説明

人位置検索システム

【課題】命の危険が迫っている人の位置を特定することができる人位置検索システムを提供する。
【解決手段】本発明の人位置検索システム10は、複数の基地局30で測定した電波の送信から受信までの所要時間より、ユーザが身に付けているセンサ端末20の位置を特定し、特定した位置に、センサ端末20から送信されたユーザの生体情報を対応付けて管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ端末を身に付けた人の位置を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、GPS(Global Positioning System)受信機と送信機とを有する端末であって、緊急時に端末の位置情報を管理センタに送信する技術が開示されている。この技術では、端末の所有者が緊急ボタンを押した場合や、振動センサで異常を検出した場合に、緊急時と判定して端末の位置情報を管理センタに送信する。
【0003】
また、下記の特許文献2には、電波の強度と距離の関係を示すテーブルを予め保持し、3つの基地局で受信した電波の強度と各基地局の位置から電波の発信源の位置を求める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−32562号公報
【特許文献2】特開2005−164248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大災害が発生した場合には多数の被災者を一刻も早く救出する必要があるが、瓦礫の下の被災者がどこにいるのか分からない場合が多い。ここで、特許文献1のようなGPS内蔵通信機を被災者が所持していた場合には、その通信機から発信された位置情報に基づいて被災者の捜索が可能であるが、GPSを内蔵した通信機は常時身に付けるには大きすぎるため、災害が発生した場合に被災者の手元にあるとは限らない。
【0006】
また、救助活動を行う者の人数も設備の数も限られているため、被災者が多数いる場合には、命の危険が迫っている被災者を優先的に救出する必要がある。しかし、上記特許文献1や2の技術を用いても、被災者の位置は分かるものの、被災者の健康状態についてまでは知ることができない。そのため、救助の優先順位を立てることができない。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、命の危険が迫っている人の位置を特定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、複数のセンサ端末と、当該センサ端末が収集した生体情報を受信する3台以上の複数の基地局と、各基地局が受信したセンサ情報を収集するサーバとを備える人位置検索しステムであって、
それぞれの前記センサ端末は、
ユーザの健康状態を示す生体情報を取得するセンサと、
前記基地局から生体情報要求を受信した場合に、当該センサ端末のユーザを識別するユーザIDおよび前記センサによって取得されたユーザの生体情報を含む生体情報応答を、前記基地局へ送信する端末側送受信部と
を有し、
ぞれぞれの前記基地局は、
前記生体情報要求を送信し、前記センサ端末から前記生体情報応答を受信する基地局側送受信部と、
前記基地局側送受信部が、前記生体情報要求を送信してから前記生体情報応答を受信するまでの所要時間に基づいて、当該生体情報応答の送信元のセンサ端末から自局までの距離を算出する距離算出部と、
前記生体情報応答に含まれているユーザIDおよび生体情報、前記距離算出部によって算出された距離を示す距離情報、ならびに、自局を識別する基地局IDを含む端末情報を前記サーバへ送信する端末情報送信部と
を有し、
前記サーバは、
それぞれの前記センサ端末のユーザのユーザID毎に、当該センサ端末の位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記基地局ID、前記距離情報、および前記生体情報を対応付けて保持する端末情報テーブルを、前記ユーザID毎に保持する端末情報保持部と、
ぞれぞれの前記基地局の基地局IDに対応付けて、当該基地局の位置を示す位置情報を保持する基地局情報保持部と、
それぞれの前記基地局から前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応付けられている端末情報テーブルを前記端末情報保持部内で特定し、特定した端末情報テーブル内に、当該端末情報に含まれている基地局ID、距離情報、および生体情報を対応付けて登録する端末情報受信部と、
それぞれのユーザID毎に前記端末情報保持部内の端末情報テーブルを参照し、3つ以上の基地局IDのそれぞれに対応付けられて距離情報が登録されている場合に、それぞれの基地局IDに対応する基地局の位置情報を前記基地局情報保持部から抽出し、それぞれの前記距離情報およびそれぞれの前記基地局の位置情報を用いて、当該ユーザIDに対応するセンサ端末の位置を算出し、算出した位置を示す位置情報を、当該ユーザIDに対応付けて前記位置情報保持部に登録する端末位置算出部と、
外部から指示を受け付けた場合に、前記位置情報保持部および前記端末情報保持部を参照して、ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応するユーザの生体情報および当該ユーザのセンサ端末の位置を示す情報を出力する出力部と
を有することを特徴とする人位置検索システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の人位置検索システムによれば、命の危険が迫っている人の位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る人位置検索システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】センサ端末20の外観の一例を示す概念図である。
