説明

人形飛出し玩具

【課題】打出部材が作動する遊戯終了時に連動して排出部材を作動させ、差込孔に差し込まれた差込部材を自動的に排出させる人形飛出し玩具を提供する。
【解決手段】円錐台状本体の周胴部に多数の差込孔24を設けると共に該円錐台状本体の内部に人形等となる飛出部材12を打出しする打出装置を垂直且つ回転自在に設けて成る玩具本体20と、差込孔24へ差込む差込部材14とによって構成され、打出装置は、上端に凹部を有するガイド筒と、ガイド筒内に挿入され上端に飛出部材を載置する載置部を有する打出部材と、打出部材を上向きに付勢する弾性体と、打出部材に形成された係止段部と係合する係止部材と、差込部材14が当接し前記係止部材を押圧するスイッチ板と、打出部材と連動して作動し差込孔24に差し込まれた差込部材14を排出する排出部材とを備え、差込部材14の先端16がスイッチ板を押圧し係止部材が押圧されると、係止段部と係止部材とが外れ飛出部材12が飛出すと共に、差込孔24に差し込まれている差込部材14を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形の形状などに形成した飛出部材が飛び出す玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海賊を模した人形が頭部だけを出している樽に対して短剣を刺し、樽から飛び出す海賊の反応を楽しむ玩具があった。例えば、玩具本体に設けてある多数の剣差込用の孔へ同数の剣状の差込部材を差し込むものであって、少なくとも一つの差込部材が外部から視認しえないフックレバーに当接すると、不意に人形等が飛び出す仕掛けの人形飛び出し玩具である。
【特許文献1】実開昭56-23194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の人形飛出し玩具では遊戯終了後に、剣状の差込部材を全て取り除かないと再度遊戯を行うことはできず、この差込部材を取り除く作業が煩雑であった。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に斯かる実情に鑑みなされたもので、打出部材が作動する遊戯終了時に連動して排出部材を作動させ、差込孔に差し込まれた差込部材を自動的に排出させる人形飛出し玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、円錐台状本体の周胴部に多数の差込孔を設けると共に該円錐台状本体の内部に人形等となる飛出部材を打出しする打出装置を垂直且つ回転自在に設けて成る玩具本体と、前記差込孔へ差込む差込部材とによって構成され、前記打出装置は、上端に凹部を有するガイド筒と、前記ガイド筒内に挿入され上端に飛出部材を載置する載置部を有する打出部材と、前記打出部材を上向きに付勢する弾性体と、前記打出部材に形成された係止段部と係合する係止部材と、前記差込部材が当接し前記係止部材を押圧するスイッチ板と、前記打出部材と連動して作動し差込孔に差し込まれた差込部材を排出する排出部材とを備え、前記差込部材の先端がスイッチ板を押圧し係止部材が押圧されると、係止段部と係止部材とが外れ飛出部材が飛出すと共に、差込孔に差し込まれている差込部材を排出することを特徴とする。
【0006】
また、前記差込部材の先端は、下方に向けた斜辺を有しているものである。
【0007】
そして、前記排出部材は、断面C字形状に形成されて前記打出装置と同軸に位置し、該排出部材が作動した際に前記スイッチ板と当接した差込部材以外の全ての差込部材を差込孔から排出するものである。
【0008】
さらに、前記玩具本体は、音を記憶する音記憶装置と、音を出力する音出力装置と、多数の差込孔に対応した位置に係止片を有すると共に前記差込部材が差し込まれた際に該係止片が押圧されて回動する脱落防止部材と、前記脱落防止部材が回動することにより電気的に接続されると共に該脱落防止部材を復帰させるように付勢するリーフスイッチと、前記リーフスイッチが電気的に接続されると前記音記憶装置から音を読み出し音出力装置から該音を出力させる制御装置とを備えているものである。
【0009】
