説明

人工股関節置換術支援補助部材および製造方法

【課題】本発明は、人工股関節置換術に使用する臼蓋コンポーネント、および大腿骨コンポーネントを適切な位置ないし方向を術野にて表示できる部材を提供する。
【解決手段】人工股関節置換の手術部位となる臼蓋ないし大腿骨の3次元的形状を利用して作成される、前記臼蓋ないし前記大腿骨に一部、ないし全てを嵌合させうる骨嵌合部と、前記人工股関節置換の術前計画に基づいて前記臼蓋コンポーネント、および前記大腿骨コンポーネントを適切な位置ないし方向の情報を提供する設置情報表示部という少なくとも前記骨嵌合部と前記設置情報表示部2つで構成される3次元モデル作成し、該3次元モデルを光造形などのラピッドプロトタイピング技術で作成した人工股関節置換術支援補助部材を作成する。これによって術野で直接、臼蓋コンポーネントないし、大腿骨コンポーネントの設置位置ないし方向を確認し手術を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工股関節置換術に使用する、臼蓋コンポーネント、および大腿骨コンポーネントの設置するために、術前計画に基づいた適切な設置位置ないし方向を術野で直接表示することができる人工股関節置換術支援補助部材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、人工股関節置換術について説明する。人工股関節置換術は股関節疾患に対して術後早期より除痛および機能回復の得られる有効な治療方法であり、骨盤臼蓋に対しては臼蓋の骨を半球形に掘削することでソケット型の臼蓋コンポーネントを設置し、大腿骨に対しては、前記大腿骨の一部である大腿骨頸部を骨切し、同じく前記大腿骨の一部である大腿骨頭を摘出後、ボールおよびそれにつながる棒状のステムからなる大腿骨コンポーネントを設置する手術である。
【0003】
かかる手術を行う場合、前記臼蓋コンポーネントを適切な設置角度で固定する必要がある。この設置角度が不良の場合、術後脱臼等の合併症の原因となる。一方前記大腿骨コンポーネントの場合、前記大腿骨頚部の骨切りを適切に行うことや、前記大腿骨コンポーネントを適切な位置・方向に設置する必要がある。この骨切りや前記大腿骨コンポーネントの設置が不適切な場合は、術後に下肢脚長の不一致を起こす原因となる。
【0004】
従来から、この股関節手術に対しては二次元画像であるX線像を用いて臼蓋・大腿骨のコンポーネントが適切な位置に設置できるように術前計画が行われてきた。しかし、2次元画像を基にした術前計画は、X線像の拡大率が一定にできないことや、大腿骨が下肢の回旋によって形状変化することなどの問題点をもっていた。そのためCT(コンピュータ断層撮影)画像を用いて3次元的に任意の断面像や立体的な画像を作成して術前計画を行う方法も行われるようになってきている。これによって3次元的に前記臼蓋コンポーネント・前記大腿骨のコンポーネントを適切に設置するための3次元術前計画が立案できるようになったが、この方法であっても、術中に捉えた位置が前記3次元術前計画の設置位置のどこに対応するのかが把握できないという問題点があった。
【0006】
このような問題点に対して、近年、CT画像から得られた骨の3次元コンピュータモデルと実際の骨とを、手術部位に設けられた赤外線センサなどや手術室に設置する光学式カメラなどを用いて位置合わせを行い、手術器具も前記センサで補足しつつ、前記臼蓋の掘削や、前記大腿骨頚部の骨切りおよび前記大腿骨の掘削、また前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨のコンポーネントの設置などの方向ないし位置を施術者に対してガイド可能なコンピュータナビゲーション技術が開発されてきていて一部ではすでに臨床の現場で使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなコンピュータナビゲーション技術を用いた機械は手術対象部位の位置や、手術器具の位置ないし方向などの情報をコンピュータ上に表示可能であるが、いくつかの問題点がある。1つには、施術者がコンピュータ表示を見ながら手術器具を操作する必要があるため、表示された手術器具の位置・方向に手術器具を合致するように操作するのは困難である。2つめとしてナビゲーション手術を行うために前記センサなど、ナビゲーション手術を行うために必要な通常手術で必要としない高価な器材を要することである。また一つの機械をもちいて、いくつかの病院で利用するには、運搬の面で問題が生じる可能性がある。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする第1の課題は、コンピュータナビゲーション手術のような術野以外の場所で人工関節の設置位置ないし方向を表示するのでなく、術野で直接前記人工関節の設置位置ないし方向を確認できることにあり、第2の課題はナビゲーション手術で必要とする高価な器械を必要としないこと、第3の課題は利用施設を特定しない運搬のしやすいことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の人工股関節置換術支援補助部材は、人工股関節置換術を行う手術部位となる臼蓋ないし大腿骨の3次元的形状を利用して作成される、前記臼蓋ないし前記大腿骨に一部、ないし全てを嵌合させうる骨嵌合部を持ち、人工股関節置換術を行う手術部位のCTデータを基にした術前計画によって得られる、人工股関節置換術に使用する臼蓋コンポーネントないし大腿骨コンポーネントを設置するための位置と方向の少なくともいずれか1つを含む情報を提供する設置情報表示部からなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成により、該人工股関節置換術支援補助部材を、前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨コンポーネントのいずれかを設置する手術部位である前記臼蓋ないし前記大腿骨にあてはめることができる。