説明

交通情報提供システム、センタ側コンピュータ用プログラム、検索プログラム、記録媒体、交通情報提供方法

【課題】自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断でき、リンクの途中で渋滞が発生した場合でも渋滞発生箇所を詳細に示すことができ、渋滞原因の推定及びその後の交通状態の予測を行うことができる交通情報提供システム1等を提供する。
【解決手段】渋滞度算出部33は、受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、当該区間と当該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録DB43に記録する。従前渋滞記録検索部34は現在の渋滞記録の区間と同一区間について渋滞記録DB43に記録された従前の渋滞記録を検索する。判断部35は現在の渋滞記録における所定の渋滞度と従前渋滞記録検索部34により検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞(突発的渋滞)の発生の有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載機と、当該車載機と通信を行うセンタ側コンピュータとを備えた交通情報提供システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プローブカーを用いて交通情報のモニタリングを行うプローブシステムの開発および運用が進められている(非特許文献1参照)。このプローブカーは現在地を示す位置情報と現在の時間を示す時間情報とを1分または5分等の定期的な時間間隔でプローブセンタへ通知している。プローブセンタは、例えば一都市当り数千台のプローブカーから通知された位置情報および時間情報を集計することにより、どこに車両が集中(渋滞)しているのかという交通情報を地図上に表示して俯瞰することができるようになっている。一般に、交通情報は交差点またはその他の箇所(以下、本明細書では「交差点等」と言う。)をノードとして現し、交差点等と交差点等とを結ぶリンクにおいて渋滞が発生しているかどうかを表現している。プローブセンタはこのようにして得られた交通情報を適宜車両へ送信している。このような交通情報は交通の流れに沿って走行する車両の動きを元に作成されるため、プローブセンタでは交通の流れに沿っていない車両の情報を排除するクレンジングを行っている。
【0003】
【非特許文献1】“2.プローブ情報事例”、[online]、国土交通省道路局ITSホーム・ページ、[平成19年9月13日検索]、インターネット、 <URL: http://www.its.go.jp/ITS/j-html/VicsProbe/20050629/siryo3_4.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、プローブセンタではクレンジングを行っているが、ある車両が道路上に駐車しているのか停車しているのかの判断は容易ではなく、さらに駅周辺のタクシーは客待ちで待機中であるのか、あるいは渋滞しているのかの判断も容易ではない。このようにクレンジング機能が不十分であるため、自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することが困難であるという問題があった。
【0005】
渋滞はリンクを対象として判断されているため、リンクの途中で渋滞が発生していた場合、その渋滞発生箇所を詳細に示すことができないという問題があった。
【0006】
あるリンクに渋滞が発生しているかどうかのみを判断しているため、渋滞が発生した渋滞原因まではわからないという問題があった。このため、その後の交通状態の予測は困難であるという問題があった。
【0007】
上述の問題を解消するために1プローブカー毎に渋滞原因を通報する場合、プローブシステム全体では送信量が膨大となるため、携帯電話網等を利用した場合、通信料金等が極めて増加し、プローブセンタの運用経費が極めて増加することになるという問題があった。
【0008】
プローブカー側では位置情報および時間情報を通知しているだけであり、プローブセンタ側から交通情報の提供を受けていないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することが可能な交通情報提供システム等を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、リンクの途中で渋滞が発生した場合であっても、その渋滞発生箇所を詳細に示すことができ、渋滞原因を推定することができ、その後の交通状態の予測を行うことが可能な交通情報提供システム等を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、従前通りプローブカー側からは位置情報および時間情報を通知させるだけとし、1プローブカー毎に渋滞原因を通報させることを携帯電話網等を利用して行なう方法を用いないため、プローブセンタの運用経費を増加させないで済ませることが可能な交通情報提供システム等を提供することにある。
【0012】
本発明の第4の目的は、プローブカー側でもプローブセンタ側から交通情報の提供を受けることが可能な交通情報提供システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の交通情報提供システムは、車両に搭載された車載機と、該車載機と通信を行うセンタ側コンピュータとを備えた交通情報提供システムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、前記情報収集車両の車載機は、該情報収集車両の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集手段と、前記位置情報収集手段により収集された位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を前記センタ側コンピュータ側へ送信する収集情報送信手段とを備え、前記センタ側コンピュータは、前記収集情報送信手段により送信された収集情報を受信する収集情報受信手段と、前記収集情報受信手段により受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出手段と、前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索手段と、前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索手段により現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断手段と、前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信手段とを備え、前記車両の車載機は、前記交通情報送信手段により送信された交通情報を受信する交通情報受信手段と、前記交通情報受信手段により受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、該検索プログラムは、前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索手段と、前記ネットワーク検索手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段と、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段とを備え、前記センタ側コンピュータは、前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信手段と、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信手段により送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段とをさらに備え、前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0015】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、前記ネットワーク検索手段は、前記渋滞記録送信手段により送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0016】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、該検索プログラムは、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視手段と、前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段と、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記ネットワーク監視手段で用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因手段により推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段とを備え、前記センタ側コンピュータは、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段をさらに備え、前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0017】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、前記ネットワーク監視手段は、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0018】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、前記検索プログラムは、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測手段をさらに備えることができる。
【0019】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードとすることができる。
【0020】
ここで、この発明の交通情報提供システムにおいて、前記所定の機能は、渋滞表示機能及び/又は経路再探索機能とすることができる。
【0021】
この発明のセンタ側コンピュータ用プログラムは、車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータ用プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、該センタ側コンピュータを、前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両により収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を受信する収集情報受信手段、前記収集情報受信手段により受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出手段、前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索手段、前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索手段により現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断手段、前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信手段として機能させるためのセンタ側コンピュータ用プログラムであって、前記車両の車載機により該交通情報に基づき所定の機能の動作が行われることを特徴とする。
【0022】
ここで、この発明のセンタ側コンピュータ用プログラムにおいて、前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断された場合、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであってセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信手段と、前記検索プログラムにより、前記渋滞記録送信手段によって送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づきネットワーク上で検索が行われ、検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とが推定され、推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報が前記センタ側コンピュータへ送信され、送信された該非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信手段により送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段とをさらに備え、前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0023】
