説明

人体の刺激点を決定する方法

【課題】人体の遠絡の刺激点により刺激点を決定し、刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させる装置を提供する。
【解決手段】人間の複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することと、それによって複数の遠絡および生体の流れの分布に基づいて遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築することと、異常部分の遠絡に基づいて対応する生体の流れを同定することと、生体の流れおよび異常部分に関してこれに対応する情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定することと、異常部分を軽減または回復させるために刺激点に刺激を加えることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漢方医学と現代医学と季節因子の理論を組み合わせて刺激点を決定する方法、特に人体の遠絡の刺激点を決定する方法に関する。人体の遠絡の刺激点により刺激点を決定し、次に刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させる。
【背景技術】
【0002】
近年、医学および技術が発展して、人々はめまぐるしく、多忙なライフスタイルを送っている。ほとんどの人は仕事に多くの時間を費やしているが、運動や旅行のための時間はほとんど残されていない。しかし、少数ながらもどうにかして健康を維持しようとしている人もいる。一般に加齢とともに不快感や痛みは避けられなくなる。人々は疼痛症候群を治療または減弱させるのに十分な時間がとれず、回復不可能な状況に陥ってしまう。
【0003】
以前は、様々な疾患から生じる危険に直面していた。この数千年の間に、人々は誕生、年齢、病気、死にまつわる問題を解決することに力を注ぎ、様々な疾患との戦いに挑んできた。例えば、頭痛、肩や首の痛み、歯痛、背部痛、および膝痛は、疼痛症候群に含まれる。科学技術の急速な変化にも関わらず、痛みは依然として避けられない。人間の人生は一般に母親による産痛から始まって様々な疾患で終わるため、一生を通じて肉体的あるいは心理的な痛みに直面し、これを克服しなければならない。痛みに対し優れた抵抗力をもつ人もいるが、大半は抵抗力が弱い。
【0004】
一般に不快感や痛みを経験すると、現代医学の治療を求めることがある。これは、薬や注射を用いて痛みを直接治療することができるためである。しかし、治療が提供できるのは、永久的ではなく、一時的に痛みを減弱させる解決策である。漢方医学の治療を受ける人もいるが、この場合、症状が改善するまで時間がかかる可能性がある。治療方法および治療回数は、漢方医学と現代医学とで著しく異なり、この中から1つを選択することは、別のことである。さらに、疼痛症候群は人体の異常部分の一形態である。差し迫って、この痛みを迅速かつ効果的に減弱させる、改善させる、あるいは除去する必要がある。
【0005】
さらに現代医学では、治療に鎮痛薬または麻酔薬など、必ず特定の薬剤を用いる。これらの薬剤を使用することによって、予想外の副作用や、合併症や、後遺症が発生することがある。同様に、漢方医学では、指圧およびマッサージによって筋痛を減弱させる可能性はあるが、急性の疼痛症候群の治療には使用できない。しかし、炎症を伴う痛み部分に指圧やマッサージによる治療を施すことは、さらに不適切である。炎症が増加をしないようにするには、最適な治療法を慎重に選択する必要がある。疼痛症候群の様々な種類および部分に対する許容可能な治療法について再検討するよう勧められる可能性もある。
【0006】
上記に基づき、本発明は人体の刺激点を決定し、先行技術の上記欠点を克服するための新しい方法を提供する。本発明の方法は、漢方医学および現代医学の理論を修正し、組み合わせることによって作製され、異常部分を減弱させるか、あるいは回復させるものであり、様々な要件により変更可能である。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、以下のように好適な実施形態を示す。しかし、本発明は、これらの詳細な説明を除く、その他の実施形態において広範に実行され得ると考えられる。本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されず、以下の請求の範囲と一致すべきである。
【0008】
本発明の1つの目的は、人体の刺激点を決定する方法を提供し、5次元法という新しい側面を提供して2次元法にとって換えることである。
【0009】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法を提供し、使用者の要件により刺激を加えることである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、人体の刺激点を決定する方法を提供し、痛み部分に対し直接治療を施すのではなく、適切な刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、人体の刺激点を決定する方法を提供し、修正された陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学とを組み合わせたものを基礎とすることである。
