説明

人工呼吸器装置および方法

【課題】呼吸可能ガスの流れを患者にもたらすように構成された呼吸治療装置を提供する。
【解決手段】呼吸可能空気出口と、外気入口と、空圧ブロックモジュールとを備えている、呼吸治療装置において、空圧ブロックモジュールは、入口空気通路、送風機用のマウント、および出口空気通路を備えるボリュートアセンブリであって、送風機は、送風機のインペラが入口空気通路と出口空気通路とを接続する流路にあるように、マウントに取り付けられているボリュートアセンブリと、ボリュートアセンブリを密閉しているケーシングであって、ケーシング内の空気通路がボリュートアセンブリの空気ポートに接続されているケーシングと、を備えており、ボリュートアセンブリの入口空気通路は、外気入口に流体連通しており、ボリュートアセンブリの出口空気通路は、空気出口に流体連通している構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2012年9月21日に出願された米国特許出願第13/624,167号、2012年9月13日に出願された米国特許出願第13/613,958号、および2011年9月26日に出願された米国仮特許出願第61/539,258号の出願日の利得を主張するものであり、これらの開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本技術は、患者に呼吸補助をもたらす人工呼吸器および他の呼吸治療装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人工呼吸器は、肺への空気の送込みおよび肺からの空気の排出を機械的に行うことによって、患者の呼吸を補助するものである。人工呼吸器は、肺を膨張および収縮させるのに通常用いられる患者の筋肉運動に取って代わるかまたは該患者の筋肉運動を補うために用いられている。
【0004】
人工呼吸器は、患者の呼吸サイクル中、適当な時期に、無菌の呼吸可能ガス(通常、補助酸素を含む空気または補助酸素を含まない空気)を1つまたは複数の治療圧で患者に供給するように機能するようになっている。圧力変化は、吸気中に大きな圧力および呼気中に小さい圧力をもたらすために、呼吸と同期して行われるようになっている。治療圧は、人工呼吸圧としても知られている。
【0005】
人工呼吸器は、典型的には、流れ発生器、入口フィルター、マスク、流れ発生器をマスクに接続する空気送達導管、種々のセンサー、およびマイクロプロセッサに基づく制御装置を備えている。任意選択的に、マスクに代わって、器官切開チューブが患者インターフェイスとして用いられることもある。流れ発生器は、サーボ制御モータ、ボリュート、および送風機を構成するインペラを備えているとよい。場合によっては、送風機の速度をより迅速に減速し、モータおよびインペラの慣性を抑えるために、モータ用ブレーキが組み込まれてもよい。ブレーキ作動によって、送風機は、慣性にもかかわらず、呼気と同期して低圧状態をより迅速に達成することができる。場合によっては、流れ発生器は、モータ速度制御に代わって、患者に送達される圧力を変更する手段として、生じた空気を大気に放出することができる弁を備えていてもよい。センサーが、とりわけ、モータ速度、質量流速、および圧力変換器などによる出口圧力を測定するようになっている。装置は、任意選択的に、空気送達回路の経路に加湿器および/または加熱要素を備えていてもよい。制御装置は、集中一括データ検索機能および表示機能の有無に関わらず、データ記憶能力を備えているとよい。
【0006】
また、人工呼吸器は、患者内に送り込まれる息の時期および圧力を制御し、患者に取り込まれる息を監視するようになっている。患者を制御し、監視するこれらの方法は、典型的には、従量式方法および従圧式方法を含んでいる。従量式方法として、とりわけ、圧補正従量式(PRVC)技術、量換気(VV)技術、および量制御−持続的強制換気(VC−CMV)技術が挙げられる。従圧式方法として、とりわけ、補助制御(AC)技術、同期式間欠的強制換気(SIMV)技術、機械的調節換気(CMV)技術、圧支持換気(PSV)技術、持続的気道陽圧(CRAP)技術、または呼気終端陽圧(PEEP)技術が挙げられる。
【0007】
人工呼吸器は、呼吸に必要な筋肉組織に悪影響を与える疾患、例えば、筋ジストロフィー、ポリオ、筋委縮性側索硬化症(ALS)、およびギラン・バレー症候群を患っている患者に、呼吸補助をもたらすものである。人工呼吸器は、肺に起因する呼吸の機能不全または障害、神経筋または筋骨格の疾患、および呼吸調節の疾患のような疾患を治療するために用いられるとよい。また、人工呼吸器は、(軽度の閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)を含む)睡眠呼吸障害(SDB)、アレルギーによる上気道障害、または上気道の初期ウイルス感染に関連する疾患に用いられてもよい。また、人工呼吸器は、手術を受けている鎮静状態の患者、または重症、例えば、高位脊髄損傷および頭部外傷を患っている患者に呼吸補助をもたらすのに用いられてもよい。加えて、人工呼吸器は、患者の肺の機能していない領域、例えば、虚脱肺胞を拡張するように構成されてもよい。
【0008】
人工呼吸器は、慣習的に、点検および修理に対して高度に訓練した人を必要とする機械的に複雑な装置である。人工呼吸器のハウジング内には、換気の特性を制御および測定するのに用いられる機械的および電気的な弁およびセンサーを接続する多数のチューブが配置されている。これらのチューブは、典型的には、人工呼吸器のハウジング内の種々のポートおよび装置に個別に接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本技術のいくつかの実施形態の一態様は、人工呼吸器または他の呼吸治療装置用の装置を提供することにある。なお、人工呼吸器または他の呼吸治療装置は、本明細書では、総称的に人工呼吸器と呼ばれている。本技術のいくつかの実施形態の他の態様は、機械的に複雑でない人工呼吸器を提供することにある。本技術のいくつかの実施形態のさらに他の態様は、人工呼吸器内の空気通路を統合する空圧ブロックモジュールである。空圧ブロックモジュールは、送風機および人工呼吸器の空気通路を備えるボリュートアセンブリを備えているとよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術は、呼吸可能ガスの流れを患者にもたらすように構成された呼吸治療装置であって、呼吸可能空気出口と、外気入口と、空圧ブロックモジュールとを備えている、呼吸治療装置において、空圧ブロックモジュールは、入口空気通路、送風機用のマウント、および出口空気通路を備えるボリュートアセンブリであって、送風機は、送風機のインペラが入口空気通路と出口空気通路とを接続する流路にあるように、マウントに取り付けられている、ボリュートアセンブリと、ボリュートアセンブリを密閉しているケーシングであって、ケーシング内の空気通路がボリュートアセンブリの空気ポートに接続されている、ケーシングとを備えており、ボリュートアセンブリの入口空気通路は、外気入口に流体連通しており、ボリュートアセンブリの出口空気通路は、空気出口に流体連通している、呼吸治療装置として、実施されるとよい。呼吸治療装置は、人工呼吸器であってもよい。
【0011】
ボリュートアセンブリは、成形された剛性プラスチック装置であってもよく、ケーシングは、金属製であってもよく、下側部および上カバーを有していてもよい。ケーシングは、外気入口とボリュートの入口空気通路との間に空気通路を有していてもよい。ケーシング内の空気通路は、ケーシングの底板と底板用カバーとの間に形成されていてもよい。
【0012】
取外し可能な入口フィルターアセンブリが、外気入口と一直線に並んで配置されていてもよく、取外し可能な入口フィルターアセンブリは、空気入口を備えるケーシング内に保持されており、ケーシングおよび入口フィルターアセンブリは、ハウジングから取外し可能になっている。
【0013】
変形可能なコネクタが、ボリュートアセンブリとプリント基板との間に挟まれていてもよく、プリント基板上の圧力センサーは、プリント基板がボリュートアセンブリ上に着座したとき、コネクタを通るポートと真っ直ぐに並ぶようになっており、コネクタのポートは、ボリュートアセンブリ内の空気通路に開いている。
【0014】
本技術のいくつかの実施形態は、呼吸治療装置のガス経路指定モジュール用カプラーを含んでいる。カプラーは、複数の空圧通路を有するカプラー本体を備えているとよい。カプラーは、第1および第2のポートコネクタも備えているとよい、第1および第2のポートコネクタは、カプラー本体の人工呼吸器接続端において、呼吸治療装置に接続されるように、カプラー本体上に構成されているとよい。カプラーは、第1および第2の導管も備えているとよい。第1および第2の導管は、カプラー本体と一体になっているとよく、それぞれ、第1および第2のポートコネクタに連結された空圧通路として構成されているとよい。カプラーは、カプラー本体の位置合せ隆起をさらに備えているとよい。位置合せ隆起は、第1および第2のポートコネクタの方位を呼吸治療装置との1つのみの接続形態に制限するように構成されているとよい。
【0015】
場合によっては、位置合せ隆起は、呼吸治療装置のハウジング通路内に挿入される接続リングを備えていてもよい。位置合せ隆起は、円筒空間を備えていてもよい。第1のポートコネクタは、円筒空間の内部に位置ずれして形成されていてもよい。第2のポートコネクタは、円筒空間の外部に形成されていてもよい。任意選択的に、第1のポートコネクタは、呼吸マスクからの呼気圧用のガス通路を備えていてもよい。第2のポートコネクタは、近位弁用のPEEP制御ガス通路を備えていてもよい。場合によっては、位置合せ隆起の接続リングは、面取りされた円筒を備えていてもよい。面取りされた円筒の表面は、呼吸治療装置のハウジング外面と真っ直ぐに並ぶように、構成されていてもよい。任意選択的に、カプラー本体は、カプラーの空圧通路の方向を傾斜させた曲げ部を備えていてもよい。
【0016】
本技術のいくつかの実施形態は、人工呼吸器の操作を良好な状態に維持するための方法を含んでいる。本方法は、空圧ブロックを人工呼吸器ハウジングの区画から取り外すことを含んでいるとよい。人工呼吸器は、患者環境内に配置されているとよい。空圧ブロックは、ケーシング、ボリュートアセンブリ、送風機、空気通路、センサーおよび/または統合校正記録を備えているとよい。本方法は、空圧ブロックを人工呼吸器ハウジングの区画内に挿入することと、患者環境内において人工呼吸器の操作を試験することとをさらに含んでいるとよい。
【0017】
場合によっては、挿入は、取り外した空圧ブロックを、点検後に、人工呼吸器を操作するために人工呼吸器ハウジング内に戻すことを含んでいてもよい。人工呼吸器の試験操作は、戻された空圧ブロックによって行われるようになっていてもよい。任意選択的に、本方法は、取り外された空圧ブロックに代わって、第2の空圧ブロックを人工呼吸器ハウジング内に挿入することを含んでいてもよい。人工呼吸器の試験操作は、第2の空圧ブロックによって行われるようになっていてもよい。
【0018】
場合によっては、本方法は、取り外された空圧ブロックを再使用するために点検することを含んでいてもよい。取り外された空圧ブロックの点検は、空圧ブロックを清浄化することを含んでいてもよい。取り外された空圧ブロックの点検は、空圧ブロックの1つ以上の構成部品の操作を校正すること、例えば、ブロックの校正記録における校正データを記憶することを含んでいてもよい。点検は、患者環境内において行われるようになっていてもよい。点検は、患者環境内において操作可能な人工呼吸器と同時期に、患者環境から離れて行われるようになっていてもよい。場合によっては、本方法は、挿入の前に、挿入される空圧ブロックを予め校正することを含んでいてもよい。
【0019】
