人体用シャワー装置及び該シャワー装置の液状物供給容器
【課題】室内・室外を問わず、人間の美容効果等を得るために、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に可撓性の内側容器の液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射すること。
【解決手段】左右の両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分がパイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、内側容器に流体圧が加わると、液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して排出部分から排出される人体用シャワー装置の液状物供給容器。
【解決手段】左右の両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分がパイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、内側容器に流体圧が加わると、液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して排出部分から排出される人体用シャワー装置の液状物供給容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体用シャワー装置及び該シャワー装置の液状物供給容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明の課題は、物流システムとして、特に、食品加工における食品材料の供給搬送のシステムとして、安全に効率良く迅速に供給搬送でき自動供給装置を実現化することである。該発明の課題を達成する手段として、液状物自動供給装置は、(イ)耐圧性であって、上方に流体流入口が設けられた剛性外側容器、(ロ)外側容器本体内に収納され、上端開口を外側容器の上部開口と連通された、可撓性の内側容器、(ハ)外側容器と内側容器との空間に加圧流体を供給する圧力伝達機構、及び(ニ)外側容器の上部開口に連通された内側容器上端開口に取り付けられ、収納内容物を排出する内容物供給機構からなり、そして、(a)前記内側容器は、圧力差により収縮自在の可撓性の容器であること、(b) 収納内容物は、醤油、ソ−ス、油類、マヨネ−ズ、ケチャップ、クリ−ムなどより選ばれた液状食品であること、(c) 圧力伝達機構が、コンプレッサ−と、エアドライヤ−と、タンクとからなる加圧システムであり、圧力伝達媒体が液体であること等が記載されている。
【0003】
また、特許文献2の発明の課題は、液体肥料を適切に撒布するアクアガンを提供することである。該発明の課題を達成する手段として、アクアガンは、 ガン本体11のノズル部22及び中間部材21で、握持部12に供給された水道水を導く導水路23を構成し、前記中間部材21のボトル取付部31に、液体肥料36を収容したペットボトル34を取り付けると共に、該中間部材21に狭小部41を設けて導水路23の経路を狭め、ベルヌーイ効果によって液体肥料36を吸い上げて水道水に混合する事項が記載されている(符号は特許文献2のもの)。
【0004】
さらに、特許文献3には、浴室等においてミストシャワーを浴びることにより発汗を促し、或いは逆に身体を優しく冷却する等して、健康効果や美容効果を得ることができることに着目して、シャワーヘッドのノズル部11を改良すると共に、ミストヘッド本体1の給湯路4における給湯口2下流に添加剤カートリッジ33が温水の流通可能に螺着され、該添加剤カートリッジ33内には香料その他の種々の添加剤34が温水との接触により溶出可能に収容される旨が記載されている(段落0002、段落0020、図1、符号は特許文献3のもの)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1と2は、室内・室外を問わず、愛玩動物や人間の健康効果、美容効果等を得るために、シャンプー、バスソルト等の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することを、発明の所期の課題とするものではない。
また特許文献3は、人間の健康効果、美容効果等を得ることを目的とし、また給水水圧は、家庭内で使用される水道水であるものの、水道水に混入する溶剤は、シャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入される添加剤34であり、かつ温水との接触により溶出可能な短柱状の固形物であることから、溶剤がシャンプー、バスソルト等の液状溶剤、及びこれに類する流動物を適用し難いものである。それは、液状溶剤や流動物をシャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入すると、使用時、給水水圧によって、直ぐにノズル部から噴射されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−128259号公報
【特許文献2】特開2002−224591号公報
【特許文献3】特開2007−20854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の所期の目的は、室内・室外を問わず、人間の美容効果・リラックス効果・衛生効果等を得るために、シャンプー、バスソルト等の可撓性の内側容器内の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することである。望ましくは、病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、入院患者、老人、顧客等に対して、シャワーを浴びさせる際に、可能な限り、衛生面での清潔的効果、リラックス面での入浴効果或いは美容効果を容易に得ることである。第2の目的は、シャワーホースの接続端部或いはシャワーホースの一部に接続部分を介して容易に取付けることができると共に、シャワーホースやシャワーヘッドの取付け基端部の半径(太さ)により、液状溶剤を収容する容器の大きさの物理的制約を受けないことである。第3の目的は、容器内の液状溶剤が減った場合には、簡単に補充することができることである。本発明の第4の目的は、栓手段により、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができることである。第4の目的は、「ベルヌーイの効果」を利用することにより流体による吸引効果を高め、半流動体液状の溶剤を、可撓性内側容器部材の細長状の排出部分からスムースに出るようにすることである。