【0012】
本発明は、人間における複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することと、複数の遠絡および生体の流れの分布に基づいて遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築することと、異常部分の遠絡に基づいてこれに対応する生体の流れを同定することと、生体の流れおよび対応する異常部分の情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定することと、刺激点に対し刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることを含む人体の刺激点を決定する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下の説明において、多くの特有の詳細を提供し、本発明の実施形態を一通り理解できるようにする。本発明の好適な実施形態を限定するためではなく、好適な実施形態を示すことのみを目的とする説明を特徴とする、以下の説明をここで参照する。しかし、本関連技術の当業者は、特有の詳細が1つ以上ない場合、あるいはその他の方法、要素、材料等を用いた場合も、本発明が実行される可能性があると認識すると考えられる。
【0014】
本発明の好適な実勢形態を限定するためではなく、好適な実施形態を示すことのみを目的とする主張および説明を特徴とする図および以下の説明をここで参照する。そこで、異なる要素の図面は示さずに評価する。関連要素の中には誇張される次元もあり、意味のない部分は示さずに、本発明についてより明確に説明し、理解できるようにした。
【0015】
本発明は、人体の遠絡の刺激点を決定する方法を開示している。提示された方法は、陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学を基礎としている。本発明は、以下のように、対応する関連付けられた生体の流れを決定する5次元法を提供する。特に、本発明における生体の流れとは、漢方医学で言うところの経絡とは異なる。したがって、本発明の特徴の1つは、人体上の生体の流れと、その定義である。生体の流れは、様々なイオン、神経伝達物質、リンパ、および血液など、移動または循環する分子を含む。
【0016】
本発明の態様に基づけば、「遠絡」は人間の体の縦方向および横方向の区分を説明する。縦線と横線との間の断面は絡と呼ばれる。人体には多くの縦線が分布しているため、体全体に分布する複数の遠絡に体を分割することができる。さらに、様々な生体の流れは、循環器系、消化器系、呼吸器系、神経系、および尿路系を含む、人間の様々な内臓系に認められる。生体の流れは、人体を移動または循環する様々な物質または分子を含む。例えば、これらの物質または分子には、血液、リンパ、神経伝達物質、内分泌腺から産生されるオータコイド、イオン、空気、および水が含まれる。上記器官系と器官系との間には対応する関係が存在し、これらの間では複数の生体の流れとして連絡することが可能である。このように遠絡と生体の流れとの間の関係は、対応するか、あるいは関連性がある。たゆまぬ努力と研究に基づいて、本発明は特許出願によって開発され、規定されている。関連記事および情報については、Koらの「痛みを改善し、薬物治療できるか」(『Acta Anaesthesiol Taiwanica』44:59‐60[2006])およびKoらの「遠絡療法は痛みを劇的に軽減させ、複雑局所疼痛症候群患者の機能的活性を改善する」(『Anesthesia & Analgesia』103[6])を参照できる。これらの記事を参照として本明細書に組み入れる。これらの参考文献は、本発明の重要性、利便性、および再現性に関する関連情報を提供するものである。
【0017】
しかし、図2Aおよび図2Bは、生体の流れの1つの断面20が障害物30によって遮断されるときに、人体に異常部分が発生することを示している。本発明によれば、異常部分の種類には、重み、疼痛、または痺れなどが含まれており、異常部分の発生は身体状態が異常であることを反映または示す警報信号の役割を果たしている。特に、異常部分の発生は病気ではないため、本発明は診断法や治療法ではない。上記の状態は異常であり、本発明によって軽減または改善が可能である。
【0018】
本発明によれば、図2Aは障害物30によって一部遮断された生体の流れの断面20を示している。上記断面20が一部遮断されているとき、移動または循環している分子は生体の流れの経路を容易に通過することができない。すると、人は遮断された部位24の先行部分22に対応する筋に重みまたは疼痛を感じる可能性がある。本発明によれば、図2Bは障害物30によって完全に遮断された生体の流れの断面20を示している。断面20が完全に遮断されたとき、移動または循環している分子は生体の流れの経路を通過することができない。すると、人は遮断された部位24の後続部分26に対応する筋に痺れを感じる可能性がある。これらの痛みが異常所見である。
