説明

人工衛星

【課題】 太陽電池パドル搭載による電力補給のみに依存した場合、太陽電池パドルが故障した際や、日陰時には電力補給が行えず、衛星運用に制限をかけざるを得なかった。
【解決手段】 各人工衛星からの電力供給要求を分析し、電力供給、電力享受の指令を司る要求分析装置6、各人工衛星の状態データでもって他人工衛星の機器状態等を監視する衛星状態監視装置7、各人工衛星の軌道データでもって他人工衛星の姿勢状態、予測軌道等を解析する軌道解析装置8、電力を供給、及び享受される際の電力状態を監視する電力解析装置9、マイクロ波送受信用アンテナ10と太陽電池パドル11とで発生電力源を切り替える電力切替スイッチ12を具備し、太陽電池パドルの故障や日陰時でも、各人工衛星同士間で自律的にマイクロ波による電力授受を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波により電力を伝送するマイクロ波送受信用アンテナを人工衛星に搭載し、複数の衛星間で電力補給を行う人工衛星に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星の電力補給手段として、太陽電池により太陽エネルギーから電力を発生する太陽電池パドルが利用されている。
【0003】
一方、従来、ミッション機器を搭載する人工衛星が、別の電力供給衛星からマイクロ波を給電されることにより、ミッションを遂行する人工衛星が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−247127号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、太陽電池パドルからの発生電力のみで電力補給を行う従来の人工衛星では、太陽電池パドルが故障した場合、電力補給が行えなくなり、人工衛星が機能しなくなってしまう。また、人工衛星が日陰に位置する時には電力補給が行えず、日陰時の電力収支を考慮して電力消費を抑えた衛星運用が不可欠であり、衛星運用に制限をかけざるを得なかった。
【0006】
なお、電力供給衛星からマイクロ波を給電される人工衛星は、太陽電池パドルがないがため、常に電力供給衛星とペアで航行してマイクロ波の給電を受ける必要があり、衛星運用上の効率が悪く、依然として衛星運用に制限をかけざるを得なかった。
【0007】
本発明は、太陽電池パドルを搭載した人工衛星において、太陽エネルギーのみに依存せずに、人工衛星の電力補給を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る人工衛星は、太陽電池パドルと、上記太陽電池パドルの発生電力を蓄電するバッテリと、上記太陽電池パドルから発生した電力をマイクロ波に変換するとともに、受信したマイクロ波から電力を得るマイクロ波送受信用アンテナと、上記バッテリまたは搭載機器への電力供給元を、上記太陽電池パドルまたはマイクロ波送受信用アンテナに切替える電力切替スイッチと、太陽電池パネルおよびマイクロ波送受信用アンテナを有した他の人工衛星と通信する衛星間通信装置と、上記電力切替スイッチの切替え動作を制御する電力制御部とを備え、
上記電力制御部は、上記太陽電池パドルの発生電力またはバッテリの供給電力が所定の閾値以下となるとき、上記衛星間通信装置を介して、太陽光を受けている上記他の人工衛星に電力供給を要求し、上記他の人工衛星から電力供給が許可された場合に、上記電力供給元がマイクロ波送受信用アンテナに切替わるように上記電力切替スイッチを制御するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自己の人工衛星と他の人工衛星の電力レベルの監視結果に基づいて、電力供給元を、自己の人工衛星の太陽電池パドルと他の人工衛星から電力伝送するマイクロ波送受信用アンテナに切替えて、ハイブリッド型の電力補給を行うことにより、太陽電池パドルが故障した場合や日陰の軌道を航行する際でも、電力補給を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、図を用いて、この発明に係る実施の形態1について説明する。
