説明

人工授精用ストローへの精液充填装置

空のストローを収容するホッパー(2)と、ストロー充填ステーション(5)と、ストロー(p)を受け取って保持する複数のノッチを備えると共にホッパーから取り出されたストローを搬送して充填ステーション(5)に送り込む搬送手段(3)とを装備した精液充填装置。直径の異なる二種以上のカテゴリーのストローの処理に適合するように前記複数のノッチが選択的に使用される少なくとも二つの系列に分けられ、一方の系列のストロー受け取り保持用エレメント(90)は二種のカテゴリーのうちで直径が大きいほうのストローに適合するように、他方の系列のエレメント(91)は二種のカテゴリーのうちで直径の小さいほうのストローに適合するように構成されている。この装置は特に牛の人工授精用ストローに精液を充填するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工授精用ストローに精液を充填する装置に関するものである。
【0002】
ここで言う精液とは、例えば希釈された牡牛の精子など、ウシ等の動物の精液である。
【0003】
本発明は、更に詳細には、空のストローを収容するホッパーと、ストローの充填ステーションと、ストローを受け取って保持する複数のストロー受け取り保持用エレメントを備えると共にホッパーから取り出されたストローを搬送して充填ステーションに送り込む搬送手段とを装備した形式の精液充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0004】
この種の精液充填装置は例えば特許文献1及び2に記載されており、これらの装置によれば搬送手段は縦溝付き回転バレルである。また特許文献3にも記載されている装置による搬送手段は複数の同様の縦溝付き可動エンドレスベルトである。
【0005】
いずれにせよ搬送手段が縦溝付きであるので、ホッパーから出て来るストローの受け取り、充填ステーションへの移送、そして充填中のストロー保持は確実に行われる。
【0006】
搬送手段は、ストロ−、即ち一群のストローが充填作業中は充填ステーションで停止しているように断続的なステップ動作を行う。
【0007】
この形式の装置は、ストローの両端のうちの一方、即ち遠位端として知られている端部が当初は通気性であるが液体に浸されると水密性になる栓で閉塞されている形式のストローに充填を行うのに適合しているのが一般的である。この栓は、例えば繊維質材料から成る二つの緩衝材の間にポリビニルアルコール粉末を挟んだ構造に作られている。
【0008】
充填ステーションは、ストローの反対側の端部、即ち「近位端」から精液を導入する手段と、ストローの遠位端経由で多孔質の栓を通じて精液を吸引する手段とを備えている。
【0009】
特許文献4に記載されている基本的な考えに従って、精液又は少量の殺精子性を持たない媒介液に触れると栓は硬化して不透過性となり、遠位端を密封する。
【0010】
充填ステーションの下流位置には、ストローの近位端を封鎖するステーションが配置されている。この封鎖は、超音波溶接法によって果たされるのが普通である。
【0011】
充填され、封鎖された後のストローは搬送手段から解放され、適切な特別容器に収容される。
【0012】
その後、精液はストローに充填されたまま後の使用に備えて冷凍保存される。
【0013】
従来から使用されているストローは、特にPVC(ポリ塩化ビニル)のような可撓性の透明なプラスチックで作られた細い円筒管である。
【0014】
市販されているストローの多くは長さ133mmであり、直径を異にする二種のカテゴリーのストロー、詳細には2mm程度(実際には1.95mm)の直径のストロー及び3mm程度(実際には2.85mm)の直径のストローがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許公開第2700313号明細書
【特許文献2】米国特許第4478261号明細書
【特許文献3】スイス国特許第533542号明細書
【特許文献4】仏国特許公開第2810535号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の主目的は、上述の基本的形式を備えた多連式の精液充填装置において、前述の二種のカテゴリーのストローを処理する際に一方のカテゴリーのストローから他方のカテゴリーのストローへの切り換えに作業者が甚だしく介入することを要せずに処理する能力を備えた精液充填装置を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、使い勝手が容易で高能率の運転が可能なコンパクトで且つ信頼性の高い精液充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の課題を解決するため、本発明による精液充填装置では、直径の異なる二種以上のカテゴリーのストローの処理に適合するように搬送手段に設けられた複数のストロー受け取り保持用エレメントが選択的に使用される少なくとも二つの系列に分けられており、一方の系列のエレメントは前記二種のカテゴリーのうちで直径が大きいほうのストローに適合するように構成され、他方の系列のエレメントは前記二種のカテゴリーのうちで直径の小さいほうのストローに適合するように構成されている。
【0019】
尚、この種の精液充填装置におけるチューブ充填用の供給装置は、既に仏国特許公開第2564064号明細書によって公知であることを述べておく必要がある。この供給装置はチェーンによる搬送装置であり、直径の異なるチューブを搬送することができるようになっている。この目的で、この搬送チェーンには間隙を可変調整できる一対の円板で構成された複数の受け取り保持用エレメントが設けられている。従ってチューブが直径の異なるものに変更される際には、隣接する二本のチェーンの相対位置を操作して円板同士の間隙を調整する必要がある。
【0020】
この既に知られている供給装置では、チューブの直径に関係なく全ての受け取り保持用エレメントが搬送に供される。
【0021】
