説明

交通情報を表示するナビゲーションデバイス

ナビゲーションデバイスは、各々が音声又は映像の交通情報の存在する場所を示し且つ音声又は映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共にルートを道路地図上に重畳して表示する。映像交通情報は、固定交通カメラからの情報であってもよい。従って、運転者は交通カメラからのビデオ出力又は静止画を迅速に観察でき、交通状態の評価が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報を表示するナビゲーションデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩及び渋滞する道路環境の負担の増加により、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)の開発及び採用が助長されている。PNDという略語は、「携帯ナビゲーションデバイス(portable navigation device)」を示すために使用されることもあるが、本明細書においてはより広範囲な定義を与え、携帯型(例えば、吸盤マウントを使用して自動車のフロントガラスに固定できる)又は組込み型(例えば、自動車に永続的に固定される)の任意の種類のパーソナルナビゲーションデバイスを範囲に含む。PNDは、専用のナビゲーションデバイス(例えば、主な機能がナビゲーションであるデバイス)でもよく、又は複数の他のアプリーション(例えば、メディアプレーヤ)を有してもよく、あるいは主な機能としてナビゲーション以外の機能を有してもよい(例えば、PNDは移動電話であってもよい)。PNDの殆どが自動車及び他の車両において使用されるが、それらに限定されない。PNDは、道路情報及び位置情報を含む地理的な地図データベースを組み込む。一般にPNDは、ユーザが目的地を入力して1つ以上のルートを提供されることを可能にするソフトウェアを含む。運転指示が発行され、目的地まで選択したルートに沿って運転者を案内する。PNDは、自動車のフロントガラスに取り付け可能なマウントを含んでもよい。
【0003】
運転者を案内するためのルートの選択は非常に高度な技術であり、選択されたルートは、存在する予想される交通量及び道路状態、道路速度に関する履歴情報、並びに道路の選択を判定する要因に対する運転者自身の好みを考慮してもよい。更にデバイスは、道路及び交通状態を継続的に監視し、変化した状態のために残りの移動に対するルートを変更することを提案又は選択してもよい。
【0004】
道路での移動は、ビジネス、他の組織及び個人の日常生活の重要な部分である。交通の遅延のコストは非常に大きい。純粋な経済的なコストは、英国のみで数十億ポンドと推定される。それらのコストを考慮すると、例えば最適なルートを選択し且つ渋滞による遅延を回避することにより運転者が自身の移動を最適化することを支援できるシステムは非常に有用である。実際には、種々の運転者情報システムが発達してきている。出来事及び遅延に関する主観的な助言を提供するために、警察、上方からの監視及びより最近では渋滞に巻き込まれた運転者からの移動電話通話等の多くの発信元からのデータを集約するラジオ放送交通レポートが長い間にわたり定着している。無線データシステム(Radio Data System (RDS))ラジオは、通常のラジオ番組を交通レポートに自動的に縮小することによりそれらシステムをより効果的にしている。静的なルート計画システムは、英国の自動車協会(AutomobileAssociation (AA))及びRAC plc等の主要な自動車団体のウェブサイト上に提供されている。それらシステムにより、運転者は行程の複数の地点を入力でき、ルート及びそのルートに対する運転指示が与えられる。
【0005】
近年、全地球測位システム(GPS)を使用する車載パーソナルナビゲーションデバイスが導入されている。それらデバイスの例として、TomTom GOTMシリーズのPNDがある。パーソナルナビゲーションデバイスは、GPSシステムを使用して、道路網上の車両の正確な位置を発見し、画面上の道路地図に車両の場所の印をつける。PNDは、道路網上の2つ以上の地点の間の最適な又は適切なルートを計算するための機構を含み、選択したルートに沿って運転者を誘導でき、そのルートにおける位置を継続して監視する。パーソナルナビゲーションデバイスは、交通情報をそれらのサービスに取り入れ始めており、中には、交通情報がルート選択処理に取り込まれているものもある。PNDは、渋滞している道路を迂回する。交通情報がPNDにより提供される時、ユーザは、遅延が選択したルートに影響を与える場合にそれら遅延を観察し、必要であると考えられる場合に道路の遅延のある区間を回避するルートをデバイスに再計画させることができる。種々の技術(例えば、移動電話通話、固定カメラ、GPSの艦隊の追跡)に基づくリアルタイム交通監視システムは、交通の遅延を識別し且つ通知システムに情報を供給するために使用されている。
【0006】
交通網を管理する責任のある政府機関は、道路網の主要な場所に固定交通カメラを設置してきた。それらカメラからの画像は、道路の状態に関する即時の映像情報を運転者に提供するために一般向けのウェブサイト上で提示される。
【0007】
上記システムの各々は、固有の長所及び短所を有する。パーソナルナビゲーションデバイスは、特定の行程において使用するルートに対する、型通りの判断における最適な助言を提供できるが、この助言は、提案されたルートが普通でないと考えられる場合又はルート選択を支持する証拠がない場合には運転者により無視される可能性がある。通常の最適なルートが過度の渋滞又は事故の影響を受けている場合に普通でないルート選択が行なわれてもよいことは明らかである。
【0008】
固定交通カメラが非常に直接的な情報を提供できることは周知である。ユーザは、道路の渋滞区間の車両の列又は道路工事の区間にわたりゆっくり動く車両の列を見ることができる。また、カメラにより監視される領域の天候状態は、予想される交通状態に関する追加情報を提供する。すなわち、雪、大雨又は視界の悪さは、運転者の移動を延期する理由を運転者に提供するだろう。欠点としては、交通カメラを移動中に容易に調査できないことである。運転者は、通常はインターネットに接続したPCから、事前に計画し且つそれを出発前にチェックする必要がある。
【0009】
ラジオ放送レポートは、非常に安心させるものあり、信用される傾向にある。それらレポートは、非常に容易に入手可能である。しかし、出発したい運転者は、移動に関連する情報を含む次の交通レポートを所望の出発時間後最大25分以上待つ必要がある可能性がある。
【0010】
それら交通情報システムの一部をPNDに組み込むことにより、利点が得られる。出発時又は出発後に通常のルートをチェックし且つ渋滞を認識した運転者は、その渋滞を回避するルートをPNDに要求してもよい。
【0011】
PNDは、画面を有する小さなボックスから構成されてもよい。PNDは、車両に設置されてもよく又は持ち込まれてもよい。通常、PNDは、PNDが設置された車両の位置を正確に特定し且つ車両の向きを判定するためにGPS受信機を含む。ユーザは、PNDと対話し、ユーザがとりたい行程をPNDに伝える。デバイスは、その行程に対するルートを選択する。ユーザは、ルート選択処理に介入してもよいし、ルート選択処理を誘導してもよい。デバイスは、車両の現在の位置をユーザに示し且つ選択したルートに沿ってユーザを案内するために視覚的かつ音響的な指示を提供する。デバイスとのユーザの対話は、タッチスクリーン、ステアリングコラムリモコン、音声認識又は任意の他の適切な方法により行なわれ得る。
