説明

人工光合成によるガス状汚染物質の中和システム

本発明は、人工光合成システムおよび任意の燃焼による有害な要素の中和に用いられる方法であって、ガスの容量および初期の圧力を、分子共鳴またはガス共鳴の原理による該ガスの加速再循環により生成される運動エネルギーによって低減し、次いで、物理的および化学的プロセスによって酸素と無害な液状物質を放出する方法に関する。前記システムは、メインのガス流入口およびガス流出管が設けられたメインチャンバを備え、該メインチャンバは:メインチャンバの下部に設置され、蒸気カーテンの形態の蒸気の通過を可能にするノズルを有するチューブ;プロペラ;該メインチャンバから出て該メインのガス流入口に連結されたフレキシブルチューブ;ガスを抽出し、加圧されたガスが該フレキシブルチューブ内に流入することを可能にする電気モーター;該メインチャンバから送られてくるガスの流入管および該二次チャンバの上端に設置されたガス流出流路を含み該メインチャンバと二次チャンバを連結している排気流路を備え、該二次チャンバは;有孔アルミニウムシートを各ユニットの接合部に有する互いに連結された複数のプラスチック発泡体ユニット;該二次チャンバの上端の外側に設置された高出力遠心抽出機;および該一次チャンバと該二次チャンバの下部に設置された、液状残渣の排出管を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状汚染物質の中和システムおよび「SAFA」と命名された自律的人工光合成システムによる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の問題における技術的および歴史的側面を考慮することは有益である。温室効果は最良の参考例である。
【0003】
今世紀において、さらに世界的な工業化により、我々は、工業プロセス、人間およびその派生物(交通および他の移動源など)による高レベルの汚染物質の発生を伴う、世界規模での環境の激変に直面している。これにより、大気中のガスの天然濃度に加え、自然に発生するものより高い毒性を有するガスの発生が増大している。中でも、中和される必要のあるガスは、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、クロロフルオロカーボン(CFC)、メタン(CH)、および亜酸化窒素(NO)である。
【0004】
先行技術では、有害のガス廃棄物の大気中への放出を物理的または化学的に低減させる、または阻止するシステムまたは方法が示されている。これまで行われてきた研究のほとんどは、薄膜に粒子を通して濾過するための物理的手段を使用するもの、または粒子を捕捉するために該粒子を負に帯電させるための電気ショックを使用するものであるか、あるいは、単純にノズルを使用するものであり、該ノズルには、化学反応によって特定のガス(水素またはCO)の触媒として作用する特定の塩基溶液(アンモニア、尿素など)が注入され、該化学反応により、該ガスが互いに反応して中和され、環境にあまり有害でない、より安定な物質に変換される。しかしながら、設備の作製およびメンテナンスは非常に費用がかかる。
【0005】
それにもかかわらず、新規なガス状汚染物質の中和システムの説得力のある参考文献として供するため、本発明者らは、ここに、チリ国立工業所有権研究所(INAPI)に存在するいくつかの先行技術の参考文献を挙げる。
【0006】
チリ国特許第38989号(1995年に許可)には、「ガスの向流中に液状洗浄液滴を有するガス浄化装置」が示されており、該装置ではガスを向流によって処理し;ガスを基剤水溶液中にスプラッシュするための一連のポンプが使用されている。しかしながら、本願発明では、ポンプは必要とされず、運動エネルギーと蒸気のみが必要である。
【0007】
チリ国特許第38227号には、「内燃機関の排気中に含まれた懸濁粒子を保持するためのフィルター」が記載されている。この場合では、微粒状物質用のフィルターがあり、連接された一連の金属チャネルでの加工において水が使用される。本願発明には、フィルターだけでなく、運動エネルギーおよび化学的プロセスによって動作するガス処理機構もある。
【0008】
チリ国特許第42130号には、「フィルターメッシュが組み込まれたターボ式抽出機と、インペラー手段および液体加熱部およびガス冷却要素を伴う濾過チャンバとを含む、工業用煙突内のあらゆる型の粒子用の湿式フィルターデバイス」が示されている。ここでは、ガス冷却部と加熱部を有する、大型粒子を捕捉するためのメッシュが使用された別の型のフィルターが用いられている。これは、本願発明の主要原理;すなわち、加工の操作が完全に自律的であること;および人工光合成の現象をもたらすのにシステムの内部エネルギーが必要とされることとは反対のものである。
【0009】
チリ国特許第41569号(2002年に許可)には、「空気を捕捉するためのステーション、ガスを蓄積させるためのチャンバ、水が供給される浮動メッシュとスプリンクラーを有する初期除染トンネル、残渣を移送するためのプール、粒子乾燥部、および除染水を押し出すためのポンプを含む、汚染空気の処理システム」が記載されている。これは、プロセスの基剤として水が使用される別のシステムであるが、空気中の大型粒子しか移送され得ないため、適用はほぼ不可能である。ここには、単なる参考文献として挙げている。
【0010】
