説明

交通情報通信システム、方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】走行中の自動車の車載情報端末装置同士により形成される車両間無線ネットワークにおいて、各車載情報端末装置に交通情報を秩序立てて整理しドライバに有益な情報として表示する機能を設けた交通情報通信システム等を提供する。
【解決手段】自車2の車載情報端末装置18の受信部26は車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる1台以上の他車30等から他車交通情報INF30等を各々受信する。送信部24は自車交通情報INF2を送信する。表示部28は自車2の進行方向の前方を走行する他車30等からの他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の周囲の画像情報を各々所定の表示形式でディスプレイ・モニタに表示する。所定の表示形式としては、自車2と他車30等との間の各距離または角度に応じて、他車の画像情報を遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の無線端末同士でアドホック(ad hoc)に形成されるアドホック無線ネットワークの重要性が認識されている。非特許文献1に記載されているように、アドホック無線ネットワークでは固定的なネットワークを必要とせず、無線基地局およびアクセスポイント等は不要となる。例えば、別々の自動車に乗っている人同士(走行中はドライバを除く。)は携帯電話を用いることにより相互に無線通信を行うことができるが、この無線通信は固定的な無線基地局を必要とする。そこで、自動車中にトランシーバを内蔵させておき、無線基地局を経由せずに直接自動車間で無線通信を行うという、走行中の自動車同士により形成されるアドホック無線ネットワークの開発が行なわれている。
【0003】
【非特許文献1】C−K.Toh著、構造計画研究所訳、「アドホックモバイルワイヤレスネットワーク−プロトコルとシステム−」、2003年5月31日初版1刷発行、株式会社構造計画研究所発行、共立出版株式会社発売元。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように走行中の自動車同士によりアドホック無線ネットワークが形成された場合、走行中の自動車間、詳しくは車載情報端末装置間で種々の情報の送受信が行なわれることになる。このようなアドホック無線ネットワークにおいては、他の車載情報端末装置から受信した交通情報の秩序立てた整理および表示等は各車載情報端末装置自身で行なう必要があった。アドホック無線ネットワークの外部にあるサーバを利用する場合、当該サーバの機能を十分に活用して秩序立てて整理された交通情報、例えば混雑部分を赤色で表示した道路地図等の交通情報を取得し表示することができる。しかし、上述のようなアドホック無線ネットワークにおける各車載情報端末装置に、交通情報を秩序立てて整理しドライバに有益な情報として表示する上記サーバのような機能を設けることは極めて困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、走行中の自動車の車載情報端末装置同士を含んで形成される無線ネットワークにおいて、各車載情報端末装置に交通情報を秩序立てて整理しドライバに有益な情報として表示する機能を設けた交通情報通信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の交通情報通信システムは、複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信システムであって、前記車載情報端末装置は、該車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得手段と、該車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得手段と、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記画像情報取得手段により取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信手段と、他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信手段と、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
ここで、この発明の交通情報通信システムにおいて、前記表示手段は、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することができる。
【0008】
ここで、この発明の交通情報通信システムにおいて、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。
【0009】
ここで、この発明の交通情報通信システムにおいて、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することができる。
【0010】
この発明の交通情報通信方法は、複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信方法であって、該車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得ステップと、該車載情報端末装置が該無線ネットワークを介して情報を送信する送信処理ステップと、該送信処理ステップの後に又は先立ち該車載情報端末装置が該無線ネットワークを介して情報を受信する受信処理ステップとを備え、前記送信処理ステップは、前記車載情報端末装置が、該車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得ステップと、前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記画像情報取得ステップで取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信ステップとを備え、前記受信処理ステップは、前記車載情報端末装置が、他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信ステップと、前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記受信ステップで受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、この発明の交通情報通信方法において、前記表示ステップは、前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記受信ステップで受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することができる。
【0012】
ここで、この発明の交通情報通信方法において、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。
【0013】
ここで、この発明の交通情報通信方法において、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することができる。
【0014】
この発明のプログラムは、複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信システムにおける車載情報端末装置の処理を行なうためのプログラムであって、該車載情報端末装置のコンピュータを、前記車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得手段と、他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信手段、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示手段として機能させるためのプログラムである。
【0015】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記表示手段は、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することができる。
【0016】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。
【0017】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することができる。
【0018】
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得手段と、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記画像情報取得手段により取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信手段とをさらに備えることができる。
【0019】
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の交通情報通信システム等によれば、自車の車載情報端末装置の受信部は1台以上の他車から他車交通情報を各々受信し、表示部は自車の進行方向の前方を走行する他車からの他車交通情報に含まれる各画像情報を所定の表示形式でディスプレイ・モニタに表示することができる。所定の表示形式としては、自車と他車との間の各距離に応じて、他車の画像情報を遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。このため、自車のドライバは他車の前方に別の他車が走行している場合、このような道路状況を直感的に把握しやすくなる。このため、車両間無線ネットワーク内でリンクの対象となる1台以上の他車が存在している場合、自車のドライバは自車と他車との間の各距離に基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1における交通情報通信システム1を示す。図1において、符号2、30および31は自動車(車両)、3は自動車2のドライバ、4は自動車2の周囲の画像情報を撮影するカメラ(撮像装置)、8は自動車2の位置を測位するためのGPS(Global Positioning System)アンテナ、10はGPSアンテナ8と接続されたナビゲーション・システム、6はナビゲーション・システム10と接続されたディスプレイ・モニタ(画像表示装置)、12はダイバーシティ・アンテナ等のアンテナ、14はアンテナ12を介して外部から信号を受信する受信機、16はアンテナ12を介して外部へ信号を送信する送信機、18はカメラ4とナビゲーション・システム10とアンテナ12と受信機14と送信機16と接続された車載情報端末装置、19は車載情報端末装置18の機能(後述)を示す機能ブロックである。以下では、自動車2を自車とし、自動車30および31を他車とし、他車30および31(以下、「他車30等」と言う。)も自車2と同じ車載情報端末装置等(不図示)を有するものとする。図1では、他車30等として2台のみ示されているが、これは図面の都合上のものであって、他車30等の数が2台に制限されるものではない。