【図3】センサ端末本体22の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】生体情報応答50のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】基地局30の外観の一例を示す概念図である。
【図6】基地局本体33の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】センサ端末20と基地局30との間の距離の測定方法を説明するための説明図である。
【図8】基地局30からセンサ端末20までの距離の測定誤差60を説明するための概念図である。
【図9】端末情報70のデータ構造の一例を示す図である。
【図10】サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図11】基地局情報保持部42が保持するデータの構造の一例を示す図である。
【図12】端末情報保持部43が保持するデータの構造の一例を示す図である。
【図13】位置情報保持部47が保持するデータの構造の一例を示す図である。
【図14】センサ端末20の位置の特定方法を説明するための説明図である。
【図15】センサ端末20の位置の特定方法を説明するための説明図である。
【図16】センサ端末20の位置の特定方法を説明するための説明図である。
【図17】センサ端末20の位置の表示方法の一例を示す概念図である。
【図18】センサ端末20のユーザの脈拍の表示方法の一例を示す概念図である。
【図19】センサ端末20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図20】基地局30の動作の一例を示すフローチャートである。
【図21】サーバ40による位置情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】サーバ40による位置情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図23】センサ端末本体22の機能構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る人位置検索システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。人位置検索システム10は、複数のセンサ端末20、3台以上の複数の基地局30、およびサーバ40を備える。各センサ端末20と、各基地局30とは、無線通信によりデータを送受信する。また、各基地局30は、LAN等のネットワーク11に接続され、当該ネットワーク11を介してサーバ40と通信する。
【0013】
それぞれのセンサ端末20は、ユーザである被災者に装着され、当該被災者の健康状態を示す生体情報を測定する。そして、センサ端末20は、基地局30から生体情報要求を受信した場合に、当該ユーザの識別情報および当該ユーザの生体情報を含む生体情報応答を基地局30に返信する。
【0014】
それぞれの基地局30は、所定のタイミングで生体情報要求を送信し、生体情報応答をセンサ端末20から受信した場合に、生体情報要求を送信してから当該生体情報応答を受信するまでの所要時間に基づいて、自局から当該生体情報応答の送信元のセンサ端末20までの距離を算出する。そして、基地局30は、算出した距離を示す距離情報、自局の位置情報、ならびに、当該生体情報応答に含まれている生体情報およびユーザの識別情報等を含む端末情報を、ネットワーク11を介してサーバ40へ送信する。
【0015】
サーバ40は、各基地局30からネットワーク11を介して端末情報を随時受信し、当該端末情報に含まれている情報を保持する。そして、サーバ40は、それぞれのセンサ端末20について、3台以上の基地局30によって測定された距離と、これらの基地局30の位置情報とを用いて、センサ端末20の位置を算出する。そして、サーバ40のユーザ(例えば救助隊員等)から位置情報の出力を要求された場合に、各センサ端末20の位置情報を、当該センサ端末20のユーザの生体情報に関連付けて出力する。
【0016】
図2は、センサ端末20の外観の一例を示す概念図である。図2(a)はセンサ端末20の表側を示しており、図2(b)はセンサ端末20の裏側を示している。本実施形態において、センサ端末20は、例えば腕時計型であり、ベルト21およびセンサ端末本体22を有する。センサ端末本体22の裏側(即ち、ユーザの腕に装着された場合にユーザの腕に密着する側)には、脈拍センサ23が設けられている。本実施形態において、センサ端末20は、ユーザの健康状態を示す生体情報として脈拍を測定する。
【0017】
図3は、センサ端末本体22の機能構成の一例を示すブロック図である。センサ端末本体22は、脈拍センサ23、ユーザ情報保持部220、端末側送受信部221、およびアンテナ222を有する。本実施形態において、センサ端末本体22は、例えば、予め内蔵された電池により駆動するアクティブ方式のRFID(Radio Frequency IDentification)である。
【0018】
ユーザ情報保持部220は、センサ端末20のユーザを識別するユーザIDおよび当該ユーザのユーザ名を予め保持している。なお、ユーザ情報保持部220は、ユーザの緊急連絡先や血液型など、ユーザの個人情報も予め保持していてもよい。
【0019】
脈拍センサ23は、定期的(例えば1分毎)にユーザの脈拍を測定し、測定結果を端末側送受信部221に通知する。端末側送受信部221は、アンテナ222を介して、基地局30から生体情報要求を受信した場合に、ユーザ情報保持部220からユーザIDおよびユーザ名を読み出す。そして、端末側送受信部221は、生体情報応答を作成し、作成した生体情報応答を、アンテナ222を介して基地局30へ送信する。
【0020】
生体情報応答50には、例えば図4に示すように、宛先アドレスや送信元アドレス等が格納されるヘッダ51、ユーザ情報保持部220から読み出されたユーザID52、ユーザ情報保持部220から読み出されたユーザ名53、脈拍センサ23によって測定された最新の脈拍を示す脈拍情報54、および生体情報応答50のエラー訂正に用いられるFCS55が含まれる。
