説明

人体通信を用いた認証装置、人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置及び人体通信を用いた認証方法

【課題】保安性及び使用便宜性を向上させることができる人体通信を用いた認証装置、人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置及び人体通信を用いた認証方法を提供する。
【解決手段】人体通信を用いた認証方法は、認証装置が使用者の生体情報を獲得し、人体通信を用いて獲得した生体情報を携帯装置に提供し、携帯装置が獲得した生体情報を予め貯蔵された生体情報と比較した後、獲得した生体情報及び予め貯蔵された生体情報が同一である場合、認証情報を認証装置に提供すると、認証装置が提供された認証情報に基づいて認証手順を遂行する。従って、保安性及び使用便宜性を向上させることができて、迅速に認証を遂行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用者認証に関し、より詳細には、人体通信を用いて使用者認証の保安性及び使用便宜性を向上させることができる人体通信を用いた認証装置、人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置及び人体通信を用いた認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体通信(Human Body Communication)は、人体を伝送媒質として用いて、人体に付着された器機の間に直接に電流が流れたり電場(Electric Field)が形成されてデータを送受信する通信方式であり、搬送波(carrier)を用いない30MHz以下のベースバンド信号を用いて、変調方式によって数百kbpsから数十Mbpsまでのデータ伝送速度を得ることができるため、高速無線通信として活用されていて、人体通信を用いた多様なアプリケーションが生成されている。
【0003】
例えば、最近は人体を媒質として用いて、使用者の認証やクレジットカードなどの使用を認証するための装置が活発に開発されている。
【0004】
人体を伝送媒質として用いてカードデータの伝送保安を向上させた技術は、アメリカ登録特許第5796827号(発明の名称:System and Method for Near−Field Human−Body Coupling for Encrypted Communication with Identification Cards)に開示されている。
【0005】
図1は従来の人体通信を用いたデータ伝送技術を示す。
【0006】
図1を参照すると、従来の人体通信を用いたデータ伝送技術(アメリカ登録特許第5796827号)は、カード情報が内蔵されたカード1を有した使用者2がカードリーダー3の前面に配置された電極4に手や身体の一部を接触すると、カードリーダー3と使用者が有したカード1の間に人体を伝送経路とするデータ通信がなされ、カード1に含まれたカード情報がカードリーダー3に伝送される。ここで、前記カード1は使用者の識別子(ID)を用いて伝送データを暗号化した後、人体通信を用いてデータを伝送し、前記カードリーダー3は受信されたデータを復号化して認証を遂行する。
【0007】
しかし、図1に図示された従来の人体通信を用いたデータ伝送技術は、人体通信を用いて暗号化されたデータを送受信する技術のみを開示しているため、カードの紛失や、盗難、複製などによる盗用を根本的に防止することができない短所がある。
【0008】
また、韓国公開特許第2008―40859号(発明の名称:人体通信を用いた使用者認証システム)は、人体通信を用いて使用者情報を送受信することによって使用者を認証する技術を開示している。
【0009】
図2は従来の人体通信を用いた使用者認証システムの構成を示す。
【0010】
図2を参照すると、従来の人体通信を用いた使用者認証システム(韓国公開特許第2008−40859号)は、第1装置10が人体30を媒体として第2装置20に認証を受けようとするシステム情報を要請し、第2装置20は前記要請に対する応答としてシステム識別情報(システム識別子)を伝送する。その後、第2装置20が該当システムに対して設定されている使用者認証情報(使用者ID及びパスワードなど)を貯蔵装置23で検索し、人体30を媒体として第1装置10に伝達すると、第1装置10は使用者認証情報をシステム―データベース40に貯蔵された認証情報と比較し、二つの情報が一致する場合システムの接近を許容する。
【0011】
しかし、図2に図示した従来の人体通信を用いた使用者認証システムは、使用者の認証のための使用者認証情報が予めシステム―データベース40に貯蔵されていなければならないため、事前に前記使用者認証情報の貯蔵過程が必要であり、前記システム―データベース40が盗用や、複写または修正などのように外部の脅威に露出される場合、非常に大きい被害が発生する可能性があるため、高い保安性が要求される金融取引などには適しない。
【0012】