【0023】
図1において、符号15は複数の車載情報端末装置18等を含んで構成された無線ネットワークである。ここで、複数の車載情報端末装置18等を含んで構成された無線ネットワークとは、複数の車載情報端末装置18等により構成されたアドホック無線ネットワークと、路側無線通信機又は路側リピータ(いずれも不図示)を併用した複数の車載情報端末装置18等間における1対1、1対多、多対1、多対多の無線ネットワークとの両方を意味するが、いずれか一方であってもよい。本明細書では、上述のような意味の複数の車載情報端末装置18等を含んで構成された無線ネットワークのことを「車両間無線ネットワーク」という。以下では、主として車両間無線ネットワーク15がアドホック無線ネットワークである場合について説明するが、路側無線通信機又は路側リピータを含めた上記無線ネットワークである場合についても同様に説明されることは言うまでもない。車両間無線ネットワーク15の代表的な伝送経路(リンク)は、通信センタまたはクライアント・サーバ型モデルにおけるサーバ等を介さずにピア・ツー・ピア(peer-to-peer)の1対1の対等型通信で直接構成されるリンクと、当該リンクを伝わって二次的に構成される所謂バケツリレー方式によるリンクとの2つが挙げられる。車両間無線ネットワーク15の無線伝送方式としては、無線LAN(Local Area Network)の共通の標準規格であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers : 米国電気電子技術者協会)802.11のアドホックモードを用いることができる。このアドホックモードでは、同じ基本サービスセット(Basic Service Sets : BBS)内の各ステーション(Station : STA)は同じBSS内の対等なSTAと直接通信することができる。従って、車載情報端末装置18等をBSS内のSTAとして捉えると、同じBSS内の各車載情報端末装置18等は同じBSS内の対等な各車載情報端末装置と直接通信することができる。他の無線伝送方式として、Bluetooth(登録商標)の通信プロトコルを用いることができる。Bluetooth(登録商標)では、ある対応機器がマスターとなり、他の対応機器がスレーブとなってピコネットを構成することにより通信を行うことができる。従って、例えば自車2の車載情報端末装置18がマスターとなり、他車30等の車載情報端末装置がスレーブとなってピコネットを構成することにより通信を行うことができる。あるピコネットのマスターは他のピコネットのスレーブになることも可能であるため、上述の所謂バケツリレー方式によるリンクも容易に構成することができる。さらに他の無線伝送方式として、UWB(Ultra Wide Band)無線方式を用いることができる。UWB無線方式では、マイクロ波帯(3GHz〜30GHz)からミリ波帯(30GHz〜300GHz)に至る広帯域な周波数帯を使用して、携帯情報端末間のアドホック通信を高速に行うことができる。従って、車載情報端末装置18等間の車両間通信を高速に実現することができる。
【0024】
次に、車載情報端末装置18等の機能について説明する。車載情報端末装置18等の機能は、自車に関する情報(自車情報)を取得する自車情報取得機能と、自車情報等を車両間無線ネットワーク15を介して送信する送信処理機能と、他車に関する情報(他車情報)等を車両間無線ネットワーク15を介して受信し種々の処理を行う受信処理機能とに分けられる。自車情報取得機能としては、図1の機能ブロック19に示されるように、車載情報端末装置18等が搭載された自車2の位置と自車2の進行方向とを含む自車情報をGPSアンテナ8およびナビゲーション・システム10により取得する自車情報取得部20(自車情報取得手段)を有している。ここで、位置は通常のナビゲーション・システムで用いられているように地球上の絶対位置(緯度、経度)であり、方向は直前および現在の自車2の位置により得ることができる。送信処理機能としては、図1の機能ブロック19に示されるように、画像情報取得部22(画像情報取得手段)と送信部24(送信手段)とを有している。画像情報取得部22は、車載情報端末装置18等が搭載された自車2の周囲の画像情報をカメラ4により取得する。例えば、カメラ4を自車2の進行方向へ向けて設置することにより、自車2の進行方向における道路状況を周囲の画像情報として取得することができる。自車2および他車30等が道路ではなく駐車場等にいる場合、自車2の進行方向における駐車場状況を周囲の画像情報として取得することができる。送信部24は、自車情報取得部20により取得した自車情報と画像情報取得部22により取得した画像情報とを含む自車交通情報INF2等を、送信機16およびアンテナ12を用い車両間無線ネットワーク15を介して送信する。
【0025】
次に、受信処理機能としては、図1の機能ブロック19に示されるように、受信部26(受信手段)と表示部28(表示手段)とを有している。受信部26は、他の車載情報端末装置(不図示)が搭載された他車30等の位置および他車30等の進行方向を含む他車情報と他車30等の周囲の画像情報とを含む他車交通情報INF30またはINF31(以下、「他車交通情報INF30等」と言う。)を、車両間無線ネットワーク15を介しアンテナ12および受信機14を用いて受信する。上述と同様に、他車30等のカメラ(不図示)を他車30等の進行方向へ向けて設置することにより、他車30等の進行方向における道路状況または駐車場状況等を他車30等の周囲の画像情報として受信することができる。表示部28は、自車情報取得部20により取得した自車情報と受信部26により受信した他車交通情報INF30等とに基づき、他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の周囲の画像情報をディスプレイ・モニタ6に表示する。他車交通情報INF30等は自車2の前後左右および対向のいずれの方向から送信されたものであってもよい。
【0026】
表示部28は、自車情報取得部20により取得した自車情報と受信部26により受信した他車交通情報INF30等とに基づいて、特に、他車交通情報INF30等の内、自車2の進行方向上の前方を走行する1台以上の他車30等に対応する他車交通情報INF30等を求めることができる。詳しくは、まず他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の進行方向と自車情報に含まれる自車2の進行方向とを比較して、進行方向が同一である他車交通情報INF30等を選択する。次に、選択された他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の位置と自車情報に含まれる自車2の位置とに基づき、自車2の進行方向と自車2から他車30等への方向とが成す各角度を求める。角度の取り方は任意に定めることができる。例えば自車2等を俯瞰した場合に自車2の進行方向に対して左回りを+とし右回りを−とすると、当該角度の絶対値<90度である他車30等は自車2の進行方向上の前方を走行しており、当該角度の絶対値=90度である他車30等は並行して走行しており、当該角度の絶対値>90度である他車30等は自車2の後方を走行しているものと識別することができる。当該識別に基づき、表示部28は自車2の進行方向上の前方を走行する1台以上の他車30等の周囲の画像情報を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示することができる。図2(A)は本発明の実施例1における自車2と他車32との間の位置関係等を示す。図2(A)において、符号40は自車2および他車32が走行する道路の車線と対向車線との間の境界物、42は自車2および他車32が走行する車線前方に設置された標識、P1は自車情報取得部20により取得された自車2の位置、自車2側の符号Aは自車情報取得部20により取得された自車2の進行方向である。受信部26は、他車32の位置P2、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im2を含む他車交通情報INF32を受信する。図2(A)に示されるように、自車2と他車32とは同じ進行方向Aへ向かって走行しており、両車間の距離はR(P2、P1)である。図2(A)では、自車2の進行方向上の前方を走行する自動車は他車32のみ示されている。しかし、これは車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が自車2および他車32のみであるという状況を例示したものであり、当該リンクの対象外となっている車載情報端末装置を備えた自動車が他車32の前方を走行していてもよいことは勿論である。
【0027】
図2(B)は、図2(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像50を示す。図2(B)で図2(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。上述のように、他車32のカメラ(不図示)を他車32の進行方向Aへ向けて設置することにより、自車2の受信部26は他車32の進行方向Aにおける道路状況を示す他車32の周囲の画像情報Im2を受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車32からの他車交通情報INF32だけであるため、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他の自動車の周囲の画像情報として、他車交通情報INF32に含まれる画像情報Im2を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示する。所定の表示形式としては、例えば両車間の距離R(P2、P1)に基づいて画像50上の表示座標位置G(R(P2,P1))を決定し、図2(B)に示されるように当該表示座標位置G(R(P2,P1))を左上として画像情報Im2を表示することができる。両車間の距離R(P2、P1)は自車情報取得部20により取得した自車情報に含まれる自車2の位置P1と受信部26により受信した他車交通情報INF32に含まれる他車32の位置P2とに基づいて計算することができる。この結果、自車2のドライバ3は自車2の前方にいる他車32のカメラにより撮影された画像情報Im2をディスプレイ・モニタ6により見ることができる。他車32が大型トラックまたはバス等の大型車であり自車2が通常の乗用車である場合、自車2のドライバ3にとって他車32の先の道路状況はほとんど把握できないことが多い。他車32を追い越しても他車32の前にさらに大型車が走行している場合、一般的には他車32を追い越すことは控えた方が安全である。本発明の実施例1によれば、自車2のドライバ3は他車32のカメラにより撮影された画像情報Im2を自車2のディスプレイ・モニタ6により見ることができる。例えば図2(B)の画像50には境界物40と標識42とが表示されているが、他車32の前方には自動車が存在していないことが表示されているため、自車2のドライバ3は他車32を追い越すかどうかを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。