【0012】
PNDは、インターネットへの接続を可能にする通信モジュールを含んでもよい。PNDは、Bluetooth近距離無線通信システムを使用して、汎用パケット無線サービス(GPRS)対応の移動電話に通信して移動電話からインターネットに通信する用に構成できる。インターネット接続により、ボリュームが大きすぎず且つ通信のプロトコルに同意する限り、PNDは任意の情報を受信又は送信できる。PNDは、道路遅延情報をダウンロードして表示したり、ルート選択に取り入れたりすることができる。あるいは、PNDはルートに関連する天候情報をダウンロードするように構成することもできる。
【0013】
一般にPNDは、小さなプログラマブルコンピュータとして実現され、中央処理装置(CPU)と;プログラム及びデータを格納及び実行するためのメモリと;プログラム及びデータを永続的に保存するための永続性メモリと;ディスプレイ及び入出力システムの集合とから構成される。現在の組込みCPUは、5年又は10年前の汎用コンピュータのCPUより非常に強力であり、Unix(登録商標)等の、種々の汎用オペレーティングシステムの実行を容易にサポートできる。そのようなシステムは、フリーのLinux又はバークレイソフトウェアディストリビューション(BSD)オペレーティングシステムを実行する場合が多い。永続性メモリは、ハードディスク又はある形式の不揮発性RAMとして実現されてもよい。PNDの場合、ディスプレイはタッチスクリーンユニットであってもよい。PNDの入出力システムは、タッチスクリーン、音声認識又はBluetoothを介するリモートコントロールを含むことができる。
【0014】
PND及び他の組込みコンピューティングプラットフォームのプロバイダは、標準ソフトウェア開発手順を使用してプラットフォームに対する新しいアプリケーション又は拡張アプリケーションを作成する際にコンピュータプログラマを支援する開発キットを提供する。これにより、コアアプリケーションに対する改善を促進し、市場の成功に寄与するプラットフォームに対するソフトウェアアプリケーションのエコシステム及び拡張を推進する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の面は、各々が音声交通情報又は映像交通情報の存在する場所を示し且つ音声情報又は映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共に道路地図上に重畳されるルートを表示するように動作可能なナビゲーションデバイスである。
【0016】
選択可能な詳細は以下の通りであるが、それらに限定されない。
映像交通情報は、例えば1つ以上の固定交通カメラ又はネットワークを介してその情報を共用するエンドユーザにより動作されるカメラ(例えば、PND自体における)により生成される静止画又はビデオ画像であってもよい。映像交通情報は、ウェブサイト又はテレビサービスにより生成されてもよく、あるいはウェブサイト又はテレビサービスから取得されてもよい。音声交通情報は、ラジオ放送サービス又はテレビ音声出力により生成されてもよく、あるいはラジオ放送サービス又はテレビ音声出力から取得されてもよく、あるいはウェブサイトにより生成されるか又はウェブサイトから取得されてもよい。交通情報は、放送されるか又は場所識別データと共に配信される。ここで、用語「再生」とは、情報が格納されることを含んでいる。本明細書において、そのような情報は、例えばローカル又はリモート記憶装置(通常の放送処理の一部である一時記憶装置以外の)を有さない従来の交通カメラからのリアルタイムビデオ出力等のリアルタイムで再生されている情報を含む。
【0017】
デバイスの一つの実施例はタッチスクリーンディスプレイを含み、各記号は指先を使用して確実に選択するのに十分な大きさである(例えば、各記号は少なくとも0.3cm×0.3cmである)。デバイスは、音声認識エンジンを含んでもよく(又は音声認識エンジンに接続されてもよく)、ユーザが適切な制御メッセージを単純に話して音声情報又は映像情報の再生を開始できるようにする(例えば、「交通カメラ番号3を見せて下さい」)。いずれの事象においても、記号は、テキスト記述のみから構成されてもよく、あるいはPOI(位置情報(point of interest))記号の外観と一致する図形又はアイコンであってもよい。映像交通情報の場合、記号はカメラを図で表してもよく、音声交通情報の場合、記号はマイクを図で表してもよい。記号は、交通カメラからのビデオフレームの実際のサムネイル画像等のサムネイル画像であってもよい。
【0018】
タッチスクリーンの実施例において、ユーザが映像交通情報に対する記号付近で画面に触れた場合、その記号に関連する場所に対する最新の画像又は画像のシーケンスが、規定された秒数の間にわたって表示される。同様に、ユーザが音声交通情報に対する記号付近で画面に触れた場合、その記号に関連する場所に対する最新の音声レポートが再生される。更に、ユーザが映像交通情報に対する記号付近で画面に触れた場合、その記号に関連する場所に対する最新画像が、ユーザが画面に触れることにより又は他の制御を使用することにより地図に戻ることを手動で選択するまで表示されるようにしてもよい。同様に、ユーザが音声交通情報に対する記号付近で画面に触れた場合、その記号に関連する場所に対する最新の音声レポートが、ユーザが画面に触れることにより又は他の制御を使用することにより地図に戻ることを手動で選択するまで再生される。
【0019】
他の実施例の特定の選択可能な特徴は以下の通りである。
【0020】
・ある場所に対する音声交通情報又は映像交通情報がデバイス上で再生される場合、デバイスは、ユーザがその場所をルートに含むか又はルートから除外できるようにするメニューオプションを示す。各交通カメラ画像(あるいは、より一般的には音声交通情報又はビデオ交通情報の各再生)は、「ルートに含む」とラベル付けされたボタン及び「ルートから除外する」とラベル付けされた別のボタン等のルート計算オプションを伴うことができる。「ルートに含む」ボタンに触れると、ルート計算アルゴリズム(通常、PND上で実行する)は交通カメラ(又は交通カメラがない場合には交通情報において参照される場所)を通過するルートを計算する。他方のボタンに触れると、その特定のカメラを回避するルートが計算される。
【0021】
・デバイスは、ユーザコマンドにより要求された場合に、ルートに沿うカメラの集合から得られたルートに沿う画像のシーケンスを表示するように構成される。画像は、ルートに沿うカメラと同一の順番で表示されてもよい。各画像は、短時間表示されるか、あるいはユーザが次のカメラからの次の画像を表示すること又はシーケンスを中止することを手動で選択するまで表示される。連続するカメラからの画像のシーケンスは、表示しようとしている画像を生成したカメラに関係する記号を強調する地図表示とインタリーブされてもよい。シーケンスは、ユーザが最も興味を有する画像に自在に移動できるようにフォワード制御及びバック制御を含むことができる。
【0022】