また、従来の指紋認識を用いて使用者を認識する方法は、指紋を認識するリーダーと連結された認証サーバーに認証が必要な全ての使用者の指紋情報を貯蔵しなければならないため、大きい貯蔵空間が要求され、高速で指紋を認識して比較するための処理能力が要求される。従って、多くの使用者の指紋認識のためのシステムを構築するためには、システムの構築コストが増加し、使用者が増加するほど指紋検索の所要時間が増加するため、待機時間が長くなり使用便宜性が低下する短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開特許2009−0113524号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の短所を克服するための本発明の目的は、保安性及び使用便宜性を向上させることができる人体通信を用いた認証装置を提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的は、人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置を提供することである。
【0016】
また、本発明のまた他の目的は、保安性及び使用便宜性を向上させることができる人体通信を用いた認証方法を提供することである。
【0017】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載により、当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の本発明の目的を果たすための本発明の一側面による人体通信を用いた認証装置は、使用者の生体情報を検出する生体情報検出部と、検出された前記生体情報を携帯装置に提供するための制御を遂行し、前記携帯装置から提供された認証情報に基づいて認証手順を遂行する第1制御部、及び前記第1制御部の制御に相応して前記生体情報を前記使用者の身体に伝送し、前記使用者の身体を通じて前記認証情報を受信して前記第1制御部に提供する第1人体通信部を含む。
【0019】
前記人体通信を用いた認証装置は、前記第1制御部の制御に相応して前記生体情報を予め決められた目的地に伝送する通信部をさらに含むことができる。
【0020】
前記第1制御部は、前記携帯装置から認証不可を指示する情報が提供される場合には、前記通信部を通じて前記生体情報を予め決められた目的地に伝送することができる。
【0021】
前記第1制御部は、前記検出された生体情報から特徴を抽出し、抽出された前記生体情報の特徴を前記第1人体通信部を通じて前記携帯装置に伝送することができる。
【0022】
前記認証情報は、前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち少なくとも一つの情報を含むことができる。
【0023】
また、本発明の他の目的を果たすための本発明の一側面による人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置は、使用者の身体を通じて認証装置から伝送された第1生体情報を受信し、認証情報を前記使用者の身体に伝送する第2人体通信部と、前記第1生体情報と予め貯蔵された第2生体情報が同一である場合、前記認証情報を前記第2人体通信部に提供する第2制御部と、前記第2生体情報及び前記認証情報が貯蔵された貯蔵部を含む。
【0024】
前記第2制御部は、前記第1生体情報及び前記第2生体情報が同一ではないと判断されると、認証不可を指示する情報を前記第2人体通信部を通じて前記認証装置に提供することができる。
【0025】
前記認証情報は、前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち少なくとも一つの情報を含み、前記第2制御部は前記第1生体情報と予め貯蔵された第2生体情報が同一である場合、前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち何れか一つのみを前記第2人体通信部に提供することができる。
【0026】
前記使用者の身上情報は、使用者の氏名、住民票コード、アイディー(ID)、暗号(password)、住所及びデジタル署名のうち少なくとも一つの情報を含み、前記金融取引関連情報は、クレジットカード番号、通帳口座番号及び認証書番号のうち少なくとも一つの情報を含むことができる。
【0027】
また、本発明のまた他の目的を果たすための本発明の一側面による人体通信を用いた認証方法は、人体通信を遂行する認証装置及び携帯装置を含む認証システムにおいて、前記認証装置が使用者の生体情報を獲得する段階と、前記認証装置が人体通信を用いて前記獲得した生体情報を前記携帯装置に提供する段階と、前記携帯装置が前記獲得した生体情報を予め貯蔵された生体情報と比較する段階と、前記携帯装置が前記獲得した生体情報及び前記予め貯蔵された生体情報が同一である場合、認証情報を前記認証装置に提供する段階、及び前記認証装置が提供された前記認証情報に基づいて認証手順を遂行する段階を含む。
【0028】
前記認証装置が人体通信を用いて前記獲得した生体情報を前記携帯装置に提供する段階は、前記認証装置が前記獲得した生体情報の特徴を抽出する段階及び抽出された前記生体情報の特徴を前記認証装置に提供する段階を含むことができる。
【0029】
前記人体通信を用いた認証方法は、前記携帯装置が前記獲得した生体情報及び前記予め貯蔵された生体情報が同一ではない場合、認証不可を指示する情報を前記認証装置に提供する段階及び前記認証装置が前記認証不可を指示する情報の提供を受けて、前記獲得した生体情報を予め設定された目的地に伝送する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
