説明

介護勤怠管理システム

【課題】様々な報酬形態に応じて介護スタッフへの報酬を計算することが可能なように、介護サービス提供時の勤怠管理を行う。
【解決手段】介護勤怠管理システムは、介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とを対応づけた報酬形態情報を記憶する報酬形態記憶部と、介護スタッフと、該介護スタッフが実施した介護サービスの実績とを対応づけた実績情報を記憶する実績記憶部と、実績情報を受け付けて実績記憶部に登録する実績登録部と、報酬形態情報と実績情報とに基づいて、各介護スタッフに支払うべき報酬を計算する報酬計算部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護勤怠管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会が進むにつれて、介護者(ヘルパー)による介護サービスが普及してきている。介護スタッフを要介護者のところに訪問させる介護事業者は、介護スタッフに対して支払う報酬を計算するために、介護スタッフの勤怠を管理する必要がある。例えば、特許文献1に記載の勤怠管理方法では、サービス開始時間および終了時間を介護スタッフが携帯電話を用いて報告することにより、介護スタッフへの報酬を計算することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−236157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、要介護者に提供される介護サービスは、サービスの種類等によって単位数(点数)が定められている。そして、その単位数に地域単価を乗じたものがサービスに対する費用となる。さらには、要介護者の要介護度に応じて、要介護者の自己負担分が計算されることとなる。
【0005】
一方、介護事業者から介護スタッフへ支払われる報酬(給与)については、介護スタッフが実施した介護サービスの時間に応じて支払われる形態、回数に応じて支払われる形態、単位数に応じて支払われる形態など、様々な形態がある。そのため、各介護スタッフの報酬形態を管理したうえで、介護スタッフが実施したサービスの実績に応じて報酬計算を行う必要があるが、特許文献1に開示のシステムでは考慮されていない。
【0006】
そこで、本発明は、様々な報酬形態に応じて介護スタッフへの報酬を計算することが可能なように、介護サービス提供時の勤怠管理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る介護勤怠管理システムは、介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とを対応づけた報酬形態情報を記憶する報酬形態記憶部と、介護スタッフと、該介護スタッフが実施した介護サービスの実績とを対応づけた実績情報を記憶する実績記憶部と、実績情報を受け付けて実績記憶部に登録する実績登録部と、報酬形態情報と実績情報とに基づいて、各介護スタッフに支払うべき報酬を計算する報酬計算部と、を備える。
【0008】
また、介護勤怠管理システムは、介護スタッフと、該介護スタッフが実施する介護サービスの予定とを対応づけた予定情報を記憶する予定記憶部と、予定情報を受け付けて予定記憶部に登録する予定登録部と、をさらに備え、実績登録部は、予定記憶部に記憶されている予定情報に基づいて実績情報を生成可能であることとしてもよい。
【0009】
また、介護勤怠管理システムにおいて、計算指標は、介護サービスの提供時間に応じて報酬を計算するための指標である時間指標、介護サービスの提供回数に応じて報酬を計算するための指標である回数指標、および、介護サービスの費用に応じて報酬を計算するための指標である費用指標を含むこととしてもよい。
【0010】
さらに、介護勤怠管理システムにおいて、時間指標および回数指標は、時間帯に応じて設定されていることとしてもよい。
【0011】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、様々な報酬形態に応じて介護スタッフへの報酬を計算することが可能なように、介護サービス提供時の勤怠管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態である介護勤怠管理システムの構成を示す図である。
【図2】会社マスタ登録画面の一例を示す図である。
【図3】社員マスタ登録画面の一例を示す図である。
【図4】勤怠項目マスタ登録画面の一例を示す図である。
【図5】勤怠項目マスタのデータの一例を示す図である。
【図6】報酬形態マスタ登録画面の一例を示す図である。
【図7】報酬形態マスタのデータの一例を示す図である。
【図8】スタッフ報酬マスタ登録画面の一例を示す図である。
【図9】スタッフ報酬マスタのデータの一例を示す図である。
【図10】スケジュール登録画面の一例を示す図である。
【図11】スケジュールデータの一例を示す図である。
【図12】実績登録画面の一例を示す図である。
【図13】実績データの一例を示す図である。
【図14】介護勤怠管理システムにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である介護勤怠管理システムの構成を示す図である。介護勤怠管理システム10は、介護事業者に対して、介護サービスを実施する介護スタッフ(ヘルパー)の勤怠管理サービスを提供するための情報処理システムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。
