説明

人工呼吸システムおよび方法

人工呼吸器は、コンプレッサと、貯留容器と、コンプレッサ、貯留容器および吸気ラインと接続されるバルブアセンブリとを含む。コントローラは、換気ガスがコンプレッサから貯留容器に送られる貯留態様と、換気ガスが貯留容器から吸気ラインに送られる供給態様との間でバルブアセンブリを切り換える。コントローラは、第1圧力センサに接続されて、バルブアセンブリが供給態様とされているときに貯留容器内の第1の圧力を検出するとともに、その後に、換気ガスが貯留容器から吸気ラインに送られている間に後の圧力を検出する。コントローラは、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、人間およびその他の動物のための人工呼吸器、人工呼吸システムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、最小限のリソースで作ることができ、それにより低価格の大量生産を可能にする人工呼吸器に関するものである。
【0002】
[関連出願データ]
本願は、2009年11月11日に出願された米国仮出願第61/260,296号の利益を主張する。この仮出願の開示内容はすべて、引用により本明細書に明確に援用されるものである。
【背景技術】
【0003】
インフルエンザ・パンデミック中のサージキャパシティ(surge capacity)人工呼吸器は、陽圧換気(“PPV”)および呼吸終末陽圧(“PEEP”)の伝達が可能なデバイスを必要とする。罹患期間は、数日から数週間続くこともあり、一週間以上人工呼吸が必要とされることもある。重度のインフルエンザ伝染病の最も危険な結果のうちの1つは、急性呼吸窮迫症候群(“ARDS”)である。ARDSは、最も頻繁に発生するインフルエンザの重度の合併症であり、肺の広汎性炎症を特徴とし、ガス交換障害をもたらす。
【0004】
現在販売されている人工呼吸器は、高価な高機能のマシンから、簡素で低価格の携帯型デバイスまで多岐にわたる。ARDSの患者は、炎症により増加する肺胞虚脱を克服するために、PPVおよびPEEPが可能な高性能の人工呼吸器を必要とする。現在販売されているフル装備のマシンは、非常に高価で、壊れ易く、非熟練者が使用するには非常に複雑である。また、携帯性および耐久性は限られており、一定の電力供給が必要とされる。これらのことから、フル装備のマシンは、現場環境、田舎において、あるいはパンデミックのような大規模な緊急事態において、使用するのには適していない。
【0005】
現在販売されている携帯型人工呼吸器は、患者がフル装備の人工呼吸器に、またはフル装備の人工呼吸器から移る間に、一時的な橋渡しとして使用されるように設計されている。それらはフル装備の人工呼吸器よりも持ち運びやすいが、携帯型の人工呼吸器は、パンデミック中にARDSの患者に使用するのには適していない。それらは、PEEPを提供せず、自発呼吸支援モードを有しておらず、また、集中治療の使用には認められていない。また、圧縮空気および電気の非効率的な使用も、低資源環境および開発途上国には不適当である。
【0006】
現在では、廉価な人工蘇生器が200ドル未満で市販されている。それらデバイスは、緊急時における最後の手段として設計され、常に直接的な監視を必要とする。それらは、臨床的に意義のある期間ARDSの患者を支援するために、一般に使用されることはない。
【0007】
地球規模で考えた場合、裕福な国と貧しい国との間のパンデミックに対する資源の格差は、憂慮すべきことである。世界のワクチン供給の大部分が裕福な国により既に購入されていることを考えると、開発途上国のカバレッジは不十分である可能性がある。多くの国々が、パンデミックが無い状態においても、人工呼吸器の極端な不足に既に直面している。例えば、米国では、3億の人口に対して、約205,000の人工呼吸器がある。インドでは、人口が11億を超えるが、35,000の集中治療用の人工呼吸器しか入手できない。この不均衡を解消するのに必要とされるのは、リソースに乏しい環境、田舎の環境および緊急環境における急性呼吸促迫患者の要求を満足するように特に適合した非常に低価格の人工呼吸器である。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、一般に、人間およびその他の動物用の人工呼吸器および人工呼吸(換気)システムおよび方法を対象にしている。例えば、本明細書に記載の人工呼吸器は、最小限のリソースで作ることができ、それにより、例えば、低価格の大量生産を可能にする。
【0009】
例示的な実施形態によれば、加圧ガスの供給源と、患者容器(patient vessel)と、患者容器に接続され、患者容器内の換気ガスの圧力を検出する第1圧力センサと、バルブアセンブリであって、例えば、ソースライン(source line)を介してガスの供給源に連通するとともに、患者容器に連通し、かつ換気ガスを患者に送るための吸気ライン(inhalation line)に連通する1またはそれ以上のバルブを含むバルブアセンブリとを含む人工呼吸システムが提供される。コントローラは、バルブアセンブリと接続され、このバルブアセンブリを、換気ガスがガスの供給源から貯留容器内に送られる貯留態様(storage configuration)と、換気ガスが貯留容器から吸気ラインを介して患者に送られる供給態様(delivery configuration)との間で、選択的に切り換えることができる。また、コントローラは、第1圧力センサに接続され、バルブアセンブリが供給態様とされているときに貯留容器内の第1の圧力を検出して、その後に、換気ガスが貯留容器から吸気ラインを介して患者に送られている間に後の圧力を検出することができる。コントローラは、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送られる換気ガスの量を決定する。
【0010】
別の実施形態によれば、加圧ガスの供給源と、プレフィル容器(pre-fill vessel)と、患者容器と、ソースラインを介してガスの供給源に連通するとともに、プレフィル容器および患者容器に連通し、かつ換気ガスを患者に送るための吸気ラインに連通するバルブアセンブリと、バルブアセンブリと接続され、このバルブアセンブリを、換気ガスが患者容器から吸気ラインを介して患者に送られるとともに加圧ガスがガスの供給源からプレフィル容器に送られる供給態様と、加圧ガスがガスの供給源およびプレフィル容器から貯留容器内に送られて加圧ガスが貯留容器に貯留される貯留態様との間で選択的に切り換えるコントローラとを含む人工呼吸器が提供される。
【0011】
さらに別の実施形態によれば、患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインと連通状態とするステップを含む患者の人工呼吸を行う方法が提供される。人工呼吸器は、内部にある貯留容器と加圧ガスの供給源とを備える。貯留段階においては、換気ガスがガスの供給源から貯留容器に送られ、供給段階においては、換気ガスが貯留容器から吸気ラインを介して患者に送られる。供給段階では、貯留容器内における圧力の変化が測定されて、例えば、貯留容器から患者に送られる加圧ガスの量が決定されるものであってもよい。人工呼吸器は、吸気段階の継続時間とは関係無く、貯留容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、かつ/または、患者に送られる換気ガスの流量を測定することなく、貯留容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、作動されるものであってもよい。
【0012】
さらに別の実施形態によれば、以下のステップ、すなわち、a)貯留容器を人工呼吸器のガスの供給源から分離させた状態で、換気ガスを人工呼吸器内の貯留容器から吸気ラインを介して患者に送るステップと、b)換気ガスが貯留容器から患者に送られる間に貯留容器内における圧力の変化を測定するステップと、c)圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、患者に送られる換気ガスの量を決定するステップと、d)貯留容器から患者への換気ガスの供給を中止するステップと、e)ガスの供給源から貯留容器に換気ガスを送って貯留容器を加圧ガスで補充するステップとを、1またはそれ以上の回数連続的に実行することを含む患者の人工呼吸を行う方法が提供される。
【0013】
一実施形態においては、圧力の変化を測定するステップが、貯留容器から患者に換気ガスを送り始める前に、またはその直後に、貯留容器内の第1の圧力を測定するステップと、その後に、換気ガスが患者に送られている間に、予め設定された時間間隔で貯留容器内の圧力を測定するステップとを含み、患者に送られる換気ガスの量が、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば、各時間間隔中に送られる換気ガスの累積量が、予め設定された最大量と比較され、推定累積量が予め設定された最大量に到達または超過したときに、貯留容器から患者への換気ガスの供給が中止されるものであってもよい。別の実施形態においては、貯留容器から患者に換気ガスが送られる間に貯留容器内の圧力が監視されて、圧力の時間微分値が、予め設定された閾値まで低下してゼロに近付くまで導き出され、当該微分値が閾値に低下するとすぐに、供給が中止されるものであってもよい。
【0014】
さらに別の実施形態によれば、ハウジングと、加圧された換気ガスの供給源と、吸気ラインを介して患者に送られる換気ガスの流れを制御するハウジング内のバルブと、コンプレッサから患者に送られる換気ガスの流量を制限する流量制限器とを備え、流量制限器が、吸気ライン内でバルブの後に配置されている人工呼吸器が提供される。流量制限器は、吸気ラインを介して患者に供給可能な最大流量を変更するために手動で調節可能であり、かつ/または、バルブを制御するコントローラから分離されるものであってもよい。
【0015】
さらに別の実施形態によれば、ハウジングと、加圧された換気ガスの供給源と、換気ガスを患者に送るために、ガスの供給源および吸気ラインと連通するハウジング内の1またはそれ以上のバルブとを備え、1またはそれ以上のバルブが、患者への換気ガスの流れを制御するために、完全に開いた状態と完全に閉じた状態の何れかのみで動作可能である人工呼吸器が提供される。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインと連通状態とするステップと、人工呼吸器内に加圧ガスの実質的に連続的な流れを生じさせるために人工呼吸器内のコンプレッサを実質的に連続的に作動させるステップと、人工呼吸器から患者に加圧ガスを間欠的に送るステップと、人工呼吸器内のコンプレッサからの加圧ガスの流れの少なくとも一部を貯留するステップとを備える患者の人工呼吸を行う方法が提供される。
【0017】
一実施形態においては、加圧ガスの流れの少なくとも一部が、人工呼吸器の患者容器内に貯留され、患者に間欠的に送られる加圧ガスが、患者容器から送られるものであってもよい。例えば、人工呼吸器は、加圧ガスが患者容器から患者に送られるときに、加圧ガスの流れの一部をプレフィル容器に迂回させるようにしてもよい。加圧ガスの流れの少なくとも一部が患者容器内に貯留されているときに、プレフィル容器に迂回される加圧ガスの流れの少なくとも一部が、患者容器に送られて、患者容器内に貯留されている加圧ガスの量および/または圧力が増加するものであってもよい。
【0018】
例えば、コンプレッサは、毎分約8リットルから12リットル(8−12lpm)の間の流量で加圧ガスの実質的に連続的な流れを生成するものであってもよい。別の実施例では、患者容器内に貯留される加圧ガスの流れの一部が、少なくとも350ccHO(5psi)、少なくとも700ccHO(10psi)、または少なくとも1100ccHO(15psi)のピーク内部圧力を患者容器内に生成するものであってもよい。さらに別の実施例では、患者への換気ガスの供給中における吸気ライン内の最大圧力が70ccHO(1psi)であってもよい。追加的または代替的には、患者容器内のピーク内部圧力と、吸気ライン内の最大圧力との比率が、少なくとも2または5であってもよい。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、圧力源と、第1バルブ(例えば、ソレノイドバルブアセンブリ)と、第1バルブを作動させるように構成された第1アクチュエータと、管路とを備える人工呼吸システムが提供される。第1バルブは、電子装置であり、通常動作中に約1.2W乃至約4.8Wを使用するものであってもよい。コントローラは、バルブが開放している間に、バルブにより大きな電圧を初期に適用して、例えば、その開放を速めることができ、その後に、電圧を低下させてバルブを開放した状態で保持し、それにより、例えば、バルブの電力消費を低減することができる。人工呼吸システムは、圧力源に取り付けるように構成されるものであってもよい。例えば、圧力源は、人工呼吸システムを接続可能な中央空気圧供給ライン(例えば、医療施設の壁を通過するもの)、ほぼ一定容量の圧力容器(例えば、加圧空気タンク)、および/または人工呼吸システムを接続可能な内部または外部コンプレッサであってもよい。
【0020】
