人形
【課題】立体裁断した布製等のパーツを用いなくとも立体的な形状のものとすることができ、しかも焼却をした場合にも有害物質の発生がない人形を提供する。
【解決手段】布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付け、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されている。上記構造からなる一の人形と、上記構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とする。また、上記構造からなる一の人形と、上記構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とする。
【解決手段】布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付け、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されている。上記構造からなる一の人形と、上記構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とする。また、上記構造からなる一の人形と、上記構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば布製からなる人形であって、特に葬儀用品として使用することができる人形に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の人形として、布製のおもちゃとしてのぬいぐるみ人形や、プラスチックなどの材料を成形型に射出成形したようなものなどがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
布製のぬいぐるみ人形では、おもちゃとしての体裁を保つために、ぬいぐるみ人形の主として外面を構成する布地などを、これらを縫い合わせた際に立体的なぬいぐるみ人形となるような形状に、いわゆる立体裁断する必要があるので、材料の歩留りが悪くなる。また、立体裁断された布製パーツを縫い合わせるために、特殊な縫製機械や特殊な技能を持った作業者が必要となり、製造期間やコストの面で不利である。
【0004】
プラスチックなどの射出成形品では、製造は比較的容易であるが、廃棄する場合に不燃ゴミとなるものが多く、廃棄物の最終処分地の確保や、焼却による場合によるにはダイオキシン等の有害ガス(有害物質)の発生も懸念される。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、立体裁断した布製等のパーツを用いなくとも立体的な形状のものとすることができ、しかも焼却をした場合にも有害物質の発生がない人形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の人形は、布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けた人形であって、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2記載の人形セットは、請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3記載の人形セットは、請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載の人形によれば、袋状に縫製された布地の袋状部内に充填物を充填し、袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けているので、立体的な人形を得ることができる。布地や充填物は焼却しても有害物質を発生させることがない。さらに、袋状の布地の外周面に形成されたポケットに手紙やメモのような薄い紙などを収納することができる。
【0010】
本発明の請求項2記載の人形セットによれば、一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の人形セットによれば、一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る人形及び人形の製作手順について、図面を参照して説明する。
【0013】
本発明の実施の形態に係る人形を製作する材料は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(10)までは人形一体に要する材料であり、各2体分用意する。また、(11)〜(14)又は(15)〜(16)は各人形のそれぞれについて必要とする材料である。
(1)直径3cm程度の綿球(人形の顔の充填物となるもの)1個、
(2)白羽二重薄絹からなる布地(10cm×10cm)(人形の顔となるもの)1枚、
(3)ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地(10cm×10cm)(人形の頭巾となるもの)1枚、
(4)白羽二重の薄絹からなる布地(17cm×13cm)(人形の羽衣ケープとなるもの)1枚、
(5)オーガンジーリボン(幅5cm×8〜10cm)(人形の羽根となるもの)1枚、
(6)綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地(17cm×13cm)(人形の胴体となるもの)1枚、
(7)胴体となるものと同じ布地(17cm×7cm)(人形のポケットになるもの)1枚、
(8)竹串(長さ8.5cm程度で太さは適宜のもの)(人形の頭部を支えるもの)1本、
(9)米(人形の胴体の充填物となるもの)50グラム、
(10)鷹の爪(唐がらし)(充填物たる米の虫食いを防止するためのもの)小片2〜3片、
(11)ローソク(太さ5mmぐらいで長さ5cm程度のもの)(一方の人形に装着するもの)1本、
(12)ビーズ粒(一方の人形のネックレスになるもの)複数個
(13)半切りの半紙(一方の人形のポケットに収納するメッセージを記載するためのもの)1枚
(14)ビーズ粒(他方の人形のネックレスになるもの)複数個(2個分)
(16)半切りの半紙(他方の人形のポケットに収納するメッセージを記載するためのもの)1枚
【0014】
図1(a)〜(c)に示すように、直径3cm程度の綿球1を、白羽二重薄絹からなる布地2の中央部に配置し、綿球の周りを糸Aと針Bとにより縫う。この縫った糸Aをたぐり寄せて布地2を絞って、図1(d)に示すように、いわゆるてるてる坊主の形状とする。縫い縮めた部分2aよりも5mm程度離れた部分をはさみCで切断し、図1(e)に示すような球形の布地2とこれから突出する端部2bとを有する形状とする。
【0015】
ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地3を、図2(a)の1点鎖線で示すように対角線で折り曲げて三角形状にする(図2(b)参照)。この三角形状にした布地3は、球形の布地2から突出する端部2bの上を覆うように配置される(図2(c)参照)。
