説明

交通状況予測装置

【課題】交通状況の予測精度を向上する。
【解決手段】地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定し(S300)、交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測し、統計データに基づいて予測される交通状況に、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させ(S308)、交通状況を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測する交通状況予測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、道幅の狭い道路など、渋滞を発生させ得る要因に関する要因情報の入力を受け付け、要因情報で示される要因に起因して発生する渋滞を予測するとともに、この予測結果と過去の渋滞に関する過去渋滞情報を蓄積した渋滞データベースを用いて渋滞を予測する渋滞予測装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−14556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載された装置は、ユーザが要因情報の入力を行うようになっている。したがって、大型施設の新設や取り壊し、バイパス道路の新設、道路の車線拡張等の渋滞を発生させ得る要因に関する情報をユーザが常に収集して要因情報の入力を行う必要があり、このような渋滞を発生させ得る要因に関する情報に基づく要因情報の入力が適切に行われないと、渋滞予測の精度が低下してしまうといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みたもので、交通状況の予測精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測する交通状況予測装置であって、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する判定手段と、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定する影響特定手段と、統計データに基づいて予測される交通状況に、影響特定手段により特定された影響を反映させて交通状況を予測する交通情報予測手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定し、交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測し、統計データに基づいて予測される交通状況に、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させて交通状況を予測するので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを記憶する要因別交通流影響予測データベース記憶手段を備え、影響特定手段は、要因別交通流影響データベースを参照して交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定することを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを参照して交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響が予測されるので、交通流影響要因が発生した直後から要因別交通流影響データベースを用いた交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測することが可能である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを要因別交通流影響予測データベース記憶手段に記憶させる処理を実施する要因別交通流影響予測データベース記憶処理手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成では、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを要因別交通流影響予測データベース記憶手段に記憶させる処理が実施されるので、実際の交通流影響要因による交通流への影響を反映した要因別交通流影響データベースを構築することが可能である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定された場合、交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データを消去する統計データ消去手段を備えたことを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、交通流影響要因が発生したと判定された場合、交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データが消去される。すなわち、交通状況の予測に際して不要である交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データが消去されるので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明は、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測する交通状況予測装置であって、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する判定手段と、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを記憶する要因別交通流影響予測データベース記憶手段と、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定された場合、要因別交通流影響データベースを参照して交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定する影響特定手段と、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定された場合、統計データに基づいて予測される交通状況に、影響特定手段により特定された影響を反映させて交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測する交通情報予測手段と、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