また、前記玩具本体は、更に発光する発光装置を備え、前記制御装置は、前記リーフスイッチ又は打出部材と連動して前記発光装置を発光させるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、打出部材が作動する遊戯終了時に連動して排出部材を作動させ、差込孔に差し込まれた差込部材を自動的に排出させる人形飛出し玩具を提供することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、差込部材の先端は、斜辺を下方に向けて形成されていることにより、斜辺面が排出部材により押圧され、より確実に差込部材を排出させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、排出部材は、断面C字形状に形成されて打出し装置と同軸に位置させることにより、該排出部材が作動した際にスイッチ板と当接した差込部材以外の全ての差込部材を差込孔から排出することができる。これにより、遊戯者の手持ちとなるスイッチ板と当接した差込部材は、排出部材によって排出されずに差込孔に残り、遊戯者は安全に遊戯を行うことができるものである。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、差込部材が差し込まれた際に、脱落防止部材の該係止片が押圧されて回動し、リーフスイッチが押圧されて電気的に接続され、音出力装置から音を出力させることにより、該差込部材を差込穴に差込む毎に、音を出力するようにすることができる。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、発光する発光装置を備えることによって、リーフスイッチ又は打出部材と連動して該発光装置を発光させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
円錐台状本体の周胴部に多数の差込孔24を設けると共に該円錐台状本体の内部に人形等となる飛出部材12を打出しする打出装置36を垂直且つ回転自在に設けて成る玩具本体20と、前記差込孔24へ差込む差込部材14とによって構成され、前記打出装置36は、上端に凹部を有するガイド筒50と、前記ガイド筒50内に挿入され上端に飛出部材12を載置する載置部46を有する打出部材38と、前記打出部材38を上向きに付勢する弾性体と、前記打出部材38に形成された係止段部42と係合する係止部材64と、前記差込部材14が当接し前記係止部材64を押圧するスイッチ板76と、前記打出部材38と連動して作動し差込孔24に差し込まれた差込部材14を排出する排出部材86とを備え、前記差込部材14の先端16がスイッチ板76を押圧し係止部材64が押圧されると、係止段部42と係止部材64とが外れ飛出部材12が飛出すと共に、差込孔24に差し込まれている差込部材14を排出部材86によって排出する人形飛出し玩具10である。
【0016】
また、前記差込部材14の先端16は、下方に向けた斜辺を有し、前記排出部材86は、断面C字形状に形成されて前記打出装置36と同軸に位置し、該排出部材86が作動した際に前記スイッチ板76と当接した差込部材14以外の全ての差込部材14を差込孔24から排出するものである。
【0017】
そして、前記玩具本体20は、音を記憶する音記憶装置と、音を出力する音出力装置と、発光する発光装置を備え、また多数の差込孔24に対応した位置に係止片96を有すると共に前記差込部材14が差し込まれた際に該係止片96が押圧されて回動する脱落防止部材94と、前記脱落防止部材94が回動することにより電気的に接続されると共に該脱落防止部材94を復帰させるように付勢するリーフスイッチ34と、前記リーフスイッチ34が電気的に接続されると前記音記憶装置から音を読み出し音出力装置から該音を出力させると共に該発光装置を発光させる制御装置とを備えていることもある。
【実施例】
【0018】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。図1は、この発明に係る人形飛出し玩具の一実施例の外観を示すものである。
【0019】
この図1に示すように人形飛出し玩具10は、キャラクタ(人形)を模した飛出部材12と、該飛出部材12のキャラクタとは異なるキャラクタを模して薄板状に形成された多数の差込部材14と、本体カバー22と底面部26と後述する打出装置及び脱落防止部材からなる玩具本体20とで構成されている。この人形飛出し玩具10は、本体カバー22に形成された多数の差込孔24へ差込部材14を差し込むものであって、少なくとも一つの差込部材14が外部から視認しえない打出装置のスイッチに当接すると、不意に飛出部材12が飛び出す仕掛けの玩具である。また、この遊戯を遊戯者2人で行う場合には、差込部材14を交互に差し込みし、玩具本体20から飛出部材12を飛び出させた者が勝ち又は負けとなる玩具である。