チリ国特許出願第01930−2001号には、「蒸留水、重炭酸ナトリウムおよび尿素からなる化学溶液を使用する最初の洗浄工程(後者の2つの化合物の濃度は、各々、5〜8%)、続いて、さらに2回の濾過工程を有する、汚染ガスを低減させるための化学的/機械的方法」について述べている(2002年10月9日公開)。この出願では、汚染ガスを該化学物質と、所定の温度で反応させる。したがって、この出願は、Reduccion Catalitica Selectiva(SRC)(選択的触媒還元)の先行技術による触媒群の範囲に含まれるものである。本願発明では、対照的に、外添化学物質薬剤を使用せず、水蒸気とガスの運動エネルギーのみを用いて酸素を得る。
【0011】
チリ国特許出願第00324−2002号(2002年)には、「固定型または移動型の燃焼ガス源からの汚染物質の放出を減少させるための方法であって、前記ガスを複数の流れに分ける工程、冷却によって該ガスの温度を低下させる工程、該ガスを洗浄工程に供する工程、および微粒状物質を移送する工程を含む方法」が示されている。この出願は、内部に汚染されたガスを通過させると同時に化学的効果がもたさられるように蒸留水の溶液が注入される、異なる直径を有する一連のアルミニウムパイプからなるものである。形態および活性原理は完全に異なる;本発明者らは、単一の添加化学物質を使用しておらず、あるいは、プロセスを行うためにインターレース式の線形パイプを使用していない。
【0012】
また、「ガスが再循環されるように構成することによるエンジンの排気ガスを浄化するための方法であって、防除デバイスは、温度データとバルブデバイスを使用して適合されており、フィルターの再生に都合のよいNOと煤煙との関係が得られる方法」が記載されたチリ国特許第44552号もある。この特許には、別の一連の要素とともにガスの再循環システムによりNOと煤煙の低減をもたらすことができる車両用触媒デバイスが示されている。本願発明は、ガス中和プロセスを行うのに水蒸気と運動エネルギーのみが使用されるシステムであるという意味で、触媒ではなく、触媒として作用するものでもない。
【0013】
本発明者らのシステムが独自のものであることを明示するため、本発明者らは、関連する方法および結果が示された2つの国際特許を、それらの最終結果と本発明者らの最終結果との直接比較のためというよりは、参考文献として挙げる。
【0014】
欧州特許第2119490号(2009年11月18日公開)には、「粒子形態の重金属、粉塵、花粉および多環式芳香族炭化水素の液中還元のための初期工程、電気分解により酸素を用いて軽質炭化水素を水中で酸化させる第2工程、および無機炭酸塩との反応によってCOなどの化学物質を重炭酸塩に変換させる第3工程を含む、大気汚染を低減させるシステム」が示されている。この特許は、炭酸塩の場合と同様、付随する物質との化学反応を用いて所望の効果(この場合は重炭酸塩)を得るものである。これは、電気分解を用いて水から酸素を遊離させ、特定の炭化水素との反応を活性化させるものである。これは、本願発明では水蒸気と運動エネルギーが使用されることとは対照的である。本願発明では、本発明者らが開発した人工光合成の方法により、運動エネルギーによって酸素が放出される。この欧州出願に記載された装置は、互いに連接された3つの相違する構成部分を含むものである。本願発明では、そうではなく、本発明者らは、2つの相補的な構造で構成した。一方は水平な円筒型構造であり、他方は、ガス流出口が上向きの垂直な円筒型構造である。
【0015】
また、米国特許出願公開第2009/0016948号(2009年1月15日付)を挙げるが、これには、「大気中の二酸化炭素を低減させ、後に燃料として使用される炭素を生成させる、より詳しくは、充分なアルカリ金属塩の流れに大気中の二酸化炭素を溶解させ、電気分解プロセスによって炭素と酸素を形成させる方法を示す」と記載されている。なお、使用される反応体または触媒(電極)であるCO2 酸素から炭素を分離するために使用される物理的および化学的プロセスでは、本願発明の結果と全く異なる結果になる。特許出願公開第2009/0016948号では、塩基性溶液から酸素を得るために電気分解が利用され、非常に高い温度(摂氏800度より上)で水銀が投入(cast)される。対照的に、本願発明は、運動エネルギーを用いて、自然界にみられる光合成プロセスと同様の反応をもたらすものである。本発明者らの方法の最終生成物は酸素とグルコースである。以上のように、本発明において重要であるとして挙げた参考文献はいずれも、本発明者らが発明したガス状汚染物質中和システムとは異なるものである。
【0016】
現在の市場および工業レベルでは、様々な種類の軽減および微粒状物質防除システムが存在する;このようなものとしては、慣性力選別装置(またはサイクロン)、湿式ストリッパー(スクラバー)、ホースシステム、および電気集塵装置が挙げられる。しかしながら、これらのシステムはいずれもガスの処理および加工が関係しているものではない。ガスの処理および加工用には、特定のガスの吸収システムしかない。問題は、大きな投資が必要とされること、およびNOまたは選択的接触還元などの一部の型の工業プロセスのみしか対象でないことである。同時に、先行技術において言及されたシステムはいずれも、微粒状物質の防除とガスの加工を同時に行うことができず、本願発明と同じ収率を得ることができない。
【0017】
本願発明では、微粒状物質の防除とガスの処理が低コストで可能であるとともに、効率の点で既存のシステムを改善するものである。本発明者らにより、有害ガスを捕捉し、臭気が最小限で、より無害な物質に変換することが可能になった。
【0018】
