説明

人工衛星用の太陽発電機を備えたアンテナを形成する展開可能な構造

【課題】人工衛星用の太陽発電機を備えたアンテナを形成する展開可能な構造を提供する。
【解決手段】展開可能な構造は:・各々が実質的に長方形の有用な面を持ち、それらが互いに平行な第一辺において相互に隣接する、一組のアンテナ・パネル151〜157と、・第一辺に直角な前記アンテナ・パネルの第二辺において、各パネルがアンテナ・パネルに隣接する、少なくとも1つの太陽光発電パネル331〜334と、・その各々が、アンテナ・パネルの第一辺に対して実質的に平行な軸の周りで、前記アンテナ・パネルを隣接するアンテナ・パネルに対して旋回させることができる、第一の継手システムと、・その各々が、アンテナ・パネルの第二辺と実質的に平行な軸の周りに隣接する太陽光発電パネルを、前記アンテナ・パネルに対して旋回できるようにする、各太陽光発電パネル用の第二の継手システムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人工衛星に装備され得る展開可能な構造の分野に位置する。それは太陽発電機を備えたアンテナを形成するパネルで構成される、1つのそのような展開可能な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星は特にレーダーシステムとして使用される。このため、それらは作動している構成において平らな形をとるレーダーアンテナを含む。この平らなパネルは一般に、人工衛星を軌道に置くための打ち上げロケットのノーズ・コーンの下では、作動している構成に置かれる事ができないような寸法を有する。その結果として、レーダーアンテナは一般にいわゆる展開可能な構造で形成される。そのような構造は、パネルが相互に積み重ねられる、打ち上げ用の格納された構成を取り得るようなやり方で、互いに連結された一組のアンテナ・パネルと、アンテナ・パネルが展開されて平らなパネルを形成する、衛星が軌道に置かれた後の作動している構成とを備える。より正確には、格納された構成において、アンテナ・パネルは衛星の本体の両側で、2つの反対側の面に積み重ねられる。パネルは本体の第三の面に固定された中央のアンテナ・パネルに連結される。衛星は、太陽電池パネルを含む太陽発電機により一般に提供される、電気エネルギー源もまた必要とする。宇宙飛行はエネルギーに関して益々「多くを必要としており」、それらは益々大きな太陽電池パネルを要する。太陽電池パネルの寸法増加は、しかしながら、レーダーアンテナの格納された構成、及び作動している構成の両方に関して問題を提起する。事実、衛星の本体は、その上にアンテナ・パネルが格納された構成で積み重ねられる2つの面が、そこに中央アンテナ・パネルが固定される第三の面よりも広い幅を有する、平行六面体の形の全体容積を形成する。その結果、第三の面の反対面上において、太陽電池パネルを格納するために利用できる容積は、比較的限られる。作動している構成において、太陽電池パネルは展開され、衛星の本体から遠ざけられる。その結果として、アンテナ・パネルと太陽電池パネルとが互いに光を遮る危険性がある。太陽電池パネルは、レーダーアンテナの作動を妨害しがちである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの目的は特に、アンテナ・パネルと太陽電池パネルとが互いに光を遮ることなく、展開可能な構造及び比較的大きな太陽電池パネルによって形成されたアンテナを、衛星が含み得るようにすることにより、上述の不都合を解消することである。このために、本発明は:
・ 各々が実質的に長方形の有用な面を持ち、それらが互いに平行な第一辺において相互に隣接する、一組のアンテナ・パネルと、
・ 第一辺に直角な前記アンテナ・パネルの第二辺において、各太陽光発電パネルがアンテナ・パネルに隣接する、少なくとも1つの太陽光発電パネルと、
・ その各々が、アンテナ・パネルの第一辺に対して実質的に平行な軸の周りで、前記アンテナ・パネルを隣接するアンテナ・パネルに対して旋回させることができる、第一の継手システムと、
・ その各々が、アンテナ・パネルの第二辺と実質的に平行な軸の周りに隣接する太陽光発電パネルを、前記アンテナ・パネルに対して旋回できるようにする、各太陽光発電パネル用の第二の継手システムと
を含む、衛星が装備し得る展開可能な構造から成る。
【0004】
本発明はとりわけ、アンテナ・パネル及び太陽電池パネル用に、同じ積み重ね、展開、及び継手システムを提供可能にするという利点を有する。
【0005】
