説明

人体の表面に接触して使用される製造物品用のコーティング組成物及びコーティングされた基材

物質の組成物は、可撓性の基材及び基材の上に乗せたコーティングを含む。コーティングは、約10〜60wt%のワックス状化合物及び約90〜40wt%の希釈剤を含む。コーティングは、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本願と同日に出願された「Chiller Box」と題された米国特許出願第12/621,678号、(Atty Docket PPC5322USNP)に関連する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、可撓性でシート状の基材用のコーティング組成物、人体の表面に接触して使用される製造物品用のコーティングされた可撓性でシート状の基材、及びワックス状組成物を可撓性でシート状の基材に付加するプロセスに関する。本発明は、可撓性でシート状の基材用のコーティング組成物、使い捨て吸収性物品の製造に使用されるコーティングされた可撓性でシート状基材に特に有用であり、具体的には、タンポンの製造に使用されるコーティングされた可撓性でシート状基材に適している。
【0003】
意図する標的にワックス状組成物を供給する方法には、これらには限定されないが、経口的、局所的及び経皮的方法を含む幾つかの方法がある。使い捨て吸収性物品は、膣管、会陰部及び関連部分への局所的供給のビヒクルとして使用され得ると同時に、排出体液が製品により捕捉されるので、ワックス状組成物に接触する排出体液の処置部位としても使用され得る。
【0004】
Duchaneの米国特許第3,796,219号は、タンポン用挿入補助コーティング用及び坐薬用マトリックス構造用などの衛生及び医療用途用の水溶性、熱可塑性化合物を開示している。コーティングは65℃までの温度で安定であり、65℃未満の温度でタンポンの挿入中に存在するような剪断力を受けると潤滑性をもたらす。Duchaneは、分子量が約75,000のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)と組み合わせた2つのオレフィン性ジオール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールの使用を開示している。得られた組成物は、65℃までの温度で安定である。Von Bitteraらの米国特許第4,582,717号は、薬剤として活性な化合物を含有す膣タンポンの製造プロセスを開示している。このプロセスは、活性化合物及び追加の製剤助剤を含有する材料を用意することと、この材料を40℃を超える温度まで加熱することと、溶融物を40℃に冷却することと、次いで冷却した材料を予め温めたタンポンに注入することとを含んでいる。von Bitteraの特許文献に開示された製剤助剤の1つは、中程度の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)である。
【0005】
Yangの米国特許第6,316,019号は、薬剤的に活性な化合物を含有する溶液の基材への付着を含むタンポンの製造プロセスを開示している。溶液は、約35℃未満の温度で液体であり、使い捨て吸収性物品に40℃未満の温度で付けられる。
【0006】
上述の技術における共通の課題は、室温を超える温度では安定であるが、体温又はその近傍の温度(37℃)では液体であるコーティングの提供の試みである。これは、高速の製造プロセスにおける処理装置への移動による損失のない構成要素のハンドリングという大きな課題を提供する。
【0007】
Brown−Skrobotの米国特許第5,679,369号は、毒素性ショック症候群の毒素−1の生成を抑制するタンポン添加剤を開示している。添加剤は通常、室温又はその近傍の温度では液体ではなく、それゆえ、それらにはイソプロピルアルコールなどのキャリア材料が必要となる。この技術は当該技術分野における重要な進歩であるが、添加剤を付ける開示されたプロセスは、揮発性のアルコールの捕集プロセスが必要となる可能性がある。
【0008】
これは当該技術分野における進歩であるが、相当な量の薬学的に活性な化合物を基材に加えて、堅牢で、可撓性のあるコーティングされた材料を形成する能力は限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ必要とされているのは、堅牢で可撓性のあるコーティングされた材料を形成し、身体側ライナー又はタンポンなどの吸収性物品のカバーなどの人体の表面に接触して使用される製造物品に望まれる特性を提供する、コーティング組成物及びコーティングされた基材である。更に必要とされているのは、商業的に効率の高い方法による処理が可能で、吸収性物品への満足な体液の移動を提供し、使用前及び/又は使用中にタンポンのオーバラッパー又はアプリケータからの剥離を容易にする、コーティング組成物及びコーティングされた基材である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、堅牢で可撓性のある材料を形成し、身体側ライナー又はタンポンなどの吸収性物品のカバーなどの人体の表面に接触して使用される製造物品に望まれる特性を提供する、コーティング組成物及びコーティングされた基材を見出した。