ここで、この発明のセンタ側コンピュータ用プログラムにおいて、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムにより、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づきネットワーク上で検索が行われ、検索された結果に基づき非自然渋滞の発生が検出された場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報が取得され、検索された結果に基づき非自然渋滞の原因となる候補とその確率とが推定され、取得された該位置情報と、検索に用いられた該時間情報と、推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とが前記センタ側コンピュータへ送信され、送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段をさらに備え、前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0024】
この発明の検索プログラムは、ネットワーク上で自動的に検索を行い、車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、前記センタ側コンピュータにより、前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両によって収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報が受信され、該収集情報に基づく区間における所定の渋滞度が算出され、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録が渋滞度記録部に記録され、該渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録が検索され、該渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無が判断され、非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録が送信され、コンピュータを、前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索手段、前記ネットワーク検索手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段として機能させるための検索プログラムであって、前記センタ側コンピュータにより、前記非自然渋滞原因情報送信手段によって送信された非自然渋滞原因情報が前記検索プログラム側へ送信された現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録され、前記車両側へ、該渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録が交通情報として送信されることを特徴とする。
【0025】
ここで、この発明の検索プログラムにおいて、前記ネットワーク検索手段は、前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0026】
この発明の検索プログラムは、ネットワーク上で自動的に検索を行い、車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、前記センタ側コンピュータにより、前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両によって収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報が受信され、該収集情報に基づく区間における所定の渋滞度が算出され、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録が渋滞度記録部に記録され、コンピュータを、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視手段、前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段、前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記ネットワーク監視手段で用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因手段により推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段として機能させるための検索プログラムであって、前記センタ側コンピュータにより、前記非自然渋滞原因情報送信手段によって送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録が検索され、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報が検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録され、前記車両側へ、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録が交通情報として送信されることを特徴とする。
【0027】
ここで、この発明の検索プログラムにおいて、前記ネットワーク監視手段は、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0028】
ここで、この発明の検索プログラムにおいて、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測手段をさらに備えることができる。
【0029】
ここで、この発明の検索プログラムにおいて、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードとすることができる。
【0030】
この発明の記録媒体は、本発明のセンタ側コンピュータ用プログラム、検索プログラムのいずれかを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0031】
この発明の交通情報提供方法は、車両に搭載された車載機と、該車載機と通信を行うセンタ側コンピュータとを用いる交通情報提供方法であって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、前記情報収集車両の車載機が、該情報収集車両の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集ステップと、前記位置情報収集ステップで収集された位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を前記センタ側コンピュータ側へ送信する収集情報送信ステップと、前記センタ側コンピュータが、前記収集情報送信ステップで送信された収集情報を受信する収集情報受信ステップと、前記収集情報受信ステップで受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出ステップと、前記渋滞度算出ステップで前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索ステップと、前記渋滞度算出ステップで前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索ステップで現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断ステップと、前記判断ステップで非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信ステップと、前記車両の車載機が、前記交通情報送信ステップで送信された交通情報を受信する交通情報受信ステップと、前記交通情報受信ステップで受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作ステップとを備えたことを特徴とする。
【0032】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、前記センタ側コンピュータが、前記判断ステップで非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信ステップと、前記検索プログラムが、前記渋滞記録送信ステップで送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索ステップと、前記ネットワーク検索ステップで検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定ステップと、前記非自然渋滞原因推定ステップで推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信ステップと、前記センタ側コンピュータが、前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信ステップで送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付けステップとをさらに備え、前記交通情報送信ステップは、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付けステップで前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0033】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、前記ネットワーク検索ステップは、前記渋滞記録送信ステップで送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定ステップは、前記ネットワーク検索ステップで行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0034】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、前記検索プログラムが、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視ステップと、前記ネットワーク監視ステップで検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記ネットワーク監視ステップで検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定ステップと、前記位置情報取得ステップで取得された位置情報と、前記ネットワーク監視ステップで用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因送信ステップで推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信ステップと、前記センタ側コンピュータが、前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付けステップとをさらに備え、前記交通情報送信ステップは、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付けステップで、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0035】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、前記ネットワーク監視ステップは、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、前記非自然渋滞原因推定ステップは、前記ネットワーク検索ステップで行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することができる。
【0036】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、前記検索プログラムが、前記非自然渋滞原因推定ステップで推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測ステップをさらに備えることができる。
【0037】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードとすることができる。
【0038】
ここで、この発明の交通情報提供方法において、前記所定の機能は、渋滞表示機能及び/又は経路再探索機能とすることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の交通情報提供システム等によれば、車載機等は、プローブカーの位置を示す位置情報を収集する位置情報収集部と、位置情報収集部により収集された位置情報と当該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータへ送信する収集情報送信部とを備えている。従前通りプローブカー側からは位置情報および時間情報を通知させるだけであり、1プローブカー毎に渋滞原因を通報させることを携帯電話網等を利用して行なう方法を用いない。このため、プローブセンタの運用経費を増加させないで済ませることが可能であるという効果がある。プローブセンタ側コンピュータは、収集情報送信部により送信された収集情報を受信する収集情報受信部と、収集情報受信部により受信した収集情報に基づく区間(リンク)における所定の渋滞度を算出し、当該区間と、当該収集情報に基づく時間情報と、算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録DBに記録する渋滞度算出部とを備えている。区間(リンク)における所定の渋滞度の算出は、従来と同様に行えばよい。プローブセンタ側コンピュータは、渋滞度算出部により渋滞度記録DBに記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について渋滞記録DBに記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索部を備えている。プローブセンタ側コンピュータは、渋滞度算出部により渋滞度記録DBに記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と従前渋滞記録検索部により現在の渋滞記録の区間(リンク)と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置(即ち、リンク)における非自然渋滞(突発的渋滞)の発生の有無を判断する判断部を備えている。判断部は、現在の渋滞記録に記録された渋滞度と前日の同時刻の渋滞度、前月の同じ日の同時刻の渋滞度等とを比較する。この比較の結果、例えば、現在の渋滞記録に記録された渋滞度と前日の同時刻の渋滞度が等しい場合、判断部は現在のリンクにおける渋滞は自然渋滞であると破断する。即ち、非自然渋滞が発生しているとは判断しない。以上のように、判断部は同一区間において現在の渋滞記録と過去の渋滞記録とを比較して、現在の渋滞が自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することができる。プローブセンタ側コンピュータは、判断部により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、受信車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信部を備えている。プローブカー1が受信車両であってもよいため、交通情報送信部はプローブカー側へも現在の渋滞記録を交通情報として送信することができるという効果がある。
