説明

交通情報配信システム

【課題】ユーザに必要な交通情報を配信しつつ、情報通信量を削減できる交通情報配信システムを提供すること。
【解決手段】センター10から車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する交通情報配信システムである。センター10は、各道路の車両情報を受信して、この車両情報に基づいて各道路の交通状況を示す交通情報を生成し、生成した交通情報を記憶部12に記憶する(S30〜S32)。また、センター10は、今回生成した交通情報と前回生成した交通情報とを比較することで、前回生成した交通情報に対して今回生成した交通情報が変動しているか否かを判定する(S33,S34)。そして、センター10は、交通情報の変動がないと判定した場合は交通情報の配信を中止し、変動があると判定した場合はナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する(S35)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センターから車両に搭載された車載機に対して交通情報を配信する交通情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、センターから車両に搭載された車載機に対して交通情報を配信する技術の一例として、特許文献1に記載の交通情報表示装置があった。
【0003】
この交通情報表示装置は、地図と共に交通情報を表示するディスプレイと、交通情報サービスセンターと通信によって接続する双方向通信手段と、交通情報サービスセンターから通信によって取得した交通情報を記憶する読書き可能な記憶手段と、過去に取得して記憶手段に格納された交通情報に基づいて予想した予想到達距離情報と実際の車両走行履歴情報とを比較し、これら情報の乖離が大か否か判定する交通情報精度判定手段とを備える。そして、乖離が大と判定された場合には、交通情報サービスセンターに交通情報の取得を要求し、交通情報をダウンロードしていることを表すメッセージをディスプレイに表示する。これによって、交通情報表示装置の利用者は、交通情報要求の頻度を低減しつつ交通情報の精度向上を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−280320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この交通情報表示装置では、過去に取得して記憶手段に格納された交通情報に基づいて予想した予想到達距離情報と実際の車両走行履歴情報とを比較し、これら情報の乖離が大と判定された場合に、交通情報サービスセンターに交通情報の取得を要求するものである。つまり、交通情報サービスセンターに交通情報の取得を要求するときは、予想到達距離情報と実際の車両走行履歴情報との乖離が大と判定された場合であるため、渋滞に巻き込まれたりする可能性がある。このように、交通情報表示装置では、ユーザに必要な交通情報を配信できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ユーザに必要な交通情報を配信しつつ、情報通信量を削減できる交通情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の交通情報配信システムは、センターから車両に搭載された車載機に対して交通情報を配信するものであって、
車載機は、
交通情報を受信する車載機側受信手段と、
自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
自車位置検出手段が検出した現在位置を含む自車両の走行位置に関する走行路情報を前記センターに対して送信する送信手段と、
車載機側受信手段にて受信した交通情報をユーザに提供する提供手段と、を備え、
センターは、
各道路の交通状況を示す交通情報を取得する取得手段と、
取得手段が取得した交通情報を記憶する記憶手段と、
車載機の送信手段から送信された走行路情報を受信するセンター側受信手段と、
取得手段が取得した交通情報とセンター側受信手段が受信した走行路情報とに基づいて、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にある車載機に対して交通情報を配信する配信手段と、
取得手段が今回取得した交通情報と前回取得した交通情報とを比較することで、前回取得した交通情報に対して今回取得した交通情報が変動しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
配信手段は、判定手段が交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくすることを特徴とする。
【0008】
このように、交通情報に対応する道路と車両の走行路情報(走行位置)とが所定の対応関係にある車載機に対して交通情報を配信することによって、ユーザに必要な交通情報を配信することができる。さらに、センター側において、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくすることによって交通情報の通信量(すなわち情報通信量)を削減できる。
【0009】
また、請求項2に示すように、配信手段は、判定手段が交通情報の変動がないと判定した場合は交通情報の配信を中止し、変動があると判定した場合のみ交通情報を配信するようにしてもよい。
【0010】
このように、交通情報の変動があると判定した場合のみ交通情報を配信することによって、交通情報の通信量をより一層削減できる。
【0011】
また、請求項3に示すように、判定手段は、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報とを比較し、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報との差が閾値を超えた場合は変動があると判定し、閾値を超えてない場合は変動がないと判定するものであり、
センターは、交通情報の変化量に基づいて各道路における閾値を設定するものであり、交通情報の変化量が大きい場合の閾値を、交通情報の変化量が小さい場合の閾値よりも大きい値に設定する閾値設定手段を備えるようにしてもよい。
【0012】
このように、交通情報の変化量が大きい場合の閾値を、交通情報の変化量が小さい場合の閾値よりも大きい値に設定するとともに、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報との差が閾値を超えた場合は変動があると判定し、閾値を超えてない場合は変動がないと判定することによって、ユーザに必要な交通情報を配信しつつ、交通情報の通信量をより一層削減できる。
【0013】
また、請求項4に示すように、取得手段は、各道路を走行している車両及び各道路の側らに設けられた路側機の少なくとも一方から各道路における車両情報を取得し、取得した車両情報に基づき道路毎の交通情報を生成することで交通情報を取得するものであり、閾値設定手段は、各交通情報を生成するための車両情報の数が少ないほど交通情報の変動量が大きいとみなして、車両情報の数が少ない場合の閾値を、車両情報の数が多い場合の閾値よりも大きい値に設定するようにしてもよい。
【0014】
車両情報に基づいて生成される交通情報は、車両情報の数(すなわちサンプル数)が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、各ドライバの特性や行動が反映されやすい。よって、交通情報は、車両情報の数が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、各ドライバの特性や行動に依存して大きく変動しやすい。つまり、交通情報は、車両情報の数が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、変動量のバラつきがある。
【0015】
そこで、請求項4に示すように、車両情報の数が少ない場合の閾値を、車両情報の数が多い場合の閾値よりも大きい値に設定すると好ましい。これによって、車両情報の数が少ない(変動量のバラつきがある)場合における交通情報の変動判定のバラつきを抑制して、精度良く交通情報の変動判定を行うことができる。
【0016】
また、請求項5に示すように、閾値設定手段は、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯は交通情報の変動量が大きいとみなして、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯の閾値を、この時間帯以外の時間帯の閾値よりも大きい値に設定するようにしてもよい。
【0017】
交通情報は、時間帯により変動量のふれ幅が異なることがある。つまり、交通情報は、時間帯により変動量のバラつきがある。
【0018】