人工呼吸システムは、1またはそれ以上のソレノイドアセンブリを含むことができる。例えば、ソレノイドアセンブリは、第1ソレノイドを有する第1アクチュエータを備えることができる。また、人工呼吸システムは、第2バルブ(例えば、吐出バルブ)を備えることもできる。第1アクチュエータは、第1バルブおよび/または第2バルブを作動させるように構成することができる。ソレノイドアセンブリは、第2バルブを作動させる第2ソレノイドを備えることができる。異なる設定では、ソレノイドバルブアセンブリが、圧力源から1またはそれ以上の圧力容器に空気を送り(すなわち、圧力容器を再充填し)、かつ/または、圧力容器から吸気ラインを介して患者に空気を送るようにしてもよい。
【0021】
ソレノイドバルブアセンブリは、例えば、約3ワット未満、あるいは約1.6W以下の低電力を必要とする、例えば、小型の電磁弁により、大量の空気の流れを制御することができる。
【0022】
このシステムは、必要に応じて、1またはそれ以上の異なるモードで作動させることができ、例えば、制御モード換気(すなわち、“CMV”)、アシスト・制御(“A−C”)、持続的気道陽圧(“CPAP”)および/または二相性気道陽圧(“BiPAP”)モードの間で制御することができる。
【0023】
別の実施形態によれば、圧力源と、第1圧力容器と、第2圧力容器と、患者に通ずるように構成された管路とを含む、患者に人工呼吸を行うための人工呼吸システムが提供される。このデバイスは、第1バルブを備え、圧力源を、第1バルブを介して圧力管路に連通させることができる。また、圧力源を管路に連通させることもできる。
【0024】
さらに別の実施形態によれば、患者の気道を、圧力容器を有する人工呼吸器と連通させるステップを含むことができる、患者の人工呼吸を行う方法が提供される。この方法は、圧力容器内の圧力の変化を測定するステップを含むことができる。この方法は、圧力容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、人工呼吸器を作動させるステップを含むことができる。例えば、人工呼吸器は、流量を測定することなく、様々な動作段階、例えば、供給または吸気段階および/または貯留または呼気段階の期間に、動作させることができる。
【0025】
この方法は、患者容器から患者の気道にガスを送るステップを含むことができる。圧力容器は、ガスタンクのような硬質で一定容積の構造であってもよい。圧力容器内の圧力は、患者の気道へのガスの供給中に減少するものであってもよい。この方法は、圧力容器内の圧力の変化を測定して、圧力容器から排出されるガスの量を決定するステップを含むことができる。この方法は、圧力容器から排出されるガスの量を出力デバイス、例えば、ディスプレイまたはその他のユーザインターフェースに表示するステップを含むことができる。
【0026】
さらに別の実施形態によれば、患者の気道を人工呼吸器と連通させるステップを含む、患者の人工呼吸を行う方法が提供される。人工呼吸器は、圧力容器を含むことができ、この方法は、圧力容器内の圧力の変化を測定するステップを含むことができる。この方法は、圧力容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、人工呼吸器を作動させるステップを含むことができる。
【0027】
本明細書に提示されるシステムおよび方法は、最新のICUまたは携帯型マシンの臨床的機能性を、その他のシステムよりも一桁小さい価格で提供することができる。さらに、本明細書中のシステムおよび方法は、最小限の電力で、かつ/または外部酸素または圧縮酸素を必要とせずに、操作することができる。
【0028】
以上の概要は、本発明の各実施形態またはすべての実施を説明することを目的とするものではない。むしろ、本発明のより完全な理解が、添付図面を考慮して以下の詳細な説明および特許請求の範囲を参照することにより、明らかとなり、把握されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
なお、図面に示す例示的なシステムおよび方法は必ずしも同じ縮尺で描かれてはおらず、その代わりに、図示の実施形態の様々な態様および特徴を示すことに重点が置かれている。以下の図面は、例示的な実施形態を示している。
【図1】図1は、人工呼吸器の例示的な実施形態の概要図で、人工呼吸器の構成要素間の空気とデータの流れを示している。
【図2】図2は、図1の人工呼吸器の詳細図で、人工呼吸器のガスフローおよび制御要素の例示的な配置を示している。
【図3】図3Aおよび図3Bは、それぞれ、図1および図2の人工呼吸器のような人工呼吸システムを作動させる例示的な方法の実行中における、患者気道の圧力循環および圧力容器の圧力循環の時間同期されたグラフである。
【図4】図4は、図1および図2の人工呼吸器のような人工呼吸器を作動させる例示的なアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】図5Aは、図1および図2の人工呼吸器のような人工呼吸器のハウジング上に設けることができる例示的なユーザインターフェースパネルの正面図である。図5Bは、人工呼吸器ハウジングと、水平および垂直の両方向において判読可能なディスプレイとを含む人工呼吸器システムの例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を参照すると、図1は、人工呼吸器システム10の例示的な実施形態、例えば、システム10の様々な構成要素を保持する比較的軽量のハウジング12を含む携帯型人工呼吸器を示している。一般に、システム10は、後でさらに述べるように、圧縮ガスの1またはそれ以上の供給源20からガスを受け入れる1またはそれ以上のソースライン22と、ソースライン22を介してガス供給源20に接続され、かつ/または、例えば、患者にガスを送るために吸気ライン24に接続される1またはそれ以上の貯蔵容器および/またはバルブを含むアレイ40とを備える。例えば、図2に示すように、アレイ40は、1またはそれ以上の貯蔵容器42と接続された1またはそれ以上のバルブを含むバルブアセンブリ46を含むことができる。また、システム10は、1またはそれ以上のコントローラ60も含むことができ、当該コントローラが、例えば、アレイ40の1またはそれ以上のバルブを操作するために、アレイ40に接続され、1またはそれ以上のセンサ、例えば、システム10の1またはそれ以上の構成要素から圧力データを与える圧力センサ70に接続され、かつ/またはシステム10のその他の構成要素に接続される。
【0031】
任意には、システム10は、後でさらに述べるように、ハウジング12に保持される1またはそれ以上の追加の構成要素、例えば、1またはそれ以上のユーザインタフェース62、電源64、流量制限器72、バルブ76,78およびフィルタなどを含むこともできる。追加的または代替的には、システム10は、1またはそれ以上の外部構成要素、例えば、圧縮ガスおよび/または液体の供給源、電源、管、バルブなど(図示省略)を含むことができ、ハウジング12は、そのような構成要素をシステム10に接続するための様々なコネクタ、例えば、空気圧式または電気的コネクタ(これも図示省略)を含むことができる。
【0032】
一般に、人工呼吸システム10は、吸気ライン24および当該吸気ライン24に接続された外部管および/またはその他の構成要素を介して患者にガスを制御可能に伝えることができる。人工呼吸システム10は、後でさらに述べるように、患者に供給されるガスの流速および/または量を制御することができ、かつ/または、例えば、患者からの呼気に対する抵抗を制御することができる。なお、含まれる特定の流体が、正のゲージ圧(“加圧された”)または実質的にゼロのゲージ圧(“周囲の”)の何れの条件下であるかどうかに関わらず、空気、酸素などである場合であっても、かつ/または、含まれる特定の流体が、麻酔薬、亜酸化窒素、二酸化炭素などのようなその他の流体を含む場合であっても、“ガス”または“空気”という用語が本明細書中に一般的に使用されることがあることに留意されたい。
【0033】
さらに図2を参照すると、加圧ガス20の供給源の例示的な構成が示されており、この供給源は、エアコンプレッサ26、1またはそれ以上のステップダウンオリフィスまたはその他の制限器28、任意のプレフィル容器44、システム10内への外部加圧ガスの供給を制御するための任意の酸素制御バルブ29を含む。ガス供給源20の構成要素および/またはガス流路に沿って接続されるその他の構成要素は、必要に応じて、例えば、管またはその他の管路、マニホールドなど(図示省略)を含む1またはそれ以上の流路に接続されるものであってもよい。
【0034】
コンプレッサ26は、周囲空気またはその他のガスをシステム10内に引き込んで、そのガスを、ソースライン22に送るために、1またはそれ以上の所望圧力に圧縮することができる如何なるデバイスであってもよい。コンプレッサ26は、一般に、1またはそれ以上の注入口、例えば、コンプレッサ26内にガスを引き込むために制御バルブ29と連通する注入口26aと、加圧ガスをソースライン22に与えるための吐出口26bとを含む。代替的には、コンプレッサ26は、複数の注入口(図示省略)、例えば、周囲空気をコンプレッサ内に引き込むための注入口と、酸素制御バルブ29またはその他の外部供給源からガスを受け入れるための注入口とを含むことができる。コンプレッサ26がハウジング12の外部の領域から周囲空気を引き込む場合には、粉塵またはその他のデブリを取り除くために、必要に応じて、1またはそれ以上のフィルタ(図示省略)をコンプレッサの注入口26aの上流側に設けるようにしてもよい。例示的な実施形態では、コンプレッサ26が、約700cmHO(水柱センチメートル)(10psi)以上の圧力、または約350cmHO(5psi)以上の圧力を伝える能力を有するものであってもよい。
【0035】
酸素制御バルブ29は、一定容積の供給源、例えば、シリンダまたはタンク、実質的に連続的な供給源、例えば、病院またはその他の医療施設からの空気または酸素供給ライン、濃縮器、外部ポンプまたはコンプレッサなど(図示省略)のような、1またはそれ以上のガスの外部供給源に接続することができる。任意には、酸素制御バルブ29は、バイパスバルブまたは位置を含むことができる。また、必要に応じて、外部供給源からソースライン22に直接的にガスを伝える代わりに、コンプレッサ20をバイパスするライン(図示省略)を設けることができる。
【0036】
図示のように、酸素制御バルブ29は、異なる外部ガス供給源に接続することができる2つの注入口29a,29bを含むことができる。例えば、注入口29aは、空気、例えば、周囲空気および/または圧縮空気の1またはそれ以上の外部供給源に接続することができ、一方、注入口29bは、純酸素、例えば、低流量酸素および/または圧縮酸素の1またはそれ以上の外部供給源に接続することができる。酸素制御バルブ29の注入口29a,29bと連通する各ラインは、例えば、外部供給源が圧縮ガスを含む場合には、最大所定圧力を超えないように、ステップダウンレギュレータ28a,28bを含むことができる。ハウジング12は、酸素制御バルブ29およびコンプレッサ26内に伝達するために、外部供給源をシステム10に接続するコネクタ(図示省略)を含むことができる。
【0037】
酸素制御バルブ29は、コンプレッサ26に伝えられる、注入口29a,29bと連通する外部供給源からのガスの比率または混合を制御することができる。例えば、酸素制御バルブ29は、多重位置デバイス、例えば、2位置、3位置または4位置のレギュレータまたは制御バルブであってもよく、それは、ユーザにより手動で作動されるものであっても、あるいはコントローラ60によって電子的に作動されるものであってもよい。例えば、酸素制御バルブ29は、約21%(すなわち、追加の酸素無し)、約50%または約100%の酸素を外部供給源(図示省略)からコンプレッサの注入口26aに(またはソースライン22に直接的に)伝える離散的な設定を有することができる。酸素制御バルブ29の約100%の設定では、患者に伝達される唯一のガスが実質的に外部酸素供給からのものとなる。このため、酸素制御バルブ29は、放出される酸素の比率を制御するように(例えば、酸素量と空気量の比率として計算されるように)調節されるものであってもよい。代替的には、制御バルブ29は省略することができ、任意の外部ガス供給源が、単にハウジング12のコネクタを介してコンプレッサ26および/またはソースライン22に接続されるものであってもよい。
【0038】
任意には、ステップダウン制限器(図示省略)はソースライン22内に設けるようにしてもよい。例えば、制限器は、供給源に関係なく、すなわち、ガスがコンプレッサ26からのものであるか、あるは制御バルブ29を介した外部供給源からのものであるのかに関わらず、例えば、最大圧力を超えないように、バルブアセンブリ46に流入するガスを調節するオリフィスまたはその他のデバイスであってもよい。例えば、そのような圧力ステップダウン制限器は、ソースライン22から、すなわち、コンプレッサ26および/または制御バルブ29から、バルブアセンブリ46に伝達される圧力を、例えば、約700cmHO(10psi)以下に制限することができる。
【0039】
必要に応じて、ガス供給源20は、コンプレッサ26および/または外部供給源から供給されるガスを一時的に貯留するための1またはそれ以上の容器またはタンクを含むことができる。後でさらに述べるように、例えば、バルブアセンブリ46および/または患者容器42に伝達されるガスを補うために、コンプレッサ26からの加圧ガスがプレフィル容器44内に送られるように、かつ/またはプレフィル容器44内に貯留されたガスがソースライン22内に供給されるように、例えば、図2に示すように、ソースライン22と連通するプレフィル容器44を設けることができる。
【0040】