世界中の工業市場において現存しているメインシステムは、微粒状物質の低減を目的としたものである。このようなシステム内には、静電的システム、ガススクラバー、サイクロンおよびバッグフィルターが存在している。しかしながら、より揮発性の物質の捕捉におけるこのようなシステムの有効性は、残留微粒状物質が含まれ得るものに限定される。コストに関しては、効率に応じて異なる。最も大きなコストは、微粒状物質の99%が捕捉され得るシステムの初期投資およびメンテナンスコストである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】チリ国特許第38989号
【特許文献2】チリ国特許第38227号
【特許文献3】チリ国特許第42130号
【特許文献4】チリ国特許第41569号
【特許文献5】チリ国特許出願第01930−2001号
【特許文献6】チリ国特許出願公開第00324−2002号
【特許文献7】チリ国特許第44552号
【特許文献8】欧州特許第2119490号
【特許文献9】米国特許出願公開第2009/0016948号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の主な目的は、固定汚染源によって生成される温室効果を引き起こす主要ガス、特に、CO、NOX、およびSOを捕捉して処理することである。これらのガスは、溶鉱炉、発電所、工業用炉および高出力発電機セットからのものである。上記のガスはすべて、酸性雨および地球温暖化の大きな原因である。
【0021】
本研究者らは、有害ガス成分を中和し、まず、軽量分子(酸素)を大気中に放出し、このようなガスを部分的に無害な要素(これは、環境中に放出され得る)に変換する、ガス状汚染物質の新たな中和システムを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、有害成分を処理し、自然な光合成のプロセスと同様の物理的/化学的原理を用いた化学的共生(symbiosis)プロセスまたは分子融合プロセスによって酸素と無害な液状廃棄物を生成させる、ガス状汚染物質中和システムを設計した。
【0023】
本発明は、任意の燃焼による有害な要素を中和し、それにより、ガスの初期の容量および圧力を低減する人工光合成システムを示す。これは、分子共鳴またはガス共鳴の原理によるガスの再循環の加速によって生成される運動エネルギーによって行われる。次いで、物理的および化学的プロセスにより酸素と無害な液状物質が放出される。該システムは、チューブによって接続されたメインチャンバと二次チャンバで構成されている。
【0024】
メインチャンバは:
メインの投入ガスパイプおよびガス流出口;
蒸気カーテン状の蒸気の通過を可能にするノズルを有するチューブ;
メインチャンバ内部に設置されたプロペラ;
メインチャンバの上側に配置され、上面から出ている第1のフレキシブルチューブ。これは、メインチャンバのガスのメインの入口に再接合されている。メインチャンバは、該メインチャンバの側面から出ている少なくとも2つのさらなるフレキシブルチューブを有する;
ガスを抽出し、ガスの圧力がフレキシブルチューブ内に進入することを可能にする電気モーター;
メインチャンバの内部の底部に設置された液状廃棄物の強制排出管;
該チャンバの後部に設置され、チューブを介して該メインチャンバと二次チャンバとを連結している、処理済ガスの1つの排気流路
で構成されている。
【0025】
二次チャンバは:
メインチャンバから送られてくるガスの流入管および上端に設置されたガス流出流路;
複数の発泡体ユニット。該発泡体ユニットは互いに連結されており、該発泡体ユニットの各接合部は、有孔アルミ箔および吸収度が高いポリエステル繊維の布を有する;
二次チャンバの上端の外側に設置された、ガス流出を促進する高出力遠心抽出機;
二次チャンバの底部に設置され、流動体の除去を可能にする液状廃棄物の排出管
で構成されている。
【0026】
また、本発明は、任意の燃焼による有害な要素を中和し、ガスの初期の容量および圧力を、分子共鳴またはガス共鳴の原理によるガスの加速再循環によって生じる運動エネルギーによって低減させるための人工光合成法に関する。次いで、物理的および化学的プロセスによって無害な物質とともに酸素が放出される。該方法は、以下の工程:
i)工程1:汚染源由来のガスがメインチャンバ内に進入し、ガス状集団が蒸気カーテンと接触する。次いで、該ガスが内部プロペラによって偏向されて動きが低速化される。次に、該ガスが外部モーターによってチューブ内に吸引され、ガス状集団がフレキシブルチューブの方に移動され、その時点でメインチャンバに導入し戻され、ガスの連続的再循環が可能になる。この理由は、エネルギー電荷を生じさせ、これにより、ガス状集団を水蒸気中に可溶性とするためである、
ii)工程2:ガスをその関連する化学的要素と、再循環プロセスによって得られる運動エネルギーによって互いに結合させる。メインチャンバの円形壁で得られた化合物は、凝縮して沈殿し、次いで、メインチャンバの底部に堆積される、
iii)工程3:第1工程でエネルギー的に処理されたガスが二次チャンバ内に進入し、該ガスの物理的および化学的作用が促進され、このとき、該ガスはその類似要素によって互いに誘引され、酸素が遊離される。前記酸素はガス状廃棄物と一緒に、二次チャンバの外部排出口の方に外部に、高速遠心抽出機の補助を伴って放出され、このプロセスで得られた液状残渣は捕捉され、最終的に二次チャンバの底部に設置された栓によって液状残留物は排除される
で構成されている。
【0027】
汚染ガスの中和プロセスは、以下に記載する2つの主要な特徴で構成されている。
【0028】
1.基本的な物理的/機械的作用