【0028】
図3(A)は本発明の実施例1における自車2と他車32との間の別の位置関係等を示す。図3(A)で図2(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図3(A)により示される位置関係と図2(A)により示される位置関係とが異なる点は、他車32が自車2に対して位置P2より進行方向A上先の位置P3にいる点であり、従って、両車間の距離R(P3、P1)>R(P2、P1)となっている点である。
【0029】
図3(B)は、図3(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像51を示す。図3(B)で図3(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。上述と同様に、受信部26は他車32の位置P3、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im3を含む他車交通情報INF32を受信する。すなわち、自車2の受信部26は他車32の進行方向Aにおける道路状況を他車32の周囲の画像情報Im3として受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車32からの他車交通情報INF32だけであるため、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他の自動車の周囲の画像情報として、他車交通情報INF32に含まれる画像情報Im3を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示する。所定の表示形式としては、上述と同様に両車間の距離R(P3、P1)に基づいて画像51上の表示座標位置G(R(P3,P1))を決定し、図3(B)に示されるように当該表示座標位置G(R(P3,P1))を左上として画像情報Im3を表示することができる。両車間の距離R(P3、P1)>R(P2、P1)であるため、表示座標位置G(R(P3,P1))はG(R(P2,P1))より画像51上の上部に表示すればよい。以上のようにして、自車2のドライバ3は他車32のカメラにより撮影された画像情報Im2、Im3を両車間の距離R(P3、P1)、R(P2、P1)に応じた表示座標位置G(R(P3,P1))、G(R(P2,P1))で見ることができる。従って、自車2のドライバ3は両車間の距離Rに基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【0030】
上述の説明では、道路上における自車2と他車32との間の位置関係を例にとり、他車32のカメラ(不図示)を他車32の進行方向Aへ向けて設置し、自車2の受信部26は他車32の進行方向Aにおける道路状況を他車32の周囲の画像情報Im2等として受信した。しかし、駐車場等における自車2と他車32との間の位置関係を考慮した場合、他車32のカメラ(不図示)を他車32の周囲を撮影可能なように回転させ、自車2の受信部26は他車32の周囲における駐車状況を他車32の周囲の画像情報として逐次受信するようにしてもよい。この場合、表示部28は所定の表示形式として、画像50等の上部に他車32の前方の画像情報を表示し、画像50等の左部に他車32の左方の画像情報を表示し、画像50等の右部に他車32の右方の画像情報を表示し、画像50等の下部に他車32の後方の画像情報を表示する形式を用いることもできる。
【0031】
以上より、本発明の実施例1によれば、車載情報端末装置18は自車情報を取得する自車情報取得機能と、自車情報等を車両間無線ネットワーク15を介して送信する送信処理機能と、他車情報等を車両間無線ネットワーク15を介して受信し種々の処理を行う受信処理機能とを備えることができる。自車情報取得機能は車載情報端末装置18等が搭載された自車2の位置と自車2の進行方向とを含む自車情報をGPSアンテナ8およびナビゲーション・システム10により取得する自車情報取得部20を有している。送信処理機能は画像情報取得部22と送信部24とを有している。画像情報取得部22は、車載情報端末装置18等が搭載された自車2の周囲の画像情報をカメラ4により取得する。送信部24は、自車情報取得部20により取得した自車情報と画像情報取得部22により取得した画像情報とを含む自車交通情報INF2等を、送信機16およびアンテナ12を用い車両間無線ネットワーク15を介して送信する。受信処理機能は受信部26と表示部28とを有している。受信部26は、他の車載情報端末装置(不図示)が搭載された他車30等の位置および他車30等の進行方向を含む他車情報と他車30等の周囲の画像情報とを含む他車交通情報INF30等を、車両間無線ネットワーク15を介しアンテナ12および受信機14を用いて受信する。表示部28は、受信部26により受信した他車交通情報INF30等に基づき、他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の周囲の画像情報をディスプレイ・モニタ6に表示する。
【0032】
表示部28は、受信部26により受信した他車交通情報INF30等の内、特に、自車2の進行方向上の前方を走行する1台以上の他車30等の周囲の画像情報を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示することができる。表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他の自動車の周囲の画像情報として、他車交通情報INF32に含まれる画像情報Im2を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示する。所定の表示形式としては、例えば両車間の距離R(P2、P1)に基づいて画像50上の表示座標位置G(R(P2,P1))を決定し、当該表示座標位置G(R(P2,P1))を左上として画像情報Im2を表示することができる。自車2のドライバ3は自車2の前方にいる他車32のカメラにより撮影された画像情報Im2をディスプレイ・モニタ6により見ることができるため、例えば他車32を追い越すかどうかを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。従って、自車2のドライバ3は両車間の距離Rに基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。以上により、走行中の自動車の車載情報端末装置18等同士により形成される車両間無線ネットワーク15において、各車載情報端末装置18等に交通情報を秩序立てて整理しドライバ3に有益な情報として画像情報Im2等を表示する機能を設けた交通情報通信システム1を提供することができる。
【実施例2】
【0033】
上述の実施例1では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が自車2および他車32のみであるという場合について説明した。本実施例2では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる複数の他車が存在している場合について説明する。
【0034】
図4(A)は本発明の実施例2における自車2と他車32と他車30との間の位置関係等を示す。図4(A)で図3(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図4(A)により示される位置関係と図3(A)により示される位置関係とが異なる点は、他車32が自車2の進行方向Aの前方の位置P4にいる点および他車30が他車32の進行方向Aの前方の位置P5にいる点であり、従って、自車2と他車32との間の距離R(P4、P1)<自車2と他車30との間の距離R(P5、P1)となっている点である。
【0035】
図4(B)は、図4(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像52を示す。図4(B)で図4(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。実施例1と同様に、自車2の受信部26は他車32の位置P4、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im4を含む他車交通情報INF32を受信する。すなわち、他車32の進行方向Aにおける道路状況を他車32の周囲の画像情報Im4として受信することができる。さらに本実施例2では、自車2の受信部26は他車30の位置P5、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im5を含む他車交通情報INF30を受信する。すなわち、他車30の進行方向Aにおける道路状況を他車30の周囲の画像情報Im5として受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車交通情報INF32および他車交通情報INF30だけであるため、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報として、画像情報Im4とIm5とを所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示する。所定の表示形式としては、自車2と他車32および30との間の各距離R(P4、P1)とR(P5、P1)とに応じて、他車32および30の周囲の画像情報Im4とIm5とをディスプレイ・モニタ6の画面(画像52)上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。
【0036】