【0020】
飛出部材12は、キャラクタ模した立体に形成され、図示しないが該立体の底面には、立方形状の膨出部が形成されている。この膨出部は、後述する打出部材の載置部に形成された結合凹部と遊嵌するものである。
【0021】
また、差込部材14は、薄板状に形成され、差込部材14の一側面にはキャラクタの正面側を模して形成され、他側面にキャラクタの裏面側を模して形成されている。また、本体カバー22に形成された差込孔24に差し込まれる差込部材14の先端16は、斜辺を下方に向けて形成されている。この差込部材14の斜辺は、後述する排出部材が上昇する時に該排出部材によって押圧されるものである。また、差込部材14を差込孔24に保持する為に、該先端16の略中央位置に、後述する脱落防止部材と係止する方形状の係止孔18が形成されているものである。
【0022】
次に、玩具本体20は、図2、3に示すように、本体カバー22、底面部26、打出装置36、脱落防止部材94で構成されている。
【0023】
本体カバー22は、頂壁を有し底端開放の円錐台形状で中空に形成されて、その側面の中央近傍に、該円錐台の軸を中心とする等角の位置に線条の穴となる差込孔24が複数形成されている。また、同様に本体カバー22の側面の下端近傍には、該円錐台の軸を中心とする等角の位置で、中央近傍に形成された差込孔24とは異なる位置に、線条の穴となる差込孔24が複数形成されているものである。また、このように上下2段として形成された差込孔24の位置は、該円錐台の軸を中心とする等角の位置に形成されているものである。そして、本体カバー22の頂壁には、円形の開口となる円形開口が形成されており、該円形開口より飛出部材12が飛び出すようになっている。
【0024】
また、図示しないが本体カバー22の頂壁の近傍には、発光ダイオードなどとなる発光装置が、内設されているものである。
【0025】
底面部26は、円板状に形成され、該円板の外周部近傍に本体カバー22の下端部を外嵌する薄板円筒状に膨出した外嵌部28が形成されている。また、底面部26の中央には、円筒状の膨出し、打出装置36を回転自在に保持する軸32が形成されている。そして、薄板円筒状に膨出した差込部材支持部30が形成され、本体カバー22に形成された下段の差込孔24の位置に対応した複数の位置に、差込部材14を支持する方形状の凹部となる支持凹部31が形成されているものである。また、この複数の支持凹部31のうち1つの支持凹部31の近傍に後述するリーフスイッチ34が配設されているものである。
【0026】
打出装置36は、図3に示すように打出部材38、ガイド筒50、圧縮コイルばね62、係止部材64、弾性リング70、バネ保持部材72、スイッチ板76、排出部材86で構成され、図2に示すように打出装置36は、玩具本体20内に垂直且つ回転自在に配設されているものである。
【0027】
また、図2及び図3に示すように打出装置36の打出部材38は、断面十字状となる棒形状に形成されており、打出部材38の下端位置には、円板状の鍔部が2つ隣接して形成され排出部材86の係合凸部92と係合する係合部40とされている。また、打出部材38の略中央位置(図4参照)には、係合部40と同様に円板状の鍔部が形成されて係止部材64と係止する係止段部42とされ、打出部材38の上端近傍には、同様に円板状の鍔部が形成されてガイド筒50より打出部材38が飛び出すことを防止する上方ストッパー44とされているものである。そして、打出部材38の上部には、飛出部材12を載置するための円板状の載置部46が形成され、この載置部46の中心には、飛出部材12の底面に形成された立方状の膨出部と遊嵌する凹部となる係合凹部48が形成されている。そして、この打出部材38は、後述するガイド筒50内に挿入され昇降自在とされているものである。
【0028】