【0011】
本発明者らは、このようなコーティング組成物及びコーティングされた基材は商業的に効率の高い方法で処理が可能であり、それらは吸収性物品への満足な体液の移動を提供し、使用前及び/又は使用中にタンポンのオーバラッパー又はアプリケータからの剥離を容易にすることを見出した。
【0012】
本発明の1つの実施形態においては、物質の組成物は、可撓性の基材及び基材の上に乗せたコーティングを含む。コーティングは、約10〜60wt%のワックス状化合物及び約90〜40wt%の希釈剤を含む。ワックス状化合物は、A)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、B)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、C)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される。コーティングは、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する。1つの好ましい実施形態においては、コーティングは約40℃〜約75℃の温度で安定な液体混合物を形成する。他の好ましい実施形態においては、液体混合物は少なくとも約35℃の液化温度を有する。他の好ましい実施形態においては、希釈剤は親水性剤及び親液性剤を含む。
【0013】
本発明の他の実施形態においては、コーティング組成物は、約10〜60wt%のワックス状化合物及び約90〜40wt%の希釈剤を含む。ワックス状化合物は、A)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、B)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、C)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される。コーティングは、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に平らな基材表面と約35°未満の接触角を有する。
【0014】
本発明の他の実施形態においては、膣内デバイスは、カバー材料内にほぼ包み込まれた挿入可能な要素を含む。カバー材料は、可撓性基材及び基材に乗せたコーティングを含む。コーティングは、約10〜60wt%のワックス状化合物及び約90〜40wt%の希釈剤を含む。ワックス状化合物は、A)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、B)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、C)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される。コーティングは、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、基材、具体的には使い捨ての吸収性物品の製造に使用される基材、製造中の物品、又は最終製品にワックス状構成成分を加えるプロセスに関する。プロセスは、ワックス状構成成分を基材に付ける液体溶液の使用を包含する。
【0016】
また本発明は、ワックス状構成成分及び希釈剤を含む液体のコーティング組成物に関し、この液体組成物は、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に基材の平らな表面と35°未満の接触角を有する。
【0017】
本発明が提供する1つの長所は、コーティングされた基材が驚くほど堅牢であることである。本発明者らは、得られるコーティングは処理中に基材からはがれ落ちることもなく、基材から顕著にこすれ落ちることもないことを見出した。これは、人体の表面に接触して使用される製造物品を形成するためのコーティングされた基材の、経済的な高速度処理を可能とする。
【0018】
本明細書及び添付の請求項において使用される場合、液体は決まった容積を有するが、容器により与えられる形を除き決まった形を有しない物質と定義される。本明細書において溶液は、液体、溶媒に溶解した物質(固体、液体又は気体)の均質な混合物と定義される。
【0019】
本明細書において使用される場合、用語「界面活性剤」は表面活性剤、すなわち表面の性質を改質する物質を指す。界面活性剤はしばしば、湿潤剤、洗剤、乳化剤、分散剤、浸透剤及び消泡剤として使用される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性であってよい。好ましくは、本発明に使用される界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤は一般的に人間の生体組織に対する刺激性がより低く、それゆえそれらは、このような組織に接する使用に際してより受け入れられ易い。