上述のような人体通信を用いた認証装置、人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置及び人体通信を用いた認証方法によると、認証装置が人体通信を用いて使用者の携帯装置に使用者の生体情報を提供し、携帯装置は認証装置から提供された生体情報と貯蔵された生体情報を比較して、二つの生体情報が同一である場合にのみ人体通信を通じて認証情報を提供する。
【0031】
従って、使用者は認証のために、指紋、手のひらの模様、または静脈などのような自分の生体情報のみを提供すれば良いため、従来の認証方法に比べて使用便宜性が向上される。
【0032】
例えば、従来の署名を通じるクレジットカードの認証方法は、容易に偽造が可能であるため、クレジットカード使用者の正確な身元確認が実質的に不可能であるが、本発明は人体通信を用いて伝送された使用者の生体情報を比較した後、比較結果によって認証を遂行するため、適法でない使用者の偽造や盗用を根本的に防止することができて、生体情報を用いて認証を遂行するため、クレジットカードの盗難や紛失の時にも被害を最小化することができる。
【0033】
また、本発明では使用者が携帯する携帯装置で使用者自身の生体情報のみを比較して認証可否を判断するため、迅速で正確な認証が可能である。
【0034】
また、本発明では使用者のクレジットカード情報などのような金融取引情報及び使用者の身上情報を全て用いて、二重で認証を遂行することができるため、金融関連の犯罪を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来の人体通信を用いたデータ伝送技術を示す。
【図2】従来の人体通信を用いた使用者認証システムの構成を示す。
【図3】本発明の一実施例による人体通信を用いた認証システムを説明するための概念図である。
【図4】図3に図示した認証装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例による携帯装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例による人体通信を用いた認証方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができて、特定実施例を図面に例示して詳細に説明する。
【0037】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されるべきである。
【0038】
「第1」、「第2」などの用語は多様な構成要素を説明するために用いられることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ用いられる。例えば、本発明の権利範囲を外れずに第1構成要素は第2構成要素に命名されることができて、類似に第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。「及び/または」という用語は複数に係わって記載された項目の組合または複数に係わって記載された項目のうち何れかの項目を含む。
【0039】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」または「接続されている」と言及されている場合は、その他の構成要素と直接的に連結または接続されていることもできるが、その間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきであろう。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」または「直接接続されている」と言及された場合には、その間に他の構成要素が存在しないと理解されるべきであろう。
【0040】
本出願で用いる用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0041】
他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含んでここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されているものと同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0042】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。本発明を説明するにおいて、全体的な理解を容易にするために、図面上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用いて、同一の構成要素に対して重複される説明は省略する。
【0043】
図3は本発明の一実施例による人体通信を用いた認証システムを説明するための概念図である。
【0044】
図3を参照すると、人体通信を用いた認証システムは、人体通信を用いた認証装置(以下、「認証装置」と略称する)100及び人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置(以下、「携帯装置」と略称する)200で構成されることができる。
【0045】
まず、認証装置100は、使用者から指紋、手のひらの模様、静脈などのような生体情報の入力を受け、入力された生体情報を人体通信を用いて携帯装置200に提供する。
【0046】
