説明

人体通信を用いた自動改札システム

【課題】より的確に乗客の不正通過を抑止させることを目的とする。
【解決手段】人体を通信媒体として通信記録体120に記憶された乗車券情報を受信する信号電極110と、前記信号電極110よりも乗客進入方向における改札通路108の前方の所定位置まで進入した人物を検知する人物検知部107と、前記信号電極110により受信した乗車券情報及び前記人物検知部110による前記人物の検知に応じて扉106a、106bの開閉を制御する自動改札機とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体通信を用いた自動改札システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動改札システムでは、自動改札機に備えられたリーダライタによって、乗客が所有する非接触ICカードの乗車券情報を読み取り、改札通路の通過許可及び不許可の判定を行っている。このとき、乗客は、非接触ICカードをリーダライタに接触又は非接触させるだけでよく、改札通過時の利便性が高められている。
【0003】
また、更に乗客の利便性を高めることができる自動改札システムとして、特許文献1に開示された技術が知られている。特許文献1に開示された技術によれば、人体通信を用いた無線通信を行うことができるものである。すなわち、特許文献1では、乗客が乗車券や定期券等に対応する乗車券情報を記憶させたパスを身に付けて、自動改札機を通過する。すると、自動改札機では、改札通路に埋設された信号電極が人体を通信媒体としてパスの乗車券情報を受信して、乗車券情報に基づいて乗客の通過を阻止する遮断板を収容したり、出したりする制御を行う。このように、特許文献1に開示された技術によれば、乗客はリーダライタに接触又は非接触させる動作が必要なく、単にパスを身に付けていればよく、乗客の利便性を更に高めることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−352318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の自動改札システムを実際に実現しようとする場合、乗客に対する改札通路の通過許可及び不許可の判定をより的確に行い、より円滑に改札処理を行う必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の自動改札システムでは、改札処理が完了するまでに、改札通路を通過しようとする乗客に対して、的確に改札通路の通過を抑止することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、人体を通信媒体として通信記録体に記憶された乗車券情報を受信し、受信した乗車券情報の判定を行う自動改札システムにおいて、より的確に乗客の不正通過を抑止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の人体通信を用いた自動改札システムは、人体を通信媒体として通信記録体に記憶された乗車券情報を受信する信号電極と、前記信号電極よりも乗客進入方向における改札通路の前方の所定位置まで進入した人物を検知する人物検知部と、前記信号電極により受信した乗車券情報及び前記人物検知部による前記人物の検知に応じて扉の開閉を制御する自動改札機とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人体を通信媒体として通信記録体に記憶された乗車券情報を受信し、受信した乗車券情報の判定を行う自動改札システムにおいて、より的確に乗客の不正通過を抑止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、乗車券情報が記録された通信記録体を身に付けた乗客が自動改札機の改札通路を通過することで、自動改札機は、乗客の人体を通信媒体として及び改札通路に設けられた信号電極を介して、乗車券情報を受信し、改札処理を行うものである。このとき、改札処理が終了する前に、自動改札機の前方に設けられたセンサーが、乗客を検知すると、自動改札機は、乗客の改札通路の通過を抑止する。以下、本実施形態について、図1〜図5を参照して、説明する。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る自動改札システム100の外観構成の一例を示す図である。図1(a)は、自動改札システム100の平面図である。また、図1(b)は、自動改札機101の改札通路108からみた自動改札システム100の側面図である。なお、図1(a)、(b)では、乗客進入方向をFr(前方)で示し、その反対方向をRr(後方)で示す。
本実施形態に係る自動改札システム100は、自動改札機101と、信号電極110とを含んで構成されている。
【0010】
まず、自動改札機101のハードウェア構成について説明する。ここでは、自動改札機101として、乗客が矢印A方向のみ進入することができる入場専用型又は出場専用型の自動改札機を取り上げて説明する。
自動改札機101は、一対の筐体102a、102b、乗車券投入口103、乗車券取出口104、表示画面105、扉106a、106b、センサー107を含んで構成されている。
一対の筐体102a、102bの間に形成される空間は、乗客が自動改札機101を通過するときの改札通路108となる。乗車券投入口103は、乗車券を自動改札機101に投入する投入口である。また、乗車券取出口104は、乗車券投入口103から投入された乗車券が筐体102a内の搬送部(不図示)を通って、排出される取出口である。
【0011】