例えば、渋滞の発生開始が予想される時間帯では交通量が徐々に増えだし、渋滞の解消開始が予想される時間帯では交通量が徐々に減りだすため、交通情報の変動量が大きくなる。しかしながら、交通量が増えだす時間(時刻)や交通量が減りだす時間(時刻)は日によって異なる。よって、渋滞の発生開始が予想される時間帯における、ある期間の交通情報の変動量は、交通量が増えだす時間(時刻)によって異なる。同様に、渋滞の解消開始が予想される時間帯における、ある期間の交通情報の変動量は、交通量が減りだす時間(時刻)によって異なる。なお、渋滞の発生開始が予想される時間帯とは、渋滞していな状態から交通量が増えだし渋滞するまでの時間帯である。渋滞の解消開始が予想される時間帯とは、渋滞から交通量が減りだし渋滞が解消するまでの時間帯である。
【0019】
そこで、請求項5に示すように、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯の閾値を、この時間帯以外の時間帯の閾値よりも大きい値に設定すると好ましい。これによって、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯(変動量のバラつきがある場合)における交通情報の変動判定のバラつきを抑制して、精度良く交通情報の変動判定を行うことができる。
【0020】
また、交通情報は、センターの外部から取得してもよいし、請求項6に示すように、各道路の車両情報を取得して、取得した車両情報に基づいて、各道路の交通情報を生成することによって取得するようにしてもよい。
【0021】
また、請求項7に示すように、取得手段は、過去の所定期間において取得した車両情報に基づいて交通情報を生成するものであり、渋滞が予想される時間帯は、該時間帯以外の時間帯よりも短い期間における車両情報に基づいて交通情報を生成するようにしてもよい。
【0022】
このようにすることによって、判定手段は、渋滞が予想される時間帯(例えば、通勤時間など)は、渋滞が予想されにくい時間帯(例えば、深夜など)よりも短い期間における交通情報に基づいて交通情報が変動しているか否かを判定できる。逆に、渋滞が予想されにくい時間帯は、渋滞が予想される時間帯よりも長い期間における交通情報に基づいて交通情報が変動しているか否かを判定できる。よって、渋滞が予想される時間帯は、きめ細やかな判定を行うことができ、リアルタイムな交通情報の変動に対応できる。一方、渋滞が予想されにくい時間帯は、車両情報の数(サンプル数)の確保が可能となり、交通情報の変動を精度良く算出できる。
【0023】
また、請求項8に示すように、車載機は、ユーザによる指示に基づいて目的地を設定する目的地設定手段を備え、
送信手段は、走行路情報として自車両の現在位置と、目的地設定手段が設定した目的地を送信するものであり、
センターは、センター側受信手段が受信した現在位置から目的地までの案内経路を設定するセンター側経路設定手段を備え、
配信手段は、センター側経路設定手段が設定した案内経路に取得手段が取得した交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすようにしてもよい。
【0024】
このようにすることによって、簡単にユーザに必要な交通情報を配信することができる。
【0025】
また、請求項9に示すように、配信手段は、センター側受信手段が受信した車両の現在位置が交通情報に対応する道路から所定範囲に含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすようにしてもよい。
【0026】
このようにすることによって、目的地が設定されてない場合であっても、ユーザに必要な交通情報を配信することができる。
【0027】
また、請求項10に示すように、車載機は、ユーザによる指示に基づいて出発地から目的地までの案内経路を設定する車載機側経路設定手段を備え、
送信手段は、走行路情報として自車両の現在位置と、案内経路設定手段が設定した案内経路を送信するものであり、
配信手段は、センター側受信手段が受信した案内経路における現在位置と目的地との間に取得手段が取得した交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすようにしてもよい。
【0028】
このようにすることによっても、簡単にユーザに必要な交通情報を配信することができる。
【0029】
また、請求項11に示すように、配信手段は、判定手段が交通情報の変動が所定値よりも多いと判定した場合は、変動が所定値よりも少ないと判定した場合よりも交通情報の配信頻度を多くするようにしてもよい。このようにすることによって、ユーザに適切な交通情報を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における交通情報配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態におけるセンターの交通情報配信処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態におけるセンターの変動交通情報配信処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における変動閾値を説明する図面であり、(a)は時刻とリンク旅行時間との関係を示すグラフであり、(b)は各時刻におけるリンク旅行時間差と変動閾値との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の変形例1における交通情報配信システムの処理動作を示すフローチャートであり、(a)はナビゲーション装置の処理動作を示すフローチャートであり、(b)はセンターの記憶処理動作を示すフローチャートであり、(c)は、センターの変動交通情報配信処理動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の変形例2におけるセンターの変動交通情報配信処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1に示すように交通情報配信システムは、車両情報取得装置1、センター10、ナビゲーション装置100を備える。この交通情報配信システムは、センター10から車両に搭載されたナビゲーション装置100(本発明の車載機に相当)に対して、道路毎の交通情報(渋滞度、渋滞区間距離、リンク旅行時間(例えば、複数の車両におけるリンク旅行時間の平均値)など)を配信するものである。
【0033】
まず、ナビゲーション装置100に関して説明する。このナビゲーション装置100は、出発地(例えば車両の現在位置である自車位置)から目的地までの案内経路を探索して、探索した案内経路に基づいて出発地から目的地までの経路案内などを実行する。また、案内経路を探索する際には、後ほど説明するセンター10から交通情報を取得した場合、この交通情報を考慮しつつ案内経路を探索する。周知のように、この経路案内は、表示装置150の画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべき案内経路を表示するとともに、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置170により案内音声を出力することにより行われる。なお、本実施の形態においては、出発地として、車両の現在位置を採用して説明する。
【0034】
また、ナビゲーション装置100が搭載された車両は、後ほど説明するプローブカーとして機能するものである。よって、ナビゲーション装置100は、後ほど説明する車両情報(各車両のリンク旅行時間、リンク旅行速度、位置情報、時刻など)を取得(生成)して、所定時間毎にセンター10に無線で送信する。
【0035】
このナビゲーション装置100は、図1に示すように、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130(GPS受信機131、ジャイロセンサ132、車速度センサ133)、記憶部140、表示装置150、操作スイッチ160、音声出力装置170、制御装置180などを備えて構成されている。
【0036】
制御装置180は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御装置180には、上述の通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130、記憶部140、表示装置150、操作スイッチ160、音声出力装置170が電気的に接続されている。制御装置180は、ナビゲーション機能としての各種処理を実行する。つまり、制御装置180は、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130、記憶部140、操作スイッチ160から入力された各種情報(各種信号)に基づき演算処理を実行し、表示装置150に対して画像表示を指示したり、音声出力装置170に対して音声出力を指示したりすることで、ナビゲーション機能としての各種処理を実行する。なお、このナビゲーション機能としての各種処理としては、例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、マップマッチング処理、目的地設定処理、経路案内関連処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等がある。