図1は、太陽電池パドルとマイクロ波送受信用アンテナを搭載した人工衛星間で、マイクロ波による電力授受を行い、電力補給している運用形態を示す図である。図において、人工衛星2aと人工衛星2bはそれぞれ太陽電池パドルとマイクロ波送受信用アンテナを搭載し、マイクロ波の送受信を行うことで、互いの電力を補給し合う。図1の例では、人工衛星2aは太陽電池パドルにより太陽1からの光を受光し、太陽光発電による電力補給が可能な地球4の周回軌道を航行する。人工衛星2bは、地球4の周回軌道上で日陰に位置し、太陽光発電が不可能な軌道を航行している。人工衛星2aは人工衛星2bに対して、マイクロ波伝送による電力供給を行っている。
【0011】
比較例として、図2に、従来の人工衛星の運用形態を示す。図2に示すとおり、太陽光発電のみを行う場合、人工衛星3aは太陽光発電により電力補給が可能であるが、人工衛星3bは日陰により電力補給が一切行えない。このため、図1と比べて、日陰時の供給電力がバッテリに蓄電された電力に限られており、人工衛星の運用能力が制限される。
【0012】
図3は、人工衛星間でのマイクロ波送受信を可能とする、図1に示した人工衛星2(2a、2b)に搭載するコンポーネントの構成図である。
図において、人工衛星2a、2bに搭載されるコンポーネントはそれぞれ、要求分析装置6と、衛星状態監視装置7と、軌道解析装置8と、電力解析装置9と、マイクロ波送受信用アンテナ10と、太陽電池パドル11と、電力切替スイッチ12と、通信装置13を備えて構成される。通信装置13は、地上局5、及び他の人工衛星(例えば、人工衛星2aの場合、他の人工衛星は人工衛星2bとなる。また、人工衛星2bの場合、他の人工衛星は人工衛星2aとなる。)との間で通信を行う。要求分析装置6と、衛星状態監視装置7と、軌道解析装置8と、電力解析装置9は、計算機や各種モニタ装置にて電力制御部を構成する。
【0013】
要求分析装置6は各人工衛星からの電力供給要求を分析し、電力供給、電力享受の指令を司る。衛星状態監視装置7は、自身の人工衛星2a、及び、地上局5から送信される各人工衛星の状態データでもって、他の人工衛星の機器状態を監視する。軌道解析装置8は、自身の人工衛星2a、及び、地上局5からの各人工衛星の軌道データでもって他の人工衛星の姿勢状態、予測軌道等を解析する。電力解析装置9は、電力を供給、及び享受される際の電力状態をリアルタイムに監視するとともに、供給、及び享受された電力を計測し、要求分析装置6に計測結果を送って電力清算処理を行う。
【0014】
マイクロ波送受信用アンテナ10は、他の人工衛星との間でマイクロ波を送受信する。太陽電池パドル11は太陽電池によって電力を発生させる。電力切替スイッチ12は発生電力源を、マイクロ波送受信用アンテナ10もしくは太陽電池パドル11に切り替える。電力切替スイッチ12は、電力制御部の要求分析装置6によりスイッチの切替え動作が制御される。バッテリ14は、電力切替スイッチ12に接続された発生電力源からの電力を蓄電する。また、バッテリ14は、蓄電した電力を人工衛星2aに搭載されるコンポーネントに供給する。マイクロ波送受信用アンテナ10は、バッテリ14に蓄電された電力もしくは太陽電池パドル11から発生する電力をマイクロ波に変換して送信する。また、受信したマイクロ波から電力を得て、バッテリ14に蓄電した後、もしくは直接、人工衛星2aに搭載されるコンポーネントに電力を供給する。
【0015】
なお、各人工衛星(2衛星以上)に搭載されるコンポーネントは同様の装置で構成されるため、図3の人工衛星2bに関しては説明を省略し、また人工衛星2bの各コンポーネントについては人工衛星2aと同じ符号を用いる。
【0016】
電力解析装置9は、電力供給、享受処理が終了次第、電力供給、享受処理の結果を、通信装置13から地上局通信装置22に伝送する。地上局5は、地上局通信装置22で受信した情報に基づいて、通信装置13から送信された電力供給結果を把握、監視する。また、通信装置13は、地上局5との間で、衛星状態監視装置7で必要とする各人工衛星データの通信も行う。
【0017】