次に、ガイド筒50は、打出部材38が上方より挿入されると共に圧縮コイルばね62が下方より挿入されるように僅かに大きな内径とされる円筒形状に形成され、上方外周縁より延設された薄板状の環状円板52が形成されている。そして、このガイド筒50の中間近傍には、上下2段に鍔状に膨出した鍔部54が形成され、両鍔部54の内側位置には挿入孔56(図4参照)が形成されており、後述する係止部材64を摺動可能に保持し、該係止部材64が摺動した際には該挿入孔56を介して係止爪68が挿入されるものである。さらに、ガイド筒50の下方の側面には、ガイド筒50内に挿入された打出部材38の係合部40と排出部材86の係合凸部92とを嵌合するための貫通孔となる方形状の長穴58が形成されているものである。
【0029】
また、ガイド筒50の環状円板52の裏面には、後述するスイッチ板76の上端凸部80が遊嵌させる摺動溝60が形成されているものである。
【0030】
次に、圧縮コイルばね62は、円筒状に形成され、上端を打出部材38の下端と当接させ、下端を後述するバネ保持部材72と当接させるように配設され、打出部材38を上昇させる方向に付勢しているものである。
【0031】
次に、係止部材64は、略楕円筒形状に形成され、円筒の内周面には、斜面を上方に向せた楔状に膨出させた係止爪68が形成され、該係止爪68と同軸となる円筒の外周面には、後述するスイッチ板76に遊挿される凸部66が形成されている。この係止部材64は、ガイド筒50の中間近傍で外接しガイド筒50の軸と直交する方向に摺動可能としているものである。
【0032】
次に、弾性リング70は、係止部材64とガイド筒50に巻着され、係止部材64の係止爪68をガイド筒50に形成された挿入孔56に挿入する方向に付勢しているものである。
【0033】
次に、バネ保持部材72は、ガイド筒50の下端を外嵌するような内径に形成された有底の円筒形状に形成されて、該バネ保持部材72の外周面には、後述するスイッチ板76の下端凸部82を遊嵌させる摺動溝74が形成されているものである。そして、バネ保持部材72の底部には、底面部26に形成された軸32を挿入する為の孔が形成されているものである。
【0034】
次に、スイッチ板76は、下端近傍に肉厚方形状に膨出した膨出部78を有する長板形状に形成され、上端及び下端には凸部が形成され、それぞれ上端凸部80及び下端凸部82とされている。また、スイッチ板76の裏面には係止部材64の凸部66を遊嵌する溝となるスライド溝84(図4参照)が形成されている。このスイッチ板76の上端凸部80は、ガイド筒50に環状円板52の裏面に形成された摺動溝60に遊嵌され、下端凸部82は、バネ保持部材72に形成された摺動溝74に遊嵌されているものである。これにより、このスイッチ板76は、正面側より如何なる位置で押圧されても、該スイッチ板76のスライド溝84に遊嵌されている係止部材64の凸部66を介して、係止爪68を排出する方向に摺動するものである。また、このスイッチ板76は、打出装置36を作動させる為のスイッチとなるものである。
【0035】
次に、排出部材86は、バネ保持部材72の外径よりも僅かに大きな内径となる円筒形状に形成されている。また、排出部材86の上部には、有底の断面C字形状に形成された壁面を備えた上段部88を有し、排出部材86の下部には、C字形状に大きく膨出した下段部90を有している。そして、排出部材86の円筒の内側面には、打出部材38の係合部40と係合する凸部となる係合凸部92(図4参照)が形成されており、該打出部材38の係合部40と係合している。そして、この排出部材86は、ガイド筒50及びバネ保持部材72を覆うようにガイド筒50下方に位置するものである。
【0036】
また、この排出部材86は、打出部材38と係合していることから打出部材38が上昇及び下降する時には、排出部材86も同様に動作するものである。
【0037】
次に、脱落防止部材94は、排出部材86の下段部90よりも大きな円筒形状に形成され、該円筒の内周には、円筒の軸を中心とした等角の位置で、円筒の上端から突出する薄板が形成され、該薄板の上端には、反時計回り方向へ延設された三角形状の係止片96が形成されている。また、同様に円筒の外周には、円筒の軸を中心とした等角の位置で、内側のそれとは異なる位置に、円筒の下端から突出する薄板が形成され、該薄板の下端には、反時計回り方向へ延設された三角形状の係止片96が形成されているものである。この脱落防止部材94は、打出装置36の外側に回動自在に配設され、各係止片96は、本体カバー22に形成された各差込孔24の内側に位置するものである。これにより、差込部材14を差込孔24に差し込むと、脱落防止部材94の係止片96と差込部材14の係止孔18とが係合し、差込部材14は、差込孔24に係止されるものである。