・デバイスは、スライドショーに必要とされる画像の順番を利用して、予想される表示順でネットワークから画像をダウンロードしてもよく、それにより第1の画像以外の全ての画像が画面上に表示されるまでのユーザに対する遅延を最小限にする。スライドショーの予想される第1の画像は、ルートが選択されるとすぐに(且つ自動的に、すなわち特定のユーザ要求なしで)ダウンロードされてもよいため、スライドショーが要求された時に開始するまでの遅延は全くない。
【0023】
・音声交通情報又は映像交通情報は、計画ルート上の場所に対する情報である。例えばカメラは、計画ルート又はそのルートに代わるルートと関連するカメラである。
【0024】
・音声交通情報又は映像交通情報は、ルートの選択前に又はルートの選択とは無関係に使用される。
【0025】
・ユーザは、ルートの選択又は要求前に、あるいはルートの選択とは全く無関係に、関心ある領域内のカメラ画像表示を観察することを選択することができる。
【0026】
・デバイスは、ある領域におけるカメラの集合からの全ての映像交通情報のスライドショーを示すように要求される。
【0027】
・カメラ画像の表示の順番はデバイスにより選択される。デバイスは、領域を走査し且つユーザの現在地からのカメラまでの距離の順番と同一の順番でカメラ画像を表示することにより、カメラ画像の表示の順番を選択する。ユーザの現在地に最も近接するカメラからのカメラ画像が最初に表示され、ユーザの現在地から最も遠いカメラからのカメラ画像が最後に表示される。
【0028】
・スライドショーは自動であり、各カメラ画像は次の画像に進む前に数秒間示される。あるいは、スライドショーは非自動であり、ユーザは次の画像を表示するようにシステムに要求するために、画面に触れるか又は他のコマンドを発行する必要がある。
【0029】
・デバイスは、インターネットからのビデオクリップのダウンロード及び表示をサポートできる。
【0030】
・カメラが地図上のカメラ記号を介して選択された場合、カメラ領域にわたる交通の流れのビデオクリップが示される。
【0031】
・ルート又は領域のカメラのスライドショーが要求された場合、カメラ毎に1つのクリップが一連のビデオクリップとして示される。
【0032】
・表示される交通情報は、ユーザが移動したい方向に対応する交通の方向を示す記号と共に表示される。これは、映像交通情報及び音声交通情報の双方に当てはまる。
【0033】
・ある場所における映像交通情報の存在を表すために表示される記号は、その場所に対する映像交通情報が入手可能である観察方向を示す更なる記号と共に表示される。
【0034】
・別の方法において、矢印はルートの一部を形成する実際の車線上に重畳される。これは、道路の両側を判定でき且つ路面の一部を形成するかのように正確な向き及び遠近法で示されるように矢印の形状をモーフィング又は変更できるパターン認識ソフトウェアを必要としてもよい。
【0035】
本発明の第2の面は、音声交通情報又は映像交通情報をナビゲーションデバイスに供給するように動作可能なプロキシサーバである。ナビゲーションデバイスは、各々がサーバ上で音声交通情報又は映像交通情報の存在する場所を示し且つ音声情報又は映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共に道路地図上に重畳されるルートを表示するように動作可能であり、サーバは、ナビゲーションデバイスの特定の再生要求に対して音声情報又は映像情報を適応させる。
【0036】
プロキシサーバは、音声交通情報源又は映像交通情報源からデータの供給を受ける(又は要求する)。プロキシサーバは、実質的に音声交通情報及び映像交通情報に対するデータ出力を取り込み且つその情報を標準に一致するように適応させるミドルウェア、あるいは入力情報からデータを抽出し且つ帯域幅の効率がよい放送又はPNDへの送信に適する標準形式でそのデータを再パッケージ化するミドルウェアとしての役割を果たすことができる。
【0037】
プロキシサーバの他の選択的な特徴は以下を含む。
【0038】
・プロキシサーバは、PNDにより読み出し可能な形式に画像を変換する。
【0039】
・プロキシサーバは、PNDの形状ファクタ(form factor)に合うように画像を縮尺又はクリッピングする。
【0040】
・プロキシサーバは、PNDの画面上で可視である最小詳細レベルに画像を圧縮する。
【0041】
・プロキシサーバは、ビデオをデバイス上で観察可能に保持する最小限までビデオのフレームレートを低減する。フレームレートは、例えば、5フレーム/秒の低さであってもよい。
【0042】
・プロキシサーバは、高圧縮されたビデオデータを得るために、MPEG−4等のA/V符号化標準を使用して結果として得られるビデオを符号化する。
【0043】
・プロキシサーバは、インターネット又は放送から交通レポートを選択できる。
【0044】
・プロキシサーバは、局の放送範囲の領域により索引付けされた音声ストリームとして交通レポートを格納できる。
【0045】
・デバイスのユーザが要求を行なう場合、運転者の関心地理的領域と交わる局(station)からの最新レポート又はデバイスにより運転者が通過するようにルーティングされた地理的領域における局からの最新レポートが、デバイスに送信されて再生される。
【0046】
本発明の最後の面として、音声交通情報又は映像交通情報をナビゲーションデバイスに提供する方法が挙げられる。ナビゲーションデバイスは、各々が音声交通情報又は映像交通情報の存在する場所を示し且つ音声情報又は映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共に道路地図上に重畳されるルートを表示するように動作可能である。方法は、(a)プロキシサーバがその情報の1つ以上の発信元から音声交通情報又は映像交通情報を取得するか又はその提供を受けるステップと;(b)プロキシサーバがデバイス上で再生成するために情報を操作するステップとを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
複雑なPNDシステムを使用して、パーソナルナビゲーションデバイスにより与えられる助言を検査する明確で簡単な情報をユーザに提供することは有益である。以下では、運転者が移動に関係する音声及び/又は映像(A/V)情報を提示され且つそれを調査するために、運転者の付近の交通状態及びPNDが提案する移動のルートに対する静止画、ビデオ及び音声を使用してPNDを高度化する機構を説明する。本明細書において説明される機構により、静止画、ビデオ及び音声を使用するルート選択の検査が可能になる。これにより、PNDのユーザの対話体験が向上し、またデバイスにより提供される助言に対する運転者の信頼を向上する。運転者は、助言が正確であるのが明らかである場合に安心するだろう。同様に、その機構により、運転者は可能なルートに関連して又はルートとは無関係にA/V情報を調査できる。例えば運転者は、単に所定の道路の交通状態を見たいと考えるだろう。
【0048】