第5の目的は、美容室又は浴室内のいずれかの蛇口に連結することにより、室内で手軽に利用することができることである。その他の目的は、本発明の基本的構成を利用して、例えば可撓性内側容器部材を、複数の収容室に区画すると共に、各収容室用の切り替え弁を外側容器に設ける「改良発明」を誕生させ、産業の発展に寄与することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の人体用シャワー装置は、基端部が蛇口に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッドを有するシャワーホースと、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段の前記容器は、少なくとも、前記シャワーホースと接続する左右両端部の接続部部分を有する外側容器と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記接続部部分の接続方向と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の人体用シャワー装置の液状物供給容器は、両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に、液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記パイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出されることを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、パイプ状接続部自体が外側容器であり、一方可撓性の内側容器は、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体を貫通する螺合筒を有すると共に、該内側容器の細長状の排出部分は、前記パイプ状接続部自体の流路と同一方向を指向しており、前記螺合筒の突出外端部には、キャップ状の蓋体が螺合することを特徴とする。
【0011】
ここで、「液状溶剤」とは、普通一般のシャンプー、ボティーシャンプー、リンス、バスソルト等の化粧品、普通名称で称されている流動物や半流動物のみならず、これに類する香料溶剤、ピタミン溶剤も含まれる。
【発明の効果】
【0012】
(a)請求項1及び請求項6に記載の発明は、室内・室外を問わず、人間、特に介護をするのに大変な重労働がかかる人に対して、衛生効果、リラックス効果、香りの効果等を得るために、シャンプー、バスソルト、香水等の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することができる。また、外側容器はシャワーホースと接続するパイプ状接続部、或いは左右の接続部分を有するので、シャワーホースの接続端部或いはシャワーホースの一部に接続部分を介して容易に取付けることができると共に、シャワーホースやシャワーヘッドの取付け基端部の半径(太さ)により、液状溶剤を収容する容器の大きさの物理的制約を受けない。
(b)請求項2に記載の発明は、蓋体を外すことにより、液状溶剤を簡単に補充することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、外側容器の栓手段を操作することにより、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができる。
(d)請求項4に記載の発明は、ベルヌーイの効果を利用することにより、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、かつ可撓性内側容器部材の細長状の排出部分を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに出るようにすることができる。
(e)請求項5に記載の発明は、業務用、家庭用の如何を問わず、室内で手軽に利用することができる。
(f)請求項7に記載の発明も、(a)に記載の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1乃至図9は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図10乃至図12は本発明の第2実施形態を示す各説明図。図13乃至図15は本発明の第3実施形態を示す各説明図。
【図1】浴室で使用(シャワー室の場合も含む)する実施形態の概略説明図。
【図2】第1実施形態の斜視からの概略説明図。
【図3】概略縦断面説明図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】主要部の分解説明図(シャワーホースの一部に接続する一例)。
【図6】液状溶剤を可撓性の内側容器に入れる概略説明図。
【図7】外側容器の栓手段が閉じている状態の説明図。
【図8】外側容器の栓手段が開いている状態の説明図。
【図9】加圧・収縮・排出・混入・噴射の概略説明図。
【図10】本発明の第2実施形態を示す説明図。
【図11】図10の11−11線断面図。
【図12】要部の概略説明図。
【図13】本発明の第3実施形態を示す説明図(図2と同様の概略説明図)。
【図14】図3と同様の概略縦断面説明図。
【図15】図13の15−15線断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図9に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施形態)により説明する。
【0015】
(1)発明の実施の環境
図1は浴室で使用(シャワー室のみでの使用する場合も含む)する実施形態の概略説明図である。図1に於いて、まず、本発明の人体用シャワー装置Xは、液状物供給容器Yが主要部であり、さらに、圧力媒体としての流体を供給する蛇口3、基端部が該蛇口3に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッド5を有するシャワーホース4が、発明の特定要件である。
【0016】
したがって、人体用シャワー装置Xに使用される液状物供給容器Yは、図1の浴室1、浴槽2、蛇口3、シャワーヘッド5を有するシャワーホース4、シャワーヘッド5を係止する係止片6、液状物供給容器Y用の吊り下げ片7は、それぞれ発明の本質的事項ではない。付言すると、液状物供給容器Yのみを製造、販売、使用等をしても直接侵害を構成する。
【0017】
(2)液状物供給容器Yの接続部8