【0040】
受信車両の車載機は、交通情報送信部により送信された交通情報を受信する交通情報受信部と、交通情報受信部により受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作部とを備えている。以上より、自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することができるという効果がある。従前通りプローブカー側からは位置情報および時間情報を通知させるだけとし、1プローブカー毎に渋滞原因を通報させることを携帯電話網等を利用して行なう方法を用いないため、プローブセンタの運用経費を増加させないで済ませることができるという効果がある。プローブカー側でもプローブセンタ側コンピュータから交通情報の提供を受けることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0042】
図1は、本発明の実施例1における交通情報提供システム1を示す。図1において、符号10a、...、10nは各々車載機11a、...、11nを搭載したプローブカー(情報収集車両)であり、20a、...、20mは各々車載機21a、...、21mを搭載した交通情報を受信する受信車両(車両)である。nおよびmは1以上の任意の数であり、以下ではプローブカーおよびその車載機をプローブカー10a等、車載機11a等と呼び、受信車両およびその車載機を受信車両20a等、車載機21a等と呼ぶ。プローブカー10a等および受信車両20a等により車両が構成されるが、プローブカー10a等が受信車両20a等であってもよい。続いて、図1において、符号30はプローブカー10a等および受信車両20a等と通信を行うプローブセンタ側コンピュータ(センタ側コンピュータ)である。
【0043】
図1において、符号12は車載機11a等が備える機能を示す機能ブロックである。機能ブロック12に示されるように、車載機11a等は、プローブカー10a等の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集部(位置情報収集手段)13と、位置情報収集部13により収集された位置情報と当該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する収集情報送信部(収集情報送信手段)14とを備えている。
【0044】
図2は、プローブカー10a等が位置情報および時間情報を収集する方法を説明するための図である。図2で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図2(A)に示されるように、プローブカー10a等が時刻Tm(2007年9月10日09時30分)で位置Piにいる(または走行中)の場合、位置情報収集部13は位置Piの緯度、経度および高度の3次元座標(位置情報)を車載機11a等に接続されたGPSアンテナ(不図示)等により収集する。収集情報送信部14は、位置情報収集部13により収集された位置Piの位置情報と時刻Tmを示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する。図2(A)上でプローブカー10a等が右方向へ進む場合、位置情報収集部13は位置Pjで位置情報を収集し、収集情報送信部14は当該位置情報と時刻Tm+1を示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する。続いて、位置情報収集部13は位置Pkで位置情報を収集し、収集情報送信部14は当該位置情報と時刻Tm+2を示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する。図2(B)は、位置Piが交差点等(ノードN1)であり、位置Pkが交差点等(ノードN2)であり、ノードN1とN2とを結ぶリンクがN1,2であり、ノードN1とN2との間の距離がR1,2であることを示す。図2(A)および(B)に示されるように、位置情報の収集はノードN1とN2との間において5分等の所望の定期的な間隔で行われる。
【0045】
図1に戻り、符号40はプローブセンタ側コンピュータ30が備えるディスク等の記録装置であり、記録装置40には、上記ノードN1等の位置Pi等に関する情報を記録したノード位置データベース(DB)41と、上記ノードN1等とN2等との間の距離R1,2等を記録したノード間距離DB42と、上記ノードN1等とN2等との間の渋滞度(後述)を記録した渋滞度記録DB(渋滞度記録部)43とが記録されている。
【0046】
図3は、記録装置40に記録されたDBの内容を例示する。図3(A)に示されるように、ノード位置DB41にはノードN1等のノード番号と当該ノードN1等に対応するノード位置(交差点等)Piとが関連付けられて記録されている。ノード位置Piは実際には緯度、経度および高度の3次元座標等で記録されている。図3(B)に示されているように、ノード間距離DB42にはノードN1等とN2等との間の距離R1,2等が記録されている。図3(B)ではノード間距離DB42を表を用いて示しているが、当該表の上(または下)三角部分だけ記録されていれば十分であるため、他の記録方法を用いてもよい。図3(C)に示されるように、渋滞度記録DB43にはノードN1等とN2等との間のリンクN1,2等における現在および過去の渋滞度が時刻と対応付けられて記録されている。例えばリンクN1,2の表に示されるように、時刻Tmにおける渋滞度は3であり、従前の時刻Tm−1における渋滞度は3である。
【0047】
図1に戻り、符号31はプローブセンタ側コンピュータ30が備える機能を示す機能ブロックである。機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、収集情報送信部13により送信された収集情報を受信する収集情報受信部(収集情報受信手段)32と、収集情報受信部32により受信した収集情報に基づく区間(リンクN1,2等)における所定の渋滞度を算出し、当該区間と、当該収集情報に基づく時間情報と、算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録DB43に記録する渋滞度算出部(渋滞度算出手段)とを備えている。渋滞度記録DB43には、上述したように、区間(リンクN1,2等)毎に時間情報と渋滞度とを対応付けた表を用いて、現在の渋滞記録をリンクN1,2に関し時刻Tmで渋滞度1のように記録しておくことができる。
【0048】
区間(リンクN1,2等)における所定の渋滞度の算出は、従来と同様に行えばよい(交通情報の提供に関する指針http://www.npa.go.jp/koutsuu/jouhou/guideline.pdf参照)。プローブセンタ側コンピュータ30では、プローブカー10a等から送信される一定間隔ごとの位置情報を集計することにより、地図上の特定リンクN1,2等における移動時間を示す「リンク旅行時間」がわかる。次に、以下のようにして渋滞度を求める。
1)リンク旅行時間とリンクの距離とにより特定のプローブカー10aの平均車速(=特定リンクN1,2の距離R1,2/特定リンクN1,2のリンク旅行時間)を算出する。
2)算出された平均車速を渋滞度の表(上記指針参照)に当てはめ、渋滞度を判別する。
【0049】
図4は、渋滞度の表を示す。図4に示されるように、渋滞度は道路の区分に応じて、「混雑」と表現すべき速度、「渋滞」と表現すべき速度が定められている。「混雑」以上の速度は「順調」とされている。例えば、あるプローブカー10a等が1キロメートルのリンクN1,2を4分で移動し、そのリンクN1,2は一般道路であった場合、平均車速は約15km/hとなるため、図4に示される渋滞度の表より、渋滞度は「混雑」となる。本実施例では、例えば図4に示される渋滞度の表により「渋滞」とされる場合を渋滞度3とし、「混雑」とされる場合を渋滞度2とし、「順調」とされる場合を渋滞度1として表現する。しかし、他の渋滞度の表または基準を用いてもよい。
【0050】
図1に戻り、機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、渋滞度算出部33により渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について渋滞記録DB43に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索部(従前渋滞記録検索手段)34を備えている。図3(C)を用いて説明すると、現在の渋滞記録の区間がリンクN1,2であり、現在の時刻がTmであった場合、従前の渋滞記録(従前の時刻、渋滞度)として(Tm−1、3)、(Tm−2、1)、...、(Tm−k、2)等を検索することができる。
【0051】
機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、渋滞度算出部33により渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と従前渋滞記録検索部34により現在の渋滞記録の区間(リンクN1,2等)と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置(即ち、リンクN1,2等)における非自然渋滞(突発的渋滞)の発生の有無を判断する判断部(判断手段)35を備えている。上述の例で説明すると、現在の渋滞記録の区間リンクN1,2について、従前渋滞記録検索部34は従前の渋滞記録(従前の時刻、渋滞度)として(Tm−1、3)、(Tm−2、1)、...、(Tm−k、2)等を検索する。現在の渋滞記録に記録された時刻Tmは年月日時刻で表されているため、判断部35は、現在の渋滞記録に記録された渋滞度3と前日の同時刻の渋滞度、前月の同じ日の同時刻の渋滞度等とを比較する。この比較の結果、例えば、現在の渋滞記録に記録された渋滞度3と前日の同時刻の渋滞度が等しい場合、判断部35は現在のリンクN1,2における渋滞度3の渋滞は自然渋滞であると破断する。即ち、非自然渋滞が発生しているとは判断しない。一方、現在の渋滞記録に記録された渋滞度3と前日の同時刻の渋滞度が異なる場合、例えば前日の同時刻の渋滞度が1の場合、判断部35は現在のリンクN1,2における渋滞度3の渋滞は突発的な渋滞(非自然渋滞)であると判断する。この場合については実施例2で説明する。
【0052】
機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、判断部35により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、受信車両20a等側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信部(交通情報送信手段)36を備えている。上述のように、プローブカー10a等が受信車両20a等であってもよいため、交通情報送信部36はプローブカー10a等側へも現在の渋滞記録を交通情報として送信することができる。
【0053】
図1において、符号22は受信車両20a等が備える機能を示す機能ブロックである。機能ブロック22に示されるように、受信車両20a等の車載機21a等は、交通情報送信部36により送信された交通情報を受信する交通情報受信部(交通情報受信手段)23と、交通情報受信部23により受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作部(機能動作手段)24とを備えている。所定の機能としては、渋滞表示機能および/または経路再探索機能を挙げることができる。例えば、交通情報受信部23により受信された交通情報を渋滞表示機能により表示させたり、当該交通情報に基づきカーナビゲーションで従前に探索された経路を再探索させることもできる。所定の機能は以上の機能に限定されるものではなく、他の機能であってもよい。
【0054】
