説明

人に報知する方法

【課題】薬物治療中の患者などをはじめとする人に所定時間の経過などを報知するための、使用しやすく使用者への負担も軽減する方法を提供する。
【解決手段】一連の身体接点(7)、該一連の身体接点(7)に一連のパルスを送信するパルス発生器(6)、および電源(2)を備えたサポート要素(3)を貼付剤の形に構成した確認装置を用い、該装置を人の皮膚の上に貼付けた状態で、該装置に所定の動作をさせることにより所定時間の経過などを人に報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定時間の経過などを人に報知する方法に関し、人間の皮膚の上に設置するために提供される確認装置(Reminder unit)を使用して人に報知する方法であり、
一連の身体接点と、
該一連の身体接点に接続され、第1の信号の受信時に一連のパルスを発生させ、前記一連の身体接点に該一連のパルスを送信するために提供されるパルス発生器であって、前記一連の身体接点は前記人の皮膚の上に前記一連のパルスを送信するために設けられるパルス発生器と、
該パルス発生器に接続される電源と、
を備えるサポート要素と、
備えた前記装置を使用する。
【背景技術】
【0002】
新しく、より優れた治療に対する絶え間のないニーズが今日の薬物治療につながっている。経済的および社会的な重要性が、医薬品業界に可能な最も効果的な薬を作り出すようにつねに圧力を与えている。以下の要因は治療の最終的な効果における主要な影響を表す。
1.1回の服用ごとの薬剤の特徴。臨床試験は、患者を適切に治療するために最も適切な分子およびそれらの必要な濃度を研究し、決定するために実行される。
2.患者の順守に強く依存している(製造メーカ、薬剤師、または意思の命令によって推奨される頻度での)薬剤の時宜を得た投与。
【0003】
世界保健機関の指令によって行われた近年の研究は該第2の要因、つまり患者のコンプライアンスの重要性を示している。実際に投与される薬剤の半分は薬剤の優れた本質的な質にも関わらず、順守が行われないために効果的な治療につながらない。この問題が社会的なレベルと経済的なレベルの両方で世界中に非常に大きい衝撃を有することは明らかである。
【0004】
これらの研究はこの問題に対する最新の解決策に緊急のニーズがあると結論付けている。本発明は新しい概念に基づいた答えを提供する。
【0005】
今日まで、患者のコンプライアンスの問題を部分的に解決するいくつかの確認装置が存在している。
【0006】
たとえば、特許文献1は、アプリケータが皮膚に付けられると皮膚によって閉じられる電気回路網を備える経皮的薬物送達薬物治療のためのアプリケータを開示している。この付与により電流が流れ、薬物が皮膚を通過して血流の中に入り込む。電極は、称される投薬量レベルが血流で達成されると信号をフィードバックするためにループ回路によって利用されてよく、その結果このようなフィードバックループにより、所望されるように薬物の投与量を規制する必要タイプのアプリケータが達成される。インジケータとしての機能を果たすために、LCDまたは電気化学光合成物質(ECM)がデバイスの回路網の中に組み込まれてよい。回路の完成時、該インジケータは、薬物が経皮的に送達されているポジティブな表示を提供するために活性化される。
【0007】
残念なことに、このようなデバイスは経皮的な薬物に制限され、製造するのは困難である。事実上、該デバイスの動作は、電流の達成時に薬物タンクから皮膚に入り込む液状薬の皮膚を通る移送に関連している。したがって、このシステムは、薬物を強制的に移動させるための電極を有する薬物タンクの構築、および皮膚によって閉じられる電気回路網の構築を必要とする。したがって、小さな部分が皮膚の上に十分に付けられない場合、回路網の閉鎖は発生せず、デバイスは適切に動作しない。
【0008】
さらに、特許文献1によるデバイスは、病院環境等のいくつかの環境で問題を引き起こすことがある光信号の伝達により薬物の拡散が正しく行われた旨を患者に確かめる。このような光信号は、デバイスの着用者が眠っているときには知覚できない。したがって、たとえば夜間、または集中を必要とする作業で忙しいときに薬が患者によって正しく服用されていないことが起こることがある。薬物が経皮的に送達されている旨のポジティブな表示で確認を提供することにより、デバイスは患者に機能障害を知らせず、患者は信号がデバイスによって発せられたかどうかを注意しなければならない。
【0009】
さらに、特許文献1によるデバイスは患者自身においてのみ使用可能である。
【0010】
別の例は特許文献2に示されている。特許文献2によるエレクトロトランスポートシステムは、皮膚を通るエレクトロトランスポート駆動電流の達成時に薬物を送達するための薬物タンクを備える。該エレクトロトランスポートシステムは状態またはシステムの動作に関連する事象を検知するためのセンサと、コントローラと、検知できる触覚信号を発生させるための触覚信号発生器とを備える。特に、センサは、タンク、またはタンク内の薬物容量を検知するセンサの中の薬物のpHを検知するpHセンサである。空のタンク等のこのような異常なpHまたはタンク内の異常な容量等デバイスで問題が生じると、センサから信号を受信し、触覚信号発生器を制御するために設けられているコントローラが異常値を検出し、触覚信号が患者の皮膚に伝達される。
【0011】
このようなデバイスは、患者が眠っているときまたは忙しいときに検知できる触覚信号を提供することにより特許文献1のデバイスの問題を部分的に解決する。触覚信号は、問題発生時だけに患者の皮膚に伝達され、デバイスが正しく動作したときには信号は伝達されない。
【0012】
残念なことに、このようなデバイスは、動作がタンクからの薬物の移動に関連しているため、経皮的な薬物の塗布でのみ応用可能である。触覚信号も機能、特にデバイスの機能障害に関連付けられている。また、液状薬およびキャプタ、類似レベルキャプタまたはpHキャプタおよび電機回路網を備える薬物タンクの存在が必要とされるため、デバイスは製造するのが困難である。
【0013】
電気回路網は着用者の皮膚によっても閉じられ、デバイスが十分に付けられていない場合には、デバイスは正しく機能せず、触覚信号が生成されるものとする。さらに特許文献2によるデバイスは患者自身においてのみ使用可能である。
【0014】
事実上、両方の米国特許によるデバイスは薬物がタンクに入れられた状態で製造されなければならず、電子部品または電気回路を備える必要がある。したがって、製造工程は容易ではなく、結果として生じるデバイスは高価である。さらにこのようなデバイスはデバイスの機能障害について患者に警告できるが、患者の順守に強く依存している(製造メーカ、薬剤師、または医師の指示によって推奨される頻度での)錠剤または丸薬等の薬または注射薬の時宜を得た投与の問題を解決しない。
【0015】
別の種類の確認装置も存在する。たとえば、特許文献3に説明されている確認装置。特許文献3のデバイスは請求項1の序文に開示されている。それはエミッタ無線ベースユニットおよび解剖用無線装置(確認装置)を備える無音解剖用警報システムである。解剖用無線装置は、該ベースユニットから送信される信号の受信時に、ユーザの皮膚の上に電流を出力できる。このような確認システムは、たとえば、患者が自分の丸薬、錠剤等を服用しなければならない、あるいは自分の注射を行わなければならないことを患者に思い出させるために提供される。このデバイスはともに接続され、それぞれたとえばユーザの足の上およびユーザの足首の上で締め付けられるために設けられる2つのリングからなる。このデバイスは錠剤、丸薬等の経皮的に付けられなかった薬物治療で役立ち、患者以外の別の人にも付けることができるが、このデバイスは大きくベースユニットから伝送範囲外で動作できない。
【0016】
したがって、公知の確認装置はこのようにして複数のレベルで重要な制限を有している。つまり、大きすぎる、使い勝手が悪い、製造が困難、ユーザの状態とは無関係に警報する可能性がない、行動自由が少ない、特定のタイプの薬のみに適用可能である、既存の薬物パッケージング等に容易に追加するために考えられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第4,708,716号明細書
【特許文献2】米国特許第6,175,763号明細書
【特許文献3】英国特許第2 386 207号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
患者に、自分の薬を服用しなければならないことを警告することによって信頼性を高め、ユーザの状態と無関係であるあいだ、別の人の皮膚に付けることができる幅広く適用可能な概念を提供することによりこれらの欠点の少なくともいくつかを軽くすることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的のため、本発明に係る方法は、人の皮膚の上に設置されるために提供される、可撓性があり、貼付剤の形に構成された確認装置を使用して、人に所定時間の経過を報知する方法であって、前記確認装置は、