【0016】
図2(b)に示すように、球形の布地2の図中下部に竹串8の先端部を突き刺す。さらに図2(c)に示すように、三角形とした布地3を球形の布地2に布地2の一部が露出する状態で、かつ、球形の布地2から突出する端部2bの上を覆った状態で配置する。布地2から突出する端部2bを頂部付近に位置させて布地3を覆うようにすると、布地3が外側にとがった形状となって、頭巾として好ましい綺麗な形状になる。図2(c)に示すように、はりBと糸Aと使って、布地2と布地3の境目を図示するように縫い合わせる。
【0017】
図2(c)に示すように、布地2を覆うことができなかった余分の端部付近の布地を竹串8の上部が覆われるように竹串8に沿って配置し、竹串8と布地2との境界部分に糸Aをしっかりと巻き付けて布地2と竹串8とを固定する。竹串8の上部を覆うように配置された布地3の端部付近の裏側に木工用接着剤(木工用ボンド)を塗布して布地3と竹串8とをしっかりと固定する。なお、説明上、布地2と布地3との縫い合わせに次いで、布地3と竹串8との固定をするようにしたが、この両者の工程を逆に行う等の工程の変更は自由である。
【0018】
上記製作工程において、布地2に竹串8を突き刺すのは、布地2などにより形成された人形の頭部の保持を確保するためである。したがって、後述する布地6や米9の充填量などの要因により、布地2などからなる頭部の保持が安定するようであれば、竹串8を用いなくてもよい。この場合、球状にした布地2に被せて縫い合わせた布地3の端部は、1.5cm〜2cm程度残してはさみなどで切り取ることが好ましい。
【0019】
図3(a)に示すように竹串8に固定された布地3の端部付近を糸Aで縛って端部を纏める。図3(b)に示すように、布地2の露出部分にサインペンや絵の具などによって、人形の顔を描く。どのような顔を描いてもよいが、本例では、図示のように円弧状の口と、円弧状の目と、松葉状の髪の毛とを、黒色のサインペンで描いた。
【0020】
図4(a)に示すように、例えばオーガンジーリボンなどからなるリボンを所望の長さ(8cm程度)に切断してリボン5を得る。リボン5の切断部分には三角形が連続した端部5aを形成する。リボン5の材料としては薄くて透き通った布(レース状のもの)が好ましい。リボン5の中央部をはりBと糸Aで縫う。
【0021】
図4(b)に示すように、縫った糸Aをたぐり寄せてリボン5を中央部で縫い縮め、縫縮部5b形成する。このリボン5は、図4(c)に示すように、前記布地2に被せられた布地3の背面部に、リボン5の中央部の縫縮部5bにおいて糸Aで縫い付ける。
【0022】
次に、人形の胴体部分の製作について説明する。まず、図5(a)に示すように、綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地6を用意する。さらに、図5(b)に示すように、胴体となるものと同じ布地7を用意し、布地7の一辺を折り返して糸Aと針Bで縫う。
【0023】
図5(c)に示すように、布地7を逆向きにするとともに裏返しにして、布地6の下部(約3cmのところ)に糸Aと針Bとにより縫い付ける。逆向きとは布地7の縫った一辺が布地6の下側に位置することを意味し、裏返しとは、1辺の折り返し部分が表側に位置するようにという意味である。これは、後述するように布地6を裏返しにした場合に布地7の模様面が外側になるようにするためである。
【0024】
次に、図6(a)に示すように、布地6に縫い付けられた布地7を図中情報に折り返す。2体一組の人形の一方(保管用又は副葬用)については、図6(b)に示すように、布地7の中央部上部付近のみを糸Aと針Bとにより布地6と布地7とが一体になるように縫い合わせる。2体一組の人形の他方(副葬用)については、布地7の中央部から約1cm程度離れた部分を糸Aと針Bとにより布地6と布地7とが一体になるように幅が1cm程度で高さが3cm程度のコ字状に縫い合わせる。これにより上部が開放されたポケット7aが形成される。
【0025】
次に、図7(a)に示すように、布地7が縫い付けられた布地6を、布地7が内側になるように2つ折りし、端部どうしを端部から約0.8cm程度離れた位置を糸Aと針Bとにより縫い合わせ、布地6及び布地7を筒状に形成する。
【0026】
図7(b)に示すように、筒状に形成した布地6の底部を端部から約0.5cm程度離れた位置を糸Aと針Bとにより縫い合わせ、布地6を袋状に形成する。
【0027】
さらに、図7(c)に示すように、袋状にされた布地6を裏返しにする。これにより、布地6の表側に布地7によりポケットが形成された袋状の布地6が形成される。筒状とされた内側に米9を50グラム程度充填して円筒状の外観を保持させる。同時に防虫用の鷹の爪(唐がらし)の小片を2〜3片米の中に混入させる。なお、図7(c)に示すものは、2体一組の人形の他方(副葬用)について図示するが、他の一方(保管用又は副葬用)の人形においても同様である。なお、米は充填材として入手しやすく安価であるので採用したが、穀類や豆類などの粒状物などの他の材料を使用することができる。
【0028】
図8(a)に示すように、筒状の布地6の上端部から約0.5cm程度離れた部分を糸Aと針Bとにより円周状に縫い、糸Aをたぐり寄せることにより布地6の上部を縮める。次いで、図8(b)に示すように、縮められた布地6の開口部から頭部としての布地2が固定された竹串8を挿入し、竹串8及び布地2が筒状の布地6の中央部になるように位置調整する。
【0029】
図9(a)に示すように、布地6の上部を縫った糸Aをさらにたぐり寄せて布地6の上端部を絞って布地3などがしっかりと覆われるようにする。この後、布地6の上端部付近に糸を布地6及び布地3を貫通させ裏側に通るように、角度を変えて何度か縫う。これにより、布地6に布地2及び布地3などからなる頭部をしっかりと固定する。以上と同様な手順により2体一組の人形の一方(保管用又は副葬用)についても同様な手順により、図9(b)に示すように、製作される。
【0030】
次に、図10に示すように白羽二重の薄絹からなる布地4を用意する。布地4の4隅を円弧状にはさみで切り取る。なお、4隅は切りっぱなしでかがり縫いなどの縫製は行わない。布地4の上辺から約2.5cmのところを糸Aと針Bとにより縫う。糸Aをたぐり寄せることにマント状形状とする。このマント状形状の糸Aのたくり寄せで絞られた部分を、図9(a)及び(b)の布地6の上部と布地3などからなる頭部との境目に巻き付けて、糸Aを前面で結んで布地4を取り付ける。絞られた部分は折り返して当該境目を覆うように配置する。
【0031】
次に、図11(a)に示すように、複数個のビーズ粒14を糸に通して環状に形成するとともに、同様にビーズ粒14を糸に通して環状に形成する。このように、環状に形成された2つのネックレス状のものを、図示するように2体一組の人形の一方の右胸に相当する部分に糸で取り付ける。布地7により形成されるポケットには、半切りの半紙にメッセージなどを記載して収納する。
【0032】
