説明

人工授精材

【課題】子宮内に出来るだけ多くの精子を自然な状態で体外から送りこみ、且つ、子宮内で免疫細胞から隔離された状態で精子が授精能を獲得するのに十分な時間を確保することが可能な人工授精材を提供する。
【解決手段】340,000ダルトン未満の分子は通過可能な孔径を有し、子宮内に投与されてから6〜10時間後に崩壊する基剤およびゲル化剤から構成されるハードカプセルからなることを特徴とする人工授精材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採取した精子を体外から子宮内に送達させるために用いる人工授精用のカプセルに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物の精子が男性の生殖管から離れるとき形態的に完全であり、そして激しい運動が可能であるが、それらは卵子をすぐに授精できない。精子が生理的かつ機能的な変化を起こし、卵子を授精する能力を得ることは、授精能獲得とよばれる。精子授精能獲得は、子宮内において様々な液性因子と接触することによって行われる。一度授精能を獲得すると、精子は透明体の貫通および卵子の形質膜との融合のための必要条件である先体反応を行うことができる。
従来、人工授精においては遠心分離による方法、あるいは精子自身の運動性により分離する方法により精液より未成熟精子、他細胞成分、精漿などを除去し、正常な運動精子を選択採取する。この際に、精子授精能を誘起する分子を含んだ培地で精子に授精能を付与し妊娠率を高める試みも行われている。選択採取された精子は、特許文献1に記載されるような人工授精用カテーテル装置に吸引され、柔軟性材料で作製されたカテーテルを膣から徐々に子宮口に挿入した後、子宮にゆっくりと注入される。
【0003】
しかしながら、従来の人工授精法には妊娠効率が低いといった問題がある。妊娠効率が低い主な原因は、精子が授精能を獲得する前に子宮内で免疫細胞を接触するため、結果として授精能を獲得する精子数が少なく、最終的に卵子を授精できないためであると本発明者は推察している。精子授精能獲得のメカニズムはいまだ不明な点が多く、授精能獲得を促進する分子の特定が行われていないことから、従来のように生体外において精子授精能を誘起する分子を含んだ培地で精子に授精能を獲得させようと試みても、効率よく大部分の精子が授精能を獲得することは困難である。
特許文献2のように生体外において効率よく大部分の精子に授精能を獲得させることを目的とし、人工的に作製された精子授精能を誘起する分子を用いて精子に授精能を獲得させているが、この方法は精子に遺伝的ダメージをもたらす可能性が否定できないため危険である。
【0004】
そこで、採取した精子をできるだけ自然な状態で子宮に送達させる方法が検討されている。例えば、非特許文献1では、妊娠効率を向上させることを目的とし、ウシ精子をアルギン酸ナトリウムとポリ-L-リジンからなるマイクロカプセル状の材に混入させたものを子宮に送達している。しかしながら、この方法では予め用意されたカプセル中に精子を封入するのではなく、マイクロカプセルの材料であるアルギン酸ナトリウムの溶液中に精子を添加し、アルギン酸と精子の混合溶液を調製し、さらにこの混合溶液をカルシウムイオン、ポリ-L-リジン溶液中に添加して得た溶液を用いてマイクロカプセル状の材に形成している。そのため、すべての精子を封入できるわけでなく、一部の精子を無駄にしてしまうといった欠点を有する。
【0005】
男性不妊において患者の精子数が少ない場合、この欠点が致命的になるため出来る限り自然な状態で、精子全部を無駄なく子宮内に送達させ、子宮内で効率的に精子授精能を誘起させることが望まれている。
【特許文献1】特開2004−329745号公報
【特許文献2】特開平11−346596号公報
【非特許文献1】Nebel , R.L. 他, Biotech. Adv. , Vol.12 , p41−48(1994)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即ち、本発明は、子宮内に出来るだけ多くの精子を自然な状態で体外から送りこみ、且つ、子宮内で免疫細胞から隔離された状態で精子が授精能を獲得するのに十分な時間を確保することが可能な人工授精材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために種々鋭意検討した結果、予め用意した340,000ダルトン未満の分子は通過可能な孔径を有し、子宮内に投与されてから6〜10時間後に崩壊する基剤およびゲル化剤から構成されるハードカプセルからなる人工授精材を用いて精子を子宮内に投与すると顕著な妊娠効率の向上が見られることを見出し本発明を完成せしめた。
【0008】
即ち、本発明は、
[1] 基剤およびゲル化剤から構成されるハードカプセルからなる人工授精材であって、該ハードカプセルは340,000ダルトン未満の分子が通過可能な孔径を有し、且つ、子宮内に投与されてから6〜10時間後に崩壊することを特徴とする人工授精材。
[2] 当該基剤がプルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれ、当該ゲル化剤がカラギーナン、キサンタンガムから選ばれる[1]に記載の人工授精材。