【0021】
図5は、基地局30の外観の一例を示す概念図である。基地局30は、アンテナ31、アンテナ32、および基地局本体33を有する。基地局30は、持ち運ぶことができ、設置場所において架台34の上に取り付けられ、ケーブル35を介してネットワーク11に接続される。
【0022】
基地局30は、所定の強度で電波が到達する範囲36において、生体情報要求を無線送信し、当該範囲36内のセンサ端末20から生体情報応答を受信した場合に、当該センサ端末20との間の距離を測定する。なお、本実施形態において、基地局30は、ケーブル35を介してネットワーク11に接続されるが、ケーブル35を介さずに、ネットワーク11に設けられたアクセスポイント等との無線通信によりネットワーク11に接続してもよい。
【0023】
図6は、基地局本体33の機能構成の一例を示すブロック図である。基地局本体33は、基地局側送受信部330、距離算出部331、端末情報送信部332、タイミング生成部333、基地局情報保持部334、GPS受信部335、および基地局位置算出部336を有する。
【0024】
基地局情報保持部334は、自局を識別する基地局ID、および、自局の位置を示す位置情報を保持する。基地局情報保持部334内の基地局IDは予め登録され、基地局情報保持部334内の位置情報は基地局位置算出部336によって算出されて登録される。
【0025】
GPS受信部335は、基地局本体33に設けられたスイッチ等を介して、ユーザ(例えば救助隊員等)によって電源が投入された場合に、測地衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号を基地局位置算出部336へ送る。基地局位置算出部336は、GPS受信部335から受け取ったGPS信号に基づいて、基地局本体33の位置を算出し、算出した位置を示す位置情報を基地局情報保持部334に登録する。
【0026】
タイミング生成部333は、所定のタイミングで(例えば1分毎に)、基地局側送受信部330および距離算出部331に生体情報要求の送信タイミングを指示する。基地局側送受信部330は、タイミング生成部333から指示されたタイミングで、生体情報要求をアンテナ31を介して無線送信する。そして、センサ端末20から生体情報応答を受信した場合、基地局側送受信部330は、当該生体情報応答を受信したタイミングを示す情報と共に、受信した生体情報応答を距離算出部331へ送る。
【0027】
距離算出部331は、タイミング生成部333から指示された送信タイミングと、基地局側送受信部330から受け取った生体情報応答の受信タイミングとを用いて、自局と当該生体情報応答の送信元のセンサ端末20との間の距離を算出し、算出した距離を示す距離情報を、基地局側送受信部330から受け取った生体情報応答の受信タイミング、および、基地局側送受信部330から受け取った生体情報と共に、端末情報送信部332へ送る。
【0028】
例えば、図7に示すように、センサ端末20と基地局30との間の電波の伝搬に要する時間をtm、生体情報要求を受信してから生体情報応答の送信を開始するまでのセンサ端末20の処理時間をt、センサ端末20の内部クロックのタイミングに起因する遅延をΔt2、基地局30の内部クロックのタイミングに起因する遅延をΔt1とすると、センサ端末20と基地局30の間の距離Lは、Δt1+Δt2をΔtとし、高速をcとすると、下記の(1)式で表わされる。
L/c=tm
ΔT=tm+t+Δt2+tm+Δt1
=2tm+t+Δt
L=0.5c×(ΔT−t−Δt) ・・・(1)
【0029】
なお、処理時間tは、予め測定されて各基地局30に格納される。また、センサ端末20および基地局30がそれぞれ100MHzの内部クロックで動作する場合、1クロック周期は10ナノ秒なので、Δt1およびΔt2は、それぞれ最大で10ナノ秒となる。そのため、センサ端末20および基地局30がそれぞれ100MHzの内部クロックで動作する場合、Δtは最大で20ナノ秒となり、Lには最大で3mの測定誤差が含まれる。
【0030】
従って、距離算出部331によって算出された距離には、図8に示すように、センサ端末20および基地局30の内部クロックのタイミングに起因する遅延により、センサ端末20および基地局30のそれぞれの内部クロックの周波数に応じて、測定誤差60が含まれることになる。
【0031】
端末情報送信部332は、距離算出部331から、距離情報、生体情報応答の受信タイミング、および生体情報を受け取った場合に、基地局IDおよび位置情報を基地局情報保持部334から読み出して、例えば図9に示すようなデータ構造の端末情報70を作成し、作成した端末情報70をケーブル35およびネットワーク11を介してサーバ40へ送る。
【0032】
端末情報70には、図9に示すように、宛先アドレスや送信元アドレス等が格納されるヘッダ71と、基地局情報保持部334からから読み出された基地局ID72および位置情報73と、距離算出部331から受け取った距離情報74と、距離算出部331から受け取った生体情報応答に含まれているユーザID75、ユーザ名76、および脈拍情報77と、距離算出部331から受け取った生体情報応答の受信タイミングを示す受信時刻78と、端末情報70のエラー訂正に用いられるFCS79とが含まれる。
【0033】
図10は、サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバ40は、端末情報受信部41、基地局情報保持部42、端末情報保持部43、端末位置算出部44、地図情報取得部45、出力部46、および位置情報保持部47を有する。
【0034】
基地局情報保持部42は、例えば図11に示すように、それぞれの基地局30を識別する基地局ID420に対応付けて、当該基地局の位置を示す位置情報421を保持する。
【0035】
端末情報保持部43は、例えば図12に示すように、それぞれのユーザを識別するユーザID430毎に端末情報テーブル431を保持する。端末情報テーブル431は、基地局ID毎に当該基地局IDに対応する基地局30から送信された端末情報に含まれていた距離情報432、当該端末情報に含まれていた脈拍433、および、当該端末情報に含まれていた受信時刻434を保持する。