本発明の限定を意図しない上述以外の特徴は以下の通りである。
【0022】
搬送手段がエンドレス形であり、各カテゴリーの前記エレメントのそれぞれの系列が互いに隣接する複数のエレメントから成る複数の群を構成し、これらのカテゴリーの群は互いに群同士で交互に並び、充填ステーションが隣接するエレメントの群のうちの一つの群によって支持されている複数のストローに対して一回の処理で同時に精液を充填するように構成されていること。
【0023】
二種のカテゴリーに属する各群がそれぞれ同一個数のエレメントを有すること。
【0024】
前記エレメントのそれぞれがストローを嵌め込むための溝又はノッチであること。
【0025】
溝又はノッチ間の間隔ピッチが搬送手段の全長に亘って一定であり、且つエレメントのカテゴリーには無関係であること。
【0026】
精液充填装置がコンピュータ制御により断続的なステップ動作を行う電動機を備え、該電動機によって搬送手段を小ピッチの前進段階と該小ピッチの倍数に相当する大ピッチの前進段階と休止段階との繰り返し運動で継続に駆動可能であること。
【0027】
搬送手段がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに互いに一体化された二つの同軸円板で構成され、各同軸円板の周縁部に複数のストロー受け取り保持用エレメントが配置されていること。
【0028】
前記ホッパーが搬送手段の前進運動に同期してストローを一本ずつ分配する手段を備えていること。
【0029】
前記ホッパーが着脱可能であると共に該ホッパーに収容されているストローのカテゴリーを識別する識別手段を備え、精液充填装置には前記ホッパーが所定位置に装着される際に前記識別手段と連携して充填されるべきストローのカテゴリーを自動判定する検知手段が設けられていること。
【0030】
前記検知手段が搬送手段を駆動する電動機の制御及び命令装置に接続されており、該制御及び命令装置は、装置のスタートアップ時にストロー受け取り保持用エレメントのうちで処理対象のストローの直径に適合する方のエレメントが有効状態に、適合しない方のエレメントが無効状態となるように搬送手段の位置を指示可能であること。
【0031】
一端部(遠位端)が当初は多孔質であるが液体に浸されると水密に変化する栓によって閉塞されているストローに液体を充填するのに適合した精液充填装置であって、充填ステーションよりも上流位置に配置された別のステーションを備え、この別のステーションがストローの他端部(近位端)を通じて殺精子性を持たない非粘着性液体を導入するステーションであること。
【0032】
充填ステーションが、ストローの遠位端から精液及び先にストロー内に導入されている液体をストローの遠位端から栓を通じて吸引する手段を備えていること。
【0033】
充填ステーションの下流位置にストローの遠位端を超音波溶接するための溶接ステーションが配置されていること。
【0034】
溶接ステーションが、支承用アンビルと対をなす超音波発生電極を備え、該超音波発生電極にはストローの近位端をグリップするための鋸歯状の切り欠きが付加されており、これらの切り欠きが互い違いに並ぶ二群に細分され、これら各群の切り欠きの一方が前記二種のカテゴリーのうちで直径が小さいほうのストローの溶接に、他方が前記二種のカテゴリーのうちで直径が大きいほうのストローの溶接にそれぞれ適合しており、更に充填されるべきストローのカテゴリーに応じて二種の切り欠き群の一方を有効状態に、他方を無効状態にするように超音波発生電極とアンビルを共にシフトさせる制御手段が設けられていること。
【0035】
搬送手段がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに一体化された二つの同軸円板で構成され、各同軸円板の周縁部に複数のストロー受け取り保持用エレメントが配置されている精液充填装置であって、二つの固定傾斜路を更に備え、一方の固定傾斜路はストローが溶接ステーションに到着する直前に該ストローの近位端が前記同軸円板のうちの一方の円板のストロー受け取り保持用エレメントから引き抜かれることを保証する外形を有し、他方の固定傾斜路はストローが溶接ステーションを離れた後に該ストローの遠位端が前記同軸円板のうちの他方の円板のストロー受け取り保持用エレメントから引き抜かれ、次いで充填及び溶接されたストローが前記受け取り容器内に落ちることを保証する外形を有すること。
【0036】
搬送手段がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに一体化された二つの同軸円板で構成され、これら円板相互の間隔が実質的にストローの全長よりも狭く、各同軸円板の周縁部に64本のストロー受け取り保持用ノッチが設けられ、各ノッチが実質的に半円形の底壁とストローの中心位置決めのための広がった入口の受け入れ口を備え、これらノッチが32個ずつの互いに異なる直径のストローに適合する二種の系列のノッチ、即ち、外径が3mmオーダーの大径ストローを受け取るための大ノッチと、外径が2mmオーダーの小径ストローを受け取るための小ノッチとからなり、各系列のノッチがそれぞれ4個ずつの8群に細分され、大ノッチの群と小ノッチの群が互い違いに並び、隣接するノッチ間の間隔ピッチがノッチのカテゴリーとは無関係に前記同軸円板の全周で一定であって、この間隔ピッチが実質的に10mmのオーダーであること。
【0037】
本発明のその他の特徴と利点を添付図面に示す本発明の好適な実施形態に基づいて詳述すれば以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による精液充填装置の全体的な正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視横断面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視横断面図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視縦断面図である。
【図5】図1のV−V線矢視横断面図である。