一連の身体接点(7)、
該一連の身体接点(7)に接続され、活性化信号(b)の受信時に一連の電気パルス(c)を発生するため、および該一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送信するために設けられると共に、前記所定時間であってその経過時に前記活性化信号(b)が発生されるべき時間を示すデータを含むデータ信号(a)を記憶するために設計されているメモリ(11)、クロックカウンタ、およびコンパレータを少なくとも備えた処理装置(10)をさらに備えたパルス発生器(6)、および
該パルス発生器(6)に接続される電源(2)を含む
サポート要素(3)を含み、
前記一連の身体接点(7)が人の皮膚に接触するように前記確認装置を人の皮膚の上に設置するステップ、
前記クロックカウンタがカウントを始めるときに前記処理装置(10)を作動状態にするステップ、
前記コンパレータに、前記クロックカウンタの出力と前記データ信号(a)とを比較させるステップ、
前記クロックカウンタの出力と前記データ信号(a)が等しいときに、前記処理装置(10)に、前記活性化信号(b)を発生させ前記パルス発生器(6)に送らせるステップ、および
前記確認装置が人の皮膚の上に設けられているあいだに、前記パルス発生器(6)に、前記活性化信号(b)を受けることによって前記一連の電気パルス(c)を発生させ、前記一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送らせるステップ、を備えている。
【0020】
また他の実施形態として本発明に係る方法は、人の皮膚の上に設置されるために提供される、可撓性があり、貼付剤の形に構成された電気通信装置を使用して、人に、生物学的、化学的、または物理的なパラメータを報知する方法であって、
前記電気通信装置は、
一連の身体接点(7)、
該一連の身体接点(7)に接続され、活性化信号(b)の受信時に一連の電気パルス(c)を発生するため、および該一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送信するために設けられると共に、前記生物学的、化学的または物理的なパラメータの正常値を含むデータ信号(a)を記憶するために設計されているメモリ(11)およびコンパレータを少なくとも備えている処理装置(10)をさらに備えたパルス発生器(6)、
前記処理装置(10)に、生物学的、化学的、または物理的なパラメータを含む信号を送るために設けられたバイオセンサまたはナノチップ、および
前記パルス発生器(6)に接続される電源(2)を含む
サポート要素(3)を含み、
前記一連の身体接点(7)が人の皮膚に接触するように前記電気通信装置を人の皮膚の上に設置するステップ、
前記処理装置(10)を作動状態にするステップ、
前記コンパレータに、前記バイオセンサまたはナノチップの出力と前記データ信号(a)とを比較させるステップ、
前記バイオセンサまたはナノチップの前記出力が、前記データ信号(a)と類似する、またはその許容値の範囲内にある、または、
前記バイオセンサまたはナノチップの前記出力が、前記データ信号(a)と異なる、またはその許容値の範囲外にある、いずれかのときに、
前記処理装置(10)に、前記活性化信号(b)を発生させ前記パルス発生器(6)に送らせるステップ、および
前記電気通信装置が人の皮膚の上に設けられているあいだに、前記パルス発生器(6)に、前記活性化信号(b)を受けることによって前記一連の電気パルス(c)を発生させ、前記一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送らせるステップ、を備える方法であってもよい。
【0021】
本発明による確認装置はその平面的な形状のために製造がより容易であり、小型であり、使いやすく、大きくなく、行動の自由がある等である。さらに該装置は貼付剤という概念のために設置が非常に容易である。加えて、身体と恒久的に接触していることにより、該装置は無音でおよびいつ何時でもユーザの体に一連のパルスを送信できる。
【0022】
ここに参照されるような用語「どの時点」は、特に薬物の投与に適切な任意の期間(間隔または特定の時間)を意味する。たとえば、これは午前8:00時に、午後2:00時に、午後8:00時と午前0:00時に、あるいは一時間おきに、二時間おきに、一日に二度、夜等であるであろう。
【0023】
ここに言及されるような用語「パルス」は、電気的パルス、振動、温度変化等の複数の異なる刺激を備え、あらゆる刺激は連続して、中断されて、あるいは周期的に、好ましくは中断されてまたは周期的に、および最も好ましくは周期的に人間または哺乳類の存在の感覚能力を暗示する。
【0024】
このような確認装置は、さらに(事前に)プログラミングされた後にベースユニットは完全に無関係である。つまり、ユーザは、確認装置の受信機アンテナに信号を送信する発射側ベースユニットを介して予約または投与時刻を入力しなければならないにすぎない。前記受信機アンテナはメモリ付きの処理装置を備えるパルス発生器に接続される。メモリは、どの時点で第1の信号(活性化信号)が発生しなければならないのかを示す情報/データを含む第2の信号を記憶するために設けられる。データは処理装置のメモリの中に記憶されるため、処理装置は必要とされると、ベースユニットの電装範囲内にあることを必要とせずに(前記の第1の信号である)活性化信号を発生させる。第1の信号(活性化信号)は必要とされるときに第2の信号(情報/データ信号)として同時に、あるいは必要とされるときに後に発生できる。言い換えると、通信装置はベースユニットと受信機間の距離とは無関係に動作する。いったんプログラミングされ、初期に活性化されると、確認装置は自立的に機能する。
【0025】
第2の信号および活性化(第1)信号が同じ信号であってよい、または異なる信号であってよいことが当業者によって理解されなければならない。GB第2 386 207号では、これらの2つの信号は事実上単一の信号である。本発明にしたがって、これらの信号は異なることもできるであろうが、必ずしも異ならない。活性化信号(第1信号)は、処理装置によって処理され、日中または夜間の適切なときに身体接点に送信するためにメモリに記憶されているベースユニットによって発せられる第2の信号から生じる。
【0026】
さらに、確認装置を着用するのは必ずしも患者ではない。子供用の薬物のケースでは、特に夜間は、薬物が子供に正しく投与されていることを確信できるようにするために親の皮膚に装置が付けられることが有利であり、子供たちではなく親が一連のパルスの身体接点により受信されると親が目覚めることがより適切である。
【0027】
特定の実施形態では、パルス発生器は前記一連のパルスを発生させるための電源を備える。該一連のパルスは好ましくは20Vdcから150Vdc、さらに好ましくは50Vdcから100Vdc、および最も好ましくは約75Vdcの電圧範囲を有する。
【0028】
これは、行動の範囲を可能にするためには、当人が気付くことができるが、周りの人は気付かない一連のパルスを有するために有利であることがある。
【0029】
特定の有利な実施形態では、パルス発生器は前記一連のパルスを発生させるための電流源を備える。
【0030】
電流源の存在は非常な恩恵である一定の強度の送達を可能にする。実際に、各人の皮膚は異なり、一連のパルスを感知する人もあれば、パルスに非常に敏感である、あるいはパルスを感知しない人もある。さらに、電圧は抵抗値と電流強度値の積の結果である。一定の電圧を皮膚に課すことによって、皮膚の抵抗がある理由または別の理由から変化する場合、電流の強度は適用が意図されるものより大きいまたは小さいであろう。したがって、皮膚に、下記に言及される値のあいだで構成される一定の強度の電流を与えることは有利である。
【0031】
好ましくは、一連のパルスは1mAdcから150mAdc、さらに好ましくは10mAdcから50mAdc、および最も好ましくは約30mAdcの強度範囲を有する。
【0032】
該範囲は、許容可能であり、装置を着用する人が気付くことができる一方で行動の範囲を可能にするために有利である。
【0033】
好ましくは、パルス発生器は電流制限器を備える。
【0034】
電流制限器の存在は、高すぎる強度が皮膚の上に付けられるのを回避することによって安全性を改善する。
【0035】
本発明によるデバイスは行動の自由を可能にし、実際にユーザだけが活動を知覚する。他の人は警報信号(一連のパルス)に気付かないであろう。さらに、この特長によって装置は特に安全となることができる。
【0036】
さらに、パルスは1μsと10msのあいだ、好ましくは10μsと1msのあいだ、および最も好ましくは約30μsからなる幅を有し、パルスの期間は1μsから10s、好ましくは100μsから100msの範囲となり、および最も好ましくは約1msである。
【0037】
このようにして、発生したインパルスは、起こされることによって、および必要とされる場合には眠っている人によって気付かれるほど十分に効果的である。