本発明は添付図に関連して与えられる、以下の記述を読むことによって、より良く理解され、他の利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】格納された構成におけるレーダーアンテナを含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンを透視図法で図式的に示す。
【図1B】格納された構成におけるレーダーアンテナを含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンを断面で図式的に示す。
【図2】作動している構成におけるレーダーアンテナを装備する、図1A及び1Bからの人工衛星を透視図法で図式的に示す。
【図3A】格納された構成における、本発明の展開可能な構造の一例を含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンを正面図で図式的に示す。
【図3B】格納された構成における、本発明の展開可能な構造の一例を含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンを長手断面図で図式的に示す。
【図3C】格納された構成における、本発明の展開可能な構造の一例を含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンを横断面図で図式的に示す。
【図4】作動している構成における、図3A、3B及び3Cからの展開可能な構造を含む人工衛星を透視図法で図式的に示す。
【図5A】展開可能な構造の2つのパネルを相互に接続できる、継手システムの一例を図式的に示す。
【図5B】展開可能な構造の2つのパネルを相互に接続できる、継手システムの一例を図式的に示す。
【図5C】展開可能な構造の2つのパネルを相互に接続できる、継手システムの一例を図式的に示す。
【図5D】展開可能な構造の2つのパネルを相互に接続できる、継手システムの一例を図式的に示す。
【図6A】図3A、3B、3C、及び4からの展開可能な構造に対する、展開の運動学の一例を示す。
【図6B】図3A、3B、3C、及び4からの展開可能な構造に対する、展開の運動学の一例を示す。
【図6C】図3A、3B、3C、及び4からの展開可能な構造に対する、展開の運動学の一例を示す。
【図6D】図3A、3B、3C、及び4からの展開可能な構造に対する、展開の運動学の一例を示す。
【図6E】図3A、3B、3C、及び4からの展開可能な構造に対する、展開の運動学の一例を示す。
【図7】作動している構成における、本発明の展開可能な構造の別の例を含む人工衛星を透視図法で図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1A及び1Bは、格納された構成におけるレーダーアンテナを含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンをそれぞれ透視図法及び断面で図式的に示す。打ち上げロケットのノーズ・コーン10は、中空の円筒部分11及び円錐部分12を含む。人工衛星13は中空の円筒部分11内に設置されている。人工衛星13は平行六面体の全体形状の本体14を含む。本体14は、展開可能な構造を受けるのに適した4つの外部側面14A、14B、14C,及び14Dを有する。ここで、人工衛星13は継手システム16により互いに連結された、一組のアンテナ・パネル151〜157で形成される展開可能なアンテナ15を装備する。アンテナ・パネル151〜157は、実質的に長方形の形状を有する。第一のアンテナ・パネル154は本体14の面14Aに固定される。面14A及び反対側の面14Cは、面14B及び14Dよりも狭い幅を有する。アンテナ・パネル154、又は直接的に、人工衛星13は継手システム16により、2つの別のアンテナ・パネル153及び155に接続される。アンテナ・パネル153及び155は、継手システム16によってそれぞれ、アンテナ・パネル152及びアンテナ・パネル156に接続される。アンテナ・パネル152及び156は、継手システム16により、それら自体がアンテナ・パネル151及び157に接続される。図1A及び1Bに示す格納された構成において、一方でアンテナ・パネル151〜153、及び他方で155〜157は、互いに平行に積み重ねられる。アンテナ・パネル151〜153は、アンテナ・パネル153が本体14の面14Dの上で支えになるようなやり方で、アンテナ・パネル154に対して折り畳まれる。アンテナ・パネル155〜157は、アンテナ・パネル155が本体14の面14Bの上で支えになるようなやり方で、アンテナ・パネル154に対して折り畳まれる。人工衛星13はまた、延長アーム18により面14Cに接続された太陽光発電パネル17を含む太陽発電機を装備する。アンテナ・パネル151〜157は、相対的に広いアンテナ面を形成可能でなければならない。このために、それらはより広い面14B及び14Dの上に積み重ねられる。従って太陽電池パネル17のために利用できる容積は小さい。太陽電池パネル17は、それゆえ大きな寸法を持つことが困難になり得る。