【0019】
異常所見であれば、遮断された断面20が対応するその他の生体の流れと連絡が可能であり、適切な刺激を加えれば、異常所見は軽減または回復される可能性がある。したがって、異常部分を迅速かつ効果的に軽減または回復させるため、本発明によって人体上の遠絡の刺激点を決定することが可能である。
【0020】
本発明によれば、図1は人体の刺激点を決定する方法のフローチャートである。ステップ10で示したように、本法は人間の複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することを含む。次に、ステップ12で示したように、複数の遠絡および生体の流れの分布に基づいて、遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築することができる。ステップ14で示したように、異常部分の遠絡により、対応する生体の流れを同定することができる。続いてステップ16で示したように、生体の流れおよびこれに対応する異常な部位の情報に基づいて、1つまたは複数の刺激点を決定することができる。このように、ステップ18で示したように、特異点を刺激して、異常部分を軽減または回復させることができる。
【0021】
1つの実施形態では、人間の遠絡は縦方向および横方向に複数の遠絡へ分割される。1つまたは複数の生体の流れは、人間の複数の遠絡と連絡するネットワークである。
【0022】
本発明の態様によれば、人体の流れは陰と陽の生体の流れを含む。陰の生体の流れは、腹部など人体の内部や、肝臓、肺、腎臓、心臓、および脾臓など人間の内臓を含む。一方、陽の生体の流れは、人間の背部、左手および右手の外側部分、左足および右足の外側部分など人体の外部や、胃、胆、膀胱、大腸、および小腸など人間の外臓を含む。
【0023】
1つの実施形態では、異常部分の種類として、慢性および急性の異常部分と、局所性および中枢性の異常部分が含まれる。例えば、中枢性部位には人体の内臓が含まれ、局所性部位には四肢または体幹、および身体が含まれる。
【0024】
1つの実施形態では、異常部分には、痛みなど特定の感覚を感知する部位が含まれる。異常部位には、頭部、四肢、体幹、または身体と、人体の内臓または神経系が含まれる可能性がある。
【0025】
1つの好適な実施形態では、一連のステップを用いて本発明を限定するのではなく、説明する。本発明は、使用者の様々な要件により修正および変更が可能であることに留意する。
【0026】
本発明の態様によれば、人間の複数の遠絡と、複数の生体の流れと、1つまたは複数の刺激点の分布とは、図3で示したように陰陽五行理論のなかで対応するか、あるいは(関連のある)反対の関係と、図4に示したように六角形の関係と、図5に示したように季節時間とに基づくものである。
【0027】
本発明によれば、図3は漢方医学の陰陽五行に基づいて修正された陰陽六行理論を示している。修正された理論によれば、示された方法によって刺激点が決定される。図3における、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7は、それぞれ火、金、木、土、水、支配の火、気を表している。さらに、TおよびAは、それぞれ手(日本語の「手」は「Te」と発音する)および足(日本語の「足」は「Ashi」と発音する)を表し、rおよびlはそれぞれ「右」および「左」を表す。また、xおよびyは、それぞれ陰および陽の生体の流れを意味し、各生体の流れにはI、II、およびIIIの3つの生体の流れがある。例えば、「TyIII」は、陽の生体の流れIIIが手の外側部分に位置し、「AxI」は陰の生体の流れIが足の内側部分に位置し、「rTxI」は陰の生体の流れIが右手の内側部分に位置していること示している。
【0028】
1つの実施形態では、TxIは肺経を示し、TxIIは心包経を示し、TxIIIは心経を示し、TyIは大腸経を示し、TyIIは三焦経を示し、TyIIIは小腸経を示す。同様に、AxIは脾経を示し、AxIIは肝経を示し、AxIIIは腎経を示し、AyIは胃経を示し、AyIIは胆経を示し、AyIIIは膀胱経を示す。
【0029】
さらに、図3によれば、外円の時計回りの循環関係は、陰陽五行の相生関係を意味する。例えば、水は土を生じ、木は火を生じる。相生関係は、母子関係と呼ぶこともできる。内円の反時計回りの循環関係は、例えば水がないときには火を消すことができないというような、相侮関係を示す。中央の六角形の循環関係は、例えば火は金を溶かし、金は木を削り、木は土を覆い、土は水を吸収するなど、相剋関係を示す。
【0030】
本発明によれば、図4は人体の刺激点を決定するための六角形の関係図を示している。図4の点線は、実験データに基づけば、相生関係とこれに対応する関係との間の連絡または関係を示す。図面では、外側の長方形と中央の六角形を結ぶ実線は、Tx、Ty、Ax、Ay、I、II、およびIIIの生体の流れと流れの間の相生関係を示す。一方、点線は、これに対応するTx、Ty、Ax、Ay、I、II、およびIIIの生体の流れと流れの間の関係を示す。例えば、異常部分が生体の流れTyIに生じた場合、TyIとAxIIとの間の点線に基づいて、これに対応する生体の流れとしてAxIIが示される。さらに、異常部分が生体の流れAyIIに生じた場合、AyIIとTxIIIとの間の点線に基づいて、これに対応する生体の流れとしてTxIIIが示される。