また該人工股関節置換術支援補助部材は術前に計画した前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨コンポーネントのいずれかを設置するための位置と方向の少なくともいずれか1つの情報を提供する該設置情報表示部をもっているので、該人工股関節置換術支援補助部材を手術部位である臼蓋ないし大腿骨に嵌合したならば、それは同時に術前に計画した前記コンポーネントのいずれかを設置するための位置と方向の少なくともいずれか1つの情報を術野に表示する事が可能となる。
【0011】
例を挙げて説明する。手術部位である前記臼蓋に前記臼蓋コンポーネントを前記3次元術前計画より得られた方向に設置するための前記人工股関節置換術支援補助部材には、前記臼蓋コンポーネントの設置方向と3次元的に平行に、鋼線であるキルシュナーワイヤーやホフマンピンなどを挿通可能な孔を備えた部分、すなわち前記臼蓋コンポーネントを設置する方向の情報を提供する前記設置情報表示部をもち、同時に臼蓋に嵌合する前記骨嵌合部をもつので、術中に術野で前記臼蓋に嵌合することで、臼蓋コンポーネントの設置方向を術野で直接表示できる。また嵌合しているかどうかつまり前記人工股関節置換術支援補助部材が機能するかどうかを前記人工股関節置換術支援補助部材の嵌合部と前記臼蓋とをみることで確認することができる。
【0012】
もう1例説明する。手術部位である前記大腿骨に前記大腿骨コンポーネントを前記3次元術前計画によって得られた位置ないし方向に設置するための前記人工股関節置換術支援補助部材は、前記大腿頚部の骨切をボーンソーなどの鋸器具で適切な位置ないし方向で行うためのスリット部や、大腿骨コンポーネントの挿入方向を示すための凸部と凹部のいずれか一方を有する直線部といった前記設置情報表示部をもつ。また前記大腿骨コンポーネント設置のための前記人工股関節置換術支援補助部材は前記大腿骨に嵌合する前記骨嵌合部をもつので、前記人工股関節置換術支援補助部材が前記大腿骨に嵌合すると、それは同時に、前記大腿骨頚部の骨切りの位置ないし方向や、大腿骨コンポーネント設置方向を術野で表示できることになる。また嵌合しているかどうかつまり前記人工股関節置換術支援補助部材が機能するかどうかを前記人工股関節置換術支援補助部材の嵌合部と前記大腿骨とをみることで確認することができる。
【発明の効果】
【0013】
人工股関節を適切な位置ないし方向に設置するための情報が、前記人工股関節置換術支援補助部材を前記臼蓋ないし前記大腿骨に嵌合させることのみで可能となるので、術野を見ながら、前記ナビゲーションなどの高価な器械を必要とせずに人工関節設置の支援をする事ができる。またこの部材は大きさとしては10cm以内であるので運搬に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
本実施形態に係る人工股関節置換術支援補助部材は主として、前記臼蓋コンポーネント設置における設置の方向を表示する際に用いられる人工股関節置換術支援補助部材a8と、大腿骨コンポーネント設置位置を特定する大腿骨頭の骨切り線の位置ないし方向と大腿骨コンポーネントの挿入方向とを表示する人工股関節置換術支援補助部材b20がある。
【実施例1】
【0016】
前記臼蓋コンポーネントを設置するための人工股関節置換術支援補助部材a8は、コンピュータ上で人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)7を作成することによって作られる。該人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)7は以下の段階を経て作成される。
1.図1に示すように、予め人工股関節を設置する際の手術部位の1つである臼蓋を含む骨盤の医用画像データを、CT(断層撮影)などによって取得する。該医用画像データをコンピュータに取り込むことによって、人工股関節を設置する際の手術部位の1つである前記臼蓋および骨盤をそれぞれ、前記臼蓋立体3次元モデル2および骨盤立体モデル1としてコンピュータ上で作成できる。
2.次に図1において、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7の作成方法を示す。コンピュータ上で前記臼蓋立体3次元モデル2と重なる位置に任意の立体3次元モデル(臼蓋手術用)3を作成する。
3.続いて図1において、該立体3次元モデル(臼蓋手術用)3と該臼蓋立体3次元モデル2との重なった部分を、該立体3次元モデル(臼蓋手術用)3から取り除く差演算によって臼蓋と嵌合する骨嵌合部(図1では示されない、図2の符号6で示す)を有する、骨嵌合部有立体モデル(臼蓋用)が作成される。