携帯装置200は、認証装置100から提供された生体情報を予め貯蔵された生体情報と比較して、提供された生体情報と予め貯蔵された生体情報が同一である場合には認証の進行のための認証情報を認証装置100に提供し、提供された生体情報と予め貯蔵された生体情報が同一ではない場合には認証不可情報を認証装置100に提供する。
【0047】
認証装置100は、携帯装置200から認証情報が提供される場合には提供された認証情報を用いて認証のための処理手順を遂行し、認証不可情報が提供される場合には認証不可メッセージを表示したり、獲得した生体情報を認証機関または予め決められた認証関連機関に伝送する。
【0048】
図3で認証装置100は例えば、クレジットカードリーダー、現金自動預け払い機、自動販売機などのように、使用者の生体情報を用いて認証を遂行する全ての装置に設けられることができて、携帯装置200は携帯電話、時計、クレジットカード、ベルトなどのように、使用者が携帯または付着することができる装置で具現されることができる。
【0049】
図4は図3に図示した認証装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【0050】
図4を参照すると、本発明の一実施例による認証装置100は、生体情報検出部110、第1制御部120、第1人体通信部130及び通信部140を含むことができる。
【0051】
生体情報検出部110は例えば、指紋、手のひらの模様、静脈などの生体情報をスキャンすることができるスキャナーで構成されることができて、使用者の生体情報を獲得して第1制御部120に提供する。
【0052】
第1制御部120は、生体情報検出部110から提供された生体情報に対する処理を遂行して生体情報の特徴を抽出した後、抽出された特徴で構成された生体情報を第1人体通信部130を通じて携帯装置200に提供する。ここで、第1制御部120は、生体情報検出部110から提供された生体情報に対して、全然処理を遂行せずに携帯装置200に提供することもできるが、人体通信を通じて送受信されるデータの伝送効率を高めるために、生体情報の特徴のみを伝送することが好ましい。
【0053】
また、第1制御部120は、第1人体通信部130を通じて携帯装置200から提供された使用者の認証情報または認証不可情報に基づいて認証処理を遂行する。ここで、認証情報が提供される場合には第1制御部120は提供された認証情報を用いて認証を直接遂行することもでき、通信部140を通じて認証要請メッセージ及び認証情報をクレジットカード会社または銀行などのような別途の認証機関141に伝送することもできる。
【0054】
または、第1制御部120は、認証不可情報が提供される場合にはディスプレー素子(未図示)を通じて認証不可メッセージを表示したり、通信部140を通じて認証機関141または予め決められた関連機関に使用者の生体情報及び/または認証不可情報を伝送することもできる。
【0055】
第1人体通信部130は、第1制御部120から生体情報の提供を受け、提供された生体情報を人体通信規格に適するように処理して使用者の身体に伝送したり、使用者の身体を通じて伝送された認証情報または認証不可情報を受信した後、これを処理して第1制御部120に提供する。
【0056】
通信部140は有線通信インターフェースまたは無線通信インターフェースで構成されることができて、第1制御部120から提供された認証情報及び認証要請メッセージを通信規格に適するように変換した後、認証機関や予め設定された目的地に伝送し、前記認証機関から伝送された認証結果の可否を第1制御部120に提供する。ここで、通信部140は第1制御部120が認証を直接遂行する場合には、認証装置100に含まれないこともできる。
【0057】
図5は本発明の一実施例による携帯装置の構成を示すブロック図である。
【0058】
図5を参照すると、本発明の一実施例による携帯装置200は、第2人体通信部210、第2制御部220及び貯蔵部230を含むことができる。
【0059】
第2人体通信部210は、使用者の身体を通じて認証装置100から提供された使用者の生体情報の提供を受け、提供された生体情報に復調などの処理を遂行した後、第2制御部220に提供する。
【0060】
また、第2人体通信部210は、第2制御部220から提供された認証情報を人体通信に適するように処理した後、使用者の身体に伝送する。
【0061】
第2制御部220は、第2人体通信部210から生体情報の提供を受け、貯蔵部230に貯蔵された生体情報を読出した後、前記提供された生体情報と読出された生体情報を比較して生体情報の同一可否を判断する。
【0062】
その後、第2制御部220は、前記二つの生体情報が同一であると判断される場合には、貯蔵部230から認証情報を読出した後、第2人体通信部210に提供することによって人体通信を用いて認証装置100に前記認証情報を提供し、前記二つの生体情報が同一ではないと判断される場合には、第2人体通信部210に認証不可情報を提供することによって認証が遂行されないようにする。
【0063】
貯蔵部230には生体情報及び認証情報が貯蔵される。ここで、前記認証情報は使用者の氏名、住民票コード、アイディー(ID)、暗号(password)、住所、デジタル署名などのような使用者の身上情報を含むこともでき、クレジットカード番号、通帳口座番号、認証書番号などのように金融取引関連情報を含むこともできる。認証書の例では公的個人認証及び公的法人認証などがある.