本発明の一実施例において、PNDは、通信ネットワークから、例えばインターネットロケーションから又はGPRSネットワークプロバイダのシステムから直接、画像、ビデオ及び音声等のA/Vデータを要求するか又は送出されるように強化される。あるいは、PNDはA/VデータをPNDにプッシュするネットワークサービスに登録される。PNDは、PNDの制御システムにより要求された時に画像及びビデオを画面上に提示し且つスピーカを介して音声を提供できる。そのようなA/Vデータが交通カメラ画像から構成される場合、PNDは、ルート上、ルート付近又は特定の地理的領域の交通カメラからの画像の探索、選択及び表示を可能にするインタフェースを提供できる。本発明において使用される交通カメラは、計画されたルート又はそのルートに代わるルートと関連するカメラであってもよい。画像データは、移動電話のカメラを使用して記録されたデータであってもよい。そのようなデータは、PNDにより収集され、交通に関連するカメラ情報として使用するためにネットワークに送信されてもよい。画像データは、テレビサービスにより記録された画像データであってもよい。A/Vデータが音声である場合、PNDは音声ストリームの選択及び再生を可能にする機構を提供できる。これは、PNDのユーザに最も好都合に提示するために、関心地理的領域に位置する地方無線局からの最近の交通レポート、テレビサービスから取得される音声、PNDにアップロードされた任意の他の有用な音声情報の音声、又はウェブページの情報等の他の情報から合成された音声により構成されてもよい。A/Vデータは、情報が関連する場所を識別する緯度及び経度等の空間座標等の場所識別子と共に供給されてもよい。カメラデータの場合、例えばコンパス方位により表されるカメラが向いている方向等の方向指示データを提供されてもよい。
【0049】
交通カメラ画像の提示
【0050】
交通カメラ画像は、インターネットからのダウンロード及びPNDの画面上での表示のために多くの方法によって選択される。例えば、選択したルートに関連するカメラの画像を表示する場合、ルートが選択された時、デバイスは道路地図上にルートを重畳して表示し、更に交通カメラの場所を示す記号を追加して重畳する。それら記号は、指先を使用して確実に選択できるような十分な大きさを有する。そのような記号の面積は、少なくとも0.3cm×0.3cmである。映像交通データに関連する記号はカメラに類似してもよい。また、音声交通データに関連する記号は、スピーカ又はマイクに類似してもよい。各交通カメラ記号に近接する矢印又は他の方向指示記号が含まれてもよい。これは、交通カメラが向いている大よその方向を指し、ユーザの可能なルートと同一方向に移動している交通量を確認するためのカメラ画像の部分をユーザが理解するのを助長する。あるいは、交通カメラ記号が指し示している方向と交通カメラが向いている方向とが略同一方向となるように、交通カメラ記号の向きが決定されてもよい。PNDは、ユーザがカメラの記号付近で画面に触れた時、指定されたカメラからの最新画像が規定された秒数の間表示されるように構成される。その後、表示は地図に戻る。あるいは、デバイスは、ユーザがカメラの記号付近で画面に触れた時、ユーザが画面に触れることにより又は他の制御を使用することにより地図に戻ることを手動で選択するまで、指定されたカメラからの最新画像が表示されるように構成される。
【0051】
ルート上の略同一の場所から互いに反対方向の交通カメラ画像が入手可能である場合、PNDの初期設定においては、ユーザが移動したいルートに沿う方向と略同一方向を向いているカメラからのカメラ画像を表示する。しかし、例えば2つのカメラの一方が動作していなかったり、交通カメラの設置にかかるコストの理由のために特定の場所において交通カメラが1つしか存在しなかったりする可能性があるため、移動したいルートに沿う方向と略同一方向を向いているカメラからのカメラ画像が常に入手可能であるとは限らない。ユーザが移動したいルートの方向とは反対の方向に沿ってカメラが向いているような例外に対しては、地図画像に矢印を含むのが好ましいだろう。ユーザが入手可能なカメラ画像データを完全にチェックしたい場合、ユーザは、特定の方向から可能な双方の方向に対するカメラ画像を調査したいと考えるだろう。この場合、各々が反対方向を指し示す2つの矢印が地図画像上に示される。例えば順番に各矢印を選択することにより、ユーザはカメラが向いている各方向に対するカメラ画像を観察できる。オプションとして、記号又は単語がカメラ画像内で表示され、示される方向は、ユーザが移動したい方向と略平行であるか又は略反対であるかを示す。例えば、上向きの矢印は平行な方向を示すために使用されてもよく、下向きの矢印は反対方向を示すために使用されてもよい。
【0052】
PNDは、所定のカメラ画像がユーザルートと略平行であるか又はユーザのルートと略反対方向であるかを知るために計算を実行する必要がある。カメラの方向は、その位置座標と共に受信される。PNDは、カメラが配置される地点においてユーザルートの方向を計算できる。当業者には明らかとなるように、それら2つの方向の角度は多くの方法で計算できる。1つの方法は、地図の平面において2つの方向に対する単位ベクトルを構成することである。2つの方向の角度は、2つの単位ベクトル間の数学のベクトル内積の逆余弦により与えられる。その角度が90度未満である場合、カメラの方向はユーザのルートに略平行であると解釈される。角度が90度を超える場合、カメラの方向はユーザのルートと略反対であると解釈される。角度が90度である場合、カメラの角度はユーザのルートに対して不確かであり、疑問符で表されてもよい。角度が変化し続ける地図及びカメラ画像上に矢印を表示することにより、より高レベルな精緻さが使用される。表示される角度は、逆三角関数及びベクトルの数学上の計算を使用して取得される角度である。
【0053】
PNDは、ユーザコマンドにより要求された時に、ルートに沿って位置付けられる連続したカメラからの画像のシーケンスを表示するように構成される。この例において、関連する各カメラからの画像が表示される。通常、画像はルートの順番で表示され、各画像は短時間表示されるか、あるいはユーザが次のカメラ画像を表示すること又はそのシーケンスを中止することを手動で選択するまで表示される。シーケンスは、表示しようとしている画像を生成したカメラに関係する記号を強調する上述の地図表示、並びにカメラが向いている大よその方向を示す矢印とインタリーブされてもよく、また、ユーザが最も興味を有する画像に自在に移動できるようにフォワード及びバック制御を含んでもよい。
【0054】
PNDは、スライドショーに必要とされる画像の順番を利用して、予想される表示順にネットワークから画像をダウンロードしてもよく、それにより第1の画像以外の全ての画像が画面上に表示されるまでのユーザに対する遅延を最小限にする。スライドショーの予想される第1の画像は、ルートが選択されるとすぐにダウンロードされてもよいため、スライドショーが要求された時に開始するまでの遅延は全くない。
【0055】
ある場所に対する音声又は映像交通情報がデバイス上で再生される場合、デバイスは、ユーザがその場所をルートに含ませるか又はルートから除外できるようにするメニューオプションを示す。
【0056】
ある領域におけるカメラ画像の表示
【0057】