コンプレッサ26および/またはその他の構成要素は、1またはそれ以上の電源、例えば、1またはそれ以上のバッテリにより、駆動することができる。例えば、充電式バッテリ64の単一アレイは、ハウジング12(図1に示される)内に設けることができ、電力を必要とするシステム10の構成要素のすべてに接続することができる。代替的には、必要に応じて、コンプレッサ26、コントローラ60および/またはアレイ40のバルブに、個別の電源(図示省略)を設けることも可能である。
【0041】
追加的または代替的には、電源は、システム10を、発電機、1またはそれ以上の動力電池、バッテリ、建物の壁コンセントなど(図示省略)のような外部電源に接続するためのコネクタ(図示省略)を含むことができる。外部電源が交流源である場合には、システム10は、当該システム10の構成要素により使用される電力を変換する直流アダプタ(図示省略)を、例えば、ハウジング12の内部または外部に含むことができる。任意には、外部電源がシステム10に接続されるときには、システム10が1またはそれ以上のバッテリを選択的にまたは自動的に充電するようにしてもよい。
【0042】
任意には、人工呼吸システム10は、バルブアセンブリ46を迂回して、ソースライン22と吸気ライン24間の選択的な流路を提供することができるCPAPまたはBiPAPの回路(図示省略)を含むことができる。例えば、ユーザおよび/またはコントローラ60により制御される手動または自動スイッチ(図示省略)は、BiPAP回路を開放して、ガスがバルブアセンブリ46に流入するのを防止する。CPAP回路は、加圧空気またはその他のガスの実質的に連続的な流れを所定圧力で患者に伝えるために、ソースライン22から吸気ライン24に直接繋げるラインを含むことができる。代替的には、BiPAP回路は、2または可変圧力で、加圧ガスの実質的に連続的な流れを伝えることができる。CPAPまたはBiPAP回路は、加圧ガスの実質的に連続的な流れを1またはそれ以上の所定圧力で患者に伝えるための固定または可変流量制限器を含むことができる。コントローラ60は、回路中のBiPAPまたはCPAPスイッチ(図示省略)に接続することができ、BiPAPまたはCPAPモードで運転するときに、コントローラ60は、加圧ガスをガス供給源20からBiPAPまたはCPAP回路を介して送って、バルブアセンブリ40を迂回させるために、BiPAPまたはCPAPスイッチを調節することができる。
【0043】
特に図2を参照すると、システム10は、概して、加圧ガスを蓄えるための1またはそれ以上の貯留容器またはタンク、例えば、患者貯留容器42を含み、バルブアセンブリ46は、患者容器42、供給ライン22および/または吸気ライン24間の加圧ガスの流れを誘導するための1またはそれ以上のバルブを含む。図示の例示的な実施形態では、バルブアセンブリ46は、電気機械ソレノイドバルブアセンブリ、油圧バルブアセンブリ、空気バルブアセンブリなどのような単一のバルブ、例えば、3ポート2位置ソレノイドバルブを含むことができる。
【0044】
例えば、図示のように、ソレノイドバルブアセンブリ46は、ソースライン22に接続された流入ポート46aと、1またはそれ以上の貯留容器42と接続するためのソレノイドバルブアセンブリ46からのポート46bと、吸気ライン24への流出ポート46cとを備えることができる。このため、ソレノイドバルブアセンブリ46は、後でさらに述べるように、ガス供給源20およびソースライン22から患者容器42に、また患者容器42から吸気ライン24にそれぞれガスの流れを制御することができる。
【0045】
代替的には、バルブアセンブリ46は、2またはそれ以上のバルブを含むことができ、それらバルブは、後述するように、人工呼吸器10を通る選択された流路、例えば、ソースライン22と患者容器42間の第1流路と、患者容器42と吸気ライン24間の第2流路とを開放または閉鎖することができる。このため、何れかの実施形態では、バルブアセンブリ46は、後でさらに述べるように、2またはそれ以上の態様の間、例えば、貯留態様と供給態様間で切り換えられる。後でさらに述べるように、供給態様では、例えば、換気ガスを患者容器42から患者に送るために、患者容器42と吸気ライン24間で第1流路を開放することができ、貯留態様では、例えば、加圧ガスを患者容易器42に送って患者容器42を再注入または補充するために、ガス供給源20と患者容器42間に流路を形成することができる。
【0046】
一般に、患者容器42は、予測される最大容器圧力で、予測される一回の最大換気量、すなわち、一回の吸入中に患者に投与される単回ボーラスのガスに近付くようにサイズ設定される。例えば、患者容器42は、患者において約40cmHOで800ccの一回の呼吸分を送るために、容器内に約56cmHOで約2,000立方センチメートル(2,000cc)のガスまで収容することができ、あるいは患者において20cmHOで800ccの一回の呼吸分を送るために、容器内に約60cmHOで約400立方センチメートル(400cc)のガスまで収容することができる。また、容器の容積および最大圧力は、人工呼吸器または患者回路内のガスフローに対する抵抗に基づいて変化するものであってもよい。一例として、比較的高圧または大きい容器は、患者へのガスの流れを増加させるために望まれることがある。このため、患者容器42は、約400乃至2,000立方メートル(400−2,000cc)の容積を有する実質的に硬いシリンダまたはその他の閉じた容器とすることができる。
【0047】
代替的には、システム10は、2の圧力容器、例えば、仮出願第61/260,296号に記載されているように、大きい患者圧力容器および小さい患者圧力容器(図示省略)を含む。システム10が多数の圧力容器を含む場合、圧力容器は、寸法および/または形状において構造的に同一であっても、あるいは異なる寸法および形状を有するものであってもよい。この選択肢では、バルブアセンブリ40は、例えば、容器および/またはシステム10のその他のラインの間のフローを制御するために、コントローラ60とデータ通信を行う、かつ/またはコントローラ60の制御下にある1またはそれ以上の圧力容器スイッチ(図示省略)を含むことができる。例えば、コントローラ60により作動されるとき、圧力容器スイッチは、出願第61/260,296号に記載のように、患者容器からバルブアセンブリ46に、あるいはその反対に、かつ/または患者容器から圧力容器の一方または両方に、あるいはその反対に、ガスフローを送ることができる。
【0048】
患者容器42は、患者容器圧力センサ70aのような1またはそれ以上の圧力センサを含むことができる。任意には、システム10が小児用(またはその他の追加的な)貯留容器(図示省略)を含む場合には、小児用貯留容器は、小児用貯留容器圧力センサ(これも図示省略)のような1またはそれ以上の圧力センサも含むことができる。貯留容器圧力センサ70aは、患者容器42の内部ボリューム内に配置することができ、あるいは、患者容器42の内部ボリュームに接続する必要はあるが、これに隣接して配置することもできる。圧力センサ70aは、後でさらに述べるように、例えば、患者容器42の圧力データをコントローラ60に与えるために、コントローラ60に接続することができる。
【0049】
任意には、システム10は、1またはそれ以上の追加の圧力センサを含むことができ、それらは、システム10の運転中にコントローラ60により使用され得る圧力データを与えるためにコントローラ60に接続することができる。例えば、システム10は、周囲圧力センサ70bを含むことができ、このセンサは、コントローラ60に周囲圧力データを与えるために、外部の周囲圧力に曝される。
【0050】
また、患者気道センサ70cは、後でさらに述べるように、例えば、吸気ライン24が患者の気道と連通する位置における吸気ライン24内の圧力を検出するために、吸気ライン24内に設けることができる。
【0051】
また、人工呼吸システム10は、例えば、システム10の吸気ライン24および/または呼気ライン74において、1またはそれ以上のレギュレータおよび/またはバルブを含むことができる。例えば、流量制限器72は、例えば、患者90とバルブアセンブリ46の間で、吸気ライン24内に設けることができる。流量制限器72は、患者に伝達される吸気圧を、例えば、約60cmHO(0.9psi)の最大値に制限するように構成することができる。任意には、流量制限器72は、吸気中に患者に伝達される換気ガスの流量を制御するために、調節することができる。例えば、流量制限器72は、例えば、当該流量制限器72がコントローラ60から切り離されるように、吸気ライン24を介して患者90に供給可能な最大流量を変化させるために手動で調節可能である。例えば、流量制限器72は、ハウジング12のノブまたはその他の制御部(図示省略)を介して、または流量制限器72に直接アクセスすることにより、調節することができる。代替的には、必要に応じて、流量制限器72は、例えば、コントローラ60が流量制限器72を作動させてユーザ入力および/またはシステム10の運転パラメータに基づいて最大流量を調節することができるように、コントローラ60に接続することができる。
【0052】
任意には、人工呼吸システム10は、例えば、流量制限器72および患者90の下流の吸気ライン24においても、圧力逃しバルブ(図示省略)を含むことができる。圧力逃しバルブは、例えば、吸気圧を約60cmHO(0.9psi)以下の圧力に制限するために、吸気ライン24に生じ得る過剰圧力を自動的に開放および解放するように構成することができる。
【0053】
患者気道センサ70cは、流量制限器72の下流側および/または、例えば、ハウジング12の外側の患者回路への接続点に隣接する圧力逃しバルブの下流側において、吸気ライン24内に設けることができる。コントローラ60は、患者が曝される吸気圧力を検出するために、患者気道センサ70cに接続することができる。例えば、コントローラ60は、患者気道センサ70cからのデータを使用して、気道のピーク圧力、気道の静圧および/または動圧、および/またはその他のパラメータを判定することができる。
【0054】
別個の圧力センサ70bは、周囲圧力を測定するために使用される。周囲圧力センサ70bは、気道圧力センサ70cからのデータと併用して、患者の呼吸トリガ(−2乃至−5cmHOの変化)を判定するために使用されるデータをコントローラ60に返す。後でさらに述べるように、新規の患者の各々について、較正ルーチンを行うことができる。較正プロセス中、患者回路は接続されて蓋で覆われ、コントローラ60は、回路を介して換気ガス空気を循環させて、その量を記録し、これは、生理学的な一回の呼吸量のより近い推定値を与えるために、表示される一回の呼吸量から差し引かれる。
【0055】
さらに、人工呼吸システム10は、例えば、ハウジング12の外部に、呼気ブロック(expiratory block)を備えることができ、この呼気ブロックを介して、患者は息を吐き出すことができる。例えば、図2に示すように、呼気ブロックは、吐出バルブ76およびPEEP(“呼吸終末陽圧”)バルブ78を含むことができ、それらは、吸気ライン24と連通する外部の管に接続することができる。これらのバルブ76および78の一方または両方は、着脱可能、使い捨て可能および/または再使用のために洗浄可能とすることができ、あるいはシステム10の管、ハウジングまたはその他の構成要素に恒久的に取り付けられるものであってもよい。
【0056】
吐出バルブ76は、呼気中に大気に開放されて、吸気中に閉鎖されるように構成することができる。吐出ガスライン77は、例えば、バルブアセンブリ46から吐出バルブ76に伝えることができ、任意には、バルブ、例えば、2ポートソレノイドバルブ(図示省略)を、吐出バルブガスライン77内への空気フローを制御するために、吐出バルブガスライン77に設けるようにしてもよい。吐出バルブ76は、患者90から、PEEPバルブ78と任意の放出バルブ、例えば、実質的にゼロ抵抗の放出ソレノイドバルブ(図示省略)との間に呼気を送ることができる。放出バルブは、コントローラ60および/または電源(図示省略)に接続され、選択的に開閉される。例えば、放出バルブが開かれると、吐出バルブ76は、開放された放出バルブの外に呼気ガスを送ることができる。放出バルブが閉められると、吐出バルブ76はPEEPバルブ78に呼気ガスを送ることができる。放出バルブは、吐出バルブ76と一体であっても、あるいは吐出バルブ76とは別個に取り付けられた構成要素であってもよい。
【0057】
PEEPバルブ78は、所望のPEEP圧力を設定するために自動的および/または手動で調節可能であり、かつ/またはバネ荷重バルブであってもよい。例えば、PEEPバルブ78は、コントローラ60に接続することができ、コントローラは、PEEP圧力を調節するために、PEEPバルブ78内のモータまたはソレノイド(図示省略)を作動させることができる。PEEP圧力は、例えば、約0HO(0psi)と約30cmHOとの間とすることができる。
【0058】
上述したように、コントローラ60は、例えば、データを受け取るために、かつ/またはシステム10の様々な構成要素の動作を制御するために、システム10の様々な構成要素に接続することができる。コントローラ60は、1またはそれ以上のハードウェア構成要素、例えば、1またはそれ以上のプロセッサ、メモリ、記憶デバイスなど(図示省略)、および/または装置10の動作の1またはそれ以上の態様を制御するソフトウェアモジュールを含むことができる。コントローラ60は、1またはそれ以上のディスプレイ、入力デバイスなどを含むユーザインターフェース62に接続することができ、それにより、システム10に関する動作パラメータおよび/またはその他の情報を表示し、かつ/またはユーザがパラメータを設定することを可能とし、あるいはシステム10の動作への入力を与えることができる。