【0020】
本明細書において使用される場合、用語「親水性剤」は容易に水と会合する物質を指し、用語「親液性剤」はコロイド系において脂質を引き寄せる剤を指しており、分散した相が脂質であり分散媒を引きつけるコロイド系を記述している。剤の相対親水性及び親液性の1つの尺度はHLB、すなわち親水性−親液性バランスであり、高HLBは比較的親水性の剤を、低HLBは比較的親液性の剤を示している。好ましくは、親液性剤は、約10未満の、より好ましくは約8未満の、最も好ましくは約5未満のHLBを有する。
【0021】
本発明において使用される本発明において有用なワックス状組成物は、Brown−Skrobot及びBrown−Skrobotらの米国特許第5,389,374号、同第5,547,985号、同第5,641,503号、同第5,679,369号、及び同第5,705,182号に開示されているように、種々のバクテリアによる毒素の生成の抑制に有用であり、これらすべてが本明細書に援用される。これらの組成物は、多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル;多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルはその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有するジエステル;並びに、前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される。好ましくは、活性組成物はグリセロールモノラウレートである。
【0022】
本発明における希釈剤は、ワックス状組成物と液体組成物が付けられる基材の両方に相溶性である。希釈剤は、単一構成成分系又は複数の構成成分系であってよい。単一構成成分の希釈剤は、ワックス状構成成分とのその相溶性に基づき選択されてよい。例えば、ワックス状構成成分としてGML(HLBが5.2)を使用する場合には、類似のHLBの希釈剤、好ましくは5.2+/−約2のHLBの希釈剤を選択してよい。親水性のオレフィン性ジオールなどの希釈剤を使用して、他の性質(水性液体による湿潤性など)を付与することが望ましい場合には、GMLに類似のHLB、例えば約3.2〜約7.2、を有する界面活性剤などの追加の希釈剤を組み込み、2成分希釈剤とすることができる。
【0023】
本発明のオレフィン性ジオールは、高度に親水性及び/又は水とよく混合する。このように、本溶液で処理された吸収構造体により吸収され得る水性体液は、オレフィン性ジオールの不在下で本発明のワックス状組成物により処理された構造体に対するより、このような構造体に対してより大きい親和性を有することになる。
【0024】
有用なジオールの代表的な非限定的リストは、C2〜8ジオール及びポリグリコールなどを含む。好ましくは、ジオールは、グリコール(C及びCジオール)及びポリグリコールからなる群から選択される。本明細書及び請求項において使用される場合、用語「ポリグリコール」は、2つ以上のグリコール分子の脱水により生成されるジヒドロキシエーテルを指す。有用なポリグリコールの代表的な非限定的リストには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、又はブチレンオキシドとエチレンオキシドとのブロックコポリマーが含まれる。前述のポリグリコールの中では、約600未満の分子量を有するポリエチレングリコール及び約4,000未満の分子量を有するポリプロピレングリコールが好ましい。
【0025】
他の希釈剤又は希釈剤構成成分には、脂肪酸エステル及びエトキシ化砂糖誘導体などの界面活性剤を挙げることができる。好ましい脂肪酸エステルには、ソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。有用なソルビタン脂肪酸エステルの代表的な非限定的リストには、ソルビタンモノオレエート(HLB、4.3)、ソルビタンモノステアレート(HLB、4.7)、ソルビタンモノパルミテート(HLB、6.7)、ソルビタンモノラウレート(HLB、8.6)、ソルビタントリステアレート(HLB、2.1)及びソルビタントリオレエート(HLB、1.8)が含まれる。前述のソルビタン脂肪酸エステルの中では、ソルビタンモノオレエートが最も好ましい。
【0026】
好ましいエトキシ化砂糖誘導体には、メチルグルコース誘導体が挙げられる。有用なメチルグルコース誘導体の代表的な非限定的リストには、メチルグルセス−10、メチルグルコース−20、メチルグルコース−20ジステアレート、メチルグルコースジオレエート(HLB、5)及びメチルグルコースセスキステアレート(HLB、6)、PEG−120メチルグルコースジオレエート及びPEG−20メチルグルコースセスキステアレートが含まれる。
