説明

人体用エアゾール製品

【課題】液化ガスを多く含有させても噴霧粒子を飛散させることなく、薬液の塗布効率が高く、所望の時間で薬液を患部に到達させ、かつ、優れた冷却感を得ること。
【解決手段】有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%含有するエアゾール組成物6を充填したエアゾール容器4と、エアゾール容器4に装着される塗布部材1とからなる人体用エアゾール製品100であって、塗布部材1に、エアゾール容器4から放出されるエアゾール組成物6を一時貯留すると共に、患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体11で構成された塗布部10を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体用エアゾール製品に関する。さらに詳しくは、有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%と多く含有するエアゾール組成物を充填したエアゾール容器と、エアゾール容器に装着される塗布部材とからなり、塗布部材を皮膚に押し当てて使用する人体用エアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール製品は、有効成分を含む原液と噴射剤とからなるエアゾール組成物と、エアゾール組成物を充填するエアゾール容器と、エアゾール容器からエアゾール組成物を所望の噴射形態で噴射する噴射部材(塗布部材)とから構成されている。
【0003】
前記噴射剤として用いられる液化石油ガスやジメチルエーテルなどの液化ガスは、エアゾール容器内部では液体であり、大気中に放出されると気化して気体になる。このとき容積が膨張して原液(液体)を霧状や泡状などに変化させることができると共に、気化熱により優れた冷却効果が得られるため、制汗剤、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、抗真菌剤、害虫忌避剤など、人体用エアゾール製品に幅広く用いられている。
【0004】
しかしながら、エアゾール組成物中に液化ガスを多く配合すると噴霧粒子が細かくなりすぎ、人体に噴射した際に皮膚や頭髪などに付着せずに跳ね返って飛散する。そのため、使用者は飛散している噴霧粒子を吸引しやすくなるという問題が生じる。特に消炎鎮痛剤や害虫忌避剤などの頭部に近い個所に塗布する製品の場合は、使用者が噴霧粒子を吸引しやすくなる。そこで、使用者が噴霧粒子を吸引するのを回避するために、噴霧粒子が細かくならないように液化ガス量を少なくする、増粘剤やポリオールなどを配合するなどの方法が検討されている。しかしながら、このような回避方法を用いた場合には冷却効果が得られにくく、乾燥性が劣るなど、使用感が低下する。
【0005】
一方、特許文献1、2には、高分子焼結多孔質体やスポンジなどの塗布部を備えたエアゾール製品あるいはエアゾール装置が開示されている。これらは、エアゾール容器より放出されたエアゾール組成物(以下、薬液)を高分子焼結多孔質体やスポンジに含浸させて目的部位に直接塗布することができる。以下で、特許文献1、2について簡単に説明する。
【0006】
特許文献1のエアゾール製品は、使用感を向上させるとともに、薬液の適正な塗布量を確保することを目的としており、その塗布部に球面状の焼結多孔質体を装着している。この焼結多孔質体はポリエチレン又は、ポリプロピレン或いはエチレン・酢酸ビニルコポリマーの粒体を原料として焼結成形され、標準平均気孔径が5〜100μmの範囲で形成される。このエアゾール製品は、弁を開放することにより弁から噴射された薬液を安定した状態で焼結多孔質体の表面に浸透することができるため、安定した塗布量を確保することができ、塗布時の分布状態を均一化することができる。特に直接皮膚に塗布することができるため、薬液の空中への飛散を防止して無駄なく塗布することができる。
【0007】
特許文献2のエアゾール装置は、発泡性内容物を塗布する際に、一塗りあたりの塗布面積を大きくも小さくもすることができ、さらに塗布作業をし易くすることを目的としている。その構造は、塗布部において、独立気泡スポンジと連続気泡スポンジとの積層構造からなるスポンジ部の頂面の平面形状を長方形状に形成し、さらにスポンジを固着したキャップの肩部をハの字状に傾斜するように形成している。このことにより、塗り方向に長方形の長辺側を向けるか短辺側を向けるかによって幅の広い塗り面積と幅の狭い塗り面積とを選択することができる。また、キャップの肩部がハの字状に傾斜されて角がとれているので、スポンジ部を塗布面に押しつけて塗る際に、エアゾール容器を塗布面に対し斜めに傾斜させて押し当てることができるので塗布作業がし易くなるというものである。
【0008】
【特許文献1】特開2000−225360号公報
【特許文献2】実開昭61−125355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1のように高分子焼結多孔質体を備えた塗布部材を使用する場合、高分子焼結多孔質体は標準平均気孔径が5〜100μmと非常に小さい範囲で形成されているため、塗布部を患部に押し付けるなどの噴射操作をしてから薬液が高分子焼結多孔質体に含浸され、患部に塗布可能になるまでの時間が長くなり即効性がない。また焼結体は固く凸状であるため患部と接触する面積が小さく、塗布効率が悪い。
【0010】
特許文献2は発泡性内容物に使用するものである。発泡性内容物は少ない液化ガスで原液を泡状にしており、泡を移動させるエネルギーが小さいため、泡がスポンジ内をスムーズに移動できるようにスポンジの孔を粗くしている。よって、特許文献2記載の塗布部材を液化ガスの配合量が多いエアゾール組成物に用いると、噴霧粒子の飛散を避けることはできるものの、スポンジがエアゾール組成物を通過させやすく、液化ガスが直接患部に付着して凍傷を引き起こす恐れがある。
【0011】
本発明の人体用エアゾール製品は、上記従来の問題を鑑みたもので、液化ガスを多く含有させても粒子を飛散させることなく、噴射操作をしてから短時間で薬液を塗布できる状態になり、さらに薬液の塗布効率が高く、薬液から優れた冷却感が得られる人体用エアゾール製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の人体用エアゾール製品は、有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%含有するエアゾール組成物が充填されるエアゾール容器と、エアゾール容器に装着される塗布部材とからなる人体用エアゾール製品であって、前記塗布部材が、エアゾール容器から放出されるエアゾール組成物を一時貯留すると共に、患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体で構成された塗布部を備えてなることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の人体用エアゾール製品は、前記塗布部が、エアゾール組成物の流出通路と同軸方向に伸びる中心通路を備えてなることが好ましい。