【0015】
介護勤怠管理システム10は、介護事業者のクライアント12から、ネットワーク14を介してアクセスすることにより利用することが可能である。クライアント12は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、介護勤怠管理システム10のユーザによって利用される。図1では、説明を簡単にするためにクライアント12を1つしか示していないが、複数のクライアント12が接続されていてもよい。また、ネットワーク14は、例えば、インターネットや、LAN(Local Area Network)、携帯電話のパケット通信網等により構成される。
【0016】
また、介護勤怠管理システム10は、例えば、ASP(Application Service Provider)やSaaS(Software as a Service)などの形態により、複数の介護事業者に対してサービスを提供可能に構成されている。また、本実施形態では、説明を簡単にするために、介護事業者の事業所内の拠点については特に考慮していないが、事業所内に営業所等の複数の拠点が存在する場合であれば、各種データに拠点を識別するコードを付与するなど、一般的な手法を用いることにより複数拠点に対応することができる。
【0017】
図1に示すように、介護勤怠管理システム10は、報酬形態登録部20、報酬形態記憶部22、スケジュール登録部24、スケジュール記憶部26、実績登録部28、実績記憶部30、報酬計算部32、及び報酬データ記憶部34を含んで構成される。これらの各部は、例えば、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されているプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0018】
報酬形態登録部20は、介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とを対応づけた報酬形態情報を報酬形態記憶部22に登録するものである。図1に示すように、報酬形態登録部20は、会社マスタ登録部40、社員マスタ登録部42、勤怠項目マスタ登録部44、報酬形態マスタ登録部46、及びスタッフ報酬マスタ登録部48を含んでいる。また、報酬形態記憶部22は、会社マスタ記憶部60、社員マスタ記憶部62、勤怠項目マスタ記憶部64、報酬形態マスタ記憶部66、及びスタッフ報酬マスタ記憶部68を含んでいる。
【0019】
会社マスタ登録部40は、介護事業者(会社)に関する情報をクライアント12から受け付け、会社マスタとして会社マスタ記憶部60に格納する。図2には、会社マスタを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。会社マスタ登録部40は、クライアント12からの要求に応じて、会社マスタ登録画面100の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0020】
会社マスタ登録画面100では、会社に関する情報を入力することができる。例えば、会社コード、会社名、時間帯設定、単位数単価設定などを入力することができる。会社コードは、会社を識別するための識別子である。なお、会社コードはユーザが入力するのではなく、会社マスタ登録部40が、会社ごとに異なるように会社コードを自動的に付与するように構成することも可能である。時間帯設定では、勤怠管理における、「早朝」、「日中」、「夜間」、「深夜」等の時間帯を設定することが可能である。単位数単価設定では、介護サービスに対する費用を計算する際に用いられる、1単位あたりの単価である単位数単価(地域単価)を設定することが可能である。なお、「地域単価を使用しない」が選択された場合には、例えば、標準的な単位数単価である「10.00円」が用いられることとなる。会社マスタ登録部40は、このように入力される情報を会社マスタとして会社マスタ記憶部60に格納する。
【0021】
図1に戻り、社員マスタ登録部42は、会社に所属する社員に関する情報をクライアント12から受け付け、社員マスタとして社員マスタ記憶部62に格納する。図3には、社員マスタを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。社員マスタ登録部42は、クライアント12からの要求に応じて、社員マスタ登録画面110の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0022】
社員マスタ登録画面110では、例えば、社員番号や社員名など、社員に関する情報を入力することができる。また、社員マスタ登録画面110では、社員を会社と対応づけるために、会社に関する情報を入力することができる。なお、会社に関する情報は、介護勤怠管理システム10を利用するユーザのアカウント情報から自動的に入力されることとしてもよい。会社に関する情報の自動入力については、以後に説明される他の画面においても同様である。社員マスタ登録部42は、このように入力される情報を社員マスタとして社員マスタ記憶部62に格納する。
【0023】
図1に戻り、勤怠項目マスタ登録部44は、介護スタッフ等の社員が勤怠の入力を行う際の項目である勤怠項目に関する情報をクライアント12から受け付け、勤怠項目マスタとして勤怠項目マスタ記憶部64に格納する。図4には、勤怠項目マスタを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。勤怠項目マスタ登録部44は、クライアント12からの要求に応じて、勤怠項目マスタ登録画面120の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0024】