第1段階では、ガス状汚染物質が処理機構すなわちメインチャンバ内に進入し、ここで混合が行われ、ガスの融合が起こる。メインチャンバは気密的に密封されている。ガスはメインチャンバに、外部遠心抽出機を介して進入する。ガスは、システムのメインチャンバに進入すると、まず、少なくとも100℃である飽和水蒸気カーテンに直面する。次いで、ガスは、ガスのメインの入口の管の直径と同等の直径を有する凹型プロペラブレードと接触し、これは、ブレーキとしての機能を果たし、進入するガスを拡散させる。
【0029】
ガスは、メインチャンバ内部に入ったら、メインチャンバ内に注入または噴霧された飽和水蒸気と混合される。飽和水蒸気は、ノズルチューブから注入または噴霧され、蒸気カーテンを形成する。ノズルチューブはメインチャンバの底部に設置される。また、飽和水蒸気を注入または噴霧するためのこの機構により、この工程でのガス温度の低下が補助される。
【0030】
第2工程では、水蒸気と混合されたガスが3つの波形アルミニウムのフレキシブルチューブに進入し、該チューブは、外側のメインチャンバの2倍の長さである。メインのフレキシブルチューブは、メインチャンバの上面に設置され、2つのチューブはメインチャンバの側面に設置される。メインチャンバの上面には、上側のメイン流路に取り付けられた電気モーターが存在している。
【0031】
このプロセスの第2工程では、加速されたガスが再循環し、該フレキシブルチューブ内で生じる同心性の遠心効果によってガス粒子により放出された運動エネルギーによる一種の「ガス又は分子の共鳴」が起こる。このときに、加速された空気がガスと混合され得、効率的かつ急速に凝縮され得る。流入ガスによる圧力(これは、1から「x」バールまでで異なり得る)が低下し、これは、システムによって汚染物質が処理されていることを示している。ガスの再循環プロセス中、ガスの温度は、初期投入物の温度と比べて少なくとも10℃低下し、このガスの初期圧力の投入は1バール以下低下する。
【0032】
温度が下がるにつれて、ガス状集団を液状集団に変換し、続いて、重力によってメインチャンバの底部に落下するプロセスに関与している物理反応および化学反応の有効性が増大する。
【0033】
このプロセスの第3工程では、密封された円筒型のデバイス内に透過性フィルターが設けられており、ここで処理済ガスが水分によって過飽和状態となり、この水分によって該内部フィルターの各々が覆われ、そのときに飽和水蒸気の変換が行われる。これが、二次チャンバに内包された各プラスチック発泡体フィルターの露出表面全体と合体し、それにより、該物理的/化学的プロセスがより効率的となる。二次チャンバ内に進入したガスは、メインチャンバ内への流入ガスの初期温度よりも低い温度を有する。ガスは水分を多く含んでおり、正または負のエネルギー電荷を有し、これは大部分が捕捉され、中和される。これにより、酸素分子の放出が可能になる。
【0034】
2.物理化学的二次作用
まず、この複合作用(第1工程で開始され、第3工程で終了する)は物理的作用である。
【0035】
この二次作用には、3種類の主要な要素:チャンバ内部の温度、チャンバの内圧、およびガスと水蒸気の湿度が関与している。
【0036】
この作用により、原子レベルで密度の低い(すなわち、より軽質の)物質と同時に合わさり、明白な連鎖反応において、微粒状物質がより高粘度の物質に変換される。これは、主に、第2工程で開始される分子共鳴またはガス共鳴プロセスのためである。より感受性の分子、例えば、炭素、窒素およびイオウにはイオン電荷(正または負)が存在している可能性がある。このような分子は、一次チャンバと二次チャンバのどちらにも設置されたプラスチック発泡体フィルターに連続的に永続的に誘引される。エネルギー負荷ガス分子により、蒸気の存在下でのガスの化学反応が促進され、より安定な分子結合が形成される。
【0037】
この反応では、種々の中性化合物(例えば、重炭酸塩および程度は低いが硫酸塩)がみられ、これにより、主要な汚染物質(CO、CO、NOおよびSOなど)が、より容易に可溶性となる。したがって、汚染物質が、主として気体状態から液体状態に変換され、次いで、乾燥されると固体になり、重炭酸塩、硫酸塩、またはグルコース(残留残渣よりも高い割合で)および場合によってはデンプンおよびセルロース分子が形成される。簡単に言うと、ガスを、その天然状態よりも高い分子量の要素に変換する(グルコース分子、およびおそらくデンプンおよびセルロースが形成される)原子結合効果がみられる。この機構により、より高い分子量でより高密度の分子構造の要素は、内部加工エリアに沈殿する。また、これは、システムにおいて、低分子量で確実により揮発性の物質が、より有効に吸収されて捕捉されるが、常に遊離酸素分子が放出されて、安定な各化合物(炭素、窒素、水素、イオウなど)が結合する化学反応がもたらされるのに役立つ。前記の単純な化合物は、より高い分子量でより高密度の分子構造を有する、より完全な化学的要素に変換される。その結果、前記プロセスにより酸素分子が遊離され、それにより、該プロセスの第1工程で最初に導入したときよりも高い割合(該システムへ進入するおよび該システムから排出されるガス流に関して)の酸素が放出される。
【0038】
このプロセスは、COとHOを用いて液状グルコースが生成され、該プロセスの最後に大量の純粋な酸素が放出されるため、大部分が自然な光合成と同種である。CO以外のガスからの他の化合物の形成は得られない、またはグルコース高含有炭素結合から誘導されないが、分子的等価ガスに応じて得られる(例えば、SOは、他の分子とHO分子との結合に関与する)。
【0039】