【0014】
また、本発明の人体用エアゾール製品は、前記軟質な発泡体の見かけ密度が0.005〜0.1(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.01〜0.6(kg/cm2)であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の人体用エアゾール製品は、前記塗布部が、軟質な発泡体の下面に硬質な発泡体を備えてなることが好ましい。
【0016】
また、本発明の人体用エアゾール製品は、前記硬質な発泡体の見かけ密度が0.05〜0.3(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.7〜5(kg/cm2)であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の人体用エアゾール製品は、前記液化ガスの20℃における蒸気圧が0.05〜0.3(MPa)であることが好ましい。
【0018】
また本発明の人体用エアゾール製品は、前記塗布部材が噴射孔を有する本体と塗布部とを備えており、塗布部が噴射孔に対して移動自在であり、塗布部の位置により、エアゾール組成物を含浸させて患部に塗布する第1状態と、エアゾール組成物を患部に噴霧する第2状態とを切り替えることができることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の人体用エアゾール製品(請求項1)によれば、塗布部材がエアゾール容器から放出されるエアゾール組成物を一時貯留すると共に、患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体で構成された塗布部を備えているので、以下に述べる3つの効果を得ることができる。
(1)エアゾール組成物を塗布部内で一時貯留するため、液化ガスを多く含有しても飛散することなく、薬液を塗布することができる。
(2)また、塗布部内で液化ガスは一気に全量気化せず、一部が気化して自己冷却するため、塗布される薬液は液化ガスを含有しており優れた冷却感が得られる。また塗布部内も冷却されるため、液化ガスは徐々に気化し冷却効果が持続する。
(3)塗布部を患部に押し付けると患部の形状に応じて変形するため、患部との接触面積が大きく、塗布効率が高い。
【0020】
また、塗布部が、エアゾール組成物の流出通路と同軸方向に伸びる中心通路を備えている場合は(請求項2)、噴射操作してから患部に薬液が到達するまでの時間が短く、即効性に優れている。
【0021】
また、軟質な発泡体の見かけ密度が0.005〜0.1(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.01〜0.6(kg/cm2)である場合は(請求項3)、発泡体内に液化ガスを含んだ状態で貯留しやすく、さらに塗布時の押圧力で患部の形状に応じて変形する強度が得られやすい。
【0022】
また、塗布部が、軟質な発泡体の下面に硬質な発泡体を備えている場合は(請求項4)、塗布部を患部に強く押し付けても硬質な発泡体によりバルブと患部との距離を保つことができ、過冷却を防止することができる。
【0023】
また、硬質な発泡体の見かけ密度が0.05〜0.3(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.7〜5(kg/cm2)である場合は(請求項5)、発泡体内でのエアゾール組成物の移動がスムーズであり、噴射操作してから塗布できる状態になるまでの時間が短く、使い勝手がよい。
【0024】
また、液化ガスの20℃における蒸気圧が0.05〜0.3(MPa)である場合は(請求項6)、エアゾール組成物が塗布部内に貯留される時間が最適になり、優れた冷却効果が得られ、かつ持続しやすい。
【0025】
また、前記塗布部材が噴射孔を有する本体と塗布部とを備えており、塗布部が噴射孔に対して移動自在であり、塗布部の位置により、エアゾール組成物を含浸させて患部に塗布する第1状態と、エアゾール組成物を患部に噴霧する第2状態とを切り替えることができる場合は(請求項7)、広範囲への噴霧と局部への塗布という両極端な使用方法を1本の製品で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の人体用エアゾール製品は、有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%含有するエアゾール組成物が充填されるエアゾール容器と、エアゾール容器に装着される塗布部材とからなる人体用エアゾール製品であって、前記塗布部材が、エアゾール容器から放出されるエアゾール組成物を一時貯留すると共に、患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体で構成された塗布部を備えていることを特徴としている。
【0027】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明の人体用エアゾール製品について詳細に説明する。
【0028】
図1aは、本発明の実施形態1のエアゾール製品の断面を示す図、図1bは、本発明の実施形態1のエアゾール製品に用いられる塗布部の他の形態を示す断面図、図2は、本発明の実施形態2のエアゾール製品の断面を示す図、図3は、本発明の実施形態3のエアゾール製品の断面を示す図、図4は、本発明の実施形態4のエアゾール製品の断面を示す図、図5は、本発明の実施形態5のエアゾール製品の断面を示す図、図6(a)は、本発明の実施形態6のエアゾール製品の噴霧時の断面を示す図、図6(b)は、本発明の実施形態6のエアゾール製品の塗付時の断面を示す図、図6(c)は、本発明の実施形態6のエアゾール製品の本体および塗付部を示す斜視図、図7(a)は、本発明の実施形態7のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す断面図、図7(b)は、本発明の実施形態7のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す斜視図、図8(a)は、本発明の実施形態7のエアゾール製品の塗付時の状態を示す断面図、図8(b)は、本発明の実施形態7のエアゾール製品の塗付時の状態を示す斜視図、図9(a)は、本発明の実施形態8のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す断面図、図9(b)は、本発明の実施形態8のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す斜視図、図10は、本発明の実施形態8のエアゾール製品の塗付時の状態を示す断面図である。図中、同じ機能を持つ構成要素には、同一の参照符号を付している。
【0029】
実施の形態1
図1aに示す人体用エアゾール製品100は、耐圧容器4の開口部にエアゾールバルブ3を固着したエアゾール容器と、エアゾール容器内に充填されるエアゾール組成物6と、エアゾール容器に装着される塗布部材1とからなる。
【0030】