【0036】
位置情報保持部47は、例えば図13に示すように、それぞれのユーザを識別するユーザID470に対応付けて、当該ユーザのユーザ名471、当該ユーザが身に付けているセンサ端末20の位置を示す位置情報472、当該ユーザの脈拍情報473、および当該脈拍情報473を基地局30で受信した受信時刻474を保持する。
【0037】
図10に戻って説明を続ける。端末情報受信部41は、ネットワーク11を介して基地局30から、図9で説明した端末情報を受信した場合に、基地局情報保持部42を参照する。そして、端末情報受信部41は、当該端末情報に含まれている基地局IDが基地局情報保持部42に登録されていない場合、または、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けられて基地局情報保持部42に登録されている位置情報が、当該端末情報に含まれている位置情報と異なる場合に、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けて、当該端末情報に含まれている位置情報を基地局情報保持部42に登録する。
【0038】
また、ネットワーク11を介して基地局30から端末情報を受信した場合、端末情報受信部41は、位置情報保持部47を参照する。そして、端末情報受信部41は、当該端末情報に含まれているユーザIDが基地局情報保持部42に登録されていない場合に、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応付けて、当該端末情報に含まれているユーザ名を位置情報保持部47に登録する。
【0039】
また、ネットワーク11を介して基地局30から端末情報を受信した場合、端末情報受信部41は、端末情報保持部43を参照して、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応する端末情報テーブルが端末情報保持部43内に登録されているか否かを判定する。当該端末情報に含まれているユーザIDに対応する端末情報テーブルが端末情報保持部43に登録されていない場合、端末情報受信部41は、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応付けて端末情報テーブルを端末情報保持部43内に作成する。
【0040】
そして、端末情報受信部41は、受信した端末情報に含まれているユーザIDに対応する端末情報テーブルについて、当該端末情報に含まれている距離情報を、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けて登録し、図12に示すように、登録した距離情報と同じ行に、当該端末情報に含まれている脈拍情報および受信時刻を登録する。
【0041】
端末位置算出部44は、端末情報保持部43に距離情報等が登録された場合に、当該距離情報等が登録された端末情報テーブルを参照し、3つ以上の複数の基地局IDに距離情報が対応付けられて登録されているか否かを判定する。3つ以上の複数の基地局IDに距離情報が対応付けられて登録されている場合、端末位置算出部44は、各基地局IDについて、受信時刻に基づいて最新の距離情報を端末情報テーブルから抽出する。
【0042】
次に、端末位置算出部44は、抽出した距離情報に対応する基地局IDの基地局30の位置情報を、基地局情報保持部42からそれぞれ抽出する。そして、端末位置算出部44は、それぞれの基地局30の位置およびそれぞれの基地局30からの距離を用いて、当該端末情報テーブルに対応するユーザIDのユーザが身に付けているセンサ端末20の位置を算出する。
【0043】
ここで、センサ端末20および基地局30の内部クロックのタイミングに起因する遅延Δtが0であると仮定した場合、3台の基地局30それぞれからの距離と、それぞれの基地局30の位置が分かると、例えば図14に示すように、生体情報応答の送信元のセンサ端末20の位置は、それぞれの基地局30からの距離を示す円80の交点の地点81に推定することができる。
【0044】
しかし、実際にはセンサ端末20および基地局30の内部クロックのタイミングに起因する遅延Δtが0ではない。そのため、本実施形態では、3台の基地局30それぞれからの距離と、それぞれの基地局30の位置が分かった場合、例えば図15に示すように、生体情報応答の送信元のセンサ端末20の位置を、それぞれの誤差範囲82が重なる領域83内の地点に推定する。本実施形態において、端末位置算出部44は、例えば領域83の中心を、生体情報応答の送信元のセンサ端末20の位置として推定する。
【0045】
なお、生体情報応答の送信元のセンサ端末20までの距離を測定した基地局30が増えれば、例えば図16に示すように、それぞれの誤差範囲82が重なる領域84は、図15の領域83よりもさらに狭くなり、センサ端末20の位置の特定精度を高めることができる。
【0046】
端末位置算出部44は、センサ端末20の位置を算出した場合に、算出した位置を示す位置情報で、当該センサ端末20のユーザのユーザIDに対応付けて位置情報保持部47に登録されている位置情報を更新する。また、端末位置算出部44は、位置情報保持部47内の位置情報を更新した場合に、当該位置情報に対応付けられているユーザIDに対応する端末情報保持部43内の端末テーブルを参照して、最新の脈拍情報と受信時刻とを抽出し、抽出したこれらの情報で、当該ユーザIDに対応付けて位置情報保持部47に登録されている脈拍情報および受信時刻を更新する。
【0047】
地図情報取得部45は、出力部46から中心位置および表示範囲の情報を受け取った場合に、当該中心位置を中心として当該表示範囲が含まれる地図の情報を、地図情報を管理している外部のデータベースサーバから取得して出力部46に提供する。地図情報取得部45は、例えばネットワーク11や携帯電話網等を介して外部のデータベースサーバにアクセスして地図情報を取得する。なお、地図情報取得部45は、予め被災地周辺の地図情報を外部のデータベースから取得して保持していてもよい。
