介護用臀部洗浄浴槽

【課題】 オムツをしている老人がオムツを汚したときに、湯を使用し、座った状態で、容易に臀部だけを洗浄することが出来ること。汚水等の事後処理が簡単にできること。また容易に持ち運ぶことが可能な浴槽であること。
【解決手段】 背板部(8)・手肘置き部(9)・中央部に楕円形の通し孔(12)を有する座椅子部(11)を椅子型に係合した座椅子部(11)の上に、底部の左右位置に腰掛用座部(3)を形設、且つ湯排出孔に栓具(7)を装着した小型浴槽部(1)を嵌合設置し、また座椅子部(11)の下に、汚れた湯などを集溜することができる凹箱型の座椅子容器部(13)を収納配置した介護用臀部洗浄浴槽。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臀部を洗浄するための介護用の浴槽に開するものである。
【背景技術】
【0002】
浴槽に関しては、従来から臀部のみを湯船に浸けるタイプの浴槽は無く、臀部のみが汚れたときは、タライ、桶を代用品として使用している場合が多い。
しかしタライの場合は、大型で重量がある為、その都度、持ち運びが大変であり、湯量も多量に必要とする。桶の場合は、中腰の姿勢であるため安定感がなく疲労しやすく、足腰の弱い老人にはとても使用できない。
浴場でのシャワーの場合は、老人を浴場まで連れて行く必要がある上、風呂場用椅子は背板部や手、肘置き部分が付いてないので老人の姿勢は不安定、且つ老人の臀部は椅子に密着しているので、臀部の洗浄が困難である。
無理に立った状態で洗浄しようとしてもシャワーの場合は、湯・汚れなどが周辺に飛び散るうえ、たとえ老人が取手などに掴まっていても足腰の弱い老人は耐久力がないので、途中で倒れてケガや骨折等をする危惧がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高齢化社会の現代に於いては、老人医療や老人介護の充実が叫ばれ、今日では医療技術の向上、老人介護施設の増設、ホームヘルパー等の介護人材の育成など社会福祉システムは飛躍的に確立されつつあるといえる。しかし老人介護の現場では、人材および介護器具が充分に揃っていない為、旧態依然の方法で介護しているところを多く見受けられる。
【0004】
特に歩行が困難な老人の場合は、離れているトイレまで歩くことが出来ないためオムツに頼らなければならない。オムツが汚れたとき、看護人などは老人の臀部を紙または濡れタオルで拭き取るだけで、まだ清潔な状態でないにも拘わらず、次のオムツに換えているようである。看護、介護する側の人材が以前不足している為、一人の老人に時間を費やすことは出来ないという理由もあるが、労力的にも老人を浴場まで連れて行き、臀部を湯で清潔に洗浄してあげることは大変なことである。従い、老人は少しでも歩行が困難になっただけでオムツにさせられているという風潮がある。一般の家庭の場合でも同様なことが行なわれている様に思われる。人は誰でも年をとり、いつの日か老人になる。老人にとって少しでも快適な介護を受けられる様にするには、それなりの介護器具も必要である。
特にオムツをしている老人にとっては気持ち良く、容易に早く清潔にできる介護用洗浄器具を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に於ける介護用臀部洗浄浴槽は、箱型の浴槽部を小型、軽量にしてあるため持ち運びが容易である。また、この小型浴槽部の底部には一般的に使用されている便座の側板部分と似ている腰掛用座部を左右に分けて形設してある為、臀部が安定し、前後から容易に洗浄が出来る。
この小型浴槽部を、背板部・手肘置き部・座椅子部を係合成型した椅子型の上に嵌合、配置して構成される。従い、老人は中腰の姿勢でなく、座った状態で洗浄を受けられるので疲れることなく、さらに椅子には背板部および手肘置き部が付いているので洗浄中に転倒することもない。
【0006】
また小型浴槽部の底部に湯排出孔を設けて栓具を為し、座椅子部には通し孔を設け、また座椅子部の下部には座椅子容器部が収納されているので、臀部の洗浄後、小型浴槽部内の栓具を抜くだけで、汚れた湯などは小型浴槽部から座椅子の通し孔を通過して、座椅子容器部内に全て集溜される。
【発明実施の形態】
【0007】
発明の実施について図面を参照して説明する。
図1に於いて、箱型の小型浴槽部(1)の基本構造は、底部(2)の左右位置に腰掛用座部(3)を形設するところにある。腰掛用座部(3)の上端の高さは、小型浴槽部(1)の上縁部の高さを越えない。小型浴槽部(1)の上縁部には、前位置に湯跳ね防止前縁部(4)を形設し、後部位置にも湯跳ね防止後縁部(5)を形設する。小型浴槽部(1)の底部(2)は、緩やかな傾斜面で有り、低い部位に湯排出孔(6)を設け、栓具(7)を装着する。
図2に於いて、背板部(8)・手肘置き部(9)・座椅子部(11)を係合成型した椅子の手肘置き部(9)の両内側に湯垂れ防止庇部(10)を形成する。座椅子部(11)には通し孔(12)を設ける。
図3に於いて、座椅子部(11)の下部位置に収納する座椅子容器部(13)であり、後部上縁部に引出し部(14)を形成している。
【実施例】
【0008】
実施例として、図面を参照して説明する。
図4に於いて小型浴槽部(1)内の腰掛用座部(3)の上面を少し越す程度に、お湯を注ぎ入れ、次に老人はズボン等を膝下くらいまで下げて、腰掛用座部(3)に臀部を接して座る。次に介護する者は、ナイロン製の手袋をして、老人の臀部等についた汚れを軽く撫でるように擦れば、汚れはすぐに落ちる。小型浴槽部の中の湯が汚れて交換が必要なとき、老人に少し腰を浮かしてもらい小型浴槽部(1)を取り出し湯の交換を行うことも出来る。その間、老人は座椅子部(11)の方へ座ることも可能である。また汚れた湯の交換は、小型浴槽部(1)の内にある栓具(7)を抜くだけで、自動的に座椅子容器部(13)の中へ汚れた湯等が流れ落ちる。何れの場合でも老人は座った儘々で、容易に洗浄が受けられる介護用臀部洗浄浴槽である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上述の通り構成されているので、以下に記載される効果を有するものである。