定された場合、交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データを消去する統計データ消去手段と、を備え、交通情報予測手段は、判定手段により交通流影響要因が発生したと判定され、統計データに基づいて予測される交通状況に、影響特定手段により特定された影響を反映させて交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測した後、逐次更新される交通流影響要因の発生後の交通状況の統計データに基づいて当該交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測することを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定し、交通流影響要因が発生したと判定された場合、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを参照して交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定し、統計データに基づいて予測される交通状況に、影響特定手段により特定された影響を反映させて交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測するとともに、交通流影響要因が発生したと判定され、交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データを消去した後、逐次更新される交通流影響要因の発生後の交通状況の統計データに基づいて当該交通流影響要因が発生した箇所における交通状況が予測されるので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、要因別交通流影響データベースは、交通流影響要因の種別、交通流影響要因の規模、交通流影響要因の発生に起因する時間帯別の交通状況の変化、および交通流影響要因に起因して交通流に影響を及ぼす影響エリアを含むことを特徴としている。
【0017】
このように、要因別交通流影響データベースは、交通流影響要因の種別、交通流影響要因の規模、交通流影響要因の発生に起因する時間帯別の交通状況の変化、および交通流影響要因に起因して交通流に影響を及ぼす影響エリアを含むように構成することができる。なお、交通流影響要因の種別は、例えば、大型商業施設や工場等の施設の新設、施設の閉鎖、施設の増設、施設の縮小、道路の新設、道路の閉鎖、道路の車線数の変更として示される。また、交通流影響要因の規模は、例えば、駐車台数、収容人数、従業員数、敷地面積として示される。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、影響特定手段は、交通流影響データベースに含まれる交通流影響要因に起因して影響を及ぼす影響エリアに基づいて、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを特定し、影響特定手段により特定された影響エリアを地図上に表示した案内画面を生成する案内画面生成手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、交通流影響データベースに含まれる交通流影響要因に起因して影響を及ぼす影響エリアに基づいて、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを予測し、この予測された影響エリアを地図上に表示した案内画面が生成されるので、ユーザは交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを容易に視認することが可能である。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、案内画面生成手段は、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響について注意喚起するメッセージを案内画面上に重畳させることを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響について注意喚起するメッセージが案内画面上に重畳されるので、ユーザは交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響についての注意喚起を容易に視認することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る交通状況予測装置の構成を示す図である。
【図2】統計データ作成処理のフローチャートである。
【図3】統計データの作成について説明するための図である。
【図4】統計データの作成について説明するための図である。
【図5】交通流影響予測データベース記憶処理のフローチャートである。
【図6】交通状況傾向データベースについて説明するための図である。
【図7】要因別交通流影響データベースについて説明するための図である。
【図8】交通流影響予測処理のフローチャートである。
【図9】統計データに基づいて予測される交通状況に、地図更新による交通流影響要因の発生による影響を反映させる処理について説明するための図である。
【図10】交通状況予測処理のフローチャートである。
【図11】車載器の表示部に表示された交通状況を表す画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係る交通状況予測装置の構成を図1に示す。本交通状況予測装置1は、交通情報を提供する情報センタに設置されたサーバとして構成されており、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測し、予測した交通状況を無線送信する。一方、車載器2は、車両に搭載され、交通状況予測装置1より無線送信された交通情報を受信して、当該受信した交通情報に基づく各地の交通状況を表示するようになっている。
【0024】
交通状況予測装置1は、通信部10、統計データ記憶部11、地図情報記憶部12、交通状況傾向データベース記憶部13、要因別交通流影響データベース記憶部14、表示部15、無線送信部16および制御部17を備えている。
【0025】
通信部10は、路側等に設置されたVICSアンテナ等を用いて交通情報の配信とともに走行車両の走行情報を収集する情報通信システム3、タクシー等のプローブ車両により収集された走行情報を収集する走行情報収集装置4など、道路上を走行する車両の走行情報を収集する装置と通信を行うためのものである。
【0026】
統計データ記憶部11は、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データを記憶するものである。
