の優先順位を記憶してあり、各交通信号制御機の識別情報を取得し、取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機へ動作許可信号を出力する。交通信号制御機は、動作許可信号を受け付けた場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する。例えば、主交通信号制御機及び従交通信号制御機の識別情報を夫々「0001」、「0002」とし、監視装置で記憶する識別情報「0001」の優先順位を最も高くし、識別情報「0002」の優先順位をその次に設定しておく。主交通信号制御機は自身の識別情報「0001」を監視装置へ出力し、従交通信号制御機は自身の識別情報「0002」を監視装置へ出力する。監視装置は、識別情報「0001」の優先順位が識別情報「0002」の優先順位より高いため、主交通信号制御機へ動作許可信号を出力する。これにより、主交通信号制御機は、制御信号を各灯器駆動装置へ出力し、各灯器駆動装置は、主交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。
【0024】
この場合において、主交通信号制御機に故障が生じ、識別情報を出力することができないとき、監視装置は、識別情報「0001」を受け付けることがないため、識別情報「0002」が最も優先順位が高くなり、従交通信号制御機へ動作許可信号を出力する。従交通信号制御機は、制御信号を各灯器駆動装置へ出力し、各灯器駆動装置は、従交通信号制御機が出力した制御信号に基づいて信号灯器を駆動する。これにより、主交通信号制御機が故障で灯器駆動装置の制御が不能になった場合であっても、従交通信号制御機が主交通信号制御機に代わって各灯器駆動装置を制御することができ、信号灯器の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0025】
第5発明にあっては、灯器駆動装置及び交通信号制御機は、制御信号を無線通信で送受信する。これにより、例えば、交差点を横断して交通信号制御機と灯器駆動装置との間で信号線の配線工事も行う必要がなく、設置工事を容易にすることができるとともに、配線の断線など災害時の影響を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にあっては、複数の交通信号制御機で信号灯器の制御を可能にし、信号灯器の制御が不能になる事態を防止して、信号灯器の制御の信頼性を従来よりも飛躍的に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。本発明の交通信号制御システムは、例えば、複数の交差点を含む比較的広い範囲における交通信号制御を行い、各交差点の四隅の所定位置に設置された柱(不図示)に信号灯器3、…を据え付けてあり、各信号灯器3の近傍に設置された灯器駆動装置200、…、各信号灯器3の点灯、消灯、又は点滅等の制御を行う主交通信号制御機100、主交通信号制御機100の故障時にバックアップとして機能する従交通信号制御機110などがネットワーク50で接続された灯器駆動部分離型ネットワーク方式の交通信号制御システムである。
【0028】
主交通信号制御機100には、商用電源1aが接続され、従交通信号制御機110には商用電源1bが接続され、各灯器駆動装置200には、商用電源2a、2b、…が接続されている。各商用電源1a、1b及び商用電源2a、2b、…は、同一変圧器から配電される同一系統の商用電源であっても、別系統の商用電源であってもよく、各交差点の位置、灯器駆動装置200の設置場所に応じて適宜決定することができる。
【0029】
主交通信号制御機100には、交通管制センター等に設置された中央装置(不図示)が通信回線を通じて接続されている。なお、バックアップとして機能する従交通信号制御機110は、中央装置に接続される構成であってもよく、あるいは、装置を簡単な構成にするため、中央装置に接続されない構成であってもよい。
【0030】
図2は主交通信号制御機100の構成の一例を示すブロック図である。主交通信号制御機100は、通信部101、制御部102、インタフェース部103、記憶部104、電源部105などを備えている。
【0031】
通信部101は、中央装置(不図示)から交通信号制御に関する指令計画を受信するとともに、主交通信号制御機100で取得した信号灯器3を点灯/消灯制御した時間等に関する情報を含む信号制御実行情報を中央装置へ送信するための通信機能を備えている。なお、指令計画は、信号制御パラメータ(例えば、サイクル、スプリット、オフセット等)などの情報を含み、中央装置により適宜主交通信号制御機100へ送信され、主交通信号制御機100は、最新の指令計画に基づいて各信号灯器3を制御することができる。
【0032】
制御部102は、通信部101で受信した指令計画104bを記憶部104に記憶する。これにより、常に最新の指令計画が保持される。
【0033】
記憶部104には、受信した指令計画104bとともに、主交通信号制御機100を識別するための識別子104a(例えば、「0001」)を記憶する。
【0034】
制御部102は、受信した指令計画104bに基づいて、各信号灯器3の点灯、消灯、点滅などの制御を行うための信号灯器出力指令(制御信号)を生成し、インタフェース部103を通じて、自己を識別する識別子104aとともに、生成した信号灯器出力指令を所定の形式の通信データに変換して各灯器駆動装置200へ出力する。
【0035】
図3は通信データの一例を示す説明図である。図に示すように、通信データはヘッダ部、識別子、指令内容、フッタ部などで構成されるデータ形式で表される。ヘッダ部は、例えば、通信データの開始を示す情報などが格納されている。識別子は、主交通信号制御機100、従交通信号制御機110などの制御機固有の識別情報(例えば、「0000」、「0001」、「0002」、…など)である。指令内容は、例えば、4ビットのビット列により各指令内容が特定され、ビット列に応じて、車両用信号灯器の青出力指令、車両用信号灯器の黄出力指令、車両用信号灯器の赤出力指令などである。フッタ部は、例えば、通信データの終了を示す情報などが格納されている。なお、通信データのデータ形式は一例であって、これに限定されるものではない。また、灯器駆動装置200から主交通信号制御機100へ出力される信号灯器出力検出信号についても、同様なデータ形式が用いられる。