本技術のいくつかの実施例は、人工呼吸器ハウジング内に取外し可能に挿入される空圧ブロック装置を含んでいる。空圧ブロック装置は、空気通路を備えるケーシングと、 ボリュートアセンブリと、ボリュートアセンブリに連結された送風機とを備えているとよい。ケーシングは、ボリュートアセンブリを密閉しているとよい。ケーシングの空気通路は、ボリュートアセンブリ上の空気ポートに接続されているとよい。空圧ブロック装置は、統合校正記録を含んでいてもよい、
【0020】
本技術のさらなる実施形態および特徴は、以下の詳細な開示、要約書、図面、および請求項から明らかになるだろう。
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本技術の実施例について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】開示された技術の一実施例による人工呼吸器装置の斜視図である。
【図2】図1の人工呼吸器装置の前面の図である。
【図3】図1の人工呼吸器装置の後面図である。
【図4】図1の人工呼吸器装置の底面図である。
【図5a】開示された技術の実施例によるシャーシの上面図である。
【図5b】開示された技術の実施例によるシャーシの底面図である。
【図6a】開示された技術の実施例による下側ハウジングの上面図である。
【図6b】開示された技術の実施例による下側ハウジングの底面図である。
【図7a】開示された技術の実施例による上側ハウジングの上面図である。
【図7b】開示された技術の実施例による上側ハウジングの底面図である。
【図8】開示された技術の実施例による人工呼吸器装置のハウジングの内部の概略図である。
【図9a】開示された技術の実施例によるフィルターアセンブリの斜視図である。
【図9b】開示された技術の実施例によるフィルターアセンブリの前面図である。
【図9c】開示された技術の実施例によるフィルターアセンブリの後面図である。
【図10a】開示された技術の実施例による入口フィルターの前方斜視図である。
【図10b.10c】開示された技術の実施例による入口フィルターの後面図および前面図である。
【図10d】開示された技術の実施例による入口フィルターの後方斜視図である。
【図11a】開示された技術の実施例による人工呼吸器ハウジング内への図9a−9cによるフィルターアセンブリの挿入を示す図である。
【図11b】開示された技術の実施例による人工呼吸器ハウジング内への図9a−9cによるフィルターアセンブリの挿入を示す図である。
【図12】開示された技術の実施例による空圧ブロックモジュールの内部の概略図である。
【図13】ボリュートアセンブリの構成部品を有する空圧ブロックモジュールの分解斜視図である。
【図14】ボリュートアセンブリの上面図である。
【図15】ボリュートアセンブリの底面図である。
【図16】図16aは、開示された技術の実施例による主シールの上方斜視図である。図16bは、開示された技術の実施例による主シールの底方斜視図である。
【図17】図17aは、開示された技術の実施例によるセンサーシールの底面図である。図17bは、開示された技術の実施例によるセンサーシールの側面図である。図17cは、開示された技術の実施例によるセンサーシールの上面図である。
【図18a】開示された技術の実施例による呼気シールの上面図である。
【図18b】開示された技術の実施例による呼気シールの上方斜視図である。
【図18c】開示された技術の実施例による呼気シールの側面図前面図である。
【図18d】開示された技術の実施例による呼気シールの前面図である。
【図19a】開示された技術の実施例による呼気弁の前方斜視線図である。
【図19b】開示された技術の実施例による呼気弁の前面図である。
【図19c】開示された技術の実施例による呼気弁の後面図である。
【図19d】開示された技術の実施例による呼気弁の後方斜視図である。
【図20a】開示された技術の実施例による図19a−19dの呼気弁がいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図20b】開示された技術の実施例による図19a−19dの呼気弁がいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図20c】開示された技術の実施例による図19a−19dの呼気弁がいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図21a】開示された技術の実施例による人工呼吸器の呼気アダプターの前方斜視図である。
【図21b】開示された技術の実施例による人工呼吸器の呼気アダプターの前面図である。
【図21c】開示された技術の実施例による人工呼吸器の呼気アダプターの後面図である。
【図21d】開示された技術の実施例による人工呼吸器の呼気アダプターの後方斜視図である。
【図22a】開示された技術の実施例による図21a−21dの呼気アダプターがいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図22b】開示された技術の実施例による図21a−21dの呼気アダプターがいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図22c】開示された技術の実施例による図21a−21dの呼気アダプターがいかに人工呼吸器に連結されるかを示す図である。
【図23】本技術の人工呼吸器内の呼気アダプターに接続されるように適合された導管カプラーを示す図である。
【図24】人工呼吸器から離脱された図23のカプラーを示す図である。
【図25】図23のカプラーの上面図である。
【図26】図23のカプラーの底面図である。
【図27】図23のカプラーの左側図である。
【図28】図23のカプラーの右側図である。
【図29】図23のカプラーの斜上面図である。
【図30】図23のカプラーの斜底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[人工呼吸器ハウジング−12]
図1〜図4は、ハウジング12、呼気入口ポート14、および吸気出口ポート16を備える人工呼吸器10を示している。ポート14,16は、患者の気管内に挿入可能なチューブ(図示せず)に接続されてもよいし、患者の鼻または口のいずれかまたは両方にぴったり適合する顔マスクまたは鼻マスクに接続されてもよいし、またはそれ以外の方法によって、呼吸を補助するように患者に取り付けられてもよい。人工呼吸器用のハウジングは、可搬式であるとよく、人工呼吸器を支持するためのハンドル18を備えているとよい。ハウジングは、上側ハウジングケース20、シャーシ21、および下側ハウジングケース22を有しているとよく、これらは、互いに連結されて、人工呼吸器の外面を形成することになる。しかし、ハウジングは、他の構成、例えば、上側ケーシングおよび下側ケーシングを有する2つの構成部品のみからなる構成を有していてもよいし、または4つ以上の構成部品を有していてもよいことを理解されたい。
【0024】
図5aおよび図5bからわかるように、シャーシ21は、人工呼吸器アセンブリに対して構造的骨格をもたらすものであるとよい。シャーシ21は、入口フィルター支持体176および入口シール支持体178を備えているとよい。これらの支持体176,178は、それぞれ、以下にさらに詳細に説明する入口フィルターアセンブリ36および入口シール38を受け入れるようになっている。また、入口シール38は、入口を空圧ブロックモジュール56に連結するように構成されている。好ましくは、入口シール38は、シリコーンのような追従材料から形成されており、入口シールは、空圧ブロックモジュール56の入口にオーバモールド成形されているとよい。
【0025】
シャーシ21は、空圧ブロックシートを備えているとよい。ハウジング内への空圧ブロックモジュール56の位置合せおよび組込みを容易にするために、空圧ブロックモジュール56は、この空圧ブロックシート内に配置されるようになっている。また、シャーシ21は、ハンドル18の一部を含んでいてもよい。
【0026】
シャーシ21の後面は、後面パネル上に種々の接続部およびスイッチ用の様々なインターフェイスを備えているとよい。例えば、電気コネクタ―、スイッチ、データ接続部、および酸素接続部用のインターフェイスが挙げられる。
【0027】
シャーシ21は、人工呼吸器10の構成部品、例えば、冷却ファン68、PCB86、および呼気部31の構成部品を位置付けし、かつ保持するための多数のインターフェイスも備えている。例えば、シャーシ21の呼気部31は、図5aに示されているように、呼気終末陽圧(PEEP)供給ポート172、センサーフィルターインターフェイス168、および呼気流センサーインターフェイス170を備えている。必要に応じて、呼気中のPEEPを制御するために、PEEP供給ポート172がPEEP電磁弁140のポートにチューブを介して接続され、これによって、PEEP送風機124から呼気インターフェイスモジュール200への空気接続部をもたらすようになっているとよい。主PCB上に配置されたセンサーを呼気によって汚染されないように保護するために、交換式のセンサーフィルターが、センサーフィルターインターフェイス168内に挿入されるようになっている。呼気の流量を測定するために、呼気流センサーが、(図5aに示されている)呼気流センサーインターフェイス170内に配置されるようになっている。呼気部31は、呼気シール70を受け入れるように構成されている。呼気シール70は、呼気センサーフィルターおよび呼気流センサーを保持し、かつ密封し、以下にさらに詳細に説明するように、PEEP供給ポート172への接続部をもたらすように、構成されている。
【0028】
人工呼吸器10の呼気部31は、患者から、例えば、呼気入口ポート14から呼気を受ける呼気インターフェイスモジュールの挿入を可能にするように、構成されている。種々の呼気インターフェイスモジュールとして、呼気弁200および呼気アダプター202(それぞれ、図19a〜図19dおよび図21a〜図21dを参照)が挙げられる。
【0029】
図6aおよび図6bから分かるように、下側ハウジングケース22は、バッテリー区画60を備えている。バッテリー区画60は、取外し可能なバッテリー(図示せず)を位置付けし、該バッテリーとインターフェイス接続するようになっており、具体的には、バッテリーコネクターインターフェイス62を備えている。バッテリーの挿入または取外しのためにアクセスすることを可能とするために、取外し可能なバッテリーカバー52が、底外面に設けられている。取外し可能な呼気カバー48、(図5aに示されている)酸素センサーカバー54を受け入れる酸素センサーカバーシート54S、および構成部品の熱放出を可能にするグリル44も、以下、図4を参照して説明するように、底外面上に設けられている。また、下側ハウジングは、人工呼吸器10が滑らかな表面からすべり落ちるのを防ぐために、1つのすべり止め脚または掴み面または1つ以上のすべり止めまたは掴み脚53、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)脚を外底面に備えている。すべり止めまたは掴み脚53は、こぼれた水が人工呼吸器の底に溜まるのを防ぐために、人工呼吸器10を持ち上げるようになっているとよい。また、ハンドル18の一部も、下側ハウジングケース22内に配置されている。
【0030】