【0031】
1つの実施形態では、異常部分に対応する生体の流れを同定したのち、規定され、関連付けられた対応する生体の流れを用いて、人体上に1つまたは複数の刺激点を決定する。以下の説明について検討すること。
【0032】
生体の流れの分布は季節の変化によって若干異なっており、その特性および定義も異なる。例えば、血管は夏に拡張し、冬に収縮する。したがって、本発明は季節および日という因子を導入して、人体上の刺激点を決定し、異常部分を効果的に軽減または回復させるための適切かつ正確な情報を提供する。本発明によれば、図5は人体の刺激点を決定するために季節との関係図を示している。図面では、それぞれ木、火、金、水、土を、春、夏、秋、冬の四季と、春の開始18日前、夏の開始18日前、秋の開始18日前、および冬の開始18日前としている。図3で示した支配の火は梅雨とする。したがって、本発明は人体上の刺激点を決定し、異常部分を効果的に軽減または回復させるための5次元法を提供する。
【0033】
1つの実施形態では、遮断部分が生体の流れTxIおよびTyIに生じた場合、母指または示指の橈骨神経病変などの痛みは秋に出現すると考えられる(図5で示したように、金に相当)。その結果、適切かつ正確な刺激が秋に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのに長時間かかる可能性があり、痛み部分が頻繁に出現すると考えられる。適切な刺激が秋以外に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのは容易である。
【0034】
1つの実施形態では、遮断部分が生体の流れAxIIIおよびAyIIIに生じた場合、腰痛および椎骨(頚椎、腰椎、および尾椎等)などの痛みは冬に出現する(図5で示したように水に相当)。したがって、適切かつ正確な刺激が冬に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのに長時間かかる可能性があり、痛み部分が頻繁に出現すると考えられる。適切な刺激が冬以外に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのが容易になる可能性がある。
【0035】
本発明の態様によれば、遠絡の刺激点の分布および定義は、図6A、図6B、図7A、および図7Bにおける関連情報によって決定される。
【0036】
本発明によれば、図6Aは人体の左手および右手の外側の流れを図示している。本発明によれば、図6Bは左手および右手の内側の流れを図示している。図6Aおよび図6Bでは、左手の内側の流れTxI、TxII、TxIIIと、右手の外側の流れTyI、TyII、TyIIIとが、それぞれ複数の刺激点に分割される。図面では、生体の流れが手の肘の上部で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に、肘の下部で3つの刺激点a、b、cに分割される。したがって、図6Aおよび図6Bで示したように、手の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0037】
さらに、本発明によれば、図7Aは人体の左足および右足の外側の流れを図示している。本発明によれば、図7Bは人体の左足および右足の内側の流れを図示している。図7Aおよび図7Bでは、左足の内側の流れAxI、AxII、AxIIIと、右足の外側の流れAyI、AyII、AyIIIとが、それぞれ複数の刺激点に分割される。図面では、生体の流れが、足首の下で3つの刺激点a、b、cに、足首の上で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に分割される。したがって、図7Aおよび図7Bで示したように、足の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0038】
本発明によれば、1つの実施形態では、上記の態様に基づけば、左手、右手、左足、および右足には生体の流れが12ずつ分布していることから、刺激点は108箇所となる。特に、生体の流れおよび刺激点の数と位置は、本発明を限定するためではなく、説明するために記載されている。様々な実施要件により、生体の流れおよび刺激点の数と位置は修正可能である。
【0039】
1つの実施形態では、刺激点は痛み部分と一致するか、あるいは関連性がある。上記の定義および決定方法から、その関係が得られる。
【0040】
本発明の態様によれば、複数の刺激点には制御刺激点(C点)および機能刺激点(F点)が含まれる。1つの実施形態では、C点は複数の刺激点と刺激点との間の刺激点を示し、F点は異常部分を軽減または回復させるのに使用される刺激点を示す。
【0041】
1つの実施形態では、刺激には、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれる。改良された化学物質または天然物質は、外的あるいは内的に使用可能である。
【0042】