【0036】
インタフェース部103は、ネットワーク50を通じて各灯器駆動装置200との間でデータの送受信を行う機能を有する。
【0037】
なお、インタフェース部103は、有線通信方式に限定されるものではなく、無線通信方式であってもよい。この場合、インタフェース部103は、送信側では、各灯器駆動装置200へ送信する信号(例えば、制御信号など)を符号化する符号化回路、符号化されたデータを変調する変調回路、変調回路で変調された信号を所定の通信帯域(例えば、2.4GHz帯)で送信するためのフィルタなどを備え、受信側では、各灯器駆動装置200から受信した信号から所定の通信帯域の信号を取り出すためのフィルタ、受信した信号を復調する復調回路、復調回路で復調されたデータを復号化する復号化回路などを備えている。
【0038】
電源部105は、商用電源1aにより供給されるAC100Vの交流を直流に整流して所定の直流電圧を生成するAC/DC電源部(不図示)を備え、このAC/DC電源部は、通信部101、制御部102、インタフェース部103、記憶部104に直流電圧を供給するように構成してある。なお、電源部105にバッテリを備える構成とし、商用電源1aが遮断された場合、AC100Vに代えてバッテリの直流を各部へ供給するようにすることもできる。
【0039】
従交通信号制御機110も、主交通信号制御機100と同様の構成を有する。なお、従交通信号制御機110を識別する識別子は、主交通信号制御機100の識別子とは異なる識別子(例えば、「0002」)が設定されている。
【0040】
以上の構成により、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々は、ネットワーク50を通じて、各灯器駆動装置200へ識別子及び制御信号(信号灯器出力指令)を出力する。
【0041】
図4は灯器駆動装置200の構成の一例を示すブロック図である。灯器駆動装置200は、インタフェース部201、識別子判定部202、記憶部203、電源部204、半導体リレー205、…、電圧検出部206などを備えている。
【0042】
インタフェース部201は、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110が出力した識別子及び信号灯器出力指令(制御信号)を含むデータを受信し、受信したデータから各識別子を抽出し、抽出した識別子を識別子判定部202へ出力する。
【0043】
また、インタフェース部201は、後述するように、識別子判定部202から受信可信号を受け付けた場合、受信したデータから信号灯器出力指令を抽出し、抽出した信号灯器出力指令に基づいて、信号灯器3を駆動するための駆動信号を生成して各半導体リレー205へ出力する。
【0044】
また、インタフェース部201は、後述するように、識別子判定部202から受信不可信号を受け付けた場合、受信したデータを無効とし、受信したデータを破棄する。
【0045】
なお、インタフェース部201は、有線通信方式に限定されるものではなく、無線通信方式であってもよい。この場合、インタフェース部201は、送信側では、主交通信号制御機100、又は従交通信号制御機110へ送信する信号を符号化する符号化回路、符号化されたデータを変調する変調回路、変調回路で変調された信号を所定の通信帯域(例えば、2.4GHz帯)で送信するためのフィルタなどを備え、受信側では、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110から受信した信号から所定の通信帯域の信号を取り出すためのフィルタ、受信した信号を復調する復調回路、復調回路で復調されたデータを復号化する復号化回路などを備えている。これにより、例えば、交差点を横断して主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110と各灯器駆動装置200との間で信号線の配線工事も行う必要がなく、設置工事を容易にすることができるとともに、配線の断線など災害時の影響を少なくすることができる。
【0046】
記憶部203は、優先順位テーブル203aを記憶している。優先順位テーブル203aは、優先順位と主交通信号制御機100、従交通信号制御機110等の制御機の識別子とを関連付けてある。例えば、最も優先順位が高い優先順位「1」は、識別子が「0000」であり、次に優先順位が高い優先順位「2」は、識別子が「0001」であり、次に優先順位が高い優先順位「3」は、識別子が「0002」である。以下、同様である。なお、識別子「0000」については後述する。
【0047】
識別子判定部202は、インタフェース部201から入力された識別子に基づいて、記憶部203に記憶された優先順位テーブル203aを参照し、最も優先順位が高い識別子を判定する。この場合、識別子判定部202は、識別子「0001」及び「0002」を取得するため、識別子「0001」が最も優先順位が高い識別子であると判定する。
【0048】
識別子判定部202は、最も優先順位が高い識別子「0001」に対応付けて受信可信号をインタフェース部201へ出力するとともに、それ以外の識別子(この場合、識別子「0002」)に対応付けて受信不可信号をインタフェース部201へ出力する。
【0049】
これにより、灯器駆動装置200では、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々が出力した信号灯器出力指令のうち、主交通信号制御機100が出力した信号灯器出力指令を受け付けるとともに、従交通信号制御機110が出力した信号灯器出力指令を破棄する。
【0050】
電源部204は、商用電源2aから入力されたAC100Vを半導体リレー205、…へ出力する。
【0051】
各半導体リレー205は、商用電源2aから供給されたAC100Vをオン/オフするためのものである。各半導体リレー205は、インタフェース部201から入力された駆動信号に基づいて、信号灯器3の赤色灯、青色灯、黄色灯それぞれに供給されるAC100Vをオン/オフすることにより、駆動信号を信号灯器3へ出力する。
【0052】