【0037】
通信装置110は、制御装置180からの指示に基づいて、例えば、無線基地局及びインターネット等の通信ネットワークを介して、センター10との間で通信を行うようになっている。この通信装置110は、具体的には、車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールやBluetooth(登録商標)等で接続した携帯電話機等を採用することができる。例えば、通信装置110は、ユーザによる操作スイッチ160の操作に基づいて制御装置180から指示を受けると、出発地データ(つまり、現在位置データ)、目的地データ、及び交通情報リクエスト、並びに自車両(車体)データ(例えば、車載機IDなどのナビゲーション装置100に固有の識別情報)をセンター10に対して送信する。また、通信装置110は、センター10から送信された交通情報を受信する。なお、本実施の形態においては、自車両データとして車載機IDを採用する。
【0038】
地図データベース120は、例えば日本全土の道路地図データや、それに付随する、各種施設や店舗等の施設データ、道路地図を表示装置150の画面上に再生(描画)するための描画データ等の各種データを記憶するものである。道路地図データは、地図上の交差点などをノードとして、道路が複数の部分に分割されており、このノードに関するノードデータ、各ノード間の部位分をリンクとして規定したリンクデータなどを含む。
【0039】
ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称等のデータを含んで構成される。また、リンクデータは、リンクID、リンク長、リンクの始点、終点の位置データ、角度(方向)データ、道路幅、道路種別等のデータを含んで構成される。なお、記憶部12の記憶媒体としては、DVD−ROM、ハードディスクドライブ等を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0040】
自車位置検出部130は、自車両の位置を検出(測位)するためのGPS受信機131、自車両の回転角速度を検出するジャイロセンサ132、車速度センサ133を含んでいる。制御装置180は、自車位置検出部130を構成する各センサからの入力に基づいて、自車両の現在位置(絶対位置を示す位置情報)、進行方向、リンク毎のリンク旅行時間、リンク毎のリンク旅行速度、走行距離、現在時刻等を高精度で検出する。なお、自車位置検出部130自身が、自車両の現在位置(絶対位置を示す位置情報)、進行方向、リンク毎のリンク旅行時間、リンク毎のリンク旅行速度、走行距離、現在時刻等を検出して、この検出結果を制御装置180に対して出力するようにしてもよい。
【0041】
記憶部140は、制御装置180内で取り扱うデータなどを必要に応じて記憶しておくためのもので、例えば、後ほど説明するセンター10から取得した交通情報などを記憶することができる。なお、この記憶部140は、例えば、データの書き込みや読み出しが可能な不揮発性の記憶媒体で構成することができる。
【0042】
表示装置150は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを採用することができる。この表示装置150は、制御装置180から地図データベース120に記憶されたデータなどが入力されることで、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべき案内経路などを画面に表示する。
【0043】
操作スイッチ160は、ユーザによって操作されるものであり、表示装置150と一体に構成され表示画面上に設置されるタッチスイッチ、表示装置9の表示画面周囲に設けられたプッシュ型のハードスイッチなどを採用することができ、各種入力に使用される。例えば、出発地の位置情報などを含む出発地情報や目的地の位置情報などを含む目的地情報などの各種情報、及び出発地から目的地までの案内経路(推奨経路)の探索指示などのナビゲーション装置100が実行する機能に対応付けられた操作信号を制御装置180に対して出力する。なお、制御装置180は、出発地情報が入力されると、該当する施設などを検索して、抽出された施設などを出発地として設定する。また、現在位置を出発地とすることを示す出発地情報が入力されると、現在位置を出発地として設定する。この出発地の位置情報などを含むデータを出発地データと称する。また、制御装置180は、目的地情報が入力されると、該当する施設などを検索して、抽出された施設などを目的地として設定する。この目的地の位置情報などを含むデータを目的地データと称する。
【0044】
音声出力装置170は、車室内に設けられるスピーカーなどを備え、制御装置180からの指示に基づいて、経路案内時の案内音声などを出力する。
【0045】
なお、このナビゲーション装置100が実行する処理動作のうち本発明の特徴部分に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0046】
次に、車両情報取得装置1に関して説明する。この車両情報取得装置1は、交通情報を生成するための各道路における車両情報を取得するものである。車両情報取得装置1は、図1に示すように、各道路を走行している複数のプローブカー3(車両)及び各道路の側らに設けられた複数の路側感知器2(路側機)の少なくとも一方を備えて構成されている。プローブカー3は、上述のナビゲーション装置100を搭載しており、各道路における車両情報(各車両のリンク旅行時間、リンク旅行速度、位置情報、時刻など)を取得(生成)して、所定時間毎にセンター10に無線で送信する。つまり、プローブカー3は、実際に道路を走行している車両をセンサとして得られたデータ(車両情報)を、交通管理や車両の走行支援に利用するプローブカー(フローティングカー)システムにおける車両である。また、路側感知器2は、感知対象の道路の車両情報(車両通過量、時刻など)を取得(生成)して所定時間毎にセンター10に無線又は有線で送信する。
【0047】
次に、センター10に関して説明する。このセンター10は、車両情報取得装置1から車両情報を収集し、収集した車両情報を交通情報として提供できる形に処理し、走行中の車両へ配信する一連の流れを繰り返す交通情報生成・配信処理を実行するものである。センター10は、図1に示すように、制御装置14と、この制御装置14に接続された通信装置11、記憶部12、地図データベース13等を備えて構成されている。
【0048】
通信装置11は、上述のナビゲーション装置100の通信装置110との間、及び車両情報取得装置1との間で通信を行なうようになっている。通信装置11は、ナビゲーション装置100の通信装置110との通信により、出発地データ(ここでは、現在位置データ)、目的地データ、交通情報リクエスト、及び車載機IDなどを受信するとともに、制御装置14にて生成された交通情報を送信するようになっている。
【0049】
また、記憶部12は、制御装置14にて生成された交通情報を記憶する機能を持つ。また、地図データベース13は、上述のナビゲーション装置100における地図データベース120と同等のものであり、詳しい説明は省略する。なお、この地図データベース13に記憶されているデータは、交通情報の生成にも用いられる。
【0050】
制御装置14は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御装置14は、過去の所定期間において通信装置11にて受信した車両情報を処理し交通情報を生成して記憶部12に記憶する機能(生成機能)、記憶部12に記憶された過去の交通情報(前回の交通情報)と今回生成した交通情報とを解析(比較)して交通情報の変動の有無を判定する機能(判定機能)、通信装置11を介して生成された交通情報をナビゲーション装置100に配信する機能(配信機能)などを有する。さらに、制御装置14は、ナビゲーション装置100から出発地データ、目的地データが送信されると、地図データベース13を用いて出発地から目的地までの経路を探索する機能(探索処理)などを有する。
【0051】
換言すると、制御装置14は、過去の所定期間において通信装置11にて受信した車両情報を処理し交通情報を生成して記憶部12に記憶する処理(生成処理)、記憶部12に記憶された過去の交通情報(前回の交通情報)と今回生成した交通情報とを解析(比較)して交通情報の変動の有無を判定する処理(判定処理)、通信装置11を介して生成された交通情報をナビゲーション装置100に配信する処理(配信処理)、ナビゲーション装置100から出発地データ、目的地データが送信されると、地図データベース13を用いて出発地から目的地までの経路を探索する(探索処理)などを実行する。