また、2体一組の人形の他方には、図11(b)に示すように、ポケット7aにローソク11が収納される。また、複数個のビーズ粒12を糸に通して環状に形成し、人形の首に掛ける。布地7により形成されるポケットには半切りの半紙にメッセージなどを記載して収納する。
【0033】
なお、人形を作成する材料は特に限定するものではなく、焼却した際に有害物質の発生が少ない適宜の材料を採用することができる。また、人形を構成する各パーツは必要に応じて省略したり、別のパーツを追加してもよい。
【0034】
本発明の実施の形態に係る人形及び人形セットの販売や譲渡などに際しては、以下のような使用説明書を添付することが好ましい。
【0035】
(使用説明書)
本製品である葬儀用人形は、「導き天使」と「再会天使」とからなる。これらの2種類の天使に見立てた人形によって死者の冥福を祈り、残された家族や友人などに心の慰めと再会の希望を与えることを目的としている。
【0036】
葬儀用人形「導き天使」と「再会天使」は、綿球を白羽二重の絹布で包み、頭巾をかぶせて、胴体にはポケットを持ち、羽衣ケープと称するケープを纏い、胴体の中にはお米を入れ、「導き天使」は、長さ5cmの蝋燭を持ち、首からネックレスのような「許しのビーズ」を掛けている。「再会天使」は蝋燭を持たない分ポケットの容量が大きく、左胸に「思い出ビーズ」の輪を2つ重ねて持っている。通常「導き天使」は1体で、「再会天使」は2体一組で構成される。
【0037】
葬儀用人形「導き天使」と「再会天使」の一方の一つとは、葬儀の際に、納棺時にお棺の中に入れられ、「再会天使」の他方の一つは手元に残すものであり、そのことにより、死者に愛惜の情を伝え、残された家族、親類、友人などが、心の慰めを得ようとするものである。「導き天使」と「再会天使」には、それぞれ、設定と演出がなされており、それが本製品の中核をなすものである。
【0038】
「導き天使」のポケットには、死者に伝えたい言葉を書いて入れる。また、一方の納棺される「再会天使」のポケットには、納棺時に会葬者が自分の名前を書き、再会したときに言いたい言葉を書いて入れ、他方の手元に残す「再会天使」のポケットには死者の名前を書き、死者を懐かしむ言葉を書いて入れる。
【0039】
「導き天使」は、死者を天国まで導いて行き、残された者のメッセージを携えて天国まで同行するという演出である。
【0040】
「再会天使」は、2つ一組で一人(双子)という設定であり、死者の持っていった「再会天使」の片割れの「再会天使」を手元に残すことで、死者に再びまみえる日までの希望を繋ぐという、共に死者との繋がりを持つという演出である。
【0041】
死者との別れが、「これでもう、永遠の別れなのだ」という峻険な感情を少しでも和らげ、「いつかまた会えるね」という希望を繋ごうとするものである。
【0042】
「導き天使」と「再会天使」は、上述したように、故人のお棺の中に入れて副葬品として使う天使の人形であって、葬儀に当たって故人をよりよく葬送し、残された家族、親類、友人などが、また、いつの日にか再会するという希望と慰めを持つためのものである。
【0043】
この葬儀用人形は、「天使」といっても、西洋の絵画や彫刻に見られるような、ケルビムやキューピッドのようなエンジェルではなく、宗教を超えたシンプルな形をした「神の使い」であり、愛らしく、小さく、悲しみを和らげる演出をする。人形は簡単であり全て手作りである。手作りであるので量産はできないが、そのためかえって、わが国においては、作業が簡単なこと、社会的福祉的意味合いと共に、葬儀を積極的な、生産企業として発展させてゆくことを可能とする予見を持つことができる。
【0044】
葬儀は、人間がこの世に生を受けた時から、誰しもがかならず約束されている人生の終着点である。その様式は国により、宗教により、また、個人の意思や思想によって様々であるが、国や人種や宗教を超えて共通な点は、故人を如何に良い境地に送り、懐かしい故人と再び会いたいと言う残された者たちの、願いと慰めと希望を如何に満足させるかということではないでしょうか。
【0045】
このように、葬儀の根源的な意味を考えてみると、わが国においては特に、宗教者が葬儀を執り行うことによって、「戒名料」などの名目で、多大な費用のかかることもさることながら、独占的な市場としての葬儀が、ささやかな、温かみのある葬儀を行うことを難しくしていることも事実であろう。
【0046】
本製品であるシンプルで愛らしい「天使」の人形を用い、その設定と演出によって、葬儀も、故人の冥福を祈り、残された者に希望と慰めが得られるようにすることは大いに可能である。
【0047】
「導き天使」は、故人の肩にとまり、天国までの道案内をする。故人が間違った方向に行きかけると、正しい方向を耳元で囁き、明るい蝋燭で足元を照らし、天国へと導く。残された家族や親しい人たちの悲しい泣き声を、美しく明るい歌声にして故人の耳元で歌うので、故人は暗い道筋を通る時も導き天使と共に、寂しい思いをせず、恐ろしい思いもせずに、天国まで行き着くことができる。
【0048】
また、「導き天使」の首にさがっている「許しのビーズ」によって、この世で犯した罪や、人に対して抱いていた怒りや憎しみなどの総てについて、「人を許し、自分をも許し、平和な光に包まれて」この世に悔いを残すことなく真っ直ぐに天国まで行き着くことができる、という設定である。
【0049】
「再会天使」は、2つ一組で一人(双子)であって、どんなに離れていても、いつも同時に同じ事を考え、いつかは必ず一体となって、再会したいと願う人を必ず再会させなければならないという使命がある。「再会天使」の一方をお棺の中に入れ、他方の「再会天使」を手元に残す。お棺に入れる「再会天使」のポケットには自分の名前を書いた紙を入れ、手元に残す「再会天使」のポケットには故人の名前を書いた紙を入れる。残された家族や、親しい者の手元に残った「再会天使」に話しかけると、それは、あちらの天国に行って待っている双子の天使である「再会天使」を通じて故人に対して懐かしい、楽しい言葉として伝えられる。
【0050】
天使は良いことや、楽しいことしか伝えられないので、悪いことや、唯ひたすら悲しいといったことは伝えられない。「再会天使」が持っているのは、「思い出ビーズの輪」で、二人の共通の思い出をビーズに託して2つの輪にして持っている。再会の日に、この「思い出ビーズの輪」を1つずつ交換して分け合うという設定である。
【0051】
「導き天使」と「再会天使」の設定と、演出は以上である。この天使はあくまでも、死者を葬送するときに死者と残された親類や、友人などの心の慰めとなるように演出され、設定されたものである。
【0052】
そして、手元に残された「再会天使」は、その「再会天使」の持ち主が亡くなったときに、その人のお棺の中に入れられる。この行為により、亡くなった人のお棺に入れられた「再会天使」が、先に亡くなった人のお棺に入れた「再会天使」と天国で再会するという演出となり、「再会天使」を手元に残していた人の気持ちが完結する。
【0053】
これまでは、1体の「導き天使」と2体一組の「再会天使」とにより構成した例を説明したが、以下のような構成であってもよい。
【0054】