電圧検出部206は、信号灯器3の赤色灯、青色灯、黄色灯それぞれに供給されるAC100Vの有無を検出し、検出結果(信号灯器出力検出信号)をインタフェース部201へ出力する。なお、電圧検出部206で検出する電圧は、青色灯に供給されるAC100Vの有無のみを検出する構成であってもよい。
【0053】
なお、電源部204にAC/DC変換回路を備え、商用電源2aの交流を直流に変換し、変換した直流を半導体リレー205、…へ供給することで、信号灯器3を直流駆動とすることもできる。
【0054】
次に本発明の交通信号制御システムの動作について説明する。上述のとおり、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々は、ネットワーク50を通じて、各灯器駆動装置200へ識別子及び信号灯器出力指令を出力し、各灯器駆動装置200では、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々が出力した信号灯器出力指令のうち、識別子の優先順位が最も高い主交通信号制御機100が出力した信号灯器出力指令を受け付けるとともに、従交通信号制御機110が出力した信号灯器出力指令を破棄する。
【0055】
この場合に、主交通信号制御機100に故障が生じ、識別子及び信号灯器出力指令を出力することができないとき、各灯器駆動装置200が受け付ける識別子は、従交通信号制御機110が出力する識別子「0002」であり、識別子「0001」を受け付けることがないため、識別子「0002」が最も優先順位が高くなり、各灯器駆動装置200は、識別子「0002」で識別される従交通信号制御機110が出力した信号灯器出力指令に基づいて信号灯器3を駆動する。また、主交通信号制御機100が復帰した場合、従交通信号制御機110は信号灯器出力指令の出力を停止し、主交通信号制御機100が信号灯器出力指令の出力を再開する。
【0056】
これにより、主交通信号制御機100が故障で各灯器駆動装置200へ信号灯器出力指令を出力することができず、信号灯器3の制御が不能になる場合であっても、従交通信号制御機110が主交通信号制御機100に代わって各灯器駆動装置200へ信号灯器出力指令を出力し信号灯器3を制御することができ、信号灯器3の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0057】
また、主交通信号制御機100から従交通信号制御機110へ切り替えるタイミングは、例えば、交差点の信号灯器3、…がすべて赤の状態(全赤)の状態で切り替えるように構成することにより、車両又は歩行者が交差点又は横断歩道を通過していない状態で安全に切り替えることができる。
【0058】
また、本発明の内容を適用することにより、交通信号制御システムの保守作業を容易かつ信号灯器3を停止させることなく実施することができる。この場合、保守作業を行う場合に保守装置をネットワーク50へ接続する。
【0059】
図5は保守装置300の構成の一例を示すブロック図である。保守装置300は、制御部302、インタフェース部303、記憶部304、電源部305などを備えている。
【0060】
記憶部304は、保守装置300を識別するための識別子304a(例えば、「0000」)を記憶するとともに、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110の保守作業を行う場合に、主交通信号制御機100に代えて信号灯器3の点灯又は消灯等を制御するための保守時指令計画304bを記憶する。
【0061】
保守装置300がネットワーク50に接続された場合、制御部302は、記憶された保守時指令計画304bに基づいて、各信号灯器3の点灯、消灯、点滅などの制御を行うための信号灯器出力指令(制御信号)を生成し、インタフェース部303を通じて、自己を識別する識別子(「0000」)とともに、生成した信号灯器出力指令を所定の形式の通信データに変換して灯器駆動装置200へ出力する。
【0062】
なお、インタフェース部303、電源部305は、インタフェース部103、電源部105と同様の機能を有するので、説明は省略する。
【0063】
各灯器駆動装置200では、識別子判定部202が、インタフェース部201から入力された識別子に基づいて、記憶部203に記憶された優先順位テーブル203aを参照し、最も優先順位が高い識別子を判定する。この場合、識別子判定部202は、保守装置300、主交通信号制御機100、従交通信号制御機110夫々から識別子「0000」、識別子「0001」及び「0002」を取得するため、識別子「0000」が最も優先順位が高い識別子であると判定する。
【0064】
識別子判定部202は、最も優先順位が高い識別子「0000」に対応付けて受信可信号をインタフェース部201へ出力するとともに、それ以外の識別子(この場合、識別子「0001」、及び識別子「0002」)に対応付けて受信不可信号をインタフェース部201へ出力する。
【0065】
灯器駆動装置200では、保守装置300、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110夫々が出力した信号灯器出力指令のうち、保守装置300が出力した信号灯器出力指令を受け付けるとともに、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110が出力した信号灯器出力指令を破棄する。これにより、各灯器駆動装置200は、識別子「0000」で識別される保守装置300が出力した信号灯器出力指令に基づいて信号灯器3を駆動する。
【0066】
保守装置300が出力する信号灯器出力指令に基づいて各信号灯器3の点灯又は消灯等の制御が行われている間に、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110の動作を停止して点検、保守作業を行うことができる。
【0067】
上述のとおり、本発明を適用することで、各信号灯器3の動作を停止させることなく、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110の点検、保守作業を行うことができ、例えば、保守作業を車両の通行が少ない夜間に行うなどの制約がなく、必要な時に作業を行うことができるとともに、保守作業の間であっても、交差点を通過する車両又は横断歩道を渡る歩行者などの安全な通行を確保することができる。また、保守装置300をネットワーク50に接続するだけで保守作業を開始することができ、保守作業が容易になる。特に、従交通信号制御機110がネットワーク50に接続されておらず、1台の主交通信号制御機100で各信号灯器3を制御しているような場合、信号灯器3の点灯又は消灯等の動作を停止させることなく主交通信号制御機100の保守を行うことができ、一層顕著な効果を期待できる。