【0027】
他の希釈剤又は希釈剤構成成分は、約3〜約10の、好ましくは約3〜約7.5のHLB値を有するモノ−、ジ−又はトリグリセリドを含んでもよく、これらは米国イリノイ州ノースフィールドのStephan CompanyからNEOBEE(登録商標)z(登録商標)M−5カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとして入手できるカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(HLB、5)、米国アリゾナ州チャンドラーのInternational Flora Technologies,LtdからFLORASUN(商標)90として入手できるオレイン酸トリグリセリド(HLB、7)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
好ましくは、液体混合物は、約10〜約60wt%のワックス状構成成分及び約90〜約40wt%の希釈剤、より好ましくは約20〜約50wt%のワックス状構成成分及び約70〜約50wt%の希釈剤を含む。
【0029】
親水性及び親液性の希釈剤構成成分を含む希釈剤系は、下記の表1に示す範囲をとってよい。
【表1】

【0030】
本発明の液体組成物の調製の例を、ワックス状構成成分としてのグリセロールモノラウレートと複数の構成成分の希釈剤系を含む特定の系を参照にして以下に述べる。ワックス状構成成分が複数の場合でも又は希釈剤構成成分が1つだけの場合でも、他の液体組成物も同様に調製することができる。一般的に、希釈剤又は希釈剤系は、ワックス状構成成分が希釈剤と組み合わさって液化する温度に加熱される。構成成分が確実に十分均一になるように混合物を攪拌し、液体混合物が固化しない状態を保持し得る速さでワックス状構成成分を添加する。
【0031】
1つの好ましい実施形態においては、液体組成物はオレフィン性ジオールと界面活性剤とを、希釈剤を形成するために攪拌し約60℃まで加熱しながら、混ぜ合わせることにより調製することができる。攪拌を続けながらワックス状物質を希釈剤に加えてよく、加熱を継続してよい。グリセロールモノラウレート、PEG−400及びソルビタンモノオレエート(SPAN(登録商標)80)の例では、グリセロールモノラウレートは、溶液の温度を52℃未満に低下させない速度で加えることができる。本発明者らは、この混合物が〜52℃で透明になり始め、55℃で完全に透明になることを見出した。溶液を約60℃に加熱することにより、コーティング組成物の完全な混合がほぼ保証できる。
【0032】
上記の説明に従い溶液を調製した後、溶液は基材に付けられる。有用な基材には、フィルム(例えば有孔又は無孔の)、布地(例えば織物、編物又は不織布)、ひも(例えば糸、コード、テープ及びリボン)などが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムは比較的均質なフィルム、又はラミネーション、共押出及び他のフィルム成形法により形成される多層フィルムであってよい。フィルムは、ガスなどの流体、より好ましくは液体がフィルムを通り移動することを可能にする孔開であってよい。
【0033】
布地基材は、吸収性及び/又は非吸収性繊維を含んでよく、繊維は均質又は複数の構成成分であってよい。有用な繊維の代表的な非限定的リストには、セルロース、レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリウレタンなどが含まれるが、これらに限定されない。複数の構成成分の繊維は、2成分又はそれ以上でよく、鞘/芯構成、並列構成又は当業者が認識している他の構成を有してよい。
【0034】
有用な不織布の代表的な非限定的リストには、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、樹脂ボンド不織布、水流交絡不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布など、並びに有孔及び無孔フィルムが含まれる。
【0035】
コーティング組成物は、可撓性のシート状基材に当業者に公知の方法で付けられてよい。有用な付着方法の代表的な非限定的リストには、ディップ、液浸、ローラートランスファー、キスコーティング、スプレイ、ドクターブレード、グラビア、レリーフプリントなどが含まれる。
【0036】
好ましい実施形態においては、堅牢で可撓性である材料を形成するために、コーティングされた基材は速やかに冷却される。好ましくは、コーティング組成物は、基材を約5mm未満の直径を有する棒の上で180°の角度に曲げた場合には基材に付着して留まり、鋼鉄表面に押し付けた場合には多くが鋼鉄に移らない。これは、使い捨て吸収性物品などの製造物品を製造する更なる処理の厳しさに、コーティングされた基材が耐えることを示している。