【0038】
有利なことに、前記一連のパルスはさらに複数のバーストを備え、各バーストはパルスの集合を備え、前記バーストはパルスのない期間によって互いから分離される。これにより、たとえば眠っている人をやさしく起こすため、あるいは働いている人を驚かせない等のため、出力電流を拡散することが可能になる。
【0039】
好ましくは、貼付剤は、MacTac(登録商標)から市販されているマックフィルム(Macfilm)F2023等の接着層を備える。このような接着層を使用することで、貼付剤はアレルギーを起こしにくく、石鹸水、アルコールに、いくつかの炭水化物等に耐性がある。本発明の変形実施形態では、確認装置は、さらに薬物が吸収される膜である領域を備え、前記確認装置は経皮的な貼付剤として使用されるためにさらに提供される。
【0040】
確認装置の経皮的貼付剤の利点を結合することが有利な場合がある。本実施形態では、確認装置はたとえば、貼付剤を交換しなければならないことを患者に警告するために設けられている。
【0041】
非常に特定の有利な実施形態では、確認装置は、生物学的、科学的および/または物理学的なデータを測定するため、および前記データを該メモリに送信するために設けられるバイオセンサまたはナノチップをさらに備える。
【0042】
たとえば、その電気化学特性によりたんぱく質またはブドウ糖の含有量を定量化できるいくつかのセンサが存在する。したがって、糖尿病患者のケースでは、確認装置は患者に、自分のインシュリン注射を打たなければならないことを思い出させることができるものとし、装置はうまく行われた効果的な注射の結果として正常なブドウ糖レベルが現在十分に達成されていることを確かめることができる。
【0043】
たとえば複数の生物学的物質の導電率に作用するバイオセンサまたはナノチップは、たんぱく質レベル、酵素レベル、溶解酸素、動脈圧等の複数の生物学的、化学的および/または物理的なパラメータを検出できる。すべての既存のバイオセンサまたはナノチップが本発明で使用できる。バイオセンサまたはナノチップまたは生物測定キャプタが、処理装置に生物学的なパラメータ、化学的なパラメータまたは物理的なパラメータの値を含む第3の信号を送信するために設けられる。処理された第3の信号はメモリに記憶されるため、およびたとえば医師によってまたは患者によって抽出されるためにメモリに記憶されている。代替実施形態では、メモリに記憶されている処理済みの第3の信号がこの生物学的、化学的、または物理的なパラメータの正常な記憶値と比較されるためにコンパレータに送信され、両方の値が類似する、または第3の信号(パラメータ信号)の値が前記正常値から許容値の範囲内にあるときにだけ、コンパレータは、正常な値が処理装置に到達したことを意味する確認信号を送信するであろう。処理装置はパルス発生器に追加の活性化信号を送信し、正常な値に達したことを患者に知らせるために同一である、または前記の一連のパルスと異なる確認パルス組を発生させる。
【0044】
さらに変形実施形態では、メモリに記憶されている処理済みの第3の信号がこの生物学的、化学的、または物理的なパラメータの正常な記憶値に比較されるためにコンパレータに送信され、両方の値とも異なるまたは前記正常値から許容値の範囲外にあるときに、コンパレータは、異常値が処理装置に達したことを意味する警報信号を送信する。処理装置は、患者に生物学的、化学的または物理的な値の異常値に達したことを知らせるために、前記一連のパルスと同一または異なるパルスの警報組を発生させるパルス発生器に活性化信号を送信するであろう。
【0045】
好ましくは、本発明による確認装置は、メモリ確認データを記憶し、送信するために設けられる記録手段も備える。
【0046】
記録手段は、たとえばパルスが送信された回数、一連のパルスが実際に発生した時間、および一連のパルスが皮膚に効果的に送信されたかどうかに関する確認データを記憶し、メモリに送信することができるというのも有利な点である。
【0047】
これは、たとえば条件により費用を払い戻すとき等、患者が実際に所定の間隔で自分の薬を服用した旨の確認を有することを必要とする保険会社に用途が見つかる場合がある。
【0048】
さらに、本発明による装置は、患者に薬を投与することを思い出させるために確認装置を着用する看護師にも用途が見つかる場合がある。したがって、看護師が投与を忘れるリスクは減少する。
【0049】
さらに、本発明は、前記確認装置とベースユニットを備える確認システムに関し、該確認装置は受信機または受信機−アンテナを備え、前記ベースユニットは前記確認装置を封入するユニットパッケージを開放することなく、前記第2の信号を受信機に、または前記確認装置の受信機アンテナに送信するための無線送信機である。
【0050】
これは、本発明のさまざまな優位点をカバーする。第1に、貼付剤が無線でパッケージを通してプログラミングされていた、貼付剤のために提供される個々のパッケージのケースでは、ユーザは、貼付剤が新しいものであり、衛生状態が留意されていることを保証される。さらに、このパッケージは、接着層等に損傷を与えることのある日光、湿気等から貼付剤を保護する。第2に、いくつかのケースでは、薬のパッケージは本発明による1台または複数台の確認装置を含んでよい。無線プログラミングによって薬剤師は薬物のパッケージを解放することなく装置をプログラミングできる。
【0051】
有利な実施形態では、ベースユニットと確認装置間で無線通信された情報は、ユーザのセキュリティと秘密性を改善するために暗号化できる。
【0052】
さらに、複数の貼付剤が薬物療法に提供されるとき、それらは有利なことに、それぞれの貼付剤が適切な手段により違ったプログラミングができるようにするために識別子を含む必要がある。たとえば、療法は第1週の間は一日に二度、第2週の間は一日に一度の錠剤等の投与を備える場合があろう。識別子の付いた貼付剤を使用することにより、これで薬剤師は医師の指示にしたがって第1の貼付剤と第2の貼付剤をそれぞれプログラミングできるようにする。
【0053】
活性化の時点(つまり、第1の信号(活性化信号)が発生されなければならない時間)または頻度は容易にプログラム可能でなければならない。複数の手段は、本発明にしたがって装置をプログラミングするために使用できる。これは、メモリのコンテンツをハードコーディングすることによって製造中に、あるいはユーザロケーションで「オンサイト」で、あるいはたとえばなんらかの薬を販売するときに薬剤師によって実行できるであろう。製造中のハードコーディングによって、本発明による装置の電源は、この工程のあいだは有利なことに使用されない。無線送信器は、たとえば薬物の、または貼付剤パッケージの開放を回避する一方でプログラミングを可能にする手段を備えるRF送信機、誘導送信機、容量性送信機、赤外線送信機、音響送信機等である場合がある。最も好ましい送信器は、それがメモリにデータを記憶するときに通信装置の電源を使用しないので誘導RF送信機である。好ましくは、貼付剤および貼付剤パッケージには、多くの既存の薬物パッケージに追加できる所定の寸法を与えられる。薬物パッケージの中に入れられる貼付剤も製造中に事前にプログラミング(ハードコーディング)できることは言うまでもない。
【0054】
さらに、本発明は、薬の時宜を得た投与を思い出すために薬物治療で本発明による確認システムの使用にも関係する。
【0055】
ここで参照されるような薬物治療における用途は、貼付剤が患者に自分の薬を服用するように思い出させるために使用される用途、患者が別の経皮的貼付剤を着用し、該貼付剤が患者に、自分の経皮的貼付剤を変える、または交換する必要があることを思い出させる用途、あるいは時間が重要な要因となるであろう別の用途を備える。さらに、本発明による貼付剤の付着層は従来の経皮的両方で通常使用される多様な活性物質を備えてよい。つまり、一般的な貼付剤では活性物質は、人の皮膚に達するために接着層とともにおそらく膜層を使用することによって結合される。本発明による貼付剤は、パッチの接着層も活性物質を備えるように製造できる。このようにして、確認装置(貼付剤)は患者に、自分の貼付剤を取るまたは交換することを思い出させる。さらに前述されたように、貼付剤の形を取る確認装置は、子供または患者が実際に時間に自分の薬を服用することを確実にするために、患者または看護師によって使用できる。
【0056】
変形では、確認装置はスリープ解除装置として使用できる。これは、複数の人が同じ部屋に眠っているときにただ一人の人だけの目を覚まさせ、他の睡眠時間を守ることを可能にする。さらに該装置は、たとえば、夜に、または一日の任意の期間中に必要とされるときに起きて、出て行くことを学習するように犬を教育するために、あるいは時間を思い出させることが必須である、または必要とされる他の目的に使用できる。
【0057】
加えて、貼付剤のコストは薬物のコストに比較して低いことがある。
【0058】