以下、人体用シャワー装置Xについて説明するが、該人体用シャワー装置Xの主要部は、前述したように液状物供給容器Yなので、該液状物供給容器Yの具体的構成を中心にして説明する。図2は斜視からの概略説明図で、図面の下方のパイプ状縦断面の部分は、前後の両端部に接続部分9、10を有する接続部である。このパイプ状接続部8は、合計3つの開口8a、8b、8cを有している。
【0018】
すなわち、8aは先端接続部分9に形成され導入口で、該導入口8aには、例えば蛇口3から供給される流体(水道水)aが入り込む。また8bは略中央部に形成された外側容器用装着口で、該外側容器用装着口8bには、例えば不番のメネジが形成されている。もちろん、外側容器用装着口8bを外方向に短筒状に突設し、該短筒状装着口の外周にオネジを形成しても良い。このように実施形態如何によっては、外側容器11の小径下端部11aの内周壁にメネジを形成し、パイプ状接続部8の短筒状装着口8bの外周壁にオネジを形成し、両者8,11を外嵌合状態に螺着しても良いが、本実施形態では、図2で示すように、内嵌合状態に外側容器11の小径下端部11aをパイプ状接続部8の中央部上側の装着口8bに螺着している。なお、パイプ状接続部8に外側容器11を螺着する場合には、シール構造を加味するのが望ましい。
【0019】
さらに、8cは後端接続部10に形成され送出口で、該送出口8cからは、外側容器11に内設された内側容器21の液状溶剤bが混入した混合液cをシャワーヘッド側に圧送する。
【0020】
本実施形態では、先端接続部9の導入口8aと後端接続部10の送出口8cは、望ましくは同一線上(同じ方向)に位置している。これに対して、中央部上側の装着口8bは、前記導入口8a及び送出口8cに直交している。なお、パイプ状接続部8は、硬質の合成樹脂材で成形されている。
【0021】
(3)液状物供給容器Yの外側容器11
図3は概略縦断面説明図である。図2及び図3から明らかなように、本実施形態の外側容器11は、上下の端部11b、11aがそれぞれ開口する容器本体14と、該容器本体の下端開口部(下方の螺合部分)11aに接続すると共に、両端部に接続部分(左右の螺合部分)9、10を有するパイプ状接続部8と、前記容器本体14の首状上端開口部(上方の螺合部分)11bに螺着するキャップ状の蓋体15とから成る。
【0022】
前記容器本体14とパイプ状接続部8は別部材ではなく、一体成形することもできるが、製作上、部品交換上等の便宜性を考慮して、本実施形態のように別部材で構成し、一体的に結合するのが望ましい。また、蓋体15を容器本体14の上壁の中央部に螺着自在に設ける場合には、本実施形態のように任意形状の係合部分16を突出形成するのが望ましい。さらに、本実施形態では、外側容器11の下端開口部(下方の螺合部分)11a寄りの部位17には、後述の内側容器21の細長状排出部分を開閉する栓手段31が設けられている。
【0023】
ところで、外側容器11の外観形態は特に問わないが、例えば普通一般に見受けられるシャンプー類の容器、化粧容器、酒類の容器などの形状をしている。またその材質は、硬質又は軟質如何を問わないが、望ましくは、硬質の合成樹脂材で成形されたものが使用されている。
【0024】
(4)液状物供給容器Yの内側容器21
内側容器21は、特許文献1に記載されているような軟質のプラスチック袋、軟質ゴム製の袋、これらに類する可撓性素材の袋が使用されている。図4は図2の4−4線断面図である。また図5は、主要部の分解説明図であるが、図面の上方には、例えば内側容器21を手で絞って小さくした状態で外側容器11に入れることができる旨を示している。このように、内側容器21は材質自体の弾性変位する可撓性部材で出来ている。
【0025】
ここで、図3又は図5を参照にすると、22は液状溶剤bを収納する袋状部分、23は該袋状部分に上方方向に連設する首状嵌合部分、24は該首状嵌合部分の縁部に周設されたフランジ部分、一方、25は前記袋状部分に下方方向に連設する細長状の排出部分(管状部分)である。
【0026】
しかして、袋状部分22の外周壁22aと容器本体14の胴体部分(大径部分)の内周壁14aの間には、下端開口部11aを介してパイプ状接続部8の流路26と連通する間隙部分27が存在する。そして、前記間隙部分27には、前記流路26を流れる流体aの一部が入り込むことが可能である。またフランジ部分24は、容器本体14の首状上端開口部11bの上端面と蓋体15の内壁面との間にゴム製パッキン28を介して挟持されている。さらに、注射針状或いは細長状の排出部分25は、栓手段31を構成するT字型案内部材32の垂直案内筒32bを貫通し、或いは実施態様によっては該垂直案内筒32bに連結されている。本実施形態では、細長状の排出部分25は、前記垂直案内筒32bを貫通して前記流路26へと垂れ下がっている。
【0027】
(5)内側容器21への内容物の充填
図6は液状溶剤aを可撓性の内側容器21に入れる概略説明図である。内側容器21に液状溶剤bを入れる場合には、例えば液状溶剤bを収納した把手付容器Pを用いる。把手付容器P内の液状溶剤bを内側容器21に移し替えた後は、蓋体15を外側容器11の首状上端開口部(上方の螺合部分)11bに螺着する。
【0028】
(6)栓手段31
図7は外側容器11の栓手段31が閉じている状態の説明図である。これに対して、図8は外側容器11の栓手段31が開いている状態の説明図である。これらの図を参照にして栓手段31の一例を説明する。栓手段31の操作部は、摘み回転式、摘みスライド式等を任意に採用することができるが、本実施形態では、摘み回転式を採用している。しかして、栓手段31は、断面T字型案内部材32と、該断面T字型案内部材の水平案内筒32aの外端部に螺着するキャップ型締付け部材33と、該キャップ型締付け部材を水平方向に貫通すると共に、内端部側に前記水平案内筒32aの内端部に螺合する押圧螺杆34aを有し、かつ外端部側に操作摘み34bを有する操作部材34とから成り、前記操作摘み34を左右方向に回すと、前記押圧螺杆34aが断面T字型案内部材32の垂直案内筒32bを貫通する細長状の排出部分25に対して進退動する。なお、符号35はパッキンである。
【0029】
(7)作用
図9は流体aの流体圧が内側容器21に加わる点、内側容器21が材質自体の弾性変位により収縮する点、内側容器21が収縮するのに対応して、その細長状の排出部分25からパイプ状接続部8の流路26内に液状溶剤bが排出される点、混合液cがパイプ状接続部8の後端接続部10側に流れる点、そして、シャワーヘッド5のノズル部分5aから混合液cが噴射される点(加圧・収縮・排出・混入・噴射)を示した概略説明図である。
【0030】