勤怠項目マスタ登録画面120では、勤怠項目に関する情報を入力することができる。例えば、勤怠項目コード、勤怠項目名、勤怠項目型、サービスコード、サービス名、単位数、標準単価、標準割合などを入力することができる。勤怠項目コードは、勤怠項目を識別するための識別子である。なお、勤怠項目コードはユーザが入力するのではなく、勤怠項目マスタ登録部44が、勤怠項目ごとに異なるように勤怠項目コードを自動的に付与するように構成することも可能である。勤怠項目型は、当該勤怠項目と報酬との関係を示すものである。サービスコードは、介護サービスを識別するための識別子である。単位数は、当該介護サービスを実施する際の単位数(点数)を示すものである。標準単価および標準割合は、当該介護サービスの実施に応じて介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標である。具体的には、標準単価は、介護スタッフが当該介護サービスを実施する際の各時間帯における、時間あたりの報酬単価(時間指標)または回数あたりの報酬単価(回数指標)を示すものである。また、標準割合は、勤怠項目型が後述する割合型の場合に、当該介護サービスの費用に対する報酬の割合(費用指標)を示すものである。勤怠項目マスタ登録部44は、このように入力される情報を勤怠項目マスタとして勤怠項目マスタ記憶部64に格納する。
【0025】
図5には、勤怠項目マスタのデータの一例が示されている。例えば、勤怠項目型には、時間型や回数型、割合型、固定型などが含まれる。時間型とは、当該勤怠項目に紐づく介護サービスの実施時間に応じて報酬が決まるタイプである。回数型とは、当該勤怠項目に紐づく介護サービスの実施回数に応じて報酬が決まるタイプである。割合型とは、当該勤怠項目に紐づく介護サービスの費用に応じて報酬が決まるタイプである。固定型とは、資格手当や役職手当など、介護サービスの実施時間や実施回数とは関係なく、固定的に報酬が決まるタイプである。
【0026】
図1に戻り、報酬形態マスタ登録部46は、報酬形態に関する情報をクライアント12から受け付け、報酬形態マスタとして報酬形態マスタ記憶部66に格納する。図6には、報酬形態マスタを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。報酬形態マスタ登録部46は、クライアント12からの要求に応じて、報酬形態マスタ登録画面130の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0027】
報酬形態マスタ登録画面130では、報酬形態に関する情報を入力することができる。例えば、報酬形態コード、報酬形態名、勤怠項目を入力することができる。報酬形態コードは、報酬形態を識別するための識別子である。なお、報酬形態コードはユーザが入力するのではなく、報酬形態マスタ登録部130が、報酬形態ごとに異なるように報酬形態コードを自動的に付与するように構成することも可能である。勤怠項目は、当該報酬形態に紐づけられる1つ以上の勤怠項目である。図6の例では、「報酬形態1」の報酬形態に対して、「身体介護1(時間)」および「訪問入浴1(時間)」の勤怠項目が紐づけられている。報酬形態マスタ登録部46は、このように入力される情報を報酬形態マスタとして報酬形態マスタ記憶部66に格納する。図7には、報酬形態マスタのデータの一例が示されている。
【0028】
図1に戻り、スタッフ報酬マスタ登録部48は、社員(スタッフ)ごとの報酬形態に関する情報をクライアント12から受け付け、スタッフ報酬マスタとしてスタッフ報酬マスタ記憶部68に格納する。図8には、スタッフ報酬マスタを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。スタッフ報酬マスタ登録部48は、クライアント12からの要求に応じて、スタッフ報酬マスタ登録画面140の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0029】
スタッフ報酬マスタ登録画面140では、社員ごとの報酬形態に関する情報を入力することができる。例えば、社員番号によって特定される社員に対して、報酬形態マスタ記憶部66に記憶されている報酬形態の1つを対応づけることができる。図8の例では、社員番号「E0001」の「スタッフA」という社員の報酬形態として、「報酬形態1」が選択されている。スタッフ報酬マスタ登録部48は、このように入力される情報をスタッフ報酬マスタとしてスタッフ報酬マスタ記憶部68に格納する。図9には、スタッフ報酬マスタのデータの一例が示されている。
【0030】
上述のように、スタッフ報酬マスタでは、介護スタッフ(社員)と報酬形態とが紐づけられ、報酬形態マスタでは、報酬形態と勤怠項目とが紐づけられている。さらに、勤怠項目マスタでは、勤怠項目、介護サービス、および該介護サービスの実施に応じて介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標(標準単価や標準割合等)が紐づけられている。このように、報酬形態記憶部22では、各種マスタによって、介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とが対応づけられた報酬形態情報が記憶されている。
【0031】