図7aおよび図7bから分かるように、上側ハウジングケース20は、人工呼吸器10の上面およびユーザーインターフェイスディスプレイ装置24を受け入れるインターフェイスをもたらしている。図1に示されているように、ハウジングは、コンピュータまたはプロセッサ駆動ユーザーインターフェイスディスプレイ装置24、例えば、コンピュータ用のタッチ入力を受けるように適合された液晶ディスプレイ(LCD)を備えているとよい。ディスプレイ装置は、人工呼吸器が使用中に容易に見えるようにするために、ハウジングの上面と同一平面をなしているとよい。アラームインジケータ・ライトバー26、例えば、発光ダイオード(LED)ライトバー、および聴覚または視覚アラームを停止するボタン28が、ディスプレイに隣接して設けられているとよい。しかし、他の周知のユーザーインターフェイスシステム、例えば、スクリーン、ボタン、ダイアル、キー、またはそれらの組合せが用いられてもよいことを理解されたい。シャーシ21、下側ハウジングケース22、および上側ハウジングケース20は、完全な人工呼吸器ハウジング12を組み立てるために、互いに連結される複数のネジボス174を備えているとよい。シャーシ21は、上側ハウジングケース20と下側ハウジングケース22との間に組み込まれている。ネジボス174は、他のハウジング構成部品の1つにある特定の相補的ネジボス174に連結するように構成された種々の長さのものを備えることによって、組立の容易さを促進するように構成されているとよい。
【0031】
図2は、装置の呼気部内に取外し可能に挿入されるように構成された呼気経路指定モジュールを備える人工呼吸器を示している。ここでは、呼気部は、図面を参照してさらに説明するように、装置の一区画であるとよい。この区画は、嵌合ガスポートインターフェイスを用いることによって、種々のガス経路指定モジュールが該区画内に挿入することができるように、固定された特定のインターフェイス形状(例えば、成形された構造)にある複数のガスポート接続部を備えている。本明細書においてさらに詳細に説明するように、各呼気経路指定モジュールは、いくつかの個別の内部構造流路または種々の機能を果たすガス通路を有するように構成されているとよく、これらは、モジュールの目的に応じて、チューブを設けることなく達成されるようになっているとよい。モジュールの経路は、呼気部区画の(例えば、シールを有する)ガスポートインターフェイスの構造に連結されるモジュールの所定のガスポートインターフェイスに繋がっている。従って、モジュールは、呼気部のガスポートインターフェイスと連結するように、呼気部内に容易に挿入可能であり、これによって、呼吸圧装置は、挿入されたモジュールと共に、種々の治療プロトコルを果たすことができる。この意味では、モジュールのガスポートインターフェイスは、呼吸治療装置の所望の機能に依存して、種々のモジュールの各々を呼気部区画の相補的なガスポートインターフェイス内に簡単に挿入することを可能にする標準化された構成(寸法および配置位置)を有していることになる。モジュール構造と固定された相補的ガスポートインターフェイスを有する区画構造とによって、ポートごとにチューブ内に個別に差し込むのではなく、実質的に同時に多数のガス接続部を互いに嵌合させることができるように、モジュールを区画内に差し込みまたは設置することができる。多数のガスポート用のこのような固定された構造の相補的インターフェイスは、組立の簡素化を促進することになる。また、モジュールの構造が区画の構造内に1つの配列位置でのみ嵌合するので、組立をより迅速に行うことができる。不正確なガス連結、例えば、間違ったポートへのチューブの接続が、回避されることになる。
【0032】
図2の例では、呼気経路指定モジュールは、呼気部31内に接続可能な呼気弁200である。図19および図20を参照してさらに詳細に説明する呼気弁は、呼気出口ポート240を備えている。任意選択的に、呼気経路指定モジュールは、(図2には示されていないが、図21および図22を参照してさらに詳細に説明する)呼気アダプター202であってもよい。呼気アダプター202も、呼気部31内に嵌合するようになっている。呼気アダプター202は、呼気終末陽圧(PEEP)制御ポート246を備えている。PEEP制御ポート246は、ハウジング12の前側においてアダプター圧力入口ポート244に近接して配置されているとよい。PEEP制御ポートは、人工呼吸器がPEEP操作モードで用いられるとき、アダプター圧力入口ポート244と関連して用いられるとよい。
【0033】
図3に示されているように、ハウジング12の後面は、(図9、図10および図11を参照してさらに詳細に説明する)フィルターアセンブリ36を備えているとよい。患者の肺内に送り込まれることになる空気が、フィルターアセンブリに付随する空気入口内に引き込まれるようになっている。空気は、フィルター内の透過性フィルター薄膜を通過し、空気を患者に流すための空気通路に入ることになる。
【0034】
ハウジングの後面は、コンピュータネットワーク、アラームシステム、パルス酸素濃度計(例えば、spO)、およびデジタル記録媒体のようなデジタル素子と連通するためのデータ接続部47を備えているとよい。電力接続部49およびオンオフスイッチ51も、ハウジングの後面に配置されているとよい。入口グリル44−Iは、構成部品を冷却する空気の入口をもたらし、内部構成部品(例えば、送風機モータおよびCPU)の作動によって生じる熱の消散を可能にするものである。内部構成部品を横切る加熱空気の移動は、ハウジング内の冷却ファン68によって駆動されるようになっている。冷却ファン68は、(図4のハウジングの底面に示されている)加熱空気出口グリル44−Oの近くに位置しているとよい。加えて、酸素源と連結可能になっている酸素(O)入口ポート46が、ハウジングの後面に配置されているとよい。
【0035】
図4は、人工呼吸器ハウジングの底面を示している。外部アクセスハッチとして機能する取外し可能な呼気カバー48は、ハウジングの呼気部の区画または呼気区域へのアクセスおよび保護をもたらすものである。呼気カバー48を取り外すことによって、挿入されている呼気経路指定モジュールおよび呼気入口ポート14へのアクセスが可能になる。また、呼気カバー48を取り外すことによって、呼気弁または呼気アダプターのような呼気経路指定モジュールの取外しまたは交換を容易に行うことができる。呼気カバー48は、過大な遊びを低減させるために、指で回転可能なラッチダイアル50Lによって、ハウジングに締め付けられるとよい。任意選択的に、いくつかの実施形態では、ラッチダイアルは、ラッチが解除されないように係止するようになっていてもよい。任意選択的なラッチ解除ボタン50Rを作動させることによって、呼気カバーを離脱させるようになっているとよい。解除ボタン50Rを押し込むことによって、呼気カバー48のラッチを解除することができる。当業者であれば、呼気カバー48をハウジングに取外し可能に固定かつ連結する代替的な方法が利用されてもよいことを理解するだろう。人工呼吸器ハウジングの底面は、交換式バッテリーのための取外し可能なバッテリーカバー52および酸素センサー64にアクセスするために取外し可能になっている酸素センサーカバー54を有していてもよい。
【0036】
図5aは、図8に示されているハウジング12の内部の概略図に従って体系化されているシャーシ21の構造を示している。図8は、ケーシングに設置されたときの人工呼吸器の構成部品の多くの配置を示す図である。少なくとも図8および図5aから明らかなように、ハウジングの内部は、種々の区画を形成する1つ以上の仕切りまたは壁を有するように、構成されている。これらの区画は、機能的に区切られた領域、例えば、吸気部または呼気部、酸素センサー区画、などとして機能する区画に対して個別の区域をもたらしている。構成部品をこのように個別の領域内に特化することによって、装置の組立および装置を簡素化すると共に、いくつかの構成部品へのアクセスが他の構成部品へのアクセスが必要なときには制約されるように、構成部品を隔離することができる。
【0037】
例えば、治療圧をもたらすために1つ以上の送風機を備える(図5aに示されていない)空圧ブロックモジュール56のチューブおよび空気通路は、ハウジング内の(図5aに示されている)空圧ブロック取付けシート58から容易に取外しかつ交換することができるようになっている。空圧ブロックモジュール56は、シャーシ21のアセンブリ内のこのような成形されたシート内に挿入され、モジュールを保護し、および/または音響振動を低減させるために、ショックアブソーバまたは弾性支持体上に配置されるようになっている。空圧ブロックの周辺の形状に 適合するシートの壁は、その特定の組立位置内において、ブロックと位置合せされ、該ブックを支持するようになっている。図8に示されているように、空圧ブロックモジュールは、その空気通路が空気入口34のフィルターアセンブリ36、吸気出口ポート16、および酸素供給経路43と真っ直ぐに並ぶように、着座している。矢印は、人工呼吸器10を通る空気流35の経路および酸素流45の経路を示している。空気流35は、空気入口34を介して流入し、フィルターアセンブリ36および入口シール38を通って、空圧ブロックモジュール56の入口マフラー39内に入る。任意選択的に、酸素源が酸素入口ポート46に取り付けられていてもよく、この場合、酸素流45は、酸素供給経路43および酸素シールを通って、空圧ブロックモジュール56内に導かれ、該空圧ブロックモジュール56の入口マフラー39内において、入口空気流35と組み合わされることになる。空圧ブロックモジュール56内において、空気流35は、以下にさらに詳細に述べるように、主送風機104によって加圧されることになる。加圧された空気/酸素流35,45は、出口マフラー84および主シール122を介して、空圧ブロックモジュール56から吸気部33内に導かれ、次いで、吸気出口ポート16から外に流れ、空気送達導管(図示せず)を介して、患者インターフェイス(図示せず)に送達されることになる。
【0038】
吸気部33の酸素センサー区画内に位置する酸素センサー64は、患者に送達される酸素の量を測定するものである。酸素センサー64は、容易に交換可能となるように吸気出口ポート16に隣接して位置するように、ハウジング12内に取り付けられるとよい。酸素センサーは、患者に送り込まれる空気の酸素レベルを検出するものである。酸素センサーからのデータは、酸素濃度に関連してアラームを始動するために、またユーザインターフェイスに酸素濃度を表示するためにマイクロプロセッサに送給するために、用いられるとよい。供給される酸素の量は、空気の既知の量および患者に供給される酸素の量を調整することによって、制御されるとよい。しかし、酸素センサーは、任意選択的に、酸素入口ポート46を通して供給される補助酸素の量を調節するために用いられてもよい。
【0039】
ハウジングの底面の(図4に示されている)酸素センサーカバー54は、ハウジングの酸素センサー区画内に収納された酸素センサーにアクセスするために、取外し可能になっている。酸素センサーは、吸気出口ポート16に隣接するハウジング内のマウントに嵌合されている。吸気出口ポート16内を流れる空気の一部は、酸素センサーによって検出されるようになっている。センサーは、ガスの酸素レベルを示すデータ信号を生成するものである。データは、データ接続部に有線によって伝達され、ここから、プロセッサに伝達されるようになっている。プロセッサは、データを解析し、患者に送り込まれる空気に添加される補助酸素の量を決定することになる。
【0040】
酸素源は、低圧酸素源であってもよいし、または高圧酸素源であってもよい。高圧酸素源から供給する場合、酸素が入口マフラー39に入る前に、高圧酸素源の圧力を減圧するために、酸素調整器(図示せず)が酸素供給経路43内に配置されているとよい。酸素入口ポート46は、種々の管轄規格、例えば、制限されるものではないが、口径インデックス安全システム(DISS)規格、スリーブインデックスシステム(SIS)規格、米国標準技術局(NIST)規格、およびフランス規格協会(AFNOR)規格に用いられる種々の形式の酸素コネクタへの接続を可能にする種々の異なる酸素接続アダプターに連結されるように、構成されている。
【0041】
代替的構成(図示せず)では、高圧酸素源は、主送風機104の後方、例えば、出口マフラー84内に設けられ、該出口マフラー84内において、加圧空気源と混合されるようになっていてもよい。いくつかの実施例では、高圧酸素は、患者へのガス流に対して圧力源をもたらすのに用いられてもよい。
【0042】