したがって、本発明の人体用シャワー装置Xは、基端部が蛇口3に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッド5を有するシャワーホース4と、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段Yの前記容器は、少なくとも、前記シャワーホース4と接続するパイプ状接続部8を有する外側容器11と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤aを収容する袋状部分22に連設する細長状の排出部分25が前記パイプ状接続部内の流路26と交差する方向か、又は同一方向(第2の実施形態)かのいずれかを指向する可撓性の内側容器21とから成り、使用時、前記内側容器21に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤bは、該内側容器21の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分25から排出される。
【実施例】
【0031】
この欄では、図10乃至図12に示す第2実施形態と、を示す各説明図。図13乃至図15に示す第3実施形態を説明する。なお、これらの実施形態を説明するにあたって、第1実施形態と同一の部分には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0032】
まず、第2実施形態に於いて、第1実施形態と主に異なる点は、パイプ状接続部8Aの下流側には、流路26が狭くなるオリフィス36が形成され、内側容器21の細長状排出部分25Aは該オリフィスへ36と延在していることである。このように構成すると、ベルヌーイの効果を利用することができるので、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、かつ可撓性内側容器部材の細長状の排出部分を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに出るようにすることができる。
【0033】
次に、第3実施形態に於いて、第1実施形態と主に異なる点は、パイプ状接続部自体が外側容器11Aであり、一方、可撓性の内側容器21Aは、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体(外側容器)11Aを貫通する螺合筒40を有すると共に、該内側容器21Aの細長状の排出部分25は該パイプ状接続部自体の流路26と同一方向を指向しており、前記螺合筒40の突出外端部には、キャップ状の蓋体15Aが螺合することである。そして、この第3実施形態も、適宜箇所に第1実施形態と同様の栓手段31A並びに第2実施形態と同様のオリフィス36Aをそれぞれ有している。
【0034】
なお、本実施形態に於いて、袋状部分に連設する細長状の排出部分25、25Aは、先細り状や注射針状に形成しても良い。また、本発明の基本的構成を利用して、例えば可撓性内側容器部材を、複数の収容室に区画すると共に、各収容室用の切り替え弁を外側容器に設けるなどして、いわゆる「改良発明」を創作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、主に病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、入院患者、老人、顧客等に対して、シャワーを浴びさせる際に利用される。
【符号の説明】
【0036】
X…人体用シャワー装置、Y…液状物供給容器、a…流体(水道水)、b…液状溶剤、c…混合液、1…浴室(シャワー室)、3…蛇口、4…シャワーホース、5…シャワーヘッド、8、8A…接続部、9…先端接続部分、10…後端接続部、11、11A…外側容器、14…容器本体、15、15A…蓋体、21、21A…内側容器、22…袋状部分、23…首状嵌合部分、24…フランジ部分、25、25A…排出部分、26…流路、27…間隙部分、28、35…パッキン、31、31A…栓手段、36、36A…オリフィス、40…螺合筒。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体用シャワー装置及び該シャワー装置の液状物供給容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明の課題は、物流システムとして、特に、食品加工における食品材料の供給搬送のシステムとして、安全に効率良く迅速に供給搬送でき自動供給装置を実現化することである。該発明の課題を達成する手段として、液状物自動供給装置は、(イ)耐圧性であって、上方に流体流入口が設けられた剛性外側容器、(ロ)外側容器本体内に収納され、上端開口を外側容器の上部開口と連通された、可撓性の内側容器、(ハ)外側容器と内側容器との空間に加圧流体を供給する圧力伝達機構、及び(ニ)外側容器の上部開口に連通された内側容器上端開口に取り付けられ、収納内容物を排出する内容物供給機構からなり、そして、(a)前記内側容器は、圧力差により収縮自在の可撓性の容器であること、(b) 収納内容物は、醤油、ソ−ス、油類、マヨネ−ズ、ケチャップ、クリ−ムなどより選ばれた液状食品であること、(c) 圧力伝達機構が、コンプレッサ−と、エアドライヤ−と、タンクとからなる加圧システムであり、圧力伝達媒体が液体であること等が記載されている。
【0003】
また、特許文献2の発明の課題は、液体肥料を適切に撒布するアクアガンを提供することである。該発明の課題を達成する手段として、アクアガンは、 ガン本体11のノズル部22及び中間部材21で、握持部12に供給された水道水を導く導水路23を構成し、前記中間部材21のボトル取付部31に、液体肥料36を収容したペットボトル34を取り付けると共に、該中間部材21に狭小部41を設けて導水路23の経路を狭め、ベルヌーイ効果によって液体肥料36を吸い上げて水道水に混合する事項が記載されている(符号は特許文献2のもの)。
【0004】
さらに、特許文献3には、浴室等においてミストシャワーを浴びることにより発汗を促し、或いは逆に身体を優しく冷却する等して、健康効果や美容効果を得ることができることに着目して、シャワーヘッドのノズル部11を改良すると共に、ミストヘッド本体1の給湯路4における給湯口2下流に添加剤カートリッジ33が温水の流通可能に螺着され、該添加剤カートリッジ33内には香料その他の種々の添加剤34が温水との接触により溶出可能に収容される旨が記載されている(段落0002、段落0020、図1、符号は特許文献3のもの)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1と2は、室内・室外を問わず、愛玩動物や人間の健康効果、美容効果等を得るために、シャンプー、バスソルト等の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することを、発明の所期の課題とするものではない。