図1に戻り、スケジュール登録部24(予定登録部)は、要介護者(顧客)に対する介護サービスの提供スケジュールに関する情報をクライアント12から受け付け、スケジュールデータ(予定情報)としてスケジュール記憶部26(予定記憶部)に格納する。図10には、スケジュールデータを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。スケジュール登録部24は、クライアント12からの要求に応じて、スケジュール登録画面150の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0032】
スケジュール登録画面150では、要介護者(顧客)に対する介護サービスの提供スケジュールに関する情報を入力することができる。例えば、要介護者を特定するためのお客様番号、日付、時間、提供予定の介護サービス、介護スタッフ(ヘルパー)を入力することができる。スケジュール登録部24は、このように入力される情報をスケジュールデータとしてスケジュール記憶部26に格納する。なお、図10に示す画面150では、要介護者に対する1回の介護サービスについてのスケジュールしか示されていないが、スケジュール登録画面のユーザインタフェースはこれに限られない。例えば、月単位の一覧形式でのスケジュール登録を可能としてもよいし、要介護者ごとではなく、介護スタッフごとにスケジュール登録を可能としてもよい。図11には、スケジュールデータの一例が示されている。
【0033】
図1に戻り、実績登録部28は、要介護者(顧客)に対して提供した介護サービスの実績に関する情報をクライアント12から受け付け、実績データとして実績記憶部30に格納する。図12には、実績データを登録する際にクライアント12に表示される画面の一例が示されている。実績登録部28は、クライアント12からの要求に応じて、実績登録画面160の表示に必要なデータを生成してクライアント12に送信することが可能である。
【0034】
実績登録画面160では、要介護者に対して提供した介護サービスの実績に関する情報を入力することができる。図12に示すように、実績登録部160は、例えば、入力された日付が設定されているスケジュールデータをスケジュール記憶部26から取得し、取得したスケジュールデータによって示されるスケジュールに対する実績に関する情報を受け付けることができる。図12の例では、「平成23年9月21日」のスケジュールの一覧が表示され、一覧の中から選択された1つのスケジュールについて、実績時間(提供時間)の入力が可能となっている。実績登録部28は、このように入力される情報を実績データとして実績記憶部30に格納する。図13には、実績データの一例が示されている。
【0035】
図1に戻り、報酬計算部32は、実績記憶部30に記憶されている実績データを集計することにより、各介護スタッフへの報酬を計算し、報酬データとして報酬データ記憶部34に格納する。例えば、報酬計算部32は、実績記憶部30に記憶されている実績データを、1か月ごとに介護スタッフ別に集計し、各介護スタッフの報酬形態に基づいて、各介護スタッフへの報酬を計算する。具体的には、ある介護スタッフの1か月の実績データについて、勤怠項目ごとに、勤怠項目型に応じて集計を行う。
【0036】
例えば、実績データの集計対象の介護スタッフである「スタッフA」の報酬形態が、図8に示すように「報酬形態1」であり、この報酬形態に紐づけられた勤怠項目に、図6に示すように「身体介護1(時間)」が含まれるとする。また、図4に示すように、勤怠項目「身体介護1(時間)」に対して、「身体介護1」の介護サービスが紐づけられているとする。この場合、報酬計算部32は、実績データ記憶部34に記憶されている実績データのうち、「スタッフA」の「身体介護1」の実績時間を時間帯ごとに集計する。そして、報酬計算部32は、時間帯ごとに集計された実績時間に時間帯ごとの標準単価を乗じて合計することにより、「身体介護1」の実施に対する報酬を算出することができる。報酬計算部32は、同様にして、「スタッフA」が実施した他の介護サービスに対する実績についても報酬を算出することができる。また、報酬計算部32は、「スタッフA」以外の介護スタッフについても、同様の手法により、実績記憶部30に記憶されている実績データを集計し、報酬形態に応じて報酬を算出することができる。例えば、勤怠項目型が「回数型」の場合であれば、介護サービスを実施した回数を時間帯ごとに集計することにより報酬を算出することができる。また、例えば、勤怠項目型が「割合型」の場合であれば、介護サービスの実施による費用を集計することにより報酬を算出することができる。
【0037】
図14には、介護勤怠管理システム10における処理の流れの一例を示すフローチャートが示されている。まず、介護勤怠管理システム10では、報酬形態登録部20が、クライアント12から入力される情報を受け付けることにより、各種報酬形態情報を生成し、報酬形態記憶部22に格納する(S1401)。この報酬形態情報の登録処理は、例えば、介護勤怠管理システム10の利用開始時や、社員の追加登録時、各種設定の変更時などに実行される。
【0038】
報酬形態情報の登録が行われた後、スケジュール登録部24が、クライアント12から入力される情報を受け付けることにより、スケジュールデータを生成し、スケジュール記憶部26に格納する(S1402)。このスケジュールデータの登録処理では、図10に示したように、例えば、要介護者ごとに予定が登録されることとしてもよいし、介護スタッフごとに予定が登録されることとしてもよい。
【0039】