【0027】
地図情報記憶部12は、最新の地図情報、旧版の地図情報、各版の差分を抽出した差分地図情報等を記憶するものである。
【0028】
地図情報には、各リンクの識別情報(リンクID)、始点座標、終点座標、距離、道路種別、道路幅員、道路形状、道路名、車線数等を表す道路情報、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景情報、各地の施設の名称、所在位置、施設種類、電話番号等を示す施設情報が含まれる。
【0029】
なお、本実施形態において、施設情報には、その施設の営業開始年月日と、駐車台数、収容人数、従業員数、敷地面積といった施設の規模を特定するための情報とが含まれるようになっており、新設道路の道路情報には、開通年月日が含まれるようになっている。
【0030】
交通状況傾向データベース記憶部13は、大型施設の新設、バイパス道路の開通等、交通流に影響を与える交通流影響要因の発生前後の交通状況の傾向を分析した交通状況傾向データベースを記憶するものである。
【0031】
要因別交通流影響データベース記憶部14は、過去の各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響に基づいて、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した交通流影響データベースを記憶するものである。
【0032】
本実施形態における統計データ記憶部11、地図情報記憶部12、交通状況傾向データベース記憶部13および要因別交通流影響データベース14は、ハードディスクドライブにより構成されている。
【0033】
表示部15は、液晶等のディスプレイを有し、制御部17より入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0034】
無線送信部16は、交通状況を示す交通情報を、車載器2を搭載した車両へ無線送信するためのものである。
【0035】
制御部17は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0036】
一方、車載器2は、交通状況予測装置1より無線送信された交通情報を受信するための受信部21、各種データを記憶する記憶部22、各種映像を表示するための表示部23および制御部24を備えている。制御部24は、CPU、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUは記憶部22に記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0037】
次に、交通状況予測装置1の制御部17の処理について説明する。制御部17の処理には、作業者の操作に応じて地図情報記憶部12に記憶された地図情報を更新する地図情報更新処理、通信部10を介して接続された装置から道路上を走行する車両の走行情報を収集して交通状況の統計データを作成する統計データ作成処理、地図情報の更新が実施された場合に、交通流に影響を与える各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した交通流影響データベースを記憶する交通流影響予測データベース記憶処理、地図情報記憶部12に記憶された地図情報が更新されたことを判定した場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定し、交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測する交通流影響予測処理、交通流影響予測処理により予測された影響を統計データに基づいて予測される交通流に反映させて交通状況を予測する交通状況予測処理がある。
【0038】
まず、統計データ作成処理について説明する。図2に、この統計データ作成処理のフローチャートを示す。交通状況予測装置1の制御部17は、周期的に図2に示す処理を実施する。
【0039】
まず、通信部10を介して情報通信システム3または走行情報収集装置4に接続し、道路上を走行する車両の走行情報を取得する(S100)。
【0040】
次に、S100にて取得した車両の走行情報を、図3の大分類、中分類、小分類に示される各項目に分類し、更に、図4に示すような、時間帯毎に分類した交通状況の統計データを作成する(S102)。
【0041】
次に、S102にて作成された交通状況の統計データを統計データ記憶部11に記憶させ(S104)、本処理を終了する。
【0042】
上記した処理を周期的に実施して、交通状況の統計データが統計データ記憶部11に蓄積記憶され、逐次更新される。
【0043】
次に、交通流影響予測データベース記憶処理について説明する。図5に、この交通流影響予測データベース記憶処理のフローチャートを示す。交通状況予測装置1の制御部17は、地図情報更新処理により地図情報記憶部12に記憶された地図情報の更新が実施された場合、図5に示す処理を実施する。
【0044】
まず、地図情報の更新により交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する(S200)。交通流に影響を与える交通流影響要因としては、例えば、大型商業施設や工場等の施設の新設、施設の閉鎖、施設の解体、施設の増設、施設の縮小、道路の新設、道路の閉鎖、道路の車線数の変更等がある。具体的には、地図情報記憶部12に記憶された地図情報の差分情報を参照して地図情報の更新により、施設情報、道路情報、背景情報等に交通流に影響を与えるような変化があるか否かを判定する。交通流に影響を与えるような変化か否かについては、例えば、施設情報に含まれる施設の規模を表す情報に基づいて判断することができる。
【0045】
ここで、例えば、交通流に影響を与えるような大型商業施設が新設された場合、S200の判定はYESとなり、次に、統計データ記憶部11に記憶された交通状況の統計データを、交通流に影響を与える交通流影響要因が発生する前と、後に分割する(S202)。例えば、大型商業施設が新設された場合には、その大型商業施設が新設される前と、大型商業施設が新設された後に分割する(S202)。具体的には、施設情報に含まれるその施設の営業開始年月日を読み出して、その営業開始年月日より前の交通状況の統計データと、営業開始年月日以降の交通状況の統計データに分割する。
【0046】
次に、交通流影響要因が発生する前の統計データの傾向を分析する(S204)。具体的には、交通流影響要因が発生する前の統計データを統計データ記憶部11より取得して、図6に示すように、交通流影響要因が発生した箇所の各道路について、渋滞度、通過時間等の交通状況を特定するための情報を時間帯毎に集計した交通状況傾向データベースを作成する。例えば、大型商業施設が新設された場合には、大型商業施設が新設される前の統計データについて、大型商業施設が新設された箇所の各道路の時間帯毎の交通状況の集計を行う。