すなわち図4(B)に示されるように、自車2から近距離にある他車32より送られた画像情報Im4を画像52上の下部に大きいサイズで表示し、遠距離にある他車30より送られた画像情報Im5を画像52上の上部に画像情報Im4より小さいサイズで表示する。画像情報Im4の左上の表示座標位置G(R(P4,P1))と画像情報Im5の左上の表示座標位置G(R(P5,P1))とは、通常の遠近法におけるように消点が画像52上の上部にあるように配置すればよい。図4(B)に示されるように、画像情報Im4内には他車32の進行方向Aの前方を走行する他車30の画像が表示され、画像情報Im5内には他車30の進行方向Aの前方に自動車が存在していないことが示されている。画像情報Im4とIm5とは遠近法に基づき配置して表示されているため、自車2のドライバ3は他車32の前方に他車30が走行していることを直感的に把握しやすくなっている。この結果ドライバ3は、画像情報Im4により他車32の進行方向Aの前方には他車30が走行していることを把握することができると共に、他車30の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことを把握することができる。画像情報Im4とIm5との間が遠近法上十分に離れて配置されている場合、ドライバ3は他車32を追い越しても他車32と30との間には十分に安全な距離があることを知ることができるため、ドライバ3は他車32を追い越すかどうかを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。
【0037】
上述の説明では、遠近法として消点を用いる幾何学遠近法を例に挙げた。しかし、表示部28が用いる遠近法としては他の遠近法を用いることもできる。例えば、近距離にある他車32から送られた画像情報Im4を鮮明に表示し、遠距離にある他車30から送られた画像情報Im5をIm4より相対的に霞ませて表示するというような、いわゆる空気遠近法を用いることができる。この場合、画像情報Im4等のサイズは任意であり同一であっても異なっていてもよい。あるいは、画像情報Im4とIm5とを少しだけずらして重ねて表示し、重なった部分については遠距離にある他車30から送られた画像情報Im5の方を消すというような、いわゆる重なりの遠近法を用いることもできる。この場合、画像情報Im4等のサイズは任意であり同一であっても異なっていてもよい。さらに、幾何学遠近法に空気遠近法および/または重なりの遠近法等を併用してもよい。
【0038】
以上より、本発明の実施例2によれば、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる複数の他車が存在している場合にも、本発明の交通情報通信システム1を適用することができる。自車2の受信部26は、複数の他車30等から他車交通情報INF30等を各々受信する。表示部28は自車2の進行方向Aの前方を走行する他車30等からの他車交通情報INF30等に含まれる各画像情報Im4等を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示する。所定の表示形式としては、自車2と複数の他車30等との間の各距離に応じて、複数の他車30等の画像情報Im4等を遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。このため、自車2のドライバ3は他車32の前方に他車30が走行している場合、このような道路状況を直感的に把握しやすくなる。以上により、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる複数の他車が存在している場合にも本発明の交通情報通信システム1を適用することができ、自車2のドライバ3は自車2と他車30等との間の各距離に基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例3】
【0039】
実施例1および2では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向Aの前方を走行している場合について説明した。本実施例3では、自車2の進行方向Aの左右前方を走行している場合について説明する。このため、実施例1および2では特に触れなかった車線を明示する。
【0040】
図5(A)は本発明の実施例3における自車2と他車30ないし32との間の位置関係等を示す。図5(A)で図4(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図5(A)に示されるように、他車30は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2の右側の車線(追越車線)44上の前方の位置P8を走行し、他車32は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2と同一の車線(走行車線)46上の前方の位置P7を走行し、他車31は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2の左側の車線(走行車線)48上の位置P6を走行している。4台の自動車間の距離関係は、自車2と他車30との間の距離R(P8、P1)>自車2と他車32との間の距離R(P7、P1)>自車2と他車31との間の距離R(P6、P1)となっている。自車2と他車30との間の角度は実施例1で説明した角度の取り方を用いると−α度であり、自車2と他車31との間の角度は+β度である。自車2と他車32との間の角度は0度であるため、図5(A)では省略している。
【0041】
図5(B)は、図5(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像53を示す。図5(B)で図5(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。実施例1および2と同様に、自車2の受信部26は他車30の位置P8、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im8を含む他車交通情報INF30を受信する。すなわち、他車30の進行方向Aにおける道路状況を他車30の周囲の画像情報Im8として受信することができる。さらに、他車32の位置P7、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im7を含む他車交通情報INF32を受信する。すなわち、他車32の進行方向Aにおける道路状況を他車32の周囲の画像情報Im7として受信することができる。加えて、自車2の受信部26は他車31の位置P6、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im6を含む他車交通情報INF31を受信する。すなわち、他車31の進行方向Aにおける道路状況を他車31の周囲の画像情報Im6として受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車交通情報INF30、INF32およびINF31であるため、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報として、画像情報Im8とIm7とIm6とを所定の表示形式で表示する。所定の表示形式としては、自車2と同一車線46上を走行する他車32の周囲の画像情報Im7を自車2と他車32との間の距離R(P7、P1)に応じて幾何学遠近法により配置して表示する。一方、自車2と異なる車線44上を走行する他車30の周囲の画像情報Im8を、自車2と他車30との間の各距離R(P8、P1)および角度−αに応じた表示サイズとし、同様に自車2と異なる車線48上を走行する他車31の周囲の画像情報Im6を、自車2と他車31との間の各距離R(P6、P1)および角度+βに応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示する。
【0042】
すなわち、図5(B)に示されるように、自車2から最も遠距離R(P8、P1)であって右側の車線44を走行する他車30より送られた画像情報Im8を画像53上の右上部に配置して小さいサイズで表示する。距離R(P7、P1)であって同一の車線46を走行する他車32より送られた画像情報Im7を画像53上の中央部に配置して画像情報Im8より大きいサイズで表示する。自車2から最も近距離R(P6、P1)であって左側の車線48を走行する他車31より送られた画像情報Im6を画像53上の左下部に配置して画像情報Im7より小さいサイズで表示する。画像情報Im8の左上の表示座標位置G(R(P8,P1))と画像情報Im7の左上の表示座標位置G(R(P7,P1))と画像情報Im6の左上の表示座標位置G(R(P6,P1))とは、走行する車線の左右に応じて画像53上の左右に対応させながら且つ全体として幾何学遠近法により配置すればよい。但し、自車2と同一車線46上を走行している他車32から送られた画像情報Im7を最も大きく表示するため、他車32より自車2に近い位置P6を走行する他車31から送られた画像情報Im6はIm7より小さく表示する。例えば、他車30、32および31がすべて並行して走行している場合、画像情報Im7は画像53上の中央部に配置して最も大きいサイズで表示し、画像情報Im8はIm7の右側に配置してIm7より小さいサイズで表示し、画像情報Im6はIm7の左側に配置してIm7より小さいサイズで表示する。
【0043】
図5(B)に示されるように、画像情報Im8内には他車30が走行する車線44の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示され、画像情報Im7内には他車32が走行する車線46の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示され、且つ右車線44の前方を走行する他車30の画像が表示され、画像情報Im6内には他車31が走行する車線48の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示され、且つ右車線46の前方を走行する他車32の画像が表示されている。画像情報Im6およびIm8は走行する車線の左右に応じて画像53上の左右に対応させながら画像情報Im7より小さいサイズで且つ全体として幾何学遠近法により配置して表示されているため、自車2のドライバ3は他車30、32および31の全体としての走行状況を直感的に把握しやすくなっている。この結果、自車2が大型の他車32に近寄り自車2のドライバ3からは他車30が大型の他車32に隠れて見えない状況にあるような場合であっても、ドライバ3は画像情報Im7内に他車30を認識することができる。従って、ドライバ3は他車32を追い越すかどうかを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。
【0044】