【0068】
実施の形態2
実施の形態1では、各灯器駆動装置200で識別子の優先順位を判定する構成であったが、これに限定されるものではなく、主交通信号制御機100及び従交通信号制御機110で識別子の優先順位を判定することもできる。
【0069】
図6は実施の形態2の主交通信号制御機120の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1の主交通信号制御機100との相違点は、識別子比較部121を備えている点である。すなわち、主交通信号制御機120は、通信部101、制御部102、インタフェース部103、記憶部104、電源部105、識別子比較部121などを備えている。
【0070】
記憶部104には、自身を識別する識別子104a(「0001」)、指令計画104b、優先順位テーブル104cを記憶している。優先順位テーブル104cは、図4で説明した優先順位テーブル203aと同一である。
【0071】
制御部102は、記憶された識別子104a(「0001」)を所定の形式の通信データに変換し、インタフェース部103を通じて、変換したデータを従交通信号制御機へ出力する。なお、この場合の通信データの形式は、図3の例において、指令内容が省略された形式である。
【0072】
制御部102は、インタフェース部103を通じて、従交通信号制御機から送信されたデータを受信し、受信したデータから識別子を抽出し、抽出した識別子を識別子比較部121へ出力する。
【0073】
識別子比較部121は、制御部102から入力された識別子に基づいて、記憶部104に記憶された優先順位テーブル104cを参照し、入力された識別子と自身の識別子104aとを比較し、いずれの識別子が最も優先順位が高いか判定する。この場合、識別子比較部121は、入力された識別子が従交通信号制御機の識別子「0002」であり、自身の識別子104aが「0001」であるため、自身の識別子「0001」が最も優先順位が高い識別子であると判定する。
【0074】
識別子比較部121は、自身の識別子104aが最も優先順位が高い場合、制御部102に対して、信号灯器出力指令の出力を許可する許可信号を出力する。また、識別子比較部121は、入力された識別子が最も優先順位が高い場合、制御部102に対して、信号灯器出力指令の出力を禁止する禁止信号を出力する。なお、識別子比較部121を制御部102に含める構成とすることもできる。
【0075】
制御部102は、識別子比較部121から許可信号を取得した場合、指令計画104bに基づいて、各信号灯器3の点灯、消灯、点滅などの制御を行うための信号灯器出力指令(制御信号)を生成し、インタフェース部103を通じて、生成した信号灯器出力指令を所定の形式の通信データに変換して、後述の各灯器駆動装置220へ出力する。なお、この場合の通信データの形式は、図3の例において、識別子が省略された形式である。
【0076】
通信部101、インタフェース部103、電源部105の機能は実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。また、従交通信号制御機の構成は、自身の識別子(「0002」)を記憶する点で主交通信号制御機120と異なるが、それ以外は主交通信号制御機120と同様であるので説明を省略する。
【0077】
上述の構成により、主交通信号制御機120は、ネットワーク50を通じて、自身の識別子104aを出力するとともに、従交通信号制御機が出力した識別子を受信する。また、従交通信号制御機も、ネットワーク50を通じて、自身の識別子を出力するとともに、主交通信号制御機120が出力した識別子104aを受信する。なお、識別子は、所定の時間間隔で出力するように構成することができ、所定の時間が経過しても識別子を受信できない場合、その識別子で識別される交通信号制御機に何らかの異常が発生したと判定することができる。なお、異常の有無の判定は、識別子を受信するまでの時間に基づいて判定する構成に限定されるものではなく、信号灯色毎に予め表示時間の最小値から最大値までの範囲を記憶しておき、信号灯色の表示時間が前記範囲を逸脱すると判断できた場合に異常と判定するようにしてもよい。また、表示する信号灯色の順番を記憶しておき、該順番と異なる順番で表示させようとする場合に異常と判定するようにしてもよい。
【0078】
そして、主交通信号制御機120及び従交通信号制御機夫々は、記憶している優先順位テーブル104cに基づいて、自身が信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力するか否かを判定する。この場合、優先順位が最も高い主交通信号制御機120が信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力する。
【0079】
図7は実施の形態2の灯器駆動装置220の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1との相違点は、識別子判定部202、記憶部203を備えていない点である。すなわち、インタフェース部201は、受信したデータから信号灯器出力指令を抽出し、抽出した信号灯器出力指令に基づいて、信号灯器3を駆動するための駆動信号を生成して各半導体リレー205へ出力する。なお、電源部204、半導体リレー205、電圧検出部206は、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0080】
次に実施の形態2の交通信号制御システムの動作について説明する。上述のとおり、主交通信号制御機120及び従交通信号制御機夫々は、ネットワーク50を通じて、お互いに識別子を出力するとともに、ネットワーク50を通じて入力された識別子と自身の識別子とを比較して、いずれの識別子の優先順位が高いか判定する。これにより、主交通信号制御機120が信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力し、灯器駆動装置220では、主交通信号制御機120が出力した信号灯器出力指令を受け付ける。