以下に詳述する実施例で得られた結果によれば、本発明のシステムでは、ガスを精製し、その圧力と初期容量を減少させ、該物質を、最初に該システムに進入したときの物質と比較して毒性の低い化合物に変換させることが可能であることに留意されたい。これにより、おそらく上記の分子共鳴またはガス共鳴の原理および放出される運動エネルギーのために分子の分解が引き起こされ、類似した元素と新たな原子結合が形成され、化合物の初期の分子組成が変化する。本発明のシステムの効率は、処理済の液状物も、細菌性微生物の存在を中和し、これによりシステム内で錆または他の細菌フローラの形成が抑制されるという特徴を有する。他の有害ガスとの水蒸気分子の共生が達成され、本システムを機能させる理論的−科学的原理は、世界規模で独自のもので排他的であり、本特許の出願時では、大学または当該技術分野の専門機関でそれまでに研究されていたいずれの物理的/化学的プロセスにおいても比類のないものである。本発明により、光合成と同様の分子変化が達成されるが、光エネルギーを使用するのではなく、運動エネルギーと分子共鳴またはガス共鳴を用いて同じ現象を達成する。これは人工光合成として知られている。
【0040】
本発明は、ガス状汚染物質の中和プロセスが行われるように設計されたデバイスで構成されている。該デバイスは、ステンレススチール製の円形管またはプラスチックポリマー製の他の物質によって連結された2つの構造体、メインチャンバと二次チャンバで構成されている。
【0041】
本発明のシステムおよび方法を、より良好に示すため、本発明者らは、以下に記載する3つの図面を含めた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図A:この図は、メインチャンバの長手方向の側部を示す。
【図2】図B:この図は、メインチャンバの長手方向の上部を示す。
【図3】図C:この図は、二次チャンバの長手方向の側部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図Aは、その機能に適したステンレス金属またはプラスチックポリマー製の円筒型形状であるメインチャンバ(1)を示す。該一次チャンバの内表面は、飽和された気相ガスの移送が促進されるようにスチール物質またはポリマープラスチックで被覆されている。メインチャンバの外部には、凹型の内部レリーフを有するプラスチックまたはアルミニウム製の3つのフレキシブルチューブ(2)が存在している。第1のフレキシブルチューブはメインチャンバ(1)の上面から出ている。他の2つのフレキシブルチューブ(2)は、メインチャンバ(1)の各側面から出ている。フレキシブルチューブ(2)の各々は、チャンバの中心からほぼ等距離の点でメインチャンバの入口の流路(3)に取り付けられたチューブで終結している。メインチャンバから出ているフレキシブルチューブは、プラスチックまたはアルミニウム製であり、半円形の凹状表面を有する鋸歯状の内面を有し、流入ガスのメイン流路(4)に通じている。ガスが進入するメイン流路(4)は円錐台形状を有し;この流路の最後の内径は流入口の外径の2倍の広さであり、それにより、主要チャンバからの液状廃棄物の排液が促進される。メインのフレキシブルチューブの直径はメインチャンバの内径の15%〜20%に相当し、側方のフレキシブルチューブは、メインチャンバの内径10%に相当する直径を有する。該フレキシブルチューブは鋸歯状の表面を有し、該表面は、フォールド(fold)間に各フレキシブルチューブの内径の5%に相当する隔離部および各チューブの直径の2.5%に相当する高さを有する。これらはメインチャンバの両側に互いに等間隔に離れて設置されている。流路(3)は該チューブに達しており;同時に、該フレキシブルチューブ(2)の各々に連接されている。流路(3)は、有害ガスのメインの入口に設置されており、ここで再循環が行われる。また、有害ガスの入口には、流入口のメイン流路(4)が収容されており、ここで有害ガスが、外部抽出機を介してメインチャンバに導入される。メインチャンバ内部に入ったら、ガスはプロペラ(5)によって受容され、該プロペラは、ガスに対する主障壁としての機能を果たし、ガスの強度と方向性の減少を引き起こす凹型フランジを有する。メインチャンバの中心に設置されたプロペラ(5)は凹型フランジを有し、進入ガスの力を利用して回転し、それにより、メインチャンバの内壁への混合ガスの散逸をもたらす。慣性力のため、ガスはメインチャンバの後部に導かれ、ここでガスは、密度が25K/mで少なくとも10cm厚の発泡ポリウレタン発泡体のプラスチック発泡体シートと、メインチャンバ(1)の後部端(6)に置かれた有孔アルミニウム製のプレートまたはシートからなるシステムの第1濾過工程を受ける。ガスはメインチャンバ壁に方向転換され、この慣性力およびこのプロセスの遠心特性の効果に対抗し、各フレキシブルチューブの入口(7)に向かい、ここで、ガスの温度が低下し、各フレキシブルチューブ内で生じた遠心効果のために結合し、これは、該フレキシブルチューブの形状およびメインのフレキシブルチューブの入口(7)に設置された抽出機の電気モーター(8)によっても促進される。抽出機の電気モーター(8)によりガスが水蒸気と混合されることが可能になり、次いで、これは該3つのフレキシブルチューブからメインチャンバに導入し戻され、連続的なガスの循環がもたらされる。また、抽出機の電気モーターは、製作される型に必要とされる場合は、他の2つのフレキシブルチューブ上に設置されてもよく、その場合、最高出力の抽出モーターがより広径で高い方のフレキシブルチューブ上に設置され、その他の2つのモーターは、主モーターの半分の抽出出力を有するものである。再循環プロセスが増強されるように、これらを、主要チャンバの側部のその他のフレキシブルチューブの出口に設置してもよい。
【0044】