変形実施形態では、確認装置または確認システムはLAN(ローカルエリアネットワーク)またはBAN(ボディエリアネットワーク)で使用できる。たとえば、病院では、医師が複数の患者のための薬物の投与を決定し、異なる一連のパルスを各患者に帰することができる。その結果、看護師はベースユニットによって貼付剤をプログラミングしさえすればよい。結果的に、各患者は自分の対応する一連のパルスを受信する。
【0059】
さらに、代替実施形態では、本発明は、たとえば看護師によって使用されるために設けられる中央確認装置と、たとえば患者によって着用されるように提供される一連の二次確認装置とを提供する。看護師は、前述されたように、特定の患者に対応する特定の一連のパルスを受信し、患者はバイオセンサまたはナノチップ付きの前述の確認装置を着用する。バイオセンサまたはナノチップは、LANの中で、あるいはBANの中に含まれる中央ベースユニットにそれらを発する処理装置に、生物学的、化学的または物理的なパラメータの値を含む第3の信号(パラメータ信号)を発する。したがって、看護師の信頼性または患者のコンプライアンスを検証することが可能である。この検証は薬物の投与を照明することが必要とされなければならない医療ミスまたは他のいくつかのケースで有用となることがある。
【0060】
したがって、確認装置または確認システムは医療管理装置およびフォローアップ装置または確認装置として使用できる。本発明による確認装置またはシステムの他の実施形態は添付の特許請求の範囲に言及されている。
【0061】
本発明の他の特性および優位点は、図を参照する一方で、本発明の特定の非制限的な実施形態の以下の説明を鑑みてさらに明確に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明によるデバイスの分解図である。
【図2】本発明によるデバイスの横断方向の断面である。
【図3】パルスのセットのための好ましいパルス形状を描くグラフである。
【図4】パルスの集合の考えられるバーストを描くグラフである。
【図5】一連のパルスの考えられる活性化方式を示すグラフである。
【図6】考えられる日々の場面を描くグラフである。
【図7】電気回路網の第1の考えられる概念の概略図である。
【図8】電気回路網の第2の考えられる概念の概略図である。
【図9】電気回路網の第3の考えられる概念の概略図である。
【図10】考えられるメモリ割り当てを描くグラフである。
【図11】本発明による確認システムの概略図である。
【図12】バイオセンサまたはナノチップを備える図11の実施形態の概略図である。
【図13】記録手段を備える図11の実施形態の概略図である。
【0063】
図中、本発明による確認装置またはシステムの同じまたは類似する要素には同じ参照記号が割り当てられている。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明は貼付剤、特にユーザの皮膚に粘着する薄い自動接着性の貼付剤に関する。貼付剤は事前にプログラミングされた瞬間に、あるいは自由にプログラム可能な瞬間にパルスを発生させる。これらのパルスは人間の皮膚によって感じられ、ユーザに特定の処置、たとえば薬の投与を行うように思い出させる。
【0065】
図1および図2は貼付剤の構成要素を示す。
【0066】
サポート要素3は薄い可撓性の合成物質からなり、プリント基板(PCB)として使用される。このPCBの設計は受信アンテナ4と、電源2と身体接点7のあいだに接触を生じさせるための接点要素5を統合する。電気部品/ASIC(特定用途向け集積回路)6は、サポート要素3の上に配置され、電源2、受信アンテナ4、および身体接点7と接続されている。電気部品/ASICはパルス発生器6を形成している。カバー1は薄い可撓合成物質からなり、外部影響からすべての脆弱な電子部品を保護するために使用される。接着剤9はサポート要素3の底側に加えられる。ライナ8は薄い可撓性の合成物質からなり、貼付剤の保存中に接着剤9に付着される。ライナ8はユーザの体に付ける瞬間の直前に取り除かれる。接着剤9が使用時間中貼付剤を皮膚にくっつけておく。
【0067】
貼付剤のパルス発生器は、明確に決定された瞬間に一連の電気パルスを発生させる。各パルスは好ましくは、それが図3において見られるように以下の特性を備えるブロック波形を有する。
・パルス幅:好ましくは1μsから10ms、さらに好ましくは10μsから1ms、および最も好ましくは約30μs。
・パルス間の期間:1μsから10ms、好ましくは100μsから100ms、およびさらに好ましくは約1ms。
・電流の強度:好ましくは1mAdcから150mAdc、さらに好ましくは10mAdcから50mAdc、および最も好ましくは約30mAdc。
・電源のケースでは、電圧は好ましくは20Vdcから150Vdc、さらに好ましくは50Vdcから100Vdc、および最も好ましくは約75Vdc
・上昇時間:好ましくは5μs未満、さらに好ましくは1μs未満。
・下降時間:好ましくは5μs未満、さらに好ましくは1μs未満。
【0068】
図4で分かるように、バーストはパルスの集合を備える。例示的な値は以下のとおりである。例示的な値は以下のとおりである。バーストは好ましくはパルスデューティサイクルが1msあたり30μsの500パルスからなる。結果的にバーストの持続時間は一般的には500msである。
【0069】
前記一連のパルスを形成する一連のバーストは活性化と呼ばれ、このような活性化は図5で見られる。この後者は好ましくは毎秒500msのデューティサイクルの20バーストからなる。活性化の持続時間は結果的に20sである。このケースでの各バーストは500パルスの集合を備える。
【0070】
活性化信号が発生される必要のある時間あるいは時間の間隔はプログラミングデバイスまたはベースユニットによって決定される。
【0071】
考えられる日常的な場面が図6に描かれている。これは、一連のパルスの例示的なプロファイルであるが、それが異なることがあるであろうと当業者は理解する必要がある。たとえば、各バーストが異なり、各バーストが異なる数のパルスを備え、各組も異なることがあり、さらには該差異は療法の異なる工程を思い出すために使用できる。たとえば5×3パルスまたは20個の短いバーストが薬の服用を示し、3×4パルスまたは5個の長いバーストが別の貼付剤(経皮的なもの)または貼付剤自体を取り除くことを示すことができるであろう。
【0072】
変形では、20個の短いバーストは特定の患者Aに帰すことができ、10個の短いバーストは特定の患者Bに帰すことができ、3個の長いバーストは第3の特定の患者に帰すことができる。次に、看護師が着用している確認装置が、看護師に特定の患者A、B、またはCに薬を投薬することを思い出させる。
【0073】
クロックのドリフトは好ましくはせいぜい1/10.000(100ppm)である。つまり週に約1分である。
【0074】
内蔵クロックが十分に正確ではない場合には、クロック周波数の測定が製造後に必要となるであろう。この測定データを用いて値をメモリの中に格納することができ、たとえば1Hzというバースト周波数を表すカウンタの最終値(たとえばクロック補正率)を固定する。このアクションは好ましくは貼付剤工場で行われる。このアクションを活性化のプログラミング中に実行すると、実際にはあらゆるプログラミングデバイスが頻度または時間について高価な測定システムを備えなければならないことを暗示する。
【0075】
10sという精度の約200回の活性化(8ビットアドレスバス)をプログラミングすることができなければならない。つまり、16ビットのデータバスが週に1度のスキーマ(2^16=65536)に必要とされる。
【0076】
代わりに、1分という精度の128回の活性化(8ビットのアドレスバスの中から使用される7ビット)は、プログラミングできなければならない。6ビットのデータバス(2^15=32768)の中から使用される15ビットによって、最大使用は3週間である。
【0077】
チップのプログラミングは、(アクティブな)RFIDタグのプログラミングに使用されるシステムに同一の無線技術を使用する。ベースユニットと貼付剤のあいだの距離は小さい。好ましくは、現在のアプリケーションとの干渉を回避するために、最大距離は0.2m未満である。
【0078】
サーバを備える中央ベースユニットのケースでは、プログラミング手段と貼付剤のあいだの距離はさらに長くなることがある。
【0079】
該ユニットがプログラミングされた後に、現在のまたは他のアプリケーションとの干渉を回避するために受信機または受信機−アンテナを一時的に切り離す、または非活性化することができる。アンテナの非活動の持続時間はプログラミング中にメモリの中に記憶できる。
【0080】
有利なことに、パルス発生器はその中に統合されている受信機を備えてよいが、パルス発生器が、前記パルス発生器の外部にある受信機に接続されてよいことが注記される必要がある。受信機はいったんプログラミングされるとユニットの中に特に存在してはならない。受信機は、プログラミング後に取り除くことができるであろう、または完全に独立することができる。ユニットのプログラミングが製造中にハードコーディングされる場合、受信機は本発明による確認装置の中で必要とされない。