表示画面105は、後述する通信記録体に記憶されている電子バリュー情報等を表示するディスプレイである。扉106a、106bは、自動改札機101の前方、すなわち自動改札機101の出口近傍に設けられている。扉106a、106bは、図1(a)の一点鎖線で示すように、閉塞することで乗客の改札通路108の通過を抑止し、開放することで乗客の改札通路108の通過を許容する。人物検知部の一例としてのセンサー107は、図1(b)に示すように筐体102aの改札通路108側の側面に設けられている。本実施形態のセンサー107は、透過式センサーや反射式センサーである。また、センサー107は、自動改札機101の所定位置に設けられている。ここで、所定位置とは、この位置まで乗客が進入した場合に、自動改札機101と通信記録体120との間で改札処理が終了していないときに、その乗客を無札者とみなす位置である。以下、この所定位置を無札位置という。本実施形態では、無札位置とセンサー107とは同一位置である。したがって、センサー107は、自動改札機101の改札通路108方向において、無札位置を通過する人物を検知する。
更に、本実施形態では、センサー107は、自動改札機101の中心に設けられている。すなわち、図1(b)に示すように、自動改札機101の前端部(矢印Fr側)からセンサー107までの距離と、自動改札機101の後端部(矢印Rr側)からセンサー107までの距離とは、距離L4で、同一である。
【0012】
次に、信号電極110について説明する。信号電極110は、平板状に形成され、改札通路108内の床に埋設する等して配設されている。また、信号電極110は、図1(b)に示すように自動改札機101の後方、すなわち自動改札機101の入口近傍に配設されている。より具体的に説明すると、信号電極110は、センサー107から信号電極110の前端部までの距離が距離L1以上になるように配設されている。言い換えると、無札位置から信号電極110の前端部までの距離が距離L1以上になるように配設されている。ここで、距離L1は、乗客平均歩行速度に後述する判定処理時間を乗じて算出される距離である。ここで、乗客平均歩行速度は、乗客が改札通路108を通過するときの平均速度であり、統計的に導きだされた値が用いられる。例えば、乗客平均歩行速度としては、時速3.5[km/h]〜時速4.5[km/h]、好ましいは時速4[km/h]等が用いられる。また、信号電極110は、自動改札機101と、例えば接続ケーブル等を介して、通信可能に接続されている。
【0013】
信号電極110は、乗客と接触することにより、乗客が所有する通信記録体120との間で乗車券情報等の通信を行う通信部としての役割を担う。したがって、乗客進入方向における信号電極110の距離L2は、乗客が自動改札機101の改札通路108を通過するときに、信号電極110上を踏むことができる、すなわち接触することができる長さが必要である。
ここで、図2を参照して、信号電極110の乗客進入方向における長さL2について説明する。図2は、信号電極110を上方からみた一例を示す平面図である。図2には、乗客が改札通路108を平均的に歩行するときの乗客歩行一歩が示されている。図2に示すように、信号電極110の距離L2を、乗客歩行一歩間の長さより長くすることにより、乗客が平均的に歩行して改札通路108を通過する場合、信号電極110を必ず踏むように設定することができる。
また、信号電極110の距離L2を過度に長くすると、複数の乗客が信号電極110を踏んでしまい、複数の乗車券情報の通信が行われてしまう。したがって、信号電極110の距離L2は、二人の乗客が踏むことができる長さより短くすることにより、一人の乗客のみが信号電極110を踏むように設定することができる。ここで、距離L2は、例えば、500[mm]〜700[mm]、好ましくは600[mm]等が用いられる。
また、図1(b)に示すように、センサー107が設けられた無札位置と扉106a、106bとの距離L3は、センサー107を通過した乗客が無札等であった場合に、扉106a、106bを閉塞して、乗客の改札通路108の通過を阻止することができる距離に設定されている。
【0014】
このように、本実施形態に係る自動改札システム100では、図1(b)に示すように、自動改札機101の後方から前方に向かって、信号電極110、センサー107、扉106a、106bの順に配設されている。なお、図1では、自動改札機101を一つのみで構成している場合について示しているが、この場合に限られず、自動改札機101は、複数から構成されていてもよい。
【0015】
一方、自動改札システム100を利用する乗客は、乗車券情報が記憶された通信記録体120を所有している。ここで、通信記録体120は、ICカード、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ICカードが格納された携帯電話及びPDA等であり、記憶された乗車券情報をデータとして取り出すことができる媒体である。更に、通信記録体120は、記憶された乗車券情報を書き換えることができるように構成されている。ここで、乗車券情報とは、乗車区間情報や電子バリュー情報等に関するデータである。乗車区間情報とは、乗客が利用する第一の駅及び第二の駅等の乗車区間に関する情報である。また、電子バリュー情報とは、乗車料金等に用いられる、いわゆるチャージ金額に関する情報である。また、通信記録体120には、正規に発行されたことを示す識別情報が記憶されている。なお、乗車券情報には、特定の列車に乗車できることを示す列車情報等が含まれていてもよい。
【0016】