【0052】
なお、制御装置14は、所定時間毎(例えば1分毎)に、過去の所定期間に取得した車両情報(各車両のリンク旅行時間、リンク旅行速度、位置情報、時刻、車両通過量など)を統計処理することによって、道路毎の交通情報を生成する。換言すると、制御装置14は、各道路の車両情報を取得して、取得した車両情報に基づいて、各道路の交通情報を生成することによって交通情報を取得する(取得手段)。なお、センター10は、各道路の交通状況を示す交通情報を取得する手段を有するものであれば採用することができ、センター10の外部(例えば、センター10とは異なる外部局)から交通情報を取得してもよい。この場合、センター10は、車両情報に基づいて交通情報を生成する必要はない。
【0053】
この交通情報としては、道路毎の渋滞度、道路毎の渋滞区間距離、道路毎のリンク旅行時間などを含むものであり、これらの少なくとも一つを含んでいればよい。例えば、交通情報の渋滞度は、「渋滞」と「渋滞なし」の2つの状態に分類したり、混雑度合いが大きい順に「重渋滞」、「軽渋滞」、「重混雑」、「軽混雑」、「渋滞なし」の5つの状態に分類したりする。また、交通情報のリンク旅行時間は、例えば、複数の車両におけるリンク旅行時間の平均値などを採用することができる。
【0054】
また、制御装置14は、生成した交通情報を記憶部12に記憶する。換言すると、過去の所定期間において通信装置11にて受信した車両情報を処理し交通情報(前回の交通情報)を生成して、この生成した交通情報を記憶部12に記憶するという処理を繰り返し行う。このとき、少なくとも今回生成した交通情報と、前回生成した交通情報とを記憶部12に記憶しておく。
【0055】
また、制御装置14は、交通情報リクエストを受信した場合や変動が有ると判定した場合は、交通情報をナビゲーション装置100に配信し、変動が無いと判定した場合は交通情報の配信を中止する。例えば、渋滞度が「渋滞」から「渋滞なし」や、「渋滞なし」から「渋滞」のように交通情報の変動がある場合には、今後その道路を通過し得る車両に対して交通情報を配信する。なお、このセンター10が実行する処理動作のうち本発明の特徴部分に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0056】
ここで、図2に示すフローチャートに基づいて、ナビゲーション装置100の処理動作に関して説明する。この図2に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置100に電源が供給さるとスタートする。
【0057】
まず、ステップS10では、ナビゲーション装置100の制御装置180は、目的地を設定したか否かを判定する。上述のように、ナビゲーション装置100(制御装置180)は、ユーザによる指示に基づいて目的地を設定する(目的地設定手段)。つまり、ユーザの操作に応じて操作スイッチ160から出力された目的地情報に基づいて目的地を設定する。よって、制御装置180は、操作スイッチ160から出力された目的地情報に基づいて目的地を設定したか否かを判定する。そして、目的地が設定したと判定した場合ステップS11へ進み、目的地を設定していないと判定した場合はステップS10での判定を繰り返す。
【0058】
ステップS11では、現在位置データ、目的地データ、交通情報リクエスト、及び車載機IDを通信装置110からセンター10に対して送信する。換言すると、検出した現在位置を含む自車両の走行位置に関する走行路情報をセンター10に対して送信する(送信手段)。よって、ここでは、走行路情報は、現在位置データと目的地データとを含むものである。なお、ナビゲーション装置100は、この交通情報リクエストをセンター10に対して送信することによって、センター10に対して交通情報の送信を要求する。
【0059】
このとき、制御装置180は、自車位置検出部130を構成する各センサからの入力に基づいて自車両の現在位置を検出する(自車位置検出手段)。なお、制御装置180は、電源が供給されている間、所定時間毎に現在位置を検出するものであってもよい。そして、制御装置180は、検出した現在位置を示す現在位置データと、設定した目的地に関する目的地データ、記憶部140に記憶されている車載機IDを、交通情報の要求を示す交通情報リクエストとともに通信装置110からセンター10に対して送信する。
【0060】
ステップS12では、センター10から送信された交通情報を、通信装置110によって受信する(車載機側受信手段)。つまり、制御装置180は、センター10から送信された交通情報を、通信装置110を介して取得する。なお、交通情報リクエストを送信してから所定時間内に交通情報を受信できない場合は、タイムアウトエラーとして交通情報を受信することなくステップS13へ進むようにしてもよい。
【0061】
ステップS13では、ステップS12にて受信した交通情報を考慮して現在位置から目的地までの経路を探索する。つまり、制御装置180は、設定した目的地(目的地データ)、検出した現在位置(現在位置データ)、及び地図データベース120に記憶されたデータなどを用いて、センター10から送信された交通情報を考慮しつつ、距離優先、時間優先等の予め設定された探索条件を満たす最適な案内経路(推奨経路)を探索する。このような自動的に案内経路を探索する手法は、例えば、周知のダイクストラ法によるコスト計算、すなわち、道路種別、道路幅員、右左折、通過交差点数、渋滞の有無、交通規制の有無、リンク長、および通過時間等のコスト定数(つまり、リンクコスト)を用いた評価値計算を行って算出する。よって、交通情報を考慮しつつ案内経路を探索する際には、交通情報を考慮して評価値計算を行うことで案内経路を探索する。なお、ステップS12にて交通情報を受信しなかった場合は、交通情報を考慮することなく、距離優先、時間優先等の予め設定された探索条件を満たす、現在位置から目的地までの最適な案内経路を探索する。
【0062】
ステップS14では、ステップS13にて探索した案内経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路案内を行う。つまり、制御装置180は、表示装置150の画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべき案内経路を表示すると共に、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置170により案内音声を出力することによって行う。このように、受信した交通情報を考慮した案内経路に基づいて、現在位置から目的地までの経路を案内することによって、交通情報をユーザに提供する(提供手段)。
【0063】
ステップS15では、交通情報を受信したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定した場合(車載機側受信手段)はステップS16へ進み、交通情報を受信してないと判定した場合はステップS18へ進む。なお、ここで送信される交通情報は、後ほど説明するセンター10にて交通情報の変動が有ると判定された場合に送信されるものである。
【0064】
ステップS16では、案内経路の変更を行うか否かの判定を行う。そして、案内経路を変更する判定した場合はステップS17へ進み、案内経路を変更しないと判定した場合はステップS18へ進む。
【0065】
交通情報は、常に一定ではなく変化することもある。また、この交通情報の変化によって、現在位置から目的地までの最適な経路も変わることがある。そこで、既に経路案内を行っている際に交通情報を受信すると、再度、新たに受信した交通情報を考慮しつつ、現在位置から目的地までの案内経路を探索する。
【0066】
そして、既に案内を行っている案内経路と、新たに受信した交通情報を考慮して探索された案内経路との比較結果によって、ステップS16における案内経路の変更を行うか否かの判定を行うようにしてもよい。つまり、既に案内を行っている案内経路よりも、新たに受信した交通情報を考慮して探索された案内経路の方が優位(例えば、目的地への到着予想時間が早いなど)であると判定した場合、案内経路の変更を行うと判定する。
【0067】
また、既に案内を行っている案内経路よりも、新たに受信した交通情報を考慮して探索された案内経路の方が優位である旨をユーザに通知(表示装置150や音声出力装置170を用いて)して、操作スイッチ160からユーザが変更を望むことを示す信号が出力されたか否かによって、ステップS16における案内経路の変更を行うか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0068】