前記耐圧容器4は、アルミニウムやブリキなどの金属板や円盤状のものをインパクト加工または絞りしごき加工などによって底部と胴部を形成し、さらにネッキング加工、カーリング加工によって肩部、ビード部4aを形成している。なお、ブリキや錫−ニッケル系鋼板などの金属板を円筒状にした胴部に、底部と、ビード部4aを形成した目金とを二重巻き締めにより固着した3ピース缶、あるいは2ピース缶を用いても良い。さらに、耐圧ガラスや合成樹脂など、耐圧性を有する他の材質であってもよい。
【0031】
前記エアゾールバルブ3は、従来公知のものが用いられ、耐圧容器4のビード部4aにガスケットを介して固着されるマウンティングカップ34と、マウンティングカップ34の中央部に保持されるハウジング33と、ハウジング33内にスプリング32と共に収容されスプリング32により常時上方に付勢されるステム30と、その内径面にステム30を挿入し、ステム30がスプリング32の反発力により上向きに付勢されている状態でステム30のステム孔を覆うあるいはステム孔より下方の外周面全体を覆いエアゾール容器内部を密封するステムラバー31とを備えている。このエアゾールバルブ3は、ステム30がエアゾール容器の軸線下方に移動することによりステム孔が開放されるプッシュダウン式であり、エアゾール製品を倒立状態にして使用するためハウジング33にはディップチューブが装着されていない。
【0032】
前記塗布部材1は、球帯状の本体2と、球帯の上面に貼付された円柱状の塗布部10とからなる。本体2は、上面の中心から軸線下方に延びる円筒状の筒部を有し、筒部の下端にはステム30に装着するためのステム装着部2cが形成されており、筒部の内部にはステム装着部2cから上面まで連通する本体通路2bが設けられ、さらに本体通路2bの上部開口には本体通路2bよりも断面積が広くなった貯留空間2aが設けられている。該貯留空間2aでエアゾール組成物を一時的に貯留することができる。また貯留されたエアゾール組成物は、後述する塗布部10の下面に広範囲に付着させることができ、エアゾール組成物は液化ガスの気化による推進力で塗布部10内を上方へ(塗布面へ)移動しやすくなる。
【0033】
前記塗布部10は、軟質な発泡体(軟質発泡体)11と硬質な発泡体(硬質発泡体)12とが熱溶着などにより張り合わされた積層体であり、硬質発泡体12の下面が本体2の上面に貼り付けられ、軟質発泡体11の上面が塗布面になる。塗布部10は、その内部でエアゾール容器から放出されたエアゾール組成物を一時貯留すると共に、その間に薬液を液化ガスの気化熱により冷却する作用がある。さらに、患部に薬液を塗布するときは、軟質発泡体の上面を押し当てることで患部の形状に応じて変形し、患部と密着して薬液を効率良く塗布することができる。
【0034】
前記軟質発泡体11は、たとえば、ポリウレタンや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの合成樹脂を発泡させて所定の形状に成形した発泡樹脂を用いることができる。軟質発泡体11は、見かけ密度が0.005〜0.1(g/cm3)であることが好ましく、さらには0.01〜0.06(g/cm3)であることが好ましい。軟質発泡体11の見かけ密度が0.005(g/cm3)よりも小さい場合は薬液の保持時間が短く液垂れしやすくなる。またこの場合、軟質発泡体11の強度が低下し塗布時に損傷しやすくなる。一方、軟質発泡体11の見かけ密度が0.1(g/cm3)よりも大きい場合は固くなりやすく、患部の形状に応じて変形し難くなるため、薬液を効率よく塗布しにくくなる。ここで、見かけ密度とは、内部に空隙を含んだ材料の体積によってその質量を除した値である。
【0035】
また軟質発泡体11は、軟質発泡体を25%圧縮するのに要する力(以下、圧縮硬度)が0.01〜0.6(kg/cm2)、さらには0.02〜0.5(kg/cm2)であることが好ましい。軟質発泡体11の圧縮硬度が0.01(kg/cm2)より小さい場合は強度が低く、塗布時に損傷しやすくなる。一方、軟質発泡体11の圧縮硬度が0.6(kg/cm2)よりも大きい場合は患部の形状に応じて変形し難くなるため、薬液を効率よく塗布しにくくなる。ここで、圧縮硬度とは、発泡体に荷重をかけて25%圧縮するのに必要な荷重を単位面積あたりに換算した値である。
【0036】
さらに軟質発泡体11の容積は、エアゾール組成物の単位時間あたりの噴射量(ml/秒)の0.5〜10秒分、さらには1〜5秒分であることが好ましい。容積が0.5秒分未満の場合はエアゾール組成物を軟質発泡体11内に保持する時間が短く患部で液垂れしやすくなる。一方、軟質発泡体11の容積が噴射量(ml/秒)の10秒分よりも大きい場合は、エアゾール組成物を軟質発泡体11内に保持する時間が長くなり、噴射操作してから患部に薬液を塗布できるまでの時間が長い。さらに、噴射した量を人体に全量塗布するのに時間がかかる。
【0037】
前記硬質発泡体12は、その内部でエアゾール組成物が通過する速度を遅くして保持時間を長くし、薬液の温度を調整すると共に、液化ガスを徐々に気化させて冷却効果を持続させる作用がある。さらに、塗布部を患部に強く押し付けても硬質発泡体12は変形しにくく、硬質発泡体が支持部となってステムの先端から患部までの距離を保つことができ、過冷却を防止することができる。
【0038】
前記硬質発泡体12は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリスチレンなどを発泡させて所望の形状に成形することにより製造した発泡樹脂を用いることができる。硬質発泡体12は、見かけ密度が0.05〜0.3(g/cm3)であることが好ましく、さらには0.06〜0.2(g/cm3)であることが好ましい。硬質発泡体12の見かけ密度が0.05(g/cm3)より小さい場合は、エアゾール組成物の保持時間を長くする、冷却効果を持続させるなどの効果が得られにくくなる。一方、硬質発泡体12の見かけ密度が0.3(g/cm3)よりも大きい場合は、エアゾール組成物の移動が遅くなりすぎ、噴射操作してから患部に薬液を塗布できるまでの時間が長くなる。さらに滞留時間が長くなり、放出したエアゾール組成物を全量塗布するまでに時間がかかる。
【0039】
また硬質発泡体12は、硬質発泡体を25%圧縮するのに要する力(以下、圧縮硬度)が0.7〜5(kg/cm2)、さらには0.8〜4(kg/cm2)であることが好ましい。硬質発泡体12の圧縮硬度が0.7(kg/cm2)よりも小さい場合は塗布部10を患部に押し付けたときに変形量が大きくなり、ステム30を確実に開放できない。一方、硬質発泡体12の圧縮硬度が5(kg/cm2)よりも大きい場合は、塗布部を人体に押し付けたときに軟質発泡体を介して硬質発泡体の硬さが伝わりやすく、使用感が悪くなる。
【0040】
さらに硬質発泡体12の容積は、エアゾール組成物の単位時間あたりの噴射量(ml/秒)に応じて適宜設計することができるが、噴射量の0.5〜10秒分、さらには1〜5秒分であることが好ましい。硬質発泡体12の容積が噴射量の0.5秒分よりも小さい場合はエアゾール組成物を保持する時間が短く冷却効果を持続しにくい。一方、噴射量(ml/秒)の10秒分よりも大きい場合は噴射操作してから患部に薬液を塗布できるまでの時間が長くなり、噴射した量を全量塗布するのに時間がかかる。なお、硬質発泡体12と軟質発泡体11との容積比は1:5〜5:1、さらには1:3〜3:1であることが好ましい。