乗客は、通信記録体120を身に付けた状態で自動改札機101の改札通路108に進入する。ここで、通信記録体120を身に付けた状態とは、例えば、通信記録体120を手に持った状態、又は通信記録体120が体の一部に接触している状態等をいう。乗客が、通信記録体120を身に付けた状態で、自動改札機101の入口近傍に配設された信号電極110を踏むことにより、通信記録体120に記憶された乗車券情報が人体を通信媒体として、及び信号電極110を介して、自動改札機101に送信される。なお、通信記録体120と自動改札機101との間で行われる乗車券情報の送受信についての詳細は、後述する。
【0017】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る自動改札システム100の内部構成及び通信記録体120の内部構成について、説明する。なお、図3では、自動改札システム100の一部ハードウェア構成を含んでおり、図1と同一符号を付して、この説明は省略する。
自動改札システム100を構成する自動改札機101には、判定制御部111、扉制御部112、記憶部113を含んで構成されている。判定制御部111は、信号電極110を介して乗客が所有する通信記録体120に記憶された識別情報や乗車券情報を取得する。判定制御部111は、取得した識別情報から正規の通信記録体120であるか否かを判定する。また、判定制御部111は、取得した乗車券情報に基づいて、乗客が、実際に乗車した乗車区間や列車と合っているか否か等を判定する改札処理を行う。また、判定制御部111は、判定結果に応じて、扉制御部112に対して、改札通路108の通過許可又は不許可の通知を送信する。更に、判定制御部111は、必要に応じて、チャージ金額から乗車料金の引き去りを行い、電子バリュー情報を通信記録体120に書き込むために、信号電極110を介して、通信記録体120に送信する。
【0018】
扉制御部112は、判定制御部111による改札通路108の通過許可又は不許可の通知に基づいて、扉106a、106bの開閉を制御する。また、扉制御部112は、判定制御部111による改札処理が終了する前、すなわち、改札通路108の通過許可又は不許可の通知を受信する前に、乗客が無札位置まで進入し、センサー107によって人物を検知した場合、扉106a、106bを閉塞する制御を行う。
記憶部113は、判定制御部111及び扉制御部112によって実行される判定制御プログラム及び扉制御プログラムが記憶されている。また、記憶部113には、判定制御部111が、受信した識別情報に基づいて、乗客が所有する通信記録体120が、正規の通信記録体であるか否かを判定するためのデータが記憶されている。なお、自動改札機101には、特許文献1に記載された基準電極(不図示)が設けられている。
【0019】
次に、通信記録体120の内部構成について説明する。通信記録体120には、制御部121、記憶部122、信号電極123が設けられている。制御部121は、自動改札機101からの指示情報に基づいて、記憶部122から識別情報や乗車券情報を読み出し、信号電極123を介して、自動改札機101に送信する。また、制御部121は、自動改札機101から送信された電子バリュー情報を、信号電極123を介して受信し、記憶部122に書き込む処理を行う。
記憶部122は、通信記録体120に対してユニークに付加された識別情報や乗車券情報等が記憶されている。
信号電極123は、乗客が通信記録体120を身に付けたときに、乗客と接触できるように例えば、通信記録体120の露出する部分に設けられている。信号電極123は、乗客が自動改札機101の信号電極110と接触することにより、自動改札機101との間で乗車券情報等の通信を行う通信部としての役割を担う。なお、通信記録体120には、特許文献1に記載された基準電極(不図示)が設けられている。
【0020】
次に、自動改札システム100の動作処理について、図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。図4は、自動改札機101の判定制御部111の処理動作の一例を示すフローチャートである。図5は、自動改札機101の扉制御部112の処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、図4を参照して、自動改札機101の判定制御部111の処理動作について説明する。
【0021】
まず、ステップS41において、通信記録体120と自動改札機101との通信が開始される。より具体的に説明すると、判定制御部111は、通信記録体120に対して通信記録体120の識別情報を自動改札機101に送信するように指示する。この指示情報は、自動改札機101の信号電極110から、乗客の人体及び通信記録体120の信号電極123を介して、通信記録体120に送信される。
通信記録体120の制御部121は、受信した指示情報に基づいて、記憶部122から識別情報を読み込んだ後、識別情報を自動改札機101に送信する。この識別情報は、通信記録体120の信号電極123から、人体及び自動改札機101の信号電極110を介して、自動改札機101に送信される。
自動改札機101の判定制御部111は、受信した識別情報に基づいて、乗客が所有する通信記録体120が正規の通信記録体であるか否かを判定する。正規の通信記録体である場合、自動改札機101と通信記録体120との通信が確立する。一方、正規の通信記録体ではない場合、自動改札機101と通信記録体120との通信は中止する。
【0022】
次に、ステップS42において、自動改札機101の判定制御部111は、通信記録体120に記憶されている乗車券情報を取得する。より具体的に説明すると、自動改札機101の判定制御部111が、通信記録体120に対して乗車券情報を自動改札機101に送信するように指示する。