また特許文献3は、人間の健康効果、美容効果等を得ることを目的とし、また給水水圧は、家庭内で使用される水道水であるものの、水道水に混入する溶剤は、シャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入される添加剤34であり、かつ温水との接触により溶出可能な短柱状の固形物であることから、溶剤がシャンプー、バスソルト等の液状溶剤、及びこれに類する流動物を適用し難いものである。それは、液状溶剤や流動物をシャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入すると、使用時、給水水圧によって、直ぐにノズル部から噴射されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−128259号公報
【特許文献2】特開2002−224591号公報
【特許文献3】特開2007−20854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の所期の目的は、室内・室外を問わず、人間の美容効果・リラックス効果・衛生効果等を得るために、シャンプー、バスソルト等の可撓性の内側容器内の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することである。望ましくは、病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、入院患者、老人、顧客等に対して、シャワーを浴びさせる際に、可能な限り、衛生面での清潔的効果、リラックス面での入浴効果或いは美容効果を容易に得ることである。第2の目的は、シャワーホースの接続端部或いはシャワーホースの一部に接続部分を介して容易に取付けることができると共に、シャワーホースやシャワーヘッドの取付け基端部の半径(太さ)により、液状溶剤を収容する容器の大きさの物理的制約を受けないことである。第3の目的は、容器内の液状溶剤が減った場合には、簡単に補充することができることである。本発明の第4の目的は、栓手段により、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができることである。第4の目的は、「ベルヌーイの効果」を利用することにより流体による吸引効果を高め、半流動体液状の溶剤を、可撓性内側容器部材の細長状の排出部分からスムースに出るようにすることである。第5の目的は、美容室又は浴室内のいずれかの蛇口に連結することにより、室内で手軽に利用することができることである。その他の目的は、本発明の基本的構成を利用して、例えば可撓性内側容器部材を、複数の収容室に区画すると共に、各収容室用の切り替え弁を外側容器に設ける「改良発明」を誕生させ、産業の発展に寄与することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の人体用シャワー装置は、基端部が蛇口に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッドを有するシャワーホースと、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段の前記容器は、少なくとも、前記シャワーホースと接続する左右両端部の接続部部分を有する外側容器と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記接続部部分の接続方向と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の人体用シャワー装置の液状物供給容器は、両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に、液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記パイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出されることを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、パイプ状接続部自体が外側容器であり、一方可撓性の内側容器は、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体を貫通する螺合筒を有すると共に、該内側容器の細長状の排出部分は、前記パイプ状接続部自体の流路と同一方向を指向しており、前記螺合筒の突出外端部には、キャップ状の蓋体が螺合することを特徴とする。
【0011】
ここで、「液状溶剤」とは、普通一般のシャンプー、ボティーシャンプー、リンス、バスソルト等の化粧品、普通名称で称されている流動物や半流動物のみならず、これに類する香料溶剤、ピタミン溶剤も含まれる。
【発明の効果】
【0012】
(a)請求項1及び請求項6に記載の発明は、室内・室外を問わず、人間、特に介護をするのに大変な重労働がかかる人に対して、衛生効果、リラックス効果、香りの効果等を得るために、シャンプー、バスソルト、香水等の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することができる。また、外側容器はシャワーホースと接続するパイプ状接続部、或いは左右の接続部分を有するので、シャワーホースの接続端部或いはシャワーホースの一部に接続部分を介して容易に取付けることができると共に、シャワーホースやシャワーヘッドの取付け基端部の半径(太さ)により、液状溶剤を収容する容器の大きさの物理的制約を受けない。
(b)請求項2に記載の発明は、蓋体を外すことにより、液状溶剤を簡単に補充することができる。
(c)請求項3に記載の発明は、外側容器の栓手段を操作することにより、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができる。
(d)請求項4に記載の発明は、ベルヌーイの効果を利用することにより、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、かつ可撓性内側容器部材の細長状の排出部分を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに出るようにすることができる。