【0008】
図2は、操作用の構成とも呼ばれる、作動している構成における展開可能なアンテナ15を装備する、人工衛星13を透視図法で図式的に示す。この構成において、アンテナ・パネル154はアンテナ・パネル153及び155と2つの反対側の辺において隣接している。類似のやり方で、一方でアンテナ・パネル151と152、及び他方で156と157は、実質的に平坦で連続する長方形の、全体として有用な表面を形成するような方法で直列に、それぞれアンテナ153及び155と隣接している。太陽電池パネル17は、延長アーム18によって本体14から遠ざけられる。アンテナ15と太陽電池パネル17の向き、及び太陽の相対位置に対する人工衛星13の幾つかの構成において、太陽電池パネル17は太陽とアンテナ15との間に遮蔽物を形成しがちである。アンテナ15の作動は、それが受ける熱弾性変形のために、そのとき悪化する。
【実施例】
【0009】
図3A、3B、及び3Cは、格納された構成における、本発明の展開可能な構造の一例を含む人工衛星がその中に設置されている、打ち上げロケットのノーズ・コーンをそれぞれ正面図、縦断面図、及び横断面図で図式的に示す。本発明の人工衛星31は、それが展開可能なアンテナ15を形成するアンテナ・パネル151〜157と、太陽電池パネル331〜334との双方を含む、展開可能な構造32を装備している点において、図1A、1B、及び2に関連して記述されている人工衛星13とは基本的に異なる。人工衛星31が装備している展開可能なアンテナ15は、人工衛星13が装備しているものと実質的に同一である。第一のアンテナ・パネル154は本体14の面14Aに固定される。一方でアンテナ・パネル151〜153及び他方で155〜157は、継手システム16によりアンテナ・パネル154の両側に直列に接続される。これらのアンテナ・パネル151〜153及び155〜157は、人工衛星13の本体14又はアンテナ・パネル154のいずれかに固定される。図3A、3B、及び3Cに示す格納された構成において、一方でアンテナ・パネル151〜153及び他方で155〜157は、互いに平行に積み重ねられる。アンテナ・パネル151〜153は、アンテナ・パネル153が本体14の面14Dの上で支えになるようなやり方で、アンテナ・パネル154に対して折り畳まれる。アンテナ・パネル155〜157は、アンテナ・パネル155が本体14の面14Bの上で支えになるようなやり方で、アンテナ・パネル154に対して折り畳まれる。展開可能な構造32は、さらに4つの太陽電池パネル331〜334を含む。太陽電池パネル331及び332は、継手システム19によりアンテナ・パネル151に接続される。太陽電池パネル333及び334は、継手システム19によりアンテナ・パネル157に接続される。図3A、3B、及び3Cに示す格納された構成において、アンテナ・パネル151〜153及び太陽電池パネル331と332は互いに平行に積み重ねられ、アンテナ・パネル153は本体14の面14Dの上で支えとなり、そして太陽電池パネル332はパネルの積み重ねの最も外側の層を形成する。アンテナ・パネル155〜157及び太陽電池パネル333と334は互いに平行に積み重ねられ、アンテナ・パネル155は本体14の面14Bの上で支えとなり、そして太陽電池パネル334はパネルの積み重ねの最も外側の層を形成する。この位置は、それらが人工衛星13を軌道に置く第一の段階において開くことを可能にし、従って人工衛星に電気エネルギーを供給する。この部分的な開放は、人工衛星が存続することを確保し、小さい寸法の展開構造のために、衛星が定位置に置かれる際にその制御を容易にする。太陽電池パネル331〜334の幅は、打ち上げロケットのノーズ・コーン10の、中空円筒部分11内で利用できるスペースに適合するようなやり方で、アンテナ・パネル151〜157の幅よりも僅かに小さくなり得る。
【0010】
