説明

介護用入浴装置

【課題】
ら湯入浴と循環入浴の選択が簡単に行え、個々の入浴者の要望に応じた入浴が提供できるようにすると共に、排水と同時に自動貯湯できるようにすること。
【解決手段】
槽本体2と、浴槽本体2へ供給する湯水を貯湯する貯湯槽3と、浴槽本体2と貯湯槽3とを配管接続槽3内の湯水を浴槽本体2へ移送する移送配管系9とを備え、入浴の都度、貯湯槽3から浴槽本体2へし貯湯新たな湯水を供給し入浴を行うさら湯入浴と、湯水を貯湯槽3と浴槽本体2の間で循環させて利用する循環湯入浴の選択が行えると共に、入浴に供した湯水を排水すると貯湯槽に新たな湯水を自動貯湯する
【選択図】 図

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体障害者及び高齢者(以下、要介護者)、特に要介護度の低い要介護者の自立入浴を可能とした浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽側壁の一部に要介護者が出入り可能な出入り口を設け、要介護者が側壁を跨ぐことなく搬送機器から浴槽内に自力で移乗し入浴を行うことができる介護浴槽(例えば、特許文献1)が知られている。
【0003】
特許文献1には、出入用開口部に着脱可能に装着される蓋体を浴槽本体から手動で取り除くことで、要介護者が出入用開口部から浴槽底面に直接腰掛けでき、貯湯タンクをはじめとする給・排水部材等の附帯機器類の全部又は一部を横底下方の空間に収納する浴槽が記載されている(0011〜0014段落、図1、図3参照)。
また、殺菌装置や濾過装置ならびに保温装置等の附帯機器類(いずれも図示せず)を組み合わせて収納させても良い旨が記載されている。(0018段落参照)
【特許文献1】特開2002−143260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、入浴の都度貯湯タンクから浴槽へ新たな湯水を供給し入浴を行うさら湯入浴と、湯水を貯湯タンクと浴槽の間で循環させて利用する循環湯入浴の選択がスイッチ操作により行うことができる技術思想や、入浴に供した湯水を排水すると貯湯槽に新たな湯水を自動貯湯する技術思想については具体的に開示されていない。
【0005】
本発明の目的は、さら湯入浴と循環入浴の選択が簡単に行え、個々の入浴者の要望に応じた入浴が提供できるようにすると共に、入浴に供した湯水を排水すると自動貯湯できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現する為、請求項記載の発明は、槽本体と、該浴槽本体へ供給する湯水を貯湯する貯湯槽と、前記浴槽本体と前記貯湯槽とを配管接続し前記貯湯槽内の湯水を前記浴槽本体へ移送する移送配管系と、前記浴槽本体内で入浴に供した湯水を前記貯湯槽へ戻しつつ湯水の濾過と薬液殺菌を行うことのできる循環濾過殺菌ユニットとを備え、入浴の都度、前記貯湯槽から前記浴槽本体へ新たな湯水を供給し入浴を行うさら湯入浴と、湯水を前記貯湯槽と前記浴槽本体の間で循環させて利用する循環湯入浴の選択がスイッチ操作により行えると共に、前記入浴に供した湯水を排水すると貯湯槽に新たな湯水を自動貯湯することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記自動貯湯を行うか否かを選択可能であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記さら湯入浴において排水を開始すると同時に前記貯湯槽に自動貯湯することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記循環湯入浴において前記貯湯槽へ戻された湯水量が所定量未満にまで減少している場合は、所定量になるまで前記貯湯槽へ湯水が自動的に補充されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、さら湯入浴と、循環湯入浴の選択がスイッチ操作により簡単に実行できることになり、個々の入浴者の要望に応じて入浴方法を適宜変更することが可能となる。また、請求項2乃至請求項4の発明によれば、使用者の要望やさら湯入浴と循環湯入浴の選択状態に応じて、自動貯湯をするか否かを選択したり、排水と同時に自動貯湯を開始したり、不足した湯水を自動的に補充することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1乃至6に本発明の実施形態を示す。図1は介護用入浴装置1を示す斜視図、図2は側壁部材6を下限位置まで下降させた状態の介護用入浴装置1の斜視図、図3は介護用入浴装置1の背面図、図4は浴槽本体2に対する循環濾過殺菌ユニット10の併置位置を変更した状態の介護用入浴装置1の背面図、図5は介護用入浴装置1の配管系統図、図6は操作パネル部22を示す拡大平面図である。