【図6】この精液充填装置の全体的な平面図である。
【図7】装置の所定位置に据え付けられたホッパーの一側面の詳細を示す立面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線矢視断面で示した一方のカテゴリーのストローを収容しているホッパーの詳細構造を示す拡大断面図である。
【図9】図7のVIII−VIII線矢視断面で示した他方のカテゴリーのストローを収容しているホッパーの詳細構造を示す拡大断面図である。
【図10】ストローに殺精子性を持たない液体を導入するステーションの模式図である。
【図11】ストローに精液を導入するステーションの模式図である。
【図12】ストローの一端部を超音波溶接する器具を示す詳細図である。
【図13】図12のXIII−XIII線矢視断面図である。
【図14】装置の所定位置に据え付けられたホッパーの出口チャンネルにおける閉鎖手段を示す一側面の立面図である。
【図15】装置に装備されるバレルの形状を例示するスケッチ図である。
【図16】前記バレルを構成するノッチ付き円板の周縁を拡大して示す部分図である。
【図17A】大径ストローのノッチ内への挿入状態を定位置への挿入中について示した詳細図である。
【図17B】前図の状態を定位置への挿入後について示した詳細図である。
【図18A】小径ストローのノッチ内への挿入状態を定位置への挿入中について示した詳細図である。
【図18B】前図の状態を定位置への挿入後について示した詳細図である。
【図19】ホッパー出口で小径ストローがバレルに受け取られる際の様子を示すスケッチ図である。
【図19A】ホッパー出口で小径ストローがバレルに受け取られる際の第1段階の様子を示すスケッチ図である。
【図19B】ホッパー出口で小径ストローがバレルに受け取られる際の第2段階の様子を示すスケッチ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
特に図1〜6に示すように、本発明による精液充填装置1は、かなりの数の機器を備えているが、説明を必要以上に複雑化しないように、本発明に直接関係があるものだけについて以下に説明する。
【0040】
この精液充填装置は、多数本のストローを収容した着脱・交換可能なホッパー2を支持するための固定フレーム10と、回転搬送バレル3と、ストローに殺精子性を持たない液体を導入するためのステーション4と、ストローに精液を充填するためのステーション5と、ストローの一端部を超音波溶接するためのステーション6と、充填及び溶接の終わったストローを集めるための受け取り容器100とを備えている。
【0041】
充填されるべきストローを収容するように設計されているホッパー2は、全体として長方形平行六面体をなす箱型の形状を有し、上部は開放されているが、その基部には一対の直線的で傾斜したガイド(平棒)20が設けられている。この箱の幅は、ストローの全長よりもごく僅かだけ大きく、ストローは1バッチの量ごとにガイド20に対して直交する向きでガイド20上方のホッパー内へ収容されている。
【0042】
図14中の符号26は、二つの横断膨であり、これらの横断棒は、一対のガイド20に対するクロス・バーの役割を持ち、ガイドがホッパーの側壁22に対して固定されることを保証する機能を果たす。
【0043】
ホッパーの前端部(図14の左側)には、一対の垂直平棒状レバー21が、それぞれ一方のガイドと同一垂直面内に位置するように取り付けられている。それぞれのレバー21は、その上部で、一方の壁22に担持されている一本の軸210と連動している。突起ラグと孔から成る案内システム212が、この連動の範囲を制限している。その中央領域でレバー21に前向きのショルダ211が取り付けられている。
【0044】
それぞれのガイド20の前端部は、その主要部分よりも傾斜が大きくなっており、それぞれのレバー21の下端部は、その下縁が同一傾斜を持つように面取りされている。
【0045】
ホッパーが装置から取り外されている時には、レバー21はそれ自体の重量の影響で垂直線に対し僅かに後方に傾いており、その面取りされた下縁はガイド20の前端部に載って静止状態になる。
【0046】
これによってストロー(ガイドに沿って滑り落ちる傾向を持つ)がホッパーから勝手に放出されてしまうことが防止される。
【0047】
但し、ホッパーが装置に載置される際には、フレーム10と一体になっている両側の頬板11の間にホッパーが位置決めされる。それぞれの側壁22の外側で、ホッパー2には一対の中心位置決め保持用の突起ラグ220, 221 が取り付けられており、これらのラグは前記頬板11に上向きに開口して設けられた開放形ノッチとの嵌合に適した形態をなしている。
【0048】
ホッパーはこのようにして装置の所定位置に載置された後、前記ノッチの最下部に支えられる突起ラグにより図7に示すような明確に定義された位置に保持される。
【0049】
この載置作業の間に、二つのショルダ211はフレームと一体の横断仕切り112の上縁部に支持される状態になり、その効果、レバー21の向きが僅かに修正され、ホッパー出口の閉鎖が解かれる。実際には、一対のレバー21が正しい垂直向きとなり、それらの下端縁の面取り部分がガイド20の前端部と平行になることにより小さなチャンネル200が形成され、これら溝の内部をストローが縦一系列に並んで落下できるようになる。
【0050】
これら二つのチャンネル200がストローの流出口を形成する。
【0051】
但し、いまやストローの流出は、一対のクロスバーによって連結されてフレームと一体になっている軸700を枢動軸として連動するレバー7によって制御される。これらのレバーの上端部はフィンガ状の自由端701となっている。
【0052】
これら一組のレバーの下端を連結しているクロスビームにジャッキ又は電磁石のような操作エレメント70が連結されており、この操作エレメントが各レバーに図14中で両方向矢印で示されているような往復動を付与し、軸700を中心として両レバーを一緒に回転させることができるようになっている。
【0053】