【0037】
コーティングされた基材は、本出願と同日に出願された「Chiller Box」と題された米国特許出願第________号、(Atty Docket PPC 5322USNPに)に記述されている、コーティングされた基材を受容する入口、コーティングされた基材を排出する出口、並びにコーティングされた基材を冷却する手段、及び筺体中の温度を約0℃未満、より好ましくは約−20℃未満に保持する手段を少なくとも有する筺体を含む、冷却デバイスの使用により冷却されてよい。
【0038】
本発明において有用な基材に付けられる薬学的に活性な化合物の量は、約4wt%までであり、好ましくは約0.1〜約4重量パーセント、より好ましくは約0.5〜約3重量パーセント、最も好ましくは約0.9〜約2.5重量パーセントである。好ましい溶液比及び薬学的に活性な化合物の量から決められる、基材に付けられる液体混合物の量は、約10wt%までであり、好ましくは約0.2〜約8重量パーセント、より好ましくは約1〜約6重量パーセント、最も好ましくは約3〜約5重量パーセントである。
【0039】
本発明の基材は、独立して又は使い捨て物品の製造の要素として使用することができる。このような物品としては、局所又は経皮的な利用のパッチ、鼻のパッド(鼻のタンポン)、おむつ、失禁用品、衛生保護用品、ボディワイプ、ベッドシーツ及び手術用ガウンを挙げることができる。好ましくは、基材は、衛生保護用品及び失禁用品の製造に使用される要素である。溶液は、完成した使い捨て物品にも付けることができる。
【0040】
概して、衛生保護用品は、会陰部に接触して外部で着用される用品、及び部分的又は完全に膣管内部に入れ込まれ内部で着用される用品、の2つの明らかに異なる種類に分けられる。外部衛生保護用品には、限定することなく、パンティーライナー、フルサイズパッド及びウルトラシンが挙げられる。
【0041】
内部衛生保護用品としては、タンポンなどの吸収製品、Contenteらの米国特許第5,295,984号に記載されたものなどの収集製品、又はこれら2つの組み合わせを明示することができる。本明細書に援用された米国特許第4,294,253号及び同第4,642,108号は、タンポンの構成体及び製造プロセスを開示している。溶液が付けられる本発明の好ましい使い捨て吸収性物品は、生理用タンポンである。他の内部製品は、ペッサリー及び他の尿路支持デバイスなどの失禁用物品を含むことができる。
【0042】
使い捨て吸収性物品の製造プロセスは、吸収材料の少なくとも一部を液体透過性材料で包み込むことを含み、ここで、排出された体液が液体透過性材料に接触し、透過し、貯蔵のために吸収材料に引き込まれる。好ましい実施形態においては、液体透過性材料は本発明のコーティングされた基材である。
【0043】
吸収材料として有用な材料の代表的な非限定的リストは、木材パルプ及び綿パルプなどのセルロース繊維、ポリエステル及びポリオレフィンなどの合成繊維、ポリアクリル酸ナトリウムなどの超吸収性ポリマーなどを含む。
【0044】
所望により、プロセスは、収集した体液が物品を通り完全に透過することを防ぐために、吸収材料の第2の部分を液体非透過性材料で包み込むことを更に含むことができる。有用な液体非透過性材料としては、限定することなく、ポリオレフィン(例えばポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリビニル(例えばポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン)、共重合体(例えばエチレンビニルアセテート)、並びに1つ以上の上記ポリマーの混合物又はラミネートなどの高分子フィルム又はコーティング;吸収材料の下端層に組み込まれた不織布、有孔フィルム及び反発性繊維層などの体液反発構造が挙げられる。
【0045】
試験方法:
接触角
接触角(θ)は、液相/気相界面が固体表面に接触する角である。接触角は所与の系に固有であり、3つの界面、LV、SV及びSLにおける相互作用により決まる。サブスクリプトS、L及びVは、それぞれ、固体、液体及び蒸気を表わす。この概念は、平らな水平の固体表面上にある小さな液滴により、ゴニオメータを使用して例示されることが多い。接触角は3つの力、γLV(液体蒸気表面張力)、γSV(固体蒸気表面張力)及びγSL(固体液体界面張力)により制御される。3つの関係の平衡はヤングの式で示される、γSV=γSL+γLVcosθ。
【0046】
この開示において接触角は、DSA 100装置(Kruss GmbH,Hamburg,Germany)により測定された。接触角の測定は溶融/液体状態で行わなければならないので、特に断りのない限り、分析した製剤をすべて60℃の炉に入れ、平衡させた。試験表面は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンの混合物から形成されたポリマーフィルムを、平面を保つために両面テープを使用して、ガラス基材に付着させて作った。次いで、表面を装置の試料室に置いた。この試料室もまた、温度制御された水浴により(特に断りのない限り)60℃に温度調節されていた。試料を注射器に入れ、約0.5mmの直径の注射針から表面に注入した。液滴が形成され、針から表面に自由落下するまでサイズが増大した。平衡に達した後、表面の液滴の画像が得られた。