【0048】
出力部46は、マウスやキーボード等の入力装置49を介して、ユーザ(例えば救助隊員等)から、中心位置および表示範囲の情報を含む位置表示指示を受け付けた場合に、当該位置表示指示に含まれている中心位置および表示範囲の情報を地図情報取得部45へ送り、地図情報取得部45を介して地図情報を取得する。
【0049】
そして、出力部46は、位置情報保持部47を参照して、ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応付けられている位置情報が示す地図上の位置に、当該ユーザIDに対応付けられているユーザ名を含むアイコンをマッピングする。
【0050】
そして、出力部46は、ユーザID毎に位置情報保持部47を参照して、当該ユーザIDに対応付けられている脈拍情報の数値が、予め定められた第1の範囲(例えば10以上40未満の範囲)内のユーザについて、地図上にマッピングしたアイコンを、脈拍情報の数値が第1の範囲内にないユーザのアイコンとは異なる態様で地図上に表示する。
【0051】
例えば、図13の位置情報保持部47に示したように、ユーザIDが「U001」の「佐藤」さんの脈拍情報の数値が「60」であり、ユーザIDが「U003」の「斉藤」さんの脈拍情報の数値が「27」である場合、出力部46は、例えば図17に示すように、ユーザIDが「U001」の「佐藤」さんのアイコン91を非反転表示するのに対して、ユーザIDが「U003」の「斉藤」さんのアイコン92を反転表示する。これにより、ユーザである救助隊員等は、優先的に救出すべき被災者の位置を迅速に把握することができる。
【0052】
次に、出力部46は、ユーザID毎に位置情報保持部47を参照して、当該ユーザIDに対応付けられている脈拍情報の数値が、予め定められた第2の範囲(例えば0以上10未満の範囲)内のユーザについて、当該ユーザのアイコンを地図上から削除する。これにより、一刻を争う状態の被災者のアイコンを、より見やすく地図上に表示することができる。
【0053】
そして、出力部46は、例えば図17に示すように、アイコンがマッピングされた地図の画像90を、ディスプレイ等の出力装置48に表示する。なお、出力部46は、ユーザから指示された場合に、脈拍情報の数値が第2の範囲内のユーザのアイコンについても、地図上に残すようにしてもよい。ただし、この場合であっても、地図上に残したアイコンが、脈拍情報の数値が第2の範囲内のユーザのアイコンであることがわかるような表示とすることが好ましい。
【0054】
また、出力部46は、マウスやキーボード等の入力装置49を介して、ユーザ(例えば救助隊員等)から、地図上のアイコンの選択を受け付けた場合に、選択されたアイコンに対応するユーザIDを特定する。そして、出力部46は、端末情報保持部43を参照して、特定したユーザIDに対応付けられている脈拍情報を受信時刻と共に端末情報保持部43から抽出し、抽出した脈拍情報を、例えば図18に示すように時系列にグラフ化して出力装置48に表示する。これにより、各被災者の詳しい健康状態を把握することができ、救助計画の立案に役立てることができる。
【0055】
なお、上記のサーバ40は、演算装置(CPU)と、ROMやRAM等のメモリと、ハードディスク等の外部記憶装置と、ネットワークを介して他の装置と通信を行うための通信装置と、キーボードやボタン等の入力装置やモニタ等の出力装置との間でデータの送受信を行うインタフェースとを備えるコンピュータにより実現することができる。
【0056】
そして、サーバ40が有する、端末情報受信部41、端末位置算出部44、地図情報取得部45、および出力部46の各機能は、メモリ上にロードされた所定のプログラムをCPUが実行することにより実現される。また、基地局情報保持部42、端末情報保持部43、および位置情報保持部47内のデータは、RAM等のメモリに格納される。
【0057】
次に、センサ端末20の動作について説明する。図19は、センサ端末20の動作の一例を示すフローチャートである。センサ端末20は、例えば、ユーザに装着されて電源が投入された場合に本フローチャートに示す動作を開始する。
【0058】
まず、脈拍センサ23は、脈拍の測定タイミングか否かを判定する(S100)。脈拍センサ23は、例えば1分毎にユーザの脈拍を測定する。脈拍の測定タイミングである場合(S100:Yes)、脈拍センサ23は、ユーザの脈拍を測定し、測定結果を端末側送受信部221に通知し(S101)、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0059】
脈拍の測定タイミングではない場合(S100:No)、端末側送受信部221は、アンテナ222を介して基地局30から生体情報要求を受信したか否かを判定する(S102)。基地局30から生体情報要求を受信していない場合(S102:No)、脈拍センサ23は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0060】
基地局30から生体情報要求を受信した場合(S102:Yes)、端末側送受信部221は、ユーザ情報保持部220からユーザIDおよびユーザ名を読み出し、読み出したーザIDおよびユーザ名と、脈拍センサ23によって測定された最新の脈拍を示す脈拍情報戸を含む生体情報応答を作成する。そして、端末側送受信部221は、作成した生体情報応答を、アンテナ222を介して基地局30へ送信し(S103)、脈拍センサ23は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0061】
次に、基地局30の動作について説明する。図20は、基地局30の動作の一例を示すフローチャートである。基地局30は、例えば、救助隊員等のユーザによって設置されて電源が投入された場合に本フローチャートに示す動作を開始する。
【0062】
まず、GPS受信部335は、測地衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号を基地局位置算出部336へ送る。基地局位置算出部336は、GPS受信部335から受け取ったGPS信号に基づいて、基地局本体33の位置を算出し、算出した位置を示す位置情報を基地局情報保持部334に登録する(S200)。