突起ラグと孔による案内システム702がこの連動の範囲を制限する。
【0054】
それぞれのレバー7は、ガイド20よりもホッパーの内側に、但しガイドに極めて近接して設置されている。
【0055】
操作エレメント70の状態(収縮状態か、伸張状態か)に応じて、フィンガ701は二箇所の出口チャンネル200を閉鎖するか、あるいは逆に開放する。
【0056】
この操作エレメントは、ストローが個々に(即ち一本ずつ)、しかも予め定められた頻度でしか放出されないように制御される。
【0057】
片方の側壁22の内面に、ホッパーの後方下部アングル材の高さでピン25が取り付けられており、ホッパーに収容されているストローのカテゴリーを識別する手段として機能するようになっている。
【0058】
図8及び図9から明らかなように、図9に符号25’で示されているピンの位置は、図8のピン25の位置とは異なっている。
【0059】
例示されている実施形態では、これら二つのピンの高さは互いにずれている。
【0060】
一方のピンの高さはホッパー2が小径(2mmオーダー)のストローを収容している時に使用され、他方のピンの高さはホッパーが大径(3mmオーダー)のストローを収容している時に利用される。
【0061】
支持架82に支えられた一対の検知器80及び81を含む検知装置8がフレーム10に取り付けられている。これらはピン25及び25’によって占められる位置のそれぞれ対向位置に同様に配置された光ファイバ検知器である。
【0062】
光ケーブル800及び810が装置の命令及び制御回路に接続されており、それぞれの信号をこの制御回路に送っている。従って、処理対象のストローのカテゴリーに関する情報は該制御回路で自動的に取得される。
【0063】
装置1は搬送手段3を備えており、該搬送手段は水平横断軸300を軸心とする一対の同軸円板30及び31からなる回転バレルで構成されている。これら同軸円板は、電動機Mにより伝動ベルト302を介して回転駆動されるハブ301に担持されている(特に図3及び図4参照)。
【0064】
この電動機Mは、速度と作動間隔が変更及び調整可能なステップモータである。
【0065】
図2と図3にバレルの回転方向を矢印Wで示すが、このようにバレルの上昇領域の上部は、チャンネル200の出口に対してほぼまっすぐに対面するようになっている。
【0066】
図2及び図3面には、ホッパー2の下部領域で二つのガイド20の間に配置されている角の丸い横断角棒71が断面で示されている。この角棒はその中心軸心周りに回転可能に取り付けられている。その機能は、ホッパー内に収容されているストローを撹拌し、それらを送出チャンネル200の入口に適合する向きとなるように整系列させることである。
【0067】
ストローに符号pを付してある図1から明らかなように、一対の同軸円板30と31はホッパー2の垂直な対称中心面に対して横方向にオフセットされている。
【0068】
また、これら円板相互の間隙は、実質的にホッパーの幅(従ってストローpの長さ)よりも小さい。
【0069】
このような配置のため、ストローの両端のうちの「遠位端」と呼ばれる一端部(図1の左側)は、それを所定位置に保持する円板30よりも突出しないか、僅かに突出するに過ぎない。一方、「近位端」と呼ばれる他端部(図1の右側)は、それを所定位置に保持する円板30よりもかなり突出する。
【0070】
二つの円板30及び31は同一形状である。
【0071】
各円板の表面は、ホッパー2に収容されているストローの軸心と直交する。
【0072】
各円板の周縁部には等間隔のノッチ9が設けられている。
【0073】
図15と図16から明らかなように、二系列のノッチが存在する。
【0074】
図示の実施形態では全部で64箇所のノッチがあり、これらは32個ずつの直径を異にする二系列のノッチ、具体的には3mmオーダーの外径を有するストローpを受け取るための大ノッチ90と、2mmオーダーの外径を有するストローpを受け取るための小ノッチ91に分けられており、それぞれの系列のノッチは4個ずつ8群のノッチ群に細分されている。
【0075】
大ノッチ90の群と小ノッチ91の群とは互い違いに並んでおり、隣接する二つのノッチのピッチ間隔は円板の全周に亘って一定で、ノッチのカテゴリーとは無関係である。
【0076】
従って、この場合のノッチ同士の角度間隔は5.625°である。
【0077】
円板の外周におけるノッチ間隔(円弧の展開長)は例えば10mmである。
【0078】
目安としては、これは直径200mm強の円板に対応する。
【0079】
二つの円板30及び31は、同一ノッチ群が互いに整系列するようにそれぞれのハブに緊密に取り付けられていることは述べるまでもない。
【0080】
図15 、及び図19, 19A及び19Bにおける弧状の厚い領域と薄い領域は、それぞれ一方の円板(この場合は円板30)が備えているノッチ90及び91の群を象徴的に示している。
【0081】
これら弧状の領域は、そこに設けられているノッチの内径の大小とは無関に同一の展開長(円弧長)λを有する。
【0082】
処理ステーション4, 5及び6のそれぞれも、一つの領域内にあるノッチに入っている全てのストローを処理することに適合しているので、実質的にλの値に等しい間隔で配置されている。
【0083】
円板30を細孔300が貫通しており、この細孔は円板が回転する間に一回転ごとに固定されたセンサーC 、例えば誘導性センサーの前を通過する。
【0084】
センサーCと細孔300の合致は、円板30の「ゼロ」位置又は割出位置、例えば図15でRの符号で示されている円板の特定箇所がホッパー2の送出チャンネル200の反対側にある位置に相当する。
【0085】
この特定箇所Rは、ある小径ノッチ群に属する最初のノッチ位置に相当すると仮定されている。
【0086】
ステーション4は、この箇所Rから1展開長(即ち1円弧長)λの距離に位置するのに対し、ステーション5及びステーション6は、それぞれR点から展開長3λ及び5λだけ離れた位置にある。
【0087】