【0010】
本発明を使用する場合、紙やタオルを使って拭き取る方法でなく、介護する者はナイロン製の手袋をして、小型浴槽部内の湯を使い、老人の臀部を軽く撫でる様に洗浄できるので、老人の皮膚を傷めず、洗浄時間も掛からず、またタオルも汚れず、臀部等に付着した汚れを湯で容易に洗浄することができるものである。
【0011】
またシャワー洗浄のように湯、汚れなどが周辺に飛び散らず、洗浄後の汚水等は小型浴槽部、または小型浴槽部にある栓部を抜くだけで座椅子部の通し孔を通過し座椅子容器部に流れ落ちて、集溜されるので清潔である。
【0012】
本発明は、小型浴槽部内の腰掛用座部を左右に分けて形設してあるので、老人が座れば、臀部が安定するうえ、介護する者は前からでも後からでも老人を洗浄することが出来る。因って臀部などの汚れを、万遍なく洗浄することができる。
【0013】
また背板部、手肘置き部がある椅子型であるので、足腰の弱い老人を座ったまま洗浄することができるので、老人は疲れることもなく、また洗浄中に倒れて、けが等することもない。
【0014】
老人が洗浄中にトイレにいきたくなったときは、小型浴槽部を外し、座椅子部に直接座って使用することができる。何故なら、座椅子部には楕円形をした便座形状の通し孔が有り、その下には座椅子容器部がある為である。足腰の弱い老人には簡易トイレとしての併用も可能である。
【0015】
本発明は、小型で軽量であり、小型浴槽部と椅子型部分と座椅子容器部に分離して個別に持ち運ぶことも可能である。因って使用後の汚水などの事後処理も、また容器自体の清掃も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 小型浴槽部の斜視図である。
【図2】 通し孔を形成した座椅子部を有する椅子の斜視図である。
【図3】 座椅子容器の斜視図である。
【図4】 介護用臀部洗浄浴槽の斜視図である。
【図5】 介護用臀部洗浄浴槽の縦断面図である。
【符号の説明】
1 小型浴槽部
2 底部
3 腰掛用座部
4 湯跳ね防止前縁部
5 湯跳ね防止後縁部
6 湯排出孔
7 栓具
8 背板部
9 手肘置き部
10 湯垂れ防止庇部
11 座椅子部
12 通し孔
13 座椅子容器部
14 引出し部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型の小型浴槽部(1)の底部(2)の左右位置に腰掛用座部(3)を形設した介護用臀部洗浄浴槽。
【請求項2】
椅子型に背板部(8)・手肘置き部(9)・座椅子部(11)を係合した座椅子部(11)の上に、底部(2)左右位置に腰掛用座部(3)を形設した小型浴槽部(1)を嵌合置させた介護用臀部洗浄浴槽。
【請求項3】
小型浴槽部(1)の底部(2)に湯排出孔(6)を設けて栓具(7)を装着した小型浴槽部(1)を、通し孔(12)を有す座椅子部(11)の上に嵌合配置し、更に座椅子部(11)の下部に座椅子容器部(13)を収納した請求項2記載の介護用臀部洗浄浴槽。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−198358(P2006−198358A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 物理的な治療装置,例.人体のつぼの位置を検出または刺激する装置;人工呼吸;マッサージ;特別な治療または人体の特定の部分のための入浴装置 | 人体の特殊な部分のための入浴,例.胸部灌注浴
生活必需品 | 家具;家庭用品または家庭用設備;コーヒーひき;香辛料ひき;真空掃除機一般 | 他に分類されない衛生設備 | 浴槽;シャワー;それらの付属品 | 浴槽 | 特に特殊な使用に適用されるもの,例.足を洗うためのもの,すわったままで入浴するためのもの
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 物理的な治療装置,例.人体のつぼの位置を検出または刺激する装置;人工呼吸;マッサージ;特別な治療または人体の特定の部分のための入浴装置 | 特別の治療または衛生のための入浴装置
【出願番号】特願2005−36734(P2005−36734)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(502213151)
【Fターム(参考)】
医療用入浴、洗浄装置 | 人体の浴用部位 | 性器(泌尿器を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 人体の浴用部位 | 肛門及びその周辺部
医療用入浴、洗浄装置 | 浴槽(構造又は形態) | 構造又は形態
医療用入浴、洗浄装置 | 浴用物質(流体又は媒体) | 液状のもの | 湯(熱湯を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 浴用媒体供給加工手段 | 液体又は気体を使用する装置 | 湯(熱湯を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 入浴又は洗浄の目的又は効果 | 洗浄
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