【0047】
次に、S204にて分析した交通流影響要因が発生する前の統計データの結果を交通状況傾向データベース11に記憶させる(S206)。
【0048】
次に、交通流影響要因が発生した後の統計データの傾向を分析する(S208)。具体的には、交通流影響要因が発生した後の統計データを統計データ記憶部11より取得して、図6に示すように、交通流影響要因が発生した箇所の各道路について、渋滞度、通過時間等の交通状況を特定するための情報を時間帯毎に集計する。例えば、大型商業施設が新設された場合には、大型商業施設が新設された後の統計データについて、大型商業施設が新設された箇所の各道路の時間帯毎の交通状況の集計を行う。
【0049】
次に、S208にて分析した交通流影響要因が発生した後の統計データの結果を交通状況傾向データベース11に記憶させる(S210)。
【0050】
次に、交通流影響要因が発生した後の統計データの解析結果と、交通流影響要因が発生する前の統計データの解析結果との差分から、交通流影響要因の発生を起因とする交通流への影響を特定し、特定した交通流影響要因の発生を起因とする交通流への影響を要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶させる(S212)。図7に、要因別交通流影響データベースの構成を示す。図に示すように、要因別交通流影響データベースには、時間帯別の交通状況変化量が、地図変化要因、対象道路の各項目に分類されて格納されている。なお、本実施形態では、地図変化要因の項目に、交通流影響要因の規模と交通流影響要因の種別が含まれている。また、対象道路の項目に、交通流影響要因の影響エリアが含まれている。
【0051】
また、地図情報の更新により交通流に影響を与える交通流影響要因が発生していない場合には、S200の判定はNOとなり、上記した交通流影響要因の分析等を実施することなく、本処理を終了する。
【0052】
上記した処理を繰り返し実施することにより、過去に地図情報が更新された際の、各種要因別の交通流影響要因の発生を起因とする交通流への影響がデータベース化され、要因別交通流影響データベース記憶部14に蓄積記憶される。
【0053】
次に、交通流影響予測処理について説明する。図8に、この交通流影響予測処理のフローチャートを示す。なお、この交通流影響予測処理は、これから実施される地図情報の更新に対応して交通状況を予測するものである。交通状況予測装置1の制御部17は、地図情報更新処理により地図情報記憶部12に記憶された地図情報の更新が実施された場合、あるいは、ユーザの指示に応じて、図8に示す処理を実施する。
【0054】
まず、図5のS200と同様に、地図情報の更新により交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する(S300)。
【0055】
ここで、例えば、交通流に影響を与えるような大型商業施設が新設された場合、S300の判定はYESとなり、次に、発生した交通流影響要因と一致するデータが要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されているか否かを判定する(S302)。
【0056】
ここで、例えば、発生した交通流影響要因が、「駐車場の駐車台数が500台規模の大型商業施設の新設」であり、同条件の「駐車場の駐車台数が500台規模の大型商業施設の新設」が要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されているような場合、S302の判定はYESとなり、次に、変化加味係数を1.0として特定する(S304)。この変化加味係数は、要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されている交通流影響要因に、地図更新により発生した交通流影響要因と類似しているものしか記憶されていない場合に、類似している交通流影響要因による交通流への影響を、地図更新により発生した交通流影響要因による交通流への影響に近づけるように補正するための係数である。
【0057】
次に、統計データに基づいて予測される交通状況に、地図更新による交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させて交通状況の傾向を特定し、特定した交通状況の傾向を表す情報を交通状況傾向データベース記憶部13に記憶させる(S306)。例えば、工場が新設された場合、まず、図9(a)に示すように、統計データ記憶部11に記憶された統計データから工場が新設される前の傾向を分析し、更に、図9(b)に示すように、要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されている要因別交通流影響データベースを用いて工場の新設に起因する交通流への影響を特定する。そして、図9(c)に示すように、この特定した交通流への影響を、統計データの分析結果に基づく交通状況に反映させ、交通状況を表す情報を交通状況傾向データベース記憶部13に記憶させる。
【0058】
なお、本実施形態では、地図更新により発生した交通流影響要因と同条件の交通流影響要因を要因別交通流影響データベース記憶部14より取得し、この交通流影響要因に変化加味係数を加味して、地図更新による交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測し、この予測した交通流への影響を、統計データに基づいて予測される交通流に反映させて交通状況を予測する。
【0059】
変化加味係数が1.0となっている場合には、要因別交通流影響データベース記憶部14より取得した交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響(渋滞度、通過時間、交通量)をそのまま用いて、地図更新による交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測する。
【0060】
次に、交通流影響要因発生前の統計データを消去する(S308)。例えば、大型商業施設が新設され、この大型商業施設の施設情報からこの施設の営業開始日が6月1日となっている場合、この営業開始日より前の統計データが統計データ記憶部11に残っていると、交通状況の予測精度が低下してしまう。このため、6月1日以前の統計データを統計データ記憶部11から消去する。
【0061】