該デバイスのメインチャンバの円筒型構造は、漏斗型末端の円錐台形態(10)で終結している。この末端の円錐台形態(10)により、第2のデバイス構造すなわち二次チャンバへの処理済ガスの進入が、より大きな力で引き起こされ、これにより、デバイスの第1構造すなわち一次チャンバ内への処理済ガスの沈積が引き起こされる。さらに、メインチャンバの底部の内部では、該システムは、前記プロセスで生じた処理済の物質(この時点では液体状態である)を排出する機能を果たす栓を有する排出パイプ(11)を有する。
【0045】
図Cに示す第2構造すなわち二次チャンバ(12)は、耐食性の金属製またはプラスチックポリマー製であり、これも円錐台末端を有する円筒型形状を有する。二次チャンバ(12)の最初の部分には一連の発泡体ユニット(13)が存在し、これらは、メインチャンバから送られてくる飽和水蒸気変換体として、および湿潤ガスの吸収体として、ならびに汚染物質を保持するためのフィルターとして使用される。二次チャンバは、少なくとも10cmの厚さで、25K/m(キログラム/立方メートル)の密度の少なくとも5つのプラスチック発泡体ユニットを有する。該発泡体は発泡ポリウレタン製であり、これは、高い保持能と水分吸収性のため、これまでで使用され、試験された最良の化合物である。プラスチック発泡体ユニットによりメインプロセスからの飽和蒸気が変換され(ここで、発泡体の露出表面全体に水が結合されている)、上記の物理的/化学的プロセスおよびガスの濾過が促進される。発泡体ユニットは薄い有孔アルミニウムシート(14)によって隔離されており、該シートは、ポリエステル繊維で被覆されており、各プラスチック発泡体ユニット(13)間の隙間に設置されている。複数の発泡体ユニット(13)の前に、二次チャンバの底部には、金属メッシュ(15)またはプラスチックポリマーメッシュが存在しており、これは、発泡体ユニット(13)と薄い有孔アルミニウムシート(14)の両方の重量を支える機能を果たし、この場合、この二次チャンバは、メインチャンバに対して垂直に設置される。二次チャンバは気密性の構造を有する。二次チャンバは、外側の下部にメインチャンバから送られてくる流入ガスのチューブ(16)を有する。チューブ(16)は、二次チャンバの位置に応じてストレート型または湾曲型のいずれであってもよく、メインチャンバと二次チャンバを連結している。二次チャンバの上端は高速遠心抽出機(17)を有する。二次チャンバの2つの末端は各々、耐食性の金属製またはプラスチックポリマー製の円錐台構造を有する。下端の構造(18)により、ガスの混合と圧入が促進され、上端の構造(19)によりガスの排出が可能になる。上端の構造(19)は、下端よりもわずかに広い排出開口部を有する。メインチャンバと二次チャンバを連結しているチューブ(16)は、該液状物、またはこの工程でプラスチック発泡体によって吸収されなかった場合に生じる液状廃棄物の排出を可能にする排出管(20)を有する。
【実施例】
【0046】
本発明の適用の実施例:
メインチャンバの内部に入ったら、中央のプロペラ(5)によって偏向されたガスは、メインチャンバ内に注入または噴霧される飽和水蒸気と、ガスの湿度に応じて、100℃以下の温度および一般的には1〜3バールの範囲の圧力で混合される。ガス温度の低下プロセスを促進し、それにより、中和および酸素の放出を可能とするため、ガスを、100℃以下の温度の高濃度の水分の蒸気カーテンを形成しているノズルチューブ(9)に通す。ノズルチューブ(9)は、該システムのメインチャンバ(1)の流入口に設置されている。ノズルチューブ(9)は、メインチャンバの内部または外部に設置される気化器に取り付けられる。
【0047】
加速再循環プロセスの圧力は1Kg/cmまたは1バールのレベルまで低下する。これは、該システムによって汚染物質が加工されることを示した。円錐台形状のメイン流路(4)へのガスの流入温度は、通常50℃〜100℃であるが、ガスが、再循環プロセスによって再度メインチャンバ内に進入すると、ガスの温度は急激に低下し、39〜42℃(ガスの投入温度に依存する)の温度まで低下する。この実施例では、流入ガスの温度は55℃である。最適な性能において、メインチャンバ内部では、柔軟性の流路の内部の再循環温度は約45℃である。
【0048】
本発明者らが開発したシステムでは、ガス全体の90%より多くおよび進入させた微粒状物質の99%を吸収することができる。本発明者らは、以下の実験で、このシステムの効率を確認することができた。ガソリンで1hp(746ワット)で稼動させた発電機の排気パイプの流出口で、システムを2時間より長く作動させると、実際に、COとCOは90%の減少が得られ、NOは、ほぼ62%減少し、酸素は8%から19.7%に増大した。本発明者らは、投入時に、有意な容量圧、すなわち流入口で60l/分の容量圧がみられることを観察し、およそ5〜1l/分の流出容量圧を得た。本明細書において記録した測定値はすべて、システムの流入口および流出口のガスに対する割合とした。
【0049】
実施した試験により、本発明によって18.5%〜19.7%の酸素算出を達成することができることが確認され、実際に、燃焼過程後にシステム内に進入した酸素の割合は、ガスが該デバイスを通過した後に放出された酸素に比べて250%より大きく増大した。したがって、最終的には、呼吸可能な空気の割合はすべて、本発明者らが発明したデバイスおよび方法によって得られるものになる。同じシステムを連結する、すなわち、この型のデバイスを2つ以上結合して連続操作させると、結果は相当改善される。結合した場合、本発明者らは、世界で初めての閉鎖系燃焼をもたらすことができることになり、この場合、部分的に、該デバイスにより、大気をさらなる有害ガスで汚染することなく充分な酸素を生成することが可能である。