【0038】
また、この脱落防止部材94の外周に形成された薄板の一つが、図8(A)に示すように底面部26に配設されたリーフスイッチ34を当接するようになっているものである。
【0039】
そして、リーフスイッチ34は、図8(A)に示すように2つの細板状の板ばねからなり、外力により両板ばねが接触することによって電気的に接続するスイッチである。この人形飛出し玩具10では、差込孔24に差込部材14が差し込まれた時に、図8(B)に示すように該差込部材14によって、脱落防止部材94の係止片96が押圧されて、脱落防止部材94自体が時計回り方向へ回動することによって、該リーフスイッチ34は、脱落防止部材94に押圧されて電気的に接続されるものである。また、板ばねからなるリーフスイッチ34の特性上、該リーフスイッチ34は、脱落防止部材94を反時計回り方向へ付勢しており、差込部材14が最奥まで差し込まれると、リーフスイッチ34の付勢力によって、脱落防止部材94を反時計回り方向へ回動させて、脱落防止部材94の係止片96と、差込部材14の係止孔18が係合するようになっているものである。
【0040】
また、図示しないが玩具本体20の底面には、スピーカとなる音出力装置と、玩具本体20に電力を供給する電源部、電源スイッチが設けられているものである。そして、図示しないが玩具本体20の内部には、メモリ及びCPUからなるワンチップマイクロコンピュータによる音記憶装置、音制御装置、発光制御装置を取り付けた制御基板が内設されているものである。
【0041】
この制御基板に配設された音記憶装置には、差込部材14を差し込んだ際の音となる「パンチ!」や、打出部材38が作動した際の音となる「あたり!」などの音声となる音情報が記憶されているものである。尚、これらの音声の他に打出部材38を押下させた際に再生される音楽が音情報として記憶されていても構わない。
【0042】
次に、音制御装置は、リーフスイッチ34が電気的に接続された時に、音記憶装置から音情報を読み出し、音出力装置へと出力するものである。尚、打出部材38を押下させた後、打出部材38が作動するまでの間、読み出した音情報を繰り返し、音出力装置へ出力をするようにしても構わない。
【0043】
また、発光制御装置は、リーフスイッチ34や、打出部材38の作動に連動して発光装置を発光させるものである。例えば、差込部材14を差し込んだ際には、発光装置を数度点滅させる制御を行い、打出部材38が作動した際には、発光装置を所定の時間点灯状態にする制御が行われるものである。
【0044】
次に、図4〜図6を用いて人形打出し玩具の打出装置36の動作について説明する。打出装置36は、図4(B)に示すように、打出部材38がガイド筒50より突出した状態が初期位置であると共に、遊戯を終えた時の打出装置36の状態となっている。この打出部材38は、打出部材38の直下に位置する圧縮コイルばね62の付勢によりガイド筒50の環状円板52の裏面と該打出部材38の上方ストッパー44が当接する位置まで上昇しており、打出部材38の係止段部42と係止部材64の係止爪68は、係合していないものである。
【0045】
次に、図4(A)に示すように、打出部材38を圧縮コイルばね62の付勢を抗して押下させると、打出部材38はガイド筒50内を下降する。この時に、打出部材38に形成された係止段部42は、係止部材64の係止爪68の傾斜面を押圧し、係止部材64は排出する方向へと摺動するものである。また更に打出部材38を押下してガイド筒50内を下降させると、係止段部42が係止部材64の係止爪68を越えることによって、係止部材64は弾性リング70の付勢力によって、再び係止爪68を挿入孔56に挿入する方向へと摺動させ、係止爪68の裏面は平面であることから、係止爪68と係止段部42は係合状態となるものである。
【0046】
また、遊戯を行う場合には、図4(A)に示す状態にある時に、打出部材38の載置部46の係合凹部48に、飛出部材12の膨出部を遊嵌させて載置し、該飛出部材12を抓んで飛出部材12を回転させると、遊嵌された打出装置36自体も同時に回転するものである。このようにすることによって、打出装置36が作動するスイッチ板76の位置が変わるようになる。尚、底面部26の軸32近傍とバネ保持部材72の底面に、軸32を中心とした等角の位置に軽微な凹凸を形成して、打出部材38を回転させた際に各差込孔24を向けて回転を停止させるようにクリック感を得られるようにしてもよい。