【0009】
図1、図3に示すように、介護用入浴装置1全体の外観形状は略直方体状をなしており、介護用入浴装置1は、浴槽本体2と、この浴槽本体2の後面(背面)に併置され浴槽本体2へ供給する湯水を貯湯する貯湯槽3(図3参照)と、浴槽本体2内で入浴に供した湯水を貯湯槽3へ戻しつつ湯水の濾過と薬液殺菌を行うことのできる循環濾過殺菌ユニット10を主たる構成要素としている。
【0010】
図5に示すように、浴槽本体2と貯湯槽3は移送配管系9により連通接続され、移送配管系9は中途位置に移送ポンプ7が介装される移送用配管8と、移送ポンプ7の吐出口側における移送用配管8に介装される移送用モーターバルブ5とから構成される。貯湯槽3へ貯湯される湯水は給水給湯源18から貯湯配管17を経由して貯湯槽3へ貯湯され、上限水位センサ20がONになる所定量まで貯湯されると、貯湯動作が自動的に停止する構成となっている。
【0011】
上記構成によれば、移送用モーターバルブ5を開栓し、移送ポンプ7を駆動させることにより貯湯槽3に貯湯された湯水の移送が開始され、湯水は吸入口16から浴槽本体2内へ流入する。また、移送ポンプ7の吸込口側における移送用配管8の中途位置から排水管15が分岐して設けられ、この排水管15には手動により開閉可能な手動排水バルブ14が介装され、入浴介護者等が適宜手動により貯湯槽3内の湯水を排水可能となっている。
【0012】
浴槽本体2の前面側(一方長辺側)の側壁は、浴槽本体2の左右下方位置にそれぞれ配設される電動アクチュエータ12(図5では、一方の電動アクチュエータのみを記載している)のロッド12aの伸縮動作によって、平行状態を保ちながら上下方向に昇降移動する側壁部材6となっている(図1参照)。ロッド12aが収縮し側壁部材6が下限位置にまで到達(図2参照)すると、左右の電動アクチュエータ12のロッド12aの収縮動作が停止し、その結果として側壁部材6の下降移動が停止する。
【0013】
図2に示すように、側壁部材6が下限位置に停止すると、浴槽本体2の前面が開口され、要介護者はこの開口部4から浴槽本体2内へ進入することが可能となる。このとき側壁部材6の上面6aは、浴槽本体2の開口部4近傍の内底面11と略面一となるように構成され、床面13から内底面11前端部までの高さは、不図示の一般的なシャワーチェアや入浴用の車椅子といった搬送機器に着座した要介護者が入退浴時に内底面11前方面部を腰掛ける座面として利用し易い高さ、具体的には400mm乃至500mmの高さ寸法範囲に設定されている。また、開口部4周縁の側壁面55はその下方面部が僅かに上方面部に対して後方(浴槽内方)寄りに位置する傾斜勾配面に形成され、側壁部材6はこの傾斜勾配面に沿うように上下方向に昇降移動する。
【0014】
要介護度の低い、例えば、要介護度が1の要介護者は、開口部4から浴槽本体2の内底面11へ自力で移乗し、要介護度が3以上の要介護度が高い要介護者の場合は、入浴介護者の補助を受けながら内底面11へ移乗する。この時、側壁部材6の上面6aは内底面11の上方へ突出していないので、要介護者の移乗動作や介護者の補助作業の妨げになることはない。また、床面13から内底面11前端部までの高さを搬送機器の座面と略同等の高さに設定しているので、要介護者は搬送機器から内底面11への移乗に著しい労力を伴うことなく、容易に移乗が行える。
【0015】
ロッド12aを伸長していくと側壁部材6が上昇移動し、上限位置に側壁部材6が至るとほぼ同時に不図示の閉塞機構が作用し、側壁部材6が開口部4周縁の側壁面55方向に押圧移動されることによって開口部4が側壁部材6で水密に閉塞され、側壁部材6の上昇移動が停止する。
【0016】
また、図1に示すように浴槽本体2内方の後壁面54の上方中央部において、左右に延在して操作パネル部22が埋設されている。操作パネル部22には、図6に示すような各種のスイッチ群と表示器群が配備されている。
【0017】