4.さらに図1において、前記3次元術前計画で得られた、臼蓋コンポーネントの適切な設置方向の情報を提供しうる設置情報表示部、例えば図1で示すように設置方向に平行に鋼線を挿通可能な孔5をもつ、設置情報表示部を有する、設置情報表示部立体モデル(臼蓋用)4を作成する。
5.図2に示すように、前記骨嵌合部有立体モデル(臼蓋用)と設置情報表示部立体モデル(臼蓋用)4の2つを和演算によって結合させたものが、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)7となる。この前記人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)7を光造形などのラピッドプロトタイピングで作成した部材が本発明で提供しうる工股関節置換術支援補助部材a8である。
【0017】
図3から5は、人工股関節置換術の手術中の術野における前記臼蓋10と前記人工股関節置換術支援補助部材a8を示した模式図である。以下に前記人工股関節置換術支援補助部材a8の使用方法を説明する。
【0018】
図3は、前記人工股関節置換術支援補助部材a8の、前記臼蓋10と、嵌合する骨嵌合部 (臼蓋用)9を前記臼蓋10に嵌合させる前の状態を示す。図4は、前記人工股関節置換術支援補助部材a8が前記臼蓋10に嵌合した状態を示す。前記骨嵌合部 (臼蓋用)9と、前記骨嵌合部 (臼蓋用)9と嵌合する臼蓋10を術野で直接見ることができるので、嵌合が適切に行われているかの確認ができる。そして嵌合させた人工股関節置換術支援補助部材a8の前記臼蓋10に対する位置は、コンピュータ上で作成された人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7の前記臼蓋立体3次元モデル2に対する位置と合致することになる。合致したということは、人工股関節置換術支援補助部材a8の前記臼蓋コンポーネントの設置に必要な情報を提供する部分である前記設置情報表示部(臼蓋用)11は術野で、臼蓋コンポーネントを設置する方向を表示したことになる。
【0019】
図4において、例えば前記設置情報表示部(臼蓋用)11が、設置方向に平行に鋼線12を挿通可能な孔13を含む場合は、前記孔13に鋼線12を挿通させそのまま前記臼蓋10に鋼線を突き刺し固定することができる。つまり、鋼線12の方向がまさに前記臼蓋コンポーネントを設置する方向と一致することになる。
【0020】
図5は、人工股関節置換術支援補助部材a8を前記臼蓋10から取り除いた状態を示しているが、先に固定させた鋼線12の方向を術野で直接見ながら臼蓋コンポーネントを設置する手術が可能となる。
【実施例2】
【0021】
前記大腿骨コンポーネントを設置するための人工関節設置補助部材b20はコンピュータ上で人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18を作成することによって作られる。該人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18は以下の段階を経て作成される。
1.図6に示すように、予め人工股関節を設置する際の手術部位の1つである大腿骨の医用画像データを、CT(断層撮影)などによって取得する。該医用画像データをコンピュータに取り込むことによって、人工股関節を設置する際の手術部位の1つである前記大腿骨を、コンピュータ上で大腿骨立体3次元モデル14として作成できる。
2.次に図6において、コンピュータ上で前記大腿骨立体3次元モデル14と重なる位置に任意の立体3次元モデル(大腿骨用)(図6では示されない)を作成する。
3.続いて図6において、該立体3次元モデル(大腿骨用)(図6では示されない)と該大腿骨立体3次元モデル14との重なった部分を、該立体3次元モデル(大腿骨用)から取り除く差演算によって、該大腿骨立体3次元モデル14と嵌合する骨嵌合部(大腿骨用)19(図6では示されない。図7で示す)を有する骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15を作成する。
4.さらに図6において、前記3次元術前計画より得られた、前記大腿骨コンポーネントの適切な設置方向の情報を提供しうる設置情報表示部、例えば設置方向に平行な凸部と凹部のいずれか一方の直線構造である設置情報表示部16(図のなかでは、凹な溝構造で示す)を、骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15に作成する。この作業は、たとえば直線部分を示す円筒形立体モデルを作成し、該円筒形立体モデルと骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15の重なっている部分を、骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15から取り除く差演算によって求めることができる。
5.さらに図6において、前記3次元術前計画より得られた、大腿骨コンポーネントを適切な位置に設置するために必要な前記大腿頚部の骨切りを行う位置ないし方向を提供しうる設置情報表示部、例えば骨切り面に沿ったスリット構造である設置情報表示部17を骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15に作成する。この作業は、スリット構造の形状をつくるために、例えば直方体モデルを作成し、該直方体モデルと骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15の重なっている部分を、骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)15から取り除く差演算によって求めることができる。