通信記録体120の制御部121は、受信した指示情報に基づいて、記憶部122から乗車券情報を読み込んだ後、乗車券情報を自動改札機101に送信する。
【0023】
次に、ステップS43において、自動改札機101の判定制御部111は、受信した乗車券情報に基づいて、実際に乗車した乗車区間や列車と合致するか否か等を判定する改札処理を行う。ここで、合致すると判定した場合、判定制御部111は、ステップS44に処理を進める。なお、実際に乗車した乗車区間が、乗車券情報と合致しない場合であっても、乗車券情報に基づいて乗車料金に相当するチャージ金額が残っている場合、判定制御部111は、ステップS44に処理を進める。
【0024】
ステップS44において、自動改札機101の判定制御部111は、通信記録体120に対して書き込み処理を行う。具体的には、自動改札機101の判定制御部111は、チャージ金額から乗車料金の引き去りを行い、引き去りを行った電子バリュー情報を通信記録体120に対して送信する。このとき、自動改札機101の判定制御部111は、電子バリュー情報の以外の情報を送信してもよく、例えば当該自動改札機101を利用した駅情報等を送信してもよい。
通信記録体120の制御部121は、受信した電子バリュー情報を記憶部122に書き込み処理をして、乗車券情報を更新する。このとき、自動改札機101の判定制御部111は、正常に書き込み処理が終了した旨の情報を受信する。
次に、ステップS45において、自動改札機101の判定制御部111は、判定が正常に終了した旨、すなわち改札通路108の通過許可の旨を、扉制御部112に対して通知する。
【0025】
一方、ステップS43において、乗車券情報と実際に乗車した乗車区間や列車とが合致しない場合、また、乗車料金に相当するチャージ金額が残っていない場合、判定制御部111は、ステップS46に処理を進める。
ステップS46において、自動改札機101の判定制御部111は、判定が異常である旨、すなわち改札通路108の通過不許可の旨を、扉制御部112に対して通知する。
【0026】
以上が、判定制御部111が行う処理動作である。このフローチャートの開始から終了するまでの処理時間を判定処理時間という。この判定処理時間は、非常に短時間に行われ、本実施形態の例では、例えば略20[ms]間内で行われる。
【0027】
次に、図5を参照して、自動改札機101の扉制御部112の処理動作について説明する。ここで、乗客は、信号電極110と接触した後に、自動改札機101のセンサー107が設けられている無札位置付近まで進入するものとする。
【0028】
まず、ステップS51において、扉制御部112は、センサー107により乗客を検知する。具体的には、扉制御部112は、センサー107から検知信号を取得する。検知信号を取得することにより、扉制御部112は、自動改札機101のセンサー107が設けられた無札位置まで乗客が進入したと判断する。
次に、ステップS52において、扉制御部112は、乗客が無札であるか否かを判定する。より具体的に説明すると、扉制御部112は、判定制御部111から、上述した図4に示すフローチャートのステップS45における、改札通路108の通過許可の旨の通知又はステップS46における、改札通路108の通過不許可の旨の通知の何れかを受信したか否かを判定する。何れの通知も受信していない場合、扉制御部112は、乗客は無札であるとしてステップS55に処理を進め、扉106a、106bを閉塞する。
【0029】
ここで、上述したように、信号電極110の前端部からセンサー107までの距離L1、すなわち、信号電極110の前端部から無札位置までの距離L1は、乗客平均歩行速度に判定処理時間を乗じて算出される距離以上の長さである。すなわち、通常であれば、乗客が信号電極110に接触してからセンサー107に到達するまでの間に、判定制御部111によって通信記録体120の改札処理が行われ、扉制御部112は、改札通路108の通過許可又は不許可のうち何れかの通知を受信しているはずである。したがって、何れの通知も受信していない状態において、扉制御部112がセンサー107により人物を検知するときとは、自動改札機101と通信記録体120との間で通信が開始されていない場合である。ここで、自動改札機101と通信記録体120との間で通信が開始されていない場合とは、乗客が通信記録体120を所有していない、いわゆる無札の場合である。このように、無札位置まで進入した乗客を検知するセンサー107は、無札センサーとして機能し、自動改札機101は、無札者の判定を行うことができる。
【0030】
一方、ステップS52において、改札通路108の通過許可又は不許可のうち何れかを受信した場合、扉制御部112は、ステップS53に処理を進める。
ステップS53において、扉制御部112は、受信した通知について判定する。判定が通過許可の旨の通知の場合、ステップS54に処理を進める。一方、判定が通過不許可の旨の通知の場合、ステップS55に処理を進める。
ステップS54において、扉制御部112は、扉を開放する制御を行う。
また、ステップS55において、扉制御部112は、扉を閉塞する制御を行う。
【0031】
このように、自動改札機101と通信記録体120との間における乗車券情報等の送受信は、通信記録体120の信号電極123、人体及び自動改札システム100の信号電極110を介して行われる。したがって、乗客は、通信記録体120を身に付けているだけで、改札処理を行うことができるために、乗客が自動改札機101の改札通路108を通過するときの利便性を向上させることができる。
【0032】