図4は作動している構成における、展開可能な構造32を装備した人工衛星31を透視図法で図式的に示す。この構成において、アンテナ・パネル151〜157は、実質的に平らで連続する長方形の、全体として有用な表面15Aを形成するような方法で、それらの長辺において直列に隣接している。太陽電池パネル331及び332は、アンテナ・パネル151の両側において展開される。アンテナ・パネル151は、その短辺の1つにおいて、太陽電池パネル331の短辺の1つに隣接し、その反対側では、太陽電池パネル332の短辺の1つに隣接している。類似のやり方で、太陽電池パネル333及び334は、アンテナ・パネル157の両側において展開される。アンテナ・パネル157は、その短辺の1つにおいて、太陽電池パネル333の短辺の1つに隣接し、その反対側では、太陽電池パネル334の短辺の1つに隣接している。太陽電池パネル331〜334は、展開可能なアンテナ15の有用な表面15Aと同じ平面内で必ずしも展開される必要はない。それらは、太陽放射の方角に向けられるようなやり方で、アンテナ・パネルの有用な表面に対して各々が或る角度にあることができる。
【0011】
格納された構成から作動している構成に進めるように、展開可能な構造32は継手構造16及び19を含む。これらの継手構造システム16及び19は、アンテナ・パネル151〜157の間の接続に対して、及びアンテナ・パネル151、157と太陽電池パネル331〜334との接続に対して、構造的に同一であってもよい。それらは同様に、展開可能な構造が2つの異なる直交した方向で展開されるのに適している場合に一般的であるように、異なってもよい。継手19の一例は、特に仏国特許第2635077号明細書において見出される。各継手システム16又は19は、それらのパネルの有用な表面に実質的に平行な軸の周りに、1つのパネルが他方のパネルに対して旋回できるようにしなければならない。様々なアンテナ・パネル151〜157の間の継手システム16の回転軸は実質的に相互に、及びアンテナ・パネル151〜157の長辺に平行である。アンテナ・パネル151、157と太陽電池パネル331〜334との間の継手システム19の回転軸は、前記パネルの短辺に対して実質的に平行である。
【0012】
図5A〜5Dは、2つのパネルを相互に接続するための継手システムの一例を示す。例としてアンテナ・パネル151とアンテナ・パネル152との間の継手システム16が考えられている。図5Aは、格納された位置に対応する位置における継手システムを示す。図5B及び5Cは、アンテナ・パネル151及び152が互いに対して展開されている位置における、継手システム16を示す。図5Dは、アンテナ・パネル151及び152が展開されている、作動の構成に対応する位置における継手システム16を示す。継手システム16はアンテナ・パネル151が取り付けられるべき第一の部分161、アンテナ・パネル152が取り付けられるべき第二の部分162、及び第三の部分163を含む。第二の部分162は、第一軸164の周りに旋回するため第一の部分161に接続される。第三の部分163は、第一軸164に対して実質的に平行な第二軸165の周りに旋回するため第一の部分161に接続される。第二の部分162は、図5Dに示すように作動している構成に対応する位置において、第一の部分161の支持面167上で支えとなるのに適した、ストッパー166を含む。ストッパー166及び支持面167は、作動している構成に対応する位置に一旦到達すると、第一の部分161と第二の部分162との間の回転運動の制限を可能にする。第三の部分163は、作動している構成に対応する位置において、第二の部分162の支持面169上で支えとなるのに適した、戻り止めストッパー168を含む。戻り止めストッパー168及び支持面169は、展開された位置に一旦到達すると、格納される位置に向けられた第一の部分161と第二の部分162との間の回転運動を防止できる。従って継手システム16は、回転ガイド機能及びパネルのロック機能の双方を有する。それらは同様に、パネルを格納された構成から作動している構成に駆動することにある、駆動機能を有し得る。その駆動トルクは例えば渦巻ばねにより与えられる。パネルの展開は、既知の先行技術である火工装置によって始動させられ得る。
【0013】