6.以上のような工程によって、図7に示すような、前記大腿骨コンポーネントの適切な設置方向の情報を提供しうる設置情報表示部、例えば設置方向に平行な凸部と凹部のいずれか一方の直線構造である設置情報表示部16と、前記大腿頚部を骨切りするための骨切り線の位置ないし方向を示すスリット構造をもつ設置情報表示部17とのいずれか、もしくは両方を含みなおかつ前記大腿骨14に嵌合せしめる骨嵌合部(大腿骨用)19をもつ、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18を光造形などのラピッドプロトタイピングで作成した部材が本発明で提供しうる人工股関節置換術支援補助部材b20である。
【0022】
次の図8から9は、人工股関節置換術の手術中の術野における前記大腿骨21と前記人工股関節置換術支援補助部材b20を示した模式図である。前記人工股関節置換術支援補助部材b20の使用方法を説明する。
【0023】
図8は、前記人工股関節置換術支援補助部材b20の、前記大腿骨21と嵌合する骨嵌合部 (大腿骨)22を、前記大腿骨21に嵌合させる前の状態を示す。
【0024】
図9は、前記人工股関節置換術支援補助部材b20が前記大腿骨21に嵌合した状態を示している。この際、骨嵌合部(大腿骨)22と、該骨嵌合部(大腿骨)22と嵌合する大腿骨21を術野で直接見ることができるので、嵌合が適切に行われているかの確認ができる。また嵌合させた人工股関節置換術支援補助部材b20の前記大腿骨21に対する位置は、コンピュータ上で作成された人工股関節置換術支援補助部材作成用の人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の前記大腿骨立体3次元モデルに対する位置と合致することになる。合致したということは、人工股関節置換術支援補助部材b20は前記大腿骨コンポーネントの設置に必要な情報である設置情報表示部をもつため、前記大腿骨コンポーネントを設置するために必要な位置ないし方向を表示できることになる。すなわち、前記人工股関節置換術支援補助部材b20は、前記大腿骨頚部の骨切りを行うための位置ないし方向を表示するスリット構造をもつ設置情報表示部23と、前記大腿骨コンポーネントを設置するための適切な設置方向を表示する、該設置方向に平行な凸部と凹部のいずれか一方の直線構造をもつ設置情報表示部24とのいずれかもしくは両方をもつので、前記大腿骨頚部の骨切りを行うための位置ないし方向の表示と、前記大腿骨コンポーネントの適切な設置方向の表示とのいずれかもしくは両方の表示が術野で直接可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る、人工股関節置換術支援補助部材8を作成するための、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)7の作成方法を説明するための図である。
【図2】人工股関節置換術支援補助部材a8を作成のための、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7の斜視図である。
【図3】人工股関節置換術支援補助部材a8の使用方法を説明するための図である。
【図4】人工股関節置換術支援補助部材a8の使用方法を説明するための図である。
【図5】人工股関節置換術支援補助部材a8の使用方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例2に係る、人工股関節置換術支援補助部材b20を作成のための、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の作成方法を説明するための図である。
【図7】人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の斜視図である。
【図8】人工股関節置換術支援補助部材b20の使用方法を説明するための図である。
【図9】人工股関節置換術支援補助部材b20の使用方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1.コンピュータ上の骨盤立体モデル
2.コンピュータ上の臼蓋立体3次元モデル
3.コンピュータ上の立体3次元モデル(臼蓋手術用)
4.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7がもつ、前記臼蓋コンポーネント設置方向に平行に鋼線を挿通することを可能とする孔5をもつ設置情報表示部立体モデル(臼蓋用)
5.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7がもつ、前記臼蓋コンポーネント設置方向に平行に鋼線を挿通することを可能とする孔
6.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル7がもつ、臼蓋立体3次元モデル2と嵌合することができる骨嵌合部