【0081】
この場合に、主交通信号制御機120に故障が生じ、識別子104a及び信号灯器出力指令を出力することができないとき、従交通信号制御機では、識別子「0001」を受け付けることがないため、自身の識別子「0002」が最も優先順位が高くなり、従交通信号制御機が信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力し、灯器駆動装置220では、従交通信号制御機が出力した信号灯器出力指令を受け付ける。
【0082】
これにより、主交通信号制御機120が故障で灯器駆動装置220へ信号灯器出力指令を出力することができず、信号灯器3の制御が不能になる場合であっても、従交通信号制御機が主交通信号制御機120に代わって各灯器駆動装置220へ信号灯器出力指令を出力し信号灯器3を制御することができ、信号灯器3の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0083】
実施の形態3
実施の形態2では、主交通信号制御機及び従交通信号制御機で識別子を比較する構成であったが、ネットワーク50に監視装置を接続し、監視装置で主交通信号制御機の正常/異常を判定することもできる。
【0084】
図8は実施の形態3の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。実施の形態3では、交通信号制御システムは、各信号灯器3の近傍に設置された灯器駆動装置220、…、各信号灯器3の点灯、消灯、又は点滅等の制御を行う主交通信号制御機130、主交通信号制御機130の故障時にバックアップとして機能する従交通信号制御機140、主交通信号制御機130の正常/異常を監視する監視装置400などがネットワーク50で接続されている。なお、灯器駆動装置220は、実施の形態2の場合と同様の構成を有する。
【0085】
主交通信号制御機130には、商用電源1aが接続され、従交通信号制御機140には商用電源1bが接続され、監視装置400には、商用電源1cが接続され、各灯器駆動装置220には、商用電源2a、2b、…が接続されている。
【0086】
図9は実施の形態3の主交通信号制御機130の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態2の主交通信号制御機120との相違点は、識別子比較部121、優先順位テーブル104cを備えておらず、代わりに動作許可判定部131を備えている点である。
【0087】
制御部102は、記憶された識別子104a(「0001」)を所定の形式の通信データに変換し、インタフェース部103を通じて、変換したデータを監視装置400へ出力する。なお、この場合の通信データの形式は、図3の例において、指令内容が省略された形式である。
【0088】
制御部102は、インタフェース部103を通じて、監視装置400から送信されたデータを受信し、受信したデータから監視装置400の応答信号を抽出し、抽出した応答信号を動作許可判定部131へ出力する。
【0089】
動作許可判定部131は、応答信号が動作許可信号であるか否かを判定し、動作許可信号である場合には、制御部102に対して、信号灯器出力指令の出力を許可する許可信号を出力する。また、動作許可判定部131は、応答信号が動作禁止信号である場合には、制御部102に対して、信号灯器出力指令の出力を禁止する禁止信号を出力する。なお、動作許可判定部131を制御部102に含める構成とすることもできる。
【0090】
制御部102は、動作許可判定部131から許可信号を取得した場合、指令計画104bに基づいて、各信号灯器3の点灯、消灯、点滅などの制御を行うための信号灯器出力指令(制御信号)を生成し、インタフェース部103を通じて、生成した信号灯器出力指令を所定の形式の通信データに変換して、各灯器駆動装置220へ出力する。なお、この場合の通信データの形式は、図3の例において、識別子が省略された形式である。
【0091】
通信部101、インタフェース部103、電源部105の機能は実施の形態2と同様であるので、説明は省略する。また、従交通信号制御機140の構成は、自身の識別子(「0002」)を記憶する点で主交通信号制御機130と異なるが、それ以外は主交通信号制御機130と同様であるので説明を省略する。
【0092】
図10は監視装置400の構成の一例を示すブロック図である。監視装置400は、通信部401、監視制御部402、インタフェース部403、記憶部404、電源部405などを備えている。
【0093】
記憶部404は、優先順位テーブル404aを記憶してあり、ネットワーク50に接続され得る交通信号制御機を識別する識別子の優先順位を設定している。
【0094】
通信部401は、中央装置(不図示)との間でデータの送受信を行うための通信機能を備えている。これにより、監視装置400は、中央装置から交通信号制御機の監視に必要なデータを受信するとともに、監視結果を中央装置へ送信する。
【0095】
監視制御部402は、インタフェース部403を通じて、主交通信号制御機130及び従交通信号制御機140が出力した識別子を含むデータを受信し、受信したデータから識別子を抽出し、抽出した識別子に基づいて、優先順位テーブル404aを参照して、最も優先順位の高い交通信号制御機を特定する。この場合、主交通信号制御機130の識別子104a(「0001」)が従交通信号制御機140の識別子(「0002」)より優先順位が高いため、主交通信号制御機130を特定する。
【0096】
監視制御部402は、最も優先順位の高い識別子(「0001」)で識別される主交通信号制御機130に対して、信号灯器出力指令の出力を許可する動作許可信号を応答信号として出力する。また、監視制御部402は、最も優先順位の高い識別子以外の識別子(「0002」)で識別される従交通信号制御機140に対して、信号灯器出力指令の出力を禁止する動作禁止信号を応答信号として出力する。
【0097】
電源部405は、商用電源1cにより供給されるAC100Vの交流を直流に整流して所定の直流電圧を生成するAC/DC電源部(不図示)を備え、このAC/DC電源部は、通信部401、監視制御部402、インタフェース部403、記憶部404に直流電圧を供給するように構成してある。