また、無札位置まで進入した人物を検知するセンサー107を配置することにより、通信記録体120を所有しない等の無札者を検知することができる。より具体的に説明すると、乗車券情報に基づいて扉の開閉を判定する判定処理が終了する前に、センサー107により無札位置まで進入した人物を検知した場合、扉106a、106bを閉塞することで、無札者の通過を抑止することができる。
また、センサー107が設けられた無札位置と信号電極110との距離を乗客平均歩行速度に扉106a、106bの開閉を判定する判定処理時間を乗じて算出される距離以上、離間させることで、より正確に無札者であるか否かを判定することができると共に、円滑な改札処理を行うことができる。
【0033】
なお、上述では、無札者として、乗客が通信記録体120を身に付けていない場合について説明したが、この場合に限らない。例えば、通信記録体120を身に付けている場合であっても、乗客が信号電極110を跨ぐこと等により信号電極110と接触せずに改札通路108内に進入したときは、乗車券情報に基づく扉106a、106bの開閉の判定処理が終了する前に、センサー107が人物を検知する。したがって、扉制御部112は、この場合も扉106a、106bを閉塞する。上述したように、信号電極110の距離L2は、乗客歩行一歩間の距離より長くしているために、通常であれば乗客は信号電極110に接触するはずである。したがって、自動改札機101は、信号電極110に接触しない乗客を無札者とみなして、扉106a、106bを閉塞することで、改札通路108の通過を抑止することができる。
【0034】
また、例えば、通信記録体120を身に付けている場合であっても、乗客が信号電極110に接触してから、走る等して乗客平均歩行速度より速く、改札通路108を通過しようとしたときは、乗車券情報に基づく扉106a、106bの開閉の判定処理が終了する前に、センサー107が人物を検知する。したがって、扉制御部112は、この場合も扉106a、106bを閉塞する。このように、自動改札機101は、信号電極110からセンサー107が設けられた無札位置までの間を、乗客が乗客平均歩行速度より速く進入し、判定処理が終了する前に、センサー107が乗客を検知すると、その乗客を無札者とみなして、扉106a、106bを閉塞することで、無札者の通過を抑止することができる。
【0035】
また、上述では、センサー107を自動改札機101の中心に設ける場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、センサー107と信号電極110との所定距離を距離L1以上にし、センサー107と扉106a、106bとの距離を距離L3以上に維持するのであれば、センサー107は、自動改札機101のどの位置に配置してもよい。
【0036】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した自動改札機の後端部に第2のセンサーを追加したものである。本実施形態では、第2のセンサーが人物を検知したことを条件として、自動改札機が乗車券情報に基づく扉の開閉の判定処理を開始する。以下、本実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
【0037】
図6は、第2の実施形態に係る自動改札システム200の一例を示す側面図である。図6では、乗客進入方向をFr(前方)で示し、その反対方向をRr(後方)で示す。なお、第1の実施形態と同様な構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る自動改札システム200は、自動改札機201と、信号電極210とを含んで構成されている。
【0038】
自動改札機201は、第1の実施形態の自動改札機101の構成に加えて第2のセンサー202を含んで構成されている。
第2のセンサー202は、図6に示すように筐体102aの改札通路108側の側面であって、後端部に設けられている。第2のセンサー202は、透過型センサーや反射型センサーであって、自動改札機201の入口にいる人物、より詳しくは改札通路108に進入した直後の人物を検知する。
次に、信号電極210は、図6に示すように、第2のセンサー202の下方であって、改札通路108の床に配設されている。また、本実施形態に係る信号電極210は、自動改札機201の筐体102aの後端部から一部が、はみ出して配設されている。
なお、自動改札機201及び自動改札機201に利用される通信記録体120の内部構成については、第1の実施形態と同様である。
【0039】
次に、自動改札システム200の判定制御部111の動作処理について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、図7に示すフローチャートと、第1の実施形態の図4に示すフローチャートとの異なる点は、ステップS71の処理が追加された点である。したがって、図7に示すフローチャートでは、図4に示すフローチャートと同様な処理については、同一ステップ番号を付して、その説明を適宜、省略する。
乗客は、通信記録体120を身に付けて、自動改札機201の改札通路108に進入すると、自動改札機201の改札通路108内の信号電極210と接触する。乗客が信号電極210と接触することにより、図7に示すフローチャートの処理が開始される。
【0040】
まず、ステップS41において、通信記録体120と自動改札機101との通信が開始される。この処理は、第1の実施形態と同様である。
次に、ステップS71において、判定制御部111は、第2のセンサー202によって乗客を検知したか否かを判定する。乗客を検知した場合、判定制御部111は、ステップS42に処理を進める。一方、乗客を検知しない場合、判定制御部111は、ステップS41に処理を戻し、通信記録体120と自動改札機101との通信を継続する。