「導き天使」1体に対して、「再会天使」は3以上用意されてもよい。この場合、1体の「導き天使」と1体の「再会天使」がお棺の中に納棺される。納棺される「再会天使」以外の「再会天使」は、再会を願う人が少なくとも1体を手元に残す。したがって、「再会天使」の数は2体である場合もあれば、5体、10体の場合もあれば、極端な例では100体とか200体とかいう多数の場合もあり得る。
【0055】
このような場合には、2〜5体に一つぐらいの割合で、「再会天使」をお棺の中に入れることが好ましい。これは、半紙半分の大きさの紙にメッセージと名前を書けるのがだいたい2〜5名ぐらいだろうと推定されるからである。お棺の中に入れられる「再会天使」は2〜5名分ぐらいのメッセージを携えて行き、会葬者のうちで故人との再会を願う者は、故人の名前と故人への思いを書いたメッセージをポケットにいれた「再会天使」を手元に残すという設定である。
【0056】
いずれにせよ、「導き天使」と「再会天使」は最終的にお棺の中で燃やされるものであるから、材料は総て天然自然のもの(例えば綿球やシルクの布、胴体内の米など)を使用し、プラスチックなどの石油製品で、燃えて有毒ガスを出すようなものは、一切使用していない。
【0057】
また、これまで、葬儀業を営んできたものたちは、それぞれの儀式としてのノウハウを持ち、客の希望する宗教で執り行ってきた。特定の宗教団体などで行われる葬儀は、「戒名料」、「お布施」、「献金」などの名目で、多額の金銭を支払うことは、やむを得ないことであった。我が国では、結婚式は神式、もしくは、キリスト教の教会で行い、葬式は仏式でといった宗教的には全く節度がないことが、日常的に行われており、今後日本が、世界的な潮流の中で、葬儀のあり方も問われることになろうと思われる。21世紀は、精神的なものが重用されると思われるが、「戒名料」の多寡によって死後の世界の階級に上下があるかのような馬鹿らしいことを本気で信じている人は誰も居ないのであって、「戒名料」「お布施」「献金」などの名目で多額の金銭を要することは、今後無くなっていくであろうと思われる。
【0058】
しかしながらセレモニーとしての葬儀は、人間が人間である限り、廃れていくころはあるまい。此処に、人間としての自然な感情として、死者を悼み、親しい者が心の慰めを得るという葬儀の根本的な意味を問い直し、簡素化し、象徴化したものが、本製品である「導き天使」と「再会天使」なのである。
【0059】
葬儀に関してこれまではあまり変化はなく、生まれてきた者は等しく必ず誰しもが死ぬという意味での普遍的な、多大なニーズがあるにもかかわらず、生産的企業としては、積極的に捉えられず、そのように捉えることは、むしろ、タブー視されるような感さえあった。
【0060】
それは、「死」というものが、「生」に対して否定的なものとして捉えられ、また、実際深い悲しみのうちに行われるセレモニーであるために、本来、生産的企業として、認識されにくいという面があったのではないかと思われる。
【0061】
しかし、21世紀に入り、あらゆる面で物事が変化し解明され、価値観の変化が起こって来ると、当然「死」というものの認識も、価値観の変化をきたすものと思われる。それに伴い悲しみのセレモニーにも、悲しいながらも明るい、将来に希望の光の感じられるものとして行うことができるのではないかと考えられる。
【0062】
それは、ある人にとっては、笑止千万な馬鹿らしく単純な人形であっても、愛らしく、一筋の再会できるという希望の光をもたらす天使に託して、心の慰めとできるのではないかと思われる。
【0063】
この人形が、単純で、宗教的にはっきりと限定された姿をもたないいわば正体不明のものであるため、かえって普遍的、根源的な天使として、人の死に関わるマイナスイメージを払拭し、悲しみのセレモニーに、「明るい」「希望」の光をともし、人の心の慰めをもたらすのである。
【0064】
この人形が、宗教的に限定された姿をもたないために、どんな葬祭業者の、どんな宗教にも競合せず、納棺の際にメッセージをポケットに入れた天使の人形をお棺に入れるという、単純な作業を加えるだけで、人種、国境、宗教を超えた葬送の本質をより良く表現できる。
【0065】
上記の事項を包括して象徴するこの人形によって、今後の葬送のセレモニーが、悲しみのうちにも明るい希望の光をともし、人々の心の慰めと深い安らぎを与えるセレモニーとなることを目的として、本製品である葬儀用人形とその用法が考案された。
【0066】
また、死に関わる葬祭業が、多大なニーズを持つ積極的、かつ生産的企業として加速度的に発展させて行けるということも目的としている。
【0067】
上述のように「死」という、生き物の持つ不変的で多大なニーズがあるにも関わらず、「生」に対する「死」を否定的に捉えるため、葬祭業が積極的、または、生産的企業として認識されにくいと言う点を挙げたとともに、手作りであるため、今のところ量産はできないが、その為にかえって今の我が国においては、製作作業が簡単なことも含め、社会福祉的意味合いと共に、葬儀を積極的な生産的企業として、発展させてゆくことを可能とする予見をもつに至ったと述べたことについて補足する。
【0068】
我が国では少子高齢化が進み年金制度も充実せず、先般国会で年金法が見直されたが、高齢者の将来には、明るい希望というものがない。生活するには不十分な年金で、働いて収入を得る術も無く、不安に怯えながら心ならずも長生きしてしまう高齢者が数多くあるのを見聞きするにつけ、高齢者は社会の中で無用の者といった風潮を作ってしまうのではないかといったおそれを抱くものである。
【0069】
また、この手作りの人形は、簡単であるし、愛らしいので、例えば、高齢者がグループを作って楽しみながら製作することにより工賃として収入を得るということには最適なものであると考える。このように手作り人形を高齢者に量産させることは、多くの高齢者に仕事を与え、収入を得る手段を与えるとともに、高齢者に社会の中での有用な人材であるという誇りをもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 綿球
2 白羽二重薄絹からなる布地
3 ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地
4 白羽二重の薄絹からなる布地
5 オーガンジーリボンなどのリボン
6 綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地
7 布地6と同じ布地
8 竹串
9 米
11 ローソク
12 ビーズ粒
14 ビーズ粒
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば布製からなる人形であって、特に葬儀用品として使用することができる人形に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の人形として、布製のおもちゃとしてのぬいぐるみ人形や、プラスチックなどの材料を成形型に射出成形したようなものなどがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