【0047】
Drop Shape Analysis(DSA)for Windows(商標)ver.1.90.0.14ソフトウェアパッケージ(Kruss GmbH,Hamburg,Germany)を使用して、得られた画像を解析することにより接触角は計算される。フィッティング方法による変動を避けるため、接触角はすべて、同じフィッティング方法を使用して測定された。第1のステップは、ベースライン、つまり液滴が表面と接触する点の判定である。これはソフトウェアにより自動的に行われ得るが、当業者により手動で調整することもできる。選択したフィッティング方法は、サーキュラーセグメント法(サークルフィッティング)であった。液滴の外形は、数学的にサーキュラーセグメントの形に当てはめられる。このようにして、ベースラインとの交点の面のみではなく、全液滴の外形を評価することができる。
【0048】
液滴の広がり過程が終了し平衡状態に到達すると、この状態は接触角(θ)で特徴付けられる。
【0049】
接着剤を使用して表面を下向きに取り付けることは、表面を所望の温度に加熱及び平衡させる間における、フィルムの皺の制御に役立つ。
【0050】
示差走査熱量測定
DSC(示差走査熱量測定)は、熱分析の方法である。これは、試料及び対照の温度を上げるために必要となる熱量の差を測定する。DSC(Universal Analysis 200ソフトウェアV4.4Aを備えたTA Instruments Model Q 200、密閉蓋付のアルミニウム製の試料皿)を使用して、製剤の固体から液体への相転移を調べる。液体状態の製剤を、事前に計量したアルミニウム製のDSC試料皿に加える。試料の最終重量を記録し、試料皿を密閉蓋でシールした。試料重量は、6〜10ミリグラムの範囲である。
【0051】
各試料のDSC測定は、加熱/冷却/加熱のシリーズで行なわれる。試料は25℃からスタートし、10度/分の一定速度で最高80℃まで熱を加える。次いで、試料を−20℃まで冷却し、80℃まで再加熱する。冷却及び加熱速度はともに10度/分である。液化温度は、第1ヒートサイクルの最大又はDSCチャートの第1ピークとして定義され、測定される。
【実施例】
【0052】
(実施例1):
本発明のコーティングがタンポンの商業生産に好適であるかどうかを判定するために、Frieseらの米国特許第6,310,269号、Leutwylerらの米国特許第5,832,576号、PPC708、及び一般的に米国特許第6537414号に開示されている有孔フィルムカバーを使用するSchoellingの米国特許出願第2002/0151859号の、一般的な教示に従いタンポンが製造され、これらの開示は本明細書に援用される。
【0053】
コーティング製剤のバッチは次のように調製された。
1.25重量部のPEG−400及び25重量部のSPAN 80を加える。これを攪拌しながら60℃に加熱する。
2.攪拌しながら、ゆっくりと50重量部のGMLを加える。GMLが加えられると温度が下がり始める。加熱と攪拌を継続する。溶液が52℃を超える温度に留まるような速度でGMLを加える。混合物は〜52℃で透明になり始め、55℃で完全に透明になる。完全なGML/PEG/SPANの混合を保証するために、溶液を60℃に加熱することが勧められる。
【0054】
有孔フィルムカバー用供給品を形成するための切断と巻き取りに先立ち、有孔フィルムカバー材料にオフラインでコーティングを付けた。供給品(タンポン当たり約2mgのGMLの目標量を有する)を商業処理設備で巻き戻し、概略を上記に述べたようにタンポンを製造した。タンポンの製造後、カバーに残っているGMLの量を、蒸発光散乱検出器(Evaporative Light Scattering Detector)を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
【0055】
この結果を以下の表2に示す。
【表2】

上記に報告した分析データは、未加工のフィルムと完成したタンポンとで顕著な損失がないことを示している。
【0056】
(実施例2)
概略下記の方法により一連のコーティング組成物を調製した。
1.混合用容器に所望の量の希釈剤を加え、攪拌しながら60℃に加熱する。
2.攪拌しながら、ゆっくりと所望の量のワックス状組成物、例えばGML、を加える。ワックス状組成物の添加は混合物の温度を低下させる傾向があるので、加熱と攪拌を継続する。混合物が真溶液を示す目安である透明になる温度まで加熱する。これは60℃未満の温度である。
【0057】