図17及び図18で明らかなように、大ノッチ90と小ノッチ91は、それぞれ広がった入口900及び910を持ち、これら入口によって、それぞれ大径ストローp1の中心位置決めと嵌入(矢印i)及び小径ストローp2の中心位置決めと嵌入(矢印j)が容易になる。これらノッチはそれぞれ半円筒状の基底部901, 911を持ち、それぞれストローp1及びp2を正しくグリップすることができる(図17A及び18A)。
【0088】
図2は複数の固定傾斜路72(円板30及び31に接している)の存在を示している。これら傾斜路の役割は、ホッパーを出たそれぞれのストローを次々に押し戻し、それを受け取るノッチに嵌まり込ませることである。
【0089】
特に図2から明らかなように、作業実行ステーション4, 5, 6はそれぞれ実質的にバレル最上部から、下降領域の上部、更に下降領域の中部に向かって配置されている。
【0090】
バレルは、あらかじめホッパーの送出口で受け取った4本のストローから成る群を次々にこれらのステーションに導き、次いで少なくとも3種類の処理のうちで最も長時間を要する作業が終了するに充分な長さの時間だけ停止する。
【0091】
ステーション4で実行される作業が図10に示されている。
【0092】
それぞれ円板30及び31の対をなしているノッチ9に保持されている4本のストローpの群は、ここで同時に処理される。
【0093】
それらストローの遠位端(図の左端寄り)の内側には多孔質の栓bが詰められている。
【0094】
必要ならば参照することができるが、既に引用した仏国特許公開第2810535号明細書に記載されている考えと同様に、精液を節約する目的で少量の殺精子性を持たない非粘着性液体Lがストローの反対側の近位端から注入される。
【0095】
この目的のため、それぞれが1本のストローpの近位端内部に進入するように適合された4本の中空ニードル42を備えた軸方向移動可能なスライド付き注入ヘッドが使用される。この液体Lは圧力源SPによって加圧された薬液壜41内に入っており、これは本装置に組み込まれていてもよく、或いは装置外部にあっても良い。
【0096】
薬液壜の加圧圧力は比較的低く、目安としては20ミリバール(2000Pa)のオーダーである。
【0097】
薬液壜41は可撓性の導管410により電磁弁400を経てニードル42に接続されている。
【0098】
両方向矢印Fは、ニードル42をストロー内に挿入し、液体Lの所要量が注入され終わった後にそれらを引き抜くためのスライド40の往復動を象徴的に示す。
【0099】
この注入量は、電磁弁400が開かれる時間の長さと、液体Lを押し出すために加えられる圧力によって決定される。
【0100】
ステーション5で実行される作業は図11に示されている。
【0101】
このステーション5には、ストローの近位端及び遠位端の位置にある2組の作業具が配備されており、これらの図中符号には、それぞれa又はb添字が付いている。
【0102】
近位端側の作業具セットは軸方向に動かすことのできるスライド50aを備えており、その動きは両方向矢印Gaで象徴的に示されている。
【0103】
このスライド50aには4本の中空ニードル52aが取り付けられており、各ニードルは隙間のない気密もしくは気密に近い態様でストローpの近位端からストロー内に進入することができる。この部分のストロー内には前もって液体Lの1滴gが注入されている。
【0104】
精液Sは容器51に入っており、この容器は、装置に装着される形式或いは別置き形式のいずれでもよいが、電磁石で駆動される導管グリップ具、即ちクランプ511aを介して可撓性の導管510aにより各中空ニードル52aに接続されている。
【0105】
遠位端側の作業具セットも同様に軸方向に動かすことができるスライド50bを備えており、その動きは両方向矢印Gbで象徴的に示されている。
【0106】
このスライド50bにも4本の中空ニードル52bが取り付けられており、各ニードルは隙間のない気密もしくは気密に近い態様でストローpの遠位端からストロー内部に進入することができる。
【0107】
各ニードル52bは、電磁石で駆動されるクランプ511bを介して可撓性導管510bによりそれぞれ真空ポンプSVの吸引ポートに接続されている。
【0108】
ストローには、遠位端から多孔質の栓bを通して真空ポンプによる吸引を行うことにより精液Sが充填される。この場合、精液Sは各ストローの近位端側から内部に進入し、液滴gを遠位端側へ押し込みながら、最終的には栓bを湿らせるに至る。
【0109】
吸引時の真空の強度とクランプ511a及び511bが開かれている時間とは、ストローの充填に必要な時間が最適となるように選定される。
【0110】
図12及び図13は、ストロー近位端を超音波溶接するためにステーション6の位置に配置されている作業具セットを示している。
【0111】
この作業具セットは、複数本のストローを同時処理する超音波発生電極61とそれに対応する支承用のアンビル60を備えている。
【0112】
これら二つのエレメントには、それぞれ四箇所ずつ二系列のノッチ、即ち小径ストローpに対する溶接に用いられる第1のノッチ系列610Aと、大径ストローに対する溶接に用いられる第2のノッチ系列610Bが設けられている。
【0113】
超音波発生電極61は、例えばジャッキのような適切な操作エレメントによってストローの端部に溶接の圧力を加え、また溶接後にはこの圧力を解除するために、アンビルに対して接近離反可能に構成されている。
【0114】
端部溶接処理の対象とするすとろーのカテゴリー(大径か小径か)とは無関係に、いずれの系列のノッチの間隔eも例えば10mmの一定ピッチである。
【0115】
二系列のノッチ同士の間隔、即ち互いに隣接する小ノッチと大ノッチとの間隔はe/2(例えば5mm)であり、大ノッチと小ノッチは交互に配系列されている。
【0116】
このような配置構成により、取り扱うべきストローのカテゴリーに応じて一対の作業具60及び61を一体的に縦向きにe/2だけシフトさせれば、処理対象のストローがステーション6に到着したときには、ストローをカテゴリー系列の合致する適正なノッチ群と正しく向かい合わせることができる。
【0117】