【0041】
ステップS42において、自動改札機101の判定制御部111は、通信記録体120に記憶されている乗車券情報を取得する。ステップS42以降は、第1の実施形態と同様な処理である。
このように、本実施形態では、第2のセンサー202により、乗客を検知しない限り、乗車券情報に基づく扉106a、106bの開閉の判定処理を行わない。すなわち、自動改札機201の改札通路108を通過する意思がない乗客が、単に信号電極210に接触したとしても、判定処理が行われない。したがって、信号電極210の距離L2や信号電極210を配設する位置の精度が、厳密でなくてもよく、例えば図6に示すように改札通路108から、はみ出して配設することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態の自動改札機を入場型及び出場型の共通タイプにしたものである。以下、本実施形態について、図8を参照して、説明する。
図8は、自動改札機の改札通路からみた自動改札システム300の一例を示す側面図である。なお、図8では、乗客進入方向を矢印A方向と矢印B方向とで区別して示されている。すなわち、本実施形態に係る自動改札機301は、乗客が矢印A方向又は矢印B方向に向かって改札通路108に進入することができる。
【0043】
まず、本実施形態に係る自動改札システム300は、自動改札機301と、信号電極110、303とを含んで構成されている。
自動改札機301では、第1の実施形態に係る自動改札機101の構成に加えて、扉302aが筐体102aの後方(矢印B側)に設けられている。なお、扉302aと対となる扉302b(不図示)が筐体102bにも設けられている。扉302aは、矢印B方向に進入する乗客の進入を抑止するための扉である。なお、第1の実施形態と同様、自動改札機301には、センサー107が無札位置に設けられている。更に、センサー107は、自動改札機301の改札通路108方向における中心に設けられている。すなわち、図8に示すように、自動改札機301の前端部(矢印A側)からセンサー107までの距離と、自動改札機301の後端部(矢印B側)からセンサー107までの距離とは、距離L4で、同一である。
また、信号電極として、第1の実施形態に係る信号電極110に加えて、もう一つの信号電極303が配設されている。この信号電極303は、矢印B方向に進入する乗客が所有する通信記録体120との通信を行うためのものである。
ここで、新たに加えられた信号電極303及び扉302a、302bは、センサー107、すなわち無札位置から第1の実施形態と同様の距離に配設されている。すなわち、信号電極303とセンサー107が設けられた無札位置との距離は、距離L1以上である。また、扉302a、302bとセンサー107が設けられた無札位置との距離は距離L3である。すなわち、本実施形態の自動改札機301は、無札位置を中心として、扉106a、106bと扉302a、302b及び信号電極110と信号電極303は、対称な位置に配置されている。また、本実施形態の自動改札機301は、自動改札機301の改札通路108方向における中心位置を中心として、扉106a、106bと扉302a、302b及び信号電極110と信号電極303は、対称な位置に配置されている。
【0044】
上述したように構成された自動改札システム300では、改札通路108を矢印A方向に進入する乗客に対しては、第1の実施形態と同様に、信号電極110、センサー107、扉106a、106bが機能して、乗客の改札通路108の通過を許容したり抑止したりする。一方、改札通路108を矢印B方向に進入する乗客に対しては、信号電極303、センサー107、扉302a、302bが機能して、乗客の改札通路108の通過を許容したり抑止したりする。なお、矢印B方向に進入する乗客に対する改札処理や扉制御については、第1の実施形態と同様である。
また、センサー107は、自動改札機301の中心に配設しているので、矢印A方向又は矢印B方向に進入する乗客の検知を、1つのセンサー107により行うことができる。したがって、矢印A方向又は矢印B方向に進入する乗客に対して検知する複数のセンサーを設ける必要がないので、自動改札機301の構成部品を少なくし、自動改札機301のコストを削減させることができる。
なお、第2の実施形態で設けた第2のセンサー202を追加してもよい。この場合、矢印A方向に進入する乗客を検知する第2のセンサーは、信号電極110の上方に配置する。また、矢印B方向に進入する乗客を検知する第2のセンサーは、信号電極303の上方に配置する。
なお、第1の実施形態〜第3の実施形態では、センサー107は、自動改札機に一体で構成する場合について説明したが、この場合に限られず、別体で構成してもよい。
【0045】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1の実施形態で説明した、床に配設した信号電極を自動改札機に配設したものである。以下、本実施形態について、図9を参照して説明する。
図9は、自動改札機の改札通路からみた自動改札システム400の一例を示す側面図である。図9では、乗客進入方向をFr(前方)で示し、その反対方向をRr(後方)で示す。
【0046】
本実施形態に係る自動改札システム400は、自動改札機401から構成されている。
自動改札機401は、第1の実施形態の自動改札機101の構成に加えて、信号電極402が設けられている。信号電極402は、自動改札機401の筐体102aの改札通路108側の側面の後方に、側面から突出しないように埋設されている。また、信号電極402は、乗客の腰又は腕の高さに相当する位置に配設されている。
【0047】