1つの実施形態では、刺激の持続期間および頻度は1日数回で、1回当たり数分間続けられる可能性がある。一方、刺激の持続期間および頻度を修正し変更して、使用者の要件に適合させることができる。
【0043】
以下に臨床実験の実施形態2例を詳細に説明した。本発明の前述の側面および付随する多くの長所は、添付の図面図8A、図8B、図8Cと関連した以下の詳細な説明に基づいて本発明がよりよく理解されるため、より容易に評価される。添付の図面および以下の実施形態は、本発明を限定するためではなく、説明するために用いる。
【実施例1】
【0044】
実施例1では、31歳の妊婦が仕事および家族からの圧力によって、しばしば発作性の痛みに襲われていた。しかし、妊娠中の鎮痛薬は、経口的にも注射によっても投与に適していない。発作性の痛みを治療することはできないが、痛みの頻度は高く、持続期間は経時的に延びる。
【0045】
関連情報によれば、異常部分は右足の外側部分rAyII(陰経)の生体の流れIIを示す。この場合、生体の流れは右手の内側の部分(陽経)rTxIIIに対応する。遠絡および生体の流れの分布に関する情報に基づいて、右手の内側部分rTxIIIの刺激点1によってC点が示され、決定され得る。さらに、刺激点CによってF点も示され、決定され得る。このように生体の流れにおける障害物を解消するため、両刺激点に刺激を加えて異常部分を軽減または回復させる。さらに刺激には、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれる。
【0046】
実施例1では、刺激の頻度は1〜2回で、刺激期間は各回1〜2分と考えられる。さらに、刺激の頻度および持続期間を説明して、本発明を限定するのではなく、説明する。異常部分および状態の様々なレベルに基づいて、本発明の修正および変更が可能である。
【実施例2】
【0047】
実施例2において、複雑局所疼痛症候群(CRPS)の若年男性に対する「金基準」治療は、局所麻酔による交感神経遮断であり、視覚アナログ尺度(VAS)は第2の指標となり得る。しかし、従来の麻酔法のあとには、一般に予想外の副作用、合併症、または合併症が発生する。
【0048】
本発明の態様および方法によれば、異常部分に対応する生体の流れを同定し、その後、刺激を加える。
【0049】
本発明の実施例2によれば、図8Aは刺激前、刺激後、およびよく知られた先行技術である薬剤投与に関する経時的な視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示している。X軸は時間(単位あたりの月)を、左のY軸は視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示し、右のY軸は鎮痛薬(錠/日)を示す。図面では、白四角は刺激前のVASスコアを、黒四角は刺激後のVASスコアを、黒丸は薬剤投与後のVASスコアを示す。図面によれば、刺激後のVASは経時的に減少し、刺激前および薬剤投与後のVASスコアよりも低くなる。したがって、本発明によって加えられた刺激は、数ヵ月をかけて急速かつ持続的に改善をもたらし、異常部分を軽減させる。
【0050】
さらに、三相骨スキャンを介して異常部分が治療される。これに関連する正確なステップは周知のため説明しない。本発明の実施例2によれば、図8Bは刺激前の三相骨スキャンを示している。図面には左足首の陰影部分が含まれていて、これは対応する生体内の流れが遮断され、結果的に異常部分が生じたことを示している。
【0051】
本発明の実施例2によれば、図8Cは刺激後の三相骨スキャンを示している。刺激後の図面では、陰影部分はほとんど消失している。これは左足首の遮断部が消散し、異常部分が軽減されて正常部分へと回復したことを示している。
【0052】
これらの実施形態に基づけば、本発明は異常部分を軽減または回復させる刺激点を決定するための効果的かつ正確な方法を提供する。特に、本発明は人間に適用し得るが、これはその範囲を限定するものではない。本発明は、人間と同等のその他の様々な生物にも適用し得る。
【0053】
先行技術と比較して、本発明には以下の長所がある。本発明は人体の刺激点を決定する方法を提供して先行技術の方法にとって換え、陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学とを組み合わせている。異常部分の様々なレベルに基づいて、本発明を修正して刺激の種類および刺激点を変更することも可能である。本発明は異常部分と直接連接しないようにできるため、さらに生体の流れの遮断部を消散させて、異常部分を軽減させることができる。
【0054】
本発明の1つの長所は、本発明が容易に実行することが可能であり、特殊な技術や道具を必要としないことである。
【0055】
本発明の態様によれば、様々な痛みの状態のレベルに応じて刺激の頻度と、持続期間と、刺激点とを修正し調節して、生体の流れの遮断物を減少させて異常部分を軽減または回復させることが可能である。
【0056】