[3] 当該基剤がプルランからなり、当該ゲル化剤がカラギーナンからなる[2]に記載の人工授精材、
に関する。
【発明の効果】
【0009】
当該人工授精材を子宮内へ投与したところ、従来の人工授精用カテーテルを用いた人工授精と比較し、効率よく大部分の精子が授精能を獲得し、妊娠効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について、以下、具体的に説明する。
本発明の人工授精材は、340,000ダルトン未満の分子は通過可能な孔径を有し、子宮内に投与されてから6〜10時間後に崩壊する基剤およびゲル化剤から構成されるハードカプセルからなるものである。
本発明で用いられるハードカプセルとは、キャップ部とボディ部を別々に成形し、内容物を充填した後にはめ込まれるカプセル被膜を指す。このハードカプセルは従来の浸漬法によるゼラチンハードカプセル製造用装置をそのまま使用して製造することができるため、製造が容易である。
【0011】
本発明で用いられる基剤とは、精子を安定して封入できる材料であれば特にその成分組成は制限されず、為外性を示さない材料であることが好ましい。
具体例としては、プルラン、アルギン酸塩、アルギン酸誘導体、ヘパリン、キチン、キトサン、アガロース、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類および多糖類誘導体、ゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質、ポリエチレングリコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミノ酸などの合成高分子が挙げられる。これらを単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
中でも、プルラン、アルギン酸塩、アルギン酸誘導体、ヘパリン、キチン、キトサン、アガロース、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類および多糖類誘導体が好ましく、プルランはより好ましい。
【0012】
本発明で用いられるゲル化剤とは、基剤が温度変化によりゲル化するのを補助する材料であれば特にその成分組成は制限されず、為外性を示さない材料であることが好ましい。 具体例としては、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラギーナン、タマリンド種子多糖、ペクチン、カードラン、ファーセレラン、寒天などが挙げられる。これらを単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
中でも、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラギーナンが好ましく、カラギーナンが特に好ましい。
なお、ゲル化剤としてカラギーナンを用いる場合は、ゲル化補助剤として、カリウムイオン、アンモニウムイオン、カルシウムイオンを与える水溶性化合物、例えば塩化カリウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウムなどと共に用いることができる。
【0013】
本発明の人工授精材の製造方法は、従来のハードカプセルを製造するのと同様の方法で、基剤、ゲル化剤、可塑剤を水に溶解させカプセル調製液を得る。水への成分の溶解順序に特に制限はない。溶解温度も特に制限されないが、40〜100℃とすることが推奨される。カプセル形成用ピンを浸漬する温度も適宜選定されるが、30〜80℃が好ましく、40〜60℃とすることがより好ましい。均一溶融したカプセル調製液にカプセル形成用ピンを浸漬し、これを引き上げて、このピン上でピンに付着したカプセル調製液をゲル化、乾燥する。そして、引き続き、これを基剤、ゲル化剤に対しての溶解性がなく、可塑剤に対しての溶解性がある溶媒に浸漬し、引き上げて、乾燥するものである。
【0014】
ここで、当該カプセル調製液中の基剤濃度は15〜30質量%とすることが好ましい。ゲル化剤濃度は1.6〜5質量%とすることが好ましい。可塑剤濃度は1.6〜5質量%とすることが好ましい。
ここで、可塑剤を取り除いたカプセル中の基剤濃度は75〜95質量%とすることが好ましい。ゲル化剤濃度は5〜25質量%とすることが好ましい。
本発明で用いられる可塑剤とは、相分離温度以上においては、基剤と均一溶融し、相分離温度以下にすることにより基剤と相分離を起こす材料であれば特にその成分組成は制限されず、為外性を示さない材料であることが好ましい。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビトールなどが挙げられる。
【0015】
本発明で採用される孔径とは、粒子内部への出入りが可能である最大分子量の大きさで規定するものである。孔径としては、340,000ダルトン未満の分子が通過可能な孔径であればよく、300,000ダルトン以下の分子が通過可能な孔径であることが好ましく、150,000ダルトン以下の分子が通過可能な孔径であることがより好ましい。340,000ダルトン未満の分子が通過可能な孔径であれば、子宮内において精子の授精能獲得に関与する液性因子は人工授精材を出入りすることは可能であるが、人工授精材に封入された精子や免疫細胞といった細胞性因子は人工授精材を出入りすることはできない。これにより、子宮腔内において免疫細胞から隔離された状態で、効率よく大部分の精子が授精能を獲得することが期待される。