(e)請求項5に記載の発明は、業務用、家庭用の如何を問わず、室内で手軽に利用することができる。
(f)請求項7に記載の発明も、(a)に記載の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1乃至図9は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図10乃至図12は本発明の第2実施形態を示す各説明図。図13乃至図15は本発明の第3実施形態を示す各説明図。
【図1】浴室で使用(シャワー室の場合も含む)する実施形態の概略説明図。
【図2】第1実施形態の斜視からの概略説明図。
【図3】概略縦断面説明図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】主要部の分解説明図(シャワーホースの一部に接続する一例)。
【図6】液状溶剤を可撓性の内側容器に入れる概略説明図。
【図7】外側容器の栓手段が閉じている状態の説明図。
【図8】外側容器の栓手段が開いている状態の説明図。
【図9】加圧・収縮・排出・混入・噴射の概略説明図。
【図10】本発明の第2実施形態を示す説明図。
【図11】図10の11−11線断面図。
【図12】要部の概略説明図。
【図13】本発明の第3実施形態を示す説明図(図2と同様の概略説明図)。
【図14】図3と同様の概略縦断面説明図。
【図15】図13の15−15線断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図9に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施形態)により説明する。
【0015】
(1)発明の実施の環境
図1は浴室で使用(シャワー室のみでの使用する場合も含む)する実施形態の概略説明図である。図1に於いて、まず、本発明の人体用シャワー装置Xは、液状物供給容器Yが主要部であり、さらに、圧力媒体としての流体を供給する蛇口3、基端部が該蛇口3に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッド5を有するシャワーホース4が、発明の特定要件である。
【0016】
したがって、人体用シャワー装置Xに使用される液状物供給容器Yは、図1の浴室1、浴槽2、蛇口3、シャワーヘッド5を有するシャワーホース4、シャワーヘッド5を係止する係止片6、液状物供給容器Y用の吊り下げ片7は、それぞれ発明の本質的事項ではない。付言すると、液状物供給容器Yのみを製造、販売、使用等をしても直接侵害を構成する。
【0017】
(2)液状物供給容器Yの接続部8
以下、人体用シャワー装置Xについて説明するが、該人体用シャワー装置Xの主要部は、前述したように液状物供給容器Yなので、該液状物供給容器Yの具体的構成を中心にして説明する。図2は斜視からの概略説明図で、図面の下方のパイプ状縦断面の部分は、前後の両端部に接続部分9、10を有する接続部である。このパイプ状接続部8は、合計3つの開口8a、8b、8cを有している。
【0018】
すなわち、8aは先端接続部分9に形成され導入口で、該導入口8aには、例えば蛇口3から供給される流体(水道水)aが入り込む。また8bは略中央部に形成された外側容器用装着口で、該外側容器用装着口8bには、例えば不番のメネジが形成されている。もちろん、外側容器用装着口8bを外方向に短筒状に突設し、該短筒状装着口の外周にオネジを形成しても良い。このように実施形態如何によっては、外側容器11の小径下端部11aの内周壁にメネジを形成し、パイプ状接続部8の短筒状装着口8bの外周壁にオネジを形成し、両者8,11を外嵌合状態に螺着しても良いが、本実施形態では、図2で示すように、内嵌合状態に外側容器11の小径下端部11aをパイプ状接続部8の中央部上側の装着口8bに螺着している。なお、パイプ状接続部8に外側容器11を螺着する場合には、シール構造を加味するのが望ましい。
【0019】
さらに、8cは後端接続部10に形成され送出口で、該送出口8cからは、外側容器11に内設された内側容器21の液状溶剤bが混入した混合液cをシャワーヘッド側に圧送する。
【0020】
本実施形態では、先端接続部9の導入口8aと後端接続部10の送出口8cは、望ましくは同一線上(同じ方向)に位置している。これに対して、中央部上側の装着口8bは、前記導入口8a及び送出口8cに直交している。なお、パイプ状接続部8は、硬質の合成樹脂材で成形されている。
【0021】
(3)液状物供給容器Yの外側容器11
図3は概略縦断面説明図である。図2及び図3から明らかなように、本実施形態の外側容器11は、上下の端部11b、11aがそれぞれ開口する容器本体14と、該容器本体の下端開口部(下方の螺合部分)11aに接続すると共に、両端部に接続部分(左右の螺合部分)9、10を有するパイプ状接続部8と、前記容器本体14の首状上端開口部(上方の螺合部分)11bに螺着するキャップ状の蓋体15とから成る。
【0022】
前記容器本体14とパイプ状接続部8は別部材ではなく、一体成形することもできるが、製作上、部品交換上等の便宜性を考慮して、本実施形態のように別部材で構成し、一体的に結合するのが望ましい。また、蓋体15を容器本体14の上壁の中央部に螺着自在に設ける場合には、本実施形態のように任意形状の係合部分16を突出形成するのが望ましい。さらに、本実施形態では、外側容器11の下端開口部(下方の螺合部分)11a寄りの部位17には、後述の内側容器21の細長状排出部分を開閉する栓手段31が設けられている。
【0023】
ところで、外側容器11の外観形態は特に問わないが、例えば普通一般に見受けられるシャンプー類の容器、化粧容器、酒類の容器などの形状をしている。またその材質は、硬質又は軟質如何を問わないが、望ましくは、硬質の合成樹脂材で成形されたものが使用されている。
【0024】
(4)液状物供給容器Yの内側容器21
内側容器21は、特許文献1に記載されているような軟質のプラスチック袋、軟質ゴム製の袋、これらに類する可撓性素材の袋が使用されている。図4は図2の4−4線断面図である。また図5は、主要部の分解説明図であるが、図面の上方には、例えば内側容器21を手で絞って小さくした状態で外側容器11に入れることができる旨を示している。このように、内側容器21は材質自体の弾性変位する可撓性部材で出来ている。
【0025】
ここで、図3又は図5を参照にすると、22は液状溶剤bを収納する袋状部分、23は該袋状部分に上方方向に連設する首状嵌合部分、24は該首状嵌合部分の縁部に周設されたフランジ部分、一方、25は前記袋状部分に下方方向に連設する細長状の排出部分(管状部分)である。
【0026】