ステップS17では、案内経路を変更する。つまり、制御装置180は、既に案内を行っている案内経路から、新たに受信した交通情報を考慮して探索した案内経路に変更する。
【0069】
ステップS18では、目的地に到着したか否かを判定する。つまり、制御装置180は、検出した現在位置と目的地データとに基づいて、車両が目的地に到着したか否かを判定する。そして、目的地に到着したと判定した場合は処理を終了し、目的地に到着してないと判定した場合はステップS14へ戻る。
【0070】
次に、図3に示すフローチャートに基づいて、センター10の交通情報配信処理動作に関して説明する。この図3に示すフローチャートは、例えば、センター10の各構成要素に電源が供給さるとスタートする。なお、この交通情報配信処理動作は、交通情報リクエストを送信してきたナビゲーション装置100に対して、交通情報を配信するものである。
【0071】
まず、ステップS20では、ナビゲーション装置100の通信装置110から現在位置データ、目的地データ、車載機IDとともに送信された交通情報リクエストを受信したか否かを判定する。つまり、センター10の制御装置14は、通信装置11を介してナビゲーション装置100から現在位置データ、目的地データ、車載機ID、交通情報リクエストを取得したか否かによってリクエストを受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合はステップS21へ進み、受信してないと判定した場合はステップS20での判定を繰り返す。つまり、通信装置11は、ナビゲーション装置100の通信装置110から送信された走行路情報を受信する(センター側受信手段)。
【0072】
ステップS21では、経路を探索する。つまり、制御装置14は、受信した現在位置データ、目的地データに基づき、地図データベース13を用いて、現在位置から目的地までの案内経路を探索する(センター側経路設定手段)。この経路の探索方法に関しては、上述のナビゲーション装置100によるものと同様であるため説明は省略する。
【0073】
ステップS22では、交通情報リクエストを送信してきたナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する(配信手段)。制御装置14は、記憶部12に記憶されている交通情報のうち、ステップS21にて探索した案内経路に対応する交通情報を、交通情報リクエストを送信してきたナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する(配信手段)。つまり、記憶部12に記憶されている交通情報のうち、ステップS21にて探索した案内経路に含まれる道路の交通情報を、交通情報リクエストを送信してきたナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する(配信手段)。
【0074】
ステップS23では、制御装置14は、ステップS21で探索した案内経路と、ステップS21にて受信した車載機IDとを関連付けて記憶部12に記憶する。換言すると、制御装置14は、ステップS21で探索した案内経路と、この案内経路を探索する際に用いた現在位置データ、目的地データと一緒に受信した車載機IDとを関連付けて記憶部12に記憶する。
【0075】
次に、図4に示すフローチャートに基づいて、センター10の変動交通情報配信処理動作に関して説明する。この図4に示すフローチャートは、例えば、センター10の各構成要素に電源が供給さるとスタートする。なお、この変動交通情報配信処理動作は、センター10で取得した交通情報に変動があった場合に、ナビゲーション装置100に対して、変動した交通情報を配信するものである。
【0076】
ステップS30では、センター10の通信装置11は、車両情報取得装置1から車両情報(各車両のリンク旅行時間、リンク旅行速度、位置情報、時刻、車両通過量など)を受信する。そして、センター10の制御装置14は、この車両情報を通信装置11から取得する。
【0077】
ステップS31では、制御装置14は、ステップS30にて取得した車両情報に基づいて道路毎の交通情報を生成する。換言すると、制御装置14は、各道路の車両情報を取得して、取得した車両情報に基づいて、各道路の交通情報を生成することによって交通情報を取得する(取得手段)。なお、交通情報の生成は、所定時間毎(例えば、1分毎)に行われる。
【0078】
ステップS32では、制御装置14は、ステップS31にて生成した交通情報を記憶部12に記憶する(記憶手段)。なお、交通情報を記憶部12に記憶する際には、前回生成(取得)した交通情報と、今回生成(取得)した交通情報とを区別して記憶する。つまり、記憶部12に記憶されている前回生成した交通情報を、今回生成した交通情報に更新するわけではない。
【0079】
ステップS33では、制御装置14は、交通情報に変動があるか否かを判定するために、記憶部12に記憶されている今回生成(取得)した交通情報と前回生成(取得)した交通情報とを比較する。
【0080】
ステップS34では、制御装置14は、ステップS33での比較結果に基づいて、交通情報に変動が有るか否かを判定する(判定手段)。つまり、前回生成(取得)した交通情報と今回生成(取得)した交通情報との差が変動閾値を超えたか否かによって、前回生成(取得)した交通情報に対して今回生成(取得)した交通情報が変動しているか否かを判定する。そして、変動が有ると判定した場合はステップS35へ進み、変動が無いと判定した場合はステップS30に戻る。なお、この交通情報の変動判定、変動閾値に関しては、後ほど詳しく説明する。
【0081】
ステップS35では、制御装置14は、該当する道路を走行する車両(すなわち、この車両に搭載されたナビゲーション装置100)に対して交通情報を配信する(配信手段)。このとき、制御装置14は、変動した交通情報と通信装置11を介して取得した走行路情報とに基づいて、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるナビゲーション装置100に対して交通情報を配信する(配信手段)。本実施形態においては、制御装置14は、図3のステップS21にて設定した案内経路(好ましくは、案内経路における現在位置と目的地との間の道路)に、変動した交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなす(配信手段)。換言すると、制御装置14は、図3のステップS21にて設定した案内経路に含まれる道路において、変動した交通情報がある場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなす(配信手段)。
【0082】
そして、制御装置14は、図3のステップS21にて設定した案内経路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して変動した交通情報を配信する。つまり、図3のステップS21で案内経路を探索する際に用いた現在位置データ、目的地データなどを送信したナビゲーション装置100、及び同じ案内経路が探索されるデータを送信したナビゲーション装置100に対して変動した交通情報を配信する。このようにすることによって、簡単にユーザに必要な交通情報を配信することができる。
【0083】
このように、本実施形態における交通情報配信システムは、ステップS34での判定処理において、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくする(配信手段)。
【0084】
よって、交通情報に対応する道路と車両の走行路情報(走行位置)とが所定の対応関係にあるナビゲーション装置100に対して交通情報を配信することで、ユーザに必要な交通情報を配信することができる。さらに、センター10において、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくすることによって交通情報の通信量(すなわち情報通信量)を削減できる。つまり、所定時間毎に交通情報を配信する場合よりも、交通情報の通信量(すなわち情報通信量)を削減できる。
【0085】
特に、本実施形態においては、交通情報の変動がないと判定した場合は交通情報の配信を中止し、変動があると判定した場合のみ交通情報を配信する(配信手段)。このように、交通情報の変動があると判定した場合のみ交通情報を配信することによって、交通情報の通信量をより一層削減できる。
【0086】
なお、交通情報の変動が所定値よりも多いと判定した場合(判定手段)は、変動が所定値よりも少ないと判定した場合よりも交通情報の配信頻度を多くする(配信手段)ようにしてもよい。このようにすることによって、ユーザに適切な交通情報を配信することができる。
【0087】
ここで、交通情報の変動判定、変動閾値に関して図5を用いて説明する。なお、ここでは、交通情報の一例として、リンク旅行時間を採用する。
【0088】