図6A〜6Eは、図3A、3B、3C,及び4に示す展開可能な構造に関する、展開の運動力学の一例を示す。図6Aは、展開可能な構造32の展開の第一段階における人工衛星31を示す。この段階において、アンテナ・パネル151及び157が展開される。それらはアンテナ・パネル152及び156の長辺に対して実質的に平行な2つの軸の周りで、それぞれアンテナ・パネル152及び156に対して回転駆動される。太陽電池パネル331〜334はアンテナ・パネル151及び157に接続され、それらも又これらの軸の周りで回転駆動される。アンテナ・パネル152、153、155、及び156は、衛星31の本体14の面14B及び14Dに対して、積み重ねられたまま留まる。図6Bは、展開可能な構造32の展開の第二段階における衛星31を示す。この第二段階は、アンテナ・パネル151及び157が、アンテナ15の作動している構成に対応するそれらの位置に到達したときに始まる。アンテナ・パネル151及び157は、次にアンテナ・パネル154と共に平らな表面を形成する。第二段階において、太陽電池パネル332及び334が展開される。それらは、アンテナ・パネル151及び157の短辺に対して実質的に平行な2つの軸の周りで、それぞれアンテナ・パネル151及び157に対して回転駆動される。アンテナ・パネル152、153、155、及び156は、本体14に対して積み重ねられたまま留まる。太陽電池パネル332及び334は、作動している構成において必要とされる位置にそれらが到達する迄、展開される。太陽電池パネル331及び333は次に第三段階において展開される。太陽電池パネル331及び333の開放は、アンテナ・パネル151及び157を開放するための、継手システム16をロックすることにより操作され得る。太陽電池パネル331及び333は、アンテナ・パネル151及び157の短辺に対して実質的に平行な2つの軸の周りで、それぞれアンテナ・パネル151及び157に対して回転駆動される。太陽電池パネル331及び333は、作動している構成において必要とされる位置にそれらが到達する迄、展開される。その位置は図6Cに示されている。図6Dは、展開可能な構造32の展開の第四段階における衛星31を示す。この段階において、まだ展開されていないアンテナ・パネルが展開される。ここで、アンテナ・パネル152、153、155、及び156は、それらアンテナ・パネルの長辺に実質的に平行な軸の周りで、アンテナ・パネル151、154、及び157に対して同時に回転駆動される。一方でアンテナ・パネル152及び153と、他方で155及び156も又、これらパネルの長辺に対して実質的に平行な2つの軸の周りで、互いに対して回転駆動される。アンテナ・パネル152、153、155、及び156は、図6Eに示す作動している構成に対応する位置にそれらが到達する迄、展開される。
【0014】
展開可能な構造32用の展開の運動力学は、図6A〜6Eに関連して述べられているものとは異なり得る。ここでアンテナ・パネル152〜153と155〜157、及び太陽電池パネル331〜334の展開は、アンテナ・パネル151及び157の展開が終了する前に始動され得る。
【0015】
展開可能な構造32は、図3A、3B、3C,及び4に示すものよりも多数の太陽電池パネルを含み得る。図7は作動している構成において12の太陽電池パネルを含む、本発明の展開可能な構造72の一例を装備する人工衛星71を透視図法で図式的に示す。衛星31の展開可能な構造32に対して、展開可能な構造72は、各太陽電池パネル331〜334の各辺において追加の太陽電池パネルを含む。言い換えれば各太陽電池パネルは、アンテナ・パネル151又は157の1つに接続された主要な太陽電池パネルと、その主要な太陽電池パネル331〜334に接続された二次太陽電池パネル341〜348とを備える。主要な太陽電池パネル331は、その長辺の1つにおいて第一の二次太陽電池パネル341に隣接し、その反対側において第二の二次太陽電池パネル342に隣接する。従って太陽電池パネル331、341、及び342は実質的に平らな長方形の有用な表面を形成する。太陽電池パネル342はその短辺において、機械的に接続されることなくアンテナ・パネル152に隣接する。類似のやり方で、各々の主要な太陽電池パネル332、333、及び334は、それらの長辺において、第一の二次太陽電池パネル343、345、及び347にそれぞれ隣接し、そして第二の二次太陽電池パネル344、346、及び348にそれぞれ隣接する。
【0016】
太陽電池パネル331〜334及び341〜348は、アンテナ・パネル151〜157を相互に接続し、そしてアンテナ・パネル151、157を主要な太陽電池パネル331〜334に接続しているのと同じ継手システムによって、共に接続され得る。各継手システムは、第二次太陽電池パネル341〜348を、太陽電池パネルの長辺に平行な軸の周りで、主要な太陽電池パネル331〜334に対して旋回させることを可能にする。太陽電池パネルを個々に1つのアンテナ・パネルと連結するよりも、相互に連結することの利点は、全ての太陽電池パネルが単一の継手システム、すなわち主要な太陽電池パネル331、332、333、及び334とアンテナ・パネル151又は157との間の継手システムによって、方向付けられ得ることである。