ルートの選択又は要求前に、あるいはルートの選択とは全く無関係に、ユーザは関心のある領域内のカメラ画像表示を観察することを選択してもよい。例えば運転者が一般に同一ルートを移動する場合、運転者はデバイスを使用して、出発前又は出発後にそのルート上のカメラを調査してもよい。それが問題を示さない場合、運転者はルートを見つけるようにデバイスに要求することなく道を進行し続けてもよい。カメラの調査により渋滞が示される場合にのみ、運転者は、通常のルートが依然として最適であるかを判定するために、デバイスにルートを選択するように要求する必要性を感じることになる。カメラ画像がある領域に関連付けられる場合、デバイスは選択された地理的領域の道路地図を各カメラが向いている大よその方向を示す矢印と共にカメラ記号を重畳して表示する。ユーザはそのカメラを選択でき、デバイスはそのカメラから最新画像をダウンロードして表示する。
【0058】
デバイスは、ある領域の全てのカメラのスライドショーを示すように要求される。表示の順番は、デバイスにより選択され、例えば領域を走査し、ユーザの現在地に最も近接するカメラからの画像を最初に表示し、その後は距離の順番で表示し、最も遠いカメラの画像を最後に表示する。このスライドショーは、自動または手動のいずれかを選択できる。自動においては、各カメラ画像を数秒間示し、その後次の画像に移動する。手動においては、に画面に触れるか又は他のコマンドを発行することにより、デバイスに次の画像を表示するように要求する。
【0059】
デバイスのユーザがデバイスを呼び出すと、ユーザの関心地理的領域と交差するか又はデバイスによりルーティングされるテレビ局又はラジオ局からの最新レポートがデバイスに送信されて再生される。
【0060】
デバイスは、車両の安全走行のために運転者が運転に集中できる動作モードを使用するように構成される。例えば、PNDが連続して適切な画像を自動的に且つ繰り返し表示するように規則が規定される場合、運転者はPNDにより運転操作を中断されることなく、観察するのに安全な時にのみ画像を観察するだけでよい。このように、運転者が安全な状態にあり合法的に挙動する間に、デバイスは案内及び対話を提供することができる。すなわち多くの管轄区において、法律は、運転者がPND等の車載デバイスにより気をそらせるべきではないことを要求するか又は示す。英国における一例は、1988年の道路交通法である。当然英国において、乗客がPNDを対話的に動作することは完全に合法的である。
【0061】
ダウンロード及び圧縮
【0062】
移動通信ネットワークの現在の実施例において、画像データを送信する時、そのデータサイズによる通信コスト及び遅延は大きい。更に種々のカメラ画像は、種々のサイズ、縮尺及び画像形式で利用可能とされる可能性がある。それら問題は、固定インターネットに接続されるプロキシサーバを介するように画像要求を送信することにより軽減される。この構成において、PNDが特定の場所におけるカメラ画像又はある領域における複数の画像を要求する場合、プロキシサーバに対して要求が行われる。その結果、プロキシサーバは、種々の元の場所から画像を要求し、固定インターネットを介して極めて迅速にそれら画像を受信する。プロキシサーバは、インターネット、あるいは音声又はビデオ放送からデータを取得してもよい。あるいは、プロキシサーバは、例えば「30分毎」のように周期的に、又は報告すべき重大なニュースがある場合に外部発信元により送出されたデータを受信するようにしてもよい。プロキシサーバは、PNDにより読み出し可能な形式に画像を変換し、PNDの形状的ファクタ(form factor)に合うように画像を縮尺変更又はクリッピングし、PNDの画面上で可視である最小詳細レベルに又はPNDの画面上で可視である最小詳細レベル未満の詳細レベルに画像を圧縮する。白黒画像はカラー画像より狭い帯域幅を必要とするため、画像は白黒で供給されてもよい。このように処理された画像は、通常1秒か2秒でGPRSを介してPNDにダウンロードされ、上述した画像表示機構を可能にする。
【0063】
交通カメラのビデオの提示
【0064】
システムは、インターネットからのビデオクリップのダウンロード及び表示をサポートできる。ユーザ対話の同一システムは、静止画を選択するために使用されるように、ビデオクリップを選択するために採用される。カメラが地図上のカメラ記号を介して選択された場合、カメラ領域にわたる交通の流れのビデオクリップが示される。あるいは、ルート又は領域のカメラのスライドショーが要求された場合、カメラ毎に1つのクリップが一連のビデオクリップとして示される。
【0065】
ビデオ圧縮
【0066】
現在の通信ネットワーク(例えば、GPRS)を介してビデオクリップをダウンロードするための時間及びコストに対処するために、プロキシサーバがシステムのオプション部分として使用される。プロキシサーバは、固定インターネットを介して元のビデオクリップを取り出し、PND上の表示に適合した最小サイズとなるようにそれらビデオクリップを変換する。これにより、ビデオクリップをダウンロードするコスト及び時間が受け入れ可能レベルに減少される。プロキシサーバは、ビデオのフレームをクリッピングしてPNDの画面のアスペクト比にする。プロキシサーバは、フレームがPNDの画面上で可視であるレベルを超える詳細を有さないように又はフレームがPNDの画面上で可視であるレベルを下回る詳細を有するように個々のフレームを圧縮する。その結果、要求されたデータサイズに大きく減少される。プロキシサーバは、ビデオをPND上で観察可能に保持する最小限までビデオのフレームレートを低減してもよい。このフレームレートは、固定カメラを通過する車両のビデオ等の単純なビデオに対しては5フレーム/秒等の低さであってもよい。プロキシサーバは、高圧縮されたビデオデータを得るために、MPEG−4等の高度なA/V符号化標準を使用して結果として得られたビデオを符号化する。そのような符号化は、ビデオクリップの連続する画像の静的な背景及び他の共通要素を除外し、1つのシーンと次のシーンとの差分のみを送信できる。交通カメラのビデオクリップを圧縮する制約されたアプリケーションは、特にそのような圧縮技術に従い、静止画のサイズの桁数以下のサイズであり且つ低フレームレートである数秒間のビデオを符号化するビデオクリップを得られる。
【0067】
ラジオレポートの格納及び提示
【0068】
地方ラジオ局及び全国ラジオ局は、周期的な交通レポートを送信する。プロキシサーバは、RDSシステムを使用して放送又はインターネットから交通レポートを選択できる。プロキシサーバは、局の放送範囲の領域により索引付けされた音声ストリームとしてそれらレポートを格納できる。PNDのユーザがそれらを呼び出した時、運転者の関心地理的領域と交差する局からの最新レポート又はPNDにより使用されるルートからの最新レポートは、PNDに送信されて再生される。PNDは、口頭による運転指示を発行するために使用されるスピーカを有する。このスピーカは、ダウンロードされた交通レポートが選択された時にそれらを再生するようにプログラムされる。画像表示に対する交通カメラを選択するのに使用される地図インタフェースは、地図上の特定の場所を言及するレポートを含む音声交通レポートを示す記号を追加されてもよい。それらは、画面に触れることにより又は上述した他の制御機構により再生のために選択される。
【0069】
実施例
【0070】