【0064】
図5に図示した人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置200は多様な形態で具現されることができる。
【0065】
例えば、前記携帯装置200は使用者が常に携帯する腕時計またはベルト形態で具現することができ、使用者の認証情報(例えば、身上情報、クレジットカード情報)及び生体情報(例えば、指紋)は前記携帯装置200の貯蔵部230に貯蔵されることができる。
【0066】
または、前記携帯装置200は携帯電話や、PDAなどの移動通信端末に内蔵される形態で具現されることもできる。このような場合、携帯装置200の第2制御部220は移動通信端末のプロセッサがその機能を遂行することができ、貯蔵部230は移動通信端末に含まれた非揮発性メモリーを共有して用いることができる。上述のように携帯装置200が移動通信端末に内蔵されて、貯蔵部230にクレジットカード情報及び指紋情報が貯蔵された場合、移動通信端末を携帯した使用者はクレジットカードを取り出して直接用いる必要がなく、人体通信及び指紋認識機能を備えたクレジットカードリーダー(例えば、図4に図示した認証装置)に指で接触するだけでクレジットカード決済を遂行することができる。
【0067】
または、前記携帯装置200は、マイクロチップ(chip)形態で製作されてクレジットカードに内蔵されることによって、クレジットカード形態で製作されることもでき、貯蔵部230にはクレジットカード情報と使用者の指紋情報が貯蔵されることができる。このような場合にも、使用者はクレジットカードの使用のために財布の中に保管されたクレジットカードを取り出さず、ただカードリーダーに指で接触する行為だけでも人体通信によるクレジットカード認証及び使用が可能である。
【0068】
図6は本発明の一実施例による人体通信を用いた認証方法を示すフローチャートである。
【0069】
図6を参照すると、まず、認証装置100は使用者から生体情報を獲得する(S601)。ここで、認証装置100は使用者の指紋、手のひらの模様、静脈などの生体情報を獲得することができ、獲得した生体情報の信号処理を遂行して、特徴を抽出することができる(S603)。
【0070】
その後、認証装置100は獲得した生体情報(または生体情報の特徴)を人体通信を通じて携帯装置200に伝送する(S605)。
【0071】
認証装置100から生体情報を受信した携帯装置200は、受信した生体情報と予め貯蔵された生体情報を比較し(S607)、前記二つの生体情報の同一可否を判断する(S609)。
【0072】
携帯装置200は、前記二つの生体情報が同一ではないと判断される場合、認証不可情報を認証装置100に伝送し(S611)、認証装置100は携帯装置200から伝送された前記認証不可情報に相応して、認証不可メッセージを表示したり、認証機関または認証関連機関に使用者の生体情報及び/または認証不可情報を伝送する(S613)。
【0073】
または、段階S609で、前記二つの生体情報が同一であると判断される場合、携帯装置200は予め貯蔵された認証情報を読出し(S615)、読出された認証情報を人体通信を通じて認証装置100に伝送する(S617)。
【0074】
携帯装置200から認証情報を受信した認証装置100は、受信された認証情報に基づいて認証手順を遂行する(S619)。ここで、認証情報を用いた認証手順の遂行過程は、公知された認証方法を適用して行うことができるため、詳細な説明を省略する。
【0075】
図6に図示された人体通信を用いた認証方法で、金融取引に係る認証と生体認識が独立的に同時に遂行される場合には、認証情報で使用者の身上情報が伝送されることができる。例えば、使用者がクレジットカードを直接認証装置であるクレジットカードリーダーに入力し、これと同時に指紋を入力する場合には、段階S617で認証装置100に伝送される認証情報は使用者の身上情報のみを含むことができ、段階S619で認証装置100はクレジットカードリーダーから獲得したクレジットカード情報及び人体通信を通じて、携帯装置200から伝送された使用者の身上情報を用いて、認証手順を遂行することができる。
【0076】
以上、実施例を参照して説明したが、当技術分野の熟練した当業者は添付の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることは理解できるであろう。
【符号の説明】
【0077】
100 認証装置
110 生体情報検出部
120 第1制御部
130 第1人体通信部
140 通信部
200 携帯装置
210 第2人体通信部
220 第2制御部
230 貯蔵部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の生体情報を検出する生体情報検出部;
検出された前記生体情報を携帯装置に提供するための制御を遂行し、前記携帯装置から提供された認証情報に基づいて認証手順を遂行する第1制御部;及び