次いで、混合物を、液化温度の測定(示差走査熱量測定により測定される最初の固体から液体への熱吸収ピーク)及び選択した基材との60℃における接触角の測定により評価した。結果を下の表3に示す。
【表3−1】

【表3−2】

製剤Tは70℃に昇温した。 DSCによる融点(MP)は、固体から液体への最初の熱吸収ピークから測定した。
接触角は、60℃の表面に置いた平らなPEフィルム上の60℃における製剤の接触角である。
SPAN(登録商標)80は、HLB値が4.3のソルビタンモノオレエートである。
Neobee(登録商標)M−5は、HLB値が5のカプリル酸トリグリセリドである。
Florasun(商標)90は、HLB値が7のオレイン酸トリグリセリドである。
【0058】
本発明は、これに制限されることを意図しない上述の説明及び実施例により例証されている。本発明の範囲は、本明細書に添付した「請求項」により決められる。
【0059】
〔実施の態様〕
(1) 物質の組成物であって、
a)可撓性基材と、
b)前記基材に乗せたコーティングと、を含み、前記コーティングは、
i)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
A)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
B)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに
C)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
ii)約90〜40wt%の希釈剤と、を含んでなり、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、組成物。
(2) 前記コーティングが、約40℃〜約75℃の温度で安定な液体混合物を形成する、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記液体混合物が、少なくとも約35℃の液化温度を有する、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記希釈剤が、親水性剤及び親液性剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記親水性剤が、オレフィン性ジオールを含む、実施態様4に記載の組成物。
(6) コーティング組成物であって、
a)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
i)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
ii)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
b)約90〜40wt%の希釈剤と、を含んでなり、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、コーティング組成物。
(7) 膣内デバイスであって、
a)挿入可能な要素、
b)カバー材料の中にほぼ包み込まれた前記挿入可能な要素であって、前記カバー材料は、
i)可撓性基材と、
ii)前記基材に乗せたコーティングと、を含む、前記挿入可能な要素、を含み、前記コーティングは、組成物を含み、前記組成物は、
A)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
1)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
2)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、
3)前記モノエステル及びジエステルの混合物、
からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
B)約90〜40wt%の希釈剤と、を含み、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、膣内デバイス。
(8) 前記コーティングが、約40℃〜約75℃の温度で安定な液体混合物を形成する、実施態様7に記載の膣内デバイス。
(9) 前記液体混合物が、少なくとも約35℃の液化温度を有する、実施態様7に記載の膣内デバイス。
(10) 前記希釈剤が、親水性剤及び親液性剤を含む、実施態様7に記載の膣内デバイス。
【0060】
(11) 前記親水性剤が、オレフィン性ジオールを含む、実施態様10に記載の膣内デバイス。
(12) 前記可撓性基材がフィルムを含む、実施態様7に記載の膣内デバイス。
(13) 前記フィルムが有孔フィルムを含む、実施態様12に記載の膣内デバイス。
(14) 前記可撓性基材が不織布を含む、実施態様7に記載の膣内デバイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質の組成物であって、