図5は、本発明の実施例1における交通情報提供システム1および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30および受信車両20a等の各処理の流れをフローチャートで示す。図5で、左上のフローチャートはプローブカー10a等の処理を示し、左下のフローチャートは受信車両20a等の処理を示し、中央のフローチャートはプローブセンタ側コンピュータ30の処理を示し、プローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30および受信車両20a等間の通信は破線により示す。図5に示されるように、プローブカー10a等の車載機11a等が、プローブカー10a等の位置を示す位置情報を収集する(位置情報収集ステップ。ステップS10)。次に、位置情報収集ステップ(ステップS10)で収集された位置情報と当該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報CINFをプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する(収集情報送信ステップ。ステップS11)。
【0055】
続いて、プローブセンタ側コンピュータ30が、収集情報送信ステップ(ステップS11)で送信された収集情報CINFを受信する(収集情報受信ステップ。ステップS20)。収集情報受信ステップ(ステップS20)で受信した収集情報CINFに基づく区間における所定の渋滞度を算出し、当該区間と、収集情報CINFに基づく時間情報と、算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録DB43に記録する(渋滞度算出ステップ。ステップS21)。渋滞度算出ステップ(ステップS21)で渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について、渋滞記録DB43に記録された従前の渋滞記録を検索する(従前渋滞記録検索ステップ。ステップS22)。渋滞度算出ステップ(ステップS21)で渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と、従前渋滞記録検索ステップ(ステップ22)で現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する(判断ステップ。ステップS23)。判断ステップ(ステップS23)で非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、受信車両20a等側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する(交通情報送信ステップ。ステップS24)。
【0056】
受信車両20a等の車載機21a等またはプローブカー10a等の車載機11a等が、交通情報送信ステップ(ステップS24)で送信された交通情報を受信する(交通情報受信ステップ。ステップS30)。交通情報受信ステップ(ステップS30)で受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる(機能動作ステップ。ステップS31)。
【0057】
以上より、本発明の実施例1によれば、車載機11a等は、プローブカー10a等の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集部13と、位置情報収集部13により収集された位置情報と当該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する収集情報送信部14とを備えている。従前通りプローブカー10a等側からは位置情報および時間情報を通知させるだけであり、1プローブカー毎に渋滞原因を通報させることを携帯電話網等を利用して行なう方法を用いない。このため、プローブセンタの運用経費を増加させないで済ませることが可能である。プローブセンタ側コンピュータ30は、収集情報送信部13により送信された収集情報を受信する収集情報受信部32と、収集情報受信部32により受信した収集情報に基づく区間(リンクN1,2等)における所定の渋滞度を算出し、当該区間と、当該収集情報に基づく時間情報と、算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録DB43に記録する渋滞度算出部とを備えている。区間(リンクN1,2等)における所定の渋滞度の算出は、従来と同様に行えばよい。プローブセンタ側コンピュータ30は、渋滞度算出部33により渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について渋滞記録DB43に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索部34を備えている。プローブセンタ側コンピュータ30は、渋滞度算出部33により渋滞度記録DB43に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と従前渋滞記録検索部34により現在の渋滞記録の区間(リンクN1,2等)と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置(即ち、リンクN1,2等)における非自然渋滞(突発的渋滞)の発生の有無を判断する判断部35を備えている。判断部35は、現在の渋滞記録に記録された渋滞度3と前日の同時刻の渋滞度、前月の同じ日の同時刻の渋滞度等とを比較する。この比較の結果、例えば、現在の渋滞記録に記録された渋滞度3と前日の同時刻の渋滞度が等しい場合、判断部35は現在のリンクN1,2における渋滞度3の渋滞は自然渋滞であると破断する。即ち、非自然渋滞が発生しているとは判断しない。以上のように、判断部35は同一区間において現在の渋滞記録と過去の渋滞記録とを比較して、現在の渋滞が自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することができる。プローブセンタ側コンピュータ30は、判断部35により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、受信車両20a等側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信部36を備えている。上述のように、プローブカー10a等が受信車両20a等であってもよいため、交通情報送信部36はプローブカー10a等側へも現在の渋滞記録を交通情報として送信することができる。受信車両20a等の車載機21a等は、交通情報送信部36により送信された交通情報を受信する交通情報受信部23と、交通情報受信部23により受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作部24とを備えている。以上より、自然渋滞であるのか突発的な渋滞であるのかを判断することが可能な交通情報提供システム1等を提供することができる。従前通りプローブカー側からは位置情報および時間情報を通知させるだけとし、1プローブカー毎に渋滞原因を通報させることを携帯電話網等を利用して行なう方法を用いないため、プローブセンタの運用経費を増加させないで済ませることが可能な交通情報提供システム等を提供することができる。プローブカー10a等側でもプローブセンタ側コンピュータ30から交通情報の提供を受けることが可能な交通情報提供システム等を提供することができる。
【実施例2】
【0058】
実施例1でも簡単に触れたように、実施例2では判断部35により現在のリンクN1,2における渋滞が突発的な渋滞(非自然渋滞)であると判断された場合について説明する。
【0059】
図6は、本発明の実施例2における交通情報提供システム2を示す。図6で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素または機能を示すため、説明は省略する。図6において、符号51はインターネット等のネットワーク59上で自動的に検索を行うプログラムであって、プローブセンタ側コンピュータ30と通信を行うウェブ検索エージェント(検索プログラム)であり、50はウェブ検索エージェント51が実行されるサーバ等のコンピュータである。図6に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、判断部35により非自然渋滞が発生していると判断された場合、ウェブ検索エージェント51側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信部(渋滞記録送信手段)37を備えている。現在の渋滞記録は、例えばリンクN1,2に関し時刻Tmで渋滞度3のように記録されているため、渋滞記録送信部37は位置情報に関しては直接リンクN1,2の情報を送信する。あるいは渋滞記録送信部37は、ノード位置DB41を用いることによりリンクN1,2を構成するノードN1、N2の位置(緯度、経度および高度の3次元座標)を位置情報として送信してもよく、リンクN1,2の情報および上記位置を両方共送信してもよい。
【0060】
図6において、符号52はウェブ検索エージェント51の機能を示す機能ブロックであり、図面の都合上、ウェブ検索エージェント51と同じ箇所に符号を付してある。機能ブロック52に示されるように、ウェブ検索エージェント51は、プローブセンタ側コンピュータ30から送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク59上で検索を行うネットワーク検索部(ネットワーク検索手段)53を備えている。位置情報に関してリンクN1,2のみが送信された場合、ウェブ検索エージェント51は、当該リンクN1,2から道路の位置(緯度、経度および高度の3次元座標)を得るためのノード位置DB41のようなDBを有している。
【0061】
図7は、所定の検索項目を例示する。図7に示されるように、所定の検索項目としては、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードを用いることが好適である。例えば、図7に示されるように、地理的情報項目に基づくキーワードとして、住所、経度緯度、マップコード等を用いることができる。周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目における名称は、正式名だけでなく、俗称等の異なる呼び方も含めることができる。例えば、道路交通施設項目中の道路名は、99号線等という正式名だけでなく、○○バイパス等のような俗称も含めておくことができる。
【0062】
ネットワーク検索部53は送信された位置情報に基づき道路の位置(緯度、経度および高度の3次元座標)を得ることができるため、当該位置から地理的情報項目に基づくキーワードを抽出することができる。例えば、当該位置から住所を求め、その住所をキーワードとすることができる。この場合、位置と住所との対応が記録された所望の住所情報DB(不図示)を用いればよい。同様にして、当該位置から周辺施設項目、道路交通施設項目に基づくキーワードを抽出することができる。この場合も、位置−住所−周辺施設名、道路交通施設名等の対応が記録された所望の地図情報DB(不図示)を用いればよい。ネットワーク検索部53は送信された時間情報に基づき現在の時刻を得ることができるため、上記位置と当該時刻とからイベント項目に基づくキーワードを抽出することができる。この場合、時刻−住所−開催イベント等の対応が記録された所望のイベント情報DB(不図示)を用いればよい。ネットワーク検索部53は、以上のようにして抽出したキーワードを用いてネットワーク59上で検索を行なう。
【0063】
図6の機能ブロック52に示されるように、ウェブ検索エージェント51は、ネットワーク検索部53により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定部(非自然渋滞原因推定手段)54を備えている。ネットワーク検索部53が上述したキーワードを用いてネットワーク59上を検索した結果、当該キーワードを含むページ(URL)を検索結果として得ることができる。非自然渋滞原因推定部54は、当該検索結果に出現した当該キーワード以外の単語、文章等の出現頻度を集計し、出現頻度が所定の値以上である単語、文章等を非自然渋滞の原因となる候補と推定し、その出現頻度をその確率と推定する。
【0064】
図8は、ネットワーク検索部53により検索された結果を例示する。図8において、符号61は非自然渋滞の原因となる候補を示す候補欄であり、62はネットワーク検索部53により検索された検索結果の総件数を示す検索総件数欄、63は候補欄61に示される非自然渋滞の原因となる候補の出現頻度(%)を示す出現頻度欄、61は出現頻度欄63に示される出現頻度の順位を示す順位欄である。より詳しくは、非自然渋滞原因推定部54は検索結果の総件数および出現頻度を以下のようにして算出する。ネットワーク検索部53は、渋滞記録送信部37により送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報および上述した所定の検索項目に基づくネットワーク59上の第1検索と、現在の渋滞記録における位置情報および時間情報に基づくネットワーク59上の第2検索とを行う。非自然渋滞原因推定部54は、ネットワーク検索部53により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、ネットワーク検索部53により行われた第1検索の結果に出現した単語または文章等の出現回数と上記検索総件数との比に基づき出現頻度を求め、当該出現頻度が所定の値以上である単語または文章等から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定する。図8を用いて説明すると、例えばネットワーク検索部53により行われた第2検索の結果、3114件の検索結果(検索総件数)が得られたものとする。一方、第1検索の結果、「火事発生」という単語を含む検索結果(出現回数)が1541件得られたものとする。この場合、「火事発生」という単語の出現回数(=1541)/検索総件数(=3114)×100=49.4%となるため、出現頻度は49.4%となる。出現頻度が所定の値、例えば30%以上となる単語を非自然渋滞の原因となる候補とすると、図8では「火事発生」という単語だけが非自然渋滞の原因となる候補となり、その出現頻度49.4%が非自然渋滞の原因となる候補の確率ということになる。ウェブ検索エージェント51は、非自然渋滞原因推定部54により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測部(交通状況予測手段。不図示)をさらに備えることができる。例えば、非自然渋滞原因推定部54により推定された確率が20%以上であれば大規模な非自然渋滞の原因(大規模な火事発生等)とし、この場合は渋滞時間は約2時間程度とその後の交通状況を予測するようにすればよい。