また、地図更新により発生した交通流影響要因と同一条件の交通流影響要因が要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されていない場合、S304の判定はNOとなり、次に、地図更新により発生した交通流影響要因に最も近い交通流影響要因を通流影響データベース記憶部14から検索する(S310)。
【0062】
ここで、例えば、地図更新により発生した交通流影響要因が、「駐車場の駐車台数が250台規模の大型商業施設の新設」であり、この交通流影響要因に最も近い交通流影響要因として「駐車場の駐車台数が500台規模の大型商業施設の新設」が要因別交通流影響データベース記憶部14に記憶されている場合、次に、要因の類似度合いから変化加味係数を算出する(S312)。例えば、駐車場の駐車台数に比例するように変化加味係数を算出することができる。この場合、地図更新により発生した交通流影響要因の駐車場の駐車台数が、地図更新により発生した交通流影響要因に最も類似している交通流影響要因の駐車場の駐車台数の半分の250台であるため、変化加味係数を=0.5として算出し、S308へ進む。
【0063】
この場合、S308では、地図更新により発生した交通流影響要因に最も類似している交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響に、変化加味係数が0.5であることを加味して地図更新による交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を算出する。例えば、渋滞度については、変化加味係数に応じて予め定められたレベル分(例えば、1レベル分)だけレベルを下げ、通過時間については、変化加味係数に応じて予め定められた時間分を減少させ、交通量については、変化加味係数に応じて予め定められた台数分を減少させる。このようにして、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を算出する。
【0064】
また、地図情報の更新により交通流に影響を与える交通流影響要因が発生していない場合、S300の判定はNOとなり、次に、統計データ記憶部11に記憶された統計データに基づいて各地の交通状況の傾向を分析する(S314)。
【0065】
次に、分析した結果を交通状況傾向データベース記憶部13に記憶させる(S316)。ここで、例えば、S308にて、既に、統計データに基づいて予測される交通状況に、地図更新による交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させて交通状況が予測され、この予測された交通状況を表す情報が交通状況傾向データベース記憶部13に記憶されているような場合には、交通状況傾向データベース記憶部13に記憶されている交通状況に、S314にて分析された交通状況の傾向を反映させるようにして交通状況データベースを更新する。例えば、交通状況傾向データベース記憶部13に記憶されている交通状況に含まれる交通量に、S314にて分析された交通状況に含まれる交通量を加重平均して、交通状況データベースを更新する。
【0066】
次に、交通状況予測処理について説明する。図10に、この交通状況予測処理のフローチャートを示す。交通状況予測装置1の制御部17は、ユーザの指示に応じて、図10に示す処理を実施する。
【0067】
まず、交通状況傾向データベース記憶部13から交通状況傾向データベースを取得する(S400)。
【0068】
次に、予測日時を特定する(S402)。具体的には、予測日時を入力する予測日時入力画面を表示部15に表示させ、この予測日時入力画面に従ってユーザにより入力される情報に従って予測日時を特定する。
【0069】
次に、交通状況傾向データベースを参照して、S402にて特定した予測日時の各地の交通状況を予測し、予測した交通状況を表す交通情報を無線送信部16より無線送信させる(S404)。具体的には、交通状況傾向データベースを参照して、S402にて特定した予測日時の各地の交通状況を予測するとともに、交通流影響データベースに含まれる交通流影響要因に起因して影響を及ぼす影響エリアに基づいて、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを予測し、影響特定手段により特定された影響エリアを地図上に表示した案内画面を生成する。更に、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響について注意喚起するメッセージが案内画面上に重畳させる。そして、予測した交通状況を表す情報と、生成した案内画面を含む交通情報を無線送信部16より無線送信させる。このようにして、渋滞度、通過時間、交通量を含む各地の交通状況を予測した交通情報が無線送信される。
【0070】
車両に搭載された車載器2は、交通状況予測装置1より無線送信された交通情報を受信すると、当該受信した交通情報に基づく各地の交通状況を表示部23に表示させる。
【0071】
図11に、車載器2の表示部23に表示された交通状況を表す画面の表示例を示す。本実施形態では、地図更新により交通流に影響するような施設や道路の変更があった場合、交通流に影響するような施設や道路の変更についての案内表示を行うようになっている。図11には、工場の新設による交通流への影響がある影響エリアを重畳した地図画面と、工場が新設されたことによる交通流への影響について注意喚起するメッセージとが表示されている。
【0072】
上記した構成によれば、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定し、交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測し、統計データに基づいて予測される交通状況に、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させて交通状況を予測するので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0073】
また、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを参照して交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響が予測されるので、交通流影響要因が発生した直後から要因別交通流影響データベースを用いた交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測することが可能である。
【0074】
また、地図情報記憶手段に記憶された地図情報の更新が実施された場合、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを要因別交通流影響予測データベース記憶手段に記憶させる処理が実施されるので、実際の交通流影響要因による交通流への影響を反映した要因別交通流影響データベースを構築することが可能である。