ここで、ユーザが可能な別のルート上のカメラを検査するためにタッチスクリーンを使用する実施現例を示す。図1は、PNDの画面10上に表示される移動領域の地図を示す。尚、2つの固定交通カメラの大よその場所及び要求された目的地とともに、PNDが設置された車両の位置が示される。ユーザは、画面に示されるカメラのアイコンに触れ、カメラ1を選択する。PNDは、プロキシサーバから適切な画像をダウンロードする。図2は、PNDの画面20に示されるカメラ1からの画像を示す。図1のカメラ1に近接する矢印の方向により、カメラ1は、カメラ1を通過するユーザのとるであろうルートと反対の方向を向いている。この例において、英国では交通は左側通行である。従って、カメラが向いている方向とは反対方向に交通が移動している道路の車線における渋滞を画像が示すため、ユーザのとり得るルートは渋滞の悪影響を受ける。これは、カメラが向いている方向に移動する交通とは異なる。その交通は、渋滞の悪影響を受けていない。ユーザがカメラの向いている方向を知らない場合にカメラ1の近くの渋滞にあう可能性は50%であることが推測できるため、この例は、カメラが向いている大よその方向をユーザに通知する利点を明らかに示す。これは、通常、渋滞が発生した時、その渋滞は一方向に移動する交通に対して発生し、反対方向に移動する交通に対して発生しないため、非常に重要な利点である。図2の矢印21は、下方向を指す矢印であるため、画像を撮影するカメラがユーザの移動したい方向と略反対方向に沿って向いていることを示す。別の方法において、矢印はルートの一部を形成する実際の車線上に重畳される。これは、道路の両側を判定でき且つ路面の一部を形成するかのように正確な向き及び遠近法で示されるように矢印の形状をモーフィング又は変更できるパターン認識ソフトウェアを必要とするであろう。
【0071】
運転者は、別のルートオプションを調査するために、図1の地図の表示に戻す。図1の画像を観察して、運転者は、カメラ2を通過するルートが適切な別のルートであると決定する。図3は、図1の交通カメラ2が選択された場合にPNDにより表示される画像30を示す。図3の矢印31は、上方向を指す矢印であるため、画像を撮影するカメラがユーザの移動したい方向と略平行な方向に沿って向いていることを示す。図3において、カメラが向いている方向が意図される移動方向と略平行であるため、ユーザの移動したい方向の車線には1台の自動車のみが見える。図3の画像に基づくと、このルートは混雑が非常に少なく見えるため、運転者はカメラ2を通過するルートをとることを決定する。この時点において、運転者は、いくつかのルートを計算するようにPNDに要求してもよい。PNDにより提案されたルートのうち、PNDにより提案された最適なルートは、ルーティングシステムがカメラ1の場所における遅延及びルート選択の際に考慮した理由に気付いているかどうかに依存する。しかし、複数のカメラが存在する場合、交通カメラ画像が採用する適正なルートの適切な概念を運転者に与えたことは明らかである。運転者は、例えばカメラ2の側の道路をルートの中間地点として含ませることにより、カメラ2の側を通過するルートを選択することができる。これは、各交通カメラ画像(あるいは、より一般的には音声又はビデオ交通情報の各再生)に「ルートに含む」とラベル付けされたボタン及び「ルートから除外する」とラベル付けされた別のボタン等のルート計算オプションを付けることにより簡単化される。「ルートに含む」ボタンに触れると、ルート計算アルゴリズム(通常、PND上で実行される)は交通カメラ(又は交通カメラがない場合には交通情報において参照される場所)を通過するルートを計算する。他方のボタンに触れると、その特定のカメラを回避するルートが計算される。ルート計算アルゴリズムは、計算を実行する際に他の種類の交通データを使用してもよい(例えば、道路交通センサ、セルネットワークにわたる移動電話の動き等)。こうして、PNDは、ナビゲーションの地図又は計画ルートを示す図に重畳された主要な事故又は道路工事を示すアイコンを表示することができる。特に交通情報が種々の発信元から到着するため、交通情報の品質は非常に変動しやすいことは周知である。従って、多くの従来の交通システムにより主要な交通渋滞が完全に報告されないことは周知でないわけではない。本発明の方法を使用して、事前に交通渋滞を認識する運転者は、全ての交通カメラに対するPOIを表示するようにPNDに要求できる(これは、ユーザが、表示される全てのPOIの種類のチェックボックスに印をつける標準POI選択処理を使用して行なわれる)。PNDは、適切な交通カメラデータ(最新の静止画であってもよく又は場合によってはリアルタイムビデオ出力であってもよい)をダウンロードし、運転者は、交通渋滞の本当の様子について実際の映像を確認するために、例えばルートの次の5マイルに沿うカメラの交通カメラPOI記号を選択できる。
【0072】
交通カメラディスプレイ42に対して本発明の実験的なシステムを実行するデバイス40の画像を図4に示す。図4において、カメラの場所は、カメラが向いている大よその方向を示す矢印と共に地図41上に示される。これは、交通カメラ画像の現実のPND上での見え方に関する一例である。図4の白色の矢印43は、上方向を指す矢印であるため、画像を撮影するカメラがユーザの移動したい方向と略平行な方向に沿って向いていることを示す。
【0073】
上述のデバイスにより、通信ネットワーク上の種々のA/V情報源はパーソナルナビゲーションデバイスにより提供される情報を改善するために使用できる。交通カメラ画像のロード及び観察をPNDのルート案内及びルート選択機能と統合するための機構は、この情報改善の特定の例である。また、A/V情報改善の他の例の概略についても説明した。画像及びビデオ圧縮技術の適用、並びにプロキシサーバの使用により、データは効率的にリアルタイムでPNDにロードされる。上述においてPNDの使用が強調されたが、PNDは組込み自動車ナビゲーションデバイスであってもよいことが当業者には理解されるだろう。
【0074】
本発明の範囲から逸脱せずに、本発明の種々の変形及び変更が当業者には明らかとなるだろう。本発明は、例示的な実施形態に不当に制限されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、道路網に対する現在地、目的地及び2つの交通カメラの大よその位置を示す地図を表すPNDの画面を示す図である。
【図2】図2は、図1のカメラ1から取得される交通カメラ画像データのPNDの画面を示す図である。
【図3】図3は、図1のカメラ2から取得される交通カメラ画像データのPNDの画面を示す図である。
【図4】図4は、本発明の一例であり且つ且つ本発明の一例を実行しているPNDデバイスの画像を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が音声または映像の交通情報の存在する場所を示し且つ前記音声情報又は前記映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共に、道路地図上に重畳されるルートを表示するように動作するナビゲーションデバイス。
【請求項2】