以上より、本発明の実施例3によれば、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる複数の他車が自車2の進行方向Aの左右前方を走行している場合にも、本発明の交通情報通信システム1を適用することができる。自車2の受信部26は、自車2と同一の車線46または異なる車線44、48を走行する複数の他車30等から他車交通情報INF30等を各々受信する。表示部28は自車2と同一の車線46または異なる車線44、48の進行方向Aの前方を走行する他車30等からの他車交通情報INF30等に含まれる各画像情報Im4等を遠近法に基づく配置形式によりディスプレイ・モニタ6に表示する。遠近法に基づく配置形式は、自車2と同一車線46上を走行する他車32の周囲の画像情報Im7については実施例2と同様に幾何学遠近法により配置する。一方、自車2と異なる車線44上を走行する他車30の周囲の画像情報Im8または車線48上を走行する他車31の周囲の画像情報Im6については、同一車線上を走行する他車32の周囲の画像情報Im7の表示サイズより小さくして幾何学遠近法により配置して表示する。画像情報Im6およびIm8は走行する車線の左右に応じて画像53上の左右に対応させながら画像情報Im7より小さいサイズで且つ全体として幾何学遠近法により配置して表示されているため、自車2のドライバ3は他車30、32および31の全体としての走行状況を直感的に把握しやすくなっている。以上により、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となる複数の他車が自車2の進行方向Aの左右前方を走行している場合にも本発明の交通情報通信システム1を適用することができ、自車2のドライバ3は自車2と同一の車線46を走行する他車32または異なる車線44等を走行する他車30等との間の各距離に基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例4】
【0045】
実施例4では、実施例1ないし3を組合せた場合について説明する。すなわち、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2が走行する車線44上の前方に複数台走行し、且つ異なる車線46等の左右前方にも走行している場合について説明する。
【0046】
図6(A)は本発明の実施例4における自車2と他車30ないし33との間の位置関係等を示す。図6(A)で図5(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図6(A)により示される位置関係と図5(A)により示される位置関係とが異なる点は、他車33が自車2および他車32と同一の車線46上であって且つ他車32より進行方向Aの前方の位置P9にいる点であり、従って、自車2と他車33との間の距離R(P9、P1)>自車2と他車32との間の距離R(P7、P1)となっている点である。自車2と他車32、33との間の角度は各々0度であるため、図6(A)では省略している。
【0047】
図6(B)は、図6(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像54を示す。図6(B)で図6(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。以下、実施例3と異なる点を中心に説明する。実施例3の場合に加えて、自車2の受信部26は他車33の位置P9、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im9を含む他車交通情報INF33を受信する。すなわち、他車33の進行方向Aにおける道路状況を他車33の周囲の画像情報Im9として受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車交通情報INF33、INF30、INF32およびINF31であるため、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報として、他車30等と自車2との間の距離および角度に基づき、画像情報Im9とIm8とIm7とIm6とを実施例3で説明したように遠近法に基づく配置形式および表示サイズによりディスプレイ・モニタ6に表示する。但し、実施例3と異なり他車32の前方に他車33が存在しているため、図6(B)に示されるように、実施例3の場合に加えて他車33から送られた画像情報Im9を幾何学遠近法により画像54の上部に配置して表示する。
【0048】
図6(B)に示されるように、画像情報Im9内には他車33が走行する車線46の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示されている。画像情報Im8内には他車30が走行する車線44の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示されているが、実施例3と異なり左車線46の前方を走行する他車33の画像が表示されている。画像情報Im7内には右車線44の前方を走行する他車30の画像が表示されているが、実施例3と異なり他車32が走行する車線46の進行方向Aの前方に他車33が走行していることが示されている。画像情報Im6内には実施例3と同様に他車31が走行する車線48の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示され、且つ右車線46の前方を走行する他車32の画像が表示されている。実施例3と同様に画像情報Im6およびIm8は走行する車線の左右に応じて画像54上の左右に対応させながら画像情報Im7より小さいサイズで且つ全体として幾何学遠近法により配置して表示されている。さらに画像情報Im9とIm8とは遠近法に基づき画像54の上部と中央部とに配置して表示されている。このため、自車2のドライバ3は他車30、32、31および33の全体としての走行状況を直感的に把握しやすくなっている。ドライバ3は画像情報Im7内に他車33を認識すること等ができるため、他車32を追い越すかどうかを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。
【0049】
以上より、本発明の実施例4によれば、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2が走行する車線44上の前方に複数台走行し、且つ異なる車線46等の左右前方にも走行している場合についても本発明の交通情報通信システム1を適用することができる。自車2の受信部26は、自車2と同一の車線46を走行する複数の他車32等または異なる車線44、48を走行する複数の他車30等から他車交通情報INF30等を各々受信する。表示部28は自車2と同一の車線46を走行する複数の他車32等または異なる車線44、48の進行方向Aの前方を走行する他車30等からの他車交通情報INF30等に含まれる各画像情報Im4等を遠近法に基づく配置形式によりディスプレイ・モニタ6に表示する。遠近法に基づく配置形式は実施例2および3の場合の配置形式の組合せにより行なうことができる。以上により、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2が走行する車線44上の前方に複数台走行し、且つ異なる車線46等の左右前方にも走行している場合にも本発明の交通情報通信システム1を適用することができ、自車2のドライバ3は自車2と同一の車線46を走行する他車32および33または異なる車線44等を走行する他車30等との間の各距離に基づいて秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例5】
【0050】
実施例1ないし4では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向A上の前方に1台以上走行している場合について説明した。本実施例5では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないが、対向車線側に他車が走行している場合について説明する。
【0051】
図7(A)は本発明の実施例5における自車2と他車34との間の位置関係等を示す。図7(A)で図2(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図7(A)に示されるように、自車2は車線44を進行方向Aへ向けて走行しているが、他車34は自車2の対向車線43を自車2の進行方向Aとは逆の方向Bへ向けて走行している。他車34の位置はP10であり、自車3との間の距離はR(P10、P1)であり、角度は−γ度である。
【0052】
図7(B)は、図7(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像54を示す。自車2の受信部26は他車34の位置P10、進行方向Bおよび周囲の画像情報Im10を含む他車交通情報INF34を受信する。すなわち、他車34の進行方向Bにおける道路状況を他車34の周囲の画像情報Im10として受信する。受信部26により受信した他車交通情報は他車交通情報INF34だけである。表示部28は、受信部26により受信した他車交通情報INF34に含まれる他車34の進行方向Bと自車情報に含まれる自車の進行方向Aとを比較することにより、他車交通情報INF34が自車2の進行方向A上の前方を走行する他車から送られたものではないと識別することができる。この結果、自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報は受信しなかったため、表示部28は図7(B)に示されるように画像55として「進行方向からの受信可能な他車交通情報はありません。」というメッセージ60をディスプレイ・モニタ6に表示する。このように、表示部28は他車交通情報INF34に含まれる進行方向Bに基づき、対向車線を走行する他車34からの画像情報Im10を自動的に表示しないようにすることができる。
【0053】
上記メッセージ60における「受信可能な」という意味は、上述のように車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないという意味である。自車2が走行しているうちに状況が変化し、自車2の進行方向A上の前方に車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が出現する可能性もある。このため、受信可能な他車交通情報がない時点で直ちに上記メッセージ60を表示せず、当該時点から所定の時間が経過してもなお受信可能な他車交通情報がない場合に上記メッセージ60を表示するようにしてもよい。所定の時間の経過を用いる替りに所定の距離の走行を用いてもよい。
【0054】