【0075】
また、交通流影響要因が発生したと判定された場合、交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データが消去される。すなわち、交通状況の予測に際して不要である交通流影響要因の発生前の交通状況の統計データが消去されるので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0076】
また、交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測し、統計データに基づいて予測される交通状況に、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を反映させて交通状況を予測した後、逐次更新される交通流影響要因の発生後の交通状況の統計データに基づいて当該交通流影響要因が発生した箇所における交通状況が予測されるので、交通状況の予測精度を向上することができる。
【0077】
また、交通流影響データベースに含まれる交通流影響要因に起因して影響を及ぼす影響エリアに基づいて、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを予測し、影響特定手段により特定された影響エリアを地図上に表示した案内画面が生成されるので、ユーザは交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを容易に視認することが可能である。
【0078】
また、交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響について注意喚起するメッセージが案内画面上に重畳されるので、ユーザは交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響についての注意喚起を容易に視認することが可能である。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0080】
例えば、上記実施形態では、情報センタに設置されたサーバにより交通状況予測装置1を構成したが、情報センタに設置されたサーバの機能を車載器2に搭載して車載器2により交通状況予測装置1を構成するようにしてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、地図情報の更新時に、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを記憶する要因別交通流影響予測データベース記憶部に蓄積記憶させる処理を実施したが、例えば、過去に発生した交通流への影響を考慮して、ユーザにより作成された要因別交通流影響データベースを要因別交通流影響予測データベース記憶部に記憶しておくようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、統計データから工場が新設される前のその領域の傾向を分析し、更に、要因別交通流影響データベースを用いて工場の新設に起因する交通流への影響を特定し、この特定した交通流への影響を、統計データの分析結果に基づく交通状況に反映させたが、このように工場が新設される前のその領域の傾向を分析するのではなく、例えば、新設された工場の周辺で、かつ、工場の新設による影響のない領域の傾向を分析するようにし、更に、要因別交通流影響データベースを用いて工場の新設に起因する交通流への影響を特定し、この特定した交通流への影響を、統計データの分析結果に基づく交通状況に反映させるようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、交通状況を表す画面に、工場の新設による交通流への影響がある影響エリアを重畳した地図画面と、工場が新設されたことによる交通流への影響について注意喚起するメッセージとが表示される例を示したが、例えば、大型施設が新設される場合には、例えば、「大型施設の新設により、大型施設の周辺道路が8時〜9時の時間帯と、17時〜18時の時間帯は渋滞の発生がしやすくなる可能性があり、ご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いします」といった交通流に与える影響に関する施設責任者からのメッセージを、交通状況を表す画面に表示させるようにしてもよい。このような表示を行うことで、施設の責任者が影響範囲を社会に公表することができ、社会的責任を果たすことが可能となる。
【0084】
また、上記実施形態では、交通状況を表す画面に、工場の新設による交通流への影響がある影響エリアを重畳した地図画面と、工場が新設されたことによる交通流への影響について注意喚起するメッセージとが表示される例を示したが、例えば、「国道1号A地点周辺の6時〜9時の時間帯における慢性的な渋滞緩和のために、Bバイパスを新設しました。今後の通行の際に本情報をご活用ください。」といった道路の新設の目的等に関する道路の管理者からのメッセージを、交通状況を表す画面に表示させるようにしてもよい。このような表示を行うことで、道路の管理者が道路の変更目的等を社会的に公表することが可能となる。
【0085】
また、上記実施形態では、S312にて、地図更新により発生した交通流影響要因の駐車場の駐車台数が、地図更新により発生した交通流影響要因に最も類似している交通流影響要因の駐車場の駐車台数の半分の250台であるため、変化加味係数を=0.5として算出したが、このような算出方法は一例であり、このような算出方法に限定されるものではない。
【0086】
また、上記実施形態では、地図情報の更新前後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因を特定し、道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに、交通流影響要因の発生に起因する影響を反映させて交通状況を予測する構成を示したが、例えば、出発地から目的地に至る案内ルートを探索する機能を備え、交通状況の予測結果を考慮してルート探索を実施するようにしてもよい。例えば、最短時間で到達するようなルート探索を実施するようにしてもよい。また、交通状況の予測結果を目的地到着時刻の算出等に逐次反映させるようにしてもよい。
【0087】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、地図情報記憶部12が地図情報記憶手段に相当し、S300が判定手段に相当し、S304、S306、S310、S312、S400〜S404が影響特定手段と交通情報予測手段に相当し、要因別交通流影響予測データベース記憶部14が要因別交通流影響予測データベース記憶手段に相当し、図5の交通流影響予測データベース記憶処理が要因別交通流影響予測データベース記憶処理手段に相当し、S404が案内画面生成手段に相当し、S308が統計データ消去手段に相当する。