前記交通情報は、静止画又はビデオ画像を含む映像交通情報である請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記映像交通情報は、固定交通カメラにより生成される請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記映像交通情報は、ネットワークを介して前記情報を共用するエンドユーザにより動作されるカメラにより生成される請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記映像交通情報は、ネットワークを介して前記情報を共用する携帯ナビゲーションデバイスにより生成される請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記映像交通情報は、ウェブサイトにより生成されるか又はウェブサイトから取得される請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記映像交通情報は、テレビサービスから生成又は取得される請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記交通情報は、ラジオ放送サービスにより生成されるか又はラジオ放送サービスから取得される音声交通情報である請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記交通情報は、テレビ音声出力により生成される音声交通情報である請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記交通情報は、ウェブサイトにより生成されるか又はウェブサイトから取得される音声交通情報である請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記交通情報は、放送されるか又は場所識別データと共に配信される請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスはタッチスクリーンディスプレイを含み、前記記号の各々は指先を使用して確実に選択するのに十分な大きさである請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
ユーザが単に適切な制御メッセージを話すことにより前記音声情報又は前記映像情報の再生を開始できるようにする音声認識エンジンを含む(又は音声認識エンジンに接続される)請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
自動車のフロントガラスに取り付け可能なマウントを含むパーソナルナビゲーションデバイスである請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
組込み自動車ナビゲーションデバイスである請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記記号の各々は、少なくとも0.3cm×0.3cmである請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記記号は、交通カメラからのビデオフレームの実際のサムネイル画像である請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記記号は、テキスト記述のみから構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記記号は図形又はアイコンである請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記図形又は前記アイコンはPOI記号の外観と一致する請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
音声交通情報に対する前記記号はマイクを図で表す請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記記号はカメラを図で表す請求項20に記載のデバイス。
【請求項23】
ユーザが映像交通情報に対する記号付近で前記画面に触れた場合、前記記号に関連する前記場所に対する最新の画像又は画像のシーケンスが規定された秒数の間表示される請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
ユーザが音声交通情報に対する記号付近で前記画面に触れた場合、前記記号に関連する前記場所に対する最新の音声レポートが再生される請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
ユーザが映像交通情報に対する記号付近で前記画面に触れた場合、前記記号に関連する前記場所に対する最新画像が、前記ユーザが前記画面に触れることにより又は他の制御を使用することにより前記地図に戻ることを手動で選択するまで表示される請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
ユーザが音声交通情報に対する記号付近で前記画面に触れた場合、前記記号に関連する前記場所に対する最新の音声レポートが、ユーザが前記画面に触れることにより又は他の制御を使用することにより前記地図に戻ることを手動で選択するまで再生される請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
ある場所に対する音声交通情報又は映像交通情報が前記デバイス上で再生される場合、前記デバイスは、ユーザが前記場所をルートに含むか又はルートから除外できるようにするメニューオプションを示す請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記デバイスは、ユーザコマンドにより要求された場合に、前記ルートに沿うカメラの集合からの前記ルートに沿う画像のシーケンスを表示するように構成される請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記画像は、前記ルートに沿う前記カメラと同一の順番で表示され、前記画像の各々は、短時間表示されるか、あるいは前記ユーザが次のカメラからの次の画像を表示すること又は前記シーケンスを中止することを手動で選択するまで表示される請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
連続するカメラからの前記画像のシーケンスは、表示しようとしている前記画像を生成した前記カメラに関係する前記記号を強調する前記地図表示とインタリーブされ得る請求項28に記載のデバイス。
【請求項31】
前記シーケンスは、前記ユーザが最も興味を有する前記画像に自在に移動できるようにフォワード制御及びバック制御を含む請求項28に記載のデバイス。
【請求項32】
前記デバイスは、スライドショーに必要とされる画像の順番を利用して、予想される表示順で前記ネットワークから前記画像をダウンロードし、それにより第1の画像以外の全ての画像が画面上に表示されるまでの前記ユーザに対する遅延を最小限にする請求項28に記載のデバイス。
【請求項33】
前記スライドショーが要求された時に開始するまでの遅延がなくなるように、スライドショーの予想される第1の画像を、ルートが選択されるとすぐにダウンロードする請求項28に記載のデバイス。
【請求項34】
音声交通情報又は映像交通情報は、計画ルート上の場所に対する情報である請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
音声交通情報又は映像交通情報は、ルートの選択前に又はルートの選択とは無関係に使用される請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