図6中、23は電源入切スイッチ、24は浴槽本体2内の湯水を排水する排水スイッチ、19は貯湯槽3へ貯湯する湯水の温度を設定する貯湯温度設定スイッチ、25は設定された貯湯温度を表示する貯湯温度表示器、26は貯湯槽3内の湯水が減少すると自動的に所定量になるまで貯湯動作を開始する自動貯湯動作の入切を切り替える自動貯湯入切スイッチ、27は一連の入浴動作の開始を指示する入浴スイッチ、28は一連の退浴動作の開始を指示する退浴スイッチ、29は各種動作を停止する停止スイッチ、30は温度センサ46により検出された貯湯槽3内の湯温を表示する貯湯槽湯温表示器、59は薬液注入の入切を切り替える薬液入切スイッチである。
【0018】
図1に示すように、操作パネル部22直下の後壁面54には、両端部が取付部材50・50を介して固定されて左右方向に延在する棒状材51が設けられ、この棒状材51の軸心線方向に移動可能で且つ外周方向に回転可能なパイプ材52が棒状材51に対し外嵌挿通されていて、パイプ材52に要介護者が入浴時等に握持する把手49が棒状材51と直交し浴槽本体2の前面方向に延出するように設けられている。把手49後端には、後壁面54に当接させることにより把手49の移動及び回転を阻止するストッパー53が設けられている。この構成によれば、要介護者は、入浴に際して把手49をほんの僅か上方へ持ち上げ後壁面54に当接しているストッパー53を後壁面54から離間させるだけで、把手49を握持し易い位置まで容易に移動させることができ、また、把手49が入退浴する際の妨げになる場合は、把手を上方へ一時的に跳ね上げ退避しておくこともできる(図2参照)。
【0019】
図3、図5に示すように浴槽本体2底面には下方へ延出し中途位置に排水用モーターバルブ32が介装される浴槽排水管31(浴槽排水管31a・31b)が設けられ、排水用モーターバルブ32の吸込口側における浴槽排水管31aからは湯水戻し用配管34が分岐して設けられ、この湯水戻し用配管34にはモーターバルブ33が介装されている。このモーターバルブ33を開閉栓することにより循環濾過殺菌ユニット10側への湯水の通流を制御できる。
【0020】
図1に示すように、浴槽本体2外方の左側面位置には、循環濾過殺菌ユニット10が浴槽本体2に隣接するように併置されている。図5に示すように、循環濾過殺菌ユニット10には浴槽本体2から排出されてきた湯水を貯湯槽3へ戻すための戻し用ポンプ36が内蔵されており、戻し用ポンプ36の吸込口側とモーターバルブ33の吐出口側とが可撓性を有する接続ホース35にて連通接続されている。
【0021】
戻し用ポンプ36の吐出口側に接続される戻し用配管37の先端部は、貯湯槽3上方において貯湯槽3内に臨むように配管構成され(図3、図5参照)、戻し用配管37の中途位置には湯水中の不純物等を除去するための濾過フィルタ38が介装されている。また、濾過フィルタ38の手前側において、戻し用配管37内を流入する湯水に薬液を注入する薬液配管系40が接続されている。薬液配管系40は薬液槽39と、この薬液槽39から延出し中途位置に薬液注入ポンプ41が介装される薬液用配管42等から構成される。薬液注入ポンプ41の吐出口側の薬液用配管には、逆流防止チャッキ弁43が設けられている。
【0022】
図1、図3中、44は浴槽本体2の右側面部を被装する外装カバーで、循環濾過殺菌ユニット10の右側面部を被装する外装カバーとしても利用可能である(図4参照)。また、図3中、45は循環濾過殺菌ユニット10の左側面部を被装する外装カバーで、浴槽本体2の左側面部を被装する外装カバーとしても利用可能である(図4参照)。
【0023】
浴槽本体2に対して左側位置に併置されている循環濾過殺菌ユニット10を右側位置に変更する場合は、以下の手順にて行う。まず、排水用モーターバルブ32の吐出口側から延出する浴槽排水管31bを取り外し、モーターバルブ33の吐出口側と接続ホース35との接続を解除する。循環濾過殺菌ユニット10の左側面部を被装している外装カバー45を取り外すとともに、浴槽本体2の右側面を被装している外装カバー44を取り外す(図3参照)。循環濾過殺菌ユニット10を浴槽本体2の右側位置へ移動させ、左側位置に併置してあった時と同じ向きの状態とする。
【0024】
循環濾過殺菌ユニット10の下フレームにボルト固定されている戻し用ポンプ36の吸込口側配管36aを接続ホース35ごと反転させて浴槽本体2側へ向け、接続ホース35一端を排水用モーターバルブ32の吐出口側へ接続する。同様に戻し用配管37の先端部を反転させて貯湯槽3側へ向ける。取り外していた浴槽排水管31bをモーターバルブ33の吐出口側へ接続する。排水用モーターバルブ32とモーターバルブ33の電気的接続を変更し、排水用モーターバルブ32とモーターバルブ33の各機能を入れ替える作業を行う。取り外していた外装カバー44を循環濾過殺菌ユニット10右側面部に取り付けるとともに、外装カバー45を浴槽本体2の左側面部に取り付ける(図4参照)。