【符号の説明】
【0088】
1 交通状況予測装置
2 車載器
10 通信部
11 統計データ記憶部
12 地図情報記憶部
13 交通状況傾向データベース記憶部
14 要因別交通流影響データベース記憶部
15 表示部
16 無線送信部
17 制御部
21 受信部
22 記憶部
23 表示部
24 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測する交通状況予測装置であって、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された前記地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定された場合、当該交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定する影響特定手段と、
前記統計データに基づいて予測される交通状況に、前記影響特定手段により特定された前記影響を反映させて前記交通状況を予測する交通情報予測手段と、を備えたことを特徴とする交通状況予測装置。
【請求項2】
各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを記憶する要因別交通流影響予測データベース記憶手段を備え、
前記影響特定手段は、前記要因別交通流影響データベースを参照して前記交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定することを特徴とする請求項1に記載の交通状況予測装置。
【請求項3】
前記地図情報記憶手段に記憶された前記地図情報の更新が実施された場合、各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを要因別交通流影響予測データベース記憶手段に記憶させる処理を実施する要因別交通流影響予測データベース記憶処理手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の交通状況予測装置。
【請求項4】
前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定された場合、前記交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の前記交通状況の統計データを消去する統計データ消去手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3に記載の交通状況予測装置。
【請求項5】
道路上を走行する車両の走行情報を収集して生成した交通状況の統計データに基づいて交通状況を予測する交通状況予測装置であって、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶された前記地図情報の更新が実施された場合、更新前の地図情報と更新後の地図情報の差分に基づいて交通流に影響を与える交通流影響要因が発生したか否かを判定する判定手段と、
各種交通流影響要因毎に、当該各種交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を予測した要因別交通流影響データベースを記憶する要因別交通流影響予測データベース記憶手段と、
前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定された場合、前記要因別交通流影響データベースを参照して前記交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響を特定する影響特定手段と、
前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定された場合、前記統計データに基づいて予測される交通状況に、前記影響特定手段により特定された前記影響を反映させて前記交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測する交通情報予測手段と、
前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定された場合、前記交通流影響要因が発生した箇所における当該交通流影響要因の発生前の前記交通状況の統計データを消去する統計データ消去手段と、を備え、
前記交通情報予測手段は、前記判定手段により前記交通流影響要因が発生したと判定され、前記統計データに基づいて予測される交通状況に、前記影響特定手段により特定された前記影響を反映させて前記交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測した後、逐次更新される前記交通流影響要因の発生後の前記交通状況の統計データに基づいて当該交通流影響要因が発生した箇所における交通状況を予測することを特徴とする交通状況予測装置。
【請求項6】
前記要因別交通流影響データベースは、前記交通流影響要因の種別、前記交通流影響要因の規模、前記交通流影響要因の発生に起因する時間帯別の交通状況の変化、および前記交通流影響要因に起因して交通流に影響を及ぼす影響エリアを含むことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の交通状況予測装置。
【請求項7】
前記影響特定手段は、前記交通流影響データベースに含まれる前記交通流影響要因に起因して影響を及ぼす影響エリアに基づいて、前記交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響エリアを特定し、
前記影響特定手段により特定された前記影響エリアを地図上に表示した案内画面を生成する案内画面生成手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の交通状況予測装置。
【請求項8】
前記案内画面生成手段は、前記交通流影響要因の発生に起因する交通流への影響について注意喚起するメッセージを前記案内画面上に重畳させることを特徴とする請求項7に記載の交通状況予測装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−53613(P2012−53613A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194918(P2010−194918)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】