スケジュールデータの登録後、実績登録部28が、クライアント12から入力される情報を受け付けることにより、実績データを生成し、実績記憶部30に格納する(S1403)。この実績データの登録処理は、例えば、介護スタッフが介護サービスを実施するごとに実行されることとしてもよいし、1か月ごとなど、所定単位期間ごとにまとめて実行されることとしてもよい。なお、図12では、スケジュールデータから実績データを生成する例を示したが、実績登録部28は、スケジュールが存在しない実績の入力を受け付けて実績データを生成し、実績データ記憶部30に格納することが可能であってもよい。
【0040】
実績データの登録後、報酬計算部32が、実績記憶部30に記憶されている実績データと、報酬形態記憶部22に記憶されている報酬形態情報とに基づいて、各介護スタッフへの報酬を算出し、算出された報酬を示す報酬データを生成して報酬データ記憶部34に格納する(S1404)。この報酬データの生成処理は、例えば、1か月ごとなど、所定単位期間ごとに行うことが可能である。介護勤怠管理システム10は、このように生成される報酬データに基づいて、各介護スタッフへの報酬額を示す各種帳票を出力可能であってもよいし、報酬データを外部の情報処理システムへ出力可能であってもよい。
【0041】
以上、本実施形態について説明した。本実施形態によれば、介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とを対応づけた報酬形態情報が報酬形態記憶部22に記憶されている。また、介護スタッフと、該介護スタッフが実施した介護サービスの実績とを対応づけた実績データが実績記憶部30に登録される。そして、報酬形態情報と実績データとに基づいて、各介護スタッフに支払うべき報酬が計算される。このように、本実施形態によれば、様々な報酬形態に応じて介護スタッフへの報酬を計算することが可能なように、介護サービス提供時の勤怠管理を行うことができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、あらかじめ登録されているスケジュールデータに基づいて実績データを生成することができる。そのため、介護サービスの提供に伴う勤怠管理を行う際に必要となる実績登録の入力負荷を軽減することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、介護サービスの提供時間に応じて報酬を計算するための指標である時間指標、介護サービスの提供回数に応じて報酬を計算するための指標である回数指標、介護サービスの費用に応じて報酬を計算するための指標である費用指標など、様々な計算指標に基づいて報酬を計算することができる。さらに、本実施形態によれば、時間指標および回数指標は時間帯ごとに設定することも可能である。
【0044】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0045】
10 介護勤怠管理システム
12 クライアント
14 ネットワーク
20 報酬形態登録部
22 報酬形態記憶部
24 スケジュール登録部
26 スケジュール記憶部
28 実績登録部
30 実績記憶部
32 報酬計算部
34 報酬データ記憶部
40 会社マスタ登録部
42 社員マスタ登録部
44 勤怠項目マスタ登録部
46 報酬形態マスタ登録部
48 スタッフ報酬マスタ登録部
60 会社マスタ記憶部
62 社員マスタ記憶部
64 勤怠項目マスタ記憶部
66 報酬形態マスタ記憶部
68 スタッフ報酬マスタ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護スタッフと、該介護スタッフが実施可能な介護サービスと、該介護サービスの実施に応じて該介護スタッフに支払われる報酬を計算するための計算指標とを対応づけた報酬形態情報を記憶する報酬形態記憶部と、
介護スタッフと、該介護スタッフが実施した介護サービスの実績とを対応づけた実績情報を記憶する実績記憶部と、
前記実績情報を受け付けて前記実績記憶部に登録する実績登録部と、
前記報酬形態情報と前記実績情報とに基づいて、各介護スタッフに支払うべき報酬を計算する報酬計算部と、
を備える介護勤怠管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の介護勤怠管理システムであって、
介護スタッフと、該介護スタッフが実施する介護サービスの予定とを対応づけた予定情報を記憶する予定記憶部と、
前記予定情報を受け付けて前記予定記憶部に登録する予定登録部と、
をさらに備え、
前記実績登録部は、前記予定記憶部に記憶されている前記予定情報に基づいて前記実績情報を生成可能である、
介護勤怠管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の介護勤怠管理システムであって、
前記計算指標は、介護サービスの提供時間に応じて報酬を計算するための指標である時間指標、介護サービスの提供回数に応じて報酬を計算するための指標である回数指標、および、介護サービスの費用に応じて報酬を計算するための指標である費用指標を含む、
介護勤怠管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の介護勤怠管理システムであって、
前記時間指標および前記回数指標は、時間帯に応じて設定されている、
介護勤怠管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−77111(P2013−77111A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215988(P2011−215988)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(511157804)セントワークス株式会社 (2)