【0098】
上述の構成により、主交通信号制御機130及び従交通信号制御機140は、ネットワーク50を通じて、自身の識別子を監視装置400へ出力する。そして、監視装置400は、記憶している優先順位テーブル404aに基づいて、優先順位が最も高い主交通信号制御機130に対して、信号灯器出力指令の出力を許可する。なお、識別子は、所定の時間間隔で出力するように構成することができ、所定の時間が経過しても識別子を受信できない場合、監視装置400は、その識別子で識別される交通信号制御機に何らかの異常が発生したと判定することができる。なお、異常の有無の判定は、識別子を受信するまでの時間に基づいて判定する構成に限定されるものではなく、信号灯色毎に予め表示時間の最小値から最大値までの範囲を記憶しておき、信号灯色の表示時間が前記範囲を逸脱すると判断できた場合に異常と判定するようにしてもよい。また、表示する信号灯色の順番を記憶しておき、該順番と異なる順番で表示させようとする場合に異常と判定するようにしてもよい。
【0099】
次に実施の形態3の交通信号制御システムの動作について説明する。上述のとおり、主交通信号制御機130及び従交通信号制御機140夫々は、ネットワーク50を通じて、識別子を監視装置400へ出力する。監視装置400は、取得した識別子のうち、いずれの識別子の優先順位が高いか判定し、識別子の優先順位が高い主交通信号制御機130に対して信号灯器出力指令の出力を許可する。これにより、主交通信号制御機130が信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力し、灯器駆動装置220では、主交通信号制御機130が出力した信号灯器出力指令を受け付ける。
【0100】
この場合に、主交通信号制御機130に故障が生じ、識別子を出力することができないとき、監視装置400では、識別子「0001」を受け付けることがないため、従交通信号制御機140が出力する識別子「0002」が最も優先順位が高くなり、従交通信号制御機140に対して信号灯器出力指令の出力を許可する。これにより、従交通信号制御機140が主交通信号制御機130に代わって信号灯器出力指令を各灯器駆動装置220へ出力し、灯器駆動装置220では、従交通信号制御機140が出力した信号灯器出力指令を受け付ける。
【0101】
これにより、主交通信号制御機130が故障で灯器駆動装置220へ信号灯器出力指令を出力することができず、信号灯器3の制御が不能になる場合であっても、従交通信号制御機140が主交通信号制御機130に代わって各灯器駆動装置220へ信号灯器出力指令を出力し信号灯器3を制御することができ、信号灯器3の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。
【0102】
実施の形態4
実施の形態1〜3では、交通信号制御機と灯器駆動装置との間を信号線による有線通信、あるいは無線通信によりデータの送受信を行う構成であったが、交通信号制御機及び灯器駆動装置が同一系統の電力線に接続されているような場合、電力線にデータを重畳させることにより、信号線又は無線通信設備を不要にすることができる。
【0103】
図11は実施の形態4の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。実施の形態4では、交通信号制御システムは、各信号灯器3の近傍に設置された灯器駆動装置250、…、各信号灯器3の点灯、消灯、又は点滅等の制御を行う主交通信号制御機150、主交通信号制御機150の故障時にバックアップとして機能する従交通信号制御機160などが電力線60で接続され、電力線60には、商用電源1を接続している。
【0104】
図12は実施の形態4の主交通信号制御機150の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1の主交通信号制御機100(図2参照)との相違点は、インタフェース部103を備えておらず、代わりに変調復調部151、フィルタ部152、153などを備えている点である。
【0105】
変調復調部151は、搬送波発生部、周波数変調部(いずれも不図示)などを備え、搬送波発生部で、例えば、200kHzの搬送波を発生し、送信するデータ(例えば、識別子、信号灯器出力指令など)に応じて数kHzの周波数変調を加えたトーン信号を生成し、フィルタ部152を通じて生成したトーン信号を電力線60へ出力する。
【0106】
変調復調部151は、電力線60を通じて伝送されたトーン信号を復調して元のデータを抽出する。
【0107】
フィルタ部152は、所要の周波数帯域を有するバンドパスフィルタであり、送受信するトーン信号を商用周波数から分離する。
【0108】
フィルタ部153は、例えば、ローパスフィルタであり、電力線60に重畳した高周波成分を遮断し、商用周波数の交流(AC100V)を電源部105へ出力する。
【0109】
通信部101、制御部102、記憶部104、電源部105の各機能は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。また、従交通信号制御機160の構成も主交通信号制御機150と同様であるので説明は省略する。
【0110】
図13は実施の形態4の灯器駆動装置250の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1の灯器駆動装置200(図4参照)との相違点は、変調復調部251、フィルタ部252、253などを備えている点である。
【0111】
変調復調部251は、搬送波発生部、周波数変調部(いずれも不図示)などを備え、搬送波発生部で、例えば、200kHzの搬送波を発生し、送信するデータ(例えば、信号灯器出力検出信号など)に応じて数kHzの周波数変調を加えたトーン信号を生成し、フィルタ部252を通じて生成したトーン信号を電力線60へ出力する。
【0112】
また、変調復調部251は、電力線60を通じて伝送されたトーン信号を復調して元のデータを抽出し、抽出したデータをインタフェース部201へ出力する。
【0113】
フィルタ部252は、所要の周波数帯域を有するバンドパスフィルタであり、送受信するトーン信号を商用周波数から分離する。
【0114】
フィルタ部253は、例えば、ローパスフィルタであり、電力線60に重畳した高周波成分を遮断し、商用周波数の交流(AC100V)を電源部204へ出力する。