信号電極402は、第1の実施形態の信号電極110と同様、乗客が所有する通信記録体120との間で乗車券情報等の通信を行う通信部としての役割を担う。しかしながら、本実施形態の信号電極402は、乗客と接触することなく無線によって、通信を行う。
すなわち、自動改札機401から通信記録体120に送信される情報は、自動改札機401の信号電極402から、無線により乗客の人体及び通信記録体120の信号電極123を介して、通信記録体120に送信される。また、通信記録体120から自動改札機401に送信される情報は、通信記録体120の信号電極123から、無線により乗客の人体及び自動改札機401の信号電極402を介して、自動改札機401に送信される。このとき、信号電極402は、乗客との間の距離が短くなる乗客の腰又は腕の高さに相当する位置に配設されているので、信号電極402と人体との間の情報の送受信をより容易に行うことができる。
なお、信号電極402の前端部からセンサー107が設けられている無札位置までの距離L1、乗客進入方向における信号電極110の距離L2及び扉106a、106bと無札位置との距離L3は、第1の実施形態と同様の距離である。
【0048】
このように、本実施形態によれば、信号電極402を自動改札機401に一体的に構成することにより、信号電極402を床に埋設する必要がないので、自動改札システム400を設置する施工が容易になる。
なお、図9に示す自動改札機401は、入場専用型又は出場専用型の自動改札機であるが、入場型及び出場型の共通タイプの自動改札機として構成してもよい。この場合、第3の実施形態と同様に、扉106a、106b及び信号電極402を、無札位置又は自動改札機401の改札通路108方向における中心位置を中心として、対称な位置に配置すればよい。
【0049】
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第1の実施形態〜第4の実施形態で説明したセンサー107を画像処理式センサーしたものである。以下、本実施形態について、図10を参照して説明する。
図10は、自動改札機の改札通路からみた自動改札システム500の一例を示す側面図である。図10では、乗客進入方向をFr(前方)で示し、その反対方向をRr(後方)で示す。
【0050】
本実施形態に係る自動改札システム500は、自動改札機501と、信号電極110と、人物検知部としてのセンサー502とを含んで構成されている。自動改札機501と、信号電極110と、センサー502とは、通信可能に接続されている。なお、第1の実施形態と同様、自動改札機501では、無札位置から信号電極110の前端部までの距離が距離L1以上になるように配設されている。また、無札位置と扉106a、106bとの距離L3は、無札位置を通過した乗客が無札等であった場合に、扉106a、106bを閉塞して、乗客の改札通路108の通過を阻止することができる距離に設定されている。
【0051】
ここで、本実施形態のセンサー502は、カメラ等の撮影装置を含み、例えば自動改札機501を上方から撮影することができる位置に配設されている。すなわち、図10に示すように、センサー502は、自動改札機501全体を撮影範囲とすることができる。したがって、第1〜第4の実施形態とは異なり、自動改札機501の改札通路108方向における中心位置とは異なる位置に配設することができる。図10では、センサー502は、自動改札機501の前端部の上方に設けられている。
【0052】
センサー502は、常に撮影した画像から人物を検出し、検出した人物が、自動改札機501の改札通路108内の何れの位置を通過しているかを画像処理により判定している。ここでは、センサー502は、乗客が、無札位置を通過したと判定した場合、自動改札機501の扉制御部112に信号を送信する。この処理は、第1の実施形態に説明した図5に示すフローチャートのステップS51に対応する。なお、本実施形態の無札位置は、自動改札機501の改札通路108方向における中心位置である。この後の処理は、図5に示すフローチャートと同様であり、扉制御部112が、このとき、改札通路108の通過許可の旨の通知又は通過不許可の旨の通知の何れも受信していない場合、扉制御部112は、乗客は無札であるとして扉106a、106bを閉塞する処理を行う。
【0053】
また、センサー502は、第2の実施形態で説明した第2のセンサーの機能も有するように構成することができる。すなわち、センサー502は、乗客が、自動改札機501の改札通路108の入口に進入したと判定した場合、自動改札システム200の判定制御部111に信号を送信する。この処理は、第2の実施形態に説明した図7に示すフローチャートのステップS71に対応する。この後の処理は、図7に示すフローチャートと同様であり、乗客を検知しない限り、乗車券情報に基づく扉106a、106bの開閉の判定処理を行わない。
【0054】
このように、本実施形態では、センサー502として画像処理式センサーを用いたことにより、乗客の進入方向等も考慮に入れて検出することができるので、より正確に乗客の通過を判定することができる。また、第2の実施形態で説明した第2のセンサーの機能も共通化させることができるので、自動改札機501に多数のセンサーを設ける必要がなくなる。
【0055】
なお、上述では、センサー502が、自動改札機501の改札通路108内の何れの位置を人物が通過しているかを画像処理により判定する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、カメラで撮影した画像に基づいて、自動改札機501が、画像処理を行って、乗客が自動改札機501の改札通路108内の何れの位置を通過しているかを判定してもよい。すなわち、カメラのみを上方から撮影することができる位置に配設し、画像処理を行う判定部を自動改札機501内に設けてもよい。また、センサー502を構成するカメラは、自動改札機501の改札通路108方向における中心の上方に設けられていてもよく、複数のカメラから構成されていてもよい。