【0065】
図6の機能ブロック52に示されるように、ウェブ検索エージェント51は、非自然渋滞原因推定部54により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報(上の例では、(火事発生、49.4))をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する非自然渋滞原因情報送信部(非自然渋滞原因情報送信手段)55を備えている。図6の機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、非自然渋滞原因情報送信部55により送信された非自然渋滞原因情報を渋滞記録送信部37により送信した現在の渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録する非自然渋滞原因情報関連付け部(非自然渋滞原因情報関連付け手段)38を備えている。
【0066】
図9は、非自然渋滞原因情報関連付け部38が行う関連付けの一例を示す。図9に示されるように、非自然渋滞原因情報送信部55により送信された非自然渋滞原因情報が(火事発生、49.4)の場合、渋滞度記録DB43のリンクN1,2に関する表にポインタ欄POINTERを設け、このポインタ欄POINTERに非自然渋滞原因情報(火事発生、49.4)が記録された領域へのポインタを記録すればよい。以上の結果、図9に示されるように、リンクN1,2における時刻Tmの渋滞度3は非自然渋滞であり、その原因は確率49.4%で火事発生によるものであることが記録される。ポインタ欄POINTERの初期値をNULLとしておけば、図9に示されるように、リンクN1,2における時刻Tm−1の渋滞度3は自然渋滞であることも記録することができる。
【0067】
交通情報送信部36は、受信車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付け部38により渋滞度記録DB43に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報および/または現在の渋滞記録を交通情報として送信する。
【0068】
図10は、本発明の実施例2における交通情報提供システム2および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30、ウェブ検索エージェント50および受信車両20a等の各処理の流れをフローチャートで示す。図10のフローチャートで図5のフローチャートと同じステップS番号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため、説明は省略する。
【0069】
実施例2では、判断ステップ(ステップS23)で現在のリンクにおける渋滞が突発的な渋滞(非自然渋滞)であると判断された場合について説明する。図10に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30が、判断ステップ(ステップS23)で非自然渋滞が発生していると判断し場合、ウェブ検索エージェント51側へ現在の渋滞記録JINFを送信する(渋滞記録送信ステップ。ステップS25)。
【0070】
ウェブ検索エージェント51が、渋滞記録送信ステップ(ステップS25)で送信された現在の渋滞記録JINFと所定の検索項目とに基づき、ネットワーク59上で検索を行う(ネットワーク検索ステップ。ステップS40)。ネットワーク検索ステップ(ステップS40)で検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する(非自然渋滞原因推定ステップ。ステップS41)。非自然渋滞原因推定ステップ(ステップS41)で推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報CAUSEをプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する(非自然渋滞原因情報送信ステップ。ステップS42)。
【0071】
プローブセンタ側コンピュータ30が、非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS42)で送信された非自然渋滞原因情報CAUSEを渋滞記録送信ステップ(ステップS25)で送信した現在の渋滞記録JINFと関連付けて渋滞度記録DB43に記録する(非自然渋滞原因情報関連付けステップ。ステップS26)。受信車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付けステップ(ステップS26)で渋滞度記録DB43現在の渋滞記録JINFと関連付けて記録された非自然渋滞原因情報および/または現在の渋滞記録JINFを交通情報TINF’として送信する(交通情報送信ステップ。ステップS24’)。実施例2における交通情報送信ステップは、実施例1における交通情報送信ステップと送信する情報が多少異なるため、交通情報送信ステップ(ステップS24’)としてある。
【0072】
以上より、本発明の実施例2によれば、判断部35により現在のリンクN1,2における渋滞が突発的な渋滞(非自然渋滞)であると判断された場合について処理することができる。交通情報提供システム2では、ネットワーク59上で自動的に検索を行うプログラムであって、プローブセンタ側コンピュータ30と通信を行うウェブ検索エージェントを備えており、プローブセンタ側コンピュータ30は、判断部35により非自然渋滞が発生していると判断された場合、ウェブ検索エージェント51側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信部37を備えている。ウェブ検索エージェント51は、プローブセンタ側コンピュータ30から送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク59上で検索を行うネットワーク検索部53を備えている。所定の検索項目としては、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードを用いることが好適である。ネットワーク検索部53は送信された位置情報に基づき道路の位置(緯度、経度および高度の3次元座標)を得ることができるため、当該位置から地理的情報項目に基づくキーワードを抽出することができる。例えば、当該位置から住所を求め、その住所をキーワードとすることができる。ウェブ検索エージェント51は、ネットワーク検索部53により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定部54を備えている。ネットワーク検索部53が上述したキーワードを用いてネットワーク59上を検索した結果、当該キーワードを含むページ(URL)を検索結果として得ることができる。非自然渋滞原因推定部54は、当該検索結果に出現した当該キーワード以外の単語、文章等の出現頻度を集計し、出現頻度が所定の値以上である単語、文章等を非自然渋滞の原因となる候補と推定し、その出現頻度をその確率と推定する。より詳しくは、ネットワーク検索部53は、渋滞記録送信部37により送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報および上述した所定の検索項目に基づくネットワーク59上の第1検索と、現在の渋滞記録における位置情報および時間情報に基づくネットワーク59上の第2検索とを行う。非自然渋滞原因推定部54は、ネットワーク検索部53により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、ネットワーク検索部53により行われた第1検索の結果に出現した単語または文章等の出現回数と上記検索総件数との比に基づき出現頻度を求め、当該出現頻度が所定の値以上である単語または文章等から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定する。ウェブ検索エージェント51は、非自然渋滞原因推定部54により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測部をさらに備えることができる。ウェブ検索エージェント51は、非自然渋滞原因推定部54により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報をプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する非自然渋滞原因情報送信部55を備えている。プローブセンタ側コンピュータ30は、非自然渋滞原因情報送信部55により送信された非自然渋滞原因情報を渋滞記録送信部37により送信した現在の渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録する非自然渋滞原因情報関連付け部38を備えている。交通情報送信部36は、受信車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付け部38により渋滞度記録DB43に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報および/または現在の渋滞記録を交通情報として送信する。以上より、リンクの途中で渋滞が発生した場合であっても、その渋滞発生箇所を詳細に示すことができ、渋滞原因を推定することができ、その後の交通状態の予測を行うことが可能な交通情報提供システム等を提供することができる。
【実施例3】
【0073】
実施例3では、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に非自然渋滞の発生を検出した場合について説明する。
【0074】
図11は、本発明の実施例3における交通情報提供システム3を示す。図11で図6と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。実施例3においてもウェブ検索エージェント51を用いるが、実施例2のウェブ検索エージェント51がプローブセンタ側コンピュータ30から送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク59上で検索を行うネットワーク検索部53を備えているのに対し、実施例3のウェブ検索エージェント51は、図11の機能ブロック52に示されるように、現在の時間を示す時間情報と上述した所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視部(ネットワーク監視手段)56を備えている点で異なる。実施例3では、渋滞記録送信部37による渋滞記録の送信が行われる前に、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に非自然渋滞の発生を検出した場合を想定しているため、ネットワーク監視部56はプローブセンタ側コンピュータ30から現在の渋滞記録を受信していない状態で検索を行う。つまり、ネットワーク監視部56は位置情報に基づく検索を行っていない。現在の時間を示す時間情報はコンピュータ50の時計機能を用いれば得ることができる。図11の機能ブロック52に示されるように、実施例3のウェブ検索エージェント51は、ネットワーク監視部56により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、当該検索された結果と地図情報が記録された地図記録DB(不図示)とに基づき当該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部(位置情報取得手段)57を備えている。この場合も、位置−住所−周辺施設名、道路交通施設名等の対応が記録された所望の地図情報DBを用いればよい。検索結果には住所、周辺施設名、道路交通施設名等の単語等が含まれているため、これらの単語等から位置情報を取得することができる。
【0075】
図11の機能ブロック52に示されるように、実施例3のウェブ検索エージェント51は、ネットワーク監視部56により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定部(非自然渋滞原因推定手段)54’を備えている。非自然渋滞原因推定部54’は、実施例2の非自然渋滞原因推定部54と基本的に同じ機能を備えているが、ネットワーク監視部56により検索された結果に基づき非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する点が異なっている。
【0076】
図11の機能ブロック52に示されるように、実施例3のウェブ検索エージェント51は、位置情報取得部57により取得された位置情報と、ネットワーク監視部56で用いられた時間情報と、非自然渋滞原因推定部54’により推定された候補および確率を含む非自然渋滞原因情報とをプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する非自然渋滞原因情報送信部(非自然渋滞原因情報送信手段)55’を備えている。実施例3の非自然渋滞原因情報送信部55’は、非自然渋滞原因推定部54’により推定された候補および確率に加えて、上記位置情報および時間情報もプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する点で、実施例2の非自然渋滞原因情報送信部55と異なる。これは、実施例2のように予めプローブセンタ側コンピュータ30から位置情報および時間情報を含む現在の渋滞記録を送信されていないため、プローブセンタ側コンピュータ30で非自然渋滞原因情報を渋滞度記録DB43に記録する際の記録場所を送信するためである。