【0047】
次に、図5を用いて、図4(A)の状態から、本体カバー22に形成された上段又は下段の差込孔24より差込部材14は差し込まれ、該差込部材14の先端16が打出装置36が作動するスイッチ板76と当接した時の動作について説明する。
【0048】
まず図5(A)に示すように、本体カバー22の下段に形成された差込孔24より差し込まれた差込部材14の先端16が、スイッチ板76の膨出部78を押圧することによって、係止部材64は、凸部66を介してガイド筒50外方へ押圧されることによって、外方へ摺動するものである。これにより、係止部材64の係止爪68と打出部材38の係止段部42との係合が解除され、打出部材38は、圧縮コイルばね62の付勢力によって、勢いよく上昇するものである。また、図5(B)に示すように、本体カバー22の上段に形成された差込孔24より差し込まれた差込部材14の先端16が、スイッチ板76を押圧することによっても、係止部材64の係止爪68と打出部材38の係止段部42のとの係合が解除されるものである。
【0049】
このように、差込部材14の先端16が打出装置36が作動するスイッチ板76と当接した時は、打出部材38が勢いよく上昇することによって、図7に示すように打出部材38の載置部46に遊嵌された飛出部材12は、勢いよく飛び出すものである。
【0050】
次に、図6を用いて、図4(A)の状態から、本体カバー22に形成された差込孔24より差込部材14は差し込まれ、該差込部材14の先端16が、打出装置36が作動するスイッチ板76と当接した時の排出部材86の動作について説明する。
【0051】
図6(A)は、差込部材14の先端16が、打出装置36が作動するスイッチ板76と当接しなかった差込部材14の状態を示しており、差込部材14の先端16に形成された斜辺の直下には、排出部材86の上段部88又は下段部90が位置しているものである。また、図6(B)に示すように、図6(A)の状態から何れか1つの差込部材14の先端16が打出装置36が作動するスイッチ板76と当接した時に、打出部材38が勢いよく上昇するに伴って排出部材86も勢いよく上昇し、排出部材86の上段部88又は下段部90が、差込部材14の斜辺を勢いよく押圧し、該差込部材14を外方へと弾き出すようになっているものである。
【0052】
次に、図1、図4、図9、図10を用いて、人形飛出し玩具10の使用例を説明する。遊戯開始時には、図4(B)に示すように、打出部材38が上昇した位置にある状態から、図4(A)に示すように、打出部材38を下降させる。次に、図1に示すように、飛出部材12を打出部材38の載置部46に載置して遊嵌させ、飛出部材12を回転させて、打出装置36が作動するスイッチ板76の位置がわからないようにする。次に、図9に示すように遊戯者が交互に、差込部材14を差込孔24に差込して行き、図10に示すように外部から視認しえない打出装置36のスイッチ板76に差込部材14が当接すると、打出部材38が作動して勢いよく飛出部材12が飛び出すと共に、排出部材86によってスイッチ板76に当接させた差込部材14を除く全ての差込部材14が差込孔24から排出され、勝敗が決定するものである。
【0053】
このように、打出装置36のスイッチ板76に差込部材14が当接した差込部材14以外の全ての差込部材14が排出されることから、再度遊戯を行う際には差込部材14を抜く手間が無く、また、飛出部材12を含め殆どの差込部材14が排出されることから見た目にも楽しい玩具とすることができるものである。また、遊戯者の手持ちとなるスイッチ板76と当接した差込部材14は、排出部材86によって排出されずに差込孔24に残り、遊戯者は安全に遊戯を行うことができるものである。
【0054】
以上説明したように構成することにより、打出部材が作動する遊戯終了時に連動して排出部材を作動させ、差込孔に差し込まれた差込部材を自動的に排出させる人形飛出し玩具を提供することができる。このように好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る人形飛出し玩具の外観を示す図である。
【図2】本発明に係る人形飛出し玩具の打出装置に関する部品の組立図である。