空圧ブロックモジュール56は、矩形形状として概略的に示されているが、ハウジング内のシートに適合し、空圧ブロックモジュール56が不適切にハウジング内に挿入される可能性を最小限に抑えるどのような形状、例えば、非対称的形状を有していてもよい。
【0043】
(図8に示されている)主プリント基板(PCB)またはPCB86は、シャーシ21に組み込まれ、かつ取り付けられ、シャーシ21と下側ハウジングケース22との間に配置されているとよい。主基板の電子部品として、プロセッサ、電力のようなデータ信号を空圧ブロックモジュール56から伝達する電気コネクタ、および加圧された空気を吸気出口ポート16に供給する送風機用データコネクタが挙げられる。これに関して、電気コネクタは、空圧ブロックモジュール56のPCBの電子部品とハウジング内の主PCBの電子部品との間に電力経路および信号経路をもたらすことになる。主基板の電子部品は、任意のセンサー、例えば、酸素センサー用のデータ・電力コネクタを備えていてもよい。ハウジング内の電子部品は、ディスプレイ装置用画像、および例えば、聴覚アラームを生成するためのスピーカ61用の音響信号の生成を制御し、圧力センサーおよび酸素センサーからの信号を検出し、送風機の回転速度を制御するようになっていてもよい。
【0044】
前述したように、シャーシ21は、空圧ブロックモジュール56の周辺に適合する空圧ブロック取付けシート58を備えているとよい。シャーシ21は、入口フィルターアセンブリ36用の(入口フィルター支持体176として示されている)フィルターシートおよび/またはフィルター区画、および低圧酸素接続アセンブリ、冷却ファン68、および図18を参照してさらに詳細に説明する変形可能な呼気シール70用の他の取付けシートを備えているとよい。また、シャーシ21は、例えば、シャーシの区域または区画の間に空気を送るために、シャーシ構造内に成形された埋設または一体化空気通路およびポートも備えているとよい。例えば、既知の圧力下の空気が、シャーシの通路を通って、空圧ブロックモジュールからPEEP空気供給装置に導かれるようになっているとよい。
【0045】
[フィルターアセンブリ36]
図9aは、フィルターアセンブリ36の斜視図であり、図9bおよび図9cは、それぞれ、フィルターアセンブリ36の前面図および後面図である。フィルターアセンブリ36は、入口フィルター37(図10a参照)を受け入れるように構成された入口フィルターハウジング32を備えている。図9bに示されているように、人工呼吸器10用の空気入口34は、入口フィルターハウジング32の前外面に形成されている。空気入口34は、大きな粒子がフィルターアセンブリ36に入るのを防ぐように構成されたグリルまたは格子74を備えている。好ましくは、格子74は、人工呼吸器内への水の侵入を実質的に阻止または低減させるために、下方に傾斜している。下方に傾斜した格子は、水を外に導き、入口フィルターアセンブリ36に侵入しないように、構成されている。格子74は、物体または指がフィルターアセンブリ36内に挿入されるのを防ぐようにもなっている。
【0046】
ハウジング突起76が、空気入口34の外面から延在しており、物体が空気入口34を完全に塞ぐのを阻止するように構成されている。ハウジング突起76の対向面は、フィルターハウジングカバー32C内に(図9cに示されている)円錐76aを形成している。この円錐76aは、対応するフィルター突起92を受け入れるように構成されている。カラー72が、空気入口34を包囲している。このカラー72は、以下にさらに詳細に説明するように、フィルターアセンブリ36を人工呼吸器ハウジング12に固定する係止機構、例えば、バイネット機構、ネジ付き機構、またはネジ止め機構をもたらすものである。
【0047】
入口フィルターハウジング32は、入口フィルター37を受け入れるように構成された円筒部82として形成されているとよい。円筒部82は、好ましくは、円筒部82の長さに沿って約20〜60mm、さらに好ましくは、約30〜40mm、例えば、約34mm、35mm、または36mmにわたって実質的に一定の直径を有している。円筒部の長さは、入口内に逆に伝達される騒音を低減させる消音機能をもたらすことになる。円筒部の長さは、好ましくは、約30〜100mm、さらに好ましくは、50〜80mm、または60〜70mm、例えば、60mm、61mm、62mmまたは64mmである。しかし、円筒部82が他の寸法を有するように形成されてもよいことを理解されたい。
【0048】
図10a〜図10dは、例示的な実施形態による入口フィルター37を示している。入口フィルター37は、多孔質フィルター材料90が連結されたフィルターケージ88を備えている。フィルターケージ88は、フィルター材料90に対して構造支持体をもたらすものであり、先端88tおよび基端88bを備えている。入口フィルター37は、人工呼吸器ハウジングの外部上に流入空気用の比較的小さい開口をもたらすと共に、濾過領域を最大化するために、円錐台の形状を有しているとよい。フィルター材料90は、フィルター材料上にフィルターケージ88をオーバモールド射出成形することによって、フィルターケージ88に固定されているとよい。しかし、フィルター材料90をフィルターケージ88に連結または固定する他の方法が、実施されてもよい。
【0049】
任意選択的に、襞付きまたは襞なしの多孔性フィルター材料90が円錐台形状の入口フィルター37の側壁を形成するようになっていてもよい。フィルター材料90は、空気入口34内を流れる外気を濾過し、これによって、空気が人工呼吸器10、次いで、患者内に送り込まれる前に、空気から埃および他の粒子を除去するものである。フィルター材料は、任意選択的に、少なくとも10μm、例えば、8μm、7μm、または6μmを遮断する濾過カットオフレベルを有している。フィルター材料90を備える入口フィルター37の部分は、入口フィルターの先端88tにおいて、好ましくは、約10〜30mm、さらに好ましくは、15〜20mm、例えば、17〜19mmの直径を有しており、入口フィルターのより広い基端88bにおいて、約20〜55mm、さらに好ましくは、約25〜35mm、例えば、約30mm、31mm、または32mmの直径を有している。
【0050】
フィルターアセンブリ36を組み込むために、入口フィルター37は、入口フィルターハウジング32の円筒部82の開端または内端内に挿入され、締り嵌めされるとよい。入口フィルター37の基端88bにおけるフィルターフランジ94は、挿入の正確さをもたらすために、円筒部82の開端または内端の外側リムに対するストッパをなしている。入口フィルター37を入口フィルターハウジング32内に正確に位置合せさせるために、入口フィルター37の先端88tのフィルター突起92が、フィルターハウジングカバー32C内の円錐76a内に嵌入されるようになっている。
【0051】
フィルターケージ88および入口フィルターハウジング32は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンのようなプラスチック材料からなり、成形によって形成されているとよい。フィルター材料90は、アレルギー系成分を含まない空気濾過材料、例えば、縫い込まれ、熱接合されたポリエステル繊維であるとよい。任意選択的に、フィルター材料は、例えば、発泡体、紙、ポリエステル、織布、不織布、襞付き布、襞なし布であってもよい。
【0052】
図11aおよび図11bに示されているように、フィルターアセンブリ36は、入口フィルター37の容易な交換および点検を可能にするために、人工呼吸器10のハウジング12のシャーシ21の吸気部区画内に取外し可能に挿入されるように構成されている。従って、フィルターアセンブリ36は、シャーシのフィルター区画FCに対して挿入かつ取外し可能になっているとよい。入口フィルターハウジング32のカラー72は、入口開口80をハウジング12の後面に係合するための1つ以上の突起またはピン78を備えているとよい。人工呼吸器の後面の入口開口80は、1つ以上の対応する凹みまたは長孔80aを備えており、該凹みまたは長孔80a内にカバーの1つ以上のピンまたは凹みが係合するようになっているとよい。ネジ付き固定具、ネジ、スナップロック、などのような他の取外し可能な固定機構が、フィルターアセンブリ36を人工呼吸器ハウジング12に取外し可能に連結するために、用いられてもよい。
【0053】
フィルターアセンブリ36を人工呼吸器ハウジング12内に挿入かつ固定するために、フィルターアセンブリ36は、人工呼吸器ハウジング12内の入口開口80内に挿入され、カラー72が、好ましくは、手によって回転され、これによって、フィルターアセンブリ36の突起/ピン78を人工呼吸器ハウジング12の凹みまたは長孔80aに係合し、図11aおよび図11bに示されているように、フィルターアセンブリ36を人工呼吸器ハウジング12に確実に係止することができる。フィルターアセンブリ36は、人工呼吸器10内の入口シール38に密封係合し、これによって、気密ラジアルシールが形成されることになる。入口フィルター37は、入口シール38との係合を容易にするために基端88bに導入テーパを備えている。入口シール38によって、流入する空気流35が人工呼吸器内の空気経路に制約され、シャーシの残りを汚染しないことが確実なものになる。
【0054】
フィルターアセンブリ36を取り外すには、カラー72を反対方向に回転させ、突起またはピン78を長孔80aから離脱させ、これによって、フィルターアセンブリ36を人工呼吸器ハウジング12のフィルター区画から引き出すとよい。このようにして、例えば、多数の患者の使用に合わせて、フィルターアセンブリ36の全体を交換し、入口空気経路を取り換えることができる。代替的に、入口フィルター37のみが、必要に応じて、人工呼吸器の清浄化または保守のために取り換えられてもよい。
【0055】
[空圧ブロックモジュール56]
図13、図14および図15に示されているように、空圧ブロックモジュール56は、実質的に剛性の外側ケーシングを備えているとよく、良好な熱伝達をもたらす熱伝導材料から形成されているとよい。例えば、空圧ブロックモジュール56は、アルミニウム合金、マグネシウム、またはモジュールに対して構造的支持ハウジングをもたらすのに適する熱伝導率の良好な他の材料から形成されているとよい。外側ケーシングは、ダイカストアルミ二ウムのような金属から形成されているとよい。ハウジングは、多数の部分、例えば、3つの部分、具体的には、主シャーシ184、底蓋186、および上蓋182から形成されているとよい。剛性のある外側ケーシングは、空圧ブロックモジュール56の空気経路または通路、送風機、電子機器、および他の構成部品に対して構造的ハウジングをもたらしている。シールが1つ以上のケーシング部分に連結され、これによって、空圧ブロックモジュール56の外周に沿って空圧シールが形成されることになる。例えば、底蓋186は、その周囲に沿ってオーバモールド成形されたシリコーンシールを備えているとよい。空圧ブロックモジュールは、人工呼吸器10内の空気通路のかなりの部分を含んでおり、点検を容易にするために、取り換えられるとよい。
【0056】
図12は、空圧ブロックモジュール56の内部構成部品の概略図である。空圧ブロックモジュール56は、ボリュートアセンブリ108を有する主送風機104、入口逆止弁アセンブリ114、任意選択的な酸素入口ポート144、呼気終端陽圧(PEEP)送風機またはPEEP送風機124、出口マフラー84、安全弁85、圧力センサー128、流れセンサー130および流れ要素132、およびPEEP圧力センサー142を備えている。ボリュートアセンブリ108は、空気経路の大半をなし、空圧ブロックモジュール56の重要な機能の一部を担っている。
【0057】
主シャーシ184の側壁は、電気接続部のワイヤ用開口、呼気圧またはPEEP圧力チューブ188用開口、および酸素供給と関連する空気通路用開口を備えている。接続ワイヤを金属開口の潜在的な鋭利縁から遮断し、主シャーシ184の内側と外側との間にシールをもたらすために、変形可能なプラスチックグロメットが、ケーシング側壁の開口内に嵌合するように、構成されているとよい。