【0056】
また、図10に示す自動改札機501は、入場専用型又は出場専用型の自動改札機であるが、入場型及び出場型の共通タイプの自動改札機として構成してもよい。この場合、第3の実施形態と同様に、扉106a、106b及び信号電極110を、無札位置又は自動改札機501の改札通路108方向における中心位置を中心として、対称な位置に配置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施形態に係る自動改札システムの外観構成の一例を示す図である。
【図2】信号電極を上方からみた一例を示す平面図である。
【図3】自動改札システムの内部構成及び通信記録媒体の内部構成の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る判定制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】扉制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る自動改札システムの一例を示す側面図である。
【図7】第2の実施形態に係る判定制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る自動改札システムの一例を示す側面図である。
【図9】第4の実施形態に係る自動改札システムの一例を示す側面図である。
【図10】第5の実施形態に係る自動改札システムの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0058】
100 自動改札システム
101 自動改札機
106a、106b 扉
107 センサー(人物検知部)
108 改札通路
110 信号電極(自動改札機側)
111 判定制御部
112 扉制御部
113 記憶部(自動改札機側)
120 通信記録体
123 信号電極(通信記録体側)
200 自動改札システム
201 自動改札機
202 第2のセンサー
210 信号電極(自動改札機側)
300 自動改札システム
301 自動改札機
302a 扉
303 信号電極(自動改札機側)
400 自動改札システム
401 自動改札機
402 信号電極(自動改札機側)
500 自動改札システム
501 自動改札機
502 センサー(人物検知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体を通信媒体として通信記録体に記憶された乗車券情報を受信する信号電極と、
前記信号電極よりも乗客進入方向における改札通路の前方の所定位置まで進入した人物を検知する人物検知部と、
前記信号電極により受信した乗車券情報及び前記人物検知部による前記人物の検知に応じて扉の開閉を制御する自動改札機と
を有することを特徴とする人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項2】
前記自動改札機は、前記乗車券情報に基づいて扉の開閉を判定する判定処理が終了する前に、前記人物検知部により前記人物を検知した場合、前記扉を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項3】
前記信号電極と前記所定位置との間の距離は、乗客平均歩行速度に、前記乗車券情報に基づいて扉の開閉を判定する判定処理時間を乗じて算出される距離以上、離間していることを特徴とする請求項2に記載の人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項4】
前記信号電極の乗客進入方向における長さは、乗客歩行一歩間の距離より長いことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項5】
前記人物検知部は、前記所定位置に設けられた透過式センサー又は反射式センサーであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項6】
前記人物検知部は、画像処理式センサーであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の人体通信を用いた自動改札システム。
【請求項7】
前記自動改札機は、前記乗車券情報に基づいて、改札通路の通過許可又は不許可を判定する判定制御部と、前記扉の開閉を制御する扉制御部とを含んで構成され、
前記扉制御部は、前記判定制御部により前記改札通路の通過許可又は不許可の判定が終了する前に、前記人物検知部により前記人物を検知した場合、前記扉を閉塞することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の人体通信を用いた自動改札システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−122999(P2010−122999A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297225(P2008−297225)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(593092482)ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社 (85)