本技術の当業者によって理解されるように、本発明の前述の好適な実施形態は、本発明を限定するのではなく、説明するものである。本発明と好適な実施形態とを説明して、本技術の当業者に対し変更形態を提案する。このように、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付された請求の範囲の精神および適用範囲内で様々な変更形態や同様の仕組みを包括する所存である。上記適用範囲は、このような変更形態および同様の構造をすべて包括するためにもっとも広い解釈と一致すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の前述の側面およびこれに付随する多くの長所は、以下を特徴とする添付の図面を参照することによってより容易に評価され、また、よりよく理解されると考えられる。
【図1】本発明によれば、人体の刺激点を決定する方法のフローチャートを示す。
【図2A】本発明によれば、部分的に遮断された人体の流れを示す。
【図2B】本発明によれば、完全に遮断された人体の流れを示す。
【図3】本発明によれば、漢方医学の陰陽五行に基づいて修正された陰陽六行理論を示す。
【図4】本発明によれば、人体の刺激点を決定するための六角形の関係図を示す。
【図5】本発明によれば、人体の刺激点を決定するための季節関係図を示す。
【図6A】本発明によれば、人体の左手および右手の外側の流れを図示する。
【図6B】本発明によれば、人体の左手および右手の内側の流れを図示する。
【図7A】本発明によれば、人体の左足および右足の外側の流れを図示する。
【図7B】本発明によれば、人体の左足および右足の内側の流れを図示する。
【図8A】本発明の第2の実施形態によれば、刺激前、刺激後、および錠剤投与に関する経時的な視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示す。
【図8B】本発明の第2の実施形態によれば、刺激前の三相骨スキャンを示す。
【図8C】本発明の第2の実施形態によれば、刺激後の三相骨スキャンを示す。
【符号の説明】
【0058】
10複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定する
12複数の遠絡と生体の流れとの間の関係に基づいて、対応する関連情報を構築する
14異常部分に基づいて対応する生体の流れを同定する
16異常部分の生体の流れおよびこれに対応する関連情報により、1つまたは複数の刺激点を決定する
18刺激を加えて異常部分を軽減または回復させる
20生体の流れの断面
22遮断された部位24の先行部分
24遮断された部位
26遮断された部位24の後続部分
30障害物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することと、
前記複数の遠絡および前記生体の流れの前記分布に基づいて前記遠絡および前記生体の流れに関する関連情報を構築することと、
異常部分の前記遠絡に基づいてこれに対応する生体の流れを同定することと、
前記生体の流れおよび異常部分の前記対応する情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定することと、
前記異常部分を軽減または回復させるために前記刺激点に対し刺激を加えることを含む、
人体の刺激点を決定する方法。
【請求項2】
上下方向および横方向に複数の遠絡へ分割される人間の複数の遠絡の分布を規定するための前記ステップを特徴とし、1つまたは前記複数の生体の流れが前記人体の前記複数の遠絡の前記分布と連絡するネットワークであって、前記生体の流れが陰陽の生体の流れを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異常部分の種類として、慢性および急性の異常部分と、局所性および中枢性の異常部分とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異常部分に痛みを感知する部位が含まれていて、痛みを感知する前記部位に、頭部、四肢、体幹、内臓器官、または神経系が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の刺激点が、前記異常部分の反対側の部分または一致する部分にあると考えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の刺激点に制御刺激点および機能刺激点が含まれていて、前記制御刺激点が前記複数の生体の流れと流れの間の刺激点であって、前記機能刺激点が前記異常部分を軽減または回復させるために使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記刺激に、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれていて、前記改良された化学物質または天然物質が外的あるいは内的に使用可能であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公開番号】特開2008−119446(P2008−119446A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221130(P2007−221130)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(507289335)
【Fターム(参考)】