【0041】
また、軟質発泡体11と硬質発泡体12には、エアゾール組成物の流出通路となる本体通路2bと同軸方向に伸びる中心通路11a、12aがそれぞれ設けられている。該中心通路11a、12aにより、本体通路2bを経て貯留空間2aに放出されたエアゾール組成物の一部を直接軟質発泡体11に含侵させることができると共に、エアゾール組成物が中心通路11a、12aを通過するときに液化ガスの気化による推進力により中心通路11a、12aの側面から外方に拡がり短時間で硬質発泡体12および軟質発泡体11全体に含侵するため、噴射操作をしてから人体に薬液を塗布できるまでの時間を短くすることができる。
【0042】
なお、中心通路は軟質発泡体11と硬質発泡体12の両方に設けても良く、いずれか一方に設けても良い。さらに、中心通路は発泡体を貫通するように設けても良く、中心通路の断面積が変化するように設けても良い。図1aに示すように、中心通路が軟質発泡体11と硬質発泡体12の両方を貫通するように設けた場合でも、本体通路2bを経て放出されたエアゾール組成物は貯留空間2aにより流速が減速されるため、直接患部に付着することが防止される。さらに、後述するが、20℃での蒸気圧が0.05〜0.3MPaである液化ガスを40〜99重量%含有したエアゾール組成物を用いる場合は、本体通路2b、貯留空間2a、中心通路11a、12aにより噴射の勢いを調整しやすく、液化ガスが直接患部に付着することを防止できる。
【0043】
なお図1bに示すように、塗布部10を軟質発泡体11の単層で構成しても良い。
【0044】
前記エアゾール容器に充填されるエアゾール組成物は、有効成分を含む原液と液化ガスとからなる。
【0045】
前記有効成分は、製品の用途や目的などに応じて適宜選択できるものであり、たとえば、サリチル酸メチル、ケトプロフェン、インドメタシン、フェルビナク、ピロキシカム、カンフル、ジフェンヒドラミン、クロタミトンなどの消炎鎮痛剤;硝酸ミコナゾール、エコナゾール、ビフォナゾール、クロトリマゾール、塩酸ネチコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸オキシコナゾール、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィンなどの抗真菌剤;尿素などの鎮痒剤;N、N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミドなどの害虫忌避剤;パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなど殺菌剤;トウガラシチンキ、ジカプリル酸ピリドキシン、センブリ抽出物、酢酸―dl−α―トコフェロールなどの血行促進剤;l−メントール、カンフルなどの清涼剤;アラントインヒドロキシアルミニウム、クエン酸、乳酸、タンニン酸などの収斂剤;アラントイン、グリチルレチン酸、アズレンなどの抗炎症剤;塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどの局所麻酔剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェミラミンなどの抗ヒスタミン剤;ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどの消臭剤;クロロヒドロキシアルミニウムなどの制汗剤;グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニントリプトファン、シスチン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸;レチノール、パルミチン酸レチノール、塩化ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類;α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤;ドクダミエキス、オウバクエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、キナエキス、サクラソウエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液;合成香料、天然香料などの香料;などがあげられる。
【0046】
有効成分の配合量は、原液中1〜50重量%、さらには2〜40重量%であることが好ましい。有効成分の配合量が1重量%未満の場合は有効成分濃度が低く、所望の効果を得るためには使用量が多くなり、50重量%を越えると有効成分濃度が高く、使用上限を超えて使用しやすく悪影響を及ぼす恐れがある。
【0047】
前記原液は有効成分以外に、溶媒、油性成分、界面活性剤、補助成分などを配合することができる。
【0048】
前記溶媒は有効成分を溶解あるいは分散させるだけでなく、エアゾール容器から放出されると塗布部10内で液化ガスの気化によって冷却され冷却効果を持続させる。前記溶媒としては、たとえば、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水などの水;エタノール、イソプロパノールなどの1価の低級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどの多価アルコールなどがあげられる。
【0049】
溶媒の配合量は特に限定されないが、原液中50〜99重量%、さらには60〜98重量%であることが好ましい。溶媒の配合量が50重量%未満の場合は冷却効果が持続しにくくなり、99重量%よりも多くなると有効成分を必要量配合しにくくなり1回での使用量が多くなる。
【0050】
前記油性成分は、有効成分を付着しやすくする、さらっとした感触を得るなど使用感を向上させる、皮膚に潤いを与える、乾燥しにくくするなどの目的で用いられる。前記油性成分としては、たとえば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチル、セバシン酸ジエチルなどのエステル油;スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素油;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸;ミツロウ、ラノリン、カンデリラロウ、パラフィンワックスなどのロウ(ワックス類);ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂;などがあげられる。
【0051】
油性成分を配合する場合の配合量は、原液中0.1〜20重量%、さらには0.5〜15重量%であることが好ましい。油性成分の配合量が0.1重量%未満の場合は油性成分を配合する効果が得られにくく、20重量%を越えるとべたつき感が強くなる、乾燥性が悪くなるなど、使用感が低下しやすい。
【0052】