次に、図4のフローチャートを用いて電力制御部の処理動作を説明する。図4は、人工衛星2a(自身の人工衛星)から人工衛星2b(他の人工衛星)に対して、マイクロ波送信を行う場合の電力制御部の処理動作を示すフローチャートである。
電力制御部は、太陽電池パドル11の発生電力またはバッテリ14の供給電力が所定の閾値以下となるとき、通信装置14を介して、太陽光を受けている他の人工衛星に電力供給を要求し、当該他の人工衛星から電力供給が許可された場合に、バッテリ14への電力供給元がマイクロ波送受信用アンテナ11に切替わるように、電力切替スイッチ12を制御する。この際、バッテリ14について、充電状態100%の状態からの放電量が所定の閾値以下であり電力に余剰があるとき、他の人工衛星からの電力供給要求に応じて、マイクロ波送受信用アンテナ11を通じて他の人工衛星2bに電力伝送を行うように、電力切替スイッチ12を制御する。電力制御部は、上記マイクロ波送受信用アンテナを介して他の人工衛星から受信したマイクロ波の電力量を計測し、計測した電力量の値を上記他の人工衛星から享受した電力量として地上局に送信する電力清算処理を行う。
以下、電力制御処理について詳細に説明する。
【0018】
ステップSa1では、軌道解析装置8により、自身の人工衛星及び、他の人工衛星について、姿勢状態、予測軌道等の解析を行う。
ステップSa2では、衛星状態監視装置7により、自身の人工衛星2a及び、他の人工衛星2bについて、機器状態の解析を行う。ここでは、例えば人工衛星に搭載されたコンポーネントの動作状態や、消費される所要電力、バッテリ14に蓄電された電力レベルや放電量を計測する。
ステップSa3では、電力解析装置9により衛星状態監視装置7の機器状態をモニタすることにより、自らの人工衛星の電力状態を監視する。その上で、要求分析装置6により、他の人工衛衛星に電力を供給可能か否かを判定する。また逆に、要求分析装置6により、自らの人工衛星の電力が不足し電力供給不能か否かを判定し、電力供給不可能の場合に電力供給要求を行う必要があるか否かを分析する。
なお、両方の人工衛星2a、2bとも、電力供給可能(電力余剰)の場合、他の人工衛星に電力供給要求を行う事なく、要求分析を終了する。
【0019】
ここで、DOD値は、バッテリ14が100%充電の状態から何%まで放電したかを示す指標値であり、衛星状態監視装置7がバッテリ14の充電量を計測することによってその充電状態を求める。「Request Threshold Value」は、DOD値が何%以上になった際に、電力の供給要求をかけるか否かの閾値であり、地上局5から送信される衛星パラメータにより閾値を変更することが可能である。また、「Supply Threshold Value」は、DOD値が何%以上になった際に、電力の供給停止をかけるか否かの閾値であり、地上局5から送信される衛星パラメータにより閾値を変更することが可能である。例えば、DOD(Depth Of Discharge)値が、所定の閾値「Supply Threshold Value」より小さい場合、電力供給可能(電力余剰)と判定して、他の人工衛星への電力の供給を行う。また、DOD値が所定の閾値「Request Threshold Value」以上の場合、電力供給不能(電力不足)と判定して、他の人工衛星に対して電力の要求を行う。DOD(Depth Of Discharge)値が、所定の閾値「Supply Threshold Value」以上になった場合、電力供給不可と判定して他の人工衛星への電力の供給を停止する。
【0020】
一方、ステップSa4では、人工衛星2bが電力供給可能でない場合、他の人工衛星に対して電力要求送信を行い、要求分析装置6が電力発生源の切替を行う。
【0021】
そして、ステップSa5では、人工衛星2aにて電力要求を受信する。このとき、ステップSa7、Sa8にて、要求分析装置6、及び電力解析装置9により、電力供給可能か否かを分析し、不可能であれば、電力要求結果(NG)を人工衛星2bに対して送信する。
【0022】
ステップSa9、Sa10では、人工衛星2aが電力供給可能の場合、人工衛星2aから人工衛星2bに対して、マイクロ波による電力伝送処理を行う。
ここで、ステップSa11にて、電力解析装置9により、リアルタイムに電力状態を監視しながら、要求分析装置6により電力供給を継続するか否か判断を行う。