【0063】
次に、タイミング生成部333は、生体情報の収集タイミングか否かを判定する(S201)。生体情報の収集タイミングである場合(S201:Yes)、タイミング生成部333は、基地局側送受信部330および距離算出部331に生体情報要求の送信タイミングを指示する。そして、基地局側送受信部330は、タイミング生成部333から指示されたタイミングで、生体情報要求をアンテナ31を介して無線送信する(S202)。
【0064】
次に、基地局側送受信部330は、生体情報応答を受信したか否かを判定する(S203)。生体情報応答を受信した場合(S203:Yes)基地局側送受信部330は、当該生体情報応答を受信したタイミングを示す情報共に、受信した生体情報応答を距離算出部331へ送る。
【0065】
次に、距離算出部331は、タイミング生成部333から指示された送信タイミングと、基地局側送受信部330から受け取った生体情報応答の受信タイミングとを用いて、自局と当該生体情報応答の送信元のセンサ端末20との間の距離を算出し、算出した距離を示す距離情報を、基地局側送受信部330から受け取った生体情報応答の受信タイミング、および、基地局側送受信部330から受け取った生体情報と共に、端末情報送信部332へ送る(S204)。
【0066】
次に、端末情報送信部332は、距離算出部331から受け取った距離情報、生体情報応答の受信タイミング、および生体情報と、基地局情報保持部334から読み出した基地局IDおよび位置情報とを用いて、例えば図9に例示した端末情報70を作成する。そして、端末情報送信部332は、作成した端末情報70をケーブル35およびネットワーク11を介してサーバ40へ送り(S205)、タイミング生成部333は、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0067】
生体情報応答を受信していない場合(S203:No)、基地局側送受信部330は、生体情報要求を送信してから予め定められた時間(例えば1秒)が経過したか否かを判定する(S206)。予め定められた時間が経過した場合(S206:Yes)、タイミング生成部333は、再びステップS201に示した処理を実行する。一方、予め定められた時間が経過していない場合(S206:No)、基地局側送受信部330は、再びステップS203に示した処理を実行する。
【0068】
次に、サーバ40の動作について説明する。図21は、サーバ40による位置情報登録処理の一例を示すフローチャートである。サーバ40の端末情報受信部41が、ネットワーク11を介して基地局30から端末情報を受信した場合に、サーバ40は、本フローチャートに示す処理を開始する。
【0069】
まず、端末情報受信部41は、基地局情報保持部42を参照し、当該端末情報に含まれている基地局IDが基地局情報保持部42に登録されていないか、または、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けられて基地局情報保持部42に登録されている位置情報が、当該端末情報に含まれている位置情報と異なれば、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けて、当該端末情報に含まれている位置情報を基地局情報保持部42に登録する。
【0070】
また、端末情報受信部41は、位置情報保持部47を参照し、当該端末情報に含まれているユーザIDが基地局情報保持部42に登録されていない場合に、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応付けて、当該端末情報に含まれているユーザ名を位置情報保持部47に登録する。
【0071】
また、端末情報受信部41は、端末情報保持部43を参照し、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応する端末情報テーブルに、当該端末情報に含まれている距離情報を、当該端末情報に含まれている基地局IDに対応付けて登録し、登録した距離情報と同じ行に、当該端末情報に含まれている脈拍情報および受信時刻を登録する(S300)。
【0072】
次に、端末位置算出部44は、受信した端末情報に含まれているユーザIDに対応付けて端末情報保持部43に登録されている端末情報テーブルを参照し、3つ以上の基地局IDに距離情報が対応付けられて登録されているか否かを判定する(S301)。3つ以上の基地局IDに距離情報が対応付けられて登録されていない場合(S301:No)、サーバ40は、本フローチャートに示す位置情報登録処理を終了する。
【0073】
3つ以上の基地局IDに距離情報が対応付けられて登録されている場合(S302:Yes)、端末位置算出部44は、各基地局IDについて、受信時刻に基づいて最新の距離情報を端末情報テーブルから抽出する。そして、端末位置算出部44は、抽出した距離情報に対応する基地局IDの基地局30の位置情報を、基地局情報保持部42からそれぞれ抽出し、それぞれの基地局30の位置およびそれぞれの基地局30からの距離を用いて、端末情報の送信元のセンサ端末20の位置を算出する(S302)。
【0074】
次に、端末位置算出部44は、センサ端末20の位置を算出した場合に、算出した位置を示す位置情報で、当該センサ端末20のユーザのユーザIDに対応付けて位置情報保持部47に登録されている位置情報を更新する。また、端末位置算出部44は、位置情報保持部47内の位置情報を更新した場合に、当該位置情報に対応付けられているユーザIDに対応する端末情報保持部43内の端末テーブルを参照して、最新の脈拍情報と受信時刻とを抽出し、抽出したこれらの情報で、当該ユーザIDに対応付けて位置情報保持部47に登録されている脈拍情報および受信時刻を更新し(S303)、サーバ40は、本フローチャートに示す位置情報登録処理を終了する。
【0075】