前記界面活性剤は、溶媒に溶解し難い有効成分を可溶化させる、有効成分を付着させやすくする、などの目的で用いられる。前記界面活性剤としては、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、デカなど)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などの非イオン系界面活性剤などがあげられる。
【0053】
界面活性剤を配合する場合の配合量は、原液中0.1〜10重量%、さらには0.5〜5重量%であることが好ましい。界面活性剤の配合量が0.1重量%未満の場合は界面活性剤を配合する効果を得られにくく、10重量%を越えると刺激が強くなる、べたつき感が強くなる、乾燥性が悪くなるなど、使用感が低下しやすい。
【0054】
前記補助成分としては、たとえば、原液のpHを調整して有効成分を安定に溶解するためのpH調整剤、原液に粘性を付与して冷却効果を調整するための増粘剤、などがあげられる。
【0055】
前記pH調整剤としては、たとえば、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、モノエタノールアミン(MEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオール(AMPD)などの有機アルカリ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リン酸などの有機酸、塩酸などの無機酸などがあげられる。
【0056】
前記増粘剤としては、たとえば、寒天、デキストリン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトルセルロース、結晶セルロース、キサンタンガム、ジェランガム、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーなどがあげられる。
【0057】
増粘剤を配合する場合の配合量は、原液中0.01〜10重量%、さらには0.1〜5重量%であることが好ましい。増粘剤の配合量が0.01重量%未満の場合は粘度上昇が少なく増粘剤の配合効果を得られにくく、10重量%を越えると粘度が高くなりすぎるため、塗布部10内で薬液が滞留しやすく即効性が悪くなる。
【0058】
前記原液は、有効成分を溶媒に溶解あるいは分散(乳化)させることにより調整することができるが、塗布部10内で液化ガスが徐々に気化しても分離せず、均一な組成で患部に塗布できるという点から、有効成分が溶媒に溶解した均一なものが好ましい。
【0059】
原液はエアゾール組成物中1〜60重量%、さらには1.5〜40重量%、特に2〜30重量%であることが好ましい。原液の配合量が1重量%未満の場合は冷却効果が持続しにくく、60重量%を超えると冷却感を得られにくく、塗布部内に原液が残りやすくなるため、使い勝手が悪い。
【0060】
前記液化ガスは、エアゾール組成物の噴射剤として、さらにはエアゾール容器から放出されたエアゾール組成物自身を冷却する自己冷却成分として作用する。前記液化ガスは沸点が5℃以下であるものが冷却効果に優れているという点から好ましく、たとえば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物からなる液化石油ガス、ジメチルエーテル、および液化石油ガスとジメチルエーテルの混合物などがあげられる。さらに冷却温度や持続時間などの調整するためにノルマルペンタン、イソペンタンなどの沸点が5〜40℃である炭化水素を配合しても良い。特に、塗布部10内で液化ガスが残留しやすく冷却効果に優れている点、塗布部内を移動する速度を調整しやすい点から、20℃での蒸気圧が0.05〜0.3(MPa)、さらには0.08〜0.2(MPa)である液化ガスを用いることが好ましい。液化ガスの蒸気圧が0.05(MPa)よりも小さい場合は塗布部内でのエアゾール組成物の拡散が遅いため、塗布部内の移動時に温度上昇しやすく患部に塗布する薬液の温度が高くなり、冷却効果が得られにくい。一方、液化ガスの蒸気圧が0.3(MPa)よりも大きい場合は、塗布部内での気化や移動が速いため薬液内に液化ガスが残留しにくく冷却効果が持続しにくい。
【0061】
液化ガスの配合量は、エアゾール組成物中40〜99重量%、さらには60〜98.5重量%、特に70〜98重量%であることが好ましい。液化ガスの配合量が40重量%よりも小さい場合は自己冷却能力が不充分であり、薬液内に液化ガスが残留しにくく冷却効果が弱くなりやすい。一方、液化ガスの配合量が99重量%よりも大きい場合は塗布部内での気化が速くなり冷却効果を持続し難くなる。
【0062】
前記エアゾール組成物は、耐圧容器4に原液を充填し、耐圧容器4の開口部にエアゾールバルブ3を固着するときに液化ガスをアンダーカップ充填により充填することにより調整できる。得られるエアゾール組成物は、塗布部10内で液化ガスが徐々に気化しても原液と液化ガスとが分離せずに均一な組成で塗布できるように、原液と液化ガスとが均一に溶解したものが好ましい。
【0063】
このようにして得られる人体用エアゾール製品100は、塗布部材を下方に向く状態(倒立状態)にして塗布部10の天面を患部に押し付けることによりステム孔が開放され、エアゾール容器内部のエアゾール組成物6がステム孔から本体通路2bを経て硬質発泡体12に付着する。このとき液化ガスの一部は気化して残りの液化ガスと原液とを冷却すると共に、徐々に気化する液化ガスの推進力により硬質発泡体12内を上方に移動し、さらに硬質発泡体12の上面に接している軟質発泡体11内に移動して患部に液状で塗布される。さらに塗布される薬液は徐々に気化する液化ガスにより塗布部10内で連続的に冷却されるため非常に優れた冷却感を得られると共に、塗布部10自体も冷却されるため液化ガスの気化が抑制されて冷却効果を持続する。
【0064】
当該実施の形態1のエアゾール製品100では、塗布部10の天面の直径が20〜50mmと比較的大きな面積を有しているため、腕、脚、肩、首、背中などの広い範囲に塗布する製品に好適に用いることができ、たとえば消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤、収斂剤などを塗布する人体用エアゾール製品があげられる。
【0065】
実施の形態2
図2に示す人体用エアゾール製品110は、ステム30が傾動するとステム孔が開放されるティルト式バルブであること以外は図1aのエアゾール容器と同じものである。また塗布部材1は円筒状の本体2と、本体2の上面に貼付されるドーム状の塗布部10とからなる。
【0066】
本体2は、図1aの塗布部材と同様に、下部にステム装着部2cが設けられ、筒部の内部には本体通路2bが、さらに本体通路2bの上部には貯留空間2aが形成されている。塗布部10は、円盤状の硬質発泡体12と、硬質発泡体12の側面および上面を覆い、かつ、上部が半球状に形成されている軟質発泡体11とからなる。硬質発泡体12にはその中心に軸方向に貫通する中心通路12aが設けられており、軟質発泡体11にはその中心に硬質発泡体12側から途中まで軸方向に伸びる中心通路11aが設けられており、貯留室内のエアゾール組成物を硬質発泡体12内および軟質発泡体11に移動しやすくする効果がある。なおこの実施の形態の場合、貯留空間2aは大気と直接連通していないため、貯留空間2aがエアゾール組成物で満たされると、ステム孔が開放されていてもエアゾール容器からのエアゾール組成物が供給されにくくなり、貯留空間2aが簡易的な定量室の役割を果たして、薬液の塗布量を適切に調整することができる。