布製のぬいぐるみ人形では、おもちゃとしての体裁を保つために、ぬいぐるみ人形の主として外面を構成する布地などを、これらを縫い合わせた際に立体的なぬいぐるみ人形となるような形状に、いわゆる立体裁断する必要があるので、材料の歩留りが悪くなる。また、立体裁断された布製パーツを縫い合わせるために、特殊な縫製機械や特殊な技能を持った作業者が必要となり、製造期間やコストの面で不利である。
【0004】
プラスチックなどの射出成形品では、製造は比較的容易であるが、廃棄する場合に不燃ゴミとなるものが多く、廃棄物の最終処分地の確保や、焼却による場合によるにはダイオキシン等の有害ガス(有害物質)の発生も懸念される。
【0005】
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、立体裁断した布製等のパーツを用いなくとも立体的な形状のものとすることができ、しかも焼却をした場合にも有害物質の発生がない人形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の人形は、布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けた人形であって、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2記載の人形セットは、請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3記載の人形セットは、請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載の人形によれば、袋状に縫製された布地の袋状部内に充填物を充填し、袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けているので、立体的な人形を得ることができる。布地や充填物は焼却しても有害物質を発生させることがない。さらに、袋状の布地の外周面に形成されたポケットに手紙やメモのような薄い紙などを収納することができる。
【0010】
本発明の請求項2記載の人形セットによれば、一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の人形セットによれば、一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施の形態に係る人形及び人形の製作手順について、図面を参照して説明する。
【0013】
本発明の実施の形態に係る人形を製作する材料は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(10)までは人形一体に要する材料であり、各2体分用意する。また、(11)〜(14)又は(15)〜(16)は各人形のそれぞれについて必要とする材料である。
(1)直径3cm程度の綿球(人形の顔の充填物となるもの)1個、
(2)白羽二重薄絹からなる布地(10cm×10cm)(人形の顔となるもの)1枚、
(3)ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地(10cm×10cm)(人形の頭巾となるもの)1枚、
(4)白羽二重の薄絹からなる布地(17cm×13cm)(人形の羽衣ケープとなるもの)1枚、
(5)オーガンジーリボン(幅5cm×8〜10cm)(人形の羽根となるもの)1枚、
(6)綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地(17cm×13cm)(人形の胴体となるもの)1枚、
(7)胴体となるものと同じ布地(17cm×7cm)(人形のポケットになるもの)1枚、
(8)竹串(長さ8.5cm程度で太さは適宜のもの)(人形の頭部を支えるもの)1本、
(9)米(人形の胴体の充填物となるもの)50グラム、
(10)鷹の爪(唐がらし)(充填物たる米の虫食いを防止するためのもの)小片2〜3片、
(11)ローソク(太さ5mmぐらいで長さ5cm程度のもの)(一方の人形に装着するもの)1本、
(12)ビーズ粒(一方の人形のネックレスになるもの)複数個
(13)半切りの半紙(一方の人形のポケットに収納するメッセージを記載するためのもの)1枚
(14)ビーズ粒(他方の人形のネックレスになるもの)複数個(2個分)
(16)半切りの半紙(他方の人形のポケットに収納するメッセージを記載するためのもの)1枚
【0014】
図1(a)〜(c)に示すように、直径3cm程度の綿球1を、白羽二重薄絹からなる布地2の中央部に配置し、綿球の周りを糸Aと針Bとにより縫う。この縫った糸Aをたぐり寄せて布地2を絞って、図1(d)に示すように、いわゆるてるてる坊主の形状とする。縫い縮めた部分2aよりも5mm程度離れた部分をはさみCで切断し、図1(e)に示すような球形の布地2とこれから突出する端部2bとを有する形状とする。
【0015】
ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地3を、図2(a)の1点鎖線で示すように対角線で折り曲げて三角形状にする(図2(b)参照)。この三角形状にした布地3は、球形の布地2から突出する端部2bの上を覆うように配置される(図2(c)参照)。
【0016】
図2(b)に示すように、球形の布地2の図中下部に竹串8の先端部を突き刺す。さらに図2(c)に示すように、三角形とした布地3を球形の布地2に布地2の一部が露出する状態で、かつ、球形の布地2から突出する端部2bの上を覆った状態で配置する。布地2から突出する端部2bを頂部付近に位置させて布地3を覆うようにすると、布地3が外側にとがった形状となって、頭巾として好ましい綺麗な形状になる。図2(c)に示すように、はりBと糸Aと使って、布地2と布地3の境目を図示するように縫い合わせる。
【0017】
図2(c)に示すように、布地2を覆うことができなかった余分の端部付近の布地を竹串8の上部が覆われるように竹串8に沿って配置し、竹串8と布地2との境界部分に糸Aをしっかりと巻き付けて布地2と竹串8とを固定する。竹串8の上部を覆うように配置された布地3の端部付近の裏側に木工用接着剤(木工用ボンド)を塗布して布地3と竹串8とをしっかりと固定する。なお、説明上、布地2と布地3との縫い合わせに次いで、布地3と竹串8との固定をするようにしたが、この両者の工程を逆に行う等の工程の変更は自由である。
【0018】
上記製作工程において、布地2に竹串8を突き刺すのは、布地2などにより形成された人形の頭部の保持を確保するためである。したがって、後述する布地6や米9の充填量などの要因により、布地2などからなる頭部の保持が安定するようであれば、竹串8を用いなくてもよい。この場合、球状にした布地2に被せて縫い合わせた布地3の端部は、1.5cm〜2cm程度残してはさみなどで切り取ることが好ましい。
【0019】