図22は、サーバ40による位置情報表示処理の一例を示すフローチャートである。サーバ40の出力部46が、マウスやキーボード等の入力装置49を介して、ユーザ(例えば救助隊員等)から、中心位置および表示範囲の情報を含む位置表示指示を受け付けた場合に、サーバ40は、本フローチャートに示す処理を開始する。
【0076】
まず、出力部46は、当該位置表示指示に含まれている中心位置および表示範囲の情報を地図情報取得部45へ送り、地図情報取得部45を介して地図情報を取得する(S400)。そして、出力部46は、位置情報保持部47を参照して、ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応付けられている位置情報が示す地図上の位置に、当該ユーザIDに対応付けられているユーザ名を含むアイコンをマッピングする(S401)。
【0077】
次に、出力部46は、位置情報保持部47を参照し、地図上にマッピングしたアイコンの中で、脈拍情報の数値が第1の範囲内にあるユーザのアイコンを反転表示し(S402)、地図上にマッピングしたアイコンの中で、脈拍情報の数値が第2の範囲内にあるユーザのアイコンを地図上から削除する(S403)。そして、出力部46は、アイコンがマッピングされた地図の画像を出力装置48に表示する(S404)。
【0078】
次に、出力部46は、入力装置49を介してユーザによって地図上のアイコンが選択されたか否かを判定する(S405)。アイコンが選択された場合(S405:Yes)、出力部46は、端末情報保持部43を参照して、選択されたアイコンに対応するユーザIDに対応付けられている脈拍情報を受信時刻と共に端末情報保持部43から抽出する。そして、出力部46は、抽出した脈拍情報を時系列にグラフ化して出力装置48に表示する(S406)。
【0079】
次に、出力部46は、入力装置49を介してユーザからグラフ表示の終了を指示されたか否かを判定する(S407)。グラフ表示の終了を指示された場合(S407:Yes)、出力部46は、再びステップS404に示した処理を実行する。
【0080】
アイコンが選択されていない場合(S405:No)、出力部46は、入力装置49を介してユーザから地図表示の終了を指示されたか否かを判定する(S408)。地図表示の終了を指示されていない場合(S408:No)、出力部46は、再びステップS405に示した処理を実行する。一方、地図表示の終了を指示された場合(S408:Yes)、サーバ40は、本フローチャートに示す位置情報表示処理を終了する。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0082】
上記説明から明らかなように、本実施形態の人位置検索システム10によれば、人の位置を、その人の健康状態を示す情報と共に出力するため、命の危険が迫っている人の位置を迅速に特定することができる。
【0083】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0084】
例えば、上記した実施形態において、センサ端末20は、内蔵された電池から供給された電力によって駆動するが、本発明はこれに限られない。例えば、図23に示すように、基地局30から送信された電波をアンテナ222を介して受信し、受信した電波から電力を生成し、生成した電力をセンサ端末本体22内の各部に供給する電力生成部223をセンサ端末本体22内に設けてもよい。これにより、内蔵電池が消耗した場合であっても、センサ端末本体22は、外部から受信した電波によって動作することができる。
【0085】
また、上記した実施形態では、生体情報要求を送信してから生体情報応答を受信するまでの所要時間に基づいて、センサ端末20までの距離を、基地局30が算出したが、本発明はこれに限られず、基地局30は、生体情報要求を送信してから生体情報応答を受信するまでの所要時間をサーバ40に通知し、サーバ40側で距離を算出するようにしてもよい。
【0086】
また、上記した実施形態においてセンサ端末20は腕時計型であるが、本発明はこれに限られず、ユーザが常時身に付けることが可能な形態であれば、指輪、靴、ベルト、補聴器、メガネなどであてもよい。また、上記した実施形態においてセンサ端末20はユーザの生体情報として脈拍を測定するが、本発明はこれに限られず、脈拍の他に、または、脈拍に加えて、ユーザの体温等を測定してもよい。
【符号の説明】
【0087】
10・・・人位置検索システム、11・・・ネットワーク、12・・・被災者、20・・・センサ端末、21・・・ベルト、22・・・センサ端末本体、23・・・脈拍センサ、220・・・ユーザ情報保持部、221・・・端末側送受信部、222・・・アンテナ、223・・・電力生成部、30・・・基地局、31・・・アンテナ、32・・・アンテナ、33・・・基地局本体、330・・・基地局側送受信部、331・・・距離算出部、332・・・端末情報送信部、333・・・タイミング生成部、334・・・基地局情報保持部、335・・・GPS受信部、336・・・基地局位置算出部、34・・・架台、35・・・ケーブル、36・・・範囲、40・・・サーバ、41・・・端末情報受信部、42・・・基地局情報保持部、43・・・端末情報保持部、44・・・端末位置算出部、45・・・地図情報取得部、46・・・出力部、47・・・位置情報保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサ端末と、当該センサ端末が収集した生体情報を受信する3台以上の複数の基地局と、各基地局が受信したセンサ情報を収集するサーバとを備える人位置検索しステムであって、
それぞれの前記センサ端末は、
ユーザの健康状態を示す生体情報を取得するセンサと、
前記基地局から生体情報要求を受信した場合に、当該センサ端末のユーザを識別するユーザIDおよび前記センサによって取得されたユーザの生体情報を含む生体情報応答を、前記基地局へ送信する端末側送受信部と
を有し、
ぞれぞれの前記基地局は、
前記生体情報要求を送信し、前記センサ端末から前記生体情報応答を受信する基地局側送受信部と、