【0067】
このエアゾール製品110を使用する場合は、図1のエアゾール製品100と同様に塗布部材が下方に向く状態にし、塗布部10の天面を患部に押し付けて塗布する、あるいは筒部の側面を指で押して傾動させながら患部に塗布することができる。
【0068】
この実施の形態では、塗布部材が円筒状であり塗布部10がその先端に設けられていることから、足の指や指の間などの狭い患部に塗布する製品に好適に用いることができる。たとえば水虫薬などを塗布する人体用エアゾール製品があげられる。
【0069】
実施の形態3
図3に示す人体用エアゾール製品120は、ハウジング33の下部に耐圧容器4の底部で開口するディップチューブを設けていること以外は図1のエアゾール容器と同じものである。また塗布部材の本体2は本体通路2bがL字状であり、本体通路2bの先端から貯留空間2aが横方向に開口するように設けられており、塗布部10も貯留空間2aの開口部を塞ぐように横方向(耐圧容器4の軸線方向に対して垂直方向)に設けられている。該貯留空間2aも、図1の塗布部材と同様に簡易的な定量室として作用する。
【0070】
塗布部10は、円錐状の硬質発泡体12と、硬質発泡体12と同様に円錐状であり内面が硬質発泡体12の円錐状の外周面を覆うように取り付けられている軟質発泡体11とからなる。硬質発泡体12には円錐の中心軸方向に貫通する中心通路12aが設けられており、貯留室内のエアゾール組成物を硬質発泡体12内および軟質発泡体11へ移動しやすくする効果がある。また実施の形態3は、実施の形態2と同様に貯留空間2aが大気と直接連通していないため、貯留空間2aが簡易的な定量室として作用する。
【0071】
このエアゾール製品120を使用する場合は、そのままの状態(エアゾール容器を正立させた状態)で本体2の上面を指で押し下げながら塗布部10の先端面を患部に当接して塗布する。
【0072】
当該実施の形態3では、エアゾール製品120を上下反転することなくそのままの姿勢(エアゾール容器を正立させた姿勢)で使用し、塗布部材1の塗布部10がエアゾール製品120の耐圧容器4の軸線に対して垂直方向(図面の横(左右)方向)に向けて設けられていることから、頭皮、肩(つぼ)などの局部的な患部に塗布する製品に好適に用いることができる。たとえば育毛剤、頭皮のクレンジング、消炎鎮痛剤などを塗布する人体用エアゾール製品があげられる。
【0073】
実施の形態4
図4に示す人体用エアゾール製品130は、ビード部のない小径の耐圧容器4にエアゾールバルブ3を固着したエアゾール容器を用いており、塗布部材1も耐圧容器4の大きさに応じて小さくしたものである。
【0074】
耐圧容器4は、ビード部の代わりに円筒状の開口部4bを備えており、円筒部分の下部に環状の凹部4cが設けられている。エアゾールバルブ3は耐圧容器4の開口部4bを塞ぐように取り付けられるハウジング33と、ハウジング33を開口部4bに固着するためのカバーキャップ35を備えており、カバーキャップ35の下端外周を凹部4cにクリンプすることにより固着される。
【0075】
塗布部材1は、円盤状の本体2と、本体2の上面に取り付けられる円盤状の硬質発泡体12と、硬質発泡体12の上面に溶着され、上面に凸部を複数個設けた軟質発泡体11とからなる。
【0076】
このエアゾール製品130を使用する場合は、図1のエアゾール製品100と同様に塗布部材を下方に向く状態にし、軟質発泡体11の上面を患部に押し付けて塗布することができる。なお、エアゾール容器には肩カバー5が装着されており、エアゾールバルブの外周を覆い常時保護している。また肩カバー5の上部にはキャップ(図示せず)を装着することができ、使用しないときに誤って塗布部材を作動させないように保護する。
【0077】
当該実施の形態4では、塗布部10の直径が10〜30mmと小さいことから、ハンドバックやカバンなどに入れて持ち歩く携帯用、幼児に塗布する製品に好適に用いることができ、たとえば消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用エアゾール製品があげられる。
【0078】
実施の形態5
図5に示す人体用エアゾール製品140は、塗布部材が、エアゾール容器に装着する装着部21と、端部が装着部にヒンジ連結されている本体2と、本体2の上部に設けられる塗布部10とからなる。本体2は、上方でヒンジ連結側に傾斜しており、ヒンジ連結とは反対側の本体後方に噴射操作するためのレバー22が設けられている。塗布部10は軟質発泡体11を用いて上面が凸状となるように成型されており、下面が本体2の傾斜した上面に貼り付けられている。
【0079】
さらに、エアゾールバルブのハウジング33には、ほぼ同じ断面積を有するアンダータップ孔3bとベーパータップ孔3aとを設けている。これにより、チューブからアンダータップ孔3bを介してハウジング33内に導入される内容物とベーパータップ孔3aを介して導入される内容物とがハウジング33内部で混合され噴射される内容物が、エアゾール製品140の向きによらず一定になるため、エアゾール製品140をどのような方向に向けても使用することができる。
【0080】
このエアゾール製品140を使用する場合は、塗布面を患部に押し当てながら指でレバー22を押し下げて薬液を塗布することができる。塗布面はエアゾール容器に対して傾斜しており、さらにレバー22は塗布面と反対側に設けられているため、肩、首、背中、脚、お尻、太もも、ふくらはぎ、脚の裏などの手の届きにくい箇所であっても塗布しやすく、たとえば消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤、収斂剤などを塗布する人体用エアゾール製品に好適に用いることができる。
【0081】
また、薬液は塗布部内で一旦貯留されるため、噴射操作し塗布部材に薬液を含浸させてから患部に塗布しても良い。
【0082】
実施の形態6
図6a〜図6cに示す人体用エアゾール製品150は、塗布部10が本体2のノズル23に対して摺動可能に設けられており、塗布部10の位置により噴霧と塗布を切り替えることができる。本体2は図3と同様に本体通路2bがL字状であり、エアゾール容器の軸線方向に対して垂直方向(図6a、紙面左右方向)に円筒状のノズル23が設けられており、その先端には噴射孔2dが設けられている。塗布部10は合成樹脂などから円筒状に成型された基部13に、同軸円筒状に成型された軟質発泡体11を貼り付けた積層体であり、塗布部10の内周面にノズル23を内挿し、ノズル23に沿って摺動できるように取り付けられている。また、ノズル23の外周には横溝23aと環状溝23bとが設けられており、塗布部10の基部13の内周面に設けられた突起(図示せず)と係合する(図6c)。
【0083】