【0081】
(EE)PROMをプログラミングするために必要とされるエネルギーは、たとえば誘導結合によってプログラミングデバイス(たとえばベースユニット)によって送達される。類似する目標の既存のチップのいくつかの例は表1に示されている。
【0082】
【表1】

【0083】
これらのチップはメモリへの外部アクセスで修正される必要がある。プログラミングの原理は同一である。
【0084】
チップが操作される前、非常に少量の漏れ電流が迅速に電源を放電することはできない。電源は、電池等の任意のタイプの携帯用電源である場合がある。これは使用期間、ある特定の用途のためのユニットのコストとユニットの寸法に応じて再充電可能または非再充電可能である場合がある。
【0085】
入力電圧が低(3V)であり、相対的に高い出力電圧が必要とされるため、電圧変換器が使用される。類似する目標を持った、考えられる既存のチップのいくつかの例は表2に示されている。
【0086】
【表2】

【0087】
電気回路網の寸法を縮小するために、ASICを使用することが推奨される。
【0088】
第1の考えられる概念は図7に示されている。
【0089】
第1の考えられる概念は、誘導を使用することにより高圧を生じさせることである。これには個別部品の集合(コイル、ダイオードおよび容量)が必要とされる。すでに言及されたように、電気部品/ASICはパルス発生器6を形成している。電気部品/ASIC(特定用途向け集積回路)6は電源2、受信機−アンテナ4、および接点5と接続されている。接点5は身体接点7、および電池2である電源に接続されるために設けられる。
【0090】
パルス発生器6は、8ビットアドレスバス17の第1の端部に、および16ビットデータバス18の第1の端部に接続されているメモリ11を備える。8ビットアドレスバス17の、および16ビットデータバス18の第2の端部はコントローラ19に接続される。該コントローラは、アンテナ4に接続されている受信機4’であるコイルインタフェースに接続される。
【0091】
コントローラ19は第1のクロックカウンタ20のリセット入力に接続される。第1のカウンタ20のクロック入力は、クロック33自体へ分配器21を介して接続される。第1のクロックカウンタ20の出力がコンパレータ22の第1の入力に接続される。コンパレータ22の第2の入力は、16ビットデータバス18にも接続されている。コンパレータ22の出力はANDゲート23の第1の入力に接続される。ANDゲート23の出力がフリップフロップFF1 24に接続される。FF1 24の出力がインバータ25の入力に接続され、インバータ25の出力はAND−ゲート23の第2の入力に接続される。FF1 24の出力は第2のANDゲート26の第1の入力にも接続される。
【0092】
8ビットデータバス17は、そのクロック入力がクロック33に直接的に接続される第2のクロックカウンタ27に接続される。
【0093】
また、ANDゲート26の第2の入力はクロック33に直接的に接続される。ANDゲート26の出力はNANDゲート28の第1の入力に接続される。電圧基準Vref34はコンパレータ「C」30の正の入力に接続される。コンパレータ「C」30の負の入力は電圧調整器Vsen29で接続される。コンパレータ「C」30の出力はNANDゲート28の第2の入力に接続される。NANDゲート28の出力は第3のクロックカウンタ31のクロック入力に、および切り替えトランジスタT1 35のゲートに接続される。第3のクロックカウンタ31の出力は第2のNANDゲート32の入力に接続される。NANDゲート32の出力は第3のクロックカウンタ31のリセット入力にフィードバックされ、2つの切り替えトランジスタ要素T2 36とT3 37のゲートにも接続される。
【0094】
電源2は電力制御装置40に接続される。電力制御装置40の入力は出力電圧に接続される。
【0095】
電源はコイル39、ダイオード52、切り替えトランジスタT1 35および容量38によって形成される電圧ブースタの電源でもある。
【0096】
第1のフェーズでは、ASIC(特定用途向け集積回路)のメモリ11がプログラミングされる。ここでは、活性化の時間の内のポイントが記録される。使用されている技術はRFIDタグ(無線周波数識別タグ)のプログラミングのための技術に同一である。本発明による通信装置をプログラミングするために必要とされるエネルギーは、誘導結合によってプログラミング装置(ベースユニット)によって送達される。メモリ11は特にASICの生産プロセスのあいだに、あるいはプログラミング装置による送達のあいだの後のフェーズにおいて(事前に)プログラミングできる。プログラミング装置のハードウェアはRFIDプログラマのハードウェアに類似している。プログラミングのユーザフレンドリな方法を提供するソフトウェアは、既定の時点を使用してメモリ11に記憶されるデータを計算する。
【0097】
ASICは、貼付剤の第1の使用の瞬間に稼動されるにすぎない。これは、使用されていないときに電力消費を最小に保つために行われる。ASICを起動することは、ASICのブロック「電力制御装置」40によって管理される。ASICの開始は、皮膚の上に最初に付けた瞬間に、ASICを動作中にトリガする小さな漏れ電流が生じるという原理に基づいている。
【0098】
ASICがいったん開始すると、第1のクロックカウンタ20と第2のクロックカウンタ27がカウントを開始する。第1のクロックカウンタ20はバイナリ8ビットカウンタであり、32768Hzという周波数でカウントする。第2のクロックカウンタ27は、すべてのメモリロケーション(256)が順次読み出されることを確実にする。フリップフロップFF1 24は、256個の値の内の1つが第1のクロックカウンタ20の値に等しいときに設定される。20秒後、FF1 24はリセットされる。
【0099】
フリップフロップFF1 24が設定され、コンパレータ「C」30が高い場合、クロックパルスは第1の切り替えトランジスタT1 35にトランスポートされる。第1の切り替えトランジスタT1 35は現在20秒のあいだに、32768Hzという周波数で切り替え中である。その結果、コイル39の自己誘導によって高圧が生成される。容量38が約75Vという電圧まで充電される。
【0100】
図8は、ASIC自体(たとえば、スーパーテックスから入手可能なHV850)に組み込むことができる、容量電荷ポンプを使用する、考えられる第2の概念を描いている。
【0101】
パルス発生器6は、8ビットのアドレスバス17の第1の端部に、および16ビットのデータバス18の第1の端部に接続されるメモリ11を備える。8ビットのアドレスバス17と16ビットのデータバス18の第2の端部はコントローラ19に接続される。該コントローラは、アンテナ4に接続されている受信機4’であるコイルインタフェースに接続される。
【0102】
コントローラ19は、第1のクロックカウンタ20のリセット入力に接続される。第1のカウンタ20のクロック入力は、クロック33自体に分配器21を介して接続される。第1のクロックカウンタ20の出力はコンパレータ22の第1の入力に接続される。コンパレータ22の第2の入力は16ビットのデータバス18にも接続される。コンパレータ22の出力はANDゲート23の第1の入力に接続される。ANDゲート23の出力はフリップフロップFF1 24に接続される。FF1 24の出力はインバータ25の入力に接続され、インバータ25の出力はANDゲート23の第2の入力に接続される。FF1 24の出力も第2のANDゲート26の第1の入力に接続される。
【0103】
8ビットのデータバス17は、そのクロック入力がクロック33に直接的に接続される第2のクロックカウンタ27に接続される。
【0104】
また、ANDゲート26の第2の入力は、クロック33に直接的に接続される。
【0105】
ANDゲート26の出力は、NANDゲート32に接続される第3のクロックカウンタ31に接続される。NANDゲート32の出力は2つの切り替えトランジスタ要素T2 36とT3 37のゲートと接触している。
【0106】
FF1 24の出力は、容量電荷ポンプ41の実行入力にも接続される。容量電荷ポンプ41の出力はT2 36のソースに接続される。
【0107】
電源2は電力制御装置40に接続される。電力制御装置40の入力は出力電圧に接続される。
【0108】
Vsen29は、容量電荷ポンプ41の出力電圧を調節するための電圧調節器であり、容量電荷ポンプ41に接続される。
【0109】
フリップフロップFF1 24が設定されると、容量電荷ポンプ41が実行され、切り替え出力段T2 36とT3 37に導かれる所望出力電圧を生じさせる。
【0110】
両方のケース(図7と図8)とも、第3のクロックカウンタ31とNANDポート32が出力電圧の所望されるデューティサイクルを管理する。トランジスタT2 36とT3 37は出力段として使用される。
【0111】
図9で分かるように、第3の考えられる概念は多くの改善された特長を使用する。これらの特別な機能性は以下のとおりである。