以上より、本発明の実施例5によれば、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないいが、対向車線側に他車が走行している場合についても本発明の交通情報通信システム1を適用することができる。自車2の受信部26は他車34の他車交通情報INF34を受信する。自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報は受信しなかったため、表示部28は「進行方向からの受信可能な他車交通情報はありません。」というメッセージ60をディスプレイ・モニタ6に表示する。このように、表示部28は他車交通情報INF34に含まれる進行方向Bに基づき、対向車線を走行する他車34からの画像情報Im10を自動的に表示しないようにすることができる。この結果、自車2のドライバ3は自車2の対向車線43を走行する他車34からの他車交通情報を自動的に見ずに済ませることができ、且つ自車2の進行方向Aからの受信可能な他車交通情報がないことを知ることができるため、秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例6】
【0055】
実施例5では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していない場合について説明した。本実施例6では、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないが、自車2の後方にまたは並行して進行方向A上に1台以上走行している場合について説明する。
【0056】
図8(A)は本発明の実施例6における自車2と他車30ないし32との間の位置関係等を示す。図8(A)で図5(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図8(A)に示されるように、他車35は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2の右側の車線44上の位置P22を自車2と並行して走行している。他車36は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2と同一の車線46上の後方の位置P21を走行している。他車37は自車2の進行方向Aと同一方向であって自車2の左側の車線48上の自車2より後方の位置P20を走行している。4台の自動車間の距離関係は、自車2と他車35との間の距離R(P22、P1)<自車2と他車37と間の距離R(P20、P1)<自車2と他車36との間の距離R(P21、P1)となっている。角度は、自車2と他車35との間は−δ(=−90)度であり、自車2と他車37との間は+ζ度である。自車2と他車36との間の角度は0度であるため、図8(A)では省略している。
【0057】
図8(B)は、図8(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像53を示す。図8(B)で図8(A)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。自車2の受信部26は他車35の位置P22、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im22を含む他車交通情報INF35を受信する。すなわち、他車35の進行方向Aにおける道路状況を他車35の周囲の画像情報Im22として受信することができる。さらに自車2の受信部26は、他車36の位置P21、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im21を含む他車交通情報INF36を受信する。すなわち、他車36の進行方向Aにおける道路状況を他車36の周囲の画像情報Im21として受信することができる。加えて自車2の受信部26は、他車37の位置P20、進行方向Aおよび周囲の画像情報Im20を含む他車交通情報INF37を受信する。すなわち、他車37の進行方向Aにおける道路状況を他車37の周囲の画像情報Im20として受信することができる。受信部26により受信した他車交通情報は他車交通情報INF35、INF36およびINF37である。表示部28は、受信部26により受信した他車交通情報INF35等に含まれる他車35等の位置P22等と自車情報に含まれる自車の位置P1とを比較することにより、他車交通情報INF35等が自車2の進行方向A上の前方ではなく並行にまたは後方を走行する他車から送られたものであると識別することができる。この結果、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報はないと判断する。そこで表示部28は図8(B)に示されるように、「後方からの他車画像表示モード」というメッセージ62をディスプレイ・モニタ6に表示して、他車35等と自車2との間の距離および角度に基づき、画像情報Im20とIm21とIm22とを以下に示すような配置形式により配置してディスプレイ・モニタ6に表示する。
【0058】
すなわち、自車2と同一の車線46の後方の他車36から送られた画像情報Im21を画像56上の下部に大きいサイズで表示する。仮に、自車2と同一の車線46であって他車36よりさらに後方の位置P23(不図示)を別の他車(不図示)が走行している場合、当該別の他車より送られた画像情報Im23は画像情報Im21の下部に画像情報Im21より小さいサイズで表示する。画像情報Im21の左上の表示座標位置G(R(P21,P1))と画像情報Im23の左上の表示座標位置G(R(P23、P1))とは、消点が画像56上の下部にあるように配置すればよい。同一車線46上を走行している他車から送られた画像情報は、前方を走行している他車から送られた画像情報を表示する場合と同様に、近距離を走行する他車から送られた画像情報ほど大きいサイズでより中央部に配置して表示する。
【0059】
一方、自車2と並行して右側の車線44を走行している他車35から送られた画像情報Im22は、自車2と並行している位置を示すライン64上の右側に重ねて配置し、画像情報Im21より小さいサイズで表示する。自車2の左側の車線48であって左後方を走行している他車37から送られた画像情報Im20は、画像56上の左側であって画像情報Im21より上部であって画像情報Im22より下部に配置し、画像情報Im21より小さいサイズで表示する。
【0060】
図8(B)に示されるように、画像情報Im21内には他車36が走行する車線46の進行方向Aの前方に自車2が走行していることが示されている。さらに、自車2の右側の車線44に他車35が走行しており、左側の車線48の後方に他車37が走行していることが示されている。画像情報Im22内には他車35が走行する車線44の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示されている。画像情報Im20内には他車37が走行する車線48の進行方向Aの前方には自動車が存在していないことが示され、且つ右車線46の前方を走行する自車2が示されている。以上の画像56より、自車2のドライバ3は他車35、36および37の全体としての走行状況を直感的に把握しやすくなっている。特に、自車2の左後方を走行する他車37が自車2のバックミラー等では確認しにくい位置を走行している場合であっても、同一車線46の後方の他車36から送られた画像情報Im21に他車37が映っているため、ドライバ3は容易に他車37の存在を認識することができる。同一車線46の後方の他車36が存在しない場合であっても、他車37からの画像情報Im20に自車2が映っているため、ドライバ3は容易に他車37の存在を認識することができる。従って、ドライバ3は車線変更を行なうタイミングを判断する際等において極めて有益な情報を得ることができる。
【0061】
以上より、本発明の実施例6によれば、車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないが、自車2の後方にまたは並行して進行方向A上に1台以上走行している場合についても本発明の交通情報通信システム1を適用することができる。自車2の受信部26は自車2の後方にまたは並行して進行方向A上に走行している他車交通情報INF35等を受信する。受信部26により受信した他車交通情報INF35等により、表示部28は自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報はないと判断する。そこで表示部28は「後方からの他車画像表示モード」というメッセージ62をディスプレイ・モニタ6に表示して、他車交通情報INF35等に含まれる画像情報Im22等を以下に示すような配置形式により配置してディスプレイ・モニタ6に表示する。すなわち、自車2と同一の車線46の後方の他車36から送られた画像情報Im21を画像56上の下部に大きいサイズで表示する。同一車線46上を走行している他車から送られた画像情報は、前方を走行している他車から送られた画像情報を表示する場合と同様に、近距離を走行する他車から送られた画像情報ほど大きいサイズでより中央部に配置して表示する。一方、自車2と並行して右側の車線44を走行している他車35から送られた画像情報Im22は、自車2と並行している位置を示すライン64上の右側に重ねて配置し、画像情報Im21より小さいサイズで表示する。自車2の左側の車線48であって左後方を走行している他車37から送られた画像情報Im20は、画像56上の左側であって画像情報Im21より上部であって画像情報Im22より下部に配置し、画像情報Im21より小さいサイズで表示する。自車2の左後方を走行する他車37が自車2のバックミラー等では確認しにくい位置を走行している場合であっても、同一車線46の後方の他車36から送られた画像情報Im21に他車37が映っているため、ドライバ3は容易に他車37の存在を認識することができる。従って、ドライバ3は車線変更を行なうタイミングを判断する際等において、秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例7】
【0062】
上述の実施例1ないし6で説明された交通情報通信システム1における車載情報端末装置18は、送信処理機能である画像情報取得部22および送信部24を備えていた。しかし、自車2の車載情報端末装置は送信処理機能を含まないタイプの車載情報端末装置A(不図示)としてもよい。他車30等の車載情報端末装置18は送信処理機能を備えているため、車両間無線ネットワーク15を介して他車交通情報INF30等を送信する。自車2の車載情報端末装置Aは自車情報取得部20と受信処理機能(受信部26および表示部28)とは備えているため、受信部26が他車交通情報INF30等を受信し、その後は上述の実施例1ないし6で示したように、表示部28がディスプレイ・モニタ6に表示を行なえばよい。
【0063】