【0059】
例えば、コントローラ60は、患者容器圧力センサ70a、周囲圧力センサ70b、患者気道センサ70cおよび/または人工呼吸システム10のその他の圧力センサ(図示省略)から圧力データを受信し、かつ、1またはそれ以上のパラメータを表示し、かつ/または取得した圧力データに少なくとも部分的に基づいてシステム10を操作するために、接続することができる。コントローラ60は、バルブアセンブリ46、BiPAPスイッチ、放出ソレノイドバルブおよび/またはシステム10のその他の操作可能な構成要素に対して制御データを送信し、かつ/またはそれらから制御データを受信することができる。
【0060】
患者容器圧力センサ70aからのデータを使用して、コントローラ60は、吸入の始めからの圧力降下に少なくとも部分的に基づいて、一回換気量および分時換気量を判定することができる。例えば、コントローラ60は、患者気道センサ70cからの圧力データに基づいて、予め設定された圧力の変化、例えば、0.01秒乃至0.5秒、より範囲を狭めると、0.1秒乃至0.3秒、例えば、約0.2秒以内に、約−2cmHO(0.03psi)の変化が検出されたときに、患者の呼吸の始まりを検知することができる。
【0061】
ユーザは、ユーザインタフェース60を介してコントローラ60に、人工呼吸システム10の性能特性を設定することができる。例えば、ユーザは、吸気圧、酸素濃度、吸気と呼気の比率、PEEP圧力またはそれらの組合せを設定することができる。
【0062】
コントローラ60は、例えば、バルブアセンブリ46、BiPAPスイッチおよび/またはシステム10のその他の構成要素を制御することにより、換気のモードを制御することができる。例えば、コントローラ60は、本明細書中の他の部分で述べるように、制御モード換気(“CMV”)、アシスト制御(“A−C”または“A/C”)モード換気、またはBiPAPまたはCPAPモード換気のような、1またはそれ以上のモードで動作するように、人工呼吸システム10を設定するために使用することができる。
【0063】
制御モード換気では、人工呼吸システム10は、ほぼ一定の割合で患者に、個別の離散した加圧ボリュームの空気(“人工呼吸器の呼吸”)を送ることができる。吸気と呼気の比率は、例えば、2:1、1:1、1:2、1:3または1:4とすることができる。吸気流速は、例えば、1分当たり、約0と60の間(0−60)の呼吸数とすることができる。人工呼吸システム10は、1分当たり1回の呼吸数の増加で、1分当たりの呼吸数を調整するように制御可能とすることができる。
【0064】
アシスト制御モード換気では、患者は、(例えば、患者の吸気が、患者圧力センサにより検知される−2cmHO(0.03psi)の圧力の変化を生じさせたときに)吸気を開始することができる。その後、コントローラ60は、バルブアセンブリ46を制御して、患者容器42からの換気ガスを、吸気ライン24および/または流量制限器72内に流入させるべく送ることができる。患者の吸気が所与の時間、すなわち、約2秒乃至約8秒、例えば、約6秒以内に検出されない場合には、コントローラは、人工呼吸器の呼吸を引き起こすことができる。ユーザは、コントローラ60が人工呼吸器の呼吸を引き起こす前にその時間を設定するために、例えば、ユーザインターフェース62を介して、人工呼吸タイマーを調節することができる。
【0065】
BiPAPまたはCPAPモードでは、コントローラ60は、患者にほぼ連続的なガス圧力を供給するために、バルブアセンブリ46を迂回して、ソースライン22からの加圧ガスをBiPAP(あるいはCPAP)回路を介して送るために、BiPAP(あるいはCPAP)スイッチを調節することができる。
【0066】
また、システム10は、同期的間欠的強制換気(“SIMV”)モードおよび圧支持SIMV(“PS−SIMV”)モードで運転するように構成されている。患者が呼吸困難から回復したら、患者は人工呼吸器から外されて自発呼吸に戻ることができる。人工呼吸器からの離脱は、換気の患者起動の同期モード、例えば、同期的間欠的強制換気(SIMV)モードまたはアシスト制御モードを使用して、遂行することができる。
【0067】
SIMVは、患者の自然および自助努力と同期する予め設定された数の人工呼吸を提供する。PS−SIMVモードでは、患者が開始した呼吸の各々が、オペレータにより選択された予め設定された圧力量で補助される。
【0068】
SIMVモードでは、人工呼吸システム10は、自発的な吸気を検知するために、A/Cモードで使用された同じ吸気誘発アルゴリズムを使用することができる。しかしながら、この呼吸は、システム10からの陽圧により補助されることはない。その代わりに、SIMVモードが選ばれるときに吐出バルブ76が開放され、患者が、PEEPを加えて周囲空気を吸入して、呼吸仕事量すべてを自身で行う。吐出バルブ76は、人工呼吸器の吸気サイクル中以外は、SIMVモードの間、開状態に保つことができる。
【0069】
一般に、図2をさらに参照すると、運転中のシステム10を通る空気の流れは、以下に説明するようになる。加圧ガスは、上述したように、例えば、コンプレッサ22および/または1またはそれ以上の外部供給源(図示省略)から供給されて、ソースライン12に与えられる。ソースライン22からの加圧ガスは、バルブアセンブリ46に伝えられ、バルブアセンブリが、患者容器42および/または吸気ライン24へのフローを制御する。例えば、貯留フェーズ中は、バルブアセンブリ46は、ソースライン22から患者容器42への流路を開放する貯留態様に向けられる。このため、加圧ガスが患者容器42内に送られて、患者容器42が再注入または補充される。供給フェーズ中は、バルブアセンブリ46は、患者容器42から吸気ライン24への流路を開放する供給態様に向けられる。このため、患者容器42からの換気ガスは、吸気ライン24を介して患者に供給され、患者容器42および吸気ライン24はソースライン22から分離される。
【0070】
システム10がプレフィル容器44を含む場合には、プレフィル容器44は、ソースライン22との接続を常に維持することができる。例えば、供給フェーズ中は、プレフィル容器44は、コンプレッサ26または外部供給源から加圧ガスを受け入れる一方、貯留フェーズ中は、プレフィル容器44は、患者容器42に送られる加圧ガスを補うことができる。
【0071】
患者容器42に接続された圧力センサ70aは、コントローラ60に圧力データを提供し、コントローラは、そのデータを使用して、吸気の始まりから終わりまでの圧力降下に少なくとも部分的にまたはそれのみに基づいて、一回換気量および/または分時換気量を判定する。
【0072】
流量制限器72は、吸気中、吸気ライン24を介して患者に送られる換気ガスの流量を制限または制御する。流量制限器72の下流において、換気ガスは、例えば、約60cmHOで開放するように設定された圧力逃しバルブと、例えば、外部患者回路への接続点に配置される患者気道センサ70cとを通る。患者気道センサ70cは、コントローラ60にデータを返し、コントローラは、そのデータを使用して、ピーク気道圧力を判定する。これは、ユーザインターフェース62のコントロールパネル上に表示されるものであってもよい。患者により吐き出された空気は、吐出バルブ76を通って戻り、吐出バルブは、呼気中は大気に開放される一方、吸気中は、閉じた状態に保たれる。吐出ガスラインバルブ(図示省略)は、システム10のその他の構成要素と同じまたは異なる電源により駆動されるが、吐出バルブガスライン77に流入する空気の流れを制御する。吐出された空気は、デバイスから出る前に、呼吸終末陽圧(PEEP)バルブ78を通過する。
【0073】
周囲圧力センサ70bは、周囲圧力を測定するために使用される。コントローラ60は、患者気道センサ70cからのデータとともに、例えば、患者の呼吸の始動(−2乃至−5cmHOの変化)を判定するときに、センサ70bからのデータを使用する。
【0074】
システム10の使用前に、新規の患者の各々に対して較正ルーチンを実行するようにしてもよい。較正プロセス中、外部患者回路は、吸気ライン24に接続されて、蓋で覆われる。その後、システム10は、回路を介して換気ガスを循環させるように運転され、コントローラ60は測定量を記録し、その測定量は、表示される一回呼吸量から差し引かれて、生理学的な一回呼吸量のより厳密な推定値が与えられる。
【0075】
図3Aおよび図3Bは、アシスト/制御モード換気で運転されているときのシステム10の圧力パラメータを示している。図3Aに示すように(図2をさらに参照すると)、A点における患者の吸気の試みは、圧力の所定の降下が患者気道センサ70cで検出されたときに、システム10からの空気供給を引き起こしている。選択されたモードに応じて、特定の圧力、吸気時間または量の限界の何れかが、コントローラ60に合図して、吸気ライン24を介した患者への空気流を停止するようにバルブアセンブリ46を調節させる。例えば、予め設定されたピーク圧力で供給を中止するようにコントローラ60が設定されている場合には、圧力限度が患者気道センサ70により検出され、一方、予め設定された量の限度で供給を中止するようにコントローラが設定されている場合には、一回呼吸量が患者容器圧力センサ70aにより検出される。任意には、コントローラ60は、吸気および呼気の時間および周囲圧力を追跡するようにしてもよい。
【0076】
誤った始動(自動循環)を抑制するために、コントローラ60は、呼気圧力を分析する前に、予め設定された最小吐出時間、待機するようにしてもよい。例えば、図3Aに示すように、D点で最小吐出時間過ぎた後、コントローラ60は、圧力の経時的な変化を分析し、dp/dtを測定し、dp/dtが、例えば、0.1秒当たり約−2cmHOを超えたときに、呼気の始動を判定することができる。その時に、圧力循環を再び開始する。
【0077】
図3Bは、患者気道と患者容器との間の圧力の経時的な変化を比べている。図3Aに関して上述したように、A点では、患者が吸入することを試み、これは、コントローラ60がB点でバルブアセンブリ46を供給態様とするきっかけとなる。図示のように、B点では、患者容器42内の圧力が最大化され、その直後に、バルブアセンブリ46が供給態様とされて、患者容器42と吸気ラインとの間の流路が開放される。吸入中、B点の後に、患者気道内の圧力が上昇し、患者容器42内の圧力が低下する。
【0078】
C点では、コントローラ60は、バルブアセンブリ46を貯留態様として、患者容器42と吸気ライン24との間の流路を閉鎖するとともに、患者容器42とソースライン22との間の流路を開放し、それにより、患者への換気ガスの供給を中止する。このため、患者の気道内の圧力が減少し始める。患者ソース容器42が、ソースライン22を介して、ガス供給源20、例えば、コンプレッサ26、外部供給源、および/またはプレフィル容器44に連通することにより、図示のように、患者容器42内の圧力がC点とE点の間で上昇する。
【0079】
図4は、システムの運転中にコントローラ60が実行する例示的なアルゴリズムまたは命令を示しており、それには、例えば、システム10に置かれた患者の呼気の始めから開始される吸気始動アルゴリズムが含まれる。上述したように、コントローラ60は、1またはそれ以上のプロセッサ、メモリおよびその他のハードウェア構成要素、および/またはコントローラ60の各種機能を行う1またはそれ以上のソフトウェアモジュールを含むことができる。例えば、一実施形態では、コントローラ60は、システム10を操作する複数の電気部品が設けられた単一の電気回路基板を含むことができる。代替的には、コントローラ60は、システム10の様々な態様の動作を制御する複数のサブコントローラとして提供することもできる。
【0080】
ステップ110では、例えば、“オン”スイッチまたはその他の入力がユーザインターフェース62から起動されてシステム10がオン状態に切り換えられたときに、システム10が初期化される。そのときにコントローラ60の任意のレジスタが初期化され、かつ/またはシステム10の任意のハードウェア構成要素が検査および/または起動される。例えば、コントローラ60は、メモリ(図示省略)内に、1またはそれ以上のパラメータ、例えば、コントローラ60の呼気中の患者気道における圧力の時間微分についての“最低傾斜”値、および/または次の運転のための、一定のまたは運転中に変化するPEEPについての値を記憶することができる。例示的な実施形態では、アルゴリズムが始まるときに、コントローラ60は、当該コントローラメモリ中のPEEPの値をゼロ(0)にリセットすることができる。
【0081】
ステップ112では、コントローラ60は、例えば、ユーザがシステム10を較正するようにコントローラ60に指示したかどうかを判定するために、ユーザインタフェース62の入力デバイスをポーリングすることができる。例えば、ユーザインタフェース62は、決められた較正ボタン62a(図5Aを参照)を含むものであってもよく、あるいは、例えば、タッチスクリーンまたはその他の入力デバイス上の一組のメニューから較正が選択されるものであってもよい。較正を行うべきであるとコントローラ60が判定した場合には、コントローラ60は、ステップ114で較正を実行することができる。
【0082】