【0115】
インタフェース部201、識別子判定部202、記憶部203、電源部204、半導体リレー205、電圧検出部206の各機能は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0116】
上述の構成により、交通信号制御機と灯器駆動装置との間を信号線で接続する場合に比べて、信号線の配線工事が不要となり、設置工事を容易にすることができるとともに、信号線の断線など災害時の影響を少なくすることができる。
【0117】
以上説明したように、本発明にあっては、複数の交通信号制御機で信号灯器の制御を可能にし、信号灯器の制御が不能になる事態を防止して、信号灯器の制御の信頼性を従来よりも飛躍的に向上させることができる。また、主交通信号制御機が故障で灯器駆動装置の制御が不能になる場合であっても、従交通信号制御機が主交通信号制御機に代わって各灯器駆動装置を制御することができ、信号灯器の点灯又は消灯を停止させることなく継続して行うことができる。また、各信号灯器の動作を停止させることなく、交通信号制御機の点検、保守作業を行うことができ、例えば、保守作業を車両の通行が少ない夜間に行うなどの制約がなく、必要な時に作業を行うことができるとともに、保守作業の間であっても、交差点を通過する車両又は横断歩道を渡る歩行者などの安全な通行を確保することができる。また、保守装置をネットワークに接続するだけで保守作業を開始することができ、保守作業が容易になる。
【0118】
なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【0119】
上述の実施の形態1〜4においては、集中型の交通信号制御機について説明したが、通信部を備えない地点単独で動作するタイプの交通信号制御機についても、本発明を適用することができる。
【0120】
上述の実施の形態1〜4においては、灯器駆動装置と信号灯器とは分離した別個の装置として構成されているが、これに限定されるものではなく、信号灯器に灯器駆動装置を内蔵する構成とすることもでき、灯器駆動装置を信号灯器に着脱可能に構成することもできる。
【0121】
上述の実施の形態4では、電力線にデータを重畳させる方式として周波数変調を加えたトーン信号を用いる構成であったが、電力線にデータを重畳させる方式は、これに限定されるものではなく、他の方式であってもよい。例えば、PLC(電力線搬送通信)に用いられる電力線にデータを重畳させる技術を利用して交通信号制御機、監視装置、保守装置、灯器駆動装置にPLCモデム(電力線モデム)を搭載することもできる。
【0122】
上述の実施の形態2では、主交通信号制御機は従交通信号制御機へ自身の識別子を出力し、従交通信号制御機は主交通信号制御機へ自身の識別子を出力することにより、両者で識別子の優先順位を判定する構成であったが、これに限定されるものではなく、主交通信号制御機が従交通信号制御機へ自身の識別子を出力し、従交通信号制御機は主交通信号制御機から出力される識別子を取得して、自身の識別子との間で優先順位を判定し、主交通信号制御機が異常で識別子を出力することができない場合、従交通信号制御機の識別子が最も優先順位が高いと判定して、従交通信号制御機が灯器駆動装置へ信号灯器出力指令を出力するようにすることもできる。
【0123】
上述の実施の形態1〜4では、交通信号制御機が2台、灯器駆動装置が6台ネットワークに接続された構成について説明したが、交通信号制御機、灯器駆動装置の台数は、これに限定されるものではない。また、1台の主交通信号制御機で複数の交差点の信号灯器を制御する構成であったが、これに限定されるものではない。1台の主交通信号制御機が制御する信号灯器(灯器駆動装置)は、道路状況に応じて適宜設定することができる。例えば、交差点がn箇所存在し、各交差点に所要の台数の信号灯器を有し、各交差点の信号灯器を駆動する灯器駆動装置を1台又は複数台備える構成において、交差点毎にn台の主交通信号制御機を設置してもよく、複数の交差点をまとめて1台の主交通信号制御機で制御する構成とすることもできる。また、従交通信号制御機は、個々の主交通信号制御機のバックアップ機として設けることもでき、複数の主交通信号制御機をまとめて1台の従交通信号制御機がバックアップする構成でもよく、あるいは、1つのネットワークに1台の従交通信号制御機を設ける構成であってもよい。
【0124】
上述の実施の形態1〜4では、従交通信号制御機は、主交通信号制御機と同様の構成を有するものであった。これは、信号灯器の制御不能が許されないような重要な交差点(例えば、幹線同士が交わるような交差点)では、仮に主交通信号制御機が故障した場合であっても、主交通信号制御機の機能と同一機能を備える従交通信号制御機でバックアップして真の二重系統として構成しておくことが望ましいからである。しかし、道路状況に応じては、従交通信号制御機の構成を簡略化して低コストを図ることもできる。この場合、従交通信号制御機は、中央装置との通信機能、車両感知器とのインタフェース機能を省略することができる。また、従交通信号制御機の機能を信号灯器の制御に必要な機能(例えば、一定周期で信号灯器の各色灯を順番に点灯させるだけの機能)だけに限定することができる。この場合、従交通信号制御機を小型化することができるため、主交通信号制御機と別個の筐体で構成する必要もなく、主交通信号制御機の筐体の内部に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明に係る交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】主交通信号制御機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】通信データの一例を示す説明図である。
【図4】灯器駆動装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】保守装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2の主交通信号制御機の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2の灯器駆動装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。