ここで、装置1には、このステーション6に対応して円板30及び31の下降領域に沿って一対の傾斜路150, 151が固定設置されていることに注意すべきである(図1参照)。
【0118】
ストローの近位端側に位置する傾斜路150は、円板30で搬送されて来たストローがステーション6に到着する直前に、それらを順次ノッチ9から排出するような形状になっている。このためストローは、円板31のノッチに嵌まっている遠位端側で保持されているだけとなる。
【0119】
このような配置構成によりストローの近位端側は或る程度の変位が可能であり、従って溶接作業具セットに設けられたノッチ内への嵌合時に多少のずれがあってもノッチとの中心合わせが良好に行われ、搬送の信頼性が向上する。
【0120】
同様にして、もう一方の傾斜路151は処理(遠位端の溶接)後における円板31のノッチからのストローの排出を保証し、従ってストローはノッチから完全に解放され、重力の影響下に受け取り容器100内に落下する。
【0121】
図19中の符号83で示した制御コンピュータは、装置が果たすべき全ての機能、特にバレルを回転させる電動機Mへの命令、レバー7の操作手段70への命令、バレルの回転との同期、及びステーション5〜7に設置されている各種作業具セットの作動を制御するためのものである。
【0122】
図19、図19A及び図19Bを参照して、処理対象のストローのカテゴリーに応じてバレルを自動的に割り出し制御する手順と、それに応じてストローの処理が実行される手順について以下に説明する。
【0123】
作業開始時点では、バレルは任意の回転角度位置で停止しているものと仮定する。
【0124】
各レバー7は、図19で象徴的な実線で示す先端部701によってホッパーの送出チャンネル200を遮断している。
【0125】
1バッチ分の小径ストローp2を収容したホッパー2が装置にセットされる。
【0126】
これらのストローは、栓を詰めた遠位端が円板31側に向くように置かれている。
【0127】
検知器8がこの「小径」カテゴリーを認識し、それに応じた情報信号をコンピュータ83に送信する。
【0128】
従って、このバッチのストローの処理に使用すべきノッチ系列は、小径ノッチ群91である。
【0129】
コンピュータは溶接作業具61、 60が小径ストローの端部閉塞に適合した位置に来るように、該作業具の移動も命令する。
【0130】
電動機Mが始動されると、コンピュータは該電動機が円板30(従ってバレル全体)を図19中の矢印W1で示す方向に回転させ、細孔300がセンサーCと向かい合う位置で停止するように制御する。
【0131】
この状態で円板が「ゼロ」位置となり、電動機が一時停止させられる。
【0132】
図19Aに示すように、この位置では、マークRはストローp2の受け取りに好都合な位置にあり、これは小ノッチ四個から成る群の最初のノッチに相当する位置である。
【0133】
そこで、作業を開始することができる。
【0134】
第1段階では、コンピュータ制御によってバレルが小ピッチで間歇的に前進回転し、それに同期してレバー先端部701が開閉することにより、4本のストローp2が1本ずつ最初の小ノッチ群に落とし込まれる。この場合、固定傾斜路72によって4本のストローが1本ずつ順にノッチに送り込まれ、これにより各ノッチへの完全嵌合が保証される。
【0135】
ここで言う「小ピッチ」はノッチ間のピッチeに等しい。これは、バレル3の回転角度α(図示の例では5.625°)に対応する。
【0136】
第2段階では、コンピュータ制御によってバレル3の前進間歇回転が大ピッチとなり、レバー先端部の開閉運動もそれに同期して周期が変更される。
【0137】
ここで言う「大ピッチ」とは、一つのノッチ群の軸間距離(幅)λに等しい。これはバレル3の回転角度4α(図示の冷では22.5°)に対応する。
【0138】
この前進間歇回転は図19Bに矢印W2で象徴的に示すが、この間に不使用の大ノッチの領域は空の状態のままホッパー送出口200の下を通過し、小ノッチの領域に装填された4本のストローp2から成る群がステーション4に到着し、そこで自動的に位置決めが行われて、各ストローがニードル42と向かい合う位置を占めることになる。
【0139】
第3段階ではニードル42と向かい合った各ストローp2に少量の液体Lを注入する作業が行われるが、この間、電動機Mは作業が確実に完了するに充分な時間だけ停止する。
【0140】
以上に述べた小ピッチのバレル前進間歇回転(精液未充填のストローの分配を含む)、大ピッチのバレル前進間歇回転、及びバレル停止の各工程は、新たな精液未充填ストロー群がステーション4に到着し、ステーション4で処理されたストロー群がステーション5に到着した時から、次の1回目の反復サイクルに入る。
【0141】
これら二つのステーション4と5における作業は、バレル停止段階で同時に完了する。
【0142】
新たな未充填ストロー群がステーション4に到着し、ステーション4で処理されたばかりのストロー群がステーション5に到着し、ステーション5で充填を終えたばかりのストロー群がステーション6に到着した時から、2回目の反復サイクルに入る。
【0143】
これら三つのステーション4〜6における作業も、バレル停止段階で同時に完了する。
【0144】
同様にして新たな未充填ストロー群がステーション4に到着し、ステーション4で処理されたばかりのストロー群がステーション5に到着し、ステーション5で充填を終えたばかりのストロー群がステーション6に到着し、ステーション6で溶接を終えたストロー群が排出されて受け取り容器100に集められた時から、3回目の反復サイクルに入る。
【0145】
このようにして順次作業の制御が行われ、以後は容器51に入っている家畜の精液がステーション5でストローに分注され尽くされるまで同様の工程が繰り返される。
【0146】
目安としては、牡牛の1回の射精分に相当する量の精液で約400〜550本のストローに充填することができる。
【0147】
作業終了後、精液に触れたステーション4及び5の作業具(特にニードル、電磁弁、可撓性導管)が滅菌された新しい作業具と交換される。
【0148】