1回の吸気中に人工呼吸器により送られる空気の全容積は、2つの要素、すなわち、“一回呼吸量”、患者の肺を実際に満たす空気と、死腔とから構成される。死腔は、気管および主気管支を含む“生理学的死腔”と呼ばれる口から肺までの患者の気道と、“患者回路”、すなわち、患者と人工呼吸器とを接続する流路の容積とを含むことができる。較正処理は、所与の吸気圧における患者回路中の空気量を判定することを伴うことができる。この量は、吸気中に患者容器42から送られる全容積から後で差し引かれて、一回呼吸量として表示される。死腔を除いたより正確な一回呼吸量を得るためのシステム10の較正は、すべての患者に対して、例えば、一回呼吸量が患者回路量と同じかそれ未満である小児または小さい患者に対しても、使用することができる。
【0083】
システム10は、較正中に、オペレータにより設定された吸気圧で、1回の呼吸、または設定回数の呼吸、例えば、5回の呼吸を供給する。較正処理を実行するために選択された吸気圧は、患者の使用中に加えられる吸気圧と同一またはほぼ同一とすべきである。患者回路は、較正処理中、システム10に装着されるが、その端部は、例えば、プラスチックキャップまたはオペレータの親指で覆われる。患者容器42から送られる量は、較正処理中に送られる呼吸の各々について記録される。較正処理が終了するとすぐに、それら量の平均が導き出されてコントローラ60のメモリに記憶される。記憶された患者回路量の平均は、換気ガスのその後の供給中にすべての一回呼吸量から差し引かれ、その差がユーザインターフェース62上に表示され、かつ/またはコントローラ60のメモリ内に記憶される。患者回路量の平均は、較正処理が繰り返されるか、システム10がオフに切り換えられるまで、メモリ中に保持され、かつ/またはコントローラ60により使用される。患者回路が患者から分離された場合には、較正処理をいつでも繰り返すことができる。
【0084】
次に、ステップ120では、コントローラ60が、ユーザインターフェース62をポーリングして、ユーザにより換気の特定のモードが選択されたかどうかを判定することができる。例えば、図5Aに示すように、ユーザインタフェース62は、ユーザが選択できるモードのメニュー62cを含むようにしてもよい。図4に戻ると、自動またはアシストモードの例示的な選択が示されている。ここで、コントローラ60およびシステム10は、他の部分で説明したように、それら2つのモードよりも多いその他のモードで運転できることに留意されたい。
【0085】
例えば、ステップ130で自動モードが選択された場合(またはその他のモードが選択されず、かつ自動モードがデフォルトである場合)には、システム10は、吸引を開始し、すなわち、バルブアセンブリ46を供給態様として、換気ガスを患者容器42から吸気ライン24を介して患者に供給する。換気ガスが患者容器42から患者に送られている間、患者容器42内の圧力は、例えば、患者容器圧力センサ70aを使用して、ステップ132で、コントローラ60により周期的に監視されるものであってもよい。ステップ134では、コントローラ60は、吸気タイマーが切れたかどうかを問い合わせる。切れていない場合には、コントローラ60はステップ132に戻り、換気ガスがさらに供給されるときに、患者容器42内の圧力を監視し続ける。吸気タイマーが切れたことをコントローラ60が判定した場合には、コントローラ60は、バルブアセンブリ46を貯留態様として、患者への換気ガスの供給を中止する。
【0086】
その後、ステップ136では、コントローラ60は、患者に供給された換気ガスの一回呼吸量を判定する。コントローラ60は、患者容器42内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて一回呼吸量を判定することができる。例えば、一回呼吸量は、例えば、ガス供給の継続時間および/または流量を必要とすることなく、吸気サイクル中に圧力容器における圧力の変化を単に測定することにより求めることができる。室温では、空気と酸素は理想気体であり、圧力容器の容積は不変である。このため、コントローラ60は、理想気体の法則(pV=nRT)を使用して、吸気中に圧力容器により与えられるガスのモルを導き出すことができる。その後、コントローラ60は、患者気道圧力下で、一回呼吸量と等しい、ガスの量を求めることができる。
【0087】
コントローラ60は、1分毎に、過去の分時(past minute)の間に吸入された一回呼吸量の合計を1分毎に分けることにより、分時換気量を求めることができる。
【0088】
ステップ138では、システム10は、吐き出しを開始し、ステップ140では、例えば、患者気道センサ70cを使用して、患者圧力を監視するようにしてもよい。ステップ142では、コントローラ60は、最小の呼気時間が経過したかどうかを周期的に確認するようにしてもよい。最小の呼気時間が経過していない場合には、コントローラ60は、ステップ140に戻り、患者圧力を監視し続けるようにしてもよい。
【0089】
任意には、最小の呼気時間が経過すると、コントローラ60は、人工呼吸が必要であるかどうか(すなわち、患者の最後の吸気からあまりにも長い時間が経過していないかどうか)を確認するようにしてもよい。人工呼吸が必要かどうかは、人工呼吸タイマーが経過しているかどうかを確認することにより判定される。人工呼吸タイマーが経過した場合、コントローラ60は吸入を開始するようにしてもよい。人工呼吸が必要ではない場合には、コントローラ60は、患者気道センサ70cがコントローラのメモリ内のPEEP値未満の圧力を検出するかどうかを判定するようにしてもよい。その後、コントローラ60は吸入を開始するようにしてもよい。
【0090】
患者気道センサ70cにより測定された患者気道圧力がコントローラのメモリに記憶されたPEEP値よりも依然として高い場合には、コントローラ60は、患者気道センサ70cから予め設定された数の直前の測定値、例えば約5のサンプルを抽出して、圧力の経時的な変化が、吸気誘発限度、例えば、0.1秒当たり約−2cmHO未満であるかどうかを確認する。
【0091】
圧力の経時的な変化が、(ゼロ以下である)吸気誘発限度以上である場合には、コントローラ60は、人工呼吸タイマーが経過したかどうかを確認するアルゴリズムのステップに戻るようにしてもよい。
【0092】
圧力の経時的な変化が、(ゼロ以下である)吸気誘発限度よりも大きい場合には、コントローラ60は、最近の圧力の経時的な変化が、所与の呼気について記録されたゼロに最も近い圧力の経時的な変化であるかどうか(すなわち、傾斜がフラットであるかどうか)を確認するようにしてもよい。圧力の経時的な変化が吸気誘発限度よりも小さい場合には、コントローラ60は、最近の圧力の経時的な変化が、予め設定された最小傾斜値よりも大きいかどうかを確認する。最近の圧力の経時的な変化が最小傾斜値よりも大きく、かつ最も最近記録された圧力の経時的な変化が所与の呼気についてゼロに最も近い場合には、コントローラ60は、当該コントローラのメモリに、以前のPEEP値と置き換えて、新しいPEEP値として現在の圧力を設定する準備がなされるようにしてもよい。その後、コントローラ60は、当該コントローラのメモリに、最も最近の圧力の経時的な変化を、現在の“最もフラットな”圧力の経時的変化として記憶するようにしてもよい。
【0093】
最近の圧力の経時的な変化が最小傾斜値未満であるか、あるいは最近の圧力の経時的な変化が所与の呼気についてゼロに最も近くはない場合には、アルゴリズムは、人工呼吸タイマーがゼロ未満であるかどうかを確認するステップに戻るようにしてもよい。
【0094】
図4に戻ると、アシストモードがシステム10の運転中に選択される場合には、ステップ150−162を行うようにしてもよい。例えば、ステップ150では、患者圧力がステップ152で吸引閾値未満に降下するまで、患者圧力が定期的に監視されるようにしてもよい。これが生じると、ステップ154において、システムが吸引を開始、すなわち、コントローラ60がバルブアセンブリ46を供給態様にして患者容器42から吸気ライン24を介して患者に換気ガスを供給することを開始するようにしてもよい。ステップ156では、患者圧力がガス供給中に定期的にモニタリングされ、ステップ158では、患者圧力が吐出閾値に達したかどうか、あるいはそれを超過したかどうかが判定される。患者圧力が吐出閾値に到達または超過したときは、ステップ160において、ガス供給が中止されて、上述した方法と同様に、一回呼吸量が導き出されるようにしてもよい。ステップ162では、吐出が開始され、上述したように、患者容器42がガス供給源20から再注入されて、アルゴリズムがリセットされる。
【0095】
図5Aは、本明細書の他の部分に記載されているような、システムのハウジング上に設けられる直観的なユーザインタフェースパネル62の一例を示している。入力制御は優先度に基づいてグループ化されている。最も重要な機能(呼吸速度、モード、圧力および量の目標)は、ユーザの左側、例えば、表示画面62bに隣接する位置62dに設けられている。デフォルト設定ボタンは、ソフトウェアアルゴリズムを実行して、量制御モードにおいて、平均的な成人の一回呼吸量または速度、例えば、500ccおよび12bpm、または平均的な小児の一回呼吸量または速度、例えば、200ccおよび14bpmの何れかに、デバイスを予め設定する。アラーム設定および患者の吸気始動のための補助的制御は、例えば、ユーザの右側の位置62eに、表示画面からさらに離れて配置されている。図示の実施形態では、垂直および水平の両方向から読み易いように、制御パネル62上の文字列が45°の角度で記載されている。図5Bに示すように、人工呼吸システム10が垂直または水平の向きにあるときに、直立に見えるように、ジャイロスコープ制御により表示画面62上の文字列が再び向きを変えるようにしてもよい。
【0096】
また、図5Bは、上述したような人工呼吸システム10のためのハウジング12の例示的な実施形態も示している。図示のように、ハウジング12は、丸みを帯びたプリズム形状、例えば、細長い正三角形状を有することができる。ハウジング12の3つの側面は、実質的に滑らかであり、それは、格納を容易にし、かつ/またはシステム10の構成要素に損傷を与える危険性を低減することができる。任意には、ハウジング12の一端は、凹部を含むことができ、その内部には、外部構成要素、例えば、ガス供給源、電源、患者回路など(図示省略)を接続するためのすべてのコネクタ13が配置される。このため、凹部は、コネクタ13が損傷することから保護し、かつ/または、コネクタ13との干渉を最小限にしながらも、複数のハウジング12を一つずつ積み重ねるのを容易にすることができる。
【0097】
追加的または代替的には、必要に応じて、ハウジング12の端部が、例えば、ハウジング12の落下または衝撃による内部構成要素に対する損傷の危険性を低減するために、例えば、当該端部の外周の周りに延びる、ゴムまたはその他の吸収性緩衝器を含むことができる。追加的または代替的には、ハウジング12の両端部は、雄・雌形状を有し、例えば、それにより、一のハウジング12の雄端部が別のハウジング12の雌端部内に入れ子になることを可能にして、例えば、多重システム10の積重ねまたは格納を容易にするようにしてもよい。
【0098】
当業者にとって明らかなように、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに、本開示および採用される均等物に様々な変更および修正を加えることが可能である。任意のバリエーションで示される要素は、特定のバリエーションについての例示であり、本開示内のその他のバリエーションにおいても使用することができる。本明細書に単数として記載される任意の要素は、複数にすることが可能である(すなわち、“1”として記載されるものは何れも1よりも大きいものとすることができる)。属要素の任意の種要素は、その族のその他の種要素の特性または要素を有することが可能である。本発明を実行するための上述した構成、要素または完成したアセンブリおよび方法およびそれらの要素、本発明の態様のバリエーションは、組み合わせることができ、任意の組合せで互いに修正することができる。
【0099】
本発明の例示的な実施形態は、上に記載されている。当業者は、多くの実施形態が本発明の範囲内で可能であることを認識するであろう。その他の変更、修正、本明細書に記載の様々な構成要素および方法の組合せは、確かになし得るものであり、それも本発明の範囲内に含まれるものである。例えば、本明細書に記載の処理デバイスはいずれも、同様に本明細書に記載の供給システムおよび方法のいずれかと組み合わせるようにしてもよい。したがって、本発明は、以下に示す特許請求の範囲およびそれに対する均等物によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工呼吸器であって、
加圧ガスの供給源と、
貯留容器と、
前記貯留容器に接続され、前記貯留容器内の換気ガスの圧力を検出する第1圧力センサと、
前記ガスの供給源にソースラインを介して連通するとともに、前記貯留容器に連通し、かつ換気ガスを患者に送るための吸気ラインに連通する1またはそれ以上のバルブと、
前記1またはそれ以上のバルブと接続され、前記1またはそれ以上のバルブを、換気ガスが前記ガスの供給源から前記貯留容器内に送られる貯留態様と、換気ガスが前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送られる供給態様との間で選択的に切り換えるコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記第1圧力センサに接続されて、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様とされているときに前記貯留容器内の第1の圧力を検出して、その後に、換気ガスが前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送られている間に後の圧力を検出し、