【0058】
図13は、空圧ブロックモジュール56およびその構成部品の分解図を示している。底蓋186は、主シャーシ184に密封連結され、これによって、空圧ブロックモジュール56の下側外面が形成されることになる。主シャーシ184は、電磁弁インターフェイス118を備えている。電磁弁インターフェイス118は、圧力解除電磁弁116および流れ制御電磁弁120を支持するものである。これらの弁116,120は、逆止弁アセンブリ114に連通し、かつ該逆止弁アセンブリ114を制御するように、構成されている。
【0059】
(図16に示されている)主シール122は、主シャーシ184に連結されている。この主シール122は、表面190を備えている。表面190は、主送風機104を懸垂させ、かつ振動絶縁すると共に、主シャーシ184とボリュートアセンブリ108(上側ボリュート110および下側ボリュート112)との間の多数のシールに接合するようになっている。シールスリット195が、表面190に設けられているとよい。このシールスリット195は、ボリュートアセンブリ108、空圧ブロックの主シャーシ184、および主シール122との間の公差のばらつきを調整するため、かつシール領域が変形しないことを確実なものとするためのものである。シール198,192は、連携して、主送風機の低圧入口側と主送風機の高圧出口側との間を密封するようになっている。空気流35および(もし酸素流45が存在するなら)該酸素流45は、低圧入口側において混合されることになる。密封された入口空間が、主シールと底蓋186のシールとの間に形成されている。図16aおよび図16bに示されているように、主シール122は、以下のシール特徴、すなわち、シール192を用いて、安全弁85と下蓋または底蓋186の開口との間に安全弁の大気に対する安全弁シールインターフェイスをもたらす特徴、およびボリュート出口134に対してボリュート出口シールインターフェイス194をもたらす特徴の1つ以上をもたらすようになっているとよい。また、主シール122は、ボリュートグロメット196を備えていてもよい。ボリュートグロメット196は、ボリュートアセンブリ108上の後部ボリュート支持体152に連結され、空圧ブロックモジュール56内におけるボリュートの支持を補助するように、構成されている。
【0060】
逆止弁アセンブリ114は、クランプリングを用いてNRV空間に保持された薄膜NRVMを備えている。逆止弁アセンブリ114は、送風機入口における流れのレベルを制御するために、下側ボリュート112内に組み込まれ、主送風機104に対して入口側に隣接して配置されている。逆止弁の例として、2011年3月25日に出願された共有の同時係属中のPCT出願番号:PCT/AU2011/000341に記載されているような逆止弁システムが挙げられる。なお、この文献は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0061】
主送風機104は、ボリュートアセンブリによって、保持され、かつ密封されている。換気に必要な圧力および流れをもたらすどのような形態の送風機、例えば、単段式送風機または多段式送風機が利用されてもよい。2010年10月29日に出願されたPCT出願番号:PCT/EP2010/066498(国際特許出願公開第2011/051462号)に記載されているような送風機が用いられてもよい。なお、この文献は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。主送風機104を振動遮断し、および/または主送風機104を支持するために、送風機懸架装置106が主送風機の上方に設けられている。送風機懸架装置106は、主送風機から上蓋182への熱伝達を容易にするヒートシンクとしても機能することができる。ここでは、送風機懸架装置は、伝熱性エラストマーから形成されているとよい。上蓋182は、主送風機104からの熱の放出を容易にするために、熱伝導性材料から形成されているとよい。
【0062】
PEEP送風機124は、PEEPインペラ127およびPEEPボリュート125を備えており、呼気部31の区画内に配置された(図21および図22を参照してさらに詳細に説明する)呼気弁200に対して、必要に応じて、呼気中に圧力源をもたらすように構成されている。PEEP送風機124は、PEEP懸架装置126によって支持されている。PEEP懸架装置は、振動絶縁をもたらし、かつPEEP送風機124の周囲を冷却するために、追従材料から形成されているとよい。例えば、PEEP懸架装置124は、シリコーン、好ましくは、成形されたシリコーンから形成されているとよい。PEEP電磁弁140は、PEEP送風機124から呼気部31への圧力供給を制御するものである。PEEP圧力チューブ188は、PEEP圧力源をもたらすために、呼気部31内のPEEP電磁弁140と(図5aに示されている)PEEP供給ポート172との間に連結されている。
【0063】
ボリュート出口134から流出するガス流のセンサー信号、例えば、圧力信号および/または流れ信号のようなセンサー信号をもたらすために、圧力センサーおよび/または流れセンサーのようなセンサーを備えるセンサーPCB166が、センサーシール136を介して、上側ボリュート110に連結されている。
【0064】
図14および図15に示されているように、ボリュートアセンブリ108は、互いに連結された1つ以上の成形された構成部品、例えば、上側ボリュート110部分および下側ボリュート112部分から組み立てられているとよい。ボリュートアセンブリ108は、空圧ブロックモジュール56内において必要とされる種々の空圧接続部の組立を容易にするために、複数のインターフェイスを備えているとよい。上面図から分かるように、ボリュートは、主送風機104を受け入れるように適合された主送風機ボリュート158を備えており、主送風機104(図示せず)の周りにボリュート領域をもたらすと共に、主送風機104とボリュート出口134との間に主空気経路をもたらしている。また、ボリュートは、PEEP送風機支持体162、PEEP電磁弁支持体160、圧力センサーポート154、流れセンサーポート156、およびボリュート出口134も備えているとよい。ボリュート出口134は、ボリュートアセンブリ108から出る流れの測定を容易にするために、(図14に示されていない)流れ要素132を備えているとよい。呼気流は、流れ要素132前後の差圧を測定するために、流れ要素132内を流れるようになっている。
【0065】
図15に示されているように、ボリュートは、(図15に示されていない)逆止弁アセンブリ114を受け入れるように適合された逆止弁(NRV)チャンバ146も備えているとよい。NRV圧力コネクタチューブ148は、圧力をNRVチャンバ146に伝達するように構成されている。出口マフラー84および安全弁支持体150も、ボリュート内に形成されているとよい。
【0066】
ボリュートアセンブリ108は、後部ボリュート支持体152のような支持体を用いて、空圧ブロックモジュール56のシャーシに組み込まれている。センサーPCB166は、1つ以上のPCBネジボス164を介して、ボリュートアセンブリ108に連結されるとよい。
【0067】
空気は、入口マフラーからNRVチャンバ146介してボリュートアセンブリ108内を流れ、(図13において、「NRVM」と符号が付されている)NRV薄膜を超え、主送風機内に流れる。主送風機の後、空気は、ボリュートに沿って下方に流れ、ボリュート内に形成された出口マフラー内に入る。安全弁85が、出口マフラー84内の安全弁支持体150に配置されている。次いで、空気は、流れ要素132内を通って、ボリュート出口134から流出する。
【0068】
図17a〜図17cは、センサーシール136の実施形態を示している。センサーシール136は、ボリュートアセンブリ108上の構成部品、例えば、センサーポートおよび電磁弁ポート間に連結されるように、かつセンサーPCB166の一体化されたセンサーに連結されるように、構成されている。センサーシール136は、シリコーンのような追従材料から形成されており、PEEP送風機124からPEEP電磁弁140にわたって、PCB上のセンサーとボリュートアセンブリ108上の構成部品との間にシール接続部をもたらしている。センサーシール136は、センサーPCB166をボリュートアセンブリ108に取り付けるように機能していてもよい。また、センサーシール136は、センサーPCB166を衝撃および振動から保護するようになっていてもよい。
【0069】
多数のセンサーを有するセンサーPCB166を多数のポートシールを有するセンサーシール136に嵌合させることによって、圧力センサーとボリュートアセンブリ内の空気通路との間の接続部が、迅速かつ確実に形成されることになる。さらに、センサーPCB166およびその上の圧力センサーの配置が、センサーシール136への特異な取付け方位を可能とし、これによって、圧力センサーがボリュートアセンブリ108内の空気通路に不適切に接続されるおそれが最小限に抑止されることになる。
【0070】
センサーシール136は、図17aに示されている第1の側136aを備えている。第1の側136aは、圧力センサーポート154、流れセンサーポート156、およびボリュート上のPEEP電磁弁支持体160内のPEEP電磁弁140に係合するように、構成されている。図17cに示されているように、第2の側136bは、センサーPCB166上に配置されたセンサーに係合するように、構成されている。第1の側136aは、2つの流れ要素バイパスポート214、すなわち、ボリュート上の流れセンサーポート156に接続された入口ポートおよび出口ポートを備えている。センサーシール136の第2の側136b上において、2つの流れ要素バイパスポート214は、センサーPCB166上の流れ要素に連結されており、これによって、出口ガス流のバイパス流を測定し、出口ガス流の流れ信号を得ることが可能となる。
【0071】
第1の側136aは、出口圧力ポート210および吸気/呼気圧力ポート204も備えている。これらのポート210,204は、ボリュート内の圧力センサーポート154に係合されている。第2の側136bは、出口圧力センサーシール206および吸気/呼気圧力センサーシール212を備えている。これらのポート206,212は、センサーPCB166上に配置された出口圧力センサーおよび吸気/呼気圧力センサーに空圧的に係合し、これによって、出口ガス流および呼気流のそれぞれの圧力測定が可能にするように、構成されている。センサーPCBは、締結具、例えば、ネジによって、ボリュートアセンブリ108に固定されていてもよい。
【0072】
PEEP電磁弁ポート216も、センサーシール136の第1の側136a上に配置されており、ボリュート上のPEEP電磁弁支持体160内に位置するPEEP電磁弁140に係合するように、構成されている。センサーシールの第2の側136bは、PEEP送風機124の出口に接続されるように構成されたPEEP圧力ポート208を備えており、これによって、使用時に、PEEP圧力ポート208は、呼気弁200を制御するためのPEEP圧力をPEEP電磁弁140に供給するように、構成されることになる。
【0073】
空気通路および空圧接続部の大半を空圧ブロックモジュール56の外側ケーシング内に収容することによって、ケーシングの外側に露出する空気チューブの数が最小限に抑えられる。空圧接続部をケーシング内に収容することによって、チューブの離脱によって漏れが生じるおそれ、または空気通路に誤って接続されるおそれが低減することになる。さらに、空圧接続部を空圧ブロックのケーシング内に収容することによって、ハウジング内の構成部品の複雑さが低減することになる。具体的には、空圧接続部の複雑さの一部が空圧ブロックモジュール56に制約されてもよい。
【0074】