以上より、本発明の実施例7によれば、自車2の車載情報端末装置を画像情報取得部22および送信部24を含まない車載情報端末装置Aとすることもできる。車載情報端末装置Aは自車情報取得部20と受信部26と表示部28とは備えているため、上述の実施例1ないし6で示したように、表示部28がディスプレイ・モニタ6に表示を行なうことができる。従って、画像情報取得部22および送信部24を含まない車載情報端末装置Aを用いた場合であっても、ドライバ3は車両間無線ネットワーク15を介して秩序立てて整理された交通情報を得ることができる。
【実施例8】
【0064】
図9ないし12は、本発明の交通情報通信方法の流れまたはプログラムの機能をフローチャートで示す。図9に示されるように、まず車載情報端末装置18が、当該車載情報端末装置18が搭載された自車2の位置P1と自車2の進行方向Aとを含む自車情報をナビゲーション・システム10により取得する(自車情報取得ステップ。ステップS10)。次に、車載情報端末装置18が車両間無線ネットワーク15を介して情報を送信する(送信処理ステップ。ステップ20)。送信処理ステップ(ステップS20)の後にまたは先立ち、車載情報端末装置18が車両間無線ネットワーク15を介して情報を受信する(受信処理ステップ。ステップS30)。すなわち、送信処理ステップ(ステップ20)の後に受信処理ステップ(ステップS30)を行なってもよいし(図9の左側のフローチャート)、逆に受信処理ステップ(ステップ30)の後に送信処理ステップ(ステップS20)を行なってもよい(図9の右側のフローチャート)。可能であれば受信処理ステップ(ステップ30)と送信処理ステップ(ステップS20)とを並行処理してもよい。
【0065】
図10に示されるように、送信処理ステップ(ステップS20)は、車載情報端末装置18が、当該車載情報端末装置18が搭載された自車2の周囲の画像情報Im1等をカメラ4により取得する(画像情報取得ステップ。ステップS22)。次に、自車情報取得ステップ(ステップS10)で取得した自車情報と画像情報取得ステップ(ステップS22)で取得した画像情報Im1とを含む自車交通情報INF2を車両間無線ネットワーク15を介して送信する(送信ステップ。ステップS24)。
【0066】
図11に示されるように、受信処理ステップ(ステップ30)は、車載情報端末装置18が、他の車載情報端末装置が搭載された他車30等の位置P2等および他車30等の進行方向Aを含む他車情報と他車30等の周囲の画像情報Im2等とを含む他車交通情報INF30等を車両間無線ネットワーク15を介して受信する(受信ステップ。ステップS32)。次に、自車情報取得ステップ(ステップS10)で取得した自車情報と受信ステップ(ステップS32)で受信した他車交通情報INF30等とに基づき、他車交通情報INF30等に含まれる他車30等の周囲の画像情報Im2等をディスプレイ・モニタ6に表示する(表示ステップ。ステップS36)。自車2における受信ステップ(ステップS32)で受信する他車交通情報INF30等は、他車30等における送信ステップ(ステップS24)で送信された情報であり、他車30等における受信ステップ(ステップS32)で受信する他車交通情報INF30等は、自車2における送信ステップ(ステップS24)で送信された情報である。
【0067】
表示ステップ(ステップS36)における具体的な処理は、実施例1ないし7で説明した表示部28の機能と同様であるため、詳細は省略する。表示ステップ(ステップS36)は、受信ステップ(ステップS32)で受信した他車交通情報INF30等の内、自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車30等の周囲の画像情報Im2等を所定の表示形式でディスプレイ・モニタ6に表示することができる。当該所定の表示形式は、自車2と1台以上の他車30等との間の各距離Rに応じて、1台以上の他車30等の周囲の画像情報Im7等をディスプレイ・モニタ6の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することができる。当該遠近法に基づく配置形式は、1台以上の他車30等であって自車2と同一車線46上を走行する他車の周囲の画像情報Im7等を幾何学遠近法により配置し、1台以上の他車30等であって自車2と異なる車線44または48上を走行する他車30等の周囲の画像情報Im8等を、自車2と同一車線46上を走行する他車32等の周囲の画像情報Im7等の表示サイズより小さくして幾何学遠近法により配置することができる。
【0068】
図12は、実施例5(車両間無線ネットワーク15内でリンクの対象となっている車載情報端末装置18等を備えた自動車が、自車2の進行方向A上の前方に1台も走行していないが、対向車線側に他車が走行している場合)における受信処理機能に対応する受信処理ステップ(ステップS30)について説明するためのフローチャートである。図12で図11と同じ符号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため説明は省略する。図12に示されるように、受信ステップ(ステップS30)の後、受信ステップ(ステップS30)で受信した他車交通情報ING32等に基づき、自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報を受信したか否か判断する(ステップS33)。ステップS33で自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報を受信したかったと判断した場合、直接ステップS35へ進んで所定のメッセージ、例えば「進行方向からの受信可能な他車交通情報はありません。」というメッセージ60をディスプレイ・モニタ6に表示して(ステップS35)、処理を終了してもよい。あるいは図12に示されるように、まず所定の時間が経過したか否か判断し(ステップS34)、経過していないと判断した場合は受信ステップ(ステップS32)へ戻って処理を繰り返すこともできる。ステップS34で所定の時間が経過したと判断した場合、上記所定のメッセージ「進行方向からの受信可能な他車交通情報はありません。」というメッセージ60をディスプレイ・モニタ6に表示して(ステップS35)、処理を終了すればよい。ステップS33で自車2の進行方向A上の前方を走行する1台以上の他車の周囲の画像情報を受信したと判断された場合は、図11で説明した表示ステップ(ステップS36)と同様の処理を行って処理を終了する。ステップS34で所定の時間の経過を用いる替りに所定の距離の走行を用いてもよい。
【0069】
本発明の実施例8により、本発明の交通情報通信方法の流れまたはプログラムの機能をフローチャートで示した。実施例7(自車2の車載情報端末装置が画像情報取得部22および送信部24を含まないタイプの車載情報端末装置Aである場合)における車載情報端末装置Aのプログラムの機能は、図9において送信処理ステップ(ステップS20)を取り去ったフローチャート(但し、図9の左側または右側のいずれかのフローチャート)と、図11および12に示されるフローチャートとで示すことができる。
【実施例9】
【0070】
図13は、上述した各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する自車2の車載情報処理装置18またはA、あるいは他車30等の車載情報端末装置のコンピュータの内部回路70を示すブロック図である。図13に示されるように、CPU71、ROM72、RAM73、画像制御部76、コントローラ77、入力制御部80および外部インタフェース(I/F)部84はバス86に接続されている。図13において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM72、ディスク78a、CD−ROMあるいはDVD78n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM72からバス86を介し、またはディスク78a、CD−ROMまたはDVD78n等の記録媒体からコントローラ77を経由してバス86を介しRAM73へロードされる。入力制御部70はテンキー等の入力操作部82と接続され入力制御等を行う。画像メモリであるVRAM75は車載情報処理装置18等のディスプレイ・モニタ6の少なくとも一画面分のデータ容量に相当する容量を有しており、画像制御部76はVRAM75のデータを画像データへ変換してディスプレイ・モニタ6へ送出する機能を有している。外部I/F部84は、車両間無線ネットワーク15と通信する際の入出力インタフェース機能を有する。
【0071】
上述のようにCPU71が上述の本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROMまたはDVD78n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU71に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROMまたはDVD78n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、光ディスク、FD等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の活用例として、カーナビゲーション装置に車載情報端末装置18を備えるように適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例1における交通情報通信システム1を示す図である。
【図2(A)】本発明の実施例1における自車2と他車32との間の位置関係等を示す図である。
【図2(B)】図2(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像50を示す図である。
【図3(A)】本発明の実施例1における自車2と他車32との間の別の位置関係等を示す図である。
【図3(B)】図3(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像51を示す図である。
【図4(A)】本発明の実施例2における自車2と他車32と他車30との間の位置関係等を示す図である。
【図4(B)】図4(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像52を示す図である。
【図5(A)】本発明の実施例3における自車2と他車30ないし32との間の位置関係等を示す図である。
【図5(B)】図5(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像53を示す図である。
【図6(A)】本発明の実施例4における自車2と他車30ないし33との間の位置関係等を示す図である。
【図6(B)】図6(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像54を示す図である。
【図7(A)】本発明の実施例5における自車2と他車34との間の位置関係等を示す図である。