a)可撓性基材と、
b)前記基材に乗せたコーティングと、を含み、前記コーティングは、
i)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
A)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
B)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに
C)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
ii)約90〜40wt%の希釈剤と、を含んでなり、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、組成物。
【請求項2】
前記コーティングが、約40℃〜約75℃の温度で安定な液体混合物を形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記液体混合物が、少なくとも約35℃の液化温度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記希釈剤が、親水性剤及び親液性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記親水性剤が、オレフィン性ジオールを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
コーティング組成物であって、
a)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
i)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
ii)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、
iii)前記モノエステル及びジエステルの混合物、からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
b)約90〜40wt%の希釈剤と、を含んでなり、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、コーティング組成物。
【請求項7】
膣内デバイスであって、
a)挿入可能な要素、
b)カバー材料の中にほぼ包み込まれた前記挿入可能な要素であって、前記カバー材料は、
i)可撓性基材と、
ii)前記基材に乗せたコーティングと、を含む、前記挿入可能な要素、を含み、前記コーティングは、組成物を含み、前記組成物は、
A)約10〜60wt%のワックス状化合物であって、
1)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのモノエステルであって、前記モノエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、モノエステル、
2)多価脂肪族アルコールと8〜18個の炭素原子を含有する脂肪酸とのジエステルであって、前記ジエステルがその脂肪族アルコール残基に会合している少なくとも1つのヒドロキシル基を有する、ジエステル、並びに、
3)前記モノエステル及びジエステルの混合物、
からなる群から選択される、約10〜60wt%のワックス状化合物と、
B)約90〜40wt%の希釈剤と、を含み、
前記コーティングが、約35℃〜約100℃の温度で安定な液体混合物を形成し、少なくとも約30℃の液化温度を有し、60℃の温度で測定した場合に前記基材の平らな表面と約35°未満の接触角を有する、膣内デバイス。
【請求項8】
前記コーティングが、約40℃〜約75℃の温度で安定な液体混合物を形成する、請求項7に記載の膣内デバイス。
【請求項9】
前記液体混合物が、少なくとも約35℃の液化温度を有する、請求項7に記載の膣内デバイス。
【請求項10】
前記希釈剤が、親水性剤及び親液性剤を含む、請求項7に記載の膣内デバイス。
【請求項11】
前記親水性剤が、オレフィン性ジオールを含む、請求項10に記載の膣内デバイス。
【請求項12】
前記可撓性基材がフィルムを含む、請求項7に記載の膣内デバイス。
【請求項13】
前記フィルムが有孔フィルムを含む、請求項12に記載の膣内デバイス。
【請求項14】
前記可撓性基材が不織布を含む、請求項7に記載の膣内デバイス。

【公表番号】特表2012−509711(P2012−509711A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537612(P2011−537612)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/065110
【国際公開番号】WO2010/059800
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】