太陽電池パネル同士の間の継手システムは、それらが1つの安定した位置、すなわちそれらパネルが同じ平面内にある、作動している構成に対応する位置のみに対して構成されねばならないため、大幅に単純であり得る。格納された構成において、二次太陽電池パネル341〜348は、それらが接続される主要な太陽電池パネル331〜334に平行に折り畳まれ得る。展開可能な構造72の展開は、次に二次太陽電池パネル341〜348の長辺に対して実質的に平行な軸の周りで、主要な太陽電池パネル331〜334に対し、それら二次太陽電池パネル341〜348を回転駆動することから成る、追加の段階を含む。太陽電池パネル341〜348の開放は、主要な太陽電池パネル331〜334の開放を可能にする、継手システム19をロックすることにより操作され得る。主要な太陽電池パネル331〜334及び二次太陽電池パネル341〜348は等しく、アンテナ・パネル151及び157のみを展開することにより、電気エネルギーを供給できるようなやり方で、格納された位置において配置され得る。勿論、本発明による展開可能な構造は、任意のアンテナ・パネル又は任意の太陽電池パネルに接続される、任意の数の太陽電池パネルを含み得る。
【符号の説明】
【0017】
10 ノーズ・コーン
11 中空の円筒部分
12 円錐部分
13 人工衛星
14 本体
14A 本体の第一の面
14B 本体の面
14C 本体の第三の面
14D 本体の第二の面
15 展開可能なアンテナ
15A 有用な表面
151 アンテナ・パネル
152 アンテナ・パネル
153 アンテナ・パネル
154 アンテナ・パネル
155 アンテナ・パネル
156 アンテナ・パネル
157 アンテナ・パネル
16 継手システム
161 第一の部分
162 第二の部分
163 第三の部分
164 第一軸
165 第二軸
166 ストッパー
167 第一の部分の支持面
168 戻り止めストッパー
169 第二の部分の支持面
17 太陽光発電パネル
18 延長アーム
19 継手システム
31 人工衛星
32 展開可能な構造
331 主要な太陽電池パネル
332 主要な太陽電池パネル
333 主要な太陽電池パネル
334 主要な太陽電池パネル
341 二次太陽電池パネル
342 二次太陽電池パネル
343 二次太陽電池パネル
344 二次太陽電池パネル
345 二次太陽電池パネル
346 二次太陽電池パネル
347 二次太陽電池パネル
348 二次太陽電池パネル
71 人工衛星
72 展開可能な構造
【図1A−1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星(71)が装備し得る展開可能な構造であって、それが:
・ 各々が実質的に長方形の有用な面を持ち、それらが互いに平行な第一辺において相互に隣接する、一組のアンテナ・パネル(151〜157)と、
・ 前記第一辺に直角な前記アンテナ・パネルの第二辺において、各太陽光発電パネルが実質的に長方形の有用な表面を持ち、アンテナ・パネル(151、157)に隣接する、少なくとも1つの太陽光発電パネル(331〜334)と、
・ その各々(16)が、前記アンテナ・パネル(151、157)の前記第一辺に対して実質的に平行な軸の周りで、前記アンテナ・パネル(151、157)を隣接するアンテナ・パネルに対して旋回させることができる、第一の継手システム(16)と、
・ その各々(19)が、前記アンテナ・パネル(151〜157)の前記第二辺と実質的に平行な軸の周りに隣接する太陽光発電パネル(331〜334)を、前記アンテナ・パネル(151〜157)に対して旋回できるようにする、各太陽光発電パネル(331〜334)用の第二の継手システム(19)とを含み、
少なくとも1つの太陽光発電パネルが、主要な太陽光発電パネル(331〜334)及び少なくとも1つの二次太陽光発電パネル(341〜348)を備え、前記主要な太陽光発電パネル(331〜334)が、関連する前記アンテナ・パネル(151〜157)に隣接し、各二次太陽光発電パネル(341〜348)が、前記主要な太陽光発電パネル(331〜334)が関連する前記アンテナ・パネル(151〜157)に隣接する前記辺に直角な辺の1つにおいて、前記主要な太陽光発電パネル(331〜334)に隣接し、前記展開可能な構造(72)が、各二次太陽光発電パネル(341〜348)用の第三の継手システム(16)をさらに含み、前記継手システムの各々が、前記二次太陽光発電パネル(341〜348)を、それらの隣接する前記辺に実質的に平行な軸の周りで、前記主要な太陽光発電パネル(331〜334)に対して旋回できるようにすることを特徴とする、展開可能な構造。