人工呼吸器10内の空気通路の全体を取り換えるには、フィルターアセンブリ36、入口シール38、空圧ブロックモジュール56、吸気出口ポート16、および呼気部31の構成部品をハウジングから離脱させ、および/または抜き取り、次いで、取り換えることになる。呼気部31では、以下の構成部品、すなわち、呼気弁200、呼気アダプター202、呼気シール70、センサーフィルター、および流れ要素の1つ以上が取換えられるとよい。人工呼吸器内において空圧接続部をなす複数のチューブを離脱し、再接続する必要がない。何故なら、このような空圧接続部の大半は、取換え可能な空圧ブロックモジュール56内に形成されているからである。空気経路を取り換えるには、新しいフィルターアセンブリ36が入口フィルター支持体176内に挿入され、かつ新しい入口シール38が、入口シール支持体178に連結されることになる。新しい空圧ブロックモジュール56が、ハウジング12に取り付けられ、空圧ブロックモジュール入口の入口シール38に連結されると共に、空圧ブロックモジュール出口における新しい吸気出口ポート16に連結されることになる。(図18を参照して説明する)新しい呼気シール70、センサーフィルター、流れ要素、および呼気弁200または呼気アダプター202が、呼気部31内に挿入されるとよい。いくつかの空気通路接続部は、空圧ブロックモジュールをハウジング内に挿入することによって、形成されることになる。モジュールがハウジング内の適所に位置した後になされる必要のある追加的な空気通路接続部は、比較的わずかである。例えば、PEEP圧力チューブ188が、呼気部31に取り付けられることになる。空圧ブロックモジュール内に空気通路を一体化することによって、従来の人工呼吸器に見られたチューブおよび他の空気通路の複雑な組込みを回避することができる。
【0075】
[呼気部31]
呼気部31は、患者の呼気55を受けるように構成されている。この呼気部は、取外し可能な呼気インターフェイスモジュール、例えば、呼気弁200または種々の目的に合わせて呼気の経路を指定するように機能する呼気アダプター202を受け入れる区画として構成されているとよい。前述したように、シャーシ21は、センサーフィルターおよび呼気流センサーを受け入れるいくつかのインターフェイスを備えている。呼気インターフェイスモジュールの区画用の呼気カバー48は、ハウジング12の分離可能な部品である。呼気カバー48は、解除ボタン50Rおよびラッチダイアル50Lを備えているとよい(図4参照)。ラッチダイアル50Lは、カバーをハウジングから抜き出せるように手で操作可能になっているとよい。呼気カバー48が取り外された後、呼気インターフェイスモジュールをハウジングから外に持ち上げることができる。また、呼気部31の区画は、該区画の内面形状に適合する呼気シール70を受け入れるように構成されているとよい。このシールは、呼気センサーフィルターおよび呼気流センサーを保持し、かつ密封するように構成されているとよく、呼気経路指定モジュール(例えば、呼気アダプターおよび呼気弁)に接続されると共にハウジング12内の空気通路に接続される空気ポートを備えているとよい。呼気シール70は、変形可能になっており、呼気インターフェイスモジュールに構造的支持をもたらし、モジュールを衝撃および振動から保護し、および呼気部31内のセンサーおよびポートへの埃および汚染物の侵入を最小限に抑えるのを助長するようになっているとよい。
【0076】
図18aおよび図18bは、例示的な呼気シール70を示している。呼気シール70は、呼気部31の区画内に挿入されるように構成されており、ハウジング12のシャーシのガスポートインターフェイスと呼気経路指定モジュールとの間に密封接触面を形成するようになっている。この例では、ガス経路指定モジュールは、呼気部31内に挿入され、区画のシールおよびガスポートインターフェイスに対して密封締り嵌めを形成するようになっているとよい。任意選択的なタブ218が、呼気シール70に設けられているとよい。このタブ218は、該タブ218を引っ張り、呼気シール70を抜き取ることによって、呼気シール70の取外しを容易に行うためのものである。好ましくは、呼気シール70は、呼気部31内への挿入のための適切な位置合せを容易にするために、不規則または特異な形状を有している。任意選択的に、呼気インターフェイスモジュール(例えば、呼気弁200または呼気アダプター202)の挿入のための位置合せ特徴部を形成するために、開口226が、呼気部31内において呼気シール70とシャーシ21との間に形成されているとよい。
【0077】
呼気シール70は、複数の密封された空圧通路、例えば、PEEP供給通路220、呼気圧センサー通路222、および一対の呼気流れセンサー通路224を備えているとよい。PEEP供給通路220は、シャーシ21の呼気部31に形成されたPEEP供給ポート172と呼気インターフェイスモジュール(例えば、呼気弁200または呼気アダプター202)上の呼気供給ポートとの間を接続するように、構成されている。PEEP供給通路は、PEEPガス流に対して経路をもたらすものである。呼気インターフェイスモジュールを特異な位置合せ位置にある呼気シール70上に着座させることによって、モジュールの空気通路が、人工呼吸器内の空気通路、センサー、およびフィルターと適切に位置合せされることになる。
【0078】
呼気流センサーおよび圧力センサー用のセンサーフィルターが、シャーシの呼気部区画内に着座している。これに関して、呼気流センサーインターフェイス170およびシャーシ21内のセンサーフィルターインターフェイス168が、図5aに示されている。呼気シール70は、流れセンサーおよびセンサーフィルターの全体にわたって着座している。呼気圧力センサー通路222は、センサーフィルターと呼気インターフェイスモジュール上の圧力ポートとの間に通路を形成している。呼気流量を測定するために、一対の呼気流センサー通路222が、呼気インターフェイスモジュール内に位置する流れ要素にバイパス流をもたらすようになっている。一対の呼気流センサー通路224は、流れセンサーと呼気インターフェイスモジュール上の流れポートとの間に接続されている。従って、通路222,224は、呼気インターフェイスモジュール(例えば、呼気弁200)内の空気通路をハウジング12内のセンサーに接続する導管をもたらすことになる。
【0079】
図19a〜図19dおよび図20a〜図20cは、呼気区画内の呼気シール上に着座される呼気インターフェイスモジュールとして構成された例示的な呼気弁200を示している。図21a〜図21dおよび図22a〜図22cは、呼気区画内の呼気シール上に着座されるように代替的に適合された例示的な呼気アダプター202を示している。
【0080】
図19a〜図19dに示されている呼気弁200は、患者の呼気を受ける空気送達導管(図示せず)に接続されるように適合された呼気入口238を備えているとよい。呼気は、呼気弁200内を通って、呼気出口ポート240を介して大気に流出するようになっている。呼気弁200は、呼気弁を呼気シール70に対して正確に位置決めし、かつ保持するのを助長する少なくとも1つの位置合せタブ228を備えているとよい。位置合せタブ228は、呼気シールがシャーシ21内に挿入されたとき、シャーシ21と呼気シール70との間に形成される開口226内に受け入れられるようになっているとよい。
【0081】
呼気弁200は、PEEP圧力ポート232、圧力センサーポート234、および一対の流れセンサーポート230を備えている。これらのポートは、呼気弁200が呼気シール70上に着座したとき、呼気シール70内のPEEP供給通路220、呼気圧力センサー通路、および呼気流れセンサー通路と真っ直ぐに並ぶようになっている。呼気流れ要素236は、呼気入口238内における(呼気弁内の一対の流れセンサーポート230間の呼気流経路または通路にある)位置に配置されているとよい。流れセンサーポート230によって、流れセンサーは、患者の呼気の流量を検出することが可能である。同様に、呼気弁の内部通路に接続された圧力センサーポート234によって、圧力センサーは、呼気の圧力を検出することができる。PEEP圧力ポート232は、PEEP送風機124からの加圧ガスの供給を受け入れ、該ガスを呼気弁内に送給するように構成されており、該ガスの流れを用いて、呼気弁200の取外し可能な弁キャップ242内に配置されたPEEP薄膜の作動を制御するようになっている。
【0082】
呼気弁200は、人工呼吸器が二重肢換気システムとして機能するように、すなわち、個別の吸気送達導管および呼気送達導管が用いられるように、呼気区画内に挿入されるとよい。ここでは、人工呼吸器10によって生じた吸気供給は、吸気出口ポート16に連結された吸気導管を介して、患者インターフェイス装置に送達されることになる。患者の呼気は、呼気導管を介して、人工呼吸器10の呼気部31に逆に送達されることになる。呼気弁200は、PEEP送風機124と連携して、呼気中、呼気終端陽圧を調整するように適合されている。
【0083】
図20a〜図20cは、人工呼吸器10の呼気部31内への呼気弁200の挿入および人工呼吸器10の呼気部31の区画内の呼気弁200を保持するための呼気カバー48の挿入を示している。
【0084】
図21a〜図21dは、人工呼吸器10の呼気部31の区画内の呼気シール70上に着座されるように構成された呼気アダプター202の実施例を示している。呼気アダプターは、異なるガス経路指定目的を部分的に果たすにもかかわらず、同一の区画および同一のシール内への挿入を容易にするために、呼気弁200のインターフェイス構成と相補的なインターフェイス構成を有している。また、呼気アダプター202は、呼気アダプター202を呼気シール70に正確に位置合せし、かつ保持するのを助長するために、少なくとも1つの位置合せタブ228を備えていてもよい。位置合せタブ228は、呼気シールがシャーシ21内に挿入されたとき、シャーシ21と呼気シール70との間に形成される開口226内に受け入れられるようになっているとよい。
【0085】
呼気アダプター202は、呼気弁200と同様、PEEP圧力ポート232および圧力センサーポート234を備えている。しかし、呼気アダプターは、PEEP圧力を制御するためのPEEP薄膜を備えていない。何故なら、これは、近位呼気弁(図示せず)に設けられているからである。PEEP圧力ポート232は、アダプターPEEP制御ポート246に連結されるチューブを介して、PEEP送風機124からPEEP圧力を近位呼気弁に送給するようになっている。呼気の圧力測定は、他の小さいチューブ接続部を介して、アダプター圧力入口ポート244に呼気を送達することによって、行われる。アダプター圧力入口ポート244は、呼気アダプター202内に接続されており、圧力センサーによって圧力を測定するための圧力センサーポート234に呼気を送給するようになっている。
【0086】
この実施形態では、呼気アダプター内の流れ要素を通る呼気流が存在していない。何故なら、呼気流測定の必要がないからである。従って、ポート248は、空ポート(例えば、非接続通路)とされているとよい。これらのポート248は、呼気アダプター202を呼気シール70に対して密封位置で位置合せし、かつ保持するのを助長するために用いられるとよい。
【0087】
呼気区画内への呼気アダプターの挿入によって、人工呼吸器は、近位呼気弁を有する単一肢換気システムとして機能することができる。このようなシステムでは、呼気弁に対して前述したのと同じように、吸気ガス導管が、吸気出口ポート16に接続されている。しかし、呼気ガス導管は、存在していない。何故なら、近位呼気弁は、患者の近位に接続されているからである。近位呼気弁は、患者の近位位置において、呼気55の大半を放出するようになっている。
【0088】