しかして、袋状部分22の外周壁22aと容器本体14の胴体部分(大径部分)の内周壁14aの間には、下端開口部11aを介してパイプ状接続部8の流路26と連通する間隙部分27が存在する。そして、前記間隙部分27には、前記流路26を流れる流体aの一部が入り込むことが可能である。またフランジ部分24は、容器本体14の首状上端開口部11bの上端面と蓋体15の内壁面との間にゴム製パッキン28を介して挟持されている。さらに、注射針状或いは細長状の排出部分25は、栓手段31を構成するT字型案内部材32の垂直案内筒32bを貫通し、或いは実施態様によっては該垂直案内筒32bに連結されている。本実施形態では、細長状の排出部分25は、前記垂直案内筒32bを貫通して前記流路26へと垂れ下がっている。
【0027】
(5)内側容器21への内容物の充填
図6は液状溶剤aを可撓性の内側容器21に入れる概略説明図である。内側容器21に液状溶剤bを入れる場合には、例えば液状溶剤bを収納した把手付容器Pを用いる。把手付容器P内の液状溶剤bを内側容器21に移し替えた後は、蓋体15を外側容器11の首状上端開口部(上方の螺合部分)11bに螺着する。
【0028】
(6)栓手段31
図7は外側容器11の栓手段31が閉じている状態の説明図である。これに対して、図8は外側容器11の栓手段31が開いている状態の説明図である。これらの図を参照にして栓手段31の一例を説明する。栓手段31の操作部は、摘み回転式、摘みスライド式等を任意に採用することができるが、本実施形態では、摘み回転式を採用している。しかして、栓手段31は、断面T字型案内部材32と、該断面T字型案内部材の水平案内筒32aの外端部に螺着するキャップ型締付け部材33と、該キャップ型締付け部材を水平方向に貫通すると共に、内端部側に前記水平案内筒32aの内端部に螺合する押圧螺杆34aを有し、かつ外端部側に操作摘み34bを有する操作部材34とから成り、前記操作摘み34を左右方向に回すと、前記押圧螺杆34aが断面T字型案内部材32の垂直案内筒32bを貫通する細長状の排出部分25に対して進退動する。なお、符号35はパッキンである。
【0029】
(7)作用
図9は流体aの流体圧が内側容器21に加わる点、内側容器21が材質自体の弾性変位により収縮する点、内側容器21が収縮するのに対応して、その細長状の排出部分25からパイプ状接続部8の流路26内に液状溶剤bが排出される点、混合液cがパイプ状接続部8の後端接続部10側に流れる点、そして、シャワーヘッド5のノズル部分5aから混合液cが噴射される点(加圧・収縮・排出・混入・噴射)を示した概略説明図である。
【0030】
したがって、本発明の人体用シャワー装置Xは、基端部が蛇口3に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッド5を有するシャワーホース4と、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段Yの前記容器は、少なくとも、前記シャワーホース4と接続するパイプ状接続部8を有する外側容器11と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤aを収容する袋状部分22に連設する細長状の排出部分25が前記パイプ状接続部内の流路26と交差する方向か、又は同一方向(第2の実施形態)かのいずれかを指向する可撓性の内側容器21とから成り、使用時、前記内側容器21に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤bは、該内側容器21の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分25から排出される。
【実施例】
【0031】
この欄では、図10乃至図12に示す第2実施形態と、を示す各説明図。図13乃至図15に示す第3実施形態を説明する。なお、これらの実施形態を説明するにあたって、第1実施形態と同一の部分には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0032】
まず、第2実施形態に於いて、第1実施形態と主に異なる点は、パイプ状接続部8Aの下流側には、流路26が狭くなるオリフィス36が形成され、内側容器21の細長状排出部分25Aは該オリフィスへ36と延在していることである。このように構成すると、ベルヌーイの効果を利用することができるので、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、かつ可撓性内側容器部材の細長状の排出部分を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに出るようにすることができる。
【0033】
次に、第3実施形態に於いて、第1実施形態と主に異なる点は、パイプ状接続部自体が外側容器11Aであり、一方、可撓性の内側容器21Aは、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体(外側容器)11Aを貫通する螺合筒40を有すると共に、該内側容器21Aの細長状の排出部分25は該パイプ状接続部自体の流路26と同一方向を指向しており、前記螺合筒40の突出外端部には、キャップ状の蓋体15Aが螺合することである。そして、この第3実施形態も、適宜箇所に第1実施形態と同様の栓手段31A並びに第2実施形態と同様のオリフィス36Aをそれぞれ有している。
【0034】
なお、本実施形態に於いて、袋状部分に連設する細長状の排出部分25、25Aは、先細り状や注射針状に形成しても良い。また、本発明の基本的構成を利用して、例えば可撓性内側容器部材を、複数の収容室に区画すると共に、各収容室用の切り替え弁を外側容器に設けるなどして、いわゆる「改良発明」を創作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、主に病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、入院患者、老人、顧客等に対して、シャワーを浴びさせる際に利用される。
【符号の説明】
【0036】