【0077】
図11の機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、非自然渋滞原因情報送信部55’により送信された位置情報および時間情報に対応して渋滞度記録DB43に記録された渋滞記録を検索し、非自然渋滞原因情報送信部55’により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録する非自然渋滞原因情報関連付け部(非自然渋滞原因情報関連付け手段)38’を備えている。実施例3の非自然渋滞原因情報関連付け部38’は、上述のように非自然渋滞原因情報送信部55’から送信された記録場所(位置情報および時間情報)に基づき、渋滞度記録DB43に記録された渋滞記録を検索する点が実施例2の非自然渋滞原因情報関連付け部38と異なる。関連付け方法は実施例2と同様である。
【0078】
図11の機能ブロック31に示されるように、プローブセンタ側コンピュータ30は、 受診車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付け部38’により、検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録された非自然渋滞原因情報および/または検索された渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信部(交通情報送信手段)36’を備えている。実施例3の交通情報送信部36’は、非自然渋滞原因情報関連付け部38’により検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43記録された非自然渋滞原因情報等を交通情報として送信する点が実施例2の交通情報送信部36と異なる。
【0079】
ネットワーク監視部56は、時間情報および所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、当該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、非自然渋滞原因推定部54’は、ネットワーク検索部により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語または文章の出現回数と当該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、当該出現頻度を当該候補の確率と推定する。実施例3のネットワーク監視部56の行なう第1検索および第2検索は、上述したように位置情報を用いていない。実施例3の非自然渋滞原因推定部54’は、基本的に実施例2の非自然渋滞原因推定部54と同様の機能を備えているが、上述したように、第1検索および第2検索自体が実施例2とはやや異なっている。
【0080】
図12は、本発明の実施例3における交通情報提供システム3および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30、ウェブ検索エージェント50および受信車両20a等の各処理の流れをフローチャートで示す。図12のフローチャートで図10のフローチャートと同じステップS番号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため、説明は省略する。
【0081】
図12に示されるように、ウェブ検索エージェント51が、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク59上で検索を行う(ネットワーク監視ステップ。ステップS43、S44)。ネットワーク監視ステップ(ステップS43、S44)で検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、当該検索された結果と地図情報が記録された地図記録DBとに基づき当該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する(位置情報取得ステップ。ステップS45)。ネットワーク監視ステップ(ステップS43、S44)で検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する(非自然渋滞原因推定ステップ。ステップS41’)。非自然渋滞原因推定ステップ(ステップS41’)は、実施例2の非自然渋滞原因推定ステップ(ステップS41)と基本的に同じ処理を行うが、ネットワーク監視ステップ(ステップS43、S44)により検索された結果に基づき非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する点が異なっている。位置情報取得ステップ(ステップS45)で取得された位置情報と、ネットワーク監視ステップ(ステップS43、S44)で用いられた時間情報と、非自然渋滞原因送信ステップ(ステップS41’)で推定された候補および確率を含む非自然渋滞原因情報CAUSE’とをプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する(非自然渋滞原因情報送信ステップ。ステップS42’)。実施例3の非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS42’)は、非自然渋滞原因推定ステップ(ステップS41’)により推定された候補および確率に加えて、上記位置情報および時間情報もプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する点で、実施例2の非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS41)と異なる。
【0082】
プローブセンタ側コンピュータ30が、非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS42’)で送信された位置情報および時間情報に対応して渋滞度記録DB43に記録された渋滞記録を検索し、非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS42’)で送信された非自然渋滞原因情報CAUSE’を検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録する(非自然渋滞原因情報関連付けステップ。ステップS26’)。実施例3の非自然渋滞原因情報関連付けステップ(ステップS26’)は、上述のように非自然渋滞原因情報送信ステップ(ステップS42’)で送信された記録場所(位置情報および時間情報)に基づき、渋滞度記録DB43に記録された渋滞記録を検索する点が実施例2の非自然渋滞原因情報関連付けステップ(ステップS26)と異なる。関連付け方法は実施例2と同様である。受診車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付けステップ(ステップS26’)で、検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録された非自然渋滞原因情報CAUSE’および/または検索された渋滞記録を交通情報として送信する(交通情報送信ステップ。ステップS24’)。実施例3の交通情報送信ステップ(ステップS24’)は、非自然渋滞原因情報関連付けステップ(ステップS26’)により検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録された非自然渋滞原因情報CAUSE’等を交通情報として送信する点が実施例2の交通情報送信ステップ(ステップS24)と異なる。
【0083】
以上より、本発明の実施例3によれば、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に非自然渋滞の発生を検出した場合についても処理することができる。実施例3のウェブ検索エージェント51は、現在の時間を示す時間情報と上述した所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視部56を備えている。実施例3では、渋滞記録送信部37による渋滞記録の送信が行われる前に、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に非自然渋滞の発生を検出した場合を想定しているため、ネットワーク監視部56は現在の渋滞記録を受信していない状態で検索を行う。つまり、ネットワーク監視部56は位置情報に基づく検索を行っていない。実施例3のウェブ検索エージェント51は、ネットワーク監視部56により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、当該検索された結果と地図情報が記録された地図記録DBとに基づき当該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部57を備えている。実施例3のウェブ検索エージェント51は、ネットワーク監視部56により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定部54’を備えている。ネットワーク監視部56は、時間情報および所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、当該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、非自然渋滞原因推定部54’は、ネットワーク検索部により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語または文章の出現回数と当該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、当該出現頻度を当該候補の確率と推定する。実施例3のウェブ検索エージェント51は、位置情報取得部57により取得された位置情報と、ネットワーク監視部56で用いられた時間情報と、非自然渋滞原因推定部54’により推定された候補および確率を含む非自然渋滞原因情報とをプローブセンタ側コンピュータ30へ送信する非自然渋滞原因情報送信部55’を備えている。プローブセンタ側コンピュータ30は、非自然渋滞原因情報送信部55’により送信された位置情報および時間情報に対応して渋滞度記録DB43に記録された渋滞記録を検索し、非自然渋滞原因情報送信部55’により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録する非自然渋滞原因情報関連付け部38’を備えている。プローブセンタ側コンピュータ30は、受診車両20a等側へ、非自然渋滞原因情報関連付け部38’により、検索された渋滞記録と関連付けて渋滞度記録DB43に記録された非自然渋滞原因情報および/または検索された渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信部36’を備えている。以上より、実施例1および2の効果に加えて、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に非自然渋滞の発生を検出した場合についても処理することができる交通情報提供システム等を提供することができる。
【0084】
実施例2では、ウェブ検索エージェント51による監視について説明しなかったが、ウェブ検索エージェント51側がネットワーク59上を監視中に、先にプローブセンタ側コンピュータ30により非自然渋滞が発生したと判断されたものと考えてもよい。
【実施例4】
【0085】
図13は、上述した各実施例を実現するための本発明の交通情報提供システム1、2および3におけるプローブセンタ側コンピュータ30のプログラム(手段)、ウェブ検索エージェント51が実行されるコンピュータ50の内部回路70を示すブロック図である。図13に示されるように、CPU71、ROM72、RAM73、画像制御部76、コントローラ77、入力制御部80および外部インタフェース(I/F)部84はバス82に接続されている。図13において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM72、ディスク40、CD−ROMあるいはDVD78等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM72からバス82を介し、またはディスク40、CD−ROMまたはDVD78等の記録媒体からコントローラ77を経由してバス82を介しRAM73へロードされる。入力制御部80はテンキー等の入力操作部70と接続され入力制御等を行う。画像メモリであるVRAM75は車載機11a等、プローブセンタ側コンピュータ30、コンピュータ50の表示装置74の少なくとも一画面分のデータ容量に相当する容量を有しており、画像制御部76はVRAM75のデータを画像データへ変換して表示装置74へ送出する機能を有している。外部I/F部81は、車載機10a等、プローブセンタ側コンピュータ30、コンピュータ50間で通信する際の入出力インタフェース機能を有する。
【0086】
上述のようにCPU71が上述の本発明のコンピュータ・プログラム(手段)を実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROMまたはDVD78等の記録媒体の形態でコンピュータCPU71に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROMまたはDVD78等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、光ディスク、FD等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の活用例として、渋滞表示機能、カーナビゲーションシステム等への適用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施例1における交通情報提供システム1を示す図である。