【0112】
1)電源の代わりの電流源
2)以下で使用される電流検出器
−確認装置が正しく作動したかどうかをチェックするための制御機構
−望ましくない高電子ショックを回避するための安全性機構
3)プログラム可能なパルスパターン
4)プログラム可能な電流強度
【0113】
メモリの異なる部分を説明している図10とともに図9から分かるように、パルス発生器6は、8ビットのアドレスバス17の第1の端部に、および16ビットのデータバス18の第1の端部に接続されるメモリ11を備える。8ビットのアドレスバス17の、および16ビットのデータバスの第2の端部はコントローラ19に接続される。コントローラは、アンテナ4に接続される受信機4’であるコイルインタフェースに接続されている。
【0114】
コントローラ19は、第1のクロックカウンタ20のリセット入力に接続される。第1のカウンタ20のクロック入力は、分配器21を介してクロック33自体に接続される。第1のクロックカウンタ20の出力は、コンパレータ22の第1の入力に接続される。コンパレータ22の第2の入力は、16ビットのデータバス18にも接続される。コンパレータ22の出力はANDゲート23の第1の入力に接続される。ANDゲート23の他の入力は、アドレスバスのA7に接続される。ANDゲート23の出力は、その順序で、直列で設置されている第1の単安定マルチバイブレータ50に、および第2の単安定マルチバイブレータ51に接続されている。第2の単安定マルチバイブレータ51の出力はパルス整形器42の第1の入力に、およびANDゲート26に接続される。
【0115】
8ビットデータバス17は、そのクロック入力がクロック33に直接的に接続されている第2のクロックカウンタ27に接続される。
【0116】
パルス整形器42の第2の入力もクロックに直接的に接続される。
【0117】
デジタル−アナログ変換器「DAC」43だけではなく、単安定マルチバイブレータ51、パルス整形器42、8ビットデータバス17と16ビットデータバス18に接続される。
【0118】
デジタル−アナログ変換器「DAC」43は、抵抗器48に、およびコンデンサ電荷ポンプ回路41の出力に接続される電圧制御済み電流源(VCCS)45に接続される。
【0119】
演算増幅器47の2つの入力は抵抗器48の2つの側と接続されている。演算増幅器47の出力はシュミットトリガ44を介してRSフリップフロップ46の設定入力に、およびサンプル保持機能「S/H」49の入力に接続される。RSフリップフロップ46のネゲートされる出力はANDゲート26の第2の入力に接続される。ANDゲート26の出力はコンデンサ電荷ポンプ回路41の実行入力に接続される。
【0120】
電源2は電力制御装置40に接続される。電力制御装置40の入力は出力電圧に接続される。
【0121】
Vsen29は、容量電荷ポンプ41の出力電圧を調節するための電圧調節器であり、容量電荷ポンプ41に接続されている。
【0122】
サンプル保持機能「S/H」49の出力はメモリとデータ線D15で通信している。リセット入力は、第2の単安定マルチバイブレータ51の出力と接続される。
【0123】
電圧制御済みの電流源VCCS 45の電流はトランジスタT2 36を通って流れる。トランジスタT3 37は、トランジスタT2 36とともに電流ミラーを形成する。その結果として、同じ強度の電流が、トランジスタT3 37を通してのようにトランジスタT2 36を通って、および皮膚を通る身体接点7を介して流れる。
【0124】
パルス整形器の出力はトランジスタT1 35のゲートに接続される。トランジスタT1 35は、パルス整形器によって決定されるように出力電流をオンとオフに切り替える。このため、T1 35のソースはトランジスタT2 36とT3 37のゲートに接続される。
【0125】
第1のフェーズでは、ASIC(特定用途向け集積回路)のメモリ11がプログラミングされる。活性化の時点はここで記録される。使用される技術はRFIDタグ(無線周波数識別タグ)をプログラミングするための技術と同一である。本発明による通信装置をプログラミングするために必要とされるエネルギーは、誘導結合によってプログラミング装置(ベースユニット)によって送達される。メモリ11は、特にASICの生産プロセスのあいだに、またはプログラミング装置(ベースユニット)による送達のあいだの後のフェーズで(事前に)プログラミングできる。このプログラミングデバイス(ベースユニット)のハードウェアは、RFIDプログラマのハードウェアに類似している。プログラミングのユーザフレンドリな方法を提供するソフトウェアは、既定の時点を使用してメモリ11に記憶されるデータを計算する。
【0126】
ASICは、貼付剤が最初に使用される瞬間に稼動されるにすぎない。これは、使用されていないときに電力消費を最小に保つために行われる。ASICの起動は、ASICのブロック「電力制御装置」40によって管理される。ASICの起動は、皮膚の上に最初に付けられた瞬間に、動作中のASICをトリガする小さな漏れ電流が生じるという原理に基づいている。
【0127】
いったんASICが開始すると、第1のクロックカウンタ20と第2のクロックカウンタ27がカウントを開始する。第1のクロックカウンタ20はバイナリ8ビットカウンタであり、32768Hzという周波数でカウントする。第2のクロックカウンタ27は、すべてのメモリロケーション(256)が順次読み出されることを確実にする。
【0128】
MMV1(ワンショット単安定マルチバイブレータ)50は、該256個の値の内の1つが第1のクロックカウンタ20の値に等しく、A7が高いときに設定される。D15は、確認装置が正しく作動したかどうかを示す検証ビットを記憶するために使用されるため、データバス17のD0からD14だけが考慮に入れられる。前述の単安定マルチバイブレータ50は、第1のクロックカウンタ20の値と該256個のメモリロケーション(D0からD14およびA7)の内の1つのコンテンツが厳密に一致するあいだに、出力が複数回設定されるのを防ぐ。したがって、単安定マルチバイブレータ50MMV1が設定される持続時間は第1のクロックカウンタ20のクロック期間よりもわずかに長くなければならない。A7は、識別子、電流強度、パルス長、パルスデューティサイクル、バースト長、バーストデューティサイクル、活性化長、アンテナ不活動時間、クロック補正率等であるが、これらに限定されない追加データのために確保されるメモリロケーションの半分を抑制する(図10を参照すること)。
【0129】
単安定マルチバイブレータ51 MMV2(ワンショット単安定マルチバイブレータ)の設定時間は、前記単安定マルチバイブレータMMV2 51がアドレスバス18とデータバス17に接続されるために、容易にプログラミングできる。特定のアドレスでは、前記単安定マルチバイブレータMMV2 51の内蔵レジスタに、その特定のアドレスでのメモリロケーションのコンテンツに一致するデータがロードされる。この形態では、設定時間は20秒である。つまり、前記単安定マルチバイブレータMMV2 51は、それが最初に設定されてから20秒後にリセットされる。
【0130】
前記単安定マルチバイブレータMMV2 51の出力は、活性化信号であり、パルス整形器42に接続されている。前記パルス整形器42は、前記単安定マルチバイブレータMMV2 51に使用されるのと同一の方法でプログラミングできる。
【0131】
前記パルス整形器42は、パルスのパターンを作り出し、第1のトランジスタT1 35のゲートに接続される。
【0132】
VCCS45(電圧制御済み電流源)、DAC(デジタル/アナログ変換器)43、第2のトランジスタT2 36および第3のトランジスタT3 37はプログラマブル電流源を形成する。前記第2のトランジスタ36と第3のトランジスタ37は電流ミラーである。電流強度は前記VCCSによって設定される。前記VCCSは前記DAC43によって設定される。前記DAC43は前記単安定マルチバイブレータMMV2 51と前記パルス整形器42のために使用されるのと同一の方法でプログラミングできる。
【0133】
コンデンサ電荷ポンプ回路41が活性化信号で実行され、RSフリップフロップ「FF」46が設定されないとき、前記コンデンサ電荷ポンプ回路41は前記VCCS45にコンプライアンス電圧を与える。
【0134】
活性化信号が存在する場合、パルス整形器42が、プログラミングされたパルスパターンによって決定されるように第1のトランジスタ35をオンとオフで切り替える。
【0135】
出力電流は抵抗器「R」48を通って、および皮膚を通る身体接点を介して流れる。
【0136】
前記抵抗器48を横切る電圧は演算増幅器「A」47の差動入力で供給される。
【0137】
前記演算増幅器47の出力電圧はサンプル保持機能「S/H」49によって導かれ、調整される。前記サンプル保持機能49は、確認装置が正しく作動した(電流が活性化中に流れた)かどうかの情報を記憶する。前記サンプル保持機能49は、活性化信号が存在する限り該情報を保持する。この活性化時間中、前記サンプル保持機能49の値は転送され、第1のクロックカウンタ20によってその瞬間に指されたメモリロケーションのD15で記憶される。その結果、後に、確認装置が活性化の特定の時点について正しく作動したかどうかを検証できる。