前記コントローラは、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項2】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブを前記供給態様とした後に予め設定された時間間隔で前記貯留容器内の後の圧力を検出するように構成され、
前記コントローラが、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項3】
請求項2に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、各時間間隔中に送られる換気ガスの推定累積量と、予め設定された最大量とを比較するとともに、前記推定累積量が予め設定された最大量に到達または超過したときに前記吸気ラインを閉じるように前記1またはそれ以上のバルブを切り換えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項4】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
流路を通るフローが前記第1圧力センサにより検出される圧力に実質的に影響を与えることがないように、前記第1圧力センサが、前記1またはそれ以上のバルブと連通する前記貯留容器の任意のポートから離れた位置で前記貯留容器に空気圧式で接続されることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項5】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記貯留容器からの換気ガスの流量に関する情報を必要とせずに、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項6】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様にある期間に関する情報無しで、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項7】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、換気ガスが前記貯留容器から患者に送られている間に前記貯留容器内の圧力を時間とともに監視して、圧力の時間微分値を、当該微分値が予め設定されたゼロに近い閾値まで低下するまで求めるように構成され、閾値に低下するとすぐに、前記コントローラが、前記吸気ラインを閉じて、前記貯留容器から患者への換気ガスの供給を中止するように、前記1またはそれ以上のバルブを作動させることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項8】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記供給態様において、前記吸気ラインが前記貯留容器内の換気ガスのみに曝されて前記ガスの供給源から分離されるように、前記1またはそれ以上のバルブが構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項9】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、前記ソースラインと前記吸気ラインとの間に接続された3ポート2位置バルブを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項10】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、前記ソースラインを開閉するために前記ソースラインに接続された第1バルブと、前記吸気ラインを開閉するために前記吸気ラインに接続された第2バルブとを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項11】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
加圧換気ガスの供給源が、実質的に連続的に作動するコンプレッサを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項12】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
加圧換気ガスの供給源が、純酸素および加圧空気の1またはそれ以上の供給源を含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項13】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
加圧ガスの供給源が、前記ソースラインと連通する吐出口を有するコンプレッサと、加圧ガスの外部供給源を当該人工呼吸器に接続するコネクタと、前記コネクタに接続され、前記外部供給源からの加圧ガスを前記コンプレッサの注入口または前記ソースラインの何れかに選択的に送るための制御バルブとを備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項14】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記貯留容器から患者に送られる換気ガスの流量を制限する制限器を前記吸気ライン内にさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項15】
請求項14に記載の人工呼吸器において、
前記制限器が、患者への前記吸気ライン内の最大流量を変更するために調節可能であることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項16】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記ソースラインから前記1またはそれ以上のバルブに送られる換気ガスの圧力を制限するために、前記ガスの供給源の吐出口と前記1またはそれ以上のバルブとの間の前記ソースライン内に制限器をさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項17】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記吸気ライン内の圧力を検出するために前記吸気ラインに接続された第2患者圧力センサをさらに備え、
前記コントローラが、前記患者圧力センサに接続され、前記吸気ライン内の圧力を監視して、患者が吸気を開始するときを判定し、その判定後すぐに、前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブを前記供給態様に切り換えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項18】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記換気ガスの供給源が、少なくとも350cmHO(5psi)の最大圧力を前記ソースラインに伝えるように構成されたコンプレッサを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項19】
請求項18に記載の人工呼吸器において、
前記吸気ライン内に制限器をさらに備え、前記制限器が、前記貯留容器から患者に送られる換気ガスの最大圧力を、60水柱センチメートル(60cmHO)以下に制限することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項20】
請求項1に記載の人工呼吸器において、
前記ガスの供給源が、コンプレッサと、プレフィル容器とを備え、
前記供給態様において、前記コンプレッサが、加圧ガスを前記プレフィル容器内に送るために前記プレフィル容器と連通する一方で、前記貯留態様において、前記貯留容器が、前記コンプレッサおよび前記プレフィル容器の両方から加圧ガスを受け入れるために前記コンプレッサおよび前記プレフィル容器に連通するように、前記1またはそれ以上のバルブが、前記コンプレッサおよび前記プレフィル容器に接続されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項21】
人工呼吸器であって、
加圧ガスの供給源と、
プレフィル容器と、
患者容器と、
ソースラインを介して前記ガスの供給源に連通するとともに、前記プレフィル容器および患者容器に連通し、かつ換気ガスを患者に送るための吸気ラインに連通する1またはそれ以上のバルブと、
前記1またはそれ以上のバルブと接続され、前記1またはそれ以上のバルブを、換気ガスが前記患者容器から前記吸気ラインを介して患者に送られるとともに加圧ガスが前記ガスの供給源から前記プレフィル容器に送られる供給態様と、加圧ガスが前記ガスの供給源および前記プレフィル容器から前記貯留容器内に送られて加圧ガスが前記貯留容器内に貯留される貯留態様との間で選択的に切り換えるコントローラとを備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項22】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、前記貯留態様において、前記ガスの供給源および前記プレフィル容器から前記患者容器内に加圧ガスを送るために前記患者容器と前記ガスの供給源およびプレフィル容器との間を連通する第1流路を規定するとともに、前記供給態様において、第2流路および第3流路を規定し、前記第2流路が、前記患者容器内の換気ガスを前記患者ラインを介して患者に送るために前記患者容器と吸気ラインとの間を連通させ、前記第3流路が、加圧ガスを前記プレフィル容器内に送るために前記ガスの供給源と前記プレフィル容器との間を連通させることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項23】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、3ポート2位置バルブを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項24】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
加圧換気ガスの供給源が、前記1またはそれ以上のバルブが前記貯留態様と前記供給態様との間で切り換えられている間に、実質的に連続的に作動するコンプレッサを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項25】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
加圧換気ガスの供給源が、純酸素の供給源を含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項26】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
加圧換気ガスの供給源が、加圧空気の供給源を含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項27】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
加圧ガスの供給源が、前記ソースラインと連通する吐出口を有するコンプレッサと、加圧ガスの外部供給源を当該人工呼吸器に接続するコネクタと、前記コネクタに接続され、前記外部供給源からの加圧ガスを前記コンプレッサの注入口または前記ソースラインの何れかに選択的に送る制御バルブとを備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項28】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記患者容器から患者に送られる換気ガスの流量を制限する制限器を前記吸気ライン内にさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項29】
請求項28に記載の人工呼吸器において、
前記制限器が、患者への前記吸気ライン内の最大流量を変更するために調節可能であることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項30】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記患者容器に接続され、前記患者容器内の換気ガスの圧力を検出する容器圧力センサをさらに備え、
前記コントローラが、前記容器圧力センサに接続されて、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様とされているときに前記患者容器内の第1の圧力を検出して、その後に、1またはそれ以上の時間間隔で前記患者容器内の後の圧力を検出し、
前記コントローラが、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項31】