前記第1制御部の制御に相応して前記生体情報を前記使用者の身体に伝送し、前記使用者の身体を通じて前記認証情報を受信して前記第1制御部に提供する第1人体通信部
を含む人体通信を用いた認証装置。
【請求項2】
前記人体通信を用いた認証装置は、
前記第1制御部の制御に相応して前記生体情報を予め決められた目的地に伝送する通信部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の人体通信を用いた認証装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、
前記携帯装置から認証不可を指示する情報が提供される場合には、前記通信部を通じて前記生体情報を予め決められた目的地に伝送することを特徴とする請求項2に記載の人体通信を用いた認証装置。
【請求項4】
前記第1制御部は、
前記検出された生体情報から特徴を抽出し、抽出された前記生体情報の特徴を前記第1人体通信部を通じて前記携帯装置に伝送することを特徴とする請求項1に記載の人体通信を用いた認証装置。
【請求項5】
前記認証情報は、
前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の人体通信を用いた認証装置。
【請求項6】
人体通信を用いて認証装置と通信する携帯装置において、
使用者の身体を通じて前記認証装置から伝送された第1生体情報を受信し、認証情報を前記使用者の身体に伝送する第2人体通信部;
前記第1生体情報と予め貯蔵された第2生体情報が同一である場合、前記認証情報を前記第2人体通信部に提供する第2制御部;
前記第2生体情報及び前記認証情報が貯蔵された貯蔵部
を含む人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置。
【請求項7】
前記第2制御部は、
前記第1生体情報及び前記第2生体情報が同一ではないと判断されると、認証不可を指示する情報を前記第2人体通信部を通じて前記認証装置に提供することを特徴とする請求項6に記載の人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置。
【請求項8】
前記認証情報は、
前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち少なくとも一つの情報を含み、前記第2制御部は前記第1生体情報と予め貯蔵された第2生体情報が同一である場合、前記使用者の身上情報及び金融取引関連情報のうち何れか一つのみを前記第2人体通信部に提供することを特徴とする請求項6に記載の人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置。
【請求項9】
前記使用者の身上情報は、使用者の氏名、住民票コード、アイディー(ID)、暗号(password)、住所及びデジタル署名のうち少なくとも一つの情報を含み、前記金融取引関連情報は、クレジットカード番号、通帳口座番号及び認証書番号のうち少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする請求項8に記載の人体通信を用いた認証機能を備えた携帯装置。
【請求項10】
認証装置が使用者の生体情報を獲得する段階;
前記認証装置が人体通信を用いて前記獲得した生体情報を携帯装置に提供する段階;
前記携帯装置が前記獲得した生体情報を予め貯蔵された生体情報と比較する段階;
前記携帯装置が前記獲得した生体情報及び前記予め貯蔵された生体情報が同一である場合、認証情報を前記認証装置に提供する段階;及び
前記認証装置が提供された前記認証情報に基づいて認証手順を遂行する段階
を含む人体通信を用いた認証方法。
【請求項11】
前記認証装置が人体通信を用いて前記獲得した生体情報を前記携帯装置に提供する段階は、
前記認証装置が前記獲得した生体情報の特徴を抽出する段階;及び
抽出された前記生体情報の特徴を前記認証装置に提供する段階
を含むことを特徴とする請求項10に記載の人体通信を用いた認証方法。
【請求項12】
前記人体通信を用いた認証方法は、
前記携帯装置が前記獲得した生体情報及び前記予め貯蔵された生体情報が同一ではない場合、認証不可を指示する情報を前記認証装置に提供する段階;及び
前記認証装置が前記認証不可を指示する情報の提供を受けて、前記獲得した生体情報を予め設定された目的地に伝送する段階
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の人体通信を用いた認証方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−134332(P2011−134332A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283052(P2010−283052)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】