図23〜図30に関して説明するように、空圧カプラー2300は、人工呼吸器の呼気アダプター202のポート用の取外し可能な接続部として、および患者回路または患者インターフェイス用の導管にとして機能するように、適合されているとよい。このようなカプラーは、ポートと患者回路の導管との間の不正確な接続を回避するために、1つのやり方でのみアダプター202の多数のポートに確実に連結する構造を有するように、構成されているとよい。
【0089】
例えば、図示されているように、カプラー2300は、人工呼吸器接続端2301および患者回路端2303を有しているとよい。カプラー2300の人工呼吸器接続端2301は、第1および第2のポートコネクタ2302−1,2302−2を備えているとよく、これによって、例えば、近位弁に対する単一患者回路から人工呼吸器に至る空圧インターフェイスとして機能することができる。これらのポートは、第1および第2のガス通路2302−1−GC,2302−2−GCを備えている。カプラー2300の第1のポートコネクタ2302−1は、呼気アダプター202のアダプター圧力入口ポート244にのみ連結するように構成されているとよい。なお、このポートは、患者の圧力を検出するためのものである。カプラー2300の第2のポートコネクタ2302−2は、呼気アダプターのPEEP制御ポート246にのみに連結されるように構成されているとよい。なお、このポートは、PEEP圧力を制御するためのものである。カプラー2300の人工呼吸器接続端2301と人工呼吸器10の呼気アダプター202との間のこのような接続は、例えば、ポートにおける締り嵌めであるとよい。
【0090】
カプラーは、ポートおよびポートコネクタの適切な位置合せを助長するために、接続リング2304のような位置合せ隆起も備えているとよい。これに関して、位置合せ隆起は、例えば、締り嵌めによって、人工呼吸器の構造、例えば、人工呼吸器のハウジングの受容通路RCに挿入されるように構成されているとよい。組み合わされた構造は、一方向のみの挿入を可能にするように構成されているとよい。例えば、接続リング2304は、(図22Cに最もよく示されている)呼気部31の受容通路RC内に挿入されるように寸法決めされ、かつ構成されているとよい。このような挿入によって、ポートとポートコネクタとの適切な位置合せおよび密封が可能になる。これに関して、第1のポートコネクタは、それ自体が円筒状であるとよく、接続リングの(図26に最もよく示されている)内側円筒空間2344のより大きい周囲の部分内に配置されているとよく、図示されているように、接続リングの中心から位置ずれしているとよく(すなわち、円筒空間の中心軸から位置ずれしているとよい)。この実施形態では、内側円筒空間2344自体は、呼吸治療システムの圧力またはガス用の通路またはガス路として機能していない。第2のポートコネクタも円筒状であるとよく、接続リングの周囲の外側または円筒空間の外側に配置されているとよい。このように、多数の導管用の単一カプラーは、多数(例えば、2つ以上)のポートの適切な接続のみを可能とするために、1つの位置合せ方位でのみ接続されるように構成されているとよい。
【0091】
カプラーの患者回路端2303は、適切な方位にある結合された導管、例えば、患者インターフェイス(図示せず)を含む患者回路の柔軟チューブを有しているとよい。例えば、図示されている実施形態では、これらの導管は、カプラーに接合されていてもよいし、またはカプラーと一体に形成されていてもよい。これらのチューブの1つ以上が、近位弁(図示せず)に繋がっているかまたは接続されているとよい。このようなチューブは、(例えば、患者マスク(図示せず)からの)患者圧力信号用の空圧導管および人工呼吸器から近位弁への空圧制御圧力用の空圧導管をもたらすことになる。図示されている例示的な実施形態では、呼気導管2306は、カプラーの第1のポートガス通路2302−1−GCを介して、アダプター圧力入口ポート244に繋がっており、PEEP制御導管2308は、カプラーの第2のポートガス通路2302−2−GCを介して、PEEP制御ポート246に繋がっている。図示されているように、カプラーは、各ポート接続部が同一寸法および形状を有する双接続部として機能するようになっているとよい。例えば、第1のポートコネクタ2302−1および第2のポートコネクタ2302−2の2つの接触点の直径および形状は、同一であるとよい。例えば、いずれのポートコネクタも同一の円筒コネクタおよびガス通路寸法を有しているとよい。にもかかわらず、位置合せ特徴部を備えるカプラーの構造的構成は、全体として、どのポートコネクタが呼気アダプターのどのポートに接続されるかに関するどのような混乱も防ぐことができる。導管2308,2306の対向端において、患者インターフェイスおよび近位弁がそれらの導管2308,2306と一体化または接合されない場合、それにもかかわらず、導管が(例えば、1つのみの位置合せ配向において)患者インターフェイスおよび近位弁のポートに適切に連結することを確実なものとするために、多ポートカプラー設計がその対向端において実施されてもよい。
【0092】
一般的に、カプラー2300は、エラストマー材料から形成されているとよい。エラストマー材料は、人工呼吸器および呼気アダプターに対する密封接続を促進することができる。コネクタは、連結されたアセンブリが可能な限り妨害物にならないようにするために、人工呼吸器ハウジングの形状および形態と整合するように設計されているとよい。例えば、接続リング2304は、湾曲した一端CEが面取りされた円筒構造であるとよく、これによって、適切に挿入されたとき、人工呼吸器ハウジングの輪郭の外面に適合する表面(例えば、略同一平面の表面)を有することができる。同様に、導管をハウジングの最近接部に保持するために、カプラー屈曲部CBが設けられてもよい。これに関連して、この屈曲部は、カプラーのガス通路を傾斜角(例えば、45°屈曲、90°屈曲、など)で導くようになっているとよい。
【0093】
本明細書では、「〜を備える(comprising)」という用語は、その「オープン(open)」の意味、すなわち、「〜を含む(including)」の意味で理解されたい。従って、「〜を備える(comprising)」という用語は、その「クローズド(closed)」の意味、すなわち、「〜のみからなる(consisting only of)」の意味に制限されるものではない。もし同様の用語「comprise」、「comprised」、および「comprises」が用いられているなら、これらの用語にも、同様の意味が適用されることになる。
【0094】
本明細書における周知の先行技術のどのような言及も、相反する指摘がなされていない限り、このような先行技術が本発明の関連する当技術分野のおける当業者によって一般的に知られていることの承認をなすものではないことをさらに理解されたい。
【0095】
本技術をいくつかの実施例に関連して説明してきたが、本技術は、開示されている実施例に制限されず、むしろ、本技術の精神および範囲に含まれる種々の修正形態および同等の構成を含むことが意図されていることを理解されたい。また、前述の種々の実施例は、他の実施例と併せて実施されてもよく、例えば、さらに他の実施例を実現するために、1つの実施例の1つ以上の態様が、他の実施例の1つ以上の態様と組み合わされてもよい。さらに、任意のアセンブリの独立した各特徴または構成要素が、付加的な実施例を構成することがあってもよい。加えて、本技術は、侵襲性および非侵襲性換気への特定の応用を有しているが、種々の呼吸関連疾患または疾病(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術、など)を患っている患者が、前述の示唆から利得を得ることができることを理解されたい。さらに、前述の示唆は、患者のみならず非医学的な用途における非患者に対する利用可能性も有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸可能ガスの流れを患者にもたらすように構成された呼吸治療装置であって、呼吸可能空気出口と、外気入口と、空圧ブロックモジュールとを備えている、呼吸治療装置において、前記空圧ブロックモジュールは、
入口空気通路、送風機用のマウント、および出口空気通路を備えるボリュートアセンブリであって、
前記送風機は、前記送風機のインペラが前記入口空気通路と前記出口空気通路とを接続する流路にあるように、前記マウントに取り付けられている、
ボリュートアセンブリと、
前記ボリュートアセンブリを密閉しているケーシングであって、前記ケーシング内の空気通路が前記ボリュートアセンブリの空気ポートに接続されている、ケーシングと、
を備えており、
前記ボリュートアセンブリの前記入口空気通路は、前記外気入口に流体連通しており、前記ボリュートアセンブリの前記出口空気通路は、前記空気出口に流体連通していることを特徴とする呼吸治療装置。
【請求項2】
前記装置は、人工呼吸器であることを特徴とする、請求項1に記載の呼吸治療装置。
【請求項3】
前記ボリュートアセンブリは、成形された剛性プラスチック装置であることを特徴とする、請求項1または2に記載の呼吸治療装置。
【請求項4】
前記ケーシングは、金属製であり、下側部および上カバーを有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の呼吸治療装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、前記外気入口と前記ボリュートの前記入口空気通路との間に空気通路を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の呼吸治療装置。
【請求項6】
前記ケーシング内の前記空気通路は、前記ケーシングの底板と前記底板用カバーとの間に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の呼吸治療装置。
【請求項7】
前記外気入口と一直線に並んだ取外し可能な入口フィルターアセンブリをさらに備えており、前記取外し可能な入口フィルターアセンブリは、前記空気入口を備えるケーシング内に保持されており、前記ケーシングおよび前記入口フィルターアセンブリは、前記呼吸治療装置のハウジングから取外し可能になっていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の呼吸治療装置。
【請求項8】
前記ボリュートアセンブリとプリント基板との間に挟まれた変形可能なコネクタをさらに備えており、前記プリント基板上の圧力センサーは、前記プリント基板が前記ボリュートアセンブリ上に着座したとき、前記コネクタを通るポートと真っ直ぐに並ぶようになっており、前記コネクタの前記ポートは、前記ボリュートアセンブリ内の空気通路に開いていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の呼吸治療装置。
【請求項9】
呼吸治療をもたらすための呼吸治療装置において、
流れ発生器を備える空圧ブロックモジュールと、
前記流れ発生器を制御するプロセッサを備える制御装置と、
前記制御装置および前記空圧ブロックに連結するように構成されたシャーシであって、1つ以上の外部ハウジングカバーに係合するように構成されている、シャーシと、
を備えており、
前記シャーシは、複数の個別の呼吸部品区域を備えており、前記呼吸治療装置の操作構成部品は、互いに分離されていることを特徴とする呼吸治療装置。
【請求項10】
前記個別の呼吸部品区域の1つは、呼気部区画からなっており、前記装置は、前記呼気部区域用の外側アクセスハッチをさらに備えていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記呼気部区画は、ガスポートインターフェイスを備えていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ガスポートインターフェイスは、呼気圧力検出用ポート、PEEP空気供給用ポート、および呼気流検出用の1組のポートの1つ以上を備えていることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