7.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(臼蓋用)
8.人工股関節置換術支援補助部材a
9.人工股関節置換術支援補助部材a8における骨嵌合部(臼蓋用)
10.臼蓋
11.人工股関節置換術支援補助部材a8の、前記臼蓋コンポーネント設置方向に平行に鋼線12を挿通することを可能とする孔13をもつ設置情報表示部(臼蓋用)
12.鋼線
13.人工股関節置換術支援補助部材a8の、前記臼蓋コンポーネント設置方向に平行に鋼線12を挿通することを可能とする孔
14.コンピュータ上で示される、大腿骨立体3次元モデル
15.コンピュータ上で示される、骨嵌合部有立体3次元モデル(大腿骨用)
16.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の、大腿骨コンポーネントの設置方向に平行な直線構造である設置情報表示部
17.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の、大腿骨頚部骨切りを行うためのスリット構造である設置情報表示部
18.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)
19.コンピュータ上で示される、人工股関節置換術支援補助部材作成用立体モデル(大腿骨用)18の、前記大腿骨立体3次元モデル14と嵌合する骨嵌合部(大腿骨用)
20.人工股関節置換術支援補助部材b
21.大腿骨
22.人工股関節置換術支援補助部材b20の、前記大腿骨21と嵌合する骨嵌合部
23.人工股関節置換術支援補助部材b20がもつ、大腿骨頚部骨切りを行うための位置ないし方向を表示するためのスリット構造である設置情報表示部
24.人工股関節置換術支援補助部材b20がもつ、前記大腿骨コンポーネントの適切な設置を行うための、設置方向に平行な直線構造である設置情報表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工股関節置換術の手術部位である臼蓋ないし大腿骨の3次元的形状を利用して、前記臼蓋ないし前記大腿骨に嵌合させうる骨嵌合部をもち、人工股関節置換術に用いられる人工関節である臼蓋コンポーネントないし大腿骨コンポーネントを適切な位置・方向に設置するために、前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨コンポーネントの術前計画に基づいた適切な設置位置ないし方向を術野で確認できる設置情報表示部をもつ人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項2】
前記骨嵌合部が前記臼蓋に適切に嵌合できたか確認可能であることを特徴とする、請求項1に記載の人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項3】
前記設置情報表示部が、前記臼蓋に前記臼蓋コンポーネントを設置する方向を確認するために、鋼線を挿通することの可能な孔を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項4】
前記骨嵌合部が前記大腿骨に適切に嵌合できたか確認可能であることを特徴とする、請求項1に記載の人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項5】
前記設置情報表示部が、前記大腿骨に前記大腿骨コンポーネントを設置するために必要な大腿骨頚部を骨切するための、該骨切の位置および方向が表示可能であることを特徴とする、請求項1または請求項4に記載の人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項6】
前記設置情報表示部が、前記大腿骨に前記大腿骨コンポーネントを設置するための方向が表示可能であることを特徴とする、請求項1ないし請求項5に記載の人工股関節置換術支援補助部材。
【請求項7】
特定の施設に限定されない持ち運びが便利であることを特徴とする、請求項1に記載の人工股関節置換術支援補助部材
【請求項8】
請求項1に規定する人工股関節置換術支援補助部材の製造方法であって、手術部位である臼蓋ないし大腿骨3次元的形状を利用して、任意の物体の形状と前記臼蓋ないし前記大腿骨の3次元的形状の重なり合う部分を前記物体の形状から切り取る差演算によって、前記骨嵌合部を作成する第1の工程と、前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨コンポーネントを適切な位置・方向に設置するための、前記臼蓋コンポーネントないし前記大腿骨コンポーネントの術前計画に基づいた適切な設置位置ないし方向を示す前記設置情報表示部を作成する第2の工程を包含する、人工股関節置換術支援補助部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−188400(P2008−188400A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56337(P2007−56337)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(507072483)
【Fターム(参考)】