【0025】
上記構成によれば、浴槽本体2の左側に循環濾過殺菌ユニット10を併置するスペースに余裕がない場合に、スペース的に余裕のある浴槽本体2の右側へ併置することが可能となり、例えば、介護用入浴装置1を設置する浴室が変更になり、浴槽本体の右側にしか循環濾過殺菌ユニット10が併置できない場合等においても柔軟に対応することができ、循環濾過殺菌ユニット10が浴槽本体2と接続できないといった不都合な事態に至ることはなく、同ユニット10が無駄になることもない。
【0026】
次に、図5、図6を参照しながら、介護用入浴装置1の使用方法を説明する。まず、電源入切スイッチ23の入を押下し電源投入する。次に、貯湯温度設定スイッチ19にて貯湯槽3に貯湯する湯水の温度を設定し、自動貯湯入切スイッチ26を押下する。給水給湯源18から設定温度の湯水を貯湯配管17を経由して貯湯槽3内へ貯湯する(貯湯動作)。尚、図5中、56は給水給湯源18から供給される湯と水を自動的に混合して設定温度の湯水を得るための電動ミキシング、57は給水給湯源18から貯湯槽3への湯水供給を制御する貯湯用電磁弁である。
【0027】
以下、循環濾過殺菌ユニット10が浴槽本体2の左側面に隣接して併置され、側壁部材6は下限位置(図2に示す位置)の状態にあるものとして、入浴動作について説明する。まず、シャワーチェア等の搬送機器に着座した要介護者を開口部4の近傍位置に導く。要介護度の低い要介護者は、開口部4から浴槽本体2の内底面11へ自力で移乗し、また、要介護度が高い要介護者の場合は、介護者の補助を受けながら内底面11へ移乗する。
【0028】
要介護者が浴槽本体2内に完全に入ったことを確認した後、入浴介護者が入浴スイッチ27を押下すると、電動アクチュエータ12のロッド12aが伸長し、側壁部材6が上限位置まで上昇し、開口部4が側壁部材6で水密に閉塞される。
【0029】
続いて、移送ポンプ7が駆動を開始するとともに移送用モーターバルブ5が開栓され、貯湯槽3内の湯水が浴槽本体2内に移送される。浴槽本体2の上方に設けられる上限水位センサ47がONになるか、または上限水位センサ47がONになる前に下限水位センサ58がONになると、移送ポンプ7が駆動停止するとともに移送用モーターバルブ5が閉栓され湯水の供給が停止される(入浴動作)。要介護者は把手49を握持し易い位置まで適宜移動させて入浴を行う。
【0030】
次に、退浴動作について説明する。入浴に供した湯水を一度排水し、新たな湯を浴槽本体2へ供給し入浴を行う場合(さら湯入浴を行う場合)は、入浴介護者が排水スイッチ24を押下する。これにより排水用モーターバルブ32が開栓し、浴槽本体2内の湯水が排水口21から浴槽排水管31aと浴槽排水管31bの中を流れ槽外へ排水される。
【0031】
排水により浴槽本体2内の水位が減少し、浴槽本体2の下方に設けられる下限水位センサ48がOFFになると、電動アクチュエータ12のロッド12aが収縮を開始し側壁部材6が下降を開始する。側壁部材6が下限位置まで下降したことを確認した後、開口部4から退出する。尚、自動貯湯入切スイッチ26が入になっている場合は、排水スイッチ24の押下と同時に貯湯槽3への自動貯湯動作が開始され、上限水位センサ20がONになる所定量まで湯水が貯湯されると、自動貯湯動作が停止する。
【0032】
一方、浴槽本体2で入浴に供した湯を一旦貯湯槽3へ戻すことにより、湯水を貯湯槽3と浴槽本体2の間で循環させて利用する循環湯入浴を行う場合は、退浴スイッチ28を押下すればよい。これにより戻し用ポンプ36が駆動開始するとともにモーターバルブ33が開栓し、浴槽本体2内の湯水が湯水戻し用配管34から接続ホース35を流れ循環濾過殺菌ユニット10内の戻し用配管37を経由して、貯湯槽3へ戻される。
【0033】
このとき、薬液入切スイッチ59が入になっている場合は、薬液注入ポンプ41が駆動し薬液槽39から薬液が薬液用配管42を流れ、戻し用配管37内の湯水へ注入され殺菌が湯水の戻しと併せて行われる。尚、自動貯湯入切スイッチ26が入になっている場合であって、貯湯槽3へ戻された湯水量が上限水位センサ20がONとなる所定量未満にまで減少している場合は、自動貯湯動作により所定量になるまで貯湯槽3へ湯水が自動的に補充される。
【0034】