【0138】
前記演算増幅器47の出力電圧もシュミットトリガに導かれる。前記シュミットトリガ44は、望ましくない高い電流出力を回避するために、RSフリップフロップ46とともに、電子ヒューズ、したがって電流制限器の機能を果たす。前記RSフリップフロップ46が設定されているとき、前記RSフリップフロップ46の無効出力は低い。これがコンデンサ電荷ポンプ回路41の実行を阻止する。ASIC起動時に前記RSフリップフロップ46が設定されていないことは明らかである。
【0139】
図11で分かるように、本発明による確認システム13はベースユニット12と少なくとも1台の確認装置14を備える。PCB装置の形を取る確認装置14は、パルス発生器6を備えるサポート要素を備え、パルス発生器6は受信機4’と処理装置10を備える。処理装置10はメモリ11を備える。パルス発生器6は電源2に、および身体接点5に接続される。さらに、アンテナ4は確認装置14の中に統合され、アンテナ4は受信機4’に直接的に接続されている。前述されたように、確認装置は、医師によって、薬剤師によって、患者によって、看護師によってプログラミングすることが可能である、あるいはそれはたとえば、所定の回数または時間間隔で投与される必要のある薬物とともに販売されるとき等、製造中にハードコーディングによって(事前に)プログラミングできる。したがってベースユニットが確認装置14にデータ信号(a)(第2の信号)を送信する。該信号(a)は、他の情報の中で、一連のパルスをどの時点で発生させなければならないのかに関するデータを備える。第2の信号(a)はアンテナ4によって受信され、受信機4’に送信される。受信機はそれをメモリ11に記憶するためにその順番で信号を処理装置10に送信する。必要とされるときには、本書では第1の信号(b)とも呼ばれる活性化信号がパルス発生器6に送信される。パルス発生器6が活性化信号(b)を受信すると、電流が電源2から取り出され、一連のパルス(c)(警戒警報信号とも呼ぶことができる)がパルス発生器6によって発生する。該一連のパルスは、本発明にしたがって確認装置(貼付剤)14の着用者の皮膚(S)に前記一連のパルスを伝達するために身体接点7に送信される。
【0140】
したがって、患者、子供、老人、犬、人間等は該一連のパルス(c)を自分の皮膚(S)で感知し、自分に何かすること、服用するもの等があることを認識するであろう。
【0141】
図12では、確認システムは、さらに少なくとも1つのバイオセンサ16を備える。確認システムが、同じタイプまたは別のタイプである場合がある一連のバイオセンサを備えることは有利である場合がある。特に1つのパラメータの値を確認する、または相互に関連付けるためには2個または3個以上の異なるパラメータを測定することが好ましいことがある。ナノチップ等である場合があるバイオセンサは、皮膚を通る血液の中の溶解酸素、皮膚のpH、たんぱく質レベル、ブドウ糖レベル、動脈圧、酵素含有量、皮膚の抵抗、皮膚の導電率等の生物学的、化学的、または物理的なパラメータを測定できる。バイオセンサは生物学的、化学的または物理的なパラメータを連続して測定できる、あるいはそれはメモリに記憶されている所定の間隔でそれらを測定できる。該所定の間隔はたとえば、薬が服用されなければならないことを示す一連のパルスが発生してから30分または1時間である場合がある。これは、薬の影響を表すパラメータを有するために有利である場合がある。したがって、処理装置はそれを起動するためのバイオセンサに起動信号(d)を送信する。バイオセンサはパラメータを測定する。処理装置はパラメータデータをメモリに送信する。パラメータデータの抽出は携帯用コンピュータ、ベースユニット、ネットワークのサーバ等を用いて医師によって、看護師によって、患者によって、実行できる。
【0142】
特定の実施形態では、メモリに記憶されているパラメータが、一連のパルス(c)を身体接点7に、皮膚(S)に伝達させることになる活性化信号(b)を発生させるために使用できる。このような応用の例は車のドライバーの目が覚めた/眠っている状態の測定である。ドライバーが運転中に眠りに落ちると、一連のパルスが警告を出し、ドライバーを目覚めさせる。
【0143】
図13は、確認装置が少なくとも1つの記録手段15を備える実施形態を描く。記録手段15は、処理装置を介して確認データを送信し、それをメモリの中に記憶するために設けられる。確認データは、一連のパルスが事実上発生した時間、および一連のパルスが事実上皮膚に伝達されたかどうか、あるいはどの一連のパルスが発生したのかに関する。記録手段は、事実上、電流の流れ、電流の形状、信号の周波数、パルス幅、パルス期間、パルス形状、時間、時間の間隔等を検出できるあらゆる手段である。実際に、一連のパルスが実際に発生したこと、一連のパルスが発生した時間、一連のパルスが実際に皮膚に伝達されたかどうか、あるいはどの一連のパルスが発生したのかを確認するために有用である任意のデータを記憶するために適したあらゆる手段である。
【0144】
このような確認装置の他の優位点は以下に示される。確認装置はユーザフレンドリであり、初期化および初めての使用は普通の成人が容易に理解できるものでなければならない。確認装置は十分な保護を有さなければならない。特に確認装置の保護持続時間は好ましくは薬の有効期限の関数であろう。また、確認装置はさらに所望されるときに取り外し自在でなければならない。ユーザサイクルの最後に、または任意の他の所望される瞬間に、貼付剤は容易に取り除くことができなければならない。確認装置の別の特性は、それが石鹸水の中で耐久性がなければならないという点である。実際的な理由から、石鹸水は装置に損傷を与えても、装置を皮膚から離してもならない。追加の特徴は、確認装置が好ましくは患者の代わりをするアシスタントによって利用可能である点である。アシスタントは、これが状況を考えて好ましい場合に患者の代わりとなることがある。たとえば、親は子供の薬を正しく投与するためにそれを自身の体に付けることができる、あるいは高齢者のヘルパーは自分の老齢の患者の代わりにそれを使用できる。
【0145】
さらに、ベースユニットは、一意の識別子を用いて複数の確認装置をプログラミングできる。これらの一意の識別子は同じ病院内の複数の貼付剤に含まれるデータを記憶するであろう中央システムによって使用されてよい。たとえば、各患者が生物学的、化学的または物理的なパラメータの値を測定し、処理装置に送信するためにバイオセンサまたはナノチップを備える貼付剤を着用する前述の変形では、確認装置は、RFで、またはブルーツースで中央システムに、またはベースユニットに無線でパラメータを送信するために提供できる。各確認装置のパラメータはその一意の識別子に起因する混乱のためのリスクなしに中央システムに送信できる。たとえば、パラメータが医師によってアクセス可能である中央装置に送信される場合、医師は患者のコンプライアンスをチェックし、薬の時宜を得た投与を検証し、あるいは特定の治療の利点をチェックできる。
【0146】
さらに、確認システムはベースユニット、中央確認装置、および二次確認装置を備えることがある。ベースユニットはたとえば病院の部門で医師の命令にしたがって中央確認装置をプログラミングするために提供される。中央通信装置は、それを着用している看護師に対する複数の異なる一連のパルスを発生させるために提供でき、それぞれの患者は特定の一連のパルスに対応する。それぞれの二次確認装置は、好ましくは、生物学的、化学的、また物理的なパラメータを測定するため、および処理装置に送信するためにバイオセンサまたはナノチップを備える。確認装置は、患者のコンプライアンスのチェックのために、薬の時宜を得た投与の検証のために、あるいは特定の治療の利点をチェックするために、たとえばRFで、またはブルーツース等の無線で中央システムにそれらを送信するために提供できる。
【0147】
本発明はここでは薬物治療の関連で好ましい使用について説明されてきた。言うまでもなく、本発明は、予約を思い出させるため、赤ちゃんに食べ物を与える直前に母親を目覚めさせるため、運転者が眠りに落ちるのを回避するため等、多くのさまざまな状況で使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の皮膚の上に設置されるために提供される、可撓性があり、貼付剤の形に構成された確認装置を使用して、人に所定時間の経過を報知する方法であって、
前記確認装置は、
一連の身体接点(7)、
該一連の身体接点(7)に接続され、活性化信号(b)の受信時に一連の電気パルス(c)を発生するため、および該一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送信するために設けられると共に、前記所定時間であってその経過時に前記活性化信号(b)が発生されるべき時間を示すデータを含むデータ信号(a)を記憶するために設計されているメモリ(11)、クロックカウンタ、およびコンパレータを少なくとも備えた処理装置(10)をさらに備えたパルス発生器(6)、および