図3(a)に示すように竹串8に固定された布地3の端部付近を糸Aで縛って端部を纏める。図3(b)に示すように、布地2の露出部分にサインペンや絵の具などによって、人形の顔を描く。どのような顔を描いてもよいが、本例では、図示のように円弧状の口と、円弧状の目と、松葉状の髪の毛とを、黒色のサインペンで描いた。
【0020】
図4(a)に示すように、例えばオーガンジーリボンなどからなるリボンを所望の長さ(8cm程度)に切断してリボン5を得る。リボン5の切断部分には三角形が連続した端部5aを形成する。リボン5の材料としては薄くて透き通った布(レース状のもの)が好ましい。リボン5の中央部をはりBと糸Aで縫う。
【0021】
図4(b)に示すように、縫った糸Aをたぐり寄せてリボン5を中央部で縫い縮め、縫縮部5b形成する。このリボン5は、図4(c)に示すように、前記布地2に被せられた布地3の背面部に、リボン5の中央部の縫縮部5bにおいて糸Aで縫い付ける。
【0022】
次に、人形の胴体部分の製作について説明する。まず、図5(a)に示すように、綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地6を用意する。さらに、図5(b)に示すように、胴体となるものと同じ布地7を用意し、布地7の一辺を折り返して糸Aと針Bで縫う。
【0023】
図5(c)に示すように、布地7を逆向きにするとともに裏返しにして、布地6の下部(約3cmのところ)に糸Aと針Bとにより縫い付ける。逆向きとは布地7の縫った一辺が布地6の下側に位置することを意味し、裏返しとは、1辺の折り返し部分が表側に位置するようにという意味である。これは、後述するように布地6を裏返しにした場合に布地7の模様面が外側になるようにするためである。
【0024】
次に、図6(a)に示すように、布地6に縫い付けられた布地7を図中情報に折り返す。2体一組の人形の一方(保管用又は副葬用)については、図6(b)に示すように、布地7の中央部上部付近のみを糸Aと針Bとにより布地6と布地7とが一体になるように縫い合わせる。2体一組の人形の他方(副葬用)については、布地7の中央部から約1cm程度離れた部分を糸Aと針Bとにより布地6と布地7とが一体になるように幅が1cm程度で高さが3cm程度のコ字状に縫い合わせる。これにより上部が開放されたポケット7aが形成される。
【0025】
次に、図7(a)に示すように、布地7が縫い付けられた布地6を、布地7が内側になるように2つ折りし、端部どうしを端部から約0.8cm程度離れた位置を糸Aと針Bとにより縫い合わせ、布地6及び布地7を筒状に形成する。
【0026】
図7(b)に示すように、筒状に形成した布地6の底部を端部から約0.5cm程度離れた位置を糸Aと針Bとにより縫い合わせ、布地6を袋状に形成する。
【0027】
さらに、図7(c)に示すように、袋状にされた布地6を裏返しにする。これにより、布地6の表側に布地7によりポケットが形成された袋状の布地6が形成される。筒状とされた内側に米9を50グラム程度充填して円筒状の外観を保持させる。同時に防虫用の鷹の爪(唐がらし)の小片を2〜3片米の中に混入させる。なお、図7(c)に示すものは、2体一組の人形の他方(副葬用)について図示するが、他の一方(保管用又は副葬用)の人形においても同様である。なお、米は充填材として入手しやすく安価であるので採用したが、穀類や豆類などの粒状物などの他の材料を使用することができる。
【0028】
図8(a)に示すように、筒状の布地6の上端部から約0.5cm程度離れた部分を糸Aと針Bとにより円周状に縫い、糸Aをたぐり寄せることにより布地6の上部を縮める。次いで、図8(b)に示すように、縮められた布地6の開口部から頭部としての布地2が固定された竹串8を挿入し、竹串8及び布地2が筒状の布地6の中央部になるように位置調整する。
【0029】
図9(a)に示すように、布地6の上部を縫った糸Aをさらにたぐり寄せて布地6の上端部を絞って布地3などがしっかりと覆われるようにする。この後、布地6の上端部付近に糸を布地6及び布地3を貫通させ裏側に通るように、角度を変えて何度か縫う。これにより、布地6に布地2及び布地3などからなる頭部をしっかりと固定する。以上と同様な手順により2体一組の人形の一方(保管用又は副葬用)についても同様な手順により、図9(b)に示すように、製作される。
【0030】
次に、図10に示すように白羽二重の薄絹からなる布地4を用意する。布地4の4隅を円弧状にはさみで切り取る。なお、4隅は切りっぱなしでかがり縫いなどの縫製は行わない。布地4の上辺から約2.5cmのところを糸Aと針Bとにより縫う。糸Aをたぐり寄せることにマント状形状とする。このマント状形状の糸Aのたくり寄せで絞られた部分を、図9(a)及び(b)の布地6の上部と布地3などからなる頭部との境目に巻き付けて、糸Aを前面で結んで布地4を取り付ける。絞られた部分は折り返して当該境目を覆うように配置する。
【0031】
次に、図11(a)に示すように、複数個のビーズ粒14を糸に通して環状に形成するとともに、同様にビーズ粒14を糸に通して環状に形成する。このように、環状に形成された2つのネックレス状のものを、図示するように2体一組の人形の一方の右胸に相当する部分に糸で取り付ける。布地7により形成されるポケットには、半切りの半紙にメッセージなどを記載して収納する。
【0032】
また、2体一組の人形の他方には、図11(b)に示すように、ポケット7aにローソク11が収納される。また、複数個のビーズ粒12を糸に通して環状に形成し、人形の首に掛ける。布地7により形成されるポケットには半切りの半紙にメッセージなどを記載して収納する。
【0033】
なお、人形を作成する材料は特に限定するものではなく、焼却した際に有害物質の発生が少ない適宜の材料を採用することができる。また、人形を構成する各パーツは必要に応じて省略したり、別のパーツを追加してもよい。
【0034】
本発明の実施の形態に係る人形及び人形セットの販売や譲渡などに際しては、以下のような使用説明書を添付することが好ましい。
【0035】
(使用説明書)
本製品である葬儀用人形は、「導き天使」と「再会天使」とからなる。これらの2種類の天使に見立てた人形によって死者の冥福を祈り、残された家族や友人などに心の慰めと再会の希望を与えることを目的としている。
【0036】
葬儀用人形「導き天使」と「再会天使」は、綿球を白羽二重の絹布で包み、頭巾をかぶせて、胴体にはポケットを持ち、羽衣ケープと称するケープを纏い、胴体の中にはお米を入れ、「導き天使」は、長さ5cmの蝋燭を持ち、首からネックレスのような「許しのビーズ」を掛けている。「再会天使」は蝋燭を持たない分ポケットの容量が大きく、左胸に「思い出ビーズ」の輪を2つ重ねて持っている。通常「導き天使」は1体で、「再会天使」は2体一組で構成される。
【0037】
葬儀用人形「導き天使」と「再会天使」の一方の一つとは、葬儀の際に、納棺時にお棺の中に入れられ、「再会天使」の他方の一つは手元に残すものであり、そのことにより、死者に愛惜の情を伝え、残された家族、親類、友人などが、心の慰めを得ようとするものである。「導き天使」と「再会天使」には、それぞれ、設定と演出がなされており、それが本製品の中核をなすものである。