【請求項2】
主要な太陽光発電パネル(331〜334)及び少なくとも1つの二次太陽光発電パネル(341〜348)を備える、少なくとも1つの太陽光発電パネルが、さらに少なくとも1つの三次太陽光発電パネルを備え、各三次太陽光発電パネルが、前記主要な太陽電池パネルと、二次太陽電池パネルとがそこで相互に隣接する前記辺に対して平行な辺において、二次太陽電池パネル(341〜348)又は別の三次太陽光発電パネルに隣接し、前記展開可能な構造(72)がさらに、各三次太陽光発電パネル用の第三の継手システム(16)を含み、前記継手システムの各々が、前記三次太陽光発電パネルを、前記主要な太陽光発電パネルと二次太陽電池パネル(341〜348)、及び三次太陽光発電パネルとがそこで相互に隣接する前記辺に対して実質的に平行な軸の周りで、それが隣接する前記太陽光発電パネルに対して旋回できるようにする、請求項1に記載の展開可能な構造。
【請求項3】
格納された構成において、アンテナ・パネル(151〜153、155〜157)及び前記太陽電池パネル(331〜334、341〜348)が、相互に平行に積み重ねられるようなやり方で、そして作動している構成において、前記アンテナ・パネル(151〜157)が、実質的に平らで連続する全体として有用な表面(15A)を形成し、各太陽電池パネル(331〜334、341〜348)が実質的に平らで連続する、局部的で有用な表面を形成するようなやり方で構成される、請求項1及び2のいずれか一項に記載の展開可能な構造。
【請求項4】
前記アンテナ・パネルの1つ(154)が前記衛星(31、71)の本体(14)の第一の面(14A)に固定されるのに適合し、第一の部分集合のアンテナ・パネル(151〜153)及び、前記第一の部分集合の前記アンテナ・パネルの1つに隣接する前記太陽光発電パネル(331、332)が、前記本体(14)の第二の面(14D)に対して積み重ねられるのに適合し、第二の部分集合のアンテナ・パネル(155〜157)及び、前記第二の部分集合の前記アンテナ・パネルの1つに隣接する前記太陽光発電パネル(333、334)が、前記本体(14)の第三の面(14C)に対して積み重ねられるのに適合し、前記本体(14)の前記第二及び第三の面(14C、14D)が、前記本体(14)の前記第一の面(14A)に対して実質的に直角である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の展開可能な構造。
【請求項5】
前記第一の部分集合の前記アンテナ・パネル(151〜153)及び、前記第一の部分集合の前記アンテナ・パネルの1つに隣接する前記太陽光発電パネル(331、332)が、前記太陽光発電パネル(331、332)の1つが前記パネルの積み重ねの最も外側の層を形成するようなやり方で、積み重ねられるのに適合し、前記第二の部分集合の前記アンテナ・パネル(155〜157)及び、前記第二の部分集合の前記アンテナ・パネルの1つに隣接する前記太陽光発電パネル(333、334)が、前記太陽光発電パネル(333、334)の1つが前記パネルの積み重ねの最も外側の層を形成するようなやり方で、積み重ねられるのに適合している、請求項4に記載の展開可能な構造。
【請求項6】
パネルの積み重ねの最も外側の層を形成する前記太陽光発電パネル(331〜334)が、それらの有用な表面が外側に向けられるようなやり方で積み重ねられるのに適合している、請求項5に記載の展開可能な構造。

【図2】
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【図3A−3C】
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【図4】
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【図5A−5D】
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【図6A−6B】
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【図6C−6E】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−153357(P2012−153357A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−284168(P2011−284168)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】