X…人体用シャワー装置、Y…液状物供給容器、a…流体(水道水)、b…液状溶剤、c…混合液、1…浴室(シャワー室)、3…蛇口、4…シャワーホース、5…シャワーヘッド、8、8A…接続部、9…先端接続部分、10…後端接続部、11、11A…外側容器、14…容器本体、15、15A…蓋体、21、21A…内側容器、22…袋状部分、23…首状嵌合部分、24…フランジ部分、25、25A…排出部分、26…流路、27…間隙部分、28、35…パッキン、31、31A…栓手段、36、36A…オリフィス、40…螺合筒。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部が蛇口に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッドを有するシャワーホースと、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段の前記容器は、少なくとも、前記シャワーホースと接続する左右両端部の接続部部分を有する外側容器と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記接続部部分の接続方向と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出される人体用シャワー装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、外側容器は、上下の端部がそれぞれ開口する容器本体と、該容器本体の下端開口部に接続すると共に両端部に接続部分を有するパイプ状接続部と、前記容器本体の上端開口部に螺着する蓋体とから成ることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、外側容器には、内側容器の細長状排出部分を開閉する栓手段が設けられていることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、外側容器は、その下端部にパイプ状接続部を備え、該パイプ状接続部の下流側にはオリフィスが形成され、内側容器の細長状排出部分は該オリフィスへと延在していることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、シャワーホースの基端部は、美容室又は浴室内のいずれかの蛇口に連結されていることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項6】
左右の両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に、液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記パイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出される人体用シャワー装置の液状物供給容器。
【請求項7】
請求項6に於いて、パイプ状接続部自体が外側容器であり、一方可撓性の内側容器は、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体を貫通する螺合筒を有すると共に、該内側容器の細長状の排出部分は、前記パイプ状接続部自体の流路と同一方向を指向しており、前記螺合筒の突出外端部には、キャップ状の蓋体が螺合することを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項1】
基端部が蛇口に取り付けられ、一方、自由端部にシャワーヘッドを有するシャワーホースと、このシャワーホースに一体的に配設され、かつ容器内の液状溶剤を、通過中の流体の流体圧を利用して該流体に混入する液状物供給手段とから成る人体用シャワー装置であって、前記液状物供給手段の前記容器は、少なくとも、前記シャワーホースと接続する左右両端部の接続部部分を有する外側容器と、この外側容器に内設されると共に、前記液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記接続部部分の接続方向と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に前記流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出される人体用シャワー装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、外側容器は、上下の端部がそれぞれ開口する容器本体と、該容器本体の下端開口部に接続すると共に両端部に接続部分を有するパイプ状接続部と、前記容器本体の上端開口部に螺着する蓋体とから成ることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、外側容器には、内側容器の細長状排出部分を開閉する栓手段が設けられていることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、外側容器は、その下端部にパイプ状接続部を備え、該パイプ状接続部の下流側にはオリフィスが形成され、内側容器の細長状排出部分は該オリフィスへと延在していることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、シャワーホースの基端部は、美容室又は浴室内のいずれかの蛇口に連結されていることを特徴とする人体用シャワー装置。
【請求項6】
左右の両端部に接続部分を有するパイプ状接続部を備えた外側容器と、この外側容器に内設されると共に、液状溶剤を収容する袋状部分に連設する細長状の排出部分が前記パイプ状接続部内の流路と交差する方向か、又は同一方向かのいずれかを指向する可撓性の内側容器とから成り、使用時、前記内側容器に流体圧が加わると、前記液状溶剤は、該内側容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出される人体用シャワー装置の液状物供給容器。
【請求項7】
請求項6に於いて、パイプ状接続部自体が外側容器であり、一方可撓性の内側容器は、硬質材料で成形されかつ前記パイプ状接続部自体を貫通する螺合筒を有すると共に、該内側容器の細長状の排出部分は、前記パイプ状接続部自体の流路と同一方向を指向しており、前記螺合筒の突出外端部には、キャップ状の蓋体が螺合することを特徴とする人体用シャワー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−223257(P2012−223257A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91657(P2011−91657)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(511219375)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(511219375)
【Fターム(参考)】
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