【0038】
「導き天使」のポケットには、死者に伝えたい言葉を書いて入れる。また、一方の納棺される「再会天使」のポケットには、納棺時に会葬者が自分の名前を書き、再会したときに言いたい言葉を書いて入れ、他方の手元に残す「再会天使」のポケットには死者の名前を書き、死者を懐かしむ言葉を書いて入れる。
【0039】
「導き天使」は、死者を天国まで導いて行き、残された者のメッセージを携えて天国まで同行するという演出である。
【0040】
「再会天使」は、2つ一組で一人(双子)という設定であり、死者の持っていった「再会天使」の片割れの「再会天使」を手元に残すことで、死者に再びまみえる日までの希望を繋ぐという、共に死者との繋がりを持つという演出である。
【0041】
死者との別れが、「これでもう、永遠の別れなのだ」という峻険な感情を少しでも和らげ、「いつかまた会えるね」という希望を繋ごうとするものである。
【0042】
「導き天使」と「再会天使」は、上述したように、故人のお棺の中に入れて副葬品として使う天使の人形であって、葬儀に当たって故人をよりよく葬送し、残された家族、親類、友人などが、また、いつの日にか再会するという希望と慰めを持つためのものである。
【0043】
この葬儀用人形は、「天使」といっても、西洋の絵画や彫刻に見られるような、ケルビムやキューピッドのようなエンジェルではなく、宗教を超えたシンプルな形をした「神の使い」であり、愛らしく、小さく、悲しみを和らげる演出をする。人形は簡単であり全て手作りである。手作りであるので量産はできないが、そのためかえって、わが国においては、作業が簡単なこと、社会的福祉的意味合いと共に、葬儀を積極的な、生産企業として発展させてゆくことを可能とする予見を持つことができる。
【0044】
葬儀は、人間がこの世に生を受けた時から、誰しもがかならず約束されている人生の終着点である。その様式は国により、宗教により、また、個人の意思や思想によって様々であるが、国や人種や宗教を超えて共通な点は、故人を如何に良い境地に送り、懐かしい故人と再び会いたいと言う残された者たちの、願いと慰めと希望を如何に満足させるかということではないでしょうか。
【0045】
このように、葬儀の根源的な意味を考えてみると、わが国においては特に、宗教者が葬儀を執り行うことによって、「戒名料」などの名目で、多大な費用のかかることもさることながら、独占的な市場としての葬儀が、ささやかな、温かみのある葬儀を行うことを難しくしていることも事実であろう。
【0046】
本製品であるシンプルで愛らしい「天使」の人形を用い、その設定と演出によって、葬儀も、故人の冥福を祈り、残された者に希望と慰めが得られるようにすることは大いに可能である。
【0047】
「導き天使」は、故人の肩にとまり、天国までの道案内をする。故人が間違った方向に行きかけると、正しい方向を耳元で囁き、明るい蝋燭で足元を照らし、天国へと導く。残された家族や親しい人たちの悲しい泣き声を、美しく明るい歌声にして故人の耳元で歌うので、故人は暗い道筋を通る時も導き天使と共に、寂しい思いをせず、恐ろしい思いもせずに、天国まで行き着くことができる。
【0048】
また、「導き天使」の首にさがっている「許しのビーズ」によって、この世で犯した罪や、人に対して抱いていた怒りや憎しみなどの総てについて、「人を許し、自分をも許し、平和な光に包まれて」この世に悔いを残すことなく真っ直ぐに天国まで行き着くことができる、という設定である。
【0049】
「再会天使」は、2つ一組で一人(双子)であって、どんなに離れていても、いつも同時に同じ事を考え、いつかは必ず一体となって、再会したいと願う人を必ず再会させなければならないという使命がある。「再会天使」の一方をお棺の中に入れ、他方の「再会天使」を手元に残す。お棺に入れる「再会天使」のポケットには自分の名前を書いた紙を入れ、手元に残す「再会天使」のポケットには故人の名前を書いた紙を入れる。残された家族や、親しい者の手元に残った「再会天使」に話しかけると、それは、あちらの天国に行って待っている双子の天使である「再会天使」を通じて故人に対して懐かしい、楽しい言葉として伝えられる。
【0050】
天使は良いことや、楽しいことしか伝えられないので、悪いことや、唯ひたすら悲しいといったことは伝えられない。「再会天使」が持っているのは、「思い出ビーズの輪」で、二人の共通の思い出をビーズに託して2つの輪にして持っている。再会の日に、この「思い出ビーズの輪」を1つずつ交換して分け合うという設定である。
【0051】
「導き天使」と「再会天使」の設定と、演出は以上である。この天使はあくまでも、死者を葬送するときに死者と残された親類や、友人などの心の慰めとなるように演出され、設定されたものである。
【0052】
そして、手元に残された「再会天使」は、その「再会天使」の持ち主が亡くなったときに、その人のお棺の中に入れられる。この行為により、亡くなった人のお棺に入れられた「再会天使」が、先に亡くなった人のお棺に入れた「再会天使」と天国で再会するという演出となり、「再会天使」を手元に残していた人の気持ちが完結する。
【0053】
これまでは、1体の「導き天使」と2体一組の「再会天使」とにより構成した例を説明したが、以下のような構成であってもよい。
【0054】
「導き天使」1体に対して、「再会天使」は3以上用意されてもよい。この場合、1体の「導き天使」と1体の「再会天使」がお棺の中に納棺される。納棺される「再会天使」以外の「再会天使」は、再会を願う人が少なくとも1体を手元に残す。したがって、「再会天使」の数は2体である場合もあれば、5体、10体の場合もあれば、極端な例では100体とか200体とかいう多数の場合もあり得る。
【0055】
このような場合には、2〜5体に一つぐらいの割合で、「再会天使」をお棺の中に入れることが好ましい。これは、半紙半分の大きさの紙にメッセージと名前を書けるのがだいたい2〜5名ぐらいだろうと推定されるからである。お棺の中に入れられる「再会天使」は2〜5名分ぐらいのメッセージを携えて行き、会葬者のうちで故人との再会を願う者は、故人の名前と故人への思いを書いたメッセージをポケットにいれた「再会天使」を手元に残すという設定である。
【0056】
いずれにせよ、「導き天使」と「再会天使」は最終的にお棺の中で燃やされるものであるから、材料は総て天然自然のもの(例えば綿球やシルクの布、胴体内の米など)を使用し、プラスチックなどの石油製品で、燃えて有毒ガスを出すようなものは、一切使用していない。
【0057】
また、これまで、葬儀業を営んできたものたちは、それぞれの儀式としてのノウハウを持ち、客の希望する宗教で執り行ってきた。特定の宗教団体などで行われる葬儀は、「戒名料」、「お布施」、「献金」などの名目で、多額の金銭を支払うことは、やむを得ないことであった。我が国では、結婚式は神式、もしくは、キリスト教の教会で行い、葬式は仏式でといった宗教的には全く節度がないことが、日常的に行われており、今後日本が、世界的な潮流の中で、葬儀のあり方も問われることになろうと思われる。21世紀は、精神的なものが重用されると思われるが、「戒名料」の多寡によって死後の世界の階級に上下があるかのような馬鹿らしいことを本気で信じている人は誰も居ないのであって、「戒名料」「お布施」「献金」などの名目で多額の金銭を要することは、今後無くなっていくであろうと思われる。