呼気シールをさらに備えており、前記呼気シールは、前記呼気部区画の内面に適合するように構成されており、前記呼気シールは、前記区画内に挿入されるように構成された呼気経路指定モジュールとインターフェイス接続する前記ガスポートを密封するように、さらに構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記区画内に取外し可能に挿入されるように構成された前記呼吸経路指定モジュールをさらに備えており、前記呼気経路指定モジュールは、前記区画の前記ガスポートインターフェイスと嵌合するように構成されたガスポートインターフェイスを備えていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記呼気経路指定モジュールは、ガス経路指定通路および流れ要素を備えており、前記ガス経路指定通路は、前記流れ要素前後の差圧を測定するために、呼気流れを前記流れ要素内に送るようになっていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記呼気経路指定モジュールは、PEEP供給通路を備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記PEEP供給通路は薄膜を備えていることを特徴とする求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記呼気経路指定モジュールは、圧力検出用の呼気圧経路指定通路を備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記ガス経路指定モジュールの前記ガスポートインターフェイスは、空ポートを備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項20】
前記呼気経路指定モジュールは、呼気圧検出入口ポートを備えていることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記個別の呼吸部品区域の1つは、吸気部区画からなっており、前記装置は、外部アクセスカラーを備えるフィルターアセンブリをさらに備えており、前記フィルターアセンブリは、前記区画内に取外し可能に挿入可能になっており、前記フィルターアセンブリは、前記流れ発生器への供給空気を濾過するように構成されている、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項22】
前記シャーシは、空圧ブロックモジュールシートをさらに備えており、前記シートは、前記空圧ブロックモジュールの周面に適合するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項23】
呼吸治療装置内に挿入されるガス経路指定モジュールであって、呼吸治療装置のシャーシの個別の区画のガスポートインターフェイス内に連結されるように構成されている、ガス経路指定モジュールにおいて、
呼気流とガス連通するように構成された複数のガス経路指定通路と、
ガスポートインターフェイスであって、前記複数のガス経路指定通路とガス連通している複数のガスポートを備えているガスポートインターフェイスと、
を備えており、
前記ガスポートインターフェイスは、(a)呼気圧検出用ポート、(b)PEEP空気供給用ポート、および(c)前記モジュールの前記複数のガス経路指定通路の1つ以上を通る呼気流検出用の1組のポート、の2つ以上を備えていることを特徴とするガス経路指定モジュール。
【請求項24】
流れ要素をさらに備えており、前記複数のガス経路指定通路の1つは、前記流れ要素前後の差圧を測定するために、呼気流を前記流れ要素内に送るように構成されていることを特徴とする、請求項23に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項25】
前記モジュールの前記複数のガス経路指定通路の1つは、PEEP供給通路からなっていることを特徴とする、請求項23または24に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項26】
前記PEEP供給通路は、薄膜を備えていることを特徴とする、請求項25に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項27】
前記薄膜にアクセスするための取外し可能なカバーをさらに備えていることを特徴とする、請求項26に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項28】
前記モジュールの前記複数のガス経路指定通路の1つは、圧力検出用の呼気圧力経路指定通路からなっていることを特徴とする、請求項23〜27のいずれか1つに記載のガス経路指定モジュール。
【請求項29】
前記ガス経路指定モジュールの前記ガスポートインターフェイスは、空ポートを備えていることを特徴とする、請求項23に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項30】
前記モジュールの前記複数のガス経路指定通路の1つは、呼気圧力検出入口ポートを備えていることを特徴とする、請求項23に記載のガス経路指定モジュール。
【請求項31】
呼吸治療装置のガス経路指定モジュール用カプラーにおいて、
複数の空圧通路を有するカプラー本体と、
第1および第2のポートコネクタであって、前記カプラー本体の人工呼吸器接続端において、呼吸治療装置に接続されるように、前記カプラー本体上に構成されている、第1および第2のポートコネクタと、
第1および第2の導管であって、前記カプラー本体と一体になっており、それぞれ、前記第1および第2のポートコネクタに連結された空圧通路として構成されている、第1および第2の導管と、
前記カプラー本体の位置合せ隆起であって、前記第1および第2のポートコネクタの方位を前記呼吸治療装置との1つのみの接続形態に制限するように構成されている、位置合せ隆起と、
を備えていることを特徴とするカプラー。
【請求項32】
前記位置合せ隆起は、前記呼吸治療装置のハウジング通路内に挿入される接続リングを備えていることを特徴とする、請求項31に記載のカプラー。
【請求項33】
前記位置合せ隆起は、円筒空間を備えており、前記第1のポートコネクタは、前記円筒空間の内部に位置ずれして形成されていることを特徴とする、請求項31または32に記載のカプラー。
【請求項34】
前記第2のポートコネクタは、前記円筒空間の外部に形成されていることを特徴とする、請求項31〜33のいずれか1つに記載のカプラー。
【請求項35】
前記第1のポートコネクタは、呼吸マスクからの呼気圧用のガス通路を備えていることを特徴とする、請求項31〜34のいずれか1つに記載のカプラー。
【請求項36】
前記第2のポートコネクタは、近位弁用のPEEP制御ガス通路を備えていることを特徴とする、請求項31〜35のいずれか1つに記載のカプラー。
【請求項37】
前記位置合せ隆起の前記接続リングは、面取りされた円筒を備えており、前記面取りされた円筒の表面は、前記呼吸治療装置のハウジング外面と真っ直ぐに並ぶように構成されていることを特徴とする、請求項32に記載のカプラー。
【請求項38】
前記カプラー本体は、前記カプラーの前記空圧通路の方向を傾斜させた曲げ部を備えていることを特徴とする、請求項31〜37のいずれか1つに記載のカプラー。
【請求項39】
人工呼吸器の操作を良好な状態に維持するための方法において、
空圧ブロックを人工呼吸器ハウジングの区画から取り外すことであって、前記人工呼吸器は、患者環境内に配置されており、前記空圧ブロックは、ケーシング、ボリュートアセンブリ、送風機、空気通路、およびセンサーを備えており、かつ統合校正記録を有している、ことと、
空圧ブロックを前記人工呼吸器ハウジングの前記区画内に挿入することと、
前記患者環境内において前記人工呼吸器の操作を試験することと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項40】
前記挿入は、前記取り外した空圧ブロックを、点検後に、前記人工呼吸器を操作するために前記人工呼吸器ハウジング内に戻すことを含んでいることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記人工呼吸器の試験操作は、前記戻された空圧ブロックによって行われるようになっていることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記挿入は、前記取り外された空圧ブロックに代わって、第2の空圧ブロックを前記人工呼吸器ハウジング内に挿入することを含んでいることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記人工呼吸器の前記試験操作は、前記第2の空圧ブロックによって行われるようになっていることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記取り外された空圧ブロックを再使用するために点検することをさらに含んでいることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記取り外された空圧ブロックの前記点検は、前記空圧ブロックを清浄化することを含んでいることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記取り外された空圧ブロックの前記点検は、前記空圧ブロックの1つ以上の構成部品の操作を校正することを含んでいることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記点検は、前記患者環境内において行われるようになっていることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記点検は、前記患者環境内において操作可能な前記人工呼吸器と同時期に、前記患者環境から離れて行われるようになっていることを特徴とする、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記挿入の前に、前記挿入される空圧ブロックを予め校正することをさらに含んでいることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
人工呼吸器ハウジング内に取外し可能に挿入される空圧ブロック装置において、
空気通路を備えるケーシングと、
ボリュートアセンブリと、
送風機であって、前記ボリュートアセンブリに連結されている、送風機と、
を備えており、
前記ケーシングは、前記ボリュートアセンブリを密閉しており、前記ケーシングの前記空気通路は、前記ボリュートアセンブリ上の空気ポートに接続されていることを特徴とする空圧ブロック装置。
【請求項51】
統合校正記録をさらに備えていることを特徴とする、請求項50に記載の空圧ブロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b.10c】
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【図10d】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−71004(P2013−71004A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−212683(P2012−212683)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(512249102)レスメド・パリ・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ (2)