【図2】プローブカー10a等が位置情報および時間情報を収集する方法を説明するための図である。
【図3】記録装置40に記録されたDBの内容を例示する図である。
【図4】渋滞度の表を示す図である。
【図5】本発明の実施例1における交通情報提供システム1および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30および受信車両20a等の各処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2における交通情報提供システム2を示す図である。
【図7】所定の検索項目を例示する図である。
【図8】ネットワーク検索部53により検索された結果を例示する図である。
【図9】非自然渋滞原因情報関連付け部38が行う関連付けの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施例2における交通情報提供システム2および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30、ウェブ検索エージェント50および受信車両20a等の各処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例3における交通情報提供システム3を示す図である。
【図12】本発明の実施例3における交通情報提供システム3および方法におけるプローブカー10a等、プローブセンタ側コンピュータ30、ウェブ検索エージェント50および受信車両20a等の各処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】各実施例を実現するための本発明の交通情報提供システム1、2および3におけるプローブセンタ側コンピュータ30のプログラム(手段)、ウェブ検索エージェント51が実行されるコンピュータ50の内部回路70を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0089】
1、2、3 交通情報提供システム、 10a、10n プローブカー、 11a、11n、21a、21n 車載機、 12、22、31、52 機能ブロック、 13 位置情報収集部、 14 位置情報送信部、 20a、20n 受信車両、 23 交通情報受信部、 24 機能動作部、 30 プローブセンタ側コンピュータ、 32 収集情報受信部、 33 渋滞度算出部、 34 従前渋滞記録検索部、 35 判断部、 36、36’ 交通情報送信部、 38、38’ 非自然渋滞原因情報関連付け部、 40 記録装置、 41 ノード位置DB、 42 ノード間距離DB、 43 渋滞度記録DB、 50 コンピュータ、 51 ウェブ検索エージェント、 53 ネットワーク検索部、 54、54’ 非自然渋滞原因推定部、 55、55’ 非自然渋滞原因情報送信部、 56 ネットワーク監視部、 57 位置情報取得部、 59 ネットワーク、 60 順位欄、 61 候補欄、 62 検索総件数欄、 63 出現頻度欄、 70 内部回路、 71 CPU、 72 ROM、 73 RAM、 74 表示装置、75 VRAM、 76 画像制御部、 77 コントローラ、 78 DVD、CD−ROM、 79 入力操作部、 80 入力制御部、 81 外部I/F部、 821 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載機と、該車載機と通信を行うセンタ側コンピュータとを備えた交通情報提供システムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、
前記情報収集車両の車載機は、
該情報収集車両の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集手段と、
前記位置情報収集手段により収集された位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を前記センタ側コンピュータ側へ送信する収集情報送信手段とを備え、
前記センタ側コンピュータは、
前記収集情報送信手段により送信された収集情報を受信する収集情報受信手段と、
前記収集情報受信手段により受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出手段と、
前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索手段と、
前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索手段により現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断手段と、
前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信手段とを備え、
前記車両の車載機は、
前記交通情報送信手段により送信された交通情報を受信する交通情報受信手段と、
前記交通情報受信手段により受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作手段とを備えたことを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の交通情報提供システムにおいて、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、該検索プログラムは、
前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索手段と、
前記ネットワーク検索手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段と、
前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段とを備え、
前記センタ側コンピュータは、
前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信手段と、
前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信手段により送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段とをさらに備え、
前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項3】
請求項2記載の交通情報提供システムにおいて、
前記ネットワーク検索手段は、前記渋滞記録送信手段により送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項4】
請求項1記載の交通情報提供システムにおいて、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、該検索プログラムは、
現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視手段と、
前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段と、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記ネットワーク監視手段で用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因手段により推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段とを備え、
前記センタ側コンピュータは、
前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段をさらに備え、
前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項5】
請求項4記載の交通情報提供システムにおいて、
前記ネットワーク監視手段は、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の交通情報提供システムにおいて、前記検索プログラムは、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測手段をさらに備えたことを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載の交通情報提供システムにおいて、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードであることを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の交通情報提供システムにおいて、前記所定の機能は、渋滞表示機能及び/又は経路再探索機能であることを特徴とする交通情報提供システム。
【請求項9】
車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータ用プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、該センタ側コンピュータを、
前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両により収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を受信する収集情報受信手段、
前記収集情報受信手段により受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出手段、
前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索手段、
前記渋滞度算出手段により前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索手段により現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断手段、
前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信手段として機能させるためのセンタ側コンピュータ用プログラムであって、
前記車両の車載機により該交通情報に基づき所定の機能の動作が行われることを特徴とするセンタ側コンピュータ用プログラム。
【請求項10】
請求項9記載のセンタ側コンピュータ用プログラムにおいて、
前記判断手段により非自然渋滞が発生していると判断された場合、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであってセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信手段と、
前記検索プログラムにより、前記渋滞記録送信手段によって送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づきネットワーク上で検索が行われ、検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とが推定され、推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報が前記センタ側コンピュータへ送信され、送信された該非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信手段により送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段とをさらに備え、
前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とするセンタ側コンピュータ用プログラム。
【請求項11】
請求項9記載のセンタ側コンピュータ用プログラムにおいて、
ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムにより、現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づきネットワーク上で検索が行われ、検索された結果に基づき非自然渋滞の発生が検出された場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報が取得され、検索された結果に基づき非自然渋滞の原因となる候補とその確率とが推定され、取得された該位置情報と、検索に用いられた該時間情報と、推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とが前記センタ側コンピュータへ送信され、送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付け手段をさらに備え、
前記交通情報送信手段は、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付け手段により、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とするセンタ側コンピュータ用プログラム。
【請求項12】
ネットワーク上で自動的に検索を行い、車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、