新しいニードルの径は、処理すべき新たなバッチのストローに適合される。
【0149】
新バッチのストローも同様に小径ストローである場合には、作業は上に説明したのと同様にして行われる。
【0150】
新バッチのストローが大径ストローである場合は、検知器8によってコンピュータ83が自動的にそれを認識し、コンピュータは溶接作業具の位置決めを半ピッチ分(e/2)だけシフトさせる。
【0151】
バレルの初期設定も変更される。
【0152】
図19Aに示されている位置から、更に四つのノッチが占める領域分に相当する角度、即ち22.5°だけバレルが回転され、大径ノッチ領域の最初のノッチがホッパーの送出口200と向かい合う位置に対面させられる。
【0153】
これをゼロ位置として先に行われたプロセスと全く同様にプロセスが進行するが、今回は不使用の小径ノッチ領域は、バレルが「大ピッチ」で前進間歇回転する間はホッパー送出口の前を空の状態で系列をなして通過することになる。
【0154】
図2及び図3に示した符号73は、ホッパーから送り出されるストローを検知する検知器である。
【0155】
この検知器73は、予告なしにバレル上にストローが分配されなくなるなどの異常状態を検出するための例えば光ファイバ検知器であり、コンピュータ83に適切な信号を与えてコンピュータにより直ちに電動機を停止させるために利用される。
【0156】
目安として、この構成の装置で毎分約240本の大径ストローを処理することが可能である。
【0157】
ノッチの数ならびに配置は、必ずしも上述の実施形態におけるバレルの場合と同一である必要はない。また、二系列以上、例えば三系列の寸法の異なるノッチを備え、直径の異なる三種のカテゴリーのストローを処理することも可能である。
【0158】
バレルについても、一対の同軸円板で構成する代わりに溝付き円筒ドラムでバレルを構成し、ドラム寸法に応じて二系列(又は三系列以上)の幅の異なる溝を設けたバレルとしてもよい。
【0159】
搬送手段もバレルに限られるものではなく、例えば溝付きエンドレスマット材、或いはノッチ付きの複数の突起を設けたエンドレスベルトでも同等の機能の搬送手段を構成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空のストロー(p)を収容するホッパー(2)と、ストロー充填ステーション(5)と、ストロー(p)を受け取って保持する複数のストロー受け取り保持用エレメント(9)を備えると共に前記ホッパーから取り出されたストローを搬送して前記充填ステーション(5)に送り込む搬送手段(3)とを装備した精液充填装置において、直径の異なる二種以上のカテゴリーのストロー(p1、p2)の処理に適合するように前記複数のストロー受け取り保持用エレメント(9)が選択的に使用される少なくとも二つの系列に分けられており、一方の系列のエレメント(90)は前記二種のカテゴリーのうちで直径が大きいほうのストロー(p1)に適合するように構成され、他方の系列のエレメント(91)は前記二種のカテゴリーのうちで直径の小さいほうのストロー(p2)に適合するように構成されていることを特徴とする精液充填装置。
【請求項2】
搬送手段(3)がエンドレス形であり、各カテゴリーの前記エレメント(90、91)のそれぞれの系列が互いに隣接する複数のエレメント(90、91)から成る複数の群を構成し、これらのカテゴリーの群は互いに群同士で交互に並び、充填ステーション(5)が隣接するエレメントの群のうちの一つの群によって支持されている複数のストローに対して一回の処理で同時に精液を充填するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
二種のカテゴリーに属する各群がそれぞれ同一個数のエレメント (90、 91) を有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エレメント(9)がストローを嵌め込むための溝又はノッチであることを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
溝又はノッチ(9)間の間隔ピッチが搬送手段の全長に亘って一定であり、且つ溝又はノッチのカテゴリーには無関係であることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
コンピュータ(83)による制御で断続的なステップ動作を行う電動機(M)を備え、該電動機によって搬送手段(3)を小ピッチの前進段階と該小ピッチの倍数に相当する大ピッチの前進段階と休止段階との繰り返し運動で継続に駆動可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
搬送手段(3)がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに互いに一体化された二つの同軸円板(30、31)で構成され、各同軸円板の周縁部に複数のストロー受け取り保持用エレメント(9)が配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ホッパー(2)が搬送手段(3)の前進運動に同期してストロー(p)を一本ずつ分配する手段(7、70)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ホッパー(2)が着脱可能であると共に該ホッパーに収容されているストローのカテゴリーを識別する識別手段(25、25’)を備え、更に前記ホッパーが所定位置に装着される際に前記識別手段(25、25’)と連携して充填されるべきストローのカテゴリーを自動判定する検知手段(8)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記検知手段(8)が搬送手段(3)を駆動する電動機(M)の制御及び命令装置(83)に接続されており、該制御及び命令装置は、精液充填装置のスタートアップ時にストロー受け取り保持用エレメント(9)のうちで処理対象のストロー(p)の直径に適合する方のエレメントが有効状態に、適合しない方のエレメントが無効状態となるように搬送手段の位置を指示可能であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