該パルス発生器(6)に接続される電源(2)を含む
サポート要素(3)を含み、
前記一連の身体接点(7)が人の皮膚に接触するように前記確認装置を人の皮膚の上に設置するステップ、
前記クロックカウンタがカウントを始めるときに前記処理装置(10)を作動状態にするステップ、
前記コンパレータに、前記クロックカウンタの出力と前記データ信号(a)とを比較させるステップ、
前記クロックカウンタの出力と前記データ信号(a)が等しいときに、前記処理装置(10)に、前記活性化信号(b)を発生させ前記パルス発生器(6)に送らせるステップ、および
前記確認装置が人の皮膚の上に設けられているあいだに、前記パルス発生器(6)に、前記活性化信号(b)を受けることによって前記一連の電気パルス(c)を発生させ、前記一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送らせるステップ、を含む
所定時間の経過を報知する方法。
【請求項2】
前記データ信号(a)は、前記確認装置の製造中に前記メモリ(11)にハードコーディングされる請求項1記載の報知方法。
【請求項3】
前記確認装置が受信アンテナ(4)または受信機(4’)をさらに含み、無線送信機であるベースユニットを使用して、前記データ信号(a)を前記メモリ(11)に無線送信するステップをさらに含む請求項1記載の報知方法。
【請求項4】
前記確認装置がライナ(8)および接着剤(9)をさらに含んでおり、人の皮膚に前記接着剤(9)によって前記確認装置を付ける直前に、前記ライナ(8)を取り除くステップをさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項5】
前記接着剤の層が従来の経皮的療法で通常使用される活性物質を含むか、または前記確認装置が、薬物が吸収される膜である領域をさらに備え、前記確認装置が経皮的貼付剤として、および患者に前記経皮的貼付剤を取るまたは交換することを思い出させるために使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項6】
患者の皮膚の上に経皮的貼付剤を設けるステップをさらに含み、前記確認装置が患者に前記経皮的貼付剤を取り除くか交換することを思い出させるために使用される請求項1〜5のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項7】
前記確認装置が生物学的、化学的および/または物理的なデータを測定するために設けられるバイオセンサまたはナノチップをさらに備えており、前記データを前記メモリ(11)に送信するステップをさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項8】
最初に人の皮膚に付けた瞬間に、前記処理装置(10)の作動のきっかけとなる小さな漏れ電流が生じるという原理に基づいて、前記処理装置(10)を作動状態にするステップをさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項9】
前記確認装置が確認データを記憶し前記メモリ(11)に送信するために設けられる記録手段をさらに備えており、確認データを記憶し、前記メモリ(11)に送信するステップをさらに含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項10】
前記パルス発生器(6)が前記一連の電気パルス(c)を発生するための電圧源を含んでおり、前記パルス発生器(6)に、20Vdcから150Vdcの範囲の電圧を有する前記一連の電気パルス(c)を発生させるステップをさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項11】
前記パルス発生器(6)が前記一連の電気パルス(c)を発生するための電流源を含んでおり、前記パルス発生器(6)に、1mAdcから150mAdcの範囲の強度を有する前記一連の電気パルスを発生させるステップをさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項12】
前記電気パルス(c)が、1μsと10msのあいだのパルス幅を有し、パルスの期間が1μsから10sの範囲となる請求項1〜11のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項13】
前記一連の電気パルス(c)が複数のバーストを含み、それぞれのバーストが電気パルスの集合を備え、前記バーストが電気パルスのない期間により互いから分離される請求項1〜12のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項14】
前記確認装置がLAN(ローカルエリアネットワーク)またはBAN(ボディエリアネットワーク)の一部であり、前記確認装置と前記LANまたはBANとの間でデータを送受するステップをさらに含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項15】
投薬、投薬の停止、および貼付剤の交換のうちの1つまたはそれ以上を時宜を得て行うために所定時間の前記経過が指示される、薬物療法への使用のための請求項1〜14のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項16】
患者のコンプライアンスを改善および/または検証するために薬物療法に使用する請求項1〜14のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項17】
人に、特に予約を、思い出させるための請求項1〜14のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項18】
人を目覚めさせるための請求項1〜14のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項19】
人に警告するための請求項1〜14のいずれか1項に記載の報知方法。
【請求項20】
人の皮膚の上に設置されるために提供される、可撓性があり、貼付剤の形に構成された電気通信装置を使用して、人に、生物学的、化学的、または物理的なパラメータを報知する方法であって、
前記電気通信装置は、
一連の身体接点(7)、
該一連の身体接点(7)に接続され、活性化信号(b)の受信時に一連の電気パルス(c)を発生するため、および該一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送信するために設けられると共に、前記生物学的、化学的または物理的なパラメータの正常値を含むデータ信号(a)を記憶するために設計されているメモリ(11)およびコンパレータを少なくとも備えている処理装置(10)をさらに備えたパルス発生器(6)、
前記処理装置(10)に、生物学的、化学的、または物理的なパラメータを含む信号を送るために設けられたバイオセンサまたはナノチップ、および
前記パルス発生器(6)に接続される電源(2)を含む
サポート要素(3)を含み、
前記一連の身体接点(7)が人の皮膚に接触するように前記電気通信装置を人の皮膚の上に設置するステップ、
前記処理装置(10)を作動状態にするステップ、
前記コンパレータに、前記バイオセンサまたはナノチップの出力と前記データ信号(a)とを比較させるステップ、
前記バイオセンサまたはナノチップの前記出力が、前記データ信号(a)と類似する、またはその許容値の範囲内にある、または、
前記バイオセンサまたはナノチップの前記出力が、前記データ信号(a)と異なる、またはその許容値の範囲外にある、いずれかのときに、
前記処理装置(10)に、前記活性化信号(b)を発生させ前記パルス発生器(6)に送らせるステップ、および
前記電気通信装置が人の皮膚の上に設けられているあいだに、前記パルス発生器(6)に、前記活性化信号(b)を受けることによって前記一連の電気パルス(c)を発生させ、前記一連の電気パルス(c)を前記一連の身体接点(7)に送らせるステップ、を含む
生物学的、化学的、または物理的なパラメータを報知する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−180348(P2012−180348A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52019(P2012−52019)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2007−513936(P2007−513936)の分割
【原出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506394511)
【出願人】(506394500)
【Fターム(参考)】