図5(a)は時刻(ここでは、t1〜t5の5つのタイミング)とリンク旅行時間との関係を示すグラフであり、(b)は各時刻におけるリンク旅行時間差と変動閾値との関係を示すグラフである。図5(b)においては、t1におけるリンク旅行時間差は、t1で生成したリンク旅行時間(今回)と、前回生成したリンク旅行時間であるt0(図示所略)で生成したリンク旅行時間との差を表している。また、t2におけるリンク旅行時間差は、t2で生成したリンク旅行時間(今回)と、前回生成したリンク旅行時間であるt1で生成したリンク旅行時間との差を表している。t3〜t5に関しても同様である。
【0089】
この図5(b)に示すように、t1、t2、t3、t4におけるリンク旅行時間差は、変動閾値を超えていない。つまり、t1、t2、t3、t4で生成したリンク旅行時間と、前回(t0、t1、t2、t3で)生成したリンク旅行時間との差は、変動閾値を超えていない。しかしながら、t5に関しては、前回(t4で)生成したリンク旅行時間と今回(t5で)生成したリンク旅行時間との差が変動閾値を超えている。よって、図5に示す例においては、t1、t2、t3、t4においては変動が無いと判定し、t5においては変動が有ると判定する。
【0090】
また、この変動閾値は、センター10の制御装置14によって設定されるものである。制御装置14は、交通情報の変化量に基づいて各道路における閾値を設定するものであり、交通情報の変化量が大きい場合の閾値(変動閾値)を、交通情報の変化量が小さい場合の閾値(変動閾値)よりも大きい値に設定する(閾値設定手段)。
【0091】
このように、交通情報の変化量が大きい場合の閾値を、交通情報の変化量が小さい場合の閾値よりも大きい値に設定するとともに、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報との差が閾値を超えた場合は変動があると判定し、閾値を超えてない場合は変動がないと判定することによって、ユーザに必要な交通情報を配信しつつ、交通情報の通信量をより一層削減できる。
【0092】
なお、路側感知器2における感知頻度が少ない場合(すなわち、感知タイミングが長い場合)やプローブカー3の台数が少ない場合は、路側感知器2における感知頻度が多い場合やプローブカー3の台数が多い場合よりも、車両情報の数が少なくなる。車両情報に基づいて生成される交通情報は、車両情報の数(すなわちサンプル数)が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、各ドライバの特性や行動が反映されやすい。よって、交通情報は、車両情報の数が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、各ドライバの特性や行動に依存して大きく変動しやすい。つまり、交通情報は、車両情報の数が多い場合よりも車両情報の数が少ない場合の方が、変動量のバラつきがある。
【0093】
そこで、例えば、制御装置14は、各交通情報を生成するための車両情報の数が少ないほど交通情報の変動量が大きいとみなして、車両情報の数が少ない場合の閾値を、車両情報の数が多い場合の閾値よりも大きい値に設定する(閾値設定手段)ようにしてもよい。これによって、車両情報の数が少ない(変動量のバラつきがある)場合における交通情報の変動判定のバラつきを抑制して、精度良く交通情報の変動判定を行うことができる。
【0094】
また、交通情報は、時間帯により変動量のふれ幅が異なることがある。つまり、交通情報は、時間帯により変動量のバラつきがある。例えば、渋滞の発生開始が予想される時間帯では交通量が徐々に増えだし、渋滞の解消開始が予想される時間帯では交通量が徐々に減りだすため、交通情報の変動量が大きくなる。しかしながら、交通量が増えだす時間や交通量が減りだす時間は日によって異なる。例えば、ある日は午前6時に交通量が増えだし午前8時半に交通量が減りだし、別の日は午前6時半に交通量が増えだし午前8時に交通量が減りだす。よって、渋滞の発生開始が予想される時間帯における、ある期間の交通情報の変動量は、交通量が増えだす時間によって異なる。同様に、渋滞の解消開始が予想される時間帯における、ある期間の交通情報の変動量は、交通量が減りだす消時間によって異なる。
【0095】
なお、渋滞の発生開始が予想される時間帯とは、渋滞していな状態から交通量が増えだし、渋滞するまでの時間帯である。渋滞の解消開始が予想される時間帯とは、渋滞から交通量が減りだし、渋滞が解消するまでの時間帯である。また、渋滞とは、交通の流れが悪くなり走行速度が遅くなった状態、例えば、走行速度が20km/h以下になった状態を示す。
【0096】
そこで、制御装置14は、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯は交通情報の変動量が大きいとみなして、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯の閾値を、この時間帯以外の時間帯の閾値よりも大きい値に設定する(閾値設定手段)ようにしてもよい。これによって、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯(変動量のバラつきがある場合)における交通情報の変動判定のバラつきを抑制して、精度良く交通情報の変動判定を行うことができる。なお、この場合、センター10は、センター10の外部(例えば、センター10とは異なる外部局)から交通情報を取得してもよい。つまり、センター10は、車両情報に基づいて交通情報を生成する必要はない。
【0097】
ここでは、変動閾値を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一定の値を示す閾値を採用して、今回生成(取得)した交通情報と前回生成(取得)した交通情報との差が閾値を超えた場合は変動があると判定し、閾値を超えてない場合は変動がないと判定するようにしてもよい。さらに、前回生成(取得)した交通情報と今回生成(取得)した交通情報とが異なる場合は、前回生成(取得)した交通情報に対して今回生成(取得)した交通情報が変動していると判定するようにしてもよい。
【0098】
(変形例1)
上述の実施形態においては、センター10の制御装置14が探索(設定)した案内経路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して、変動した交通情報を配信する例を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。本発明の交通情報配信システムは、センター10の制御装置14が生成(取得)した交通情報と、センター10の通信装置11が受信(すなわち、制御装置14が取得)した走行路情報とに基づいて、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるナビゲーション装置100に対して交通情報を配信するものであれば目的は達成することができる。
【0099】
例えば、この変形例1に示すように、センター10の制御装置14は、通信装置11が受信した車両の現在位置(現在位置データ)が交通情報に対応する道路から所定範囲に含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなす(配信手段)。そして、制御装置14は、交通情報に対応する道路から所定範囲にある車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して変動した交通情報を配信するようにしてもよい。なお、変形例1における交通情報配信システムの構成は、上述の交通情報配信システムの構成と同様であるため説明は省略する。
【0100】
ここで、図6に示すフローチャートに基づいて、変形例1における交通情報配信システムの処理動作に関して説明する。
【0101】
まず、図6(a)に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるナビゲーション装置100の処理動作に関して説明する。この図6(a)に示すフローチャートは、ナビゲーション装置100に電源が供給されるとスタートする。なお、変形例1におけるナビゲーション装置100の制御装置180は、所定時間ごとに自車両の現在位置(現在位置データ)と車載機IDとを通信装置110を介してセンター10に送信する。つまり、変形例1におけるナビゲーション装置100の制御装置180は、走行路情報として自車両の現在位置(現在位置データ)を通信装置110を介してセンター10に送信する。なお、変形例1におけるナビゲーション装置100は、案内経路を探索していなくもよい。つまり、目的地が設定されていなくてもよい。
【0102】
図6(a)のステップS40では、ナビゲーション装置100の制御装置180は、通信装置110にて交通情報を受信したか否かを判定する。すなわち、制御装置180は、通信装置110から交通情報を取得したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定した場合はステップS41へ進み、交通情報を受信してないと判定した場合はステップS40での判定を繰り返す。