前記カメラは、前記計画ルート又は前記ルートに代わるルートと関連するカメラである請求項3に記載のデバイス。
【請求項37】
ユーザにより、ルートの選択又は要求前に、あるいはルートの選択とは全く無関係に、関心ある領域内のカメラ画像表示を観察することを選択可能とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項38】
前記デバイスは、ある領域におけるカメラの集合からの全ての前記映像交通情報のスライドショーを示すように要求される請求項3に記載のデバイス。
【請求項39】
前記カメラ画像の表示の順番は、前記デバイスにより選択される請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記デバイスは、前記領域を走査し且つ前記ユーザの現在地からのカメラの距離の順番と同一の順番で前記カメラ画像を表示することにより、前記カメラ画像の表示の順番を選択し、それにより前記ユーザの現在地に最も近接するカメラからのカメラ画像が最初に表示され、前記ユーザの現在地から最も遠いカメラからのカメラ画像が最後に表示される請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記スライドショーは自動であり、各カメラ画像は次の画像に進む前に数秒間表示される請求項38に記載のデバイス。
【請求項42】
前記スライドショーは非自動であり、前記ユーザは次の画像を表示するように前記システムに要求するために、前記画面に触れるか又は他のコマンドを発行する必要がある請求項38に記載のデバイス。
【請求項43】
前記デバイスは、インターネットからのビデオクリップのダウンロード及び表示をサポートする請求項1に記載のデバイス。
【請求項44】
前記カメラが地図上のカメラ記号を介して選択された場合、カメラ領域にわたる交通の流れのビデオクリップを表示する請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
ルート又は領域のカメラのスライドショーが要求された場合、カメラ毎に1つのクリップを一連のビデオクリップとして表示する請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
交通情報を、前記ユーザが移動したい方向に対応する交通の方向を示す記号と共に表示する請求項1に記載のデバイス。
【請求項47】
特定の場所における映像交通情報の存在を表すために表示される前記記号を、前記場所に対する映像交通情報が入手可能である観察方向を示す更なる記号と共に表示する請求項1に記載のデバイス。
【請求項48】
音声交通情報又は映像交通情報をナビゲーションデバイスに供給するように動作可能なプロキシサーバであり、前記ナビゲーションデバイスは、各々が前記サーバ上で音声交通情報又は映像交通情報の存在する場所を示し且つ前記音声情報又は前記映像情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共にルートを道路地図上に重畳して表示するように動作し、前記サーバは、前記ナビゲーションデバイスの特定の再生要求に対して前記音声情報又は前記映像情報を適応させるプロキシサーバ。
【請求項49】
前記プロキシサーバは、音声交通情報源又は映像交通情報源からデータを供給される請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項50】
音声及び映像の交通情報に対するデータ出力を取り込み且つ前記情報を標準に一致するように適応させるミドルウェアとして、あるいは入力される情報からデータを抽出し且つ帯域幅の効率がよい放送又はナビゲーションデバイスへの送信に適する標準形式で前記データを再パッケージ化するミドルウェアとして動作可能である請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項51】
前記プロキシサーバは、音声交通情報源又は映像交通情報源からのデータを要求する請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項52】
前記プロキシサーバは、ナビゲーションデバイスにより読み出し可能な形式に画像を変換する請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項53】
前記プロキシサーバは、ナビゲーションデバイスの形状的なファクタに合うように画像を縮尺変更又はクリッピングする請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項54】
ナビゲーションデバイスの画面上で可視である最小詳細レベルに画像を圧縮する請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項55】
前記ビデオをナビゲーションデバイス上で観察可能に維持する最小限まで前記ビデオのフレームレートを低減する請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項56】
高圧縮されたビデオデータを得るために、MPEG−4等のA/V符号化標準を使用して結果として得られるビデオを符号化する請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項57】
前記プロキシサーバは、インターネット又は放送から交通レポートを選択できる請求項48に記載のプロキシサーバ。
【請求項58】
前記プロキシサーバは、前記局の放送範囲の領域により索引付けされた音声ストリームとして前記交通レポートを格納できる請求項57に記載のプロキシサーバ。
【請求項59】
ナビゲーションデバイスのユーザが要求を行なう場合、運転者の関心地理的領域と交差する局からの最新レポート又は前記デバイスにより前記運転者が通過するようにルーティングされた前記地理的領域における局からの最新レポートを、前記デバイスに送信し再生させる請求項58に記載のプロキシサーバ。
【請求項60】
音声又は映像の交通情報をナビゲーションデバイスに提供する方法であって、前記ナビゲーションデバイスは、各々が音声又は映像の交通情報の存在する場所を示し且つ前記音声又は映像の情報を再生するために選択可能である1つ以上の記号と共にルートを道路地図上に重畳して表示するように動作し、
(a)プロキシサーバが前記情報の1つ以上の発信元から音声又は映像の交通情報を取得するか又は提供されるステップと、
(b)前記プロキシサーバが前記デバイス上で再生成するために前記情報を操作するステップとを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−516189(P2009−516189A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540697(P2008−540697)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004314
【国際公開番号】WO2007/057696
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.Linux
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】