一端部又は遠位端が当初は多孔質であるが液体に浸されると水密に変化する栓(b)によって閉塞されているストローに液体を充填するのに適合した精液充填装置であって、充填ステーション(5)よりも上流位置に配置された別のステーション(4)を備え、この別のステーション(4)がストローの他端部又は近位端を通じて少量(g)の殺精子性を持たない非粘着性液体(L)を導入するステーションであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
一端部又は遠位端が当初は多孔質であるが液体に浸されると水密に変化する栓(b)によって閉塞されているストローに液体を充填するのに適合した精液充填装置であって、前記充填ステーション(5)が、ストローの他端部又は近位端から精液(S)を導入する手段 (5a)と、該ストローの一端部又は遠位端から前記栓(b)を介して吸引することにより前記他端部又は近位端側から精液(S)及び予めストローに導入されている少量の液体(L)をストロー内に引き込む手段とを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
充填ステーション (5) の下流位置にストローの一端部又は遠位端を超音波溶接で封止するためのステーション (6) が配置されていることを特徴とする請求項11又は12にに記載の装置。
【請求項14】
前記溶接ステーションが、支承用アンビルと対をなす超音波発生電極を備え、該超音波発生電極にはストローの近位端をグリップするための鋸歯状の切り欠きが付加され、これらの切り欠きが互い違いに並ぶ二群(600A, 610A;600B, 610B)に細分され、これら各群の切り欠きの一方が前記二種のカテゴリーのうちで直径が小さいほうのストロー(p2)の溶接に、他方が前記二種のカテゴリーのうちで直径が大きいほうのストロー(p1)の溶接にそれぞれ適合しており、更に充填されるべきストローのカテゴリーに応じて二種の切り欠き群の一方を有効状態に、他方を無効状態にするように超音波発生電極とアンビルを共にシフトさせる制御手段が設けられていることを特徴とする請求項13に記載の装置
【請求項15】
搬送手段(3)がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに一体化された二つの同軸円板(30、31)で構成され、各同軸円板の周縁部に複数のストロー受け取り保持用エレメント(9)が配置されている精液充填装置であって、二つの固定傾斜路(150、151)を更に備え、一方の固定傾斜路(150)はストロー(p)が溶接ステーション(6)に到着する直前に該ストローの近位端が前記同軸円板のうちの一方の円板(30)のストロー受け取り保持用エレメントから引き抜かれることを保証する外形を有し、他方の固定傾斜路(151)はストロー(p)が溶接ステーション(6)を離れた後に該ストローの遠位端が前記同軸円板のうちの他方の円板(31)のストロー受け取り保持用エレメント(9)から引き抜かれ、次いで充填及び溶接されたストローが前記受け取り容器(100)内に落ちることを保証する外形を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
搬送手段(3)がホッパーの送出口位置に設置された回転バレルであり、該回転バレルが互いに一体化された二つの同軸円板(30、31)で構成され、これら円板相互の間隔が実質的にストローの全長よりも狭く、各同軸円板の周縁部に64本のストロー受け取り保持用ノッチ(9)が設けられ、各ノッチが実質的に半円形の底壁とストロー(p)の中心位置決めのための広がった入口の受け入れ口を備え、これらノッチが32個ずつの互いに異なる直径のストローに適合する二系列のノッチ、即ち、外径が3mmオーダーの大径ストローを受け取るための大ノッチと、外径が2mmオーダーの小径ストローを受け取るための小ノッチとからなり、各系列のノッチがそれぞれ4個ずつの8群に細分され、大ノッチの群と小ノッチの群が互い違いに並び、隣接するノッチ間の間隔ピッチがノッチのカテゴリーとは無関係に前記同軸円板の全周で一定で実質的に10mmのオーダーであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図17A】
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【図18】
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【図18A】
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【図19】
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【図19A】
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【図19B】
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【公表番号】特表2010−503438(P2010−503438A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527800(P2009−527800)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059465
【国際公開番号】WO2008/031793
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509073763)
【氏名又は名称原語表記】EURL CRYO VET
【住所又は居所原語表記】ZA de Rolin,35190 QUEBRIAC,FRANCE
【Fターム(参考)】