このエアゾール製品150を使用する場合、図6aに示すように塗布部10が本体2側に位置するときはノズル23の先端の噴射孔2dから薬液を直接患部に噴霧することができる(第2状態)。一方、図6bに示すように、塗布部10を前方(図6b、右方向)に移動させ、さらに塗布部10を回転させることで基部13に設けられた突起(図示せず)がノズル23の環状溝23bと係合し、塗布部10はこの位置で固定される。この状態で塗布部材1を押し下げると噴射孔2dから薬液が放出されるが、薬液は塗布部10の内周面に付着して一時的に貯留され、塗布可能になる(第1状態)。このエアゾール製品150の場合は、広範囲への噴霧と、局部的な塗布とを選択することができるため、その用途は広く、たとえば、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤、収斂剤などを塗布する人体用エアゾール製品に好適に用いることができる。
【0084】
実施の形態7
図7aおよび図7bに示す人体用エアゾール製品160は、図6に示す人体用エアゾール製品150と同様に、塗布部10の位置により噴霧と塗布を切り替えることができるものである。この実施の形態では、塗布部材1が、ステムに装着される本体2と、エアゾール容器に装着される肩カバー5と、本体2に被せられるカバー6と、カバー6に装着される塗布部10とからなる。
【0085】
本体2は、図3と同様に内部にL字状の本体通路2bを備えており、その先端には噴射孔2dが設けられている。肩カバー5は、上部に環状平面を有し、環状平面には環状スリット5aが2箇所設けられている。
【0086】
カバー6は、有底筒状であり、筒部の開口には肩カバー5の環状スリット5aに挿入される脚部61が2箇所設けられており、肩カバー5に対して約90度回転でき、さらに上下(図7a、紙面上下方向)に移動できるように挿入されている。筒部の側面には本体2の噴射孔2dを露出させる噴射窓6aと、塗布部10を装着するための開口6bが設けられている。また、底部の内面が本体2の天面に被せられており、カバー6の天面を押し下げると本体2も一緒に押し下げられる。塗布部10は軟質発泡体11によりドーム状に成型されており、カバー6の開口6bに装着されている(図8a参照)。
【0087】
このエアゾール製品160を使用する場合、図7aおよび図7bに示すようにカバー6の噴射窓6aが本体2の噴射孔2dを露出させる位置にあるときは、カバー6の天面を押し下げることにより本体2が押し下げられて噴射孔2dから薬液を直接患部に噴霧することができる(第2状態)。一方、図8aおよび図8bに示すように、カバー6を90度回転し噴射孔2dの前方に塗布部10が位置するときは、カバー6を押し下げると噴射孔2dから薬液が噴霧されるが、塗布部10の内面に付着して一時的に保持され、塗布可能になる(第1状態)。このエアゾール製品160も、広範囲への噴霧と、局部的な塗布とを選択することができるため、その用途は広く、たとえば、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤、収斂剤などを塗布する人体用エアゾール製品に好適に用いることができる。
【0088】
実施の形態8
図9aおよび図9bに示す人体用エアゾール製品170は、図6に示す人体用エアゾール製品150と同様に、塗布部10の位置により噴霧と塗布を切り替えることができるものである。この実施の形態では、塗布部材1が、ステムに装着される本体2と、エアゾール容器に装着される肩カバー5と、肩カバー5の環状平面から垂直上方(図9a、紙面上下方向)に向かって伸びる2つの側壁51と、2つの側壁51に回動自在に装着される支持体14と、支持体14の上部に設けられる塗布部10とからなる。
【0089】
前記側壁51は本体2の側面を覆うように2箇所設けられており、2つの側壁51の上方には対称となる位置にそれぞれ孔51aが設けられている。
【0090】
前記支持体14は、塗布部10を保持するリング状の保持部14aと、保持部14aから下方に延びる一対の脚部14bと、脚部14bの外側面に設けられる回動突起14dと、脚部14bから前方に延びる一対の支持突起14cとからなる。前記支持体14の回動突起14dを側壁51の孔51aに嵌入することで支持体14の回動軸となり、支持体14は肩カバー5に対して回動自在になる。また支持体14を噴射孔2dの前方に位置するように回動させたとき、支持突起14cが肩カバー5の環状平面と当接して固定される。
【0091】
このエアゾール製品170を使用する場合、図9aおよび図9bに示すように塗布部10が本体2の上部に位置するときは、本体2の上部と塗布部10の間から指を挿入し本体2の上部を押し下げると噴射孔2dから薬液を直接患部に噴霧することができる(第2状態)。一方、図10に示すように支持体14を回動して塗布部10が噴射孔2dの前方に位置するときは、本体2の上部を押し下げると薬液は噴射孔2dから霧状で噴射されるが、噴射孔2dの前方にある塗布部10の内面に付着して一時的に保持され、塗布可能になる(第1状態)。このエアゾール製品170も、広範囲への噴霧と、局部的な塗布とを選択することができるため、その用途は広く、たとえば、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、制汗剤、害虫忌避剤、収斂剤などを塗布する人体用エアゾール製品に好適に用いることができる。また、図9aに示すように、エアゾール製品170を使用しないときには、塗布部を清潔に保つために、さらには傷つかないように保護するために塗付部材1を覆うようにキャップCを取り付けることが好ましい。
【0092】
以上により、本発明の人体用エアゾール製品によれば、有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%含有するエアゾール組成物を充填したエアゾール容器と、エアゾール容器に装着される塗布部材とからなる人体用エアゾール製品であって、塗布部材が、エアゾール容器から放出されるエアゾール組成物を一時貯留すると共に、患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体で構成された塗布部を備えていることを特徴としている。これにより、塗布部材を患部に押し付けるなどの操作によりステム孔は開放され、エアゾール容器内部のエアゾール組成物がステム孔から本体通路2bを経て軟質な発泡体に付着する。このとき液化ガスの一部は発泡体内部で気化して、残りの液化ガスと原液とを冷却すると共に、徐々に気化する液化ガスの推進力により薬液は発泡体内を塗布面側に移動して患部に液状で塗布される。さらに塗布される薬液は徐々に気化する液化ガスにより塗布部10内で連続的に冷却されるため非常に優れた冷却感が得られると共に、塗布部10自体も冷却されるため液化ガスの気化が抑制されて冷却効果が持続する。
【0093】
以上をまとめると、本発明の人体用エアゾール製品を用いた場合、つぎの(1)〜(3)に記載のとおりの効果を奏する。
(1)エアゾール組成物を塗布部内で一時貯留するため、液化ガスを多く含有しても飛散することなく、薬液を塗布することができる。
(2)また、塗布部内で液化ガスは一気に全量気化せず、一部が気化して自己冷却するため、塗布される薬液は液化ガスを含有しており優れた冷却感が得られる。また塗布部内も冷却されるため、液化ガスは徐々に気化し冷却効果が持続する。