【0016】
孔径は、熱誘起型の相分離により形成されるため、基剤、ゲル化剤、可塑剤の粘度、カプセル調整液の溶解温度などにより決定される。従って、基剤の種類、ゲル化剤の種類、可塑剤の種類、可塑剤の分子量、カプセル調整液の溶解温度などにより制御できるが、可塑剤の分子量により制御することが好ましい。
孔径制御の具体的な一例として、基剤をプルラン、ゲル化剤をカラギーナン、可塑剤をポリエチレングリコール、カプセル調整液の溶解温度を50℃とした際には、ポリエチレングリコールの数平均分子量は200〜2000であることが好ましい。ポリエチレングリコールの分子量が大きくなると孔径は小さくなる。
【0017】
本発明で言うところの崩壊とは、人工授精材内部から80%以上の精子の放出が可能になるまで人工授精材が崩壊することと規定する。従って、崩壊時間とは人工授精材が子宮内に投与されてから人工授精材内部から80%以上の精子の放出が可能になるまでの時間である。
崩壊時間としては、子宮内に投与されてから6〜10時間後であることが好ましい。崩壊時間が子宮内に投与されてから6〜10時間後であれば、子宮内において免疫細胞から隔離された状態で精子が授精能を獲得するのに十分な時間があり、かつ授精能を獲得した精子が人工授精材の外側に出て、授精の場である卵管膨大部にまで遊泳し卵子を授精させることを可能にする。崩壊時間は、基剤とゲル化剤の種類とその割合で制御できるが基剤とゲル化剤の割合により制御することが好ましい。
【0018】
崩壊時間制御の具体的な一例として基剤をプルラン、ゲル化剤をカラギーナン、可塑剤をポリエチレングリコール、カプセル調整液の溶解温度を50℃とした際には、カプセルのゲル化剤濃度は5〜25質量%とすることが好ましく、10〜20質量%とすることがより好ましい。カプセルの基剤濃度は75〜95質量%とすることが好ましく、80〜90質量%とすることがより好ましい。
【0019】
以上のような製造条件で製造した本発明の人工授精材への精子封入方法は、人工授精材としてのハードカプセルの中にピペットなどを用いて採取した精子を全部封入することで達成できる。従って、非特許文献1のようなマイクロカプセルに精子を封入する方法とは原理が根本的に違い、カプセル調製段階と精子封入段階が異なる。これにより、本方法は、一部の精子を無駄にしてしまうマイクロカプセルの調製方法とは、大いに異なり精子を一切無駄にすることなく封入することができる。
【0020】
本発明で用いられる精子は、ヒト精子に限らずワシントン条約対象種などまたは家畜精子を含むものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0021】
[実施例1]
(人工授精材の作製)
ゲル化剤として、5gのカラギーナン(SIGMA社製)と1gの塩化アンモニウムを約70℃の水170mLに溶解させた。これに基剤として、30gのプルラン(SIGMA社製)を溶解させ、さらに可塑剤として、5gのポリエチレングリコール(平均分子量1450、SIGMA社製)を溶解させた。これを50℃に保温し、1号サイズのカプセル形成用ピンを投入後、取り出し、乾燥させて1号サイズのハードカプセルを作製した。引き続き、クロロホルム200mL中にカプセルを10分間浸漬し、可塑剤としてのポリエチレングリコールを除去した後、取り出し、乾燥させて人工授精材を作製した。
【0022】
[実施例2]
(人工授精材の孔径測定)
実施例1で作製した人工授精材に1.0質量%のBovine Serum Albumin(SIGMA社製、以下、「BSA」と表記)溶液を0.3mL封入した。
BSAを封入した人工授精材を37℃にて生理食塩水(大塚製薬社製)10mL中に静置した。0.5時間後に、溶液1mLを回収し、Micro BCA Protein Assay Reagent(PIERCE社製)を用いてBSA濃度を測定した。BSA濃度から人工授精材より放出されたBSA重量を算出した。
同様に、実施例1で作製した人工授精材に1.0質量%のFibrinogen(SIGMA社製)溶液を0.3mL封入した。そして、Fibrinogenを封入した人工授精材を生理食塩水10mL中に静置した。この状態で、37℃にて、0.5時間静置した後に、人工授精剤中に封入された溶液1mLを回収し、Micro BCA Protein Assay Reagentを用いてFibrinogen濃度を測定した。そして、Fibrinogen濃度から人工授精材より放出されたFibrinogen重量を算出した。
BSAとFibrinogenのそれぞれについて、0.5時間後の放出率を以下の式により算出し表1に示した。
(0.5時間後の放出率)
=(人工授精材より放出された重量/人工授精材に封入された重量)×100
【0023】
【表1】

【0024】