請求項30に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、各時間間隔中に送られる換気ガスの測定累積量と、予め設定された最大量とを比較するとともに、前記測定累積量が最大量に到達または超過したときに前記供給態様から前記貯留態様に前記1またはそれ以上のバルブを切り換えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項32】
請求項30に記載の人工呼吸器において、
流路を通るフローが前記容器圧力センサにより検出される圧力に実質的に影響を与えることがないように、前記容器圧力センサが、前記1またはそれ以上のバルブと連通する前記患者容器の任意のポートから離れた位置で前記容器に空気圧式で接続されることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項33】
請求項30に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記患者容器からの換気ガスの流量に関する情報を必要とせずに、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項34】
請求項30に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様にある期間に関する情報無しで、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項35】
請求項30に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、換気ガスが前記患者容器から患者に送られている間に前記患者容器内の圧力を時間とともに監視して、微分値が予め設定されたゼロに近い閾値まで低下するまで圧力の時間微分値を求めるように構成され、閾値に低下するとすぐに、前記コントローラが、前記吸気ラインを閉じて、前記患者容器から患者への換気ガスの供給を中止するように、前記1またはそれ以上のバルブを作動させることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項36】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記吸気ラインに接続され、前記吸気ライン内の圧力を検出する患者圧力センサをさらに備え、前記コントローラが、前記患者圧力センサに接続され、前記吸気ライン内の圧力を監視して、患者が吸気を開始するときを判定し、その判定後すぐに、前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブを前記供給態様に切り換えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項37】
請求項21に記載の人工呼吸器において、
前記換気ガスの供給源が、少なくとも350cmHO(5psi)の最大圧力を前記ソースラインに伝えるように構成されたコンプレッサを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項38】
請求項37に記載の人工呼吸器において、
前記吸気ライン内に制限器をさらに備え、前記制限器が、前記患者容器から患者に送られる換気ガスの最大圧力を、60水柱センチメートル(60cmHO)以下に制限することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項39】
携帯型人工呼吸器であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内の電源と、
当該人工呼吸器の動作中に実質的に連続的に作動する前記ハウジング内のコンプレッサと、
前記ハウジング内の貯留容器と、
前記貯留容器に接続され、前記貯留容器内の換気ガスの圧力を検出する第1圧力センサと、
ソースラインを介して前記コンプレッサに連通するとともに、前記貯留容器に連通し、かつ換気ガスを患者に送るための吸気ラインに連通する1またはそれ以上のバルブと、
前記1またはそれ以上のバルブと接続され、前記1またはそれ以上のバルブを、換気ガスが前記コンプレッサから前記貯留容器内に送られる貯留態様と、換気ガスが前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送られる供給態様との間で選択的に切り換えるコントローラとを備え、
前記コントローラが、前記第1圧力センサに接続されて、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様とされているときに前記貯留容器内の第1の圧力を検出して、その後に、換気ガスが前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送られている間に後の圧力を検出し、
前記コントローラが、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項40】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブを前記供給態様とした後に予め設定された時間間隔で前記貯留容器内の後の圧力を検出するように構成され、
前記コントローラが、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定することを特徴とする人工呼吸器。
【請求項41】
請求項40に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、各時間間隔中に送られる換気ガスの推定累積量と、予め設定された最大量とを比較するとともに、前記推定累積量が予め設定された最大量に到達または超過したときに前記吸気ラインを閉じるように前記1またはそれ以上のバルブを切り換えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項42】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記貯留容器からの換気ガスの流量に関する情報を必要とせずに、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項43】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、前記1またはそれ以上のバルブが前記供給態様にある期間に関する情報無しで、患者に送る換気ガスの量を決定するように構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項44】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラが、換気ガスが前記貯留容器から患者に送られている間に前記貯留容器内の圧力を時間とともに監視して、微分値が予め設定されたゼロに近い閾値まで低下するまで圧力の時間微分値を求めるように構成され、閾値に低下するとすぐに、前記コントローラが、前記吸気ラインを閉じて、前記貯留容器から患者への換気ガスの供給を中止するように、前記1またはそれ以上のバルブを作動させることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項45】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記供給態様において、前記吸気ラインが前記貯留容器内の換気ガスのみに曝されて前記ガスの供給源から分離されるように、前記1またはそれ以上のバルブが構成されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項46】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、前記ソースラインと前記吸気ラインとの間に接続された3ポート2位置バルブを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項47】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記1またはそれ以上のバルブが、前記ソースラインと前記貯留容器間の第1流路を開閉するために前記ソースラインに接続された第1バルブと、前記貯留容器と前記吸気ライン間の第2流路を開閉するために前記吸気ラインに接続された第2バルブとを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項48】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記ハウジングが、加圧ガスの外部供給源を当該人工呼吸器に接続するコネクタと、前記コネクタに接続され、前記外部供給源からの加圧ガスを前記コンプレッサの注入口または前記ソースラインの何れかに選択的に送る制御バルブとを備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項49】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記貯留容器から患者に送られる換気ガスの流量を制限する制限器を前記吸気ライン内にさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項50】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記ソースラインから前記1またはそれ以上のバルブに送られる換気ガスの圧力を制限するために、前記コンプレッサの吐出口と前記1またはそれ以上のバルブとの間に前記ソースライン内において制限器をさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項51】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記ハウジングに取り付けられたユーザインターフェースをさらに備え、当該インターフェースが、前記コントローラにより制御される人工呼吸器の1またはそれ以上のパラメータを選択するために前記コントローラに接続されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項52】
請求項51に記載の人工呼吸器において、
前記ユーザインターフェースがディスプレイを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項53】
請求項52に記載の人工呼吸器において、
前記コントローラに接続されたジャイロセンサをさらに備え、前記コントローラが、前記ジャイロセンサからのデータに基づいて前記ハウジングの空間的定位(spatial orientation)を検出し、前記コントローラが、前記ハウジングの空間的定位に少なくとも部分的に基づいて、前記ディスプレイ上に表示される情報を正しい方向に向けることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項54】
請求項51に記載の人工呼吸器において、
前記ユーザインターフェースが、前記コントローラにコマンドを入力するための入力デバイスを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項55】
請求項39に記載の人工呼吸器において、
前記コンプレッサ、前記1またはそれ以上のバルブおよび前記コントローラの1またはそれ以上に電力を与える前記ハウジング内の1またはそれ以上の電源をさらに備えることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項56】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインとの間で流体が流通する状態とするステップであって、前記人工呼吸器が、内部にある貯留容器と加圧ガスの供給源とを備えるものであるステップと、
前記ガスの供給源から前記貯留容器内に換気ガスを送るステップと、
前記貯留容器を前記ガスの供給源から分離させた状態で、換気ガスを前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送るステップと、
換気ガスが前記貯留容器から患者に送られる間に前記貯留容器内における圧力の変化を測定するステップと、
吸気段階の継続時間とは関係無く、前記貯留容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて前記人工呼吸器を作動させるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項57】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインとの間で流体が流通する状態とするステップであって、前記人工呼吸器が、内部にある貯留容器と加圧ガスの供給源とを備えるものであるステップと、
前記ガスの供給源から前記貯留容器内に換気ガスを送るステップと、
前記貯留容器を前記ガスの供給源から分離させた状態で、換気ガスを前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送るステップと、
換気ガスが前記貯留容器から患者に送られる間に前記貯留容器内における圧力の変化を測定するステップと、
患者に送られる換気ガスの流量を測定することなく、前記貯留容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて前記人工呼吸器を作動させるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項58】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