【図9】実施の形態3の主交通信号制御機の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】実施の形態4の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。
【図12】実施の形態4の主交通信号制御機の構成の一例を示すブロック図である。
【図13】実施の形態4の灯器駆動装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】従来の交通信号制御システムの構成の一例を示す模式図である。
【図15】従来のSSUの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0126】
3 信号灯器
50 ネットワーク
60 電力線
100、120、130、150 主交通信号制御機
101 通信部
102 制御部
103 インタフェース部
104 記憶部
104a 識別子
104b 指令計画
104c 優先順位テーブル
105 電源部
110、140、160 従交通信号制御機
121 識別子比較部
131 動作許可判定部
151 変調復調部
152、153 フィルタ部
200、220 灯器駆動装置
201 インタフェース部
202 識別子判定部
203 記憶部
203a 優先順位テーブル
204 電源部
205 半導体リレー
206 電圧検出部
251 変調復調部
252、253 フィルタ部
300 保守装置
302 制御部
303 インタフェース部
304 記憶部
304a 識別子
304b 保守時指令計画
305 電源部
400 監視装置
401 通信部
402 監視制御部
403 インタフェース部
404 記憶部
404a 優先順位テーブル
405 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号灯器を駆動する複数の灯器駆動装置と、該灯器駆動装置を制御して信号灯器の点灯又は消灯を行う複数の交通信号制御機とを備える交通信号制御システムにおいて、
前記交通信号制御機夫々は、各灯器駆動装置を制御可能に構成してあり、
各交通信号制御機を識別する識別情報を付与する付与手段と、
該付与手段で付与された識別情報の中から一の識別情報を選択する選択手段と
を備え、
該選択手段で選択された識別情報で識別される交通信号制御機で各灯器駆動装置を制御するように構成してあることを特徴とする交通信号制御システム。
【請求項2】
前記交通信号制御機は、
自身を識別する識別情報及び各灯器駆動装置を制御する制御信号を各灯器駆動装置へ出力する手段を備え、
前記灯器駆動装置は、
識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、
各交通信号制御機が出力した識別情報を取得する取得手段と、
該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機が出力した制御信号を受け付ける受付手段と
を備え、
該受付手段で受け付けた制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。
【請求項3】
前記交通信号制御機は、
自身を識別する識別情報を他の交通信号制御機へ出力する手段と、
識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、
他の交通信号制御機が出力した識別情報を取得する取得手段と、
自身の識別情報の優先順位が前記取得手段で取得した識別情報の優先順位より高い場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する手段と
を備え、
前記灯器駆動装置は、
前記制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。
【請求項4】
各交通信号制御機の動作を監視する監視装置を備え、
該監視装置は、
各交通信号制御機を識別する識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、
各交通信号制御機の識別情報を取得する取得手段と、
該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機へ動作許可信号を出力する手段と
を備え、
前記交通信号制御機は、
自身を識別する識別情報を前記監視装置へ出力する手段と、
前記動作許可信号を受け付ける受付手段と、
該受付手段で動作許可信号を受け付けた場合、各灯器駆動装置を制御する制御信号を出力する手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。
【請求項5】
前記灯器駆動装置及び交通信号制御機は、
制御信号を無線により通信する無線通信手段を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の交通信号制御システム。
【請求項6】
信号灯器を駆動する灯器駆動装置を制御して信号灯器の点灯又は消灯を行う交通信号制御機において、
自身を識別する識別情報を出力する手段を備えることを特徴とする交通信号制御機。
【請求項7】
信号灯器を駆動する灯器駆動装置において、
交通信号制御機を識別する識別情報の優先順位を記憶する記憶手段と、
識別情報を取得する取得手段と、
該取得手段で取得した識別情報のうち最も優先順位が高い識別情報で識別される交通信号制御機が出力した制御信号を受け付ける受付手段と
を備え、
該受付手段で受け付けた制御信号に基づいて信号灯器を駆動するように構成してあることを特徴とする灯器駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の灯器駆動装置を備えることを特徴とする信号灯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−90738(P2008−90738A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273211(P2006−273211)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】