【図3】本発明に係る人形飛出し玩具を玩具本体の分解斜視図面である。
【図4】本発明に係る人形飛出し玩具の打出装置の断面図である。
【図5】本発明に係る人形飛出し玩具の打出装置のスイッチを作動させた状態を示す図である
【図6】本発明に係る人形飛出し玩具の排出部材が作動した時の状態を示す図である。
【図7】本発明に係る人形飛出し玩具の打出装置が作動した時の状態を示す図である。
【図8】本発明に係る人形飛出し玩具を脱落防止部材とリーフスイッチの動作を示す図である。
【図9】本発明に係る人形飛出し玩具の使用例を示す図である。
【図10】本発明に係る人形飛出し玩具の使用例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 人形飛出し玩具
12 飛出部材
14 差込部材
16 先端
18 係止孔
20 玩具本体
22 本体カバー
24 差込孔
26 底面部
28 外嵌部
30 差込部材支持部
31 支持凹部
32 軸
34 リーフスイッチ
36 打出装置
38 打出部材
40 係合部
42 係止段部
44 上方ストッパー
46 載置部
48 係合凹部
50 ガイド筒
52 環状円板
54 鍔部
56 挿入孔
58 長穴
60 摺動溝
62 圧縮コイルばね
64 係止部材
66 凸部
68 係止爪
70 弾性リング
72 バネ保持部材
74 摺動溝
76 スイッチ板
78 膨出部
80 上端凸部
82 下端凸部
84 スライド溝
86 排出部材
88 上段部
90 下段部
92 係合凸部
94 脱落防止部材
96 係止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台状本体の周胴部に多数の差込孔を設けると共に該円錐台状本体の内部に人形等となる飛出部材を打出しする打出装置を垂直且つ回転自在に設けて成る玩具本体と、前記差込孔へ差込む差込部材とによって構成され、前記打出装置は、上端に凹部を有するガイド筒と、前記ガイド筒内に挿入され上端に飛出部材を載置する載置部を有する打出部材と、前記打出部材を上向きに付勢する弾性体と、前記打出部材に形成された係止段部と係合する係止部材と、前記差込部材が当接し前記係止部材を押圧するスイッチ板と、前記打出部材と連動して作動し差込孔に差し込まれた差込部材を排出する排出部材とを備え、
前記差込部材の先端がスイッチ板を押圧し係止部材が押圧されると、係止段部と係止部材とが外れ飛出部材が飛出すと共に、差込孔に差し込まれている差込部材を排出することを特徴とする人形飛出し玩具。
【請求項2】
請求項1において、前記差込部材の先端は、下方に向けた斜辺を有していること特徴とする人形飛出し玩具。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記排出部材は、断面C字形状に形成されて前記打出装置と同軸に位置し、該排出部材が作動した際に前記スイッチ板と当接した差込部材以外の全ての差込部材を差込孔から排出すること特徴とする人形飛出し玩具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記玩具本体は、音を記憶する音記憶装置と、音を出力する音出力装置と、多数の差込孔に対応した位置に係止片を有すると共に前記差込部材が差し込まれた際に該係止片が押圧されて回動する脱落防止部材と、前記脱落防止部材が回動することにより電気的に接続されると共に該脱落防止部材を復帰させるように付勢するリーフスイッチと、前記リーフスイッチが電気的に接続されると前記音記憶装置から音を読み出し音出力装置から該音を出力させる制御装置とを備えたことを特徴とする人形飛出し玩具。
【請求項5】
請求項4において、前記玩具本体は、発光する発光装置を備え、前記制御装置は、前記リーフスイッチ又は打出部材と連動して前記発光装置を発光させることを特徴とする人形飛出し玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−297452(P2009−297452A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158400(P2008−158400)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(399012929)株式会社アガツマ (26)
【Fターム(参考)】