a)患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインとの間で流体が流通する状態とするステップであって、前記人工呼吸器が、内部にある貯留容器と加圧ガスの供給源とを備えるものであるステップと、
b)前記貯留容器を前記ガスの供給源から分離させた状態で、換気ガスを前記貯留容器から前記吸気ラインを介して患者に送るステップと、
c)換気ガスが前記貯留容器から患者に送られる間に前記貯留容器内における圧力の変化を測定するステップと、
d)圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて、患者に送る換気ガスの量を決定するステップと、
e)前記貯留容器から患者への換気ガスの供給を中止するステップと、
f)前記ガスの供給源から前記貯留容器内に換気ガスを送って前記貯留容器を加圧ガスで補充するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法において、
圧力の変化を測定するステップが、
前記貯留容器から患者に換気ガスを送り始める前に、またはその直後に、前記貯留容器内の第1の圧力を測定するステップと、
その後に、換気ガスが患者に送られている間に、予め設定された時間間隔で前記貯留容器内の圧力を測定するステップとを含み、
患者に送る換気ガスの量が、第1の圧力と後の圧力との間の差に少なくとも部分的に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項59に記載の方法において、
各時間間隔中に送られる換気ガスの累積量が、予め設定された最大量と比較され、
当該方法が、前記推定累積量が予め設定された最大量に到達または超過したときに、前記貯留容器から患者への換気ガスの供給を中止するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項58に記載の方法において、
ステップb)乃至f)が、1またはそれ以上の回数連続的に繰り返されることを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法において、
ステップb)において前記貯留容器から患者に換気ガスが送られる間に前記貯留容器内の圧力が監視されて、微分値が予め設定されたゼロに近い閾値まで低下するまで、圧力の時間微分値が求められ、閾値に低下するとすぐに、ステップe)が開始されることを特徴とする方法。
【請求項63】
人工呼吸器であって、
ハウジングと、
加圧換気ガスの供給源と、
吸気ラインを介して患者に送る換気ガスの流れを制御する前記ハウジング内のバルブと、
前記コンプレッサから患者に送られる換気ガスの流量を制限する流量制限器とを備え、前記流量制限器が、前記吸気ライン内でバルブの後に配置されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項64】
請求項63に記載の人工呼吸器において、
前記流量制限器が、前記吸気ラインを介して患者に供給可能な最大流量を変更するために手動で調節可能であることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項65】
請求項63に記載の人工呼吸器において、
前記流量制限器が、前記バルブを制御するコントローラから分離されていることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項66】
人工呼吸器であって、
ハウジングと、
加圧換気ガスの供給源と、
換気ガスを患者に送るために、前記ガスの供給源および吸気ラインと連通する前記ハウジング内の1またはそれ以上のバルブとを備え、
前記1またはそれ以上のバルブが、患者への換気ガスの流れを制御するために、完全に開いた状態と完全に閉じた状態の何れかのみで動作可能である1またはそれ以上のバルブを含むことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項67】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
患者の気道を人工呼吸器の吸気ラインとの間で流体が流通する状態とするステップと、
前記人工呼吸器内に加圧ガスの実質的に連続的な流れを生じさせるために前記人工呼吸器内のコンプレッサを実質的に連続的に作動させるステップと、
前記人工呼吸器から患者に加圧ガスを間欠的に送るステップと、
前記人工呼吸器内のコンプレッサからの加圧ガスの流れの少なくとも一部を貯留するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項67に記載の方法において、
加圧ガスの流れの少なくとも一部が、前記人工呼吸器の患者容器内に貯留され、患者に間欠的に送られる加圧ガスが、前記患者容器から送られることを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68に記載の方法において、
前記人工呼吸器が、加圧ガスが前記患者容器から患者に送られるときに、加圧ガスの流れの一部をプレフィル容器に迂回させることを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項69に記載の方法において、
加圧ガスの流れの少なくとも一部が前記患者容器内に貯留されているときに、前記プレフィル容器に迂回される加圧ガスの流れの少なくとも一部が、前記患者容器内に送られて、前記患者容器内に貯留されている加圧ガスの量および/または圧力が増加することを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項67に記載の方法において、
前記コンプレッサが、毎分約8リットルから12リットル(8−12lpm)の間の流量で加圧ガスの実質的に連続的な流れを生成することを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項67に記載の方法において、
吸気が開始されたときに、前記人工呼吸器から患者に加圧ガスが送られることを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項72に記載の方法において、
呼気が開始されたときに、前記コンプレッサからの加圧ガスの流れの少なくとも一部が前記人工呼吸器内に貯留されることを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項68に記載の方法において、
前記患者容器内に貯留される加圧ガスの流れの一部が、少なくとも350ccHO(5psi)のピーク内部圧力を前記患者容器内に生成することを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項68に記載の方法において、
前記患者容器内に貯留される加圧ガスの流れの一部が、少なくとも700ccHO(10psi)のピーク内部圧力を前記患者容器内に生成することを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項68に記載の方法において、
前記患者容器内に貯留される加圧ガスの流れの一部が、少なくとも1100ccHO(15psi)のピーク内部圧力を前記患者容器内に生成することを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項67乃至76の何れか一項に記載の方法において、
患者への換気ガスの供給中における吸気ライン内の最大圧力が70ccHO(1psi)であることを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項68乃至77の何れか一項に記載の方法において、
前記患者容器内のピーク内部圧力と、前記吸気ライン内の最大圧力との比率が、少なくとも2であることを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項68乃至77の何れか一項に記載の方法において、
前記患者容器内のピーク内部圧力と、前記吸気ライン内の最大圧力との比率が、少なくとも5であることを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項1乃至55、63乃至66の何れか一項に記載の人工呼吸器において、
任意の容器およびバルブの内部容積を含む、前記ソースラインから前記吸気ラインへの流路の内部容積が、少なくとも900ccであることを特徴とする人工呼吸器。
【請求項81】
患者に人工呼吸を行うための換気デバイスであって、
圧力源と、
第1バルブと、
前記第1バルブを作動させるように構成された第1アクチュエータであって、第1バルブを含み、前記第1バルブが電子装置であり、かつ通常動作中に約1.6W未満を使用する第1アクチュエータと、
管路とを備え、
当該換気デバイスが、圧力源に取り付けられるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項82】
請求項81に記載のデバイスにおいて、
前記第1アクチュエータが、第1ソレノイドを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項83】
請求項18に記載のデバイスにおいて、
第2バルブをさらに備え、前記第1アクチュエータが、前記第2バルブを作動させるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項84】
請求項81に記載のデバイスにおいて、
第2バルブおよび第2アクチュエータをさらに備え、前記第1アクチュエータが、前記第2バルブを作動させるように構成され、前記第2アクチュエータが、第2ソレノイドを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項85】
請求項81に記載のデバイスにおいて、
当該デバイスが、制御モード換気、アシスト・制御モード換気、BiPAPまたはCPAPを含む一定吸気圧力供給モードの間で制御され得ることを特徴とするデバイス。
【請求項86】
患者に人工呼吸を行うための換気デバイスであって、
圧力源と、
第1圧力容器と、
第2圧力容器と、
患者につながるように構成された管路とを備えることを特徴とするデバイス。
【請求項87】
請求項86に記載のデバイスにおいて、
第1バルブをさらに備え、前記圧力源が、前記第1バルブを介して前記圧力管路との間で流体が流通可能な状態となっていることを特徴とするデバイス。
【請求項88】
請求項86に記載のデバイスにおいて、
前記第1圧力容器および第2圧力容器が硬質容器であることを特徴とするデバイス。
【請求項89】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
患者の気道を、圧力容器を有する人工呼吸器との間で流体が流通する状態とするステップと、
前記圧力容器内の圧力の変化を測定するステップと、
前記圧力容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて前記人工呼吸器を作動させるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項90】
請求項89に記載の方法において、
前記圧力容器から患者の気道にガスを送るステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項90に記載の方法において、
前記圧力容器内の圧力が、患者の気道へのガスの供給中に減少することを特徴とする方法。
【請求項92】
請求項89に記載の方法において、
前記圧力容器内の圧力の変化を使用して、前記圧力容器から排出されるガスの量を決定するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項93】
請求項89に記載の方法において、
前記圧力容器から排出されるガスの量を出力デバイス上に表示するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項94】
請求項89に記載の方法において、
前記圧力容器が硬質であることを特徴とする方法。
【請求項95】
患者の人工呼吸を行う方法であって、
患者の気道を、圧力容器を有する人工呼吸器との間で流体が流通する状態とするステップと、
前記圧力容器内の圧力の変化を測定するステップと、
前記圧力容器内の圧力の変化に少なくとも部分的に基づいて前記人工呼吸器を作動させるステップとを備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−510677(P2013−510677A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538993(P2012−538993)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/056428
【国際公開番号】WO2011/060204
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503115205)ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (69)