(3)塗布部を患部に押し付けると塗布部が患部の形状に応じて変形するため、患部との接触面積が大きく、塗布効率が高い。
【0094】
エアゾール製品例1
下記のエアゾール組成物を図1に示す塗布部材1を備えたエアゾール容器に充填し、害虫忌避用エアゾール製品を製造した。なお塗布部10の発泡体は、下層が見かけ密度0.07(g/cm3)、圧縮硬度が0.9(kg/cm2)であるポリエチレンフォーム(硬質発泡体)、上層が見かけ密度0.031(g/cm3)、圧縮硬度が0.1(kg/cm2)であるポリウレタンフォーム(軟質発泡体)である積層体を用い、両発泡体の中心軸を貫通する中心通路を備えている。
【0095】
<エアゾール組成物>
N,N−ジエチル−m−トルアミド 0.25
シクロメチコン 0.20
セバシン酸ジエチル 0.20
エタノール 4.35
ノルマルブタン(20℃での蒸気圧:0.12MPa) 95.00
合計 100.00(重量%)
【0096】
エアゾール製品例2
下記のエアゾール組成物を図2に示す塗布部材1を備えたエアゾール容器に充填し、抗真菌剤用エアゾール製品を製造した。なお、塗布部10の発泡体はエアゾール製品例1と同じ材質のポリエチレンフォーム(硬質発泡体)とポリウレタンフォーム(軟質発泡体)を用いた。
【0097】
<エアゾール組成物>
塩酸ブテナフィン 0.5
クロタミトン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 2.0
エタノール 14.5
液化石油ガス(20℃での蒸気圧:0.2MPa) 80.0
合計 100.0(重量%)
【0098】
エアゾール製品例3
下記のエアゾール組成物を図7に示す塗布部材1を備えたエアゾール容器に充填し、消炎鎮痛用エアゾール製品を製造した。なお、塗布部10の発泡体はエアゾール製品例1と同じ材質のポリウレタンフォーム(軟質発泡体)を用いた。
【0099】
<エアゾール組成物>
サリチル酸メチル 1.0
l−メントール 1.0
ユーカリ油 0.5
1,3−ブチレングリコール 0.5
エタノール 17.0
液化石油ガス(20℃での蒸気圧:0.2MPa) 80.0
合計 100.0(重量%)
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1(a)】本発明の実施形態1のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図1(b)】本発明の実施形態1のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図3】本発明の実施形態3のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図4】本発明の実施形態4のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図5】本発明の実施形態5のエアゾール製品の断面を示す図である。
【図6(a)】本発明の実施形態6のエアゾール製品の噴霧時の断面を示す図である。
【図6(b)】本発明の実施形態6のエアゾール製品の塗付時の断面を示す図である。
【図6(c)】本発明の実施形態6のエアゾール製品の本体および塗付部を示す斜視図である。
【図7(a)】本発明の実施形態7のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す断面図である。
【図7(b)】本発明の実施形態7のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す斜視図である。
【図8(a)】本発明の実施形態7のエアゾール製品の塗付時の状態を示す断面図である。
【図8(b)】本発明の実施形態7のエアゾール製品の塗付時の状態を示す斜視図である。
【図9(a)】本発明の実施形態8のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す断面図である。
【図9(b)】本発明の実施形態8のエアゾール製品の噴霧時の状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態8のエアゾール製品の塗付時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0101】
1 塗布部材
2 本体
2a 貯留空間
2b 本体通路
2c ステム装着部
3 バルブ
4 耐圧容器
4a ビード部
4b 開口部
4c 凹部
5 肩カバー
6 エアゾール組成物
10 塗布部
11 軟質発泡体
11a、12a 中心通路
12 硬質発泡体
30 ステム
31 ステムラバー
32 スプリング
33 ハウジング
34 マウンティングカップ
35 カバーキャップ
100、101、110、120、130、140、150、160、170 エアゾール製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分を含み、液化ガスを40〜99重量%含有するエアゾール組成物が充填されるエアゾール容器と、
エアゾール容器に装着される塗布部材とからなる人体用エアゾール製品であって、
前記塗布部材が、エアゾール容器から放出されるエアゾール組成物を一時貯留すると共に、
患部に押し付けると患部の形状に応じて変形し塗布することができる軟質な発泡体で構成された塗布部を備えてなる人体用エアゾール製品。
【請求項2】
前記塗布部が、エアゾール組成物の流出通路と同軸方向に伸びる中心通路を備えてなる請求項1記載の人体用エアゾール製品。
【請求項3】
前記軟質な発泡体の見かけ密度が0.005〜0.1(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.01〜0.6(kg/cm2)である請求項1記載の人体用エアゾール製品。
【請求項4】
前記塗布部が、軟質な発泡体の下面に硬質な発泡体を備えてなる請求項1記載の人体用エアゾール製品。
【請求項5】
前記硬質な発泡体の見かけ密度が0.05〜0.3(g/cm3)であり、25%圧縮するのに要する力が0.7〜5(kg/cm2)である請求項4記載の人体用エアゾール製品。
【請求項6】
前記液化ガスの20℃における蒸気圧が0.05〜0.3(MPa)である請求項1記載の人体用エアゾール製品。
【請求項7】
前記塗布部材が噴射孔を有する本体と塗布部とを備えており、
塗布部が噴射孔に対して移動自在であり、
塗布部の位置により、エアゾール組成物を含浸させて患部に塗布する第1状態と、
エアゾール組成物を患部に噴霧する第2状態とを切り替えることができる請求項1記載の人体用エアゾール製品。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−330313(P2007−330313A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162247(P2006−162247)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】