人工授精材に封入した分子の0.5時間後の放出率が10%以上であれば、封入した分子に対して人工授精材は封入分子を通過可能な孔径であると規定する。従って、本例においての人工授精材はBSAを通過可能であるがFibrinogenは通過可能でない孔径を有していることになる。即ち、BSAが66,000ダルトン、Fibrinogenが340,000ダルトンであることから、本実施例で得られた人工授精材は、66,000ダルトン以上340,000ダルトン以下の孔径であることが分かる。
【0025】
[実施例3]
(人工授精材の崩壊時間の測定)
実施例1にて作製した人工授精材に精子のモデルとして、精子頭部の粒径とほぼ同様である粒径が4.5μmのCeLLectionTM Biotin Binder Dynabeads(Invitrogen社製、以下、「Dynabeads」と表記)5×10個を封入した。
Dynabeadsを封入した人工授精材を生理食塩水(大塚製薬社製)10mL中に静置した。37℃にて、1時間静置した後に、人工授精材から放出されたDynabeadsをMPC-1磁石(Invitrogen社製)で集め、デカンテーションによりDynabeads以外を別の容器に移した。同様に、3、6、10時間静置後に人工授精材から放出されたDynabeadsをMPC-1磁石で集めた。MPC-1磁石により集めたDynabeadsを1mLの生理食塩水により懸濁した。懸濁物を観察に適切になる濃度まで生理食塩水で希釈し、Burker-Turk型の血球計算盤を用いて所定時間経過後の人工授精材から放出されたDynabeads数を測定した。
所定時間経過後のDynabeadsの放出率を以下の式により算出し表2に示した。
(所定時間経過後の放出率)=(人工授精材より放出されたDynabeads数/人工授精材に封入されたDynabeads数)×100
【0026】
【表2】

【0027】
精子のモデルとして封入したDynabeadsの放出率が80%以上になった時間が、人工授精材の崩壊時間とした。従って、本例においての人工授精材は6〜8時間の間に崩壊時間を有することになる。
【0028】
[実施例4]
(ウシ精子の回収)
凝牝台または台ウシにホルスタインの種雄ウシを乗駕させ、人工膣を用いて精液を採取した。採取した精液は常温にて卵黄トリス糖液(ブドウ糖、乳糖、リン酸1カリウム、リン酸2ナトリウム、酒石酸カリナトリウム、クエン酸ナトリウム、卵黄)で4倍希釈した。希釈精液を4℃恒温器で1.5時間放置し、希釈精液を4℃の卵黄トリス糖液で再希釈した。4℃にて、5重量%のグリセリンを添加した卵黄トリス糖液で2倍希釈した。得られた希釈精液を800μLずつ分注し、閉封し−196℃の液体窒素で満たされた凍結機で凍結した。Burker-Turk型の血球計算盤を用いて精子濃度を測定すると6.3×10個/mLであった。
【0029】
[実施例5]
(人工授精材を用いたウシへの人工授精)
午前に発情期を迎えた雌ウシに対して、同日の夕方、子宮頸把握固定法にて子宮内に精子を注入した。精子は注入する直前に、38℃において凍結した状態から融解し、全量を実施例1にて作製した人工授精材に封入した。
比較として、午前に発情期を迎えた雌ウシに対して、同日の夕方、子宮頸把握固定法にて子宮内に人工授精材に封入していない精子を注入した。
いずれの場合においても、注入精子数は5×10個であった。
ウシが妊娠したかどうかは人工授精を行ってから60〜90日の間に発情のなかったウシを妊娠とみる方法により判定した。ウシの妊娠率は表3のような結果となった。
【0030】
【表3】

【0031】
表3をみると、人工授精材を使用した場合の方が、人工授精材を使用しない場合に比べ妊娠率を向上させており、人工授精において当該人工授精材は非常に有用なものであることがわかる。本例は、ウシの人工授精において妊娠率が向上したことを示したものであるが、当該人工授精材の作用機序の本質から推測するとウシに限定されるものでなく、ヒト、ワシントン条約対象種、他の家畜に対しても有用であることが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は人工授精の分野において利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基剤およびゲル化剤から構成されるハードカプセルからなる人工授精材であって、該ハードカプセルは340,000ダルトン未満の分子が通過可能な孔径を有し、且つ、子宮内に投与されてから6〜10時間後に崩壊することを特徴とする人工授精材。
【請求項2】
当該基剤がプルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれ、当該ゲル化剤がカラギーナン、キサンタンガムから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の人工授精材。
【請求項3】
当該基剤がプルランからなり、当該ゲル化剤がカラギーナンからなることを特徴とする請求項2に記載の人工授精材。

【公開番号】特開2009−183563(P2009−183563A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28187(P2008−28187)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】