【0050】
次に、本発明者らは、本発明に包含されるシステムおよび方法について本発明者らが作成した各請求項を明白に規定するため、自律的人工光合成システムまたはSAFAとして知られている本発明の各セクションを詳細に記載する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の燃焼による有害な要素を中和し、ガスの初期の容量および圧力を、分子共鳴またはガス共鳴の原理による該ガスの加速再循環の運動エネルギーによって低減し、次いで、物理的および化学的プロセスによって酸素と無害な液状物質を放出する人工光合成システムであって、チューブによって接続されたメインチャンバと二次チャンバを備えており、
該メインチャンバは:
ガスのメイン流入流路およびガス流出管;
蒸気カーテンの形態の蒸気の通過を可能にするノズルを有するチューブ;
該メインチャンバの中心に設置されたプロペラ;
該メインチャンバの上側に配置され、上面から出ており、該メインチャンバの該ガスの該メインの入口に再接合されている第1のフレキシブルチューブ、ここで、該メインチャンバは、該メインチャンバの側面から出ている少なくとも2つのさらなるフレキシブルチューブを有する;
ガスを抽出し、加圧されたガスが該フレキシブルチューブ内に進入することを可能にする電気モーター;
該メインチャンバの内部の底部に設置された液状廃棄物の強制排出管;
該チャンバの後部に設置され、チューブを介して該メインチャンバと該二次チャンバを連結している、処理済ガスの1つの排気流路
を含み;
該二次チャンバは:
該メインチャンバから送られてくるガスの入口と、上端に設置されたガス流出流路;
互いに連結された複数の発泡体ユニットであって、該発泡体ユニットの各接合部は、有孔アルミニウムシートおよび吸収度が高いポリエステル繊維の布を有する;
該二次チャンバの上端の外側に設置された、ガスの流出を促進する高出力遠心抽出機;
該二次チャンバの底部に設置された、流動体の流出を可能にする液状廃棄物の排出管
を含む、
人工光合成システム。
【請求項2】
メインチャンバが、円筒型であり、防食性金属製または温度に適した特別なプラスチック製の円錐台形状の末端漏斗と円錐台形状のガス流入流路を有し、該一次チャンバの内表面は、飽和された気相ガスの移送を促進するようにスチールまたはプラスチックポリマーで被覆されており、該メインチャンバを二次チャンバに連結しているストレート型または湾曲型のスチール管で終結している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
メインチャンバから出ている該フレキシブルチューブがプラスチックまたはアルミニウム製であり、ガスをメインの入口内に流入させる鋸歯状の凹面半円形状の内面を有し、また、2つのフレキシブルチューブは、該メインチャンバの各外側側面から、ガス状汚染物質の流入流路から等しい間隔をあけて出ており、また、フレキシブルチューブは、メインチャンバに、等しい間隔をあけて円錐台形状を有するメインのガス流入流路に取り付けられたスチール管またはプラスチックポリマーによって取り付けられている、請求項1から2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
メインチャンバが、該メインチャンバの底部に設置されたノズルを有するチューブを有し、該ノズルにより蒸気の通過が可能であり、該ノズルは気化器に取り付けられる、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
プロペラが、凹型の金属またはプラスチックブレードで作製されており、流入ガスの動力によって作動し、また、該プロペラはノズルチューブのすぐ後ろに設置される、請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
二次チャンバが円筒型であり、漏斗型の円錐台末端を有し、耐食性の金属製またはプラスチック製であり、気密性である、請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
二次チャンバが、少なくとも10cmの高さで25K/m(キロ/立方メートル)の密度の少なくとも5つのプラスチック発泡体ユニットを有し、該発泡体ユニットは、発泡ポリウレタン製であり、互いに連接されており、各接合部は、該ポリウレタン発泡体の支持体としての機能を果たす有孔アルミニウムシートを有し、該アルミニウムシート間には、吸収度が高いポリエステル繊維の薄層が存在し、該発泡体ユニットの前面には、該二次チャンバの底部に金属メッシュまたは防食性プラスチックポリマーが存在しており、該金属メッシュまたは防食性プラスチックポリマーは、該二次チャンバを垂直に(メインチャンバに対して)使用する場合、該発泡体ユニットと該アルミニウムシートの重量を支える、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
メインチャンバの後部が、さらに、少なくとも10cmの厚さと25K/mの密度を有する発泡ポリウレタンプラスチック発泡体のシートと、有孔アルミニウムのシートを含む、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
任意の燃焼による有害な要素を中和し、ガスの初期の容量および圧力を、分子共鳴またはガス共鳴の原理による該ガスの加速再循環の運動エネルギーによって低減し、次いで、物理的および化学的プロセスによって酸素と無害な液状物質を放出する人工光合成法であって、以下の工程:
i)汚染源由来のガスが、メインチャンバ内に進入して蒸気カーテンと接触し;該ガスが内部プロペラによって偏向されて動きが低速化され;該ガスが外部抽出機モーターに吸引され、当該ガス状集団がフレキシブルチューブに送出され、該ガスが該メインチャンバに導入し戻され、該ガスの再循環が可能になることを含む第1工程;
ii)該ガスが互いにその関連する化学的要素と、該再循環プロセスによって得られる運動エネルギーによって結合し、得られた化合物が、該メインチャンバの円形壁で凝縮および沈殿し、メインチャンバの底部に堆積されることを含む第2工程;
iii)第1工程でエネルギー的に処理されたガスが二次チャンバ内に進入し;酸素がガス廃棄物とともに、該二次チャンバの外部排出口から外に放出され、該プロセスで得られた液状残渣が捕捉されることを含む第3工程
を含む人工光合成法。
【請求項10】
第1工程において、汚染源由来のガスがメインチャンバに50℃を超える温度で進入し、該ガスの進入が、二次チャンバの外部に設置された遠心抽出機の吸引力によって促進される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1工程において、ガス状集団が飽和蒸気カーテンと、100℃を超えない温度および1〜3バールの圧力で接触する、請求項9または10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
第1工程において、ガスが、凹型ブレードの内部プロペラによって偏向されて動きが低速化され、該プロペラがメインチャンバに進入しているガスの動力によって動作し、それにより、該ガスの混合物を該メインチャンバの内壁に推進させる一連の遠心力の波がもたらされる、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
第1工程において、ガスが、メインチャンバの上面に設置された抽出機モーター内に吸引され、これにより、フレキシブルチューブの方へのガス状集団の送出が可能となり、ここで、該ガスは、該フレキシブルチューブ内で生じる遠心力および動力の作用によって混合される、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
第1工程において、フレキシブルチューブに送出されたガスが遠心力および動力の作用によって混合され、それにより、1バール未満の圧力の低いガス圧力がもたらされ、メインチャンバ内の再循環ガスの圧力は約1バールであり;前記プロセスはすべて、分子共鳴またはガス共鳴として知られているものである、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
第2工程において、ガスの互いの結合およびその関連化学的要素との結合によって、該ガスが、グルコースおよび最終的にはデンプンおよびセルロースなどの分子量および分子構造がより大きな分子に変換される、請求項9〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
第3工程により、互いに誘引されたガスおよびその関連要素間で誘引されたガスの化学的および物理的作用が促進され、それにより、酸素が遊離され;前記化学的および物理的反応が、飽和蒸気の水への変換体および吸収体としての機能を果たす発泡ポリウレタン発泡体ユニットによって促進され;汚染ガスが、二次チャンバ内のフィルターユニットを形成しているアルミニウムシートとポリエステル繊維によって濾過される、請求項9〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
第3工程において、酸素がガス状廃棄物と一緒に外部に放出され、放出されたガス状廃棄物流は、汚染源由来の初期の進入ガス流の10分の1より大きくなく、二次チャンバの外部へのガス状廃棄物との酸素の放出は高速遠心抽出機により可能である、請求項9〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
第3工程において、このプロセスで捕捉された液状残渣は主にグルコース、及び分子として炭素結合を多く含む他の化合物(デンプンおよび場合によってはセルロース)であり、捕捉された液状廃棄物は、二次チャンバの底部に設置された栓によって除去される、請求項9〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
メインチャンバで得られた一次液状残渣が、該一次チャンバの底部に設置された栓によって除去され得、この残留液状物に含有されたグルコース(デンプンおよびセルロース)が移送され、商業目的に使用され得る、請求項9〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
チャンバ内部の温度が平均40℃より高く、ガスが、水分と蒸気カーテンに噴霧される水蒸気とによって飽和され、100℃の最大温度および3バール未満の圧力を有する、請求項9〜19のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−517117(P2013−517117A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548319(P2012−548319)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/CL2011/000002
【国際公開番号】WO2011/088584
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512186438)
【Fターム(参考)】