判断内容として、人工衛星2aのバッテリ14の電力がある一定の閾値(DOD値が「Supply Threshold Value」以下)に至るまで電力伝送を許し、電力に余剰がない場合、または、日陰になった場合には、ステップSa12、Sa13において、電力伝送処理を停止し、人工衛星2bに電力供給終了通知を送信する。
その上で、ステップSa14、Sa15にて、各人工衛星の要求分析装置6、通信装置13により、電力精算処理を実施する。電力精算処理では、要求分析装置6が、電力を供給した人工衛星2aの供給した電力量を計測した結果と、電力を享受した人工衛星2bの享受した電力量の計測結果と、各人工衛星のDOD値とを得る。
得られた結果は、ステップSa16〜18にて、通信装置13を介して地上局5に送信する。
このように、最終的な電力収支結果を各々の人工衛星2a、2bから地上局5に伝送し、地上局5でその結果を把握する事が可能となる。
【0023】
図5は、3つ以上の各人工衛星間(人工衛星2a〜2c)で、電力供給を行う際の、判定ロジックを示す模式図である。
図5(a)に示すように、DOD値が「Request Threshold Value」以上となった人工衛星2bが、人工衛星2a、2cの電力状態を比較し、供給条件のいい人工衛星2aに対して電力供給要求をかける。
その電力供給要求に従い、人工衛星2aは、人工衛星2bに対して人工衛星2aのDOD値が「Supply Threshold Value」以上となるまで、電力供給を行う。
その後、図5(b)に示すように、人工衛星2aのDOD値が「Supply Threshold Value」以下となり、人工衛星2aが供給を停止する。この際、人工衛星2bのDOD値が「Supply Threshold Value」より大きくかつ「Request Threshold Value」よりも小さくなく、人工衛星2cのDOD値は「Supply Threshold Value」より小さいと仮定する。
するとその後、人工衛星2bは次の人工衛星2cに対して、電力供給要求を行い、人工衛星2cは人工衛星2bに対して電力供給を行う。
上記のように、要求優先順位として、人工衛星間の互いの衛星姿勢、軌道状態といった衛星姿勢状態ではなく、各人工衛星の電力状態を第一優先順位として、電力供給要求を行う。この際、DOD値が小さく、かつ「Supply Threshold Value」とDOD値の差が大きいものを第一優先順位とするのが好ましい。
【0024】
図6は、人工衛星2aにおいて、電力解析装置9が把握する、負荷電力、発生電力、DOD値の関係を示す模式図である。
時間経過とともに、発生電力、負荷電力は偏移していくが、DOD値は常に「0%」に回復するような電力収支を考慮して、運用を図ることが必要となる。
【0025】
図7は、太陽電池パドル故障時、又は人工衛星が軌道上で日陰に位置することより、電力を発生する事が出来ないような状態に至ったときの、DOD値の推移を示す模式図である。
DOD値は、発生電力が生まれない限り「100」(人工衛星機能停止)になるまで単調増加を行う。しかし、ある一定の閾値(図の例では「90%」)を超えた時点で要求分析装置6が電力供給要求を行い、他人工衛星からのマイクロ波による電力供給が行われる。図では、この電力供給でもって、DOD値が回復する遷移を示している。
【0026】
このように、マイクロ波による電力享受は、太陽電池パドルの冗長としての役割と、図6に示すように電力収支を考慮した運用の必要性から、日陰時でも人工衛星を最大限使用するためのハイブリッドとしての役割との、2通りの位置付けでもって利用することが可能である。
なお、その使い分けは、閾値パラメータである「Request Threshold Value」の設定内容に依存される(仮に、「90%」とした場合は冗長系としての役割が非常に大きくなる。)。
【0027】