【0103】
そして、図6(a)のステップS41では、交通情報を地図上に表示する。このとき制御装置180は、表示装置150の画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)、及び取得した交通情報を重ね合わせて表示する。このようにして、交通情報をユーザに提供するようにしてもよい(提供手段)。
【0104】
次に、図6(b)に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるセンター10の記憶処理動作に関して説明する。
【0105】
図6(b)のステップS50では、センター10の制御装置14は、通信装置11にてナビゲーション装置100の現在位置データを受信したか否かを判定する。すなわち、制御装置11は、通信装置11からナビゲーション装置100の現在位置データを取得したか否かを判定する。そして、現在位置データを受信したと判定した場合はステップS51へ進み、現在位置データを受信してないと判定した場合はステップS50での判定を繰り返す。
【0106】
図6(b)のステップS51では、センター10の制御装置14は、取得した現在位置データを記憶部12に記憶する。上述のように、現在位置データは、ナビゲーション装置100の車載機IDとともに送信されるものである。よって、センター10の制御装置14は、取得した現在位置データと、この現在位置データと一緒に受信した車載機IDとを関連付けて記憶部12に記憶する。
【0107】
なお、変形例1におけるセンター10の変動交通情報配信処理動作は、上述の実施形態における変動交通情報配信処理動作と略同じであるため、ここでは、異なる点だけ説明する。変形例1におけるセンター10(制御装置14)は、図4のステップS30〜ステップS34と同じ処理を行った後、図6(c)のステップS35aに示すように、該当する道路付近を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して変動した交通情報を配信する。つまり、制御装置14は、通信装置11が受信して記憶部12に記憶した車両の現在位置データが、変動した交通情報に対応する道路から所定範囲に含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなす(配信手段)。そして、制御装置14は、交通情報に対応する道路から所定範囲にある車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して変動した交通情報を配信する。
【0108】
このようにすることによって、目的地が設定されてない場合であっても、ユーザに必要な交通情報を配信することができる。また、ナビゲーション装置100は、案内経路を探索していなくもよい。よって、ナビゲーション装置100の負荷を軽減することができる。
【0109】
(変形例2)
上述の実施形態、変形例1においては、交通情報の変動がないと判定した場合は交通情報の配信を中止し、変動があると判定した場合のみ交通情報を配信する例を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。本発明の交通情報配信システムは、センター10の制御装置14が交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくするものであれば目的は達成することができる。
【0110】
例えば、変形例2に示すように、交通情報の変動が無いときの交通情報の配信間隔(通常の配信間隔)をtx1とした場合、交通情報の変動が有ったときは交通情報の配信間隔をtx2(tx1>tx2)とする。つまり、変動が有ると判定した場合は、変動が無いと判定した場合よりも交通情報の配信間隔を短くすることによって、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくする。
【0111】
ここで、変形例2における交通情報配信システムに関して説明する。なお、変形例2における交通情報配信システムの構成は、上述の交通情報配信システムの構成と同様であるため説明は省略する。また、変形例2におけるナビゲーション装置100の処理動作、センター10の交通情報配信処理動作は、上述の実施形態と同様であるため説明は省略する。また、変形例2におけるセンター10の変動交通情報配信処理動作は、上述の実施形態における変動交通情報配信処理動作と略同じであるため、ここでは、異なる点だけ説明する。なお、変形例2におけるセンター10の制御装置14は、各交通情報における現在の配信間隔を記憶しておく。
【0112】
変形例2におけるセンター10(制御装置14)は、図4のステップS30〜ステップS35と同じ処理を行う。ただし、図7に示すように、ステップS34の判定において、センター10の制御装置14は、変動が有ると判定した場合はステップS38に進み、変動が無いと判定した場合はステップS36に進む。
【0113】
ステップS36では、制御装置14は、現在の交通情報の配信間隔が短くなっているか否かを判定する(つまり、tx1ではなくtx2になっているか否かを判定する)。そして、配信間隔が短くなっていると判定した場合はステップS37に進み、短くなってないと判定した場合はステップS35に進む。
【0114】
ステップS37では、制御装置14は、該当する道路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対する交通情報の配信間隔を通常に戻す(配信手段)。すなわち、交通情報の配信間隔をtx2からtx1に戻す。そして、ステップS35では、制御装置14は、該当する道路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して、配信間隔tx1で交通情報を配信する(配信手段)。このようにして、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくする。
【0115】
一方、ステップS38では、制御装置14は、該当する道路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対する交通情報の配信間隔を短くする(配信手段)。すなわち、交通情報の配信間隔をtx1からtx2にする。そして、ステップS35では、制御装置14は、該当する道路を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して、配信間隔tx2で交通情報を配信する(配信手段)。このようにして、交通情報の変動が有ると判定した場合は、変動が無いと判定した場合よりも交通情報の配信頻度を多くする。
【0116】
よって、交通情報に対応する道路と車両の走行路情報(走行位置)とが所定の対応関係にあるナビゲーション装置100に対して交通情報を配信することで、ユーザに必要な交通情報を配信することができる。さらに、センター10において、交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくすることによって交通情報の通信量(すなわち情報通信量)を削減できる。
【0117】
なお、この変形例2は、単独で実施することも可能であるが、変形例1と組み合わせて実施することも可能である。この場合、ナビゲーション装置100は、図6(a)に示すフローチャートを実行する。センター10は、図6(b)に示すフローチャートを実行する。そして、センター10の制御装置14は、図6(c)のステップS35aにおいて、交通情報の変動が有る場合は、該当する道路付近を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して、配信間隔tx2で交通情報を配信する(配信手段)。また、センター10の制御装置14は、図6(c)のステップS35aにおいて、交通情報の変動が無い場合は、該当する道路付近を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置100に対して、配信間隔tx1で交通情報を配信する(配信手段)。
【0118】
(変形例3)
なお、センター10の制御装置14は、過去の所定期間に取得した車両情報を統計処理することによって、道路毎の交通情報を生成する場合、渋滞が予想される時間帯は、この時間帯以外の時間帯よりも短い期間(短い過去の所定期間)における車両情報に基づいて交通情報を生成するようにしてもよい(取得手段)。
【0119】