前記センタ側コンピュータにより、前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両によって収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報が受信され、該収集情報に基づく区間における所定の渋滞度が算出され、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録が渋滞度記録部に記録され、該渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録が検索され、該渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無が判断され、非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録が送信され、コンピュータを、
前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索手段、
前記ネットワーク検索手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段、
前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段として機能させるための検索プログラムであって、
前記センタ側コンピュータにより、前記非自然渋滞原因情報送信手段によって送信された非自然渋滞原因情報が前記検索プログラム側へ送信された現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録され、前記車両側へ、該渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録が交通情報として送信されることを特徴とする検索プログラム。
【請求項13】
請求項12記載の検索プログラムにおいて、
前記ネットワーク検索手段は、前記センタ側コンピュータから送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする検索プログラム。
【請求項14】
ネットワーク上で自動的に検索を行い、車両に搭載された車載機と通信を行うセンタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムであって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、
前記センタ側コンピュータにより、前記情報収集車両から送信された、該情報収集車両によって収集された該情報収集車両の位置を示す位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報が受信され、該収集情報に基づく区間における所定の渋滞度が算出され、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録が渋滞度記録部に記録され、
コンピュータを、
現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視手段、
前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記ネットワーク監視手段により検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定手段、
前記位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記ネットワーク監視手段で用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因手段により推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信手段として機能させるための検索プログラムであって、
前記センタ側コンピュータにより、前記非自然渋滞原因情報送信手段によって送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録が検索され、前記非自然渋滞原因情報送信手段により送信された非自然渋滞原因情報が検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録され、前記車両側へ、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録が交通情報として送信されることを特徴とする検索プログラム。
【請求項15】
請求項14記載の検索プログラムにおいて、
前記ネットワーク監視手段は、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定手段は、前記ネットワーク検索手段により行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする検索プログラム。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれかに記載の検索プログラムにおいて、前記非自然渋滞原因推定手段により推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測手段をさらに備えたことを特徴とする検索プログラム。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれかに記載の検索プログラムにおいて、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードであることを特徴とする検索プログラム。
【請求項18】
請求項9乃至11のいずれかに記載のセンタ側コンピュータ用プログラム、請求項12乃至17のいずれかに記載の検索プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項19】
車両に搭載された車載機と、該車載機と通信を行うセンタ側コンピュータとを用いる交通情報提供方法であって、該車両は情報を収集する情報収集車両を含み、
前記情報収集車両の車載機が、
該情報収集車両の位置を示す位置情報を収集する位置情報収集ステップと、
前記位置情報収集ステップで収集された位置情報と該位置情報を収集した時間を示す時間情報とを含む収集情報を前記センタ側コンピュータ側へ送信する収集情報送信ステップと、
前記センタ側コンピュータが、
前記収集情報送信ステップで送信された収集情報を受信する収集情報受信ステップと、
前記収集情報受信ステップで受信した収集情報に基づく区間における所定の渋滞度を算出し、該区間と該収集情報に基づく時間情報と算出した所定の渋滞度とを関連付けた現在の渋滞記録を渋滞度記録部に記録する渋滞度算出ステップと、
前記渋滞度算出ステップで前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録の区間と同一区間について該渋滞記録部に記録された従前の渋滞記録を検索する従前渋滞記録検索ステップと、
前記渋滞度算出ステップで前記渋滞度記録部に記録された現在の渋滞記録における所定の渋滞度と前記従前渋滞記録検索ステップで現在の渋滞記録の区間と同一区間について検索された従前の渋滞記録における所定の渋滞度との比較に基づき、現在の渋滞記録の位置情報により示される位置における非自然渋滞の発生の有無を判断する判断ステップと、
前記判断ステップで非自然渋滞が発生していると判断されなかった場合、前記車両側へ現在の渋滞記録を交通情報として送信する交通情報送信ステップと、
前記車両の車載機が、
前記交通情報送信ステップで送信された交通情報を受信する交通情報受信ステップと、
前記交通情報受信ステップで受信した交通情報に基づき所定の機能を動作させる機能動作ステップとを備えたことを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項20】
請求項19記載の交通情報提供方法において、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、
前記センタ側コンピュータが、
前記判断ステップで非自然渋滞が発生していると判断された場合、前記検索プログラム側へ現在の渋滞記録を送信する渋滞記録送信ステップと、
前記検索プログラムが、
前記渋滞記録送信ステップで送信された現在の渋滞記録と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク検索ステップと、
前記ネットワーク検索ステップで検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定ステップと、
前記非自然渋滞原因推定ステップで推定された候補と確率とを含む非自然渋滞原因情報を前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信ステップと、
前記センタ側コンピュータが、
前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された非自然渋滞原因情報を前記渋滞記録送信ステップで送信した現在の渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付けステップとをさらに備え、
前記交通情報送信ステップは、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付けステップで前記渋滞度記録部に現在の渋滞記録と関連付けて記録された非自然渋滞原因情報及び/又は該現在の渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項21】
請求項20記載の交通情報提供方法において、
前記ネットワーク検索ステップは、前記渋滞記録送信ステップで送信された現在の渋滞記録における位置情報、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該現在の渋滞記録における位置情報及び時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定ステップは、前記ネットワーク検索ステップで行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項22】
請求項19記載の交通情報提供方法において、ネットワーク上で自動的に検索を行うプログラムであって前記センタ側コンピュータと通信を行う検索プログラムをさらに備え、
前記検索プログラムが、
現在の時間を示す時間情報と所定の検索項目とに基づき、ネットワーク上で検索を行うネットワーク監視ステップと、
前記ネットワーク監視ステップで検索された結果に基づき非自然渋滞の発生を検出した場合、該検索された結果と地図情報が記録された地図記録部とに基づき該非自然渋滞が発生した位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ネットワーク監視ステップで検索された結果に基づき、非自然渋滞の原因となる候補とその確率とを推定する非自然渋滞原因推定ステップと、
前記位置情報取得ステップで取得された位置情報と、前記ネットワーク監視ステップで用いられた時間情報と、前記非自然渋滞原因送信ステップで推定された候補及び確率を含む非自然渋滞原因情報とを前記センタ側コンピュータへ送信する非自然渋滞原因情報送信ステップと、
前記センタ側コンピュータが、
前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された位置情報及び時間情報に対応して前記渋滞度記録部に記録された渋滞記録を検索し、前記非自然渋滞原因情報送信ステップで送信された非自然渋滞原因情報を検索された渋滞記録と関連付けて該渋滞度記録部に記録する非自然渋滞原因情報関連付けステップとをさらに備え、
前記交通情報送信ステップは、前記車両側へ、前記非自然渋滞原因情報関連付けステップで、検索された渋滞記録と関連付けて前記渋滞度記録部に記録された非自然渋滞原因情報及び/又は検索された渋滞記録を交通情報として送信することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項23】
請求項22記載の交通情報提供方法において、
前記ネットワーク監視ステップは、時間情報及び所定の検索項目に基づくネットワーク上の第1検索と、該時間情報に基づくネットワーク上の第2検索とを行い、
前記非自然渋滞原因推定ステップは、前記ネットワーク検索ステップで行われた第2検索による検索件数を検索総件数とし、第1検索の結果に出現した単語又は文章の出現回数と該検索総件数との比に基づく出現頻度から非自然渋滞の原因となる候補を求め、該出現頻度を該候補の確率と推定することを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項24】
請求項20乃至23のいずれかに記載の交通情報提供方法において、前記検索プログラムが、前記非自然渋滞原因推定ステップで推定された候補と確率とに基づき、発生した非自然渋滞による事後の交通状況を予測する交通状況予測ステップをさらに備えたことを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項25】
請求項20乃至24のいずれかに記載の交通情報提供方法において、前記所定の検索項目は、地理的情報項目、周辺施設項目、道路交通施設項目、イベント項目のいずれか1以上の項目に基づくキーワードであることを特徴とする交通情報提供方法。
【請求項26】
請求項19乃至25のいずれかに記載の交通情報提供方法において、前記所定の機能は、渋滞表示機能及び/又は経路再探索機能であることを特徴とする交通情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−75981(P2009−75981A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246287(P2007−246287)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【Fターム(参考)】