さら湯入浴の場合と同様に入浴スイッチ27を押下し入浴動作を行う。本発明の構成によれば、退浴スイッチ28と排水スイッチ24を適宜使い分けることにより極めて容易にさら湯入浴と循環湯入浴の切り替えができると共に、自動貯湯入切スイッチ26の操作で容易に排水と同時に貯湯槽に新たな湯を貯湯できることになる。
【0035】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。例えば、本発明は、要介護者が横になる担架を載置するストレッチャーを浴槽本体の開口部側へ横付けした後、担架ごと要介護者を浴槽本体内へ移動させて入浴を行う装置構成としてもよい。また、上述の実施形態においては、浴槽本体の開口部周縁の側壁面はその下方面部が上方面部に対して僅かに後方寄りに位置する傾斜勾配面に形成され、側壁部材がこの傾斜勾配面に沿うように上下方向に昇降移動する構成を説明したが、この形状に限定されるものではなく、例えば、開口部周縁の側壁面を円弧面に形成し、この円弧面に沿って側壁部材が上下方向に昇降移動でき、且つ側壁部材が下限位置に至ったときに側壁部材の上面が浴槽本体の内底面から突出しないように浴槽本体を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、要介護者、特に要介護度の低い要介護者の自立入浴を可能とした浴槽への利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る介護用入浴装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る側壁部材を下限位置まで下降させた状態の介護用入浴装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る介護用入浴装置の背面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る浴槽本体に対する循環濾過殺菌ユニットの併置位置を変更した介護用入浴装置の背面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る介護用入浴装置の配管系統図である。
【図6】本発明の実施形態に係る介護用入浴装置の操作パネル部を示す拡大平面図である
【符号の説明】
【0038】
1 介護用入浴装置
2 浴槽本体
3 貯湯槽
6 側壁部材
9 移送配管系
10 循環濾過殺菌ユニット
22 操作パネル部
24 排水スイッチ
27 入浴スイッチ
28 退浴スイッチ
32 排水用モーターバルブ
33 モーターバルブ
34 湯水戻し用配管
35 接続ホース
37 戻し用配管
44 外装カバー
45 外装カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽本体と、該浴槽本体へ供給する湯水を貯湯する貯湯槽と、前記浴槽本体と前記貯湯槽とを配管接続し前記貯湯槽内の湯水を前記浴槽本体へ移送する移送配管系と、前記浴槽本体内で入浴に供した湯水を前記貯湯槽へ戻しつつ湯水の濾過と薬液殺菌を行うことのできる循環濾過殺菌ユニットとを備え、入浴の都度、前記貯湯槽から前記浴槽本体へ新たな湯水を供給し入浴を行うさら湯入浴と、湯水を前記貯湯槽と前記浴槽本体の間で循環させて利用する循環湯入浴の選択がスイッチ操作により行えると共に、前記入浴に供した湯水を排水すると貯湯槽に新たな湯水を自動貯湯することを特徴とする介護用入浴装置。
【請求項2】
前記自動貯湯を行うか否かを選択可能である請求項1記載の介護用入浴装置。
【請求項3】
前記さら湯入浴において排水を開始すると同時に前記貯湯槽に自動貯湯する請求項1または2記載の介護用入浴装置。
【請求項4】
前記循環湯入浴において前記貯湯槽へ戻された湯水量が所定量未満にまで減少している場合は、所定量になるまで前記貯湯槽へ湯水が自動的に補充される請求項1乃至3に記載の介護用入浴装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−99679(P2013−99679A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−45144(P2013−45144)
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2008−231642(P2008−231642)の分割
【原出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000103471)オージー技研株式会社 (109)
【Fターム(参考)】