このようにすることによって、制御装置14は、渋滞が予想される時間帯は、渋滞が予想されにくい時間帯よりも短い期間における交通情報に基づいて交通情報が変動しているか否かを判定できる(判定手段)。逆に、渋滞が予想されにくい時間帯は、渋滞が予想される時間帯よりも長い期間における交通情報に基づいて交通情報が変動しているか否かを判定できる(判定手段)。よって、渋滞が予想される時間帯は、きめ細やかな判定を行うことができ、リアルタイムな交通情報の変動に対応できる。一方、渋滞が予想されにくい時間帯は、車両情報の数(サンプル数)の確保が可能となり、交通情報の変動を精度良く算出できる。
【0120】
(変形例4)
上述の実施の形態においては、ナビゲーション装置100の制御装置180は、目的地データと現在位置データとを通信装置110を介してセンター10に送信し、センター10の制御装置14は、この目的地データと現在位置データとから案内経路を探索する例を採用したが本発明はこれに限定されるものではない。
【0121】
例えば、変形例4に示すように、ナビゲーション装置100の制御装置180は、走行路情報として自車両の現在位置(現在位置データ)と、設定(探索)した案内経路(案内経路を示す案内経路データ)とを通信装置110を介してセンター10に送信する。
【0122】
一方、センター10の制御装置11は、受信した案内経路における現在位置と目的地との間に交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなす(配信手段)。そして、制御装置14は、該当する道路を走行する車両(すなわち、この車両に搭載されたナビゲーション装置100)に対して交通情報を配信する(配信手段)。
【0123】
このようにすることによっても、簡単にユーザに必要な交通情報を配信することができる。また、この場合、センター10は、案内経路を探索する必要がない。よってセンター10の負荷を軽減することができる。
【0124】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 車両情報取得装置、2 路側感知器(路側機)、3 プローブカー、10 センター、11 通信装置、12 記憶部、13 地図データベース、14 制御装置、100 ナビゲーション装置、110 通信装置、120 地図データベース、130 自車位置検出部、131 GPS受信機、132 ジャイロセンサ、133 車速度センサ、140 記憶部、150 表示装置、160 操作スイッチ、170 音声出力装置、180 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センターから車両に搭載された車載機に対して交通情報を配信する交通情報配信システムであって、
前記車載機は、
前記交通情報を受信する車載機側受信手段と、
自車両の現在位置を検出する自車位置検出手段と、
前記自車位置検出手段が検出した現在位置を含む自車両の走行位置に関する走行路情報を前記センターに対して送信する送信手段と、
前記車載機側受信手段にて受信した交通情報をユーザに提供する提供手段と、を備え、
前記センターは、
各道路の交通状況を示す交通情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した交通情報を記憶する記憶手段と、
前記車載機の前記送信手段から送信された走行路情報を受信するセンター側受信手段と、
前記取得手段が取得した交通情報と前記センター側受信手段が受信した走行路情報とに基づいて、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にある前記車載機に対して交通情報を配信する配信手段と、
前記取得手段が今回取得した交通情報と前回取得した交通情報とを比較することで、前回取得した交通情報に対して今回取得した交通情報が変動しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記配信手段は、前記判定手段が交通情報の変動がないと判定した場合は、変動があると判定した場合よりも交通情報の配信頻度を少なくすることを特徴とする交通情報配信システム。
【請求項2】
前記配信手段は、前記判定手段が交通情報の変動がないと判定した場合は交通情報の配信を中止し、変動があると判定した場合のみ交通情報を配信することを特徴とする請求項1に記載の交通情報配信システム。
【請求項3】
前記判定手段は、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報とを比較し、今回取得した交通情報と前回取得した交通情報との差が閾値を超えた場合は変動があると判定し、閾値を超えてない場合は変動がないと判定するものであり、
前記センターは、交通情報の変化量に基づいて各道路における前記閾値を設定するものであり、交通情報の変化量が大きい場合の前記閾値を、交通情報の変化量が小さい場合の前記閾値よりも大きい値に設定する閾値設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の交通情報配信システム。
【請求項4】
前記取得手段は、各道路を走行している車両及び各道路の側らに設けられた路側機の少なくとも一方から各道路における車両情報を取得し、取得した車両情報に基づき道路毎の交通情報を生成することで交通情報を取得するものであり、
前記閾値設定手段は、各交通情報を生成するための車両情報の数が少ないほど交通情報の変動量が大きいとみなして、車両情報の数が少ない場合の前記閾値を、車両情報の数が多い場合の前記閾値よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項3に記載の交通情報配信システム。
【請求項5】
前記閾値設定手段は、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯は交通情報の変動量が大きいとみなして、渋滞の発生開始が予想される時間帯及び渋滞の解消開始が予想される時間帯の前記閾値を、該時間帯以外の時間帯の前記閾値よりも大きい値に設定することを特徴とする請求項3に記載の交通情報配信システム。
【請求項6】
前記取得手段は、各道路を走行している車両及び各道路の側らに設けられた路側機の少なくとも一方から各道路における車両情報を取得して、取得した車両情報に基づいて、道路毎の交通情報を生成することによって交通情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3、又は5のいずれか一項に記載の交通情報配信システム。
【請求項7】
前記取得手段は、過去の所定期間において取得した車両情報に基づいて交通情報を生成するものであり、渋滞が予想される時間帯は、該時間帯以外の時間帯よりも短い期間における車両情報に基づいて交通情報を生成すること特徴とする請求項4又は6に記載の交通情報配信システム。
【請求項8】
前記車載機は、ユーザによる指示に基づいて目的地を設定する目的地設定手段を備え、
前記送信手段は、走行路情報として自車両の現在位置と、前記目的地設定手段が設定した目的地を送信するものであり、
前記センターは、前記センター側受信手段が受信した現在位置から目的地までの案内経路を設定するセンター側経路設定手段を備え、
前記配信手段は、前記センター側経路設定手段が設定した案内経路に前記取得手段が取得した交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の交通情報配信システム。
【請求項9】
前記配信手段は、前記センター側受信手段が受信した車両の現在位置が交通情報に対応する道路から所定範囲に含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の交通情報配信システム。
【請求項10】
前記車載機は、ユーザによる指示に基づいて出発地から目的地までの案内経路を設定する車載機側経路設定手段を備え、
前記送信手段は、走行路情報として自車両の現在位置と、前記案内経路設定手段が設定した案内経路を送信するものであり、
前記配信手段は、前記センター側受信手段が受信した案内経路における現在位置と目的地との間に前記取得手段が取得した交通情報に対応する道路が含まれる場合は、交通情報に対応する道路と走行路情報とが所定の対応関係にあるとみなすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の交通情報配信システム。
【請求項11】
前記配信手段は、前記判定手段が交通情報の変動が所定値よりも多いと判定した場合は、変動が所定値よりも少ないと判定した場合よりも交通情報の配信頻度を多くすることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の交通情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−160077(P2012−160077A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20005(P2011−20005)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】