【図7(B)】図7(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像54を示す図である。
【図8(A)】本発明の実施例6における自車2と他車30ないし32との間の位置関係等を示す図である。
【図8(B)】図8(A)に示される位置関係等の場合において自車2のディスプレイ・モニタ6に表示される画像53を示す図である。
【図9】本発明の交通情報通信方法の流れまたはプログラムの機能を示すフローチャートである。
【図10】本発明の交通情報通信方法の流れまたはプログラムの機能を示すフローチャートである。
【図11】本発明の交通情報通信方法の流れまたはプログラムの機能を示すフローチャートである。
【図12】実施例5における受信処理機能に対応する受信処理ステップ(ステップS30)について説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する車載情報処理装置22または携帯電話40のコンピュータの内部回路50を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0074】
1 交通情報通信システム、 2 自動車(自車)、 3 ドライバ、 4 カメラ、 6 ディスプレイ・モニタ、 8 GPSアンテナ、 10 ナビゲーション・システム、 12 アンテナ、 14 受信機、 16 送信機、 18 車載情報端末装置、 19 機能ブロック、 15 車両間無線ネットワーク、 20 自車情報取得部、 22 画像情報取得部、 24 送信部、 26 受信部、 28 表示部、 30,31,32,33,3435,36,37 他の自動車(他車)、 40 境界物、 42 標識、 43,44,46,48 車線、 50,51,52,53,54,55,56 画像、 60,62 メッセージ、 64 ライン、 70 内部回路、 71 CPU、 72 ROM、 73 RAM、 75 VRAM、 76 画像制御部、 77 コントローラ、 78a ディスク、 78n CD−ROM、 80 入力制御部、 82 入力操作部、 84 外部I/F部、 86 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信システムであって、
前記車載情報端末装置は、
該車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得手段と、
該車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得手段と、
前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記画像情報取得手段により取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信手段と、
他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信手段と、
前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする交通情報通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の交通情報通信システムにおいて、前記表示手段は、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することを特徴とする交通情報通信システム。
【請求項3】
請求項2記載の交通情報通信システムにおいて、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することを特徴とする交通情報通信システム。
【請求項4】
請求項2記載の交通情報通信システムにおいて、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することを特徴とする交通情報通信システム。
【請求項5】
複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信方法であって、該車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得ステップと、該車載情報端末装置が該無線ネットワークを介して情報を送信する送信処理ステップと、該送信処理ステップの後に又は先立ち該車載情報端末装置が該無線ネットワークを介して情報を受信する受信処理ステップとを備え、
前記送信処理ステップは、前記車載情報端末装置が、
該車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得ステップと、
前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記画像情報取得ステップで取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信ステップとを備え、
前記受信処理ステップは、前記車載情報端末装置が、
他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信ステップと、
前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記受信ステップで受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示ステップとを備えたことを特徴とする交通情報通信方法。
【請求項6】
請求項5記載の交通情報通信方法において、前記表示ステップは、前記自車情報取得ステップで取得した自車情報と前記受信ステップで受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することを特徴とする交通情報通信方法。
【請求項7】
請求項6記載の交通情報通信方法において、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することを特徴とする交通情報通信方法。
【請求項8】
請求項6記載の交通情報通信方法において、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することを特徴とする交通情報通信方法。
【請求項9】
複数の車載情報端末装置を含んで構成された無線ネットワークを用いた交通情報通信システムにおける車載情報端末装置の処理を行なうためのプログラムであって、該車載情報端末装置のコンピュータを、
前記車載情報端末装置が搭載された車両の位置と該車両の進行方向とを含む自車情報をナビゲーション・システムにより取得する自車情報取得手段と、
他の車載情報端末装置が搭載された他の車両の位置及び該他の車両の進行方向を含む他車情報と該他の車両の周囲の画像情報とを含む他車交通情報を無線ネットワークを介して受信する受信手段、
前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づき、該他車交通情報に含まれる他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置に表示する表示手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムにおいて、前記表示手段は、前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記受信手段により受信した他車交通情報とに基づいて、該他車交通情報の内、自車両の進行方向上の前方を走行する1台以上の他の車両に対応する他車交通情報を求め、該1台以上の他の車両に対応する他車交通情報に含まれる該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を所定の表示形式で画像表示装置に表示することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10記載のプログラムにおいて、前記所定の表示形式は、前記自車両と前記1台以上の他の車両との間の各距離に応じて、該1台以上の他の車両の周囲の画像情報を画像表示装置の画面上に遠近法に基づく配置形式により配置して表示することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項10記載のプログラムにおいて、前記所定の表示形式は、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と同一車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離に応じて幾何学遠近法により配置して表示し、前記1台以上の他の車両であって前記自車両と異なる車線上を走行する車両の周囲の画像情報を該自車両と該1台以上の他の車両との間の各距離及び該自車両と該自車両から該1台以上の他の車両への方向とが成す角度に応じた表示サイズとして幾何学遠近法により配置して表示することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項9ないし12のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記車載情報端末装置が搭載された車両の周囲の画像情報を撮像装置により取得する画像情報取得手段と、
前記自車情報取得手段により取得した自車情報と前記画像情報取得手段により取得した画像情報とを含む自車交通情報を無線ネットワークを介して送信する送信手段とをさらに備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図4(A)】
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【図4(B)】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図7(A)】
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【図7(B)】
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【図8(A)】
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【図8(B)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−31328(P2006−31328A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208261(P2004−208261)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【Fターム(参考)】