この実施の形態は、以上説明した通り、太陽電池パドル11と、太陽電池パドル11の発生電力を蓄電するバッテリ14と、太陽電池パドル11から発生した電力をマイクロ波に変換するとともに受信したマイクロ波から電力を得るマイクロ波送受信用アンテナ10と、バッテリ14または搭載コンポーネント(機器)への電力供給元を、太陽電池パドル11またはマイクロ波送受信用アンテナ10に切替える電力切替スイッチ12と、太陽電池パネル11およびマイクロ波送受信用アンテナ10を有した他の人工衛星2bと衛星間通信する通信装置13と、電力切替スイッチ12の切替え動作を制御する電力制御部とを備えて人工衛星を構成し、電力制御部は、太陽電池パドル11の発生電力またはバッテリ14の供給電力が所定の閾値以下となるとき、通信装置13を介して、太陽光を受けている他の人工衛星2bに電力供給を要求し、当該他の人工衛星2bから電力供給が許可された場合に、電力供給元がマイクロ波送受信用アンテナ10に切替わるように、電力切替スイッチ12を制御する。このようにハイブリッド型の電力補給を行うことにより、人工衛星2aが日陰の軌道を航行する際でも、複数の衛星間で電力補給を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態1による、マイクロ波送受信用アンテナ搭載の各人工衛星同士間のマイクロ波送受信方式による電力供給を示す模式図。
【図2】従来の太陽電池パドルのみを搭載した、各人工衛星の電力補給を示す模式図。
【図3】実施の形態1による、人工衛星に搭載するコンポーネントの構成を示す図。
【図4】実施の形態1による、電力制御の一連の処理動作を示すフローチャート。
【図5】各人工衛星間(3者間以上)で電力供給を行う際の判定ロジックを示す模式図。
【図6】人工衛星における、負荷電力、発生電力、DOD値の関係を示す模式図。
【図7】太陽電池パドル故障時、又は日陰時のDOD値推移を示す模式図。
【符号の説明】
【0029】
1 太陽、2 人工衛星、3 太陽電池パドルのみを搭載した人工衛星、4 地球、5 地上局、6 要求分析装置、7 衛星状態監視装置、8 軌道解析装置、9 電力解析装置、10 マイクロ波送受信用アンテナ、11 太陽電池パドル、12 電力切替スイッチ、13 通信装置、14 バッテリ、22 通信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パドルと、
上記太陽電池パドルの発生電力を蓄電するバッテリと、
上記太陽電池パドルから発生した電力をマイクロ波に変換するとともに、受信したマイクロ波から電力を得るマイクロ波送受信用アンテナと、
上記バッテリまたは搭載機器への電力供給元を、上記太陽電池パドルまたはマイクロ波送受信用アンテナに切替える電力切替スイッチと、
太陽電池パネルおよびマイクロ波送受信用アンテナを有した他の人工衛星と通信する衛星間通信装置と、
上記電力切替スイッチの切替え動作を制御する電力制御部とを備え、
上記電力制御部は、上記太陽電池パドルの発生電力またはバッテリの供給電力が所定の閾値以下となるとき、上記衛星間通信装置を介して、太陽光を受けている上記他の人工衛星に電力供給を要求し、当該他の人工衛星から電力供給が許可された場合に、上記電力供給元がマイクロ波送受信用アンテナに切替わるように上記電力切替スイッチを制御する人工衛星。
【請求項2】
上記電力制御部は、上記バッテリの100%充電状態からの放電量が所定の閾値以下であり電力に余剰があるとき、上記他の人工衛星からの電力供給要求に応じて、上記マイクロ波送受信用アンテナを通じて他の人工衛星に電力伝送を行うように、上記電力切替スイッチを制御することを特徴とした請求項1記載の人工衛星。
【請求項3】
上記電力制御部は、上記マイクロ波送受信用アンテナを介して他の人工衛星から受信したマイクロ波の電力量を計測し、計測した電力量の値を上記他の人工衛星から享受した電力量として地上局に送信する電力清算処理を行うことを特徴とした請求項1記載の人工衛星。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−107394(P2009−107394A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279084(P2007−279084)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)