前記基地局側送受信部が、前記生体情報要求を送信してから前記生体情報応答を受信するまでの所要時間に基づいて、当該生体情報応答の送信元のセンサ端末から自局までの距離を算出する距離算出部と、
前記生体情報応答に含まれているユーザIDおよび生体情報、前記距離算出部によって算出された距離を示す距離情報、ならびに、自局を識別する基地局IDを含む端末情報を前記サーバへ送信する端末情報送信部と
を有し、
前記サーバは、
それぞれの前記センサ端末のユーザのユーザID毎に、当該センサ端末の位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記基地局ID、前記距離情報、および前記生体情報を対応付けて保持する端末情報テーブルを、前記ユーザID毎に保持する端末情報保持部と、
ぞれぞれの前記基地局の基地局IDに対応付けて、当該基地局の位置を示す位置情報を保持する基地局情報保持部と、
それぞれの前記基地局から前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報に含まれているユーザIDに対応付けられている端末情報テーブルを前記端末情報保持部内で特定し、特定した端末情報テーブル内に、当該端末情報に含まれている基地局ID、距離情報、および生体情報を対応付けて登録する端末情報受信部と、
それぞれのユーザID毎に前記端末情報保持部内の端末情報テーブルを参照し、3つ以上の基地局IDのそれぞれに対応付けられて距離情報が登録されている場合に、それぞれの基地局IDに対応する基地局の位置情報を前記基地局情報保持部から抽出し、それぞれの前記距離情報およびそれぞれの前記基地局の位置情報を用いて、当該ユーザIDに対応するセンサ端末の位置を算出し、算出した位置を示す位置情報を、当該ユーザIDに対応付けて前記位置情報保持部に登録する端末位置算出部と、
外部から指示を受け付けた場合に、前記位置情報保持部および前記端末情報保持部を参照して、ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応するユーザの生体情報および当該ユーザのセンサ端末の位置を示す情報を出力する出力部と
を有することを特徴とする人位置検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の人位置検索システムであって、
前記センサ端末は、腕時計型であることを特徴とする人位置検索システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の人位置検索システムであって、
前記センサ端末は、
前記基地局から受信した電波により電力を生成する電力生成部をさらに有し、
前記センサ端末内の前記センサおよび前記端末側送受信部は、前記電力生成部によって生成された電力により動作することを特徴とする人位置検索システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の人位置検索システムであって、
前記基地局は、
GPS(Global Positioning System)信号を受信して自局の位置を算出する基地局位置算出部をさらに有し、
前記基地局の端末情報送信部は、
前記基地局位置算出部によって算出された自局の位置を示す位置情報を、前記端末情報にさらに含めて前記サーバへ送信し、
前記サーバの端末情報受信部は、さらに、
それぞれの前記基地局から前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報に含まれている基地局の位置情報を、当該基地局の基地局IDに対応付けて前記基地局情報保持部に登録することを特徴とする人位置検索システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の人位置検索システムであって、
前記サーバの出力部は、
地図情報を管理している外部のサーバから取得した地図情報で示される地図上に、ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応するユーザのセンサ端末の位置をマッピングして表示装置に表示することを特徴とする人位置検索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の人位置検索システムであって、
前記生体情報は、ユーザの脈拍であり、
前記サーバの出力部は、
ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応するユーザの脈拍が予め定められた第1の範囲内にある場合に、当該ユーザのセンサ端末の位置を、脈拍が前記第1の範囲内にないユーザのセンサ端末とは異なる態様で地図上に表示することを特徴とする人位置検索システム。
【請求項7】
請求項6に記載の人位置検索システムであって、
前記サーバの出力部は、さらに、
ユーザID毎に、当該ユーザIDに対応するユーザの脈拍が前記第1の範囲とは異なる第2の範囲内にある場合に、当該ユーザのセンサ端末の位置を地図上に表示しないことを特徴とする人位置検索システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の人位置検索システムであって、
前記サーバの端末情報受信部は、
それぞれの前記センサ端末のユーザのユーザID毎に、当該ユーザの生体情報を受信した受信時刻を、前記端末情報保持部にさらに登録し、
前記サーバの出力部は、
外部からユーザIDを含む生体情報出力指示を受け付けた場合に、当該ユーザIDに対応付けられている生体情報を、当該生体情報に対応付けられている受信時刻と共に、時系列に出力することを特徴とする人位置検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−255680(P2012−255680A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127983(P2011−127983)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】