【0058】
しかしながらセレモニーとしての葬儀は、人間が人間である限り、廃れていくころはあるまい。此処に、人間としての自然な感情として、死者を悼み、親しい者が心の慰めを得るという葬儀の根本的な意味を問い直し、簡素化し、象徴化したものが、本製品である「導き天使」と「再会天使」なのである。
【0059】
葬儀に関してこれまではあまり変化はなく、生まれてきた者は等しく必ず誰しもが死ぬという意味での普遍的な、多大なニーズがあるにもかかわらず、生産的企業としては、積極的に捉えられず、そのように捉えることは、むしろ、タブー視されるような感さえあった。
【0060】
それは、「死」というものが、「生」に対して否定的なものとして捉えられ、また、実際深い悲しみのうちに行われるセレモニーであるために、本来、生産的企業として、認識されにくいという面があったのではないかと思われる。
【0061】
しかし、21世紀に入り、あらゆる面で物事が変化し解明され、価値観の変化が起こって来ると、当然「死」というものの認識も、価値観の変化をきたすものと思われる。それに伴い悲しみのセレモニーにも、悲しいながらも明るい、将来に希望の光の感じられるものとして行うことができるのではないかと考えられる。
【0062】
それは、ある人にとっては、笑止千万な馬鹿らしく単純な人形であっても、愛らしく、一筋の再会できるという希望の光をもたらす天使に託して、心の慰めとできるのではないかと思われる。
【0063】
この人形が、単純で、宗教的にはっきりと限定された姿をもたないいわば正体不明のものであるため、かえって普遍的、根源的な天使として、人の死に関わるマイナスイメージを払拭し、悲しみのセレモニーに、「明るい」「希望」の光をともし、人の心の慰めをもたらすのである。
【0064】
この人形が、宗教的に限定された姿をもたないために、どんな葬祭業者の、どんな宗教にも競合せず、納棺の際にメッセージをポケットに入れた天使の人形をお棺に入れるという、単純な作業を加えるだけで、人種、国境、宗教を超えた葬送の本質をより良く表現できる。
【0065】
上記の事項を包括して象徴するこの人形によって、今後の葬送のセレモニーが、悲しみのうちにも明るい希望の光をともし、人々の心の慰めと深い安らぎを与えるセレモニーとなることを目的として、本製品である葬儀用人形とその用法が考案された。
【0066】
また、死に関わる葬祭業が、多大なニーズを持つ積極的、かつ生産的企業として加速度的に発展させて行けるということも目的としている。
【0067】
上述のように「死」という、生き物の持つ不変的で多大なニーズがあるにも関わらず、「生」に対する「死」を否定的に捉えるため、葬祭業が積極的、または、生産的企業として認識されにくいと言う点を挙げたとともに、手作りであるため、今のところ量産はできないが、その為にかえって今の我が国においては、製作作業が簡単なことも含め、社会福祉的意味合いと共に、葬儀を積極的な生産的企業として、発展させてゆくことを可能とする予見をもつに至ったと述べたことについて補足する。
【0068】
我が国では少子高齢化が進み年金制度も充実せず、先般国会で年金法が見直されたが、高齢者の将来には、明るい希望というものがない。生活するには不十分な年金で、働いて収入を得る術も無く、不安に怯えながら心ならずも長生きしてしまう高齢者が数多くあるのを見聞きするにつけ、高齢者は社会の中で無用の者といった風潮を作ってしまうのではないかといったおそれを抱くものである。
【0069】
また、この手作りの人形は、簡単であるし、愛らしいので、例えば、高齢者がグループを作って楽しみながら製作することにより工賃として収入を得るということには最適なものであると考える。このように手作り人形を高齢者に量産させることは、多くの高齢者に仕事を与え、収入を得る手段を与えるとともに、高齢者に社会の中での有用な人材であるという誇りをもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る人形の製作工程を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 綿球
2 白羽二重薄絹からなる布地
3 ピンク、赤、黄色などの色付きの正絹やちりめんなどからなる布地
4 白羽二重の薄絹からなる布地
5 オーガンジーリボンなどのリボン
6 綺麗な柄や模様が表された絹布や麻布や木綿布などからなる布地
7 布地6と同じ布地
8 竹串
9 米
11 ローソク
12 ビーズ粒
14 ビーズ粒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けた人形であって、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されていることを特徴とする人形。
【請求項2】
請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることを特徴とする請求項1記載の人形セット。
【請求項3】
請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることを特徴とする請求項1記載の人形セット。
【請求項1】
布地を袋状に縫製し、当該袋状部内に焼却時に有害物質が発生しない充填物を充填し、前記袋状の布地の開放端部に頭部を取り付けた人形であって、前記袋状の布地の外周面に紙などの薄いものが収納できるポケットが形成されていることを特徴とする人形。
【請求項2】
請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方を納棺用品としての副葬用とし、他方の人形を手元に残す保管用とすることを特徴とする請求項1記載の人形セット。
【請求項3】
請求項1に示す構造からなる一の人形と、請求項1に示す構造からなる2以上の他の人形とからなる一組の人形をセットにし、前記一組の人形の一方及び他方の少なくとも一つを納棺用品としての副葬用とし、他方の人形の残りを手元に残す保管用とすることを特徴とする請求項1記載の人形セット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−43213(P2006−43213A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−229843(P